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仙 台 駅 周 辺 の 大 改 造 ( 仙 台 駅 前 広 場 再 整 備 自 由 通 路 再 整 備 帰 宅 困 難 者 対 策 ) 仙 台 市 都 市 整 備 局 総 合 交 通 政 策 部 交 通 政 策 課 推 進 係 長 佐 藤 桂 1. 仙 台 駅 周 辺 の 現 状 と 問 題 昭 和 56 年 に 現 在 のJR 仙 台 駅 西 口 駅 前 広 場 が 整 備 されてから 約 30 年 郊 外 の 宅 地 開 発 に 伴 う 駅 発 着 バスの 運 行 本 数 の 増 加 や 昭 和 62 年 の 地 下 鉄 南 北 線 開 業 などにより 駅 の 利 用 者 は 大 幅 に 増 え バスターミナルやタ クシープールなどさまざまな 施 設 で 混 雑 が 続 く 状 態 になっている 一 方 東 口 駅 前 広 場 は 平 成 16 年 にペデ ストリアンデッキや 高 速 バス 乗 降 場 などが 整 備 されたが 西 口 駅 前 広 場 に 比 べ 有 効 に 活 用 されていないことに 加 え 駅 2 階 の 東 西 自 由 通 路 は 幅 が 狭 く 多 くの 歩 行 者 が 円 滑 に 通 行 するうえで 課 題 となっていた こうした 背 景 から 本 市 では 平 成 27 年 度 の 地 下 鉄 東 西 線 ( 図 -1,2) 開 業 に 合 わせ 東 西 の 駅 前 広 場 の 再 整 備 や 東 西 を 結 ぶ 自 由 通 路 の 再 整 備 に 着 手 したところである また 東 日 本 大 震 災 の 際 には 広 範 囲 で 交 通 機 関 が 麻 痺 し 市 中 心 部 において 旅 行 者 や 大 規 模 集 客 施 設 利 用 者 通 勤 通 学 者 など 大 勢 の 帰 宅 困 難 者 が 発 生 したことから 災 害 時 における 帰 宅 困 難 者 対 策 についても 取 組 み を 始 めたところである 写 真 -1 仙 台 駅 周 辺 写 真 2. 現 在 の 仙 台 駅 東 西 駅 前 広 場 と 東 西 自 由 通 路 の 概 要 (1) 西 口 駅 前 広 場 広 場 面 積 :26,105 m2(うち 高 架 部 8,300 m2) バスターミナル:16 バース タクシープール:81 台 自 家 用 車 プール:68 台 (2) 東 口 駅 前 広 場 広 場 面 積 :15,000 m2(うち 高 架 部 1,300 m2) 地 下 鉄 東 西 線 の 駅 名 は 仮 称 です 図 -1 地 下 鉄 東 西 線 ルート 図 -2 地 下 鉄 東 西 線 車 両 イメージ

バスターミナル:9 バース タクシープール:29 台 自 家 用 車 プール:32 台 (3) 東 西 自 由 通 路 自 由 通 路 延 長 :96m 幅 員 :6m 自 由 通 路 所 有 権 : 仙 台 市 及 びJR 東 日 本 が 各 1/2 を 区 分 所 有 3.これまでの 経 緯 昭 和 52 年 度 東 西 自 由 通 路 完 成 昭 和 56 年 度 仙 台 駅 西 口 駅 前 広 場 完 成 平 成 16 年 度 仙 台 駅 東 口 駅 前 広 場 完 成 平 成 19 年 度 有 識 者 懇 談 会 による 仙 台 駅 周 辺 地 区 のまちづくりの 基 本 方 針 策 定 平 成 23 年 度 再 整 備 方 針 を 策 定 平 成 24 年 度 駅 前 広 場 及 び 東 西 自 由 通 路 工 事 着 手 4.JR 仙 台 駅 周 辺 地 区 における 交 通 結 節 機 能 の 課 題 (1) 西 口 駅 前 広 場 の 再 整 備 西 口 駅 前 広 場 の 容 量 が 不 足 していることから 路 線 バスの 乗 降 場 が 周 辺 の 路 上 に 分 散 ( 図 -3)しているほか ロータリ ー 部 で 自 家 用 車 とタクシーの 輻 輳 ( 写 真 -2) 観 光 送 迎 バス 等 の 混 雑 などが 顕 在 化 しており こうした 課 題 に 対 応 するた め 西 