⑫企業会計基準適用指針第6号

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損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

第316回取締役会議案



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(1) 貸 借 対 照 表 ( 平 成 26 年 11 月 30 日 現 在 ) ( 単 位 : 千 円 ) 資 産 の 部 負 債 の 部 科 目 金 額 科 目 金 額 流 動 資 産 4,623,985 流 動 負 債 3,859,994 現 金 及 び 預 金 31,763 支 払 手 形

Microsoft Word - H20中小会計指針新旧対照表 doc

科 売 上 原 価 売 上 総 利 益 損 益 計 算 書 ( 自 平 成 26 年 4 月 1 日 至 平 成 27 年 3 月 31 日 ) 目 売 上 高 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 営 業 利 益 営 業 外 収 益 受 取 保 険 金 受 取 支 援 金 補 助 金 収 入 保

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損 益 計 算 書 ( 自 平 成 25 年 4 月 1 日 至 平 成 26 年 3 月 31 日 ) ( 単 位 : 百 万 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 75,917 取 引 参 加 料 金 39,032 上 場 関 係 収 入 11,772 情 報 関 係 収 入 13,352 そ

目 次 貸 借 対 照 表 1 損 益 計 算 書 2 キャッシュ フロー 計 算 書 3 利 益 の 処 分 に 関 する 書 類 4 国 立 大 学 法 人 等 業 務 実 施 コスト 計 算 書 5 注 記 事 項 6 附 属 明 細 書 別 紙

している 5. これに 対 して 親 会 社 の 持 分 変 動 による 差 額 を 資 本 剰 余 金 として 処 理 した 結 果 資 本 剰 余 金 残 高 が 負 の 値 となるような 場 合 の 取 扱 いの 明 確 化 を 求 めるコメントが 複 数 寄 せられた 6. コメントでは 親

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企業結合ステップ2に関連するJICPA実務指針等の改正について③・資本連結実務指針(その2)

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4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有



 

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連結計算書

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連 結 注 記 表 1. 連 結 計 算 書 類 の 作 成 のための 基 本 となる 重 要 な 事 項 に 関 する 注 記 等 (1) 連 結 の 範 囲 に 関 する 事 項 1 連 結 子 会 社 の 数 及 び 名 称 連 結 子 会 社 の 数 0 社 連 結 子 会 社 の 名 称

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(2) 実 務 上 の 取 扱 い 減 価 償 却 の 方 法 は 会 計 方 針 にあたるため その 変 更 は 本 来 会 計 方 針 の 変 更 として 遡 及 適 用 の 対 象 と なります しかしながら 減 価 償 却 方 法 の 変 更 については 会 計 方 針 の 変 更 を 会

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23信託の会計処理に関する実務上の取扱い

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平 成 24 年 4 月 1 日 から 平 成 25 年 3 月 31 日 まで 公 益 目 的 事 業 科 目 公 1 公 2 公 3 公 4 法 人 会 計 合 計 共 通 小 計 苦 情 相 談 解 決 研 修 情 報 提 供 保 証 宅 建 取 引 健 全 育 成 Ⅰ. 一 般 正 味 財

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損 益 計 算 書 ( 平 成 25 年 10 月 1 日 から 平 成 26 年 9 月 30 日 まで) ( 単 位 : 千 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 304,971 営 業 費 用 566,243 営 業 総 損 失 261,271 営 業 外 収 益 受 取 利 息 3,545

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公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

第 41 期

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スライド 1

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平成22年度

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目 次 1 報 酬 給 与 額 事 例 1 報 酬 給 与 額 に 含 める 賞 与 の 金 額 が 誤 っていた 事 例 1 事 例 2 役 員 退 職 金 ( 役 員 退 職 慰 労 金 )を 報 酬 給 与 額 として 申 告 して いなかった 事 例 1 事 例 3 持 株 奨 励 金 を

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Q IFRSの特徴について教えてください

4 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 若 しくはその 委 任 を 受 けた 者 又 は 監 査 委 員 の 監 査 に 応 じなければ ならない ( 状 況 報 告 ) 第 7 条 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 が 必 要 と 認 めるときは 交 付 金 事 業 の 遂 行 の

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損 益 計 算 書 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 から 平 成 24 年 3 月 31 日 まで) ( 単 位 : 百 万 円 ) 科 目 金 額 鉄 道 事 業 営 業 収 益 99,036 営 業 費 75,997 営 業 利 益 23,039 そ の 他 の 事 業 営 業 収 益 7

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[2] 控 除 限 度 額 繰 越 欠 損 金 を 有 する 法 人 において 欠 損 金 発 生 事 業 年 度 の 翌 事 業 年 度 以 後 の 欠 損 金 の 繰 越 控 除 にあ たっては 平 成 27 年 度 税 制 改 正 により 次 ページ 以 降 で 解 説 する の 特 例 (

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平成29年2月期 第2四半期決算短信

連 結 株 主 資 本 等 変 動 計 算 書 (2015 年 6 月 1 日 から2016 年 5 月 31 日 まで) 株 主 資 本 ( 単 位 : 千 円 ) 資 本 金 資 本 剰 余 金 利 益 剰 余 金 自 己 株 式 株 主 資 本 合 計 当 期 首 残 高 2,049,318

