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農 業 新 技 術 27 - 新 技 術 の 普 及 に 向 けて-

1 農 業 新 技 術 27 の 決 定 について 農 業 の 競 争 力 強 化 農 産 物 の 安 定 供 給 自 給 率 向 上 国 民 の 健 全 な 食 生 活 の 実 現 等 現 下 の 農 政 課 題 の 解 決 を 図 っていくためには こ れらの 課 題 の 解 決 に 資 する 技 術 の 開 発 を 促 進 することとともに 開 発 された 技 術 を 生 産 現 場 等 にいかに 迅 速 に 普 及 させるかが 極 めて 重 要 です このため 農 林 水 産 省 では 農 業 試 験 研 究 独 法 等 による 農 業 技 術 に 関 する 近 年 の 研 究 成 果 のうち 今 後 早 急 に 現 場 への 普 及 を 推 進 していく 重 要 なものを 農 業 新 技 術 27 として 決 定 しました 今 回 決 定 された 技 術 については 関 係 機 関 相 互 の 緊 密 な 連 携 の 下 現 場 への 迅 速 な 普 及 に 取 り 組 むこととしています

農 業 新 技 術 27( ( 解 説 編 ) 2 生 産 性 が 高 く 高 品 質 な 農 産 物 生 産 に 向 けた 技 術 不 耕 起 汎 用 播 種 機 ページ 技 術 の 概 要 : 水 稲 作 麦 作 大 豆 作 に 汎 用 利 用 が 可 能 な 播 種 機 耕 起 作 業 が 省 略 できる 慣 行 栽 培 とは 同 等 の 収 量 期 待 される 効 果 : 水 稲 作 では 直 播 による 省 力 化 が 期 待 できる さらに 麦 作 大 豆 作 に 汎 用 利 用 することにより 農 機 具 費 の 縮 減 が 期 待 できる 担 い 手 の 規 模 拡 大 に 資 する 開 発 担 当 機 関 : 農 研 機 構 中 央 農 業 研 究 センター 愛 知 県 農 業 総 合 試 験 場 大 豆 の 安 定 多 収 生 産 大 豆 A 技 術 6ページ 技 術 の 概 要 : 水 田 作 大 豆 の 安 定 的 な 収 穫 のポイントとなる 湿 害 回 避 等 を 効 果 的 に 行 うべく 土 壌 条 件 に 応 じた 適 切 な 耕 起 播 種 等 の 栽 培 技 術 を 提 示 期 待 される 効 果 : 高 収 量 (kg/1a)で 高 品 質 な 大 豆 生 産 が 期 待 できる 開 発 担 当 機 関 : 農 研 機 構 大 豆 Aセンター( 現 水 田 輪 作 研 究 チームが 分 担 対 応 ) 超 低 コスト 耐 候 性 ハウス 1ページ 技 術 の 概 要 : 新 部 材 (1 年 以 上 の 耐 久 性 のフィルム) 新 工 法 ( 工 期 が 短 く 強 度 が 高 い 基 礎 工 法 等 )を 用 い 設 置 コストを 割 削 減 し かつ 風 速 5m/sに 耐 える 十 分 な 強 度 も 備 えるハウス 期 待 される 効 果 : 施 設 園 芸 に 係 るコストの 大 幅 な 低 減 が 期 待 できる 開 発 担 当 機 関 : 農 研 機 構 野 菜 茶 業 研 究 所 飼 料 自 給 率 の 向 上 に 向 けた 技 術 稲 発 酵 粗 飼 料 を 全 期 間 給 与 した 肉 用 牛 肥 育 17ページ 技 術 の 概 要 : 肉 用 牛 の 肥 育 時 に 輸 入 乾 草 に 代 えて 稲 発 酵 粗 飼 料 を 給 与 する 慣 行 の 肥 育 と 同 等 の 増 体 とともに 肉 色 の 退 化 が 抑 制 される 期 待 される 効 果 : 飼 料 自 給 率 の 向 上 及 び 水 田 の 有 効 利 用 が 期 待 できる 開 発 担 当 機 関 : 農 研 機 構 畜 産 草 地 研 究 所 同 東 北 農 業 研 究 センター 中 山 間 地 域 等 の 振 興 に 向 けた 技 術 イノシシ サルの 侵 入 防 止 効 果 の 高 い 防 護 柵 2ページ 技 術 の 概 要 : イノシシの 跳 躍 特 性 の 解 析 による 忍 び 返 し ( 金 網 の 折 り 返 し) をつけた 防 護 柵 と サルが 登 りにくく 確 実 に 電 気 ショックを 与 えるネット 型 電 気 柵 期 待 される 効 果 : 野 生 鳥 獣 による 農 作 物 被 害 の 低 減 が 期 待 できる 開 発 担 当 機 関 : 農 研 機 構 近 畿 中 国 四 国 農 業 研 究 センター 国 立 大 学 法 人 京 都 大 学 農 業 新 技 術 27 個 別 技 術 問 い 合 わせ 先 2ページ ( 注 ) 農 研 機 構 は 独 立 行 政 法 人 農 業 食 品 産 業 技 術 総 合 研 究 機 構 の 略 である

1 現 状 と 課 題 不 耕 起 汎 用 播 種 機 我 が 国 の 稲 作 は 農 地 面 積 の 半 分 以 上 を 占 める 水 田 を 利 用 する 重 要 作 物 ですが 1 小 規 模 農 家 が 多 く 資 材 労 力 の 多 投 入 により 生 産 性 が 低 い 2 農 地 集 積 を 果 たした 担 い 手 や 集 落 営 農 組 織 の 作 業 の 一 層 の 効 率 化 を 図 る 必 要 がある 育 苗 田 植 作 業 についてはその 負 担 が 特 に 大 きい といった 課 題 を 抱 えており これらの 解 決 のため 一 層 効 率 的 な 直 播 技 術 の 開 発 が 求 められています 2 技 術 の 開 発 上 記 課 題 を 解 決 するため 春 先 の 農 作 業 負 担 を 大 幅 に 緩 和 することができ 複 数 品 目 で 活 用 可 能 な 不 耕 起 直 播 の 方 法 として 農 研 機 構 中 央 農 業 総 合 研 究 センターは 汎 用 型 不 耕 起 播 種 機 による 乾 田 直 播 技 術 を 愛 知 県 農 業 総 合 試 験 場 は 不 耕 起 V 溝 播 種 機 による 直 播 技 術 を それぞれ 開 発 しました これら 不 耕 起 直 播 技 術 を 導 入 するメリットとして 水 田 輪 作 を 行 う 大 規 模 な 農 業 経 営 ( 戸 共 同 )では9ha 程 度 まで 規 模 拡 大 ができ 農 業 所 得 を 現 状 の2 倍 程 度 に 伸 ばすこ とも 可 能 です 技 術 の 内 容 従 来 重 労 働 多 投 入 であった 水 稲 の 移 植 作 業 について 汎 用 性 がある 不 耕 起 播 種 技 術 を 導 入 することにより 収 量 を 現 状 栽 培 並 みに 維 持 しながら 水 稲 では%の 労 力 削 減 1% 以 上 の 生 産 コスト 低 減 を 実 現 します < 汎 用 型 不 耕 起 播 種 機 による 乾 田 直 播 技 術 > 本 技 術 は 水 稲 小 麦 及 び 大 豆 に 関 する 以 下 の 省 力 栽 培 技 術 の 組 み 合 わせにより 水 田 輪 作 体 系 でのトータルな 省 力 化 低 コスト 化 生 産 性 向 上 を 狙 うものです < 水 稲 > < 小 麦 > < 大 豆 > 乾 田 不 耕 起 直 播 栽 培 不 耕 起 栽 培 不 耕 起 狭 畦 栽 培 本 技 術 に 必 要 な 汎 用 型 不 耕 起 播 種 機 の 価 格 は 約 6 万 円 (6 条 用 畦 幅 cm)です 強 制 回 転 する 作 溝 ディスクが 前 作 残 渣 を 切 断 しながら 播 種 溝 を 形 成 し 施 肥 播 種