口 及 び 東 口 駅 前 広 場 の 機 能 分 担 を 図 り 両 駅 前 広 場 の 再 整 備 を 行 う 必 要 がある (2) 交 通 機 関 相 互 の 乗 り 継 ぎ 利 便 性 向 上 地 下 鉄 東 西 線 の 開 業 に 合 わせ JR 地 下 鉄 バスなど 公 共 交 通 機 関 相 互 の 乗 り 継 ぎ 乗 り 換 えについて その 利 便 性 を 向 上 させる 必 要 がある (3) 仙 台 駅 東 西 の 連 絡 機 能 強 化 現 在 の 自 由 通 路 は 昭 和 53 年 3 月 に 完 成 築 30 年 以 上 が 経 過 し 老 朽 化 が 進 行 している ( 写 真 -3) また 歩 行 者 通 行 量 は 新 幹 線 が 開 業 した 昭 和 58 年 に1 日 当 たり 約 1.8 万 人 であったが プロ 野 球 開 催 日 では1 日 当 たり 6.4 万 人 ( 平 成 22 年 5 月 仙 台 商 工 会 議 所 調 査 )にのぼり 現 通 路 では 幅 員 (6m)が 不 足 し 混 雑 が 問 題 となってい る このため 都 市 再 開 発 事 JR 地 下 鉄 バス 相 互 の 乗 継 ぎが 不 便 バス 乗 降 場 が 分 散 して 分 かりにくい 図 -3 仙 台 駅 周 辺 の 問 題 写 真 -2 輻 輳 の 状 況 幅 員 6m 写 真 -3 自 由 通 路 内 タクシー 一 般 車 等 の 輻 輳 混 雑 東 西 自 由 通 路 が 狭 い

業 や 土 地 区 画 整 理 事 業 の 進 展 など 仙 台 駅 周 辺 地 区 で 進 められている 街 づくりに 合 わせ JR 仙 台 駅 の 東 西 双 方 への 連 絡 機 能 を 強 化 する 必 要 がある 5. 駅 前 広 場 及 び 東 西 自 由 通 路 再 整 備 方 針 (1) 西 口 及 び 東 口 駅 前 広 場 ( 図 -4) 1バスターミナルの 拡 張 による 路 線 バス 乗 降 場 の 集 約 化 隣 接 する 南 町 通 の 道 路 空 間 にバスターミナルを 拡 張 し 西 口 駅 前 広 場 内 のバス 乗 降 場 を 増 設 する これにより 周 辺 の 路 上 に 分 散 していた 路 線 バス 乗 降 場 を 駅 前 広 場 に 集 約 ( 一 部 経 由 便 を 除 く)して バス 利 用 者 の 利 便 性 を 向 上 させる 2 高 速 バス 乗 降 場 を 方 面 別 に 集 約 化 高 速 バス 乗 降 場 は 県 内 近 県 などの 短 距 離 便 を 青 葉 通 中 長 距 離 便 は 待 合 機 能 が 備 わ る 東 口 駅 前 広 場 に それぞれ 方 面 別 に 集 約 し 利 用 客 にとって 分 かりやすく 使 いやすい 配 置 とする 3タクシー 自 家 用 車 の 輻 輳 の 改 善 ロータリー 周 辺 部 やバスターミナル 出 入 口 などにおいては 各 種 車 両 との 輻 輳 を 改 善 す るため バス タクシー 自 家 用 車 の 車 両 動 線 を 分 離 する タクシープールはバス 降 車 場 の 設 置 により 運 用 範 囲 を 縮 小 する 一 方 福 祉 タクシー 乗 り 場 を 設 置 するなど 利 便 性 を 向 上 させる 自 家 用 車 の 降 車 スペースを 拡 大 し 降 車 乗 り 換 えの 利 便 性 向 上 を 図 る 4 交 通 機 関 相 互 の 乗 り 継 ぎ 向 上 人 の 流 れの 主 動 線 となるJR 仙 台 駅 と 地 下 鉄 東 西 線 相 互 の 乗 り 継 ぎ 向 上 のためのエス カレーターや バリアフリーに 対 応 したエレベーターを 整 備 する 5 観 光 バス 送 迎 バスの 乗 降 場 を 東 口 へ 機 能 移 転 観 光 バス 送 迎 バスの 乗 降 スペースを 東 口 駅 前 広 場 に 移 転 し 十 分 な 乗 降 スペースを 確 保 する タクシー 一 般 車 の 動 線 を 分 離 高 速 バスを 方 面 別 に 集 約 観 光 送 迎 バス 等 の 乗 降 場 を 移 設 地 下 鉄 東 西 線 仙 台 駅 ( 仮 称 ) 南 町 通 地 下 鉄 南 北 線 仙 台 駅 バスアイランドを 増 設 し 分 散 し ている 路 線 バス 乗 降 場 を 集 約 東 西 自 由 通 路 拡 幅 で 東 西 の 連 絡 機 能 を 強 化 エスカレータ エレベーターを 整 備 し 乗 継 ぎ 機 能 を 向 上 図 -4 仙 台 駅 前 広 場 等 再 整 備 方 針