委 託 会 社 等 の 経 理 状 況 1. 委 託 会 社 の 財 務 諸 表 は 財 務 諸 表 等 の 用 語 様 式 及 び 作 成 方 法 に 関 する 規 則 ( 昭 和 38 年 大 蔵 省 令 第 59 号 )ならびに 同 規 則 第 2 条 の 規 定 に 基 づき 金 融 商 品

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⑨持分法基準

科 目 予 算 額 決 算 額 差 異 Ⅱ 投 資 活 動 収 支 の 部 1. 投 資 活 動 収 入 特 定 資 産 取 崩 収 入 13,811,848 62,532,864 48,721,016 退 職 給 付 引 当 資 産 取 崩 収 入 2,811,848 54,237,864 51,

国立大学法人会計基準等検討会議(第2回)議事録・配付資料 [資料3(後半)]

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積 み 立 てた 剰 余 金 の 配 当 に 係 る 利 益 準 備 金 の 額 は 利 益 準 備 金 1 の 増 3 に 記 載 します ⑸ 平 成 22 年 10 月 1 日 以 後 に 適 格 合 併 に 該 当 しない 合 併 により 完 全 支 配 関 係 がある 被 合 併 法 人 か

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第5回法人課税ディスカッショングループ 法D5-4

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

事 業 税 の 外 形 標 準 課 税 事 業 税 は 都 道 府 県 が 所 得 ( 利 益 )に 対 して 課 税 します 1. 個 人 事 業 税 業 種 区 分 税 率 ( 標 準 税 率 ) 第 1 種 事 業 ( 物 品 販 売 業 製 造 業 金 銭 貸 付 業 飲 食 店 業 不 動


建設特別・資産運用の基本方針

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(12) 配当所得の収入金額の収入すべき時期

平成28年11月期第3四半期決算短

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第4回税制調査会 総4-1

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内 において 管 理 されている 上 場 株 式 等 のうち 非 課 税 管 理 勘 定 に 係 るもの( 新 規 投 資 額 で 毎 年 80 万 円 を 上 限 とします )に 係 る 配 当 等 で 未 成 年 者 口 座 に 非 課 税 管 理 勘 定 を 設 けた 日 から 同 日 の 属

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敷 金 保 証 金 投 資 有 価 証 券 子 会 社 株 式 関 連 会 社 株 式 ( 負 債 の 部 ) 科 目 大 科 目 中 科 目 流 動 負 債 固 定 負 債 ( 正 味 財 産 の 部 ) 基 金 科 支 払 手 形 未 払 金 前 受 金 預 り 金 短 期 借 入 金 1 年

Microsoft PowerPoint - 基金制度

Transcription:

企 業 会 計 基 準 適 用 指 針 第 6 号 固 定 資 産 の 減 損 に 係 る 会 計 基 準 の 適 用 指 針 平 成 15 年 10 月 31 日 改 正 平 成 20 年 1 月 24 日 最 終 改 正 平 成 21 年 3 月 27 日 企 業 会 計 基 準 委 員 会 目 次 項 目 的 1 適 用 指 針 3 範 囲 3 用 語 の 定 義 4 対 象 資 産 5 資 産 のグルーピング 7 減 損 の 兆 候 11 営 業 活 動 から 生 ずる 損 益 又 はキャッシュ フローが 継 続 してマイナスの 場 合 12 使 用 範 囲 又 は 方 法 について 回 収 可 能 価 額 を 著 しく 低 下 させる 変 化 がある 場 合 13 経 営 環 境 の 著 しい 悪 化 の 場 合 14 市 場 価 格 の 著 しい 下 落 の 場 合 15 共 用 資 産 の 減 損 の 兆 候 16 のれんの 減 損 の 兆 候 17 減 損 損 失 の 認 識 の 判 定 18 割 引 前 将 来 キャッシュ フローの 総 額 の 見 積 り 18 経 済 的 残 存 使 用 年 数 21 主 要 な 資 産 22 減 損 損 失 の 測 定 25 回 収 可 能 価 額 の 算 定 28 正 味 売 却 価 額 28 使 用 価 値 31 将 来 キャッシュ フロー 36 使 用 価 値 の 算 定 に 際 して 用 いられる 割 引 率 43 共 用 資 産 及 びのれんの 取 扱 い 48 共 用 資 産 の 取 扱 い 48-1 -

