武蔵大学論文



Similar documents

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

平成24年度税制改正要望 公募結果 153. 不動産取得税

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt


弁護士報酬規定(抜粋)

国 家 公 務 員 の 年 金 払 い 退 職 給 付 の 創 設 について 検 討 を 進 めるものとする 平 成 19 年 法 案 をベースに 一 元 化 の 具 体 的 内 容 について 検 討 する 関 係 省 庁 間 で 調 整 の 上 平 成 24 年 通 常 国 会 への 法 案 提

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有

1_2013BS(0414)

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有

Microsoft Word - 佐野市生活排水処理構想(案).doc

1. 決 算 の 概 要 法 人 全 体 として 2,459 億 円 の 当 期 総 利 益 を 計 上 し 末 をもって 繰 越 欠 損 金 を 解 消 しています ( : 当 期 総 利 益 2,092 億 円 ) 中 期 計 画 における 収 支 改 善 項 目 に 関 して ( : 繰 越

災害時の賃貸住宅居住者の居住の安定確保について

< EE597768E968BC688EA97972D372E786477>

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

<4D F736F F D E598BC68A8897CD82CC8DC490B68B7982D18E598BC68A8893AE82CC8A C98AD682B782E993C195CA915B C98AEE82C382AD936F985E96C68B9690C582CC93C197E1915B927582CC898492B75F8E96914F955D89BF8F915F2E646F6

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 25 年 4 月 1 日 至 平 成 26 年 3 月 31 日 ) ( 単 位 : 百 万 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 75,917 取 引 参 加 料 金 39,032 上 場 関 係 収 入 11,772 情 報 関 係 収 入 13,352 そ

定 性 的 情 報 財 務 諸 表 等 1. 連 結 経 営 成 績 に 関 する 定 性 的 情 報 当 第 3 四 半 期 連 結 累 計 期 間 の 業 績 は 売 上 高 につきましては 前 年 同 四 半 期 累 計 期 間 比 15.1% 減 少 の 454 億 27 百 万 円 となり


為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

Microsoft Word -

1 特 別 会 計 財 務 書 類 の 検 査 特 別 会 計 に 関 する 法 律 ( 平 成 19 年 法 律 第 23 号 以 下 法 という ) 第 19 条 第 1 項 の 規 定 に 基 づき 所 管 大 臣 は 毎 会 計 年 度 その 管 理 する 特 別 会 計 について 資 産

とする (1) 多 重 債 務 や 過 剰 債 務 を 抱 え 返 済 が 困 難 になっている 人 (2) 債 務 整 理 を 法 律 専 門 家 に 依 頼 した 直 後 や 債 務 整 理 途 上 の 人 (3) 収 入 よりも 生 活 費 が 多 くお 金 が 不 足 がちで 借 金 に 頼

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 新 規 社 ( 社 名 ) 除 外 社 ( 社 名 ) (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の

 


経 常 収 支 差 引 額 の 状 況 平 成 22 年 度 平 成 21 年 度 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 4,154 億 円 5,234 億 円 1,080 億 円 改 善 赤 字 組 合 の 赤 字 総 額 4,836 億 円 5,636 億 円 800 億 円 減

目 次 高 山 市 連 結 財 務 諸 表 について 1 連 結 貸 借 対 照 表 2 連 結 行 政 コスト 計 算 書 4 連 結 純 資 産 変 動 計 算 書 6 連 結 資 金 収 支 計 算 書 7

PowerPoint プレゼンテーション

(別紙3)保険会社向けの総合的な監督指針の一部を改正する(案)

●電力自由化推進法案

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

Taro-01 議案概要.jtd

1. 前 払 式 支 払 手 段 サーバ 型 の 前 払 式 支 払 手 段 に 関 する 利 用 者 保 護 等 発 行 者 があらかじめ 利 用 者 から 資 金 を 受 け 取 り 財 サービスを 受 ける 際 の 支 払 手 段 として 前 払 式 支 払 手 段 が 発 行 される 場 合

就 業 規 則 ( 福 利 厚 生 ) 第 章 福 利 厚 生 ( 死 亡 弔 慰 金 等 ) 第 条 法 人 が 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 民 間 社 会 福 祉 施 設 等 職 員 共 済 規 程 に 基 づき 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 との 間 において 締 結 す

注 記 事 項 (1) 当 四 半 期 連 結 累 計 期 間 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 : 無 (2) 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 : 有 ( 注 ) 詳 細 は 添 付 資 料 4ページ 2.サマリー 情 報 (

(1) 貸 借 対 照 表 ( 平 成 26 年 11 月 30 日 現 在 ) ( 単 位 : 千 円 ) 資 産 の 部 負 債 の 部 科 目 金 額 科 目 金 額 流 動 資 産 4,623,985 流 動 負 債 3,859,994 現 金 及 び 預 金 31,763 支 払 手 形

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 23 年 4 月 1 日 至 平 成 24 年 3 月 31 日 ) 金 額 ( 単 位 : 百 万 円 ) 売 上 高 99,163 売 上 原 価 90,815 売 上 総 利 益 8,347 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 4,661 営 業 利 益

