. 株 式 市 場 株 価 は 上 旬 にかけて 一 時 強 含 む 局 面 も あったが 国 債 市 場 と 同 様 先 行 きの 景 気 回 復 ペー スについての 見 方 が 慎 重 化 するもとで 上 昇 力 に 乏 しい 展 開 となった 日 経 平 均 株 価 は 昨 年 後 半 と 同 様 1 万 円 から1 万 千 円 の 比 較 的 狭 いレン ジで 推 移 し 6 末 時 点 で 昨 年 末 とほぼ 同 水 準 の1 万 1 千 円 台 半 ばとなった 1 1 1 11 1 ( 図 表 16) 内 外 株 価 ( 円 ドル) (ポイント) 6 4 8 6 本 年 前 半 の 株 価 の 推 移 をみると 年 明 け 後 は 景 気 の 踊 り 場 脱 却 に 対 する 期 待 が 強 まったことを 背 景 に 初 にかけて 昨 年 4 (1,16 円 ) 以 来 の 高 値 となる 11,966 円 (/9 日 )まで 上 昇 した( 図 表 16) もっともその 後 は 原 油 価 格 が 既 往 最 高 値 を 超 えて 上 昇 し 米 国 など 海 外 経 済 の 減 速 懸 念 が 強 まるなかで 海 外 株 価 が 下 落 に 転 じた( 図 表 17) わが 国 株 価 も 輸 出 の 先 行 き 等 に 対 する 懸 念 が 強 まったことに 加 えて 中 国 での 反 日 デモ(4/16 日 )をきっかけに 相 場 の 牽 引 役 となってきた 中 国 経 済 との 関 連 が 相 対 的 に 強 い 業 種 ( 中 国 関 連 業 種 )の 株 価 が 大 きく 下 落 したこともあって( 図 表 18) 昨 年 1 以 来 となる1 万 1 千 円 割 れの 水 準 まで 低 下 した その 後 6 中 旬 にかけて 欧 米 株 価 が 持 ち 直 した 後 も わが 国 株 価 の 上 昇 力 は 比 較 的 弱 いものに 止 まった なお 7 以 降 は やや 強 めの 経 済 指 標 の 発 表 が 続 いたことや 欧 米 株 価 の 上 昇 などから 幾 分 強 含 んでいるが 引 き 続 き の 年 初 来 高 値 を 下 回 る 水 準 で 推 移 している このように 本 年 前 半 中 わが 国 株 価 の 上 昇 力 が 乏 しい 展 開 となった 背 景 は 基 本 的 には 1 景 気 が 踊 り 場 を 脱 する 時 期 についての 市 場 参 加 者 の 見 方 が 徐 々に 慎 重 化 したもとで 企 業 収 益 見 通 し が 下 振 れしたことにあるとみられるが 需 給 面 では 近 年 最 大 の 買 い 手 となってきた 海 外 投 資 家 の 日 本 株 買 いが4~6 期 には 一 服 したことが 挙 げられる 9 4 日 経 平 均 ( 左 目 盛 ) 9 NYダウ( 左 目 盛 ) EuroSTOXX( 右 目 盛 ) 8 4/1 4/4 4/7 4/1 /1 /4 ( 出 所 )Bloomberg 11 18 16 14 1 1 98 96 94 ( 図 表 17) 米 国 株 価 と 原 油 価 格 (ドル) (ドル) 7 9 NYダウ( 左 目 盛 ) 原 油 (WTI 先 物 右 目 盛 ) 9 4/1 4/4 4/7 4/1 /1 /4 ( 出 所 )Bloomberg ( 図 表 18) 中 国 関 連 業 種 の 株 価 ( 年 末 =1) 14 鉄 鋼 非 鉄 中 国 関 連 業 種 1 1 11 1 9 海 運 TOPIX 8 4/1 4/4 4/7 4/1 /1 /4 ( 出 所 )QUICK 6 6 4 4 9