のれんの 取 扱 い 51 減 損 処 理 後 の 会 計 処 理 55 開 示 57 貸 借 対 照 表 における 表 示 57 注 記 58 その 他 59-2 借 手 側 が 所 有 権 移 転 外 ファイナンス リース 取 引 について リース 資 産 の 計 上 額 を 算 定 する 上 でリース 料 総 額 から 利 息 相 当 額 の 合 理 的 な 見 積 額 を 控 除 しない 方 法 によ っている 場 合 の 取 扱 い 59-2 借 手 側 が 所 有 権 移 転 外 ファイナンス リース 取 引 について 通 常 の 賃 貸 借 取 引 に 係 る 方 法 に 準 じて 会 計 処 理 を 行 っている 場 合 の 取 扱 い 60 中 間 会 計 期 間 において 減 損 処 理 を 行 った 資 産 に 係 る 取 扱 い 63 再 評 価 を 行 った 土 地 について 減 損 処 理 を 行 った 場 合 の 土 地 再 評 価 差 額 金 の 取 扱 い 64 実 施 時 期 等 65 議 決 67 結 論 の 背 景 68 対 象 資 産 68 資 産 のグルーピング 70 減 損 の 兆 候 76 営 業 活 動 から 生 ずる 損 益 又 はキャッシュ フローが 継 続 してマイナスの 場 合 78 使 用 範 囲 又 は 方 法 について 回 収 可 能 価 額 を 著 しく 低 下 させる 変 化 がある 場 合 82 経 営 環 境 の 著 しい 悪 化 の 場 合 88 市 場 価 格 の 著 しい 下 落 の 場 合 89 共 用 資 産 の 減 損 の 兆 候 92 のれんの 減 損 の 兆 候 93 減 損 損 失 の 認 識 の 判 定 96 割 引 前 将 来 キャッシュ フローの 総 額 の 見 積 り 96 経 済 的 残 存 使 用 年 数 99 主 要 な 資 産 101 減 損 損 失 の 測 定 105 回 収 可 能 価 額 の 算 定 107 正 味 売 却 価 額 107 使 用 価 値 116 将 来 キャッシュ フロー 118-2 -

使 用 価 値 の 算 定 に 際 して 用 いられる 割 引 率 124 共 用 資 産 及 びのれんの 取 扱 い 129 共 用 資 産 の 取 扱 い 129 のれんの 取 扱 い 131 減 損 処 理 後 の 会 計 処 理 134 開 示 139 貸 借 対 照 表 における 表 示 139 注 記 140 その 他 143 借 手 側 が 所 有 権 移 転 外 ファイナンス リース 取 引 について 通 常 の 賃 貸 借 取 引 に 係 る 方 法 に 準 じて 会 計 処 理 を 行 っている 場 合 の 取 扱 い 143 中 間 会 計 期 間 において 減 損 処 理 を 行 った 資 産 に 係 る 取 扱 い 145 再 評 価 を 行 った 土 地 について 減 損 処 理 を 行 った 場 合 の 土 地 再 評 価 差 額 金 の 取 扱 い 146 設 例 [ 設 例 1] 資 産 のグルーピング [ 設 例 1-1] 製 造 業 - 機 能 別 の 区 分 を 基 礎 にした 資 産 のグルーピング [ 設 例 1-2] 製 造 業 - 製 品 別 の 区 分 を 基 礎 にした 資 産 のグルーピング [ 設 例 1-3] 製 造 業 - 地 域 別 の 区 分 を 基 礎 にした 資 産 のグルーピング 及 び 転 用 等 [ 設 例 1-4] 商 業 サービス 業 - 店 舗 営 業 及 び 持 株 会 社 [ 設 例 1-5] 不 動 産 業 [ 設 例 1-6] 連 結 の 見 地 から 資 産 のグルーピングを 見 直 す 場 合 [ 設 例 2] 割 引 前 将 来 キャッシュ フローの 総 額 の 見 積 り( 主 要 な 資 産 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 が 20 年 を 超 える 場 合 ) [ 設 例 3] 将 来 キャッシュ フローの 見 積 りに 含 められる 範 囲 [ 設 例 4] 建 設 仮 勘 定 に 関 する 減 損 損 失 の 認 識 の 判 定 及 び 測 定 [ 設 例 5] 将 来 キャッシュ フローの 見 積 方 法 [ 設 例 6] 使 用 価 値 の 算 定 に 用 いられる 割 引 率 [ 設 例 7] 共 用 資 産 の 減 損 処 理 [ 設 例 7-1] より 大 きな 単 位 で 共 用 資 産 をグルーピングする 方 法 [ 設 例 7-2] 共 用 資 産 の 帳 簿 価 額 を 各 資 産 又 は 資 産 グループに 配 分 する 方 法 [ 設 例 8] のれんの 減 損 処 理 -より 大 きな 単 位 でのれんをグルーピングする 方 法 [ 設 例 9] リース 取 引 により 使 用 している 資 産 を 含 む 資 産 グループに 関 する 減 損 損 失 の 認 識 の 判 定 及 び 測 定 [ 設 例 10] 再 評 価 を 行 った 土 地 について 減 損 処 理 を 行 った 場 合 の 土 地 再 評 価 差 額 金 の 取 扱 い - 3 -