任意整理について | 多重債務Q&A | 公益財団法人 日本クレジットカウンセリング協会

後期高齢者医療制度

注 記 事 項 (1) 四 半 期 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 : 無 (2) 会 計 方 針 の 変 更 会 計 上 の 見 積 りの 変 更 修 正 再 表 示 1 会 計 基 準 等 の 改 正 に 伴 う 会 計 方 針 の 変 更 : 無 2 1

経 常 収 支 差 引 額 等 の 状 況 平 成 26 年 度 予 算 早 期 集 計 平 成 25 年 度 予 算 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 3,689 億 円 4,597 億 円 908 億 円 減 少 赤 字 組 合 数 1,114 組 合 1,180 組 合 66

(6) 事 務 局 職 場 積 立 NISAの 運 営 に 係 る 以 下 の 事 務 等 を 担 当 する 事 業 主 等 の 組 織 ( 当 該 事 務 を 代 行 する 組 織 を 含 む )をいう イ 利 用 者 からの 諸 届 出 受 付 事 務 ロ 利 用 者 への 諸 連 絡 事 務

Microsoft PowerPoint - 基金制度

Microsoft Word )40期決算公開用.doc

リング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 について 回 収 可 能 性 がないも のとする 原 則 的 な 取 扱 いに 対 して スケジューリング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 を 回 収 できることを 反 証 できる 場 合 に 原 則

< DE096B1838C837C815B ECA905E93FC2E786C7378>

スライド 1

1 予 算 の 姿 ( 平 成 25 当 初 予 算 ) 長 野 県 財 政 の 状 況 H 現 在 長 野 県 の 予 算 を 歳 入 面 から 見 ると 自 主 財 源 の 根 幹 である 県 税 が 全 体 の5 分 の1 程 度 しかなく 地 方 交 付 税 や 国 庫 支

要 な 指 示 をさせることができる ( 検 査 ) 第 8 条 甲 は 乙 の 業 務 にかかる 契 約 履 行 状 況 について 作 業 完 了 後 10 日 以 内 に 検 査 を 行 うものとする ( 発 生 した 著 作 権 等 の 帰 属 ) 第 9 条 業 務 によって 甲 が 乙 に

スライド 1

<4D F736F F F696E74202D208CE38AFA8D8297EE8ED288E397C390A CC8A AE98EBA8DEC90AC816A2E707074>

< E95FB8CF689638AE98BC689FC90B390A CC8CA992BC82B582C982C282A282C E90E096BE8E9E8E9197BF2E786477>

●幼児教育振興法案

1 農 地 中 間 管 理 機 構 のねらい (1)24 年 度 から 開 始 した 各 市 町 村 における 人 農 地 プラン ( 地 域 の 農 業 者 の 徹 底 した 話 合 いにより 人 農 地 問 題 の 解 決 方 向 や 地 域 農 業 の 将 来 のあり 方 を 明 確 にしてい


Microsoft Word - 奨学金相談Q&A.rtf

疑わしい取引の参考事例

(2) 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 保 育 の 必 要 な 子 どものいる 家 庭 だけでなく 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 のために 利 用 者 支 援 事 業 や 地 域 子 育 て 支 援 事 業 な

スライド 1

Microsoft Word - (会社法用) 期_02.計算書類.doc

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

<4D F736F F D F8D828D5A939982CC8EF68BC697BF96B38F9E89BB82CC8A6791E52E646F63>

文化政策情報システムの運用等

定款  変更

している 5. これに 対 して 親 会 社 の 持 分 変 動 による 差 額 を 資 本 剰 余 金 として 処 理 した 結 果 資 本 剰 余 金 残 高 が 負 の 値 となるような 場 合 の 取 扱 いの 明 確 化 を 求 めるコメントが 複 数 寄 せられた 6. コメントでは 親

養 老 保 険 の 減 額 払 済 保 険 への 変 更 1. 設 例 会 社 が 役 員 を 被 保 険 者 とし 死 亡 保 険 金 及 び 満 期 保 険 金 のいずれも 会 社 を 受 取 人 とする 養 老 保 険 に 加 入 してい る 場 合 を 解 説 します 資 金 繰 りの 都

Taro-契約条項(全部)

小山市保育所整備計画

Taro-事務処理要綱250820

検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑

Microsoft Word - 結果・異動プレス_ _clean.doc

セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

4 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 若 しくはその 委 任 を 受 けた 者 又 は 監 査 委 員 の 監 査 に 応 じなければ ならない ( 状 況 報 告 ) 第 7 条 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 が 必 要 と 認 めるときは 交 付 金 事 業 の 遂 行 の

<819A955D89BF92B28F BC690ED97AA8EBA81418FA48BC682CC8A8890AB89BB816A32322E786C7378>

(15) 兵 庫 県 道 高 速 湾 岸 線 (16) 神 戸 市 道 高 速 道 路 2 号 線 (17) 兵 庫 県 道 高 速 北 神 戸 線 (18) 神 戸 市 道 高 速 道 路 北 神 戸 線 (19) 神 戸 市 道 高 速 道 路 湾 岸 線 のうち 上 り 線 については 神 戸

添 付 資 料 の 目 次 1.サマリー 情 報 (その 他 )に 関 する 事 項... 2 (1) 当 四 半 期 連 結 累 計 期 間 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動... 2 (2) 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用.