この 間 流 通 市 場 では 売 買 高 売 買 代 金 とも 比 較 的 高 い 水 準 が 続 いている( 図 表 19) ま た エクイティ ファイナンスは 1~ は 事 業 再 生 関 係 の 大 型 増 資 がみられたことから 増 加 したものの 4~6 は 株 価 が 伸 び 悩 んだことやボラティリティが 低 水 準 で 推 移 したこと から CB 発 行 公 募 増 資 等 が 低 調 となり 調 達 額 は 減 少 した( 図 表 ) ( 図 表 19) 株 式 売 買 高 等 ( 図 表 )エクイティ ファイナンス ( 億 株 ) ( 兆 円 ) ( 兆 円 ) ( 兆 円 ) 4 1 4 次 売 買 高 ( 左 目 盛 ) CB WB 次 売 買 代 金 ( 右 目 盛 ) 4 その 他 増 資 9 新 規 公 開 公 募 増 資 1 88/1 9/1 9/1 94/1 96/1 98/1 /1 /1 4/1 1 6 98 99 1 4 年 度 4/1Q 4/Q /1Q 1 ( 注 ) 東 証 一 部 ( 出 所 ) 東 京 証 券 取 引 所 ( 注 )その 他 増 資 には 株 主 割 当 第 三 者 割 当 が 含 まれる ( 出 所 ) 日 本 証 券 業 協 会 ( 企 業 収 益 見 通 しの 慎 重 化 ) わが 国 株 価 は やや 長 い 目 でみると 年 4 にバブル 崩 壊 後 の 最 安 値 を 更 新 したあと 反 発 し 年 8 に1 万 円 台 を 回 復 して 以 降 は 基 本 的 に1 万 円 ~1 万 千 円 の 範 囲 内 での 動 きと なっている 年 からの 年 間 でみれば 企 業 収 益 自 体 は 大 幅 な 増 益 を 続 けていたほか 中 期 的 な 成 長 期 待 も 概 ね 維 持 されており こうした ファンダメンタルズに 比 してみると 株 価 は 上 昇 力 を 欠 く 状 況 が 続 いた このことは PER( 株 価 収 益 率 予 想 収 益 ベース)がこの 間 低 下 傾 向 を 辿 ったことにも 顕 れている なお PER の 水 準 は 年 以 降 米 欧 と 概 ね 同 水 準 で 推 移 して いる 本 年 入 り 後 は 年 度 の 企 業 収 益 の 伸 びに 関 する 見 通 しがやや 慎 重 化 しており( 図 表 1) 先 述 の 通 り 基 本 的 にはこれが 本 年 前 半 の 株 価 上 昇 力 の 弱 さの 一 因 と 考 えられる もっとも PER も 引 き 続 き 緩 やかながら 低 下 しており( 図 表 ) 1 8 4 16 1 8 4 ( 図 表 1) 企 業 の 収 益 見 通 し /1 / /9 4/1 4/ 4/9 /1 / ( 注 ) 東 証 1 部 上 場 企 業 ( 金 融 業 を 除 く 決 算 銘 柄 で 年 度 か ら 決 算 変 更 合 併 を 実 施 しておらず 親 会 社 が 上 場 公 開 して いない 銘 柄 )の 経 常 増 益 率 見 通 し ( 出 所 ) 東 洋 経 済 新 報 社 予 想 をもとに 大 和 総 研 作 成 6 4 1 ( 前 年 比 %) ( 倍 ) 年 度 4 年 度 年 度 ( 図 表 ) 日 米 欧 の PER TOPIX S&P EURO STOXX 98/1 99/1 /1 1/1 /1 /1 4/1 /1 ( 注 ) 1 か 先 の 予 想 EPS を 使 用 ( 出 所 )I/B/E/S
株 価 が 収 益 見 通 しによって 説 明 される 以 上 に 低 下 している 可 能 性 を 示 唆 している 因 みに 近 年 における PER の 低 下 を 収 益 成 長 要 因 長 期 金 利 要 因 リスクプレミアム 要 因 に 分 解 してみ ると 本 年 前 半 もリスクプレミアムの 拡 大 が 株 価 押 し 下 げ 方 向 に 寄 与 する 形 となっている( 図 表 ) こうしたリスクプレミアムの 動 きも 市 場 における 先 行 き 不 透 明 感 の 根 強 さを 示 唆 して いるとみられる ( 海 外 投 資 家 の 動 向 ) わが 国 株 式 市 場 では 中 期 的 な 