技 術 の 内 容 (つづき) < 不 耕 起 V 溝 播 種 機 による 直 播 技 術 > 本 技 術 は 水 稲 及 び 小 麦 に 関 する 以 下 の 省 力 栽 培 技 術 の 組 み 合 わせにより 水 田 輪 作 体 系 でのトータルな 省 力 化 低 コスト 化 生 産 性 向 上 を 狙 うものです < 水 稲 > 不 耕 起 V 溝 直 播 栽 培 < 小 麦 > 早 生 品 種 イワイノダイチ の 不 耕 起 直 播 + 肥 効 調 節 型 肥 料 栽 培 (1 月 下 旬 ) < 共 通 > 農 閑 期 特 に 冬 季 間 に 圃 場 均 平 麦 わら 鋤 込 み 漏 水 対 策 のための 代 かき( 又 は 浅 耕 鎮 圧 )を 実 施 本 技 術 に 必 要 な 不 耕 起 V 溝 播 種 機 の 価 格 は 約 2 万 円 (1 条 用 畦 幅 2cm)です 効 果 有 益 性 幅 2cm 深 さ5cmのV 溝 に 播 種 し 播 種 深 度 が 深 いため 鳥 害 や 倒 伏 を 軽 減 できる 不 耕 起 V 溝 播 種 機 の 作 溝 輪 ( 溝 幅 が 狭 く 大 豆 の 播 種 には 不 適 ) < 汎 用 型 不 耕 起 播 種 機 による 乾 田 直 播 技 術 > いずれの 作 物 についても 収 量 は 現 状 並 みからやや 多 く 労 働 時 間 も 削 減 可 能 です 特 に 水 稲 の 労 働 時 間 は6 割 程 度 削 減 することが 可 能 です また 作 物 で 併 用 できる ので 播 種 機 の 償 却 費 が 大 幅 に 低 減 します 6 2 慣 行 不 耕 起 労 働 時 間 ( 時 間 /1a) 16 12 8 慣 行 不 耕 起 水 稲 小 麦 大 豆 収 量 (kg/1a) 注 ) 結 果 はいずれも 茨 城 県 の 実 証 デ-タ 水 稲 小 麦 大 豆 < 不 耕 起 V 溝 播 種 機 による 直 播 技 術 > 稲 麦 ともに 収 量 は 現 状 並 みからやや 多 く 水 稲 の 労 働 時 間 は 割 削 減 可 能 です 6 12 収 量 (kg/1a) 慣 行 不 耕 起 労 働 時 間 ( 時 間 /1a) 8 慣 行 不 耕 起 2 水 稲 小 麦 水 稲 小 麦 注 ) 水 稲 についてはコシヒカリの 現 地 調 査 データ 小 麦 について 収 量 はイワイノダイチの 試 験 場 データ 労 働 時 間 は 試 算 値

5 効 果 有 益 性 (つづき) < 汎 用 型 不 耕 起 播 種 機 の 導 入 事 例 > 汎 用 型 不 耕 起 播 種 機 項 目 ディスク 駆 動 式 不 耕 起 播 種 県 慣 行 栽 培 品 目 水 稲 小 麦 大 豆 水 稲 小 麦 大 豆 6kg 当 たり 費 用 合 計 ( 円 /1a) 7,17 7,7 8, 1,86 7,26 11,596 同 上 輪 作 加 重 平 均 労 働 時 間 ( 時 間 /1a) 6.1 7,8 2..8 15. 1,12. 7. 同 上 輪 作 加 重 平 均 単 収 (kg/1a) 9.9 5 29 51 8. 26 2 茨 城 県 における 現 地 実 証 試 験 に 基 づく 試 算 結 果 ( 平 成 18 年 慣 行 栽 培 は 平 成 16 年 ) 不 耕 起 水 稲 の 圃 場 は( 平 成 18 年 ) 地 力 の 不 足 不 均 一 により 穂 数 不 足 が 生 じたため 減 収 基 幹 労 働 力 は5 名 区 画 は 平 坦 地 aの 水 田 で 経 営 面 積 は9ha 転 作 率 は1/ 不 耕 起 V 溝 播 種 機 項 目 A 農 家 B 農 家 全 国 平 均 家 族 ( 人 ) 2 - 水 田 区 画 a 区 画 1a 区 画 - 水 稲 栽 培 技 術 V 溝 直 播 V 溝 直 播 移 植 - 経 営 面 積 (ha) 1 19 7-6kg 当 たり 費 用 合 計 ( 円 /1a) 1,58 8,811 9,79 9,89 家 族 労 働 時 間 ( 時 間 /1a) 7. 8.2 12.1 1.9 単 収 (kg/1a) 51 528 51 511 愛 知 県 における 稲 作 への 導 入 事 例 調 査 結 果 ( 平 成 17 年 ) 全 国 平 均 は15ha 以 上 階 層 の 値 5 普 及 の 対 象 < 汎 用 型 不 耕 起 播 種 機 による 乾 田 直 播 技 術 > 主 に 関 東 地 方 の 水 田 二 年 三 作 経 営 (1ha 以 上 )において 活 用 されることにより 効 果 が 期 待 されます < 不 耕 起 V 溝 播 種 機 による 直 播 技 術 > 主 に 水 田 輪 作 を 行 う 大 規 模 稲 作 経 営 (1ha 以 上 )において 活 用 されることにより 効 果 が 期 待 されます 6 その 他 本 技 術 については 生 産 性 限 界 打 破 事 業 担 い 手 経 営 革 新 促 進 事 業 強 い 農 業 づくり 交 付 金 が 活 用 可 能 であり 事 業 実 施 主 体 が 新 たに 麦 大 豆 を 生 産 する 場 合 の 実 践 経 費 や 新 た に 機 械 を 整 備 する 場 合 の 経 費 などに 対 し 国 の 助 成 を 受 けることができます