目 的 1. 企 業 会 計 審 議 会 によって 平 成 14 年 8 月 に 公 表 された 固 定 資 産 の 減 損 に 係 る 会 計 基 準 ( 以 下 減 損 会 計 基 準 という )では 減 損 会 計 基 準 を 実 務 に 適 用 する 場 合 の 具 体 的 な 指 針 等 については 今 後 関 係 府 令 を 整 備 するとともに 企 業 会 計 基 準 委 員 会 において 適 切 に 措 置 していくことが 適 当 である ( 固 定 資 産 の 減 損 に 係 る 会 計 基 準 の 設 定 に 関 す る 意 見 書 ( 以 下 減 損 会 計 意 見 書 という ) 五 2.)とされている このため 当 委 員 会 は 具 体 的 な 指 針 を 取 りまとめるために 平 成 14 年 9 月 以 降 審 議 を 続 けてきた 当 委 員 会 では 専 門 委 員 会 を 設 置 し 専 門 委 員 による 討 議 や 参 考 人 からの 意 見 聴 取 など 幅 広 く 検 討 を 行 い また 広 く 各 界 の 意 見 を 求 めるため 平 成 15 年 3 月 に それまでの 議 論 をまとめた 固 定 資 産 の 減 損 に 係 る 会 計 基 準 の 適 用 指 針 の 検 討 状 況 の 整 理 を 公 表 した 当 委 員 会 は この 検 討 状 況 の 整 理 に 対 する 意 見 も 踏 まえて 審 議 を 行 い 平 成 15 年 8 月 に 企 業 会 計 基 準 適 用 指 針 公 開 草 案 第 6 号 固 定 資 産 の 減 損 に 係 る 会 計 基 準 の 適 用 指 針 ( 案 ) を 公 表 した 本 適 用 指 針 は これらに 対 する 意 見 も 参 考 に さらに 審 議 を 重 ねて 取 りまとめられたものである 2. 固 定 資 産 の 減 損 会 計 は 多 種 多 様 な 事 業 を 営 むそれぞれの 企 業 が 当 該 企 業 に 固 有 の 事 情 を 反 映 した 合 理 的 で 説 明 可 能 な 仮 定 及 び 予 測 に 基 づいて 将 来 キャッシュ フローを 見 積 ることとするなど その 程 度 や 判 断 を 一 律 に 示 すことは 困 難 な 場 合 が 多 い その 中 で 本 適 用 指 針 は 減 損 の 兆 候 をはじめとして 必 要 と 考 えられる 範 囲 において 一 定 の 目 安 や 例 示 を 示 している 企 業 は 減 損 会 計 基 準 及 び 本 適 用 指 針 の 定 めに 従 って 減 損 処 理 を 行 うも のとするが これらに 定 めがないため 状 況 に 応 じ 個 々の 実 態 を 考 慮 して 適 用 する 場 合 には 減 損 会 計 基 準 及 び 本 適 用 指 針 の 趣 旨 を 適 切 に 斟 酌 する 必 要 がある 適 用 指 針 範 囲 3. 本 適 用 指 針 は 減 損 会 計 基 準 が 適 用 される 財 務 諸 表 について 適 用 される 用 語 の 定 義 4. 本 適 用 指 針 における 用 語 の 定 義 は 減 損 会 計 基 準 における 用 語 の 定 義 ( 減 損 会 計 基 準 注 解 ( 注 1) 参 照 )と 同 様 とする 対 象 資 産 5. 本 適 用 指 針 は 固 定 資 産 を 対 象 に 適 用 する( 減 損 会 計 基 準 一 参 照 ) 固 定 資 産 には 有 形 固 定 資 産 無 形 固 定 資 産 及 び 投 資 その 他 の 資 産 が 含 まれる( 第 68 項 参 照 ) 6. 他 の 基 準 に 減 損 処 理 に 関 する 定 めがある 以 下 の 資 産 については 対 象 資 産 から 除 く( 減 - 4 -