傾 向 として 銀 行 生 命 保 険 会 社 企 業 年 金 といった 国 内 投 資 家 が 保 有 株 式 の 削 減 を 進 める 一 方 海 外 の 投 資 家 が 主 たる 買 い 手 となる 形 で 海 外 投 資 家 の 株 式 保 有 比 率 が 高 まってきている( 図 表 4) 本 年 前 半 (とくに4~6 )は 海 外 投 資 家 の 買 い が 減 少 し こうした 傾 向 がやや 一 服 している 近 年 の 国 内 投 資 家 の 株 式 削 減 傾 向 は 銀 行 生 命 保 険 会 社 企 業 年 金 に 対 する 規 制 や 格 付 け 等 リスク 抑 制 的 な 環 境 の 強 まりが 背 景 にある 例 えば 銀 行 は 持 合 い 解 消 の 進 展 銀 行 株 式 保 有 制 限 法 への 対 応 を 進 めた また 生 命 保 険 会 社 では ソルベンシー マージン 比 率 の 改 善 や 資 産 負 債 の 期 間 のマッチングを 重 視 した 運 用 方 針 を 採 用 する 先 が 増 加 した 企 業 年 金 で は 制 度 変 更 を 受 けて 代 行 返 上 が 増 加 したほ か 予 定 利 率 の 引 下 げも 相 次 いだ 本 年 前 半 中 も 基 本 的 には 同 様 の 傾 向 が 続 いたとみられる が 4~6 はこれら 国 内 投 資 家 の 株 式 削 減 ペースがやや 鈍 化 した( 図 表 ) 4 1-1 - - ( 図 表 )PER 前 期 差 の 要 因 分 解 1 / /6 /9 /1 4/ 4/6 4/9 4/1 / /6 収 益 成 長 要 因 長 期 金 利 要 因 リスクプレミアム 要 因 PER( 右 目 盛 ) PER 前 期 差 ( 注 )リスクプレミアムは 以 下 の 収 益 割 引 モデルを 元 に 算 出 同 モデルでは 株 価 は 将 来 の 収 益 の 割 引 現 在 価 値 に 等 しいと 考 える D D(1 + g) P = + 1+ R + ρ (1 + R + ρ) D(1 + g) + (1 + R + ρ) D + LL = R + ρ g ここで P は 株 価 D は 一 株 当 たり 収 益 R はリスクフリーレー ト ρはリスクプレミアム g は 名 目 期 待 成 長 率 として 表 され る データは P に 株 価 (TOPIX) D に 1 ヵ 後 予 想 EPS R に 1 年 国 債 利 回 り g には 長 期 的 な 収 益 成 長 率 に 関 するコンセン サス 予 想 を 用 いた ( 出 所 )I/B/E/S Bloomberg ( 図 表 4) 主 体 別 売 買 動 向 ( は 売 り 越 し 億 円 ) 年 年 4 年 年 /1~ /4~6 保 険 8,71 11,7,176,86 4 銀 行 7,98 8,9 4,94,7 447 都 長 銀 地 銀 1,9 14,796 1,1,84 1,16 信 託 銀 行,9 4,4,7 1,64 1,69 投 資 信 託 86 1,416 4,66 1,,116 事 業 法 人 4,1,4 1,7 97,978 外 国 人 7,98 8,14 76,,6,7 個 人,46 16, 6,76,761 6,679 ( 注 ) 三 市 場 ( 東 証 大 証 名 証 )1 部 合 計 ( 出 所 ) 東 京 証 券 取 引 所 ( 倍 ) 1 19 18 17 16 14 1 11