4 調 査 の 対 話 内 容 (1) 調 査 対 象 財 産 の 土 地 建 物 等 を 活 用 して 展 開 できる 事 業 のアイディアをお 聞 かせく ださい 事 業 アイディアには, 次 の 可 能 性 も 含 めて 提 案 をお 願 いします ア 地 域 の 活 性 化 と 様 々な 世

スライド 1

Microsoft Word - H25普通会計決算状況 .docx

Microsoft Word - 全国エリアマネジメントネットワーク規約.docx


Microsoft Word 短信.doc

Microsoft Word 行革PF法案-0概要

<95CA8E86315F8A6D92E8905C8D908F9182C98AD682B782E B8B4C985E8D8096DA2E786C7378>

税制面での支援

( 補 助 金 等 交 付 決 定 通 知 に 加 える 条 件 ) 第 7 条 市 長 は 交 付 規 則 第 11 条 に 規 定 するところにより 補 助 金 の 交 付 決 定 に 際 し 次 に 掲 げる 条 件 を 付 するものとする (1) 事 業 完 了 後 に 消 費 税 及 び

損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

(Microsoft Word - \212\356\226{\225\373\220j _\217C\220\263\201j.doc)


1

質 問 票 ( 様 式 3) 質 問 番 号 62-1 質 問 内 容 鑑 定 評 価 依 頼 先 は 千 葉 県 などは 入 札 制 度 にしているが 神 奈 川 県 は 入 札 なのか?または 随 契 なのか?その 理 由 は? 地 価 調 査 業 務 は 単 にそれぞれの 地 点 の 鑑 定

第 3 四 半 期 運 用 状 況 の 概 要 第 3 四 半 期 末 の 運 用 資 産 額 は 2,976 億 円 となりました 第 3 四 半 期 の 修 正 総 合 収 益 率 ( 期 間 率 )は +1.79%となりました なお 実 現 収 益 率 は +0.67%です 第 3 四 半 期

<4D F736F F D E91E6318E6C94BC8AFA925A904D D838A815B8BA693AF8E9497BF2E646F63>

別 紙 軽 費 老 人 ホームの 収 入 認 定 について 平 成 22 年 3 月 9 日 千 葉 県 健 康 福 祉 部 高 齢 者 福 祉 課 本 紙 は 平 成 18 年 1 月 24 日 老 発 第 号 厚 生 労 働 省 老 健 局 長 通 知 老 人 保 護 措 置 費

<4D F736F F D2091E F18CB48D C481698E7B90DD8F9590AC89DB816A2E646F63>

信用調査報告書(見本)

Ⅶ 東 海 地 震 に 関 して 注 意 情 報 発 表 時 及 び 警 戒 宣 言 発 令 時 の 対 応 大 規 模 地 震 対 策 特 別 措 置 法 第 6 条 の 規 定 に 基 づき 本 県 の 東 海 地 震 に 係 る 地 震 防 災 対 策 強 化 地 域 において 東 海 地 震

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている 総 合 的

都市農地の継承に向けた相続2014_本文_13.indd

Transcription:

最 優 秀 賞 被 災 企 業 訪 問 から 考 える 被 災 企 業 救 済 の 新 たなスキームの 提 案 ~ 災 害 に 強 い 国 づくりファンド~ 武 蔵 大 学 経 済 学 部 安 蔵 洋 平 竹 田 勝 利 島 真 人 市 村 真 也