(2) 東 西 自 由 通 路 1JR 仙 台 駅 東 口 開 発 との 一 体 整 備 東 西 の 連 絡 機 能 の 強 化 を 図 るため 新 たに 東 西 自 由 通 路 の 拡 幅 再 整 備 を 行 うこととした 整 備 にあたっては JR 東 日 本 による 仙 台 駅 東 口 用 地 を 活 用 した 商 業 施 設 等 の 建 設 事 業 と 合 わせた 一 体 整 備 とし 東 西 自 由 通 路 における 建 設 費 のコスト 縮 減 を 図 った ( 図 -5,6) 自 由 通 路 図 -5 一 体 整 備 イメージ 図 -6 通 路 内 イメージ 2 整 備 手 法 自 由 通 路 の 拡 幅 再 整 備 に 係 る 整 備 手 法 は 自 由 通 路 の 整 備 及 び 管 理 に 関 する 要 綱 ( 平 成 21 年 6 月 1 日 国 土 交 通 省 ) ( 表 -1)に 基 づき JR 東 日 本 と 協 議 を 行 った 整 備 に 係 る 費 用 負 担 及 び 整 備 後 の 維 持 管 理 に 係 る 費 用 負 担 などを 総 合 的 に 検 討 し 同 要 綱 の 鉄 道 事 業 者 の 施 設 として 整 備 することで JR 東 日 本 と 協 議 が 整 い 主 に 下 記 に ついて 基 本 協 定 を 締 結 した 1) 幅 員 16m( 現 位 置 で 北 側 に 拡 幅 ) 2) 供 用 目 標 年 度 平 成 27 年 度 を 目 標 3) 整 備 手 法 鉄 道 事 業 者 の 施 設 として 整 備 4) 費 用 負 担 仙 台 市 2/3 JR 東 日 本 1/3 負 担 5) 財 産 の 帰 属 JR 東 日 本 6) 維 持 管 理 JR 東 日 本 7)そ の 他 24 時 間 通 行 を 確 保 整 備 費 維 持 管 理 費 担 保 手 法 道 路 都 市 側 全 額 負 担 都 市 側 全 額 負 担 道 路 法 上 の 道 路 ( 道 路 の 立 体 的 区 域 の 指 定 ) 通 路 等 都 市 側 :9 割 負 担 鉄 道 側 :1 割 負 担 都 市 側 全 額 負 担 都 市 施 設 としての 都 市 計 画 決 定 ( 立 体 都 決 ) 鉄 道 事 業 者 の 施 設 都 市 側 :2/3 鉄 道 側 :1/3 鉄 道 側 全 額 負 担 協 定 等 の 締 結 特 別 の 場 合 協 議 による 協 議 による 協 議 による 表 -1 整 備 手 法 と 費 用 負 担 等

3 必 要 空 間 幅 の 考 え 方 本 市 の 東 西 のまちづくりを 見 据 え, 本 自 由 通 路 の 将 来 歩 行 者 通 行 量 を 87,100 人 / 日 ( 平 日 )と 予 測 した さらに 歩 行 者 通 行 量 に 必 要 な 空 間 の 他 に, 東 北 の 玄 関 口 にふさわしい 機 能 を 備 えるた め 安 全 で 快 適 な 通 行 空 間 賑 わいを 創 出 するイベント 交 流 空 間 市 民 に 安 らぎを 与 える ゆとり 空 間 等 を 確 保 するため 16mの 幅 員 とした 6. 