6 大 豆 の 安 定 多 収 生 産 大 豆 A 技 術 1 現 状 と 課 題 1 不 耕 起 狭 畦 栽 培 技 術 我 が 国 の 暖 地 温 暖 地 を 中 心 とした 水 田 における 大 豆 生 産 は 1 諸 外 国 に 比 べて 低 い 単 収 2 小 規 模 栽 培 による 低 い 生 産 性 といった 課 題 を 抱 えており これらを 解 決 する 技 術 の 開 発 が 求 められています 2 技 術 の 開 発 上 記 課 題 を 解 決 するため 農 研 機 構 は 大 豆 A 研 究 センター を 設 置 し 大 豆 の 不 耕 起 狭 畦 栽 培 技 術 を 開 発 しました この 技 術 を 導 入 することにより 大 豆 作 を 行 う 農 業 経 営 の 場 合 慣 行 の 栽 培 技 術 に 比 べて 労 働 時 間 を 約 割 削 減 でき 生 産 コストを 増 加 させずにkg/1a どりも 可 能 となります 技 術 の 内 容 慣 行 栽 培 では 耕 起 整 地 の 後 に 施 肥 播 種 及 び 中 耕 を 行 っていた 大 豆 の 播 種 管 理 作 業 について 不 耕 起 狭 畦 栽 培 技 術 を 導 入 することにより 労 力 の 約 % 削 減 を 図 るとともに 適 期 播 種 の 実 現 により1% 程 度 の 多 収 を 可 能 とするものです < 不 耕 起 狭 畦 栽 培 技 術 > 本 技 術 は 不 耕 起 狭 畦 播 種 無 中 耕 無 培 土 から 構 成 されており それぞれ 1 耕 起 整 地 作 業 を 省 略 し 従 来 の 半 分 の 畦 幅 ( 狭 畦 )で 施 肥 播 種 を 一 工 程 で 実 施 できる 2 不 耕 起 狭 畦 であり 畝 間 の 雑 草 の 発 生 を 抑 制 できる ことから 中 耕 作 業 は 省 略 できる といった 利 点 があり これらの 組 み 合 わせにより トー タルな 省 力 化 低 コスト 化 生 産 性 の 向 上 を 狙 います 不 耕 起 播 種 技 術 に 必 要 な 播 種 機 械 の 価 格 は 6 条 用 で 約 6 万 円 です この 場 合 ha 程 度 の 規 模 の 経 営 であれば さらに1ha 程 度 の 規 模 拡 大 により 年 償 却 額 約 5 万 円 の 償 却 が 可 能 となります 麦 跡 における 大 豆 の 不 耕 起 播 種 藁 溝 切 り 部 5cm 種 子 不 耕 起 播 種 では 前 作 の 藁 を 切 断 しながら 溝 を 切 り 播 種 し 他 の 部 分 は 耕 さない

7 効 果 有 益 性 関 東 地 域 における 実 証 試 験 12 慣 行 より6% 向 上 (12 kg/ 1 a) 慣 行 より1% 向 上 (,6 時 間 /1a) 慣 行 より79% 向 上 (2.7 kg/ 1 a) 1 対 慣 行 比 (%) 8 6 2 単 収 (kg/1a) 労 働 時 間 (hr/1a) 雑 草 量 (kg/1a) 慣 行 栽 培 不 耕 起 狭 畦 栽 培 大 豆 の 安 定 多 収 生 産 大 豆 A 技 術 の 導 入 事 例 項 目 不 耕 起 狭 畦 省 力 栽 培 技 術 県 慣 行 栽 培 調 査 年 次 平 成 17 年 平 成 18 年 平 成 16 年 6kg 当 たり 費 用 合 計 ( 円 /1a) 6,8 8, 11,596 家 族 労 働 時 間 ( 時 間 /1a).5.8 7. 単 収 (kg/1a) 265 29 2 茨 城 県 における 現 地 実 証 試 験 に 基 づく 試 算 結 果 基 幹 労 働 力 は5 名 区 画 は 平 坦 地 aの 水 田 で 大 豆 栽 培 面 積 は16ha 5 普 及 の 対 象 黒 ボク 土 や 排 水 性 の 良 い 灰 色 低 地 土 における 乾 田 地 域 の 水 田 作 経 営 (1ha 以 上 )で 活 用 されることにより 効 果 が 期 待 されます 6 その 他 本 技 術 については 担 い 手 経 営 革 新 促 進 事 業 及 び 強 い 農 業 づくり 交 付 金 が 活 用 可 能 であり 担 い 手 が 新 たに 麦 大 豆 を 生 産 する 場 合 の 実 践 経 費 や 共 同 で 新 たに 機 械 を 整 備 する 場 合 の 経 費 などに 対 し 国 の 助 成 を 受 けることができます

8 大 豆 の 安 定 多 収 生 産 大 豆 A 技 術 1 現 状 と 課 題 2 浅 耕 播 種 技 術 有 芯 部 分 耕 栽 培 技 術 降 水 量 が 多 い 時 期 に 排 水 不 良 となる 水 田 転 換 畑 では 1 発 芽 不 良 や 苗 立 ち 不 足 2 生 育 前 半 の 生 育 不 良 といった 湿 害 症 状 が 現 れるため これらを 解 決 する 技 術 の 開 発 が 求 められています 2 技 術 の 開 発 上 記 課 題 を 解 決 するため 農 研 機 構 は 大 豆 A 研 究 センター を 設 置 し 部 分 耕 播 種 により 解 決 する 大 豆 の 浅 耕 栽 培 技 術 と 有 芯 部 分 耕 栽 培 技 術 を 開 発 しました この 技 術 を 導 入 することにより 大 豆 作 を 行 う 農 業 経 営 の 場 合 慣 行 の 栽 培 技 術 に 比 べて 既 存 の 機 械 を 活 用 したままで 湿 害 が 軽 減 でき 収 量 が 改 善 します 技 術 の 内 容 従 来 寒 冷 地 以 南 の 大 豆 栽 培 地 帯 では 播 種 適 期 が 梅 雨 と 重 なり 降 雨 が 多 い 年 で は 播 種 作 業 の 遅 れ 苗 立 ちの 不 足 生 育 不 良 が 生 じ 収 量 低 下 の 原 因 となってい ます 既 存 のロータリー 播 種 機 を 活 用 した 浅 耕 栽 培 や 有 芯 部 分 耕 栽 培 の 導 入 により 低 コスト で 湿 害 の 軽 減 が 可 能 となり 収 量 の 改 善 が 実 現 します サイドディスク 補 強 フレーム 施 肥 播 種 ユニット < 浅 耕 栽 培 技 術 > 本 技 術 は 赤 黄 色 土 において 1 既 存 のロー タリー 播 種 機 の 耕 起 深 度 を 浅 く( 土 壌 表 面 から 5cm 程 度 ) 設 定 して 耕 起 するとともに 2 既 存 のロータリー 播 種 機 を 改 良 し 耕 起 した 部 分 の 両 側 に 小 明 渠 を 作 溝 するようにし さらに 耕 起 作 溝 施 肥 播 種 を 一 工 程 で 実 施 するこ とにより 土 壌 表 面 の 排 水 性 が 向 上 し トータ ルな 省 力 化 生 産 性 の 向 上 が 狙 えるというもの です また 播 種 機 の 改 造 経 費 は2 万 円 程 度 であ り 麦 栽 培 にも 適 用 可 能 です 浅 耕 栽 培 用 播 種 機 畦 成 形 板 ロータリ 浅 耕 ( 右 耕 深 5cm 程 度 ) では 麦 稈 と 土 壌 の 適 度 な 混 和 により クラスト 形 成 は 抑 えられ 良 好 な 発 芽 が 得 られる