( 提 言 の 要 約 ) 私 たちは 東 日 本 大 震 災 によって 浮 き 彫 りになった 被 災 地 企 業 の 二 重 債 務 問 題 について 調 査 を 行 い 感 じた 点 が 2 つある 1 つは 産 業 復 興 相 談 センター( 以 下 センター) の 重 要 性 である センタ ーから 支 援 を 受 けて 事 業 を 再 開 した 事 業 者 様 はセンターの 人 たちを 命 の 恩 人 で あるとおっしゃっていた 2 つ 目 は 融 資 を 受 けている 企 業 間 での 情 報 共 有 の 違 いである 企 業 によって は 地 域 と 密 接 に 関 わっている 企 業 もあり 震 災 当 初 企 業 の 情 報 を 地 域 間 で 共 有 していたことで 支 援 を 受 けるまでスムーズに 進 んだ 事 例 もあった しかし 今 後 さらに 復 興 を 加 速 させるためには 問 題 点 も 多 く 存 在 している 震 災 から 2 年 半 が 経 った 今 現 在 地 域 によっては 復 興 が 進 んでおらず 同 じ 被 災 地 でも 差 が 出 てきていることも 感 じた また 未 曽 有 の 災 害 だとはいえ 今 後 いつまたこのような 大 規 模 な 災 害 が 起 こるかわからないことを 考 えると 今 の 復 興 のペースでは 遅 いのではないか そこで 私 たちは 今 回 の 被 災 地 訪 問 を 通 して 産 業 復 興 センターのスキームを 参 考 に 新 たなスキームである 産 業 に 強 い 国 づくりファンド( 通 称 : 富 国 強 産 ファンド) を 提 言 したい 具 体 的 なものとしては1 震 災 発 生 後 の 支 援 において 企 業 に 資 金 を 融 資 するこ とを 目 的 とした 常 設 のファンド 及 び 復 興 支 援 機 関 の 創 設 2 情 報 共 有 機 能 の 強 化 である 先 ほども 述 べたとおり 東 日 本 大 震 災 から 2 年 が 経 過 した 今 でも 復 興 が 思 うように 進 まないその 背 景 にはまずは 資 金 面 の 問 題 がある そして もう ひとつ 私 たちが 考 えるのは 不 完 全 な 情 報 共 有 である 私 たちが 実 際 に 東 北 を 訪 れ 現 地 の 人 々の 話 などを 聞 いて 感 じたのは 複 雑 な 支 援 制 度 などに 対 して 誤 解 等 が 多 くこれが 復 興 の 妨 げになっているのではないか ということである そこで まず 各 地 域 に 支 部 を 設 置 し 震 災 時 にはその 発 生 した 地 域 の 支 部 が 中 心 となり 復 旧 復 興 を 行 うことにより 指 令 系 統 を 一 本 化 迅 速 な 対 応 を 行 えるようにする 資 金 に 関 しては 民 間 企 業 等 を 中 心 に 出 資 を 募 り 通 常 時 は 資 金 運 用 などを 通 じて 資 金 を 蓄 積 し 震 災 発 生 時 に 供 えるのである 情 報 共 有 面 では 過 去 の 被 害 状 況 復 興 政 策 やその 成 功 失 敗 例 等 を 正 確 に 記 録 するとともに 支 援 制 度 等 の 仕 組 みを 対 象 となりえる 企 業 に 素 早 く 且 つ 分 かり 易 く 伝 える 仕 組 みづくりは 必 要 と 考 える 複 雑 な 支 援 制 度 を 極 力 単 純 化 し 高 度 な 知 識 等 がなくとも 分 かり 易 いものにする また 官 民 一 体 のネットワーク を 構 築 し このような 支 援 制 度 等 を 迅 速 に 誤 解 のないように 広 めていくことが 重 要 なのではないだろうか

はじめに 東 日 本 大 震 災 から 2 年 半 を 経 て 被 災 地 の 人 々と それ 以 外 の 人 々での 意 識 の 違 いが 鮮 明 であるということは 今 回 の 被 災 企 業 訪 問 で 課 題 に 感 じたことの 1 つである また 当 事 者 間 でも 復 興 への 意 識 の 差 が 見 え 隠 れしているのがこの 2 年 半 という 時 間 の 重 みである 経 済 基 盤 復 旧 やインフラ 復 旧 も 様 々な 要 因 が 存 在 しているが 復 興 が 想 定 以 上 に 進 んでいないのは 事 実 である しかし ただ 単 に Passion を 持 つだけ では 解 決 する 問 題 ではない 資 本 の 喪 失 という 未 曽 有 の 事 態 に 伴 い 新 たな 金 融 のフレームを 構 築 することを 迫 られているのではないだろうか 今 回 の 提 言 では 現 在 進 行 形 で 被 災 地 金 融 を 二 重 債 務 問 題 の 解 決 という 形 で 支 援 している 産 業 復 興 相 談 センター の 岩 手 県 支 部 に 訪 問 現 地 取 材 を 皮 切 り に 実 際 に 融 資 を 受 けている 企 業 へのインタビューなどで 入 手 することが 出 来 た この 情 報 から 枠 組 みのメリット デメリットを 考 察 することで 新 たな 災 害 に 対 するリスクマネジメントを 金 融 という 形 で 提 言 するのがこの 論 文 の 趣 旨 である 1. 被 災 企 業 の 最 大 の 問 題 ~ 二 重 債 務 問 題 ~ 東 日 本 大 震 災 では 広 域 における 津 波 の 発 生 というこれまでにない 資 本 の 喪 失 という 被 害 をもたらした 潤 沢 な 資 金 や 高 い 信 用 力 を 持 つ 大 きな 企 業 は 比 較 的 に 早 い 時 期 での 事 業 再 開 が 可 能 となった しかし 資 金 や 信 用 力 などに 乏 しい 中 小 企 業 などは 新 たな 融 資 が 得 られず 設 備 や 商 品 等 の 購 入 が 実 現 出 来 ない 実 現 出 来 たとしても 従 来 の 債 務 の 支 払 いと 合 わせた 二 重 の 負 担 により 経 営 が 行 き 詰 るという 状 況 に 陥 ってしまう このような 要 因 により 多 くの 中 小 企 業 が 休 業 廃 業 を 余 儀 なくされるという 問 題 を 抱 えている 金 融 機 関 の 視 点 から 見 てもこういった 被 災 企 業 に 対 しては 担 保 が 取 れないこ とや 再 開 したとしても 震 災 前 の 水 準 にまで 経 営 状 況 を 戻 すことが 出 来 るか 不 透 明 なこともあり 新 たな 融 資 が 困 難 というのがある 銀 行 などの 金 融 機 関 は 健 全 な 経 営 状 況 を 維 持 するため 融 資 先 の 企 業 などに 対 して 財 務 状 況 や 返 済 状 況 を もとに 図 1 1 のような 自 己 査 定 を 行 っている そして 金 融 機 関 は 査 定 結 果 の 区 分 に 応 じて 引 当 金 を 積 むことが 義 務 付 けられているのである 今 回 の 震 災 を 受 けて 多 くの 融 資 先 の 企 業 が 事 業 継 続 困 難 な 状 況 に 陥 り 破 綻 実 質 破 綻 先 に 区 分 されることとなった これにより 融 資 元 の 金 融 機 関 は 多 額 の 引 当 金 を 積 まなければならず 経 営 状 況 を 著 しく 圧 迫 する 事 態 となったの である 元 々 被 災 企 業 の 多 くに 融 資 を 行 っていたのは 地 元 の 地 銀 や 信 金 信 1 資 料 ページ 参 照

