( 漢 方 と 最 新 治 療 11 (1): 7-12, 2002 より 転 載 一 部 修 正 ) アメリカにおける 漢 方 の 認 識 Anzai & Associates 安 西 英 雄 はじめに 薬 への 渇 望 は 人 間 の 歴 史 とともにある 古 来 権 力 者 が 不 老 長 寿 の 神 薬 をはるか 東 方 の 国 に 求 めたよう に 現 代 のわれわれも 難 病 への 特 効 薬 を 求 めて 熱 帯 の 密 林 から 深 海 の 海 底 までを 渉 猟 する それが 人 間 の 本 性 に 深 く 根 ざした 行 為 であるのなら ある 社 会 が 別 の 文 化 圏 で 行 われている 医 療 に 関 心 を 示 すのは きわめて 自 然 なことであろう 異 なった 文 化 背 景 を 持 つ 医 療 を 自 己 の 文 化 の 中 心 にある 医 療 に 対 比 さ せて 代 替 医 療 と 呼 ぶことも 不 思 議 なことではない したがって 日 本 人 には 馴 染 みの 深 い 漢 方 もアメリ カにおいては 代 替 医 療 の 中 に 包 含 される 本 稿 ではアメリカにおける 代 替 医 療 の 現 状 を 概 観 し その 背 景 を 考 察 し 漢 方 の 浸 透 度 について 初 期 的 な 情 報 を 提 供 する アメリカの 状 況 を 理 解 する 一 助 として 頂 ければ 幸 甚 である 1. 代 替 医 療 とは アメリカ 国 内 でまだ 普 及 していない 世 界 中 のすべての 医 療 が アメリカでは 代 替 医 療 と 呼 ばれること になる ゆえに 代 替 医 療 の 内 容 を 網 羅 的 に 説 明 することは 難 しい NIH(National Institutes of Health)は 補 完 代 替 医 療 (complementary and alternative medicine)という 表 現 を 用 い それを 治 療 や 医 療 行 為 であって 医 学 部 で 広 く 教 えられておらず 病 院 で 一 般 的 に 行 われ てはおらず 健 康 保 険 の 償 還 を 通 常 は 受 けないもの と 緩 やかに 定 義 し (1) 内 容 に 応 じて 別 の 医 療 体 系 心 身 療 法 生 物 学 に 基 づいた 療 法 ( 内 服 療 法 ) 手 技 による 身 体 に 基 づいた 方 法 エネル ギー( 気 ) 療 法 の 5 つに 分 類 している( 表 1) (2) 表 1 NCCAM による 代 替 医 療 の 分 類 分 類 具 体 例 Alternative Medical Traditional Oriental Medicine (Acupuncture, Herbal Medicine, Oriental Systems Massage, Qi Gong) / Ayurveda / Other traditional Medical Systems (Native American, Aboriginal, African, Middle-Eastern, Tibetan, Central/South American) / Homeopathic Medicine / Naturopathic Medicine Mind-Body Interventions Hypnosis / Dance, Music, or Art Therapy / Prayer / Mental Healing Biological-Based Therapies Manipulative and Body-Based Methods Herbal therapies/ Special Diet Therapies (Dr. Atkins, Dr. Ornish, Dr. Pritikin, Dr. Weil) / Orthomolecular Therapies (Magnesium, Melatonin, Mega Vitamin) / Biological Therapies (Laetrile, Shark Cartilage, Bee Pollen) Chiropractics / Massage Therapy / Osteopathic Manupilation / Therapeutic Touch Energy Therapies Biofield Therapies / Qi Gong, Reiki, Therapeutic Touch / Bioelectromagnetic-Based Therapies / Unconventional Use of Electromagnatic Fields