9 技 術 の 内 容 (つづき) < 有 芯 部 分 耕 栽 培 技 術 > 本 技 術 は 既 存 のロータリー 播 種 機 の 播 種 床 に 位 置 する 部 分 の 爪 を 除 去 した 上 で 耕 起 施 肥 播 種 を 行 います これにより 耕 起 部 の 排 水 促 進 により 湿 害 を 回 避 で きるとともに 不 耕 起 部 の 水 分 が 有 芯 部 分 耕 における 土 壌 断 面 保 持 されることにより 乾 燥 害 を 回 避 できます また 本 技 術 はロータリー 爪 の 取 外 しと 付 替 えによって 作 業 を 行 うことができるので 新 たな 経 費 は 不 要 です 効 果 有 益 性 浅 耕 栽 培 および 有 芯 部 分 耕 栽 培 の 実 証 試 験 データ 例 ( 単 収 ) 対 慣 行 百 分 比 (%) 12 115 11 15 1 95 9 浅 耕 栽 培 慣 行 より1% 向 上 東 海 地 域 28 kg/1 a 単 収 (kg/1a) 慣 行 有 芯 部 分 耕 栽 培 慣 行 より1% 向 上 東 北 地 域 268 kg/1 a 単 収 (kg/1a) 新 技 術 耕 起 法 と 作 業 速 度 の 関 係 栽 培 法 播 種 作 業 速 度 (km/h) 浅 耕 栽 培 2.9 有 芯 部 分 耕 栽 培.8 ~ 2. 作 業 時 間 について( 耕 起 施 肥 播 種 作 業 のみ) 慣 行 栽 培 に 比 べて 浅 耕 栽 培 有 芯 部 分 耕 栽 培 では5% 削 減

1 5 普 及 の 対 象 湿 害 の 発 生 が 懸 念 される 灰 色 低 地 土 赤 黄 色 土 黒 ボク 土 など 様 々な 土 壌 の 圃 場 に 適 用 可 能 で 現 状 規 模 の 水 田 作 経 営 において 活 用 されることが 期 待 されます 6 その 他 本 技 術 については 担 い 手 経 営 革 新 促 進 事 業 及 び 強 い 農 業 づくり 交 付 金 が 活 用 可 能 であり 担 い 手 が 新 たに 麦 大 豆 を 生 産 する 場 合 の 実 践 経 費 や 共 同 で 新 たに 機 械 を 整 備 する 場 合 の 経 費 などに 対 し 国 の 助 成 を 受 けることができます

11 大 豆 の 安 定 多 収 生 産 大 豆 A 技 術 1 現 状 と 課 題 耕 うん 同 時 畝 立 て 播 種 技 術 北 陸 地 方 を 中 心 とした 粘 土 が 多 い 灰 色 低 地 土 水 田 転 換 畑 における 大 豆 栽 培 では 土 壌 の 排 水 が 不 良 であり 砕 土 性 も 悪 いことから 1 播 種 時 期 の 湿 害 や 過 乾 燥 2 生 育 前 半 の 湿 害 等 により 例 年 大 豆 の 発 芽 や 生 育 が 停 滞 するという 課 題 を 掲 げ ており これらを 解 決 する 技 術 の 開 発 が 求 められています 2 技 術 の 開 発 上 記 課 題 を 解 決 するため 農 研 機 構 は 大 豆 A 研 究 センター を 設 置 し アップカットロータリーにより 十 分 に 砕 土 し 畝 立 て 栽 培 を 行 うことにより 解 決 する 大 豆 の 耕 うん 同 時 畝 立 て 播 種 栽 培 技 術 を 開 発 しました この 技 術 を 導 入 することにより 各 地 の 実 証 圃 場 で1~2 割 の 増 収 が 示 され kg/1aの 単 収 も 期 待 できます 技 術 の 内 容 従 来 灰 色 低 地 土 地 帯 における 水 田 大 豆 作 は 排 水 不 良 により 発 芽 や 生 育 が 不 良 となることから 単 収 の 不 安 定 性 やしわ 粒 等 の 発 生 の 原 因 となっていました 本 技 術 を 導 入 すれば 畝 立 てにより 種 子 位 置 が 地 下 水 位 から 相 対 的 に 高 いため 湿 害 が 軽 減 され 1% 以 上 の 増 収 も 可 能 となります < 耕 うん 同 時 畝 立 て 播 種 技 術 > 本 技 術 は 耕 うん 軸 をホルダー 型 にしたアップカットロータリーを 使 用 して 1 砕 土 を 十 分 に 行 う( 土 塊 が2cm 以 下 )とともに 21cm 程 度 の 高 さまで 畝 立 て した 上 で 播 種 を 行 うものであり これにより 生 産 性 の 向 上 を 狙 います また 播 種 後 は 通 常 の 管 理 で 十 分 であり 麦 そばの 播 種 にも 活 用 でき 湿 害 も 軽 減 できます 2 条 用 耕 うん 同 時 畝 立 て 播 種 作 業 機 畝 立 て 播 種 では 種 子 の 位 置 が 地 下 水 位 か ら 相 対 的 に 高 いため 湿 害 を 軽 減 できる

12 技 術 の 内 容 (つづき) 本 技 術 に 必 要 なアップカットロータリーの 価 格 は 2 条 用 で 約 72 万 円 ( 播 種 部 は 既 存 のものを 使 用 )ですが 本 技 術 の 導 入 により 単 収 の 向 上 が 見 込 まれることか ら 例 えば 播 種 機 は 既 存 のものを 利 用 し 大 豆 収 量 が 約 1~2 割 増 加 した 場 合 約 ~haの 作 付 面 積 で 作 業 機 の 導 入 経 費 を 回 収 することができます 効 果 有 益 性 北 陸 地 域 を 中 心 とした 実 証 試 験 データ 例 ( 坪 刈 り 調 査 ) 慣 行 より2% 向 上 (11 本 /m 2 ) 慣 行 より2% 向 上 (5kg/1a) 慣 行 より9% 向 上 (.9g) 対 慣 行 百 分 比 (%) 1 12 1 8 6 2 慣 行 畝 立 て 播 種 苗 立 数 ( 本 /m 2 ) 坪 刈 り 単 収 (kg/1a) 百 粒 重 (g) 5 普 及 の 対 象 灰 色 低 地 土 等 の 排 水 性 が 不 良 であったり 積 雪 により 播 種 適 期 が 短 い 地 域 の 水 田 作 経 営 (1ha 以 上 )において 活 用 されることにより 効 果 が 期 待 されます 6 その 他 本 技 術 については 担 い 手 経 営 革 新 促 進 事 業 及 び 強 い 農 業 づくり 交 付 金 が 活 用 可 能 であり 担 い 手 が 新 たに 麦 大 豆 を 生 産 する 場 合 の 実 践 経 費 や 共 同 で 新 たに 機 械 を 整 備 する 場 合 の 経 費 などに 対 し 国 の 助 成 を 受 けることができます

