ホワイトペーパー FUJITS U Server RIMEQUEST P 2400E2 /2400L2 Memory Scale-up Board 性 能 検 証 報 告 2015 年 10 月 Copyright 2015 FUJITSU LIMITED
1. はじめに 今 日 の CPU 性 能 の 向 上 コア 数 の 増 加 は 表 1のように 目 覚 しいものがあり スケーラビリティを 確 保 す ることや CPUコアを 使 いきることが 難 しくなる 場 合 があります 一 方 OLTP(OnlineTransaction Processing)システムでは 性 能 を 向 上 させるために 大 容 量 メモリを 必 要 とします しかし 今 日 の NUMA (Non-UniformMemoryAccess)アーキテクチャでは,CPU 内 に MMU(MemoryManagement Unit)が 内 蔵 さ れ CPUから 直 接 メモリに 接 続 する 形 になっており メモリを 増 設 するには CPUを 追 加 する 必 要 がありま す 表 1PRIMEQUESTにおける 性 能 比 較 (2005 年 を 基 準 とする) 富 士 通 が 開 発 した MemoryScale-upBoard ( 略 称 MSB)は PRIMEQUEST2400E2/2400L2の CPUを 追 加 す ること 無 しに SystemBoard( 略 称 SB)を 使 用 した 場 合 と 同 じ 数 のメモリ 48 枚 を 増 設 できるユニットです 本 書 は OLTPシステムの 性 能 を MSB 有 / 無 で 比 較 することにより どのような 場 合 に MSBが 適 用 できるか を 考 察 します 2. メモリ 増 設 の 効 果 オンライントランザクションなどデータベースシステムでは 期 待 した 性 能 を 発 揮 させるために 大 容 量 メモリをデータベース 用 に 一 時 的 に 保 持 するキャッシュメモリとして 利 用 する 方 法 があります データ ベースキャッシュメモリとは 使 用 頻 度 の 高 いデータを 高 速 な 記 憶 装 置 に 蓄 えておくことにより 低 速 な 装 置 から 読 み 出 す 無 駄 を 省 いて 高 速 化 する 一 時 的 なメモリ 領 域 のことです たとえば データベースシ ステムを 利 用 している 会 社 がその 性 能 を 向 上 したい 場 合 サーバにメモリを 増 設 しそれをデータベースキ ャッシュに 割 り 当 てることで より 多 くのデータをメモリ 上 に 置 くことができ その 結 果 メモリ 上 だけ の 読 み 書 きの 頻 度 が 増 加 し ディスクへのアクセスが 減 少 します メモリアクセスの 増 加 とディスクアク セスの 減 少 により データベース 性 能 が 向 上 します 図 2メモリ 増 設 の 効 果 Copyright 2015 FUJITSU LIMITED 1
3. 検 証 概 要 OLTPシステムの 性 能 を 以 下 の4パターンについて 測 定 します 検 証 の 観 点 は 以 下 です (1) 搭 載 メモリを 増 加 させることによるメモリ 増 設 の 性 能 効 果 について 検 証 します ( 表 31 2 4) (2) SBと MSBを 同 じ 条 件 で 比 較 することにより どのような 場 合 に MSBを 適 用 できるか 検 証 します ( 表 32 3) 表 3 検 証 パターン 検 証 パターン CPU 数 内 蔵 DIS K 全 メモリサイズ 共 有 メモリサイズ(*) データベースサイズ 1 1x SB 2 300GB 1.5TB 1.15TB 7TB 2 1x SB + 1x MSB 2 SASHD 3.0TB 2.3TB 3 2x SB 4 3.0TB 2.3TB 4 1x SB + 3x MSB 2 6.0TB 4.6TB (*) 共 有 メモリサイズは データベースキャッシュサイズを 含 み データベースが 自 動 管 理 する 指 定 にしています 本 検 証 のシステム 構 成 は 以 下 の 通 りです 図 4システム 構 成 概 要 表 5システム 構 成 一 覧 Appli catio n Serv (R X500S7 ) Datab ase Internal DISK 30GBRAID-0 CPU Xeon E5-4650(2.70GHz/8core) x4 DIMM DDR3 RDIMM 16GB x 16(256GB) Hardware SB MSB Network 100BASE-T Storage Memory Operation Mode Firmware Power Technology Enhanced SpedStep CPU C3/C6/C7 report PackageC State limit OS Version Operating System kernel parameter Benchmark Benchmark name Scale factor (# of Warehouses) 80000 Table size 7TB Database Version OracleDatabase erver S (PRIME QUEST2400E 2) CPU: Xeon E7-8890v3 (2.5GHz/18core/45MB) x2 RAM: 1.5TB(32GB LRDIMM x48) RAM: 1.5TB(32GB LRDIMM x48) ETERNUS JX40 (20x60GB SAS HDD, HW RAID0) Performance Mode EnergyEfficient Enable C3/C6 enable no limit RedHat Enterprise Linux7.0 intel_idle.max_cstate=0 processor.max_cstate=0 JdbcRunner1.2 12c Copyright 2015 FUJITSU LIMITED 2