組 であり 自 己 資 本 等 の 面 で 脆 弱 であったこと また そもそもの 話 として 破 綻 実 質 破 綻 先 に 区 分 された 企 業 に 対 しては 新 たな 融 資 を 行 うことは 出 来 ない ことが 法 律 上 定 められていたことも 被 災 企 業 が 新 たな 融 資 を 得 る 上 での 障 害 に なっていたといえるであろう 2. 二 重 債 務 問 題 解 決 のフレーム 今 回 の 震 災 における 二 重 債 務 問 題 の 解 決 に 当 たり 行 政 が 構 築 した 機 関 があり それが 産 業 復 興 相 談 センター である 今 回 私 たちはこのセンターの 岩 手 支 部 に 訪 問 し 説 明 を 受 けることが 出 来 た 当 センターは 岩 手 県 盛 岡 市 に 拠 点 を 置 き 青 森 県 をはじめ 他 5 県 に 現 地 事 務 所 を 設 け 中 小 企 業 を 主 な 対 象 とした 被 災 企 業 の 支 援 にあたっている 事 業 再 開 の 支 援 に 当 たっては 被 災 企 業 の 債 権 買 取 金 融 機 関 に 対 してリスケ(リスケ ジュール: 借 入 条 件 の 変 更 に 伴 う 返 済 額 の 減 額 返 済 猶 予 ) DES( Debt Equity Swap: 債 権 の 株 式 化 ) DDS( Debt Debt Swap: 債 権 の 条 件 の 変 更 債 権 の 劣 後 化 = 支 払 期 日 の 延 長 ) 債 権 放 棄 等 の 交 渉 調 整 等 をその 業 務 内 容 としてい る 産 業 復 興 相 談 センターは 被 災 した 企 業 から 支 援 の 依 頼 を 受 けるとその 企 業 の 被 害 状 況 被 災 前 からの 財 務 状 況 等 を 元 に 支 援 の 結 果 事 業 再 開 継 続 の 見 込 み があるかなどを 判 断 する その 後 事 業 再 開 継 続 の 可 能 性 が 十 分 にあること など 一 定 の 条 件 2を 満 たすと 判 断 されれば 次 に 事 業 再 開 やその 後 の 売 上 予 測 などを 明 記 した 具 体 的 な 事 業 計 画 書 を 作 成 それらをもとに 企 業 の 融 資 元 の 金 融 機 関 と 債 務 の 返 済 猶 予 債 権 買 取 及 び 新 規 融 資 の 交 渉 も 行 う 交 渉 の 結 果 合 意 が 得 られれば 実 際 の 手 続 きを 経 て 債 務 の 返 済 猶 予 債 権 買 取 新 規 融 資 が 行 われることとなる 3 ここで 注 意 すべき 点 は 原 則 として 旧 債 務 等 は 棒 引 きや 債 務 の 返 済 免 除 がされ るわけではないということである あくまでリスケや DES DDS 等 を 通 じて 返 済 の 猶 予 や 借 入 条 件 の 変 更 債 権 買 取 等 を 行 い 財 務 状 況 を 改 善 させること によって 破 綻 実 質 破 綻 先 の 区 分 から 外 れ 新 規 融 資 を 実 現 するということ が 目 的 なのである しかし 被 災 企 業 などの 中 にはこの 点 に 関 して 債 務 が 棒 引 きされる 制 度 といったような 誤 解 をしている 企 業 なども 少 なくないというのが 実 情 である 2013 年 8 月 末 時 点 では 対 応 相 談 案 件 は 459 件 に 上 り 内 78 件 の 企 業 の 債 権 2 資 料 ページ 図 2 参 照 3 資 料 ページ 図 3 参 照