仙 台 駅 周 辺 における 災 害 時 の 帰 宅 困 難 者 対 策 (1) 背 景 東 日 本 大 震 災 の 発 災 直 後 公 共 交 通 機 関 が 全 面 的 に 途 絶 し JR 仙 台 駅 や 地 下 鉄 仙 台 駅 が 閉 鎖 された これにより 行 き 場 を 失 った 市 内 中 心 部 等 にいた ビジネスマンや 観 光 客 などが 駅 前 のペデストリアン デッキや 駅 前 広 場 に 集 中 し 仙 台 駅 周 辺 は 大 混 乱 と なった ( 写 真 -4 震 災 直 後 の 仙 台 駅 ) また 帰 宅 困 難 者 を 周 辺 の 指 定 避 難 所 に 誘 導 した ため 市 中 心 部 の 指 定 避 難 所 は 定 員 を 超 えた 状 態 と なり 避 難 所 運 営 に 大 きな 支 障 をきたした 指 定 避 難 所 は 帰 宅 困 難 者 など 地 域 住 民 以 外 の 受 け 入 れを 想 定 していなかったため 本 来 避 難 すべ き 地 域 住 民 が 避 難 できなくなったばかりでなく 備 写 真 -4 震 災 直 後 の 仙 台 駅 の 状 況 蓄 していた 食 料 も 不 足 する 事 態 となった ( 写 真 -5 避 難 所 周 辺 の 様 子 ) (2) 災 害 時 の 公 共 交 通 利 用 者 の 適 切 な 誘 導 についての 課 題 仙 台 駅 周 辺 は 広 域 的 な 交 通 ターミナルであり 災 害 により 交 通 が 途 絶 した 場 合 一 時 的 に 一 定 の 帰 宅 困 難 者 が 発 生 することは 避 けられない 仙 台 都 市 圏 外 からの 来 訪 者 が 帰 宅 困 難 者 となるこ とも 踏 まえた 推 計 を 行 い 一 時 滞 在 場 所 や 食 料 や 飲 料 水 等 の 備 蓄 スペースの 確 保 情 報 提 供 の 整 備 など について 行 政 と 交 通 事 業 者 の 緊 密 な 連 携 のもと 駅 周 辺 の 企 業 からも 適 切 な 支 援 を 得 ながら 実 効 性 のある 取 り 組 み 体 制 を 構 築 することが 新 たな 課 題 と なった 写 真 -5 避 難 所 周 辺 の 様 子 (3) 帰 宅 困 難 者 対 策 仙 台 市 では 帰 宅 困 難 者 対 策 として 1 一 斉 帰 宅 の 抑 制 2 一 時 滞 在 場 所 の 確 保 3 徒 歩 帰 宅 支 援 の 推 進 4 帰 宅 困 難 者 等 への 情 報 提 供 の 体 制 整 備 の 4 つの 項 目 を 中 心 に 進 めていく 方 針 とした 仙 台 駅 周 辺 における 対 応 策 の 第 一 歩 として 仙 台 市 は JR 東 日 本 仙 台 支 社 と 平 成 25 年 3 月 に 災 害 時 の 帰 宅 困 難 者 対 応 に 関 する 協 定 を 締 結 した ( 写 真 -6) この 協 定 では 大 規 模 災 害 時 両 者 が 共 にJR 仙 台 駅 と 地 下 鉄 仙 台 駅 東 西 地 下 自 由 通 路 を 一 時 滞 在 場 所 として 確 保 し 災 害 に 関 し 必 要 な 情 報 の 提 供 などを 行 う 内 容 となっている

また 仙 台 市 では 帰 宅 困 難 者 対 策 は 行 政 が 行 うだけではな く 企 業 や 市 民 の 方 々の 協 力 を 得 ながら 進 める 必 要 があると 考 えており 関 係 機 関 及 び 周 辺 事 業 者 で 構 成 する ( 仮 称 ) 仙 台 駅 周 辺 帰 宅 困 難 者 等 対 策 連 絡 協 議 会 を 設 置 し 鉄 道 事 業 者 や 駅 周 辺 の 民 間 事 業 者 などと 平 時 から 仙 台 駅 周 辺 の 帰 宅 困 難 者 等 対 策 の 検 討 や 情 報 の 共 有 訓 練 の 実 施 などを 行 い 災 害 時 に 迅 速 な 対 応 が 可 能 となる 体 制 を 整 備 していくこととしている 写 真 -6 協 定 締 結 時 の 様 子 7.おわりに 今 回 紹 介 した 仙 台 駅 東 西 駅 前 広 場 の 再 整 備 東 西 自 由 通 路 の 拡 幅 整 備 そして 帰 宅 困 難 者 対 策 につきましては JR 東 日 本 ほか 関 係 する 交 通 事 業 者 等 の 協 力 により 事 業 推 進 を 図 るこ とができました これらの 取 組 みが 東 北 全 体 の 活 性 化 につながり さらには 震 災 からの 復 旧 復 興 のシン ボルとしての 新 しい 仙 台 の 顔 となるよう 整 備 を 進 めていきます