( 図 表 ) 国 内 大 手 投 資 家 の 資 産 運 用 動 向 4 生 命 保 険 会 社 8 国 内 銀 行 7 6 4 1 1 / 1/ / / 4/ / 末 国 内 債 券 国 内 株 式 外 国 証 券 その 他 一 般 貸 付 / 1/ / / 4/ / 末 国 内 債 券 国 内 株 式 外 国 証 券 その 他 4 年 金 4 1 / 1/ / / 4/ / 末 国 内 債 券 国 内 株 式 外 国 株 式 外 国 債 券 その 他 ( 注 )1. 生 命 保 険 会 社 は 生 命 保 険 協 会 に 加 盟 している 9 社 直 近 は / 末. 国 内 銀 行 は 銀 行 本 体 の 設 立 根 拠 が 国 内 法 に 準 拠 している 銀 行 ( 日 本 銀 行 政 府 関 係 機 関 を 除 く)を 示 す 直 近 は / 末. 年 金 は 信 託 銀 行 ( 信 託 合 同 口 )における 資 産 配 分 割 合 を 算 出 したもの 直 近 は / 末 ( 出 所 ) 生 命 保 険 協 会 日 本 銀 行 年 金 情 報 1
一 方 海 外 投 資 家 の 日 本 株 買 いは 1~ 中 は 昨 年 までと 同 様 に 旺 盛 であったが 4~6 はヶ 連 続 で 低 水 準 に 止 まった この 時 期 は 米 国 の 大 手 自 動 車 メーカー(GM フォー ド)の 格 下 げの 影 響 で ヘッジファンドの 運 用 パフォーマンスも 大 きく 低 下 するなど( 図 表 6) グローバル 投 資 家 のリスク 許 容 度 が 低 下 していた 時 期 である その 影 響 がわが 国 株 式 市 場 への 投 資 姿 勢 にも 及 んだことが 需 給 面 から 株 価 の 上 昇 力 を 抑 える 一 因 となった 可 能 性 もあ る( 図 表 7) GM およびフォードの 格 下 げの 影 響 は 欧 米 市 場 でも6 以 降 落 ち 着 いてきて おり 7 入 り 後 は 海 外 から 日 本 への 株 式 投 資 規 模 も 徐 々に 回 復 しつつあるが 今 後 再 び 昨 年 までのような 勢 いを 取 り 戻 していくかどうかが 注 目 される この 間 個 人 投 資 家 は 流 通 市 場 では 大 幅 な 売 り 越 しが 続 いているものの 発 行 市 場 での 購 入 も 含 めれば 小 幅 の 買 い 越 しになっているとみられる ネット 取 引 の 増 加 等 を 通 じて 新 興 市 場 を 中 心 に 市 場 での 存 在 感 が 高 まってきているほか 新 年 度 入 り 後 は 株 式 投 信 を 通 じる 投 資 も 幾 分 増 加 してきている 個 人 投 資 家 の 動 きが 今 後 どのようになっていくかも 株 式 市 場 の 中 期 的 な 需 給 動 向 に 影 響 する 重 要 な 要 因 である ( 図 表 6)ヘッジファンドの 運 用 パフォーマンス ( 図 表 7) 海 外 投 資 家 による 日 本 株 買 い 4% % % 1%.... ( 兆 円 ) ( オーバーウェイト - アンダーウェイト ) 外 国 人 による 日 本 株 買 い(ネット 現 物 左 目 盛 ) グローバル 投 資 家 のキャッシュ ポジション( 右 逆 目 盛 ) キャッシュ ポジションが 低 い=リスク 許 容 度 が 高 い - -1 - % 1. 1-1% -% CBアーヒ トラーシ イヘ ント ト リフ ン -% 株 式 ロンク ショート ヘッシ ファント ( 全 体 ) -4% 4/1 4/4 4/7 4/1 /1 /4 1... -. 4/1 4/ 4/9 /1 / ( 注 ) 次 収 益 率 ( 出 所 )CSFB/Tremont ( 注 ) グローバル 投 資 家 のキャッシュ ポジション は メリルリンチのファンドマネージャー 調 査 において 調 査 対 象 となった 投 資 家 が それぞれの 持 つベンチマーク と 比 べ キャッシュ 保 有 比 率 を オーバーウェイト と 答 えた 先 の 比 率 から アンダーウェイト と 答 えた 先 の 比 率 を 引 いたもの ここでは この 値 が 小 さいほど 投 資 家 のリスク 許 容 度 が 高 まっているとみなした ( 出 所 ) 東 京 証 券 取 引 所 メリルリンチ 1