損 会 計 基 準 一 参 照 ) (1) 企 業 会 計 基 準 第 10 号 金 融 商 品 に 関 する 会 計 基 準 ( 以 下 金 融 商 品 会 計 基 準 という )における 金 融 資 産 (2) 税 効 果 会 計 に 係 る 会 計 基 準 における 繰 延 税 金 資 産 (3) 研 究 開 発 費 等 に 係 る 会 計 基 準 において 無 形 固 定 資 産 として 計 上 されている 市 場 販 売 目 的 のソフトウェア( 第 69 項 参 照 ) なお 前 払 年 金 費 用 についても 退 職 給 付 に 係 る 会 計 基 準 において 評 価 に 関 する 定 めがあるため 対 象 資 産 から 除 かれる( 減 損 会 計 意 見 書 四 1. 参 照 ) また 長 期 前 払 利 息 など 財 務 活 動 から 生 ずる 損 益 に 関 する 経 過 勘 定 項 目 も 対 象 資 産 から 除 かれる 資 産 のグルーピング 7. 資 産 のグルーピングは 他 の 資 産 又 は 資 産 グループのキャッシュ フローから 概 ね 独 立 したキャッシュ フローを 生 み 出 す 最 小 の 単 位 で 行 う( 減 損 会 計 基 準 二 6.(1) 参 照 )こ ととされており 企 業 は 経 営 の 実 態 が 適 切 に 反 映 されるよう 配 慮 して 行 う 様 々な 事 業 を 営 む 企 業 における 資 産 のグルーピングの 方 法 を 一 義 的 に 示 すことは 困 難 であり 実 務 的 には 管 理 会 計 上 の 区 分 や 投 資 の 意 思 決 定 ( 資 産 の 処 分 や 事 業 の 廃 止 に 関 する 意 思 決 定 を 含 む )を 行 う 際 の 単 位 等 を 考 慮 してグルーピングの 方 法 を 定 めることになると 考 えられ る( 減 損 会 計 意 見 書 四 2.(6)1 参 照 ) 具 体 的 には 第 8 項 の 場 合 のほかは 例 えば 以 下 のような 手 順 により 資 産 のグルーピングが 行 われると 考 えられる( 第 70 項 参 照 [ 設 例 1]) (1) 企 業 は 例 えば 店 舗 や 工 場 などの 資 産 と 対 応 して 継 続 的 に 収 支 の 把 握 がなされて いる 単 位 を 識 別 し グルーピングの 単 位 を 決 定 する 基 礎 とする この 際 以 下 のよう な 点 を 考 慮 する 1 収 支 は 必 ずしも 企 業 の 外 部 との 間 で 直 接 的 にキャッシュ フローが 生 じている 必 要 はなく 例 えば 内 部 振 替 価 額 や 共 通 費 の 配 分 額 であっても 合 理 的 なもの であれば 含 まれる 2 継 続 的 に 収 支 の 把 握 がなされているものがグルーピングの 単 位 を 決 定 する 基 礎 になる このため 収 支 の 把 握 が 通 常 は 行 われていないが 一 時 的 に 設 定 される 単 位 について 行 われる 場 合 ( 例 えば 特 殊 原 価 調 査 )は 該 当 しない 3 例 えば 賃 貸 不 動 産 などの 1 つの 資 産 において 一 棟 の 建 物 が 複 数 の 単 位 に 分 割 されて 継 続 的 に 収 支 の 把 握 がなされている 場 合 でも 通 常 はこの1つの 資 産 がグルーピングの 単 位 を 決 定 する 基 礎 になる (2) 企 業 は (1)のグルーピングの 単 位 を 決 定 する 基 礎 から 生 ずるキャッシュ イン フローが 製 品 やサービスの 性 質 市 場 などの 類 似 性 等 によって 他 の 単 位 から 生 ず るキャッシュ イン フローと 相 互 補 完 的 であり 当 該 単 位 を 切 り 離 したときには 他 の 単 位 から 生 ずるキャッシュ イン フローに 大 きな 影 響 を 及 ぼすと 考 えられる 場 合 - 5 -

には 当 該 他 の 単 位 とグルーピングを 行 う 8. 取 締 役 会 や 常 務 会 等 ( 以 下 取 締 役 会 等 という )において 資 産 の 処 分 や 事 業 の 廃 止 に 関 する 意 思 決 定 を 行 い その 代 替 的 な 投 資 も 予 定 されていないときなど これらに 係 る 資 産 を 切 り 離 しても 他 の 資 産 又 は 資 産 グループの 使 用 にほとんど 影 響 を 与 えない 場 合 がある このような 場 合 に 該 当 する 資 産 のうち 重 要 なものは 他 の 資 産 又 は 資 産 グループ のキャッシュ フローから 概 ね 独 立 したキャッシュ フローを 生 み 出 す 最 小 の 単 位 として 取 り 扱 う( 第 71 項 参 照 ) 将 来 の 使 用 が 見 込 まれていない 遊 休 資 産 も 資 産 の 処 分 や 事 業 の 廃 止 に 関 する 意 思 決 定 を 行 った 資 産 と 同 様 の 趣 旨 で 通 常 当 該 遊 休 資 産 を 切 り 離 しても 他 の 資 産 又 は 資 産 グル ープの 使 用 にほとんど 影 響 を 与 えないため 重 要 なものについては 他 の 資 産 又 は 資 産 グ ループのキャッシュ フローから 概 ね 独 立 したキャッシュ フローを 生 み 出 す 最 小 の 単 位 として 取 り 扱 う( 第 72 項 参 照 ) なお 企 業 が 将 来 の 使 用 を 見 込 んでいる 遊 休 資 産 は そ の 見 込 みに 沿 って グルーピングを 行 うことになる 9. 当 期 に 行 われた 資 産 のグルーピングは 原 則 として 翌 期 以 降 の 会 計 期 間 においても 同 様 に 行 う( 第 74 項 参 照 ) 10. 個 別 財 務 諸 表 上 は 資 産 のグルーピングが 当 該 企 業 を 超 えて 他 の 企 業 の 全 部 又 は 一 部 と されることはないが 連 結 財 務 諸 表 においては 連 結 の 見 地 から 個 別 財 務 諸 表 において 用 いられた 資 産 のグルーピングの 単 位 が 見 直 される 場 合 がある( 減 損 会 計 意 見 書 四 2.(6)1なお 書 き 参 照 ) これは 管 理 会 計 上 の 区 分 や 投 資 の 意 思 決 定 を 行 う 際 の 単 位 の 設 定 等 が 複 数 の 連 結 会 社 ( 在 外 子 会 社 を 含 む )を 対 象 に 行 われており 連 結 財 務 諸 表 にお いて 他 の 資 産 又 は 資 産 グループのキャッシュ フローから 概 ね 独 立 したキャッシュ フ ローを 生 み 出 す 最 小 の 単 位 が 各 連 結 会 社 の 個 別 財 務 諸 表 における 資 産 のグルーピングの 単 位 と 異 なる 場 合 をいう( 第 75 項 参 照 [ 設 例 1-6]) 減 損 の 兆 候 11. 減 損 の 兆 候 ( 資 産 又 は 資 産 グループに 減 損 が 生 じている 可 能 性 を 示 す 事 象 )がある 場 合 には 当 該 資 産 又 は 資 産 グループについて 減 損 損 失 を 認 識 するかどうかの 判 定 を 行 う( 減 損 会 計 基 準 二 1. 参 照 ) 企 業 は 通 常 の 企 業 活 動 において 実 務 的 に 入 手 可 能 なタイミン グにおいて 利 用 可 能 な 情 報 に 基 づき 例 えば 第 12 項 から 第 17 項 に 示 されるような 減 損 の 兆 候 がある 資 産 又 は 資 産 グループを 識 別 する( 第 76 項 及 び 第 77 項 参 照 ) 営 業 活 動 から 生 ずる 損 益 又 はキャッシュ フローが 継 続 してマイナスの 場 合 12. 資 産 又 は 資 産 グループが 使 用 されている 営 業 活 動 から 生 ずる 損 益 又 はキャッシュ フロ ーが 継 続 してマイナスとなっているか 又 は 継 続 してマイナスとなる 見 込 みである 場 合 には 減 損 の 兆 候 となる( 減 損 会 計 基 準 二 1.1 参 照 ) (1) 営 業 活 動 から 生 ずる 損 益 は 営 業 上 の 取 引 に 関 連 して 生 ずる 損 益 であり これ - 6 -