買 取 を 決 定 実 行 している 4 また センターと 似 た 組 織 で 東 日 本 大 震 災 事 業 者 再 生 支 援 機 構 という 組 織 が 存 在 する 詳 しい 比 較 等 は 図 5 5 を 参 照 していただきたいが 両 者 の 違 いと しては 震 災 前 において 既 に 赤 字 企 業 であった 企 業 に 対 しては 安 定 的 な 事 業 の 継 続 が 十 分 に 見 込 めない 限 り 産 業 復 興 相 談 センターでの 支 援 が 困 難 である 一 方 東 日 本 大 震 災 事 業 者 再 生 支 援 機 構 はそのような 赤 字 企 業 も 支 援 の 対 象 として 含 める また 東 日 本 大 震 災 事 業 者 再 生 支 援 機 構 はつなぎ 融 資 なども 行 っており このようなことから 産 業 復 興 相 談 センターは 狭 く 深 く 産 業 政 策 の 側 面 が 強 い 一 方 東 日 本 大 震 災 事 業 者 再 生 支 援 機 構 は 広 く 浅 く 社 会 福 祉 の 側 面 が 強 いと 言 える また 産 業 復 興 相 談 センターでは 対 応 することの 出 来 ない 案 件 を 東 日 本 大 震 災 事 業 者 再 生 支 援 機 構 の 方 に 引 き 継 ぐなどの 連 携 も 行 われてい る しかし 一 見 後 者 の 方 が 幅 広 い 救 済 の 可 能 性 があるようにも 見 えるが 支 援 を 行 っても 事 業 再 開 継 続 の 可 能 性 が 低 い 企 業 までを 支 援 の 対 象 とするこ とは 将 来 的 に 大 規 模 連 鎖 的 な 企 業 の 破 綻 金 融 危 機 の 引 き 金 に 繋 がる 可 能 性 も 考 えられるという 点 に 関 しては 注 意 をする 必 要 がある ( 事 実 阪 神 淡 路 大 震 災 ではしっかりとした 審 査 等 を 行 わずに 企 業 を 支 援 していったため 後 に 連 鎖 的 な 企 業 の 破 綻 による 大 量 の 不 良 債 権 が 問 題 となった ) 3.フレームに 対 する 問 題 点 今 回 被 災 地 を 訪 れ 調 査 を 重 ねる 中 で 産 業 復 興 相 談 センターの 取 り 組 みに 企 業 の 方 は 大 変 感 謝 していることを 感 じ 取 ることが 出 来 た そのような 意 味 ではこ の 取 り 組 みが 果 たしている 役 割 は 想 像 以 上 に 大 きく なおかつ 効 果 的 に 機 能 し ているといえる しかし 現 地 での 取 材 をする 中 で 以 下 の 様 な 問 題 も 明 らかになった 1 現 在 中 小 企 業 の 多 くは 厳 しい 経 営 環 境 の 中 大 規 模 災 害 といった 可 能 性 の 極 めて 低 いものには 資 金 等 を 使 い 対 策 をすることが 難 しいといえ ること 2 結 果 として 今 回 は 公 的 資 金 に 頼 ることとなったのだが 本 来 企 業 は 起 こ りうる 全 ての 事 象 に 対 してその 責 任 を 負 うという 無 限 責 任 という 前 提 の 上 に 事 業 活 動 を 行 っているはずである 公 的 資 金 を 注 入 するということ はこの 前 提 と 矛 盾 する 行 為 であり 特 定 の 企 業 にこのような 支 援 を 行 う のは 市 場 の 競 争 を 歪 める 原 因 にもなりかねない 4 資 料 ページ 図 4 参 照 5 資 料 ページ 図 5 参 照

3 震 災 から 数 えて 3 期 目 に 突 入 したからこそ 見 えてくる 事 業 計 画 の 未 達 成 及 び 新 規 の 融 資 も 含 めた 債 務 の 不 履 行 という 問 題 もある 現 在 進 行 形 で 進 んでいる 事 象 であり 将 来 的 にはどうなるか 不 透 明 な 部 分 もあるが 震 災 前 の 負 債 はおろか 復 興 の 際 の 負 債 までも 返 済 出 来 ないリスクが 懸 念 されている また それに 伴 い 新 たな 資 金 調 達 の 必 要 性 が 発 生 する 可 能 性 もある 4 企 業 インタビュー 内 において 既 存 の 負 債 の 棒 引 き 制 度 という 誤 解 や 震 災 以 前 に 赤 字 企 業 であった 事 業 者 は 制 度 が 利 用 出 来 ないといった 誤 解 が 先 行 して 広 まってしまったことも 問 題 点 として 挙 げられる このことは 制 度 の 普 及 の 遅 延 の 原 因 となっている 4. 提 言 ~ 災 害 における 組 合 ~ 以 上 のようにこの 産 業 復 興 相 談 センターは 中 小 企 業 の 復 興 という 面 で 多 大 な 貢 献 をしてきたといえる 一 方 いくつかの 問 題 も 抱 えているといえる また 災 害 に 見 舞 われることの 多 い 我 が 国 では 今 後 も 今 回 のような 事 象 が 起 こりうる 確 率 は 大 いに 存 在 している 産 業 復 興 相 談 センターは 時 限 的 な 組 織 で あり 今 後 今 回 のような 大 規 模 災 害 の 度 に 毎 回 このような 組 織 を 一 から 作 っ ていては 迅 速 な 対 応 も 難 しい そこで 私 たちはこのスキームを 次 世 代 に 起 こりうる 災 害 に 対 しての 対 策 とし ての 発 展 形 である 常 設 の 機 関 である 災 害 に 強 い 国 づくりファンド( 通 称 : 富 国 強 産 ファンド) というかたちで 提 言 を していきたい このファンドの 特 徴 は 従 来 産 業 復 興 相 談 センターが 担 ってきた 各 種 業 務 内 容 に 加 えて 以 下 の 2 つの 機 能 を 付 け 加 える 1. 今 後 起 こりうる 災 害 に 対 しての 保 険 機 能 2. 支 援 をより 円 滑 にするための 情 報 共 有 機 能 本 来 担 ってきた 二 重 債 務 問 題 における 産 業 復 興 支 援 センターの 役 割 を 引 き 継 ぐ ことにより 貸 し 倒 れリスクを 最 小 限 に 抑 えることが 出 来 るように 努 力 する また 今 後 災 害 が 起 きた 時 に 今 回 のような 枠 組 みをしっかりと 用 意 してお けば 迅 速 に 対 応 に 移 ることが 出 来 る さらに 上 記 の 2 つを 加 える 保 険 機 能 を 付 与 することによって 今 後 は 公 的 負 担 を 最 大 限 減 らすという 効 果 も 望 むことが 出 来 るのである 今 回 のスキームでは 国 : 民 間 金 融 機 関 =8:2 で 運 用 されている この 割 合 では 国 の 支 出 がどうしても 多 くなってしまう 今 回 のような 災 害 ですべてを 失 うと 同 じように 二 重 の 債 務 を 背 負 わなくてはな らない 企 業 が 出 てくることが 予 測 される そのリスクに 対 するヘッジ 手 段 とし