1 慣 行 区 畝 立 栽 培 区 5 1 15 2 コラム: 大 豆 しわ 粒 の 症 状 と 発 生 低 減 化 について < 大 豆 しわ 粒 の 症 状 について> 大 豆 のしわ 粒 は ちりめんじわ と 亀 甲 じわ に 大 きく 分 けられます ちりめんじわ は 子 実 のへその 反 対 側 の 子 葉 組 織 と 種 皮 が 収 縮 して 発 生 します また 亀 甲 じわ は 成 熟 期 後 の 降 雨 等 に 吸 水 乾 燥 の 繰 り 返 しにより 種 皮 と 子 葉 が 剥 離 したもので 亀 甲 状 の 隆 起 が 発 生 します <ちりめんじわ 粒 の 発 生 低 減 に 向 けて> ちりめんじわ 粒 と 亀 甲 じわ 粒 ( 右 ) ちりめんじわ の 発 生 は 作 物 体 の 老 化 の 進 行 ( 早 期 落 葉 )が 影 響 していることが 分 か りました 老 化 は 子 実 肥 大 期 の 日 照 不 足 等 のストレスや 生 育 初 期 の 湿 害 による 根 粒 着 生 数 の 減 少 や 子 実 肥 大 期 の 葉 色 低 下 が 原 因 とされています 老 化 の 抑 制 には 子 実 肥 大 期 頃 の 作 物 体 の 栄 養 状 態 の 改 善 が 有 効 であることが 示 されています そのため 麦 跡 栽 培 ではレーキ 付 正 転 ロータリ 等 による 深 耕 粘 土 含 量 が 高 く 排 水 不 良 なほ 場 では 耕 うん 同 時 畝 立 て 播 種 機 による 畝 立 栽 培 の 導 入 といった 土 壌 環 境 の 改 善 と シグモイド 型 被 覆 尿 素 の 基 肥 施 用 や 追 肥 石 灰 窒 素 や 被 覆 尿 素 の 深 層 施 肥 微 量 要 素 肥 料 の 施 肥 など 植 物 体 の 窒 素 無 機 栄 養 状 態 の 改 善 も 併 せた 対 策 を 図 ることが 有 効 です ちりめんじわ 粒 率 (%) 2 15 1 5 慣 行 区 畝 立 栽 培 区 慣 行 区 畝 立 栽 培 区 耕 うん 同 時 畝 立 て 播 種 機 による 畝 立 て 播 種 栽 培 における しわ 粒 率 収 量 の 変 化 ( 出 典 : 新 潟 県 農 業 総 合 研 究 所 ) 2 1 収 量 (kg/1a) ちりめんじわ 粒 率 (%) 5 2 1 慣 行 区 被 覆 尿 素 区 慣 行 区 被 覆 尿 素 区 2 1 シグモイド 型 被 覆 尿 素 肥 料 の 基 肥 施 用 におけるしわ 粒 率 収 量 の 変 化 について( 出 典 : 富 山 県 農 業 技 術 センター) 注 ) 基 肥 施 用 量 被 覆 尿 素 肥 料 区 :2kgN/1a+15kgN/1a(LPSS1) 慣 行 区 :2kgN/1a 収 量 (kg/1a) < 亀 甲 じわ 粒 の 発 生 低 減 に 向 けて> 亀 甲 じわ の 発 生 を 少 なくするためには 従 来 より 早 く 刈 り 取 りを 行 うことが 有 効 です これまでコンバイン 収 穫 の 開 始 時 期 は 成 熟 期 の 数 日 後 とされていましたが 成 熟 期 前 後 の 子 実 の 平 均 水 分 が22% 以 下 に 低 下 した 時 点 で ただちに 収 穫 することにより 亀 甲 じわ 粒 の 発 生 を 低 減 することができます < 総 合 的 な 対 策 の 必 要 性 > 大 豆 のしわ 粒 の 発 生 の 要 因 は まだ 解 明 されなければならない 点 が 多 い 状 況 です 特 に ちりめんじわ 粒 の 発 生 を 少 なくするには 特 定 の 技 術 を 画 一 的 に 導 入 すれば 解 決 するもの ではありません 作 付 けする 圃 場 に 対 応 した 最 適 な 対 策 を 講 じることが 重 要 です 大 豆 しわ 粒 対 策 に 関 する 情 報 を 掲 載 しています 北 陸 地 域 に 多 発 する 大 豆 しわ 粒 発 生 のしくみと 対 策 技 術 ( 農 研 機 構 中 央 農 業 研 究 センター) http://narc.naro.affrc.go.jp/inada/soybean/soybean-pam.pdf

1 1 現 状 と 課 題 超 低 コスト 耐 候 性 ハウス 輸 入 農 産 物 の 増 加 担 い 手 の 高 齢 化 等 我 が 国 の 施 設 園 芸 を 取 り 巻 く 環 境 が 厳 しさを 増 す 中 生 産 性 と 収 益 性 の 大 幅 な 向 上 が 急 務 となっています このような 状 況 に 適 切 に 対 応 するためには 施 設 の 大 型 化 を 図 り 合 理 的 な 栽 培 技 術 へと 転 換 を 図 ることが 有 効 です しかし 十 分 な 耐 候 性 を 備 え 周 年 栽 培 が 可 能 な 大 型 鉄 骨 ハウスは 設 置 コストが 高 額 で 経 営 への 負 担 が 大 きいという 事 情 があります 2 技 術 の 開 発 上 記 課 題 を 解 決 するため 農 研 機 構 野 菜 茶 業 研 究 所 は 農 研 機 構 農 村 工 学 研 究 所 公 立 大 学 法 人 大 阪 府 立 大 学 グリンテック( 株 ) MKVプラテック( 株 ) 愛 知 県 農 業 総 合 試 験 場 と 共 同 で ハウス 建 設 コストを 大 幅 に 低 減 するための 新 しい 技 術 の 研 究 を 行 い 耐 風 性 が 十 分 で 軒 高 の 高 い 超 低 コスト 耐 候 性 ハウス を 開 発 しました 技 術 の 内 容 従 来 設 置 コストが 高 額 であった 大 型 鉄 骨 ハウスについて 十 分 な 耐 候 性 を 確 保 した 上 で 建 設 コスト 施 工 期 間 を 大 幅 に 削 減 可 能 な 技 術 です 超 低 コストハウスは 以 下 の つの 技 術 により 構 成 されます <パイプ 斜 杭 基 礎 > 土 地 を 掘 削 する 必 要 がないため 施 工 期 間 が 短 く 一 般 的 な 基 礎 の 1.5 倍 以 上 ( 約 2t)の 引 抜 き 耐 性 を 確 保 する 新 工 法 < 屋 根 ユニット 工 法 > 汎 用 の 薄 板 軽 量 形 鋼 を 用 い ユニット 化 した 屋 根 部 分 を 地 上 で 組 み 立 てクレーンで 吊 り 上 げる 安 全 かつ 迅 速 な 新 工 法 パイプ 斜 杭 基 礎 < 新 被 覆 資 材 > 1 年 以 上 の 耐 久 性 を 備 える 低 コストで 軽 量 な 新 PO 系 フィルム 屋 根 ユニットの 地 上 組 立 て( 上 )とクレーン による 吊 上 げ( 右 )