には 当 該 資 産 又 は 資 産 グループの 減 価 償 却 費 や 本 社 費 等 の 間 接 的 に 生 ずる 費 用 が 含 まれ また 損 益 計 算 書 上 は 原 価 性 を 有 しないものとして 営 業 損 益 に 含 まれていない 項 目 でも 営 業 上 の 取 引 に 関 連 して 生 じた 損 益 ( 例 えば たな 卸 資 産 の 評 価 損 )であれ ば 含 まれる ただし 支 払 利 息 など 財 務 活 動 から 生 ずる 損 益 や 利 益 に 関 連 する 金 額 を 課 税 標 準 とする 税 金 は 含 まれない また 大 規 模 な 経 営 改 善 計 画 等 により 生 じた 一 時 的 な 損 益 も 含 まれない 実 務 上 営 業 活 動 から 生 ずる 損 益 は このような 考 え 方 を 反 映 した 管 理 会 計 上 の 損 益 区 分 に 基 づいて 行 われるものと 考 えられる( 第 78 項 参 照 ) (2) 継 続 してマイナス とは おおむね 過 去 2 期 がマイナスであったことを 指 すが 当 期 の 見 込 みが 明 らかにプラスとなる 場 合 は 該 当 しないと 考 えることが 適 当 である また 継 続 してマイナスとなる 見 込 み とは 前 期 と 当 期 以 降 の 見 込 みが 明 らかに マイナスとなる 場 合 を 指 すものと 考 えられる( 第 79 項 参 照 ) (3) 減 損 の 兆 候 の 把 握 には 営 業 活 動 から 生 ずる 損 益 によることが 適 切 であるが 管 理 会 計 上 営 業 活 動 から 生 ずるキャッシュ フロー だけを 用 いている 場 合 には それが 継 続 してマイナスとなっているか 又 は 継 続 してマイナスとなる 見 込 みで あるときに 減 損 の 兆 候 となる( 第 80 項 参 照 ) (4) 事 業 の 立 上 げ 時 など 予 め 合 理 的 な 事 業 計 画 が 策 定 されており 当 該 計 画 にて 当 初 よ り 継 続 してマイナスとなることが 予 定 されている 場 合 実 際 のマイナスの 額 が 当 該 計 画 にて 予 定 されていたマイナスの 額 よりも 著 しく 下 方 に 乖 離 していないときには 減 損 の 兆 候 には 該 当 しない( 第 81 項 参 照 ) 使 用 範 囲 又 は 方 法 について 回 収 可 能 価 額 を 著 しく 低 下 させる 変 化 がある 場 合 13. 資 産 又 は 資 産 グループが 使 用 されている 範 囲 又 は 方 法 について 例 えば 以 下 のような 当 該 資 産 又 は 資 産 グループの 回 収 可 能 価 額 を 著 しく 低 下 させる 変 化 が 生 じたか 又 は 生 ずる 見 込 みである 場 合 には 減 損 の 兆 候 となる( 減 損 会 計 基 準 二 1.2 及 び 注 解 ( 注 2) 参 照 ) (1) 資 産 又 は 資 産 グループが 使 用 されている 事 業 を 廃 止 又 は 再 編 成 すること 事 業 の 再 編 成 には 重 要 な 会 社 分 割 などの 組 織 再 編 のほか 事 業 規 模 の 大 幅 な 縮 小 などが 含 ま れる( 第 82 項 参 照 ) (2) 当 初 の 予 定 よりも 著 しく 早 期 に 資 産 又 は 資 産 グループを 除 却 や 売 却 などにより 処 分 すること この 事 象 は 償 却 資 産 に 限 らない( 第 83 項 参 照 ) (3) 資 産 又 は 資 産 グループを 当 初 の 予 定 又 は 現 在 の 用 途 と 異 なる 用 途 に 転 用 すること 異 なる 用 途 への 転 用 は これまでの 使 い 方 による 収 益 性 や 成 長 性 を 大 きく 変 える ように 使 い 方 を 変 えることと 考 えられ 例 えば 事 業 を 縮 小 し 余 剰 となった 店 舗 を 賃 貸 するような 場 合 が 該 当 する( 第 84 項 参 照 ) (4) 資 産 又 は 資 産 グループが 遊 休 状 態 になり 将 来 の 用 途 が 定 まっていないこと( 第 85 項 参 照 ) - 7 -