このようにアメリカは 実 に 多 彩 な 医 療 手 段 を 代 替 医 療 の 視 野 の 中 に 収 め 研 究 の 対 象 として さらに ヘルスケアの 一 翼 を 担 う 可 能 性 のあるものとしてとらえている 2.アメリカにおける 代 替 医 療 の 浸 透 1) 代 替 医 療 の 浸 透 この 10 年 ほどアメリカでは 代 替 医 療 が 驚 くべき 勢 いで 伸 張 してきたが アメリカ 医 学 界 がそれを 認 識 したのは 1993 年 のEisenbergの 論 文 が 契 機 であるとされる 論 文 によれば 1990 年 の 1 年 間 にアメリカ 人 がカイロプラクターなど 代 替 医 療 施 設 へ 訪 問 した 回 数 はかかりつけ 医 師 (primary care physician)への 訪 問 回 数 より 多 く 代 替 医 療 を 受 けるために 支 払 った 金 額 は 病 院 入 院 のための 自 己 負 担 額 にほぼ 匹 敵 し たと 推 測 され 代 替 医 療 の 驚 くべき 浸 透 ぶりが 初 めて 明 らかにされた (3) 1997 年 にも 同 じグループが 同 じ 手 法 で 再 度 調 査 を 行 った それによると 代 替 医 療 の 普 及 はさらに 進 み 代 替 医 療 施 設 への 訪 問 回 数 は 47% 増 加 し( 図 1) 代 替 医 療 を 受 けるために 支 払 った 金 額 は 45% 増 の 212 億 ドル うち 自 己 負 担 額 は 122 億 ドルとそれぞれ 増 加 した( 図 2) 1990 年 1997 年 代 替 医 療 施 設 かかりつけ 医 師 0 100 200 300 400 500 600 700 施 設 訪 問 回 数 ( 100 万 ) 図 1 代 替 医 療 施 設 への 年 間 訪 問 回 数 の 推 移 (Eisenberg, 1998) 1990 年 1997 年 自 己 負 担 金 額 その 他 の 支 払 金 額 0 50 100 150 200 250 支 払 金 額 ( 億 ドル) 図 2 代 替 医 療 受 診 時 の 支 払 金 額 の 推 移 (Eisenberg, 1998) すべての 代 替 医 療 のための 自 己 負 担 支 出 額 は 270 億 ドル 3 兆 円 超 と 推 計 され すべての 医 師 への 支 払 いの 自 己 負 担 額 に 匹 敵 する 大 きさになった (4) 日 本 の 一 般 用 医 薬 品 の 年 間 生 産 金 額 8 千 億 円 医 療 用 医 薬 品 の 年 間 生 産 金 額 5 兆 4 千 億 円 (いずれも 平 成 11 年 度 )と 比 較 するなら この 金 額 の 大 きさが 実 感 できよう 2)OAM の 設 立 と NCCAM への 発 展 このようなアメリカ 国 民 の 消 費 動 向 の 際 立 った 変 化 を 受 けてNIHは 代 替 医 療 の 科 学 的 な 研 究 と 評 価 の ために 1992 年 代 替 医 療 局 (Office of Alternative Medicine; OAM)を 設 け OAMはさらに 1999 年 国 立 補 完 代 替 医 療 センター(National Center for Complementary and Alternative Medicine; NCCAM)に 格 上 げ 改 組
された NCCAMの 予 算 は 2002 年 には 1 億 ドルを 超 えることが 見 込 まれ 公 募 により 潤 沢 な 研 究 費 が 研 究 グラントとして 大 学 や 企 業 に 供 与 されている (5) 2001 年 には 鍼 に 関 するテーマ 6 件 ギンコー ビロ ーバ 4 件 カイロプラクティクス 3 件 脂 肪 酸 2 件 オウゴン 2 件 など 計 123 件 がNCCAMからこの 研 究 グラントを 受 けた (6) またNCCAMは 代 替 療 法 の 臨 床 研 究 43 件 について 患 者 のリクルートも 支 援 して おり 様 々な 形 で 代 替 医 療 の 研 究 と 評 価 の 進 展 を 図 っている (7) 3)DSHEA の 成 立 1994 年 にダイエタリー サプルメント 健 康 教 育 法 (Dietary Supplement Health and Education Act; DSHEA)が 成 立 し (8) 食 品 の 中 にダイエタリー サプルメント( 以 下 DS)という 新 たなカテゴリーが 設 けられた (9) それまでは 医 薬 品 として 承 認 を 取 るしか 適 法 に 販 売 する 道 がなかった 生 薬 製 剤 などの 多 く の 製 品 がこうして 消 費 者 に 効 能 を 伝 えながら 販 売 できることになり DSの 普 及 は 爆 発 的 に 加 速 された その 後 DSの 効 能 表 示 に 関 する 詳 細 な 規 制 (10) 製 造 ガイドラインであるDS-GMP(Good Manufacturing Practice)の 案 (11) 生 薬 製 剤 を 医 薬 品 として 承 認 申 請 するためのガイダンス 案 (12) などが 発 表 され 法 規 制 の 環 境 は 一 層 整 いつつある 4) 既 存 の 主 流 医 学 界 の 反 応 代 替 医 療 浸 透 の 影 響 