15 効 果 有 益 性 < 建 設 コストの 削 減 > ハウス 本 体 の 建 設 コストは 1a 当 たり 約 7 万 円 であり 従 来 型 鉄 骨 ハウスの57% に 削 減 することが 可 能 です( 約 2,m2 規 模 のハウスの 場 合 ) < 工 期 の 短 縮 > 従 来 工 法 の 全 建 設 工 程 (17 人 日 /1a)を 約 割 削 減 することが 可 能 です 建 設 日 数 は 基 礎 と 屋 根 部 を 同 時 並 行 で 施 工 できることなどにより 従 来 工 法 の 約 1/ に 短 縮 可 能 です( 平 均 作 業 人 数 人 で 約 25 日 )( 床 面 積 27m 6m(972m2)の 実 証 モデルハウスの 場 合 ) < 設 計 強 度 > 以 下 の 基 準 を 確 保 しています 耐 風 性 5m/s 耐 雪 性 kg/m2 作 物 荷 重 15kg/m2 経 費 ( 万 円 ) ユニット 工 法 ハウスの 建 設 コスト 試 算 (1, m 2 当 たり) 12 1 8 6 2 被 覆 作 業 工 賃 ( 万 円 ) 被 覆 資 材 費 ( 万 円 ) ハウス 建 設 工 賃 ( 万 円 ) ハウス 建 設 部 材 費 ( 万 円 ) 基 礎 部 材 工 賃 ( 万 円 ) 従 来 型 ハウス 新 工 法 ハウス ユニット 工 法 ハウスの 構 造 ( 寸 法 の 単 位 :mm) 超 低 コスト 耐 候 性 ハウスの 外 観

16 5 普 及 の 対 象 本 技 術 では 耐 風 性 5m/sの 園 芸 用 大 型 ハウス(1,~,m2 軒 高.5m)を 対 象 としています 6 その 他 本 技 術 については 強 い 農 業 づくり 交 付 金 生 産 性 限 界 打 破 事 業 産 地 生 産 拡 大 プロ ジェクト 支 援 事 業 技 術 革 新 波 及 対 策 事 業 が 活 用 可 能 であり 施 設 栽 培 における 大 幅 な コスト 低 減 を 図 る 低 コスト 耐 候 性 ハウスの 整 備 について 国 の 助 成 を 受 けることができ ます

17 稲 発 酵 粗 飼 料 を 全 期 間 給 与 した 肉 用 牛 肥 育 1 現 状 と 課 題 我 が 国 の 畜 産 業 は 輸 入 飼 料 に 依 存 した 生 産 体 系 となっており 12%と 低 迷 している 飼 料 自 給 率 の 向 上 2 家 畜 排 せつ 物 の 適 正 な 農 地 還 元 による 資 源 循 環 型 畜 産 の 推 進 が 課 題 となっています このような 状 況 の 中 飼 料 の 増 産 のためには 水 田 における 効 果 的 な 飼 料 作 物 の 生 産 を 推 進 することが 重 要 であり 特 に 稲 作 農 家 にとっては 作 りやすく 畜 産 農 家 にとっては 飼 料 価 値 の 高 い 飼 料 作 物 として 稲 発 酵 粗 飼 料 ( 稲 の 籾 だけでなく 茎 葉 も 含 めて 発 酵 させ たもの)の 給 与 技 術 の 開 発 と 稲 発 酵 粗 飼 料 専 用 品 種 の 開 発 が 求 められています 2 技 術 の 開 発 上 記 課 題 を 解 決 するため 農 研 機 構 畜 産 草 地 研 究 所 が 中 心 となって 稲 発 酵 粗 飼 料 を 肉 用 牛 に 肥 育 全 期 間 給 与 する 飼 料 イネ 給 与 による 肥 育 技 術 を 開 発 しました また 農 研 機 構 東 北 農 業 研 究 センターでは 稲 発 酵 粗 飼 料 専 用 品 種 べこあおば を 開 発 しました これらの 技 術 を 導 入 することにより 従 来 の 輸 入 乾 草 を 稲 発 酵 粗 飼 料 に 置 き 換 えること により 飼 料 自 給 率 の 向 上 に 貢 献 するほか 飼 料 イネの 生 産 を 通 じて 資 源 循 環 型 畜 産 の 推 進 が 期 待 できます 技 術 の 内 容 < 稲 発 酵 粗 飼 料 の 肥 育 全 期 間 給 与 技 術 > 従 来 肉 用 牛 の 肥 育 時 に 給 与 されていた 稲 わらやチモシー 乾 草 に 替 えて 稲 発 酵 粗 飼 料 を 全 期 間 給 与 しても 日 増 体 量 や 枝 肉 成 績 に 影 響 はなく 肥 育 牛 への 使 用 は 可 能 です また 稲 発 酵 粗 飼 料 を 給 与 した 肉 は 脂 質 酸 化 が 従 来 の 肥 育 方 法 に 比 べて 低 く 肉 色 の 変 化 も 小 さいという 効 果 も 認 められます このため 輸 入 乾 草 に 替 えて 稲 発 酵 粗 飼 料 を 肥 育 牛 に 全 期 間 給 与 することにより 飼 料 自 給 率 向 上 や 水 田 の 有 効 利 用 が 期 待 できます ただし 脂 肪 交 雑 率 を 特 に 重 視 したビタミ ンA 制 御 型 肥 育 においては 稲 発 酵 粗 飼 料 の 全 期 間 給 与 が 可 能 かどうか 現 在 検 討 中 です ( 肥 育 中 期 の 給 与 は 控 えた 方 がよいとの 知 見 もあるため) 蛍 光 灯 下 で6 日 間 保 存 したロース 肉 稲 発 酵 粗 飼 料 給 与 の 牛 肉 通 常 の 飼 料 給 与 の 牛 肉

18 技 術 の 内 容 (つづき) < 稲 発 酵 粗 飼 料 専 用 品 種 べこあおば > 本 品 種 は 東 北 中 部 以 南 向 けの 品 種 として 育 成 され 1 熟 期 は 中 生 の 晩 に 属 し 乾 物 重 が 高 い 2 耐 倒 伏 性 に 優 れ 直 播 栽 培 に 適 する 多 肥 栽 培 でも 倒 伏 せず 耐 肥 性 に 優 れる といった 特 性 があります べこあおば の 主 要 特 性 品 種 名 出 穂 期 黄 熟 期 TDN 含 量 TDN 収 量 ( 月 日 ) ( 月 日 ) (%) (kg/a) 耐 倒 伏 性 べこあおば 8.7 9.1 61.9 85 強 クサユタカ 8.9 9.21 61. 92 強 ふくひびき 8. 9. 62.9 77 強 べこあおば の 草 姿 べこあおば の 直 播 栽 培 での 特 性 品 種 名 苗 立 率 稈 長 倒 伏 乾 物 重 (%) cm -5 (kg/a) べこあおば 88 62. 156 クサユタカ 75 81 2.8 169 ふくひびき 97 67 1.2 16 効 果 有 益 性 < 増 体 効 果 > 全 期 間 稲 発 酵 粗 飼 料 の 給 与 による 増 体 効 果 は 従 来 の 飼 養 方 法 とほぼ 同 じです 2 1 試 験 1 ( 交 雑 種 牛 ) 肥 育 前 体 重 (kg) 1 2 試 験 2 ( 交 雑 種 去 勢 牛 ) 試 験 ( 黒 毛 和 種 去 勢 牛 ) 1 9 8 7 6 5 試 験 1 ( 交 雑 種 牛 ) 肥 育 終 了 時 体 重 (kg) 1 2 試 験 2 ( 交 雑 牛 去 勢 牛 ) 試 験 ( 黒 毛 和 種 去 勢 牛 ) 稲 発 酵 粗 飼 料 給 与 通 常 の 飼 料 ( 稲 わら 又 はチモシー 乾 草 ) 給 与