て 損 害 保 険 会 社 に 払 うような 形 で 少 額 のお 金 をファンドに 出 資 する 全 国 の 様 々な 地 域 から 出 資 することで 災 害 のリスク 分 散 も 出 来 る 万 が 一 今 回 のよ うな 資 本 喪 失 を 伴 う 大 規 模 災 害 に 見 舞 われたときはその 出 資 だけでは 足 りない だろう その 時 にはファンドが 賄 えない 分 を 公 的 資 金 として 支 援 を 行 う この ように 全 国 の 中 小 企 業 をはじめ 大 企 業 等 が 少 額 でも 負 担 すれば 国 の 負 担 は 減 り 災 害 に 見 舞 われた 時 の 国 の 二 重 債 務 に 対 する 公 的 資 金 の 負 担 も 減 らすこと が 出 来 る そして この 提 言 のメインとしていきたいのが 情 報 共 有 機 能 である この 情 報 共 有 機 能 には 2 つ の 意 味 がある まず 1 つ 目 は 災 害 が 起 きた 際 に 災 害 が 起 きた 地 域 の 企 業 間 で 情 報 を 共 有 し 合 うことである いわゆる 横 のつながりであ る 今 回 被 災 地 企 業 の 方 が 一 番 苦 労 したのは 事 業 計 画 づくりである それに 対 してファンドが 仲 介 に 入 り 計 画 作 成 に 対 して 情 報 を 共 有 することが 出 来 る ようになれば 効 率 よく 融 資 を 受 けることにもつながる 仲 介 に 入 ることで 横 の つながりを 密 にし 事 業 計 画 づくりを 相 互 で 共 有 していくのである 2 つ 目 に 将 来 の 災 害 の 際 のために 実 際 に 行 われた 支 援 の 情 報 を 残 していくア ーカイブ 機 能 である 例 えば 別 の 地 域 で 水 産 加 工 業 の 企 業 が 被 災 したとする その 時 に 今 回 の 水 産 加 工 業 の 事 例 が 使 えるかもしれない 被 災 してから 復 旧 し 今 に 至 るまで そして 今 後 復 興 していくまでの 過 程 がその 時 に 使 えるかも しれない もちろん 共 有 するのは 成 功 事 例 だけではない 失 敗 例 も 共 有 する そうすることで 今 後 は 災 害 が 起 こった 時 にそこから 迅 速 かつ 効 率 的 に 企 業 の 復 興 が 出 来 るのではないだろうか 実 際 今 回 の 取 材 でもプライバシーの 問 題 からいえない 点 もあるが そのようなことが 非 常 に 多 く 感 じられた 情 報 を 共 有 することには 難 色 を 示 す 企 業 が 多 数 存 在 するであろう さらに 悪 用 の 可 能 性 地 域 の 特 性 によって 事 例 が 異 なるなども 出 てくるであろう しかし リス クマネジメントもさることながら 情 報 を 共 有 することにより 支 援 を 受 けた 際 のリスクの 軽 減 にもつながる この 情 報 共 有 機 能 によって 2 つの 効 果 を 付 与 す ることで 現 地 調 査 を 踏 まえて 介 在 している 問 題 点 を 解 決 することが 出 来 るで あろう 未 曾 有 の 大 災 害 だからこそ 全 体 の Experience を 活 かしていくこ とが 必 要 なのである 終 わりに 日 本 の 産 業 と 災 害 は 切 っても 切 れない 関 係 といえる だからこそ 今 回 のスキームを 維 持 発 展 させていくことは 日 本 全 体 のリスクマネジメントに もつながっていくのである 金 融 を 通 じて 産 業 を 救 う この 提 言 を 私 たちは 強 く 推 進 していきたい