(5) 資 産 又 は 資 産 グループの 稼 働 率 が 著 しく 低 下 した 状 態 が 続 いており 著 しく 低 下 し た 稼 働 率 が 回 復 する 見 込 みがないこと (6) 資 産 又 は 資 産 グループに 著 しい 陳 腐 化 等 の 機 能 的 減 価 が 観 察 できること( 第 86 項 参 照 ) (7) 建 設 仮 勘 定 に 係 る 建 設 について 計 画 の 中 止 又 は 大 幅 な 延 期 が 決 定 されたことや 当 初 の 計 画 に 比 べ 著 しく 滞 っていること なお 資 産 グループについては 資 産 グループ 全 体 について 以 上 のような 変 化 が 生 じた か 又 は 生 ずる 見 込 みである 場 合 のみならず 主 要 な 資 産 ( 第 22 項 参 照 )が 使 用 され ている 範 囲 又 は 方 法 について 以 上 のような 変 化 が 生 じたか 又 は 生 ずる 見 込 みである 場 合 も 含 まれる( 第 87 項 参 照 ) 経 営 環 境 の 著 しい 悪 化 の 場 合 14. 資 産 又 は 資 産 グループが 使 用 されている 事 業 に 関 連 して 経 営 環 境 が 著 しく 悪 化 したか 又 は 悪 化 する 見 込 みである 場 合 には 減 損 の 兆 候 となる( 減 損 会 計 基 準 二 1.3 参 照 ) この 場 合 経 営 環 境 が 著 しく 悪 化 した 場 合 とは 例 えば 以 下 のようなものが 考 えら れる( 第 88 項 参 照 ) (1) 材 料 価 格 の 高 騰 や 製 商 品 店 頭 価 格 やサービス 料 金 賃 料 水 準 の 大 幅 な 下 落 製 商 品 販 売 量 の 著 しい 減 少 などが 続 いているような 市 場 環 境 の 著 しい 悪 化 (2) 技 術 革 新 による 著 しい 陳 腐 化 や 特 許 期 間 の 終 了 による 重 要 な 関 連 技 術 の 拡 散 など の 技 術 的 環 境 の 著 しい 悪 化 (3) 重 要 な 法 律 改 正 規 制 緩 和 や 規 制 強 化 重 大 な 法 令 違 反 の 発 生 などの 法 律 的 環 境 の 著 しい 悪 化 市 場 価 格 の 著 しい 下 落 の 場 合 15. 資 産 又 は 資 産 グループの 市 場 価 格 が 著 しく 下 落 したことは 減 損 の 兆 候 となる( 減 損 会 計 基 準 二 1.4 参 照 ) 市 場 価 格 が 著 しく 下 落 したこと には 少 なくとも 市 場 価 格 が 帳 簿 価 額 から 50% 程 度 以 上 下 落 した 場 合 が 該 当 する( 第 89 項 参 照 ) また 市 場 価 格 とは 市 場 において 形 成 されている 取 引 価 格 気 配 又 は 指 標 その 他 の 相 場 ( 金 融 商 品 会 計 基 準 第 6 項 )と 考 えられるが 固 定 資 産 については 市 場 価 格 が 観 察 可 能 な 場 合 は 多 くないため 一 定 の 評 価 額 や 適 切 に 市 場 価 格 を 反 映 していると 考 えられ る 指 標 が 容 易 に 入 手 できる 場 合 ( 容 易 に 入 手 できる 評 価 額 や 指 標 を 合 理 的 に 調 整 したもの も 含 まれる )には これらを 減 損 の 兆 候 を 把 握 するための 市 場 価 格 とみなして 使 用 す る( 第 90 項 参 照 ) なお 資 産 グループについては 資 産 グループ 全 体 の 市 場 価 格 が 把 握 できない 場 合 でも 主 要 な 資 産 ( 第 22 項 参 照 )の 市 場 価 格 が 著 しく 下 落 した 場 合 や 資 産 グループの 帳 簿 価 額 のうち 土 地 の 帳 簿 価 額 が 大 きな 割 合 を 占 め 当 該 土 地 の 市 場 価 格 が 著 しく 下 落 した 場 合 - 8 -