19 効 果 有 益 性 (つづき) < 枝 肉 成 績 > 全 期 間 稲 発 酵 粗 飼 料 の 給 与 による 枝 肉 成 績 は 従 来 の 飼 養 方 法 とほぼ 同 じです 試 験 名 試 験 区 枝 肉 重 量 (kg) ロース 面 積 (m2) 歩 留 基 準 BMS BCS 試 験 1 稲 WCS 56 6.5 68. 2.8 5. 交 雑 種 牛 従 来 方 法 51 5. 7.1.8. 試 験 2 稲 WCS 21 7. 7...7 去 勢 牛 従 来 方 法 95 5. 7..8. 試 験 稲 WCS 16 5.2 7.1.5.2 黒 毛 和 種 去 勢 牛 従 来 方 法 11 7. 7.5.8. 5 普 及 の 対 象 BMS: 牛 脂 肪 交 雑 基 準 BCS: 牛 肉 色 基 準 全 国 の 肉 用 牛 肥 育 経 営 において 活 用 されることにより 効 果 が 期 待 されます 6 その 他 稲 発 酵 粗 飼 料 の 生 産 については 耕 畜 連 携 水 田 活 用 対 策 事 業 稲 発 酵 粗 飼 料 の 利 用 に ついては 国 産 粗 飼 料 増 産 対 策 事 業 が 活 用 できます

2 イノシシ サルの 侵 入 防 止 効 果 の 高 い 防 護 柵 1 現 状 と 課 題 平 成 17 年 度 におけるイノシシ シカ サル 等 野 生 鳥 獣 による 農 作 物 等 の 被 害 面 積 は 約 12 万 ha 被 害 金 額 は 約 187 億 円 と 前 年 度 に 比 べてやや 減 少 したものの 依 然 として 深 刻 な 状 況 にあります 野 生 鳥 獣 による 農 作 物 被 害 は 過 疎 化 や 高 齢 化 に 伴 う 里 山 における 人 間 活 動 の 低 下 や 狩 猟 者 の 減 少 等 が 原 因 として 考 えられ 農 山 村 における 農 業 者 の 営 農 意 欲 の 低 下 をもたらし ています 野 生 鳥 獣 による 農 作 物 被 害 を 防 止 するには 農 耕 地 の 周 囲 を 柵 で 囲 って 侵 入 を 防 ぐのが 即 効 性 のある 手 法 であり 従 来 柵 には 電 線 ( 電 気 柵 ) トタン 金 網 などが 用 いられ てきましたが その 有 効 性 が 科 学 的 に 検 討 されていないことから 効 果 的 な 柵 の 設 置 方 法 などが 確 立 されていませんでした 2 技 術 の 開 発 上 記 課 題 を 解 決 するため 農 研 機 構 近 畿 中 国 四 国 農 業 研 究 センターは 麻 布 大 学 獣 医 学 部 動 物 応 用 科 学 科 の 助 言 を 得 て 実 施 した イノシシの 跳 躍 特 性 の 解 析 により 侵 入 防 止 効 果 の 高 い 金 網 忍 び 返 し 柵 を 国 立 大 学 法 人 京 都 大 学 霊 長 類 研 究 所 は ネット 状 にして 登 りにくくし 確 実 にサルに 電 気 ショックを 与 えるようにした 新 型 ネット 型 電 気 柵 を そ れぞれ 開 発 しました 技 術 の 内 容 <イノシシ 用 金 網 忍 び 返 し 柵 > 高 さ1mの 溶 接 金 網 の 上 部 cmを イノ 金 網 忍 び 返 し 柵 シシのやってくる 方 向 に 曲 げて 忍 び 返 しとします イノシシは その 習 性 から この 柵 に 心 理 的 圧 迫 を 感 じ さほどの 高 さ ではないのに 跳 び 越 せないと 錯 覚 するため 侵 入 防 止 効 果 を 高 めることができます 本 技 術 には 1 用 いる 溶 接 金 網 は 市 販 の 建 築 資 材 であり 角 材 を 使 って 容 易 に 作 成 できる 2 電 気 柵 に 比 べて 設 置 管 理 労 力 の 軽 減 が 図 られる コストは 約 6 万 円 /1mで 従 来 のトタン 柵 と 大 差 ないと いった 利 点 があります

21 時 間 ( 分 ) 技 術 の 内 容 (つづき) <サル 用 新 型 ネット 型 電 気 柵 > ネット 状 にすることにより サルが 登 りにく く サルの 手 が 必 ず 柵 上 端 に 懸 かるようにした 電 気 柵 です 柵 の 上 端 は 電 気 が 流 れるようにし てあり 確 実 に 電 気 ショックを 与 えられるよう 工 夫 されています また 通 電 部 が 柵 の 上 部 にあるため 雑 草 が 接 することによる 漏 電 が 起 こりにくく 雑 草 駆 除 の 手 間 が 省 けます サル 用 新 型 ネット 型 電 気 柵 施 工 例 ( 滋 賀 県 日 野 町 ) 効 果 有 益 性 イノシシ 用 金 網 忍 び 返 し 柵 試 験 実 証 園 において 年 間 侵 入 を 防 止 サル 用 新 型 ネット 型 電 気 柵 地 面 正 面 図 電 線 型 回 数 1 9 8 7 6 5 2 1 電 線 型 電 気 柵 1 日 目 2 日 目 日 目 日 目 5 日 目 6 日 目 7 日 目 8 日 目 9 日 目 1 日 目 11 日 目 12 日 目 1 日 目 1 日 目 15 日 目 16 日 目 17 日 目 18 日 目 19 日 目 2 日 目 21 日 目 22 日 目 2 日 目 2 日 目 25 日 目 26 日 目 27 日 目 28 日 目 29 日 目 日 目 1% 5% % -5% -1% -15% -2% 不 明 なし あり 侵 入 率 支 柱 絶 縁 体 地 面 側 面 図 地 面 正 面 図 ネット 型 ネット 型 電 気 柵 絶 縁 部 通 電 部 ( 通 電 性 素 材 の 編 込 ) 絶 縁 部 回 数 25 2 15 1 5.% 回 数 1 8 6 2-1 1-2 2- - -5 5-6 6-7 7-8 8-9 9-1.%.%.%.%.% -1 1-2 2- - -5 5-6 6-7 7-8 8-9 時 間 ( 分 ) 不 明 なし あり 最 初 は 侵 入 を 防 止 できるが その 後 徐 々に 侵 入 成 功 率 が 高 くなる また 電 気 ショックを 受 けなくなる (なし 電 気 ショックを 受 けない) 侵 入 を 試 みると 必 ず 電 気 ショックを 受 け 侵 入 を 試 みなくなる