4. 検 証 結 果 検 証 結 果 は 以 下 になりました 表 6 性 能 測 定 結 果 検 証 パターン CPU 数 全 メモリサイズ 共 有 メモリサイズ TPS(*) 1 1xSB 2 1.5TB 1.15TB 293 2 1xSB+1xMSB 2 3.0TB 2.3TB 423 3 2xSB 4 3.0TB 2.3TB 423 4 1xSB+3xMSB 2 6.0TB 4.6TB 472 (*)TPSは transactions persecond(1 秒 あたりのトランザクション 数 )を 意 味 し 値 が 高 いほど 性 能 が 高 くなりま す 図 7 性 能 測 定 結 果 分 析 (1)メモリ 増 設 の 性 能 効 果 について 検 証 します 図 のように 搭 載 メモリを 増 加 させると メモリサイズがデータベースサイズの 1/3 以 下 程 度 であれば メモリ 増 設 に 比 例 してデータベースキャッシュヒット 率 が 向 上 し 性 能 が 向 上 します 性 能 向 上 は メモ リサイズがデータベースサイズの 1/2 程 度 まで 続 きますが メモリサイズが 大 きくなりデータベースサイ ズに 近 づくと メモリ 増 設 による 効 果 が 小 さくなります (2)MSBと SBで 性 能 効 果 を 比 較 します 表 6をみると SB 1 枚 +MSB1 枚 と SB2 枚 の 性 能 が 変 わらないこと つまり CPUの 数 が 2 以 上 で あれば CPUの 数 を 増 加 しても 性 能 が 変 わらないことが 分 かります この 表 を 見 る 限 り CPU 数 増 加 に 依 存 せず メモリ 増 加 により 性 能 が 向 上 するようにみえます この 要 因 は 下 記 のように 考 えられます このシステムでは CPU 時 間 に 比 べて I/O 時 間 が 多 く I/Oがボトルネックと 考 えられます 上 記 I/Oボトルネックにより 2 個 以 上 の CPUを 使 いきれていないためと 考 えられます MSBのメモリをデータベースのキャッシュに 割 り 当 てることで ディスクアクセスが 減 少 したと 考 えられます データベースキャッシュヒット 率 が 向 上 したことは 図 7のグラフからわかります すな わち I/Oの 中 でディスクアクセスがボトルネックと 考 えられます Copyright 2015 FUJITSU LIMITED 3
しかし この 性 能 検 証 には 注 意 が 必 要 です もしも 何 等 かの 方 法 でディスクアクセス 等 のボトルネッ クを 改 善 できれば メモリではなく CPUを 増 加 させた 方 がより 性 能 向 上 すると 考 えられます ディスクア クセスのボトルネックがある 場 合 に MSBによるデータベース 性 能 への 効 果 は 高 いと 言 えますが その 効 果 の 度 合 いは 個 々のシステム 環 境 に 依 存 します 5. まとめ データベースシステムが 期 待 した 性 能 を 発 揮 できないとき 原 因 がどこにあるのか 究 明 することが 重 要 です たとえば ディスクアクセスに 原 因 する 場 合 は データベースキャッシュヒット 率 を 向 上 させるた めに MSBを 活 用 する 方 法 があります しかし CPUが 性 能 ボトルネックの 場 合 は MSBではなく SBを 追 加 し CPUを 増 加 させることで 性 能 向 上 が 期 待 できます MSBを 活 用 すれば PRIMEQUEST 2400E2/2400L2で 実 現 できない CPUコア 数 と 最 大 メモリ 容 量 の 組 み 合 わ せが 実 現 可 能 です 図 8は CPUコア 数 と 最 大 メモリ 容 量 の 組 み 合 わせです 緑 で 囲 まれている 箇 所 が PRIMEQUEST2400E2/2400L2で 実 現 可 能 な CPUコア 数 と 最 大 メモリ 容 量 の 組 み 合 わせです MSBを 活 用 する と 新 たに 赤 で 囲 まれている 箇 所 が 実 現 可 能 です 図 8CPUコア 数 と 最 大 メモリ 容 量 の 組 み 合 わせ それにより 同 じメモリ 容 量 を 使 用 した 場 合 の CPUコア 数 を 削 減 することが 可 能 となり データベース ソフトウェアのプロセッサライセンスを 節 約 することができます 当 社 で 扱 うデータベースソフトウェア のプロセッサライセンス 体 系 / 価 格 については 当 社 担 当 営 業 までお 問 い 合 わせ 下 さい Copyright 2015 FUJITSU LIMITED 4