はメインストリームの 医 療 の 側 にも 及 んだ 代 替 医 療 に 関 心 を 持 つ 患 者 層 が 急 速 に 拡 大 するにつれ 医 師 も 代 替 医 療 について 勉 強 せざるを 得 なくなり さらに 代 替 医 療 を 診 療 の 一 部 に 取 り 入 れる 動 きが 芽 生 えた こうしてアメリカ 医 科 大 学 協 会 所 属 の 125 大 学 のうち 代 替 医 療 についての 授 業 や 卒 後 教 育 コースを 設 ける 大 学 が 75 大 学 に 至 り (13) ハーバード 大 学 アリゾナ 大 学 デューク 大 学 スタンフォード 大 学 メリーランド 大 学 コロンビア 大 学 などのそうそうたる 大 学 が 競 うように 代 替 医 療 研 究 センターを 設 立 した (14) また 病 院 やクリニックがカイロプラクティクス 鍼 灸 ヨガ マッサージ 瞑 想 などの 専 門 家 を 擁 し 統 合 医 療 (integrative medicine)と 標 榜 するのが 盛 んになってきた 5)DS の 普 及 最 近 の 調 査 によれば 2000 年 のDS 市 場 は 168 億 ドル 約 2 兆 円 規 模 と 推 計 され アメリカ 人 の 59%が DSをいつも 服 用 しているという 驚 くべき 普 及 率 に 達 した (15) DS 市 場 の 最 大 のカテゴリーはビタミン 製 品 で DS 全 体 の 35%(59 億 ドル) 次 に 生 薬 製 品 が DS 全 体 の 25%(41 億 ドル)を 占 めた すなわちアメリカ 人 の 15% およそ 6 人 に 1 人 は 生 薬 DS を 服 用 してい るという 計 算 になる 最 近 の 成 長 分 野 はスペシャルティ サプルメントと 呼 ばれるカテゴリーで グル コサミン メラトニン DHEA Co-Q10 SAM-e などの 成 分 がここに 該 当 する( 表 2) 特 筆 すべきはDS 服 用 者 の 33%が 医 師 のアドバイスで 服 用 するようになったことで DSの 有 用 性 を 認 める 医 師 が 増 えつつあることがわかる (16) 表 2 ダイエタリー サプルメントの 売 上 金 額 (2000 年 ) カテゴリー 売 上 金 額 ( 億 ドル) 内 訳 (%) Vitamins 59.0 35 Herbal & Botanicals 41.2 25 Meal Supplements 21.4 13 Specialty Supplements 16.7 10 Sports Nutrition Products 15.9 9
Minerals 13.9 8 Total 168.1 100 (Nutrition Business Journal, 2001) 3.アメリカにおける 健 康 意 識 の 変 遷 DSの 急 速 かつ 持 続 する 浸 透 ぶりを 見 るとこの 現 象 の 基 盤 には 社 会 的 な 必 然 性 があるに 違 いないと 思 われる DS 消 費 を 牽 引 しているのは 高 学 歴 高 収 入 の 白 人 女 性 ベビーブーマーであると 言 われるが (3) こ の 世 代 の 健 康 意 識 の 変 遷 の 中 にその 背 景 の 一 端 を 垣 間 見 ることができる 1950 年 代 アメリカ 人 にとって 良 い 食 事 とはたくさんの 肉 とポテトであった 60 年 代 には 加 工 食 品 が 盛 んになったが 学 生 運 動 の 影 響 で 自 然 なものに 価 値 を 見 出 す 思 想 が 広 がり 自 然 食 品 を 尊 重 する 基 盤 ができた 同 じころ 塩 分 やコレステロールと 循 環 器 疾 患 の 関 係 が 次 第 に 認 識 され 始 め 消 費 者 は 食 物 に より 関 心 を 払 うようになった 70 年 代 には 消 費 者 はさらに 運 動 の 効 能 を 認 識 するようになり ジョギングやスポーツクラブが 盛 んに なった 80 年 代 には 生 活 が 豊 かになりグルメの 楽 しみを 知 り 一 方 でサラダなど 低 脂 肪 低 塩 分 低 糖 分 の 食 事 がもてはやされ 食 事 への 関 心 は 一 層 深 まった 一 方 このころまでに 消 費 者 は 医 療 についてかなりの 知 識 を 身 につけた 60 年 代 の 混 乱 期 を 体 験 した 消 費 者 は 医 療 の 権 威 から 自 立 するのも 容 易 だった 高 騰 する 医 療 費 と 営 利 優 先 の 健 康 保 険 制 度 に 不 満 を 募 らせ 消 費 者 は 自 分 の 健 康 は 自 分 で 守 ろうという 姿 勢 を 強 めていった それを 敏 感 に 感 じ 取 った 病 院 や 企 業 は 相 次 いで 健 康 情 報 の 提 供 を 進 め 健 康 専 門 のウエブサイトを 開 いた こうして 史 上 初 めて 消 費 者 の 多 くが 自 分 の 病 気 や 治 療 について 自 分 自 身 で 調 べる 