22 効 果 有 益 性 (つづき) <イノシシ 用 金 網 忍 び 返 し 柵 > 建 築 資 材 を 流 用 し 自 前 で 曲 げるため 低 コストです 金 網 (1m 2m)は1 枚 7 ~1,5 円 程 度 で 設 置 コストは1mで 約 6 万 円 です 共 同 設 置 で 大 きく 囲 えば 個 々 の 圃 場 を 囲 うより 設 置 距 離 を 減 らせます <サル 用 新 型 ネット 型 電 気 柵 > 設 置 に 要 する 経 費 は 1m 設 置 する 場 合 で 約 2 万 円 かかります( 乾 電 池 式 の 場 合 また 施 工 材 料 運 搬 費 は 含 まず ) 但 し 支 柱 に 必 要 な 資 材 として 廃 パイプを 利 用 した 場 合 経 費 を 安 く 抑 えることができます 5 普 及 の 対 象 中 山 間 地 域 等 において 活 用 されることにより 効 果 が 期 待 されます 6 その 他 本 技 術 については 強 い 農 業 づくり 交 付 金 鳥 獣 害 防 止 総 合 対 策 事 業 が 活 用 可 能 であ り 侵 入 防 止 柵 の 設 置 等 について 国 の 助 成 を 受 けることができます 農 業 新 技 術 27 解 説 編 に 掲 載 した 交 付 金 補 助 事 業 について 本 編 に 掲 載 した 交 付 金 補 助 事 業 の 名 称 や 内 容 は 平 成 21 年 月 時 点 の 情 報 です そのため 事 業 によっては 公 募 期 間 が 終 了 している 場 合 がありますので 申 請 等 につきましては 農 林 水 産 省 各 農 政 局 等 にお 問 い 合 わせください 農 林 水 産 省 1-895 東 京 都 千 代 田 区 霞 が 関 1-2-1 TEL:-52-8111( 代 ) 東 北 農 政 局 98-1 仙 台 市 青 葉 区 本 町 --1 仙 台 合 同 庁 舎 TEL:22-26-1111( 代 ) 関 東 農 政 局 -9722 さいたま 市 中 央 区 新 都 心 2-1さいたま 新 都 心 合 同 庁 舎 2 号 館 TEL:8-6-6( 代 ) 北 陸 農 政 局 92-8566 金 沢 市 広 坂 2-2-6 金 沢 広 坂 合 同 庁 舎 TEL:76-26-2161( 代 ) 東 海 農 政 局 6-8616 名 古 屋 市 中 区 三 の 丸 1-2-2 TEL:52-21-7271( 代 ) 近 畿 農 政 局 62-85 京 都 府 上 京 区 西 洞 院 通 下 長 者 町 下 ル 丁 子 風 呂 町 TEL:75-51-9161( 代 ) 中 国 四 国 農 政 局 7-852 岡 山 市 下 石 井 1--1 岡 山 第 2 合 同 庁 舎 TEL:86-22-511( 代 ) 九 州 農 政 局 86-8527 熊 本 市 二 の 丸 1-2 熊 本 合 同 庁 舎 TEL:96-5-561( 代 ) 沖 縄 総 合 事 務 局 農 林 水 産 部 9-6 那 覇 市 おもろまち2-1-1 TEL:98-866-1( 代 )

農 業 新 技 術 27 個 別 技 術 問 い 合 わせ 先 2 不 耕 起 汎 用 播 種 機 汎 用 型 不 耕 起 播 種 機 による 乾 田 直 播 技 術 農 研 機 構 中 央 農 業 総 合 研 究 センター 北 陸 研 究 センター 研 究 管 理 監 電 話 :25-526-2 HP:http://narc.naro.affrc.go.jp/ 不 耕 起 V 溝 播 種 機 による 直 播 技 術 愛 知 県 農 業 総 合 試 験 場 作 物 研 究 部 電 話 :561-62-85 HP:http://www.pref.aichi.jp/nososi/ 稲 発 酵 粗 飼 料 を 全 期 間 給 与 した 肉 用 牛 肥 育 稲 発 酵 粗 飼 料 の 肥 育 全 期 間 給 与 技 術 農 研 機 構 畜 産 草 地 研 究 所 企 画 管 理 部 研 究 調 整 役 電 話 :29-88-8617 HP:http://nilgs.naro.affrc.go.jp/ 稲 発 酵 粗 飼 料 専 用 品 種 べこあおば 農 研 機 構 東 北 農 業 研 究 センター 企 画 管 理 部 情 報 広 報 課 電 話 :19-6-1 HP:http://tohoku.naro.affrc.go.jp/ 大 豆 の 安 定 多 収 生 産 大 豆 A 技 術 1 不 耕 起 狭 畦 栽 培 技 術 2 浅 耕 播 種 技 術 耕 うん 同 時 畝 立 て 播 種 技 術 農 研 機 構 中 央 農 業 総 合 研 究 センター 北 陸 研 究 センター 研 究 管 理 監 電 話 :25-526-2 HP:http:// narc.naro.affrc.go.jp/ イノシシ サルの 侵 入 防 止 効 果 の 高 い 防 護 柵 イノシシ 用 金 網 忍 び 返 し 柵 農 研 機 構 近 畿 中 国 四 国 農 業 研 究 センター 企 画 管 理 部 情 報 広 報 課 鳥 獣 害 研 究 チーム 電 話 :8-92-585( 企 画 管 理 部 ) 85-82-6( 鳥 獣 害 研 究 チーム) HP:http://wenarc.naro.affrc.go.jp/ サル 用 新 型 ネット 型 電 気 柵 超 低 コスト 耐 候 性 ハウス 超 低 コスト 耐 候 性 ハウス 農 研 機 構 野 菜 茶 業 研 究 所 企 画 管 理 部 情 報 広 報 課 電 話 :59-268-626 HP:http://vegetea.naro.affrc.go.jp/ 兵 庫 県 森 林 動 物 研 究 センター 電 話 :795-8-55 HP:http://www.wmi-hyogo.jp/

農 業 新 技 術 27( ( 解 説 編 ) 新 技 術 の 普 及 に 向 けて 編 集 発 行 農 林 水 産 省 農 林 水 産 技 術 会 議 事 務 局 研 究 推 進 課 1-895 東 京 都 千 代 田 区 霞 が 関 1-2-1 TEL -52-762 農 業 新 技 術 27 の 詳 細 については 農 林 水 産 技 術 会 議 事 務 局 のホームページでご 覧 頂 けます また 同 ホームページからは 新 しい 農 業 技 術 情 報 などを 紹 介 する 食 と 農 の 研 究 メールマガジン ( 農 林 水 産 技 術 会 議 事 務 局 発 行 )のお 申 し 込 みもできます http://www.s.affrc.go.jp/index.htm 平 成 19 年 9 月 作 成 平 成 21 年 6 月 改 訂