図 4 岩 手 県 産 業 復 興 相 談 センターの 相 談 受 付 状 況 対 応 相 談 案 件 実 件 数 459 買 取 決 定 78 債 務 の 返 済 条 件 変 更 等 の 合 意 21 買 取 債 務 の 返 済 条 件 変 更 に 向 けた 検 討 作 業 中 35 従 来 型 の 再 生 支 援 を 検 討 中 7 窓 口 相 談 継 続 中 ( 情 報 の 収 集 整 理 等 ) 8 窓 口 相 談 完 了 ( 助 言 を 行 い 完 結 ) 30 センターや 各 種 制 度 の 説 明 等 を 終 了 280 参 考 文 献 : 岩 手 県 産 業 復 興 相 談 センターの 相 談 受 付 状 況 ( 岩 手 県 産 業 復 興 相 談 センターより)

図 5 産 業 再 生 支 援 機 構 と 東 日 本 大 震 災 事 業 者 再 生 支 援 機 構 の 比 較 組 織 名 岩 手 産 業 復 興 機 構 ( 岩 手 県 産 業 復 興 相 談 センター) 東 日 本 大 震 災 事 業 者 再 生 支 援 機 構 形 態 投 資 事 業 有 限 責 任 機 構 組 合 株 式 会 社 出 資 者 等 中 小 企 業 基 盤 整 備 機 構 :80% 任 意 組 合 他 :20% ( 県 岩 手 銀 行 東 北 銀 行 預 金 保 険 機 構 貯 金 保 険 機 構 北 日 本 銀 行 宮 古 信 金 ) 存 続 期 間 12 年 (3 年 延 長 可 ) 20 年 投 資 機 関 2 年 2か 月 (1 年 延 長 可 ) 5 年 (1 年 延 長 可 ) 拠 点 盛 岡 ( 他 現 地 事 務 所 合 わせて 計 12か 所 ) 仙 台 東 京 東 日 本 大 震 災 事 業 者 再 生 支 援 機 構 法 支 援 対 象 地 域 ( 復 興 場 所 ) 第 19 条 第 1 項 により 指 定 された 地 域 ( 上 に 指 定 された 地 域 であれば 従 来 と 違 っても 可 ) 業 務 内 容 支 援 対 象 企 業 岩 手 県 ( 将 来 戻 ってきたい 意 志 があれば 他 所 での 復 興 も 可 ) 債 権 買 取 金 融 機 関 に 対 するリスケ DES DDS 債 権 放 棄 等 の 交 渉 調 整 事 業 計 画 作 成 支 援 アドバイス 中 小 企 業 に 限 定 せず 被 災 企 業 であれば 可 ( 大 企 業 は 除 く) ( 一 定 比 率 までは 中 小 企 業 以 外 の 買 取 も 可 ) 旧 債 務 の 整 理 ( 債 権 買 取 リスケ DES DDS 債 務 免 除 ) 事 業 再 生 支 援 ( 専 門 家 派 遣 助 言 つなぎ 融 資 出 資 債 務 保 証 ) 中 小 企 業 中 堅 企 業 ( 大 企 業 第 3セクは 対 象 外 ) 重 点 対 象 : 小 規 模 事 業 者 農 林 水 産 事 業 者 医 療 福 祉 事 業 者 産 業 復 興 機 構 が 支 援 困 難 な 事 業 者 ) 買 取 価 格 算 定 震 災 前 の 平 均 CF 5 年 分 (DCF) 他 DCF 法 ( 最 長 15 年 ) または 回 収 可 能 価 格 とリ ファイナンス 価 格 との 合 計 額 を 現 在 価 値 に 割 り 戻 す 方 法 支 援 決 定 数 78 岩 手 県 内 で65 件 の 支 援 決 定 ( 全 国 では200 件 ) 特 色 狭 く 深 く 産 業 政 策 的 な 側 面 広 く 浅 く 社 会 福 祉 的 な 側 面 参 考 文 献 : 岩 手 県 産 業 復 興 相 談 センターと 東 日 本 大 震 災 事 業 者 再 生 支 援 機 構 ( 岩 手 県 産 業 復 興 相 談 センターより)

参 考 文 献 21 世 紀 中 小 企 業 論 多 様 性 と 可 能 性 を 探 る ; 有 斐 閣 アルマ ; 渡 辺 幸 男 黒 瀬 直 宏 小 川 正 博 向 山 雅 夫 岩 手 県 産 業 復 興 相 談 センターのご 案 内 ; 岩 手 県 産 業 復 興 相 談 センター 産 業 宇 復 興 相 談 センターQ&A; 岩 手 県 産 業 復 興 相 談 センター 論 文 の 教 室 ~レポートから 卒 論 まで~;NHKbooks; 戸 田 山 和 久 岩 手 県 産 業 復 興 センターと 東 日 本 大 震 災 事 業 者 再 生 支 援 機 構 ; 岩 手 県 産 業 復 興 センター 岩 手 県 産 業 復 興 センターの 相 談 受 付 状 況 ; 岩 手 県 産 業 復 興 センター 一 般 社 団 法 人 全 国 銀 行 協 会 URL: http://www.zenginkyo.or.jp/ 最 終 アクセス 日 :2013 年 9 月 30 日