も 含 まれる( 第 91 項 参 照 ) 共 用 資 産 の 減 損 の 兆 候 16. 以 下 のいずれかに 該 当 する 場 合 には 共 用 資 産 に 減 損 の 兆 候 があることとなり 共 用 資 産 を 含 む より 大 きな 単 位 で 減 損 損 失 を 認 識 するかどうかの 判 定 を 行 う( 減 損 会 計 基 準 注 解 ( 注 7) 及 び 第 92 項 参 照 ) (1) 共 用 資 産 を 含 む より 大 きな 単 位 について 第 12 項 から 第 15 項 における 事 象 があ る 場 合 (2) 共 用 資 産 そのものについて 第 13 項 又 は 第 15 項 における 事 象 がある 場 合 共 用 資 産 は 単 独 の 資 産 である 場 合 のほか 複 数 の 資 産 である 場 合 もある 後 者 の 場 合 には 共 用 資 産 全 体 について 第 13 項 又 は 第 15 項 における 事 象 がある 場 合 のほか 共 用 資 産 全 体 の 帳 簿 価 額 のうち その 帳 簿 価 額 が 大 きな 割 合 を 占 める 資 産 について 第 13 項 又 は 第 15 項 における 事 象 がある 場 合 には 減 損 の 兆 候 に 含 まれる なお 共 用 資 産 の 帳 簿 価 額 を 各 資 産 又 は 資 産 グループに 配 分 する 方 法 を 採 用 した 場 合 に は 共 用 資 産 に 減 損 の 兆 候 があるかどうかにかかわらず その 帳 簿 価 額 を 各 資 産 又 は 資 産 グループに 配 分 することとなり( 減 損 会 計 意 見 書 四 2.(7)2ただし 書 き 参 照 ) 当 該 配 分 された 各 資 産 又 は 資 産 グループに 第 12 項 から 第 15 項 における 事 象 がある 場 合 減 損 の 兆 候 があることとなる のれんの 減 損 の 兆 候 17. のれんを 含 む より 大 きな 単 位 について 第 12 項 から 第 15 項 における 事 象 がある 場 合 は のれんに 減 損 の 兆 候 があることとなり より 大 きな 単 位 で 減 損 損 失 を 認 識 するかどう かの 判 定 を 行 う( 減 損 会 計 基 準 注 解 ( 注 7) 及 び 第 95 項 参 照 ) なお のれんについては 共 用 資 産 と 異 なり 通 常 のれんは 独 立 してそれ 自 体 では 減 損 の 兆 候 があるかどうかを 判 断 できないため 原 則 として のれんを 含 む より 大 きな 単 位 で 判 断 されることとなる また のれんの 帳 簿 価 額 を 各 資 産 グループに 配 分 する 方 法 を 採 用 した 場 合 には のれん に 減 損 の 兆 候 があるかどうかにかかわらず その 帳 簿 価 額 を 各 資 産 グループに 配 分 するこ ととなり( 減 損 会 計 意 見 書 四 2.(8)2ただし 書 き 参 照 ) 当 該 配 分 された 各 資 産 グループ に 第 12 項 から 第 15 項 における 事 象 がある 場 合 減 損 の 兆 候 があることとなる 減 損 損 失 の 認 識 の 判 定 割 引 前 将 来 キャッシュ フローの 総 額 の 見 積 り 18. 減 損 の 兆 候 がある 資 産 又 は 資 産 グループについて 当 該 資 産 又 は 資 産 グループから 得 ら れる 割 引 前 将 来 キャッシュ フローの 総 額 がこれらの 帳 簿 価 額 を 下 回 る 場 合 には 減 損 損 失 を 認 識 する( 減 損 会 計 意 見 書 四 2.(2)1 及 び 減 損 会 計 基 準 二 2.(1) 参 照 ) 減 損 損 失 - 9 -

を 認 識 するかどうかを 判 定 するために 見 積 る 割 引 前 将 来 キャッシュ フローの 総 額 は 以 下 のように 算 定 される( 第 96 項 から 第 98 項 参 照 [ 設 例 2] [ 設 例 3]) (1) 資 産 又 は 資 産 グループ 中 の 主 要 な 資 産 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 ( 第 21 項 参 照 )が 20 年 を 超 えない 場 合 には 当 該 経 済 的 残 存 使 用 年 数 経 過 時 点 における 資 産 又 は 資 産 グル ープ 中 の 主 要 な 資 産 の 正 味 売 却 価 額 を 当 該 経 済 的 残 存 使 用 年 数 までの 割 引 前 将 来 キ ャッシュ フローに 加 算 する (2) 資 産 又 は 資 産 グループ 中 の 主 要 な 資 産 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 が 20 年 を 超 える 場 合 には 21 年 目 以 降 に 見 込 まれる 将 来 キャッシュ フローに 基 づいて 算 定 された 20 年 経 過 時 点 における 回 収 可 能 価 額 ( 第 32 項 参 照 )を 20 年 目 までの 割 引 前 将 来 キャッ シュ フローに 加 算 する( 減 損 会 計 基 準 注 解 ( 注 4)) (3) 資 産 グループ 中 の 主 要 な 資 産 以 外 の 構 成 資 産 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 が 主 要 な 資 産 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 を 超 えない 場 合 には 当 該 構 成 資 産 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 経 過 時 点 における 当 該 構 成 資 産 の 正 味 売 却 価 額 を 主 要 な 資 産 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 まで の 割 引 前 将 来 キャッシュ フロー( 当 該 構 成 資 産 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 が 20 年 を 超 えるときには 21 年 目 以 降 に 見 込 まれる 将 来 キャッシュ フロー)に 加 