社 会 が 生 まれた やがて 厳 格 な 食 事 節 制 にやや 疲 れた 消 費 者 は 90 年 代 後 期 になって 日 ごろは 節 制 しながらも 自 分 の 判 断 で 時 には 豊 かな 食 事 を 楽 しむようになった ベビーブーマーの 消 費 者 たちはこのような 試 行 錯 誤 を 通 して 健 康 と 栄 養 について 学 習 し 食 事 でそれ をコントロールし 運 動 でそれを 補 うことを 覚 えた DSの 登 場 は 食 事 による 栄 養 コントロールを 補 う 心 強 い 援 軍 であり 消 費 者 はそれらを 文 字 通 り 自 家 薬 籠 中 のものとしつつある (17) アメリカの 新 聞 やテレビの 健 康 情 報 の 質 と 量 は 日 本 をはるかに 凌 駕 している アメリカ 人 全 体 の 健 康 に 関 する 認 識 が 底 辺 から 日 々 向 上 していることは 疑 いない 代 替 医 療 の 急 速 な 浸 透 の 背 景 にはこのよう に 長 年 にわたって 培 われた 堅 固 な 社 会 的 基 盤 と 要 請 があるものと 考 えられる 4.アメリカにおける 漢 方 の 認 識 アメリカの 多 種 多 様 な 代 替 医 療 の 中 における 漢 方 の 浸 透 度 をできる 限 り 相 対 的 に 客 観 的 に 示 すため インターネットのウエブサイト 数 を 指 標 に 用 いる アメリカではインターネットの 世 帯 普 及 率 が 50%を 越 え 既 に 日 常 生 活 の 必 需 品 となっている 社 会 の 各 セグメントの 関 心 の 度 合 いがその 中 に 投 影 されて いると 考 えることができる 1) 漢 方 と TCM の 浸 透 度 各 種 のデータベースや 人 気 のヘルスサイトなどで 漢 方 について 検 索 した 対 照 として 伝 統 中 国 医 学 (traditional Chinese medicine; TCM)についても 同 じ 検 索 を 行 いヒット 数 を 比 較 した( 表 3) 漢 方 は kampo とし TCM は Chinese medicine として 検 索 した
表 3 漢 方 と TCM についてのヒット 数 データベースなど 漢 方 TCM URL NIH 6 114 http://www.nih.gov Medline/PubMed 270 5,016 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi CHID Online 7 339 http://chid.nih.gov/simple/simple.html IBIDS 185 1,697 http://ods.od.nih.gov/databases/ibids.html Dr Koop 0 3 http://drkoop.com WebMD 0 180 http://webmd.com HealthWorld Online 1 50 http://www.healthy.net Mothernature 0 1 http://mothernature.com/hn_index.process?te mname=home Vitaminshoppe 0 111 http://www.vitaminshoppe.com WholeHealthMD 0 2,357 http://www.wholehealthmd.com Google 19,800 660,000 http://www.google.com NIH のホームページで 漢 方 を 検 索 すると 6 件 ヒットする いずれも 漢 方 という 言 葉 だけが 短 く 記 載 さ れた 程 度 のもので 漢 方 の 内 容 はほとんど 伝 えていない TCM は 114 件 あり 国 立 医 学 図 書 館 (National Library of Medicine)が 一 昨 年 TCM の 特 別 展 を 行 い 神 農 や 黄 帝 の 絵 や 傷 寒 論 などを 展 示 していたことが わかる Medline/Pubmed CHID Online IBIDS はいずれも NIH の 医 学 文 献 データベースであるが 漢 方 は TCM にはるか 及 ばない 以 上 のような 事 実 は 医 療 専 門 家 の 間 での 漢 方 の 認 知 度 のレベルを 反 映 し ていると 考 えてよい Dr. Koop Web MD Health World Online は 人 気 の 高 いヘルスサイトでアメリカの 消 費 者 はこのような サイトから 必 要 な 医 療 情 報 を 収 集 するが 漢 方 については 情 報 が 得 られない Mothernature Vitaminshoppe Whole Health MD は 主 要 な DS のインターネット 販 売 会 社 のサイトであるが 漢 方 の 情 報 も 製 品 もない これらは 一 般 アメリカ 人 社 会 への 漢 方 の 浸 透 度 をあらわしていよう 以 上 のように 漢 方 は 医 療 専 門 家 と 一 般 消 費 者 とを 問 わず アメリカ 社 会 に 浸 透 しているとは 言 えな い というのが 一 般 的 な 結 論 になろう 2) 漢 方 に 言 及 したウエブサイト 見 方 を 変 えて 漢 方 を 認 識 している 主 な 企 業 大 学 団 体 などを 紹 介 する Googleで kampo を 検 索 すると 真 っ 先 にツムラの 英 文 サイトが 出 てくる (18) ここから 漢 方 についての 情 報 を 得 るアメリカ 人 も 多 いものと 思 われる 本 草 製 薬 もHonso USA, Inc.を 介 して 漢 方 製 品 をアメリカで 販 売 しており (19) いく つものウエブサイトにその 製 品 広 告 を 見 出 すことができる 大 学 としてはテキサス 大 学 (20) モンタナ 州 立 大 学 (21) (2 ミシガン 大 学 2)に 漢 方 に 触 れたウエブページが ある 鍼 灸 のサイトには 漢 方 の 記 事 が 時 折 見 られ Acupuncture Todayには 日 本 漢 方 の 現 状 についてよく まとまった 解 説 がある (23) その 他 ヘルスサイト (24, 25) DS 業 界 紙 (26) 出 版 社 (27) なども 漢 方 について 説 明 を 載 せている 3) 処 方 に 言 及 したウエブサイト 処 方 名 で Google 検 索 をすればまた 別 の 情 報 が 得 られる 例 として 小 柴 胡 湯 (Sho-saiko-to)で 検 索 し て 見 出 せるウエブサイトをいくつか 紹 介 する
HIV 感 染 者 支 援 団 体 PWA Health Groupのサイトには 小 柴 胡 湯 の 解 説 がある (28) ヘルスサイトHealth Notesには 小 柴 胡 湯 と 抗 エイズ 薬 3TCの 相 乗 作 用 (29) と 小 柴 胡 湯 とインターフェロン 併 用 時 の 副 作 用 (30) に ついての 記 事 がある HIVと 肝 炎 のサイトにも 小 柴 胡 湯 が 記 載 され (31) 癌 情 報 のサイトには 肝 硬 変 から 肝 癌 への 進 展 予 防 の 比 較 臨 床 試 験 の 解 説 がまとめられている (32) このように 特 定 の 関 心 を 持 って 代 替 医 療 を 切 実 に 捜 し 求 めている 人 々にとっては 漢 方 は 魅 惑 的 な 未 知 の 医 療 の 一 つであるのだろう まとめ 概 観 してきたように アメリカ 社 会 の 健 康 観 の 進 展 とともに 代 替 医 療 はヘルスケアの 手 段 として 脚 光 を 浴 び 多 種 多 様 な 代 替 医 療 が 社 会 に 急 速 に 浸 透 しつつある 生 薬 製 剤 もアメリカ 人 の 生 活 になじみ 研 究 者 も 行 政 もその 扱 いを 学 んだ 識 者 の 指 摘 するとおり 製 品 の 規 格 化 医 薬 品 との 相 互 作 用 法 規 のさらなる 整 備 など 様 々な 課 題 は 残 されているが (33) 漢 方 の 受 け 入 れ 環 境 は 10 年 前 に 比 較 すると 格 段 に 改 善 し 漢 方 に 関 心 を 寄 せる 人 々も 各 界 各 層 で 増 加 している しかしその 他 の 代 替 医 療 の 浸 透 と 比 較 すると 漢 方 のアメリカにおける 普 及 は 緩 慢 で 一 般 の 医 療 専 門 家 や 消 費 者 の 間 ではまだまだ 漢 方 の 認 知 度 は 低 く 西 洋 生 薬 や TCM の 後 塵 を 拝 している 代 替 医 療 がアメリカで 正 統 な 医 療 の 一 部 として 認 められるには 研 究 の 蓄 積 によって 有 用 性 を 証 明 し てゆくプロセスが 不 可 欠 であろう カイロプラクティクスも 鍼 灸 も 西 洋 生 薬 製 剤 もこれまで 着 実 にその 努 力 を 進 めてきており 一 歩 ずつ 信 頼 を 獲 得 しその 評 価 を 高 めてきた 漢 方 もまた アメリカで 臨 床 評 価 が 行 われるようになって 初 めて 一 つの 可 能 性 ある 医 療 として 広 く 認 知 されるようになるのではないだろうか 最 後 に 前 出 のEisenberg 氏 が 好 んで 引 く 箴 言 を 引 用 して 結 語 とする (34) Real gold does not fear the heat of even the hottest fire. 文 献 URL (1) http://nccam.nih.gov/fcp/faq/index.html#what-is (2) http://nccam.nih.gov/nccam/fcp/classify (3) Eisenberg DM, Kessler RC, Foster C, Norlock FE, Calkins DR, Delbanco TL.: Unconventional medicine in the United States. Prevalence, costs, and patterns of use. N Engl J Med, 328 (4) pp246-52, 1993. (4) Eisenberg DM, Davis RB, Ettner SL, Appel S, Wilkey S, Rompay MV, Kessler RC: Trends in Alternative Medicine Use in the United States, 1990-1997 - Results of a Follow-Up National Survey. JAMA, 280 (18) pp 1569-75, 1998 (5) http://nccam.nih.gov/fi/research/guidelines (6) http://nccam.nih.gov/research/grants/rfb/fy01.htm (7) http://nccam.nih.gov/ne/clinical-trial (8) http://vm.cfsan.fda.gov/~dms/dietsupp.html (9) http://ods.od.nih.gov/whatare/whatare.html (10) http://vm.cfsan.fda.gov/~dms/ds-labl.html (11) http://www.supplementinfo.org/industry/cgmp.htm
(12) http://www.fda.gov/cder/guidance/1221dft.htm (13) http://www.ama-assn.org/sci-pubs/msjama/articles/vol_280/no_9/joc80673.htm (14) http://www.integrativemed.org (15) http://www.supplementinfo.org/industry/marketplace.htm (16) http://www.supplementinfo.org/latest_news/survey_results.htm (17) http://www.ecrm-epps.com/charliepres/wellness_may'01/approaching.htm (18) http://www.tsumura.co.jp/english/kthp/today.htm (19) http://honso.com/distributors/default.htm (20) http://www.uthscsa.edu/mission/spring98/kampo.html (21) http://www.montana.edu/wwwrjf/cam/2.htm (22) http://www.med.umich.edu/1libr/topics/alt01.htm (23) http://www.acupuncturetoday.com/archives2001/aug/08kenner.html (24) http://www.healthy.net/asp/templates/article.asp?pagetype=article&id=962 (25) http://www.holisticonline.com/remedies/depression/dep_kampo.htm (26) http://www.healthwellexchange.com/nfm-online/nfm_backs/nov_00/blends.cfm (27) http://www.naturalhealthnotebook.com/alternative_medicine/biological%20therapies/history_of_herbal_m edicine.htm (28) http://www.aidsinfonyc.org/pwahg/info/sskt.html (29) http://www.thedacare.org/healthinfo/drug/lamivudine.htm (30) http://www.thedacare.org/healthinfo/drug/interferon.htm (31) http://www.hivandhepatitis.com/hep_b/treatment/alternative.html (32) http://www.cancerconsultants.com/treatmentnewsupdates/liver%20news/liversept95.htm (33) Goldman P: Herbal Medicines Today and the Roots of Modern Pharmacology. Annals of Internal Medicine, 135 (8) pp594-600, 2001. (34) http://www.bidmc.harvard.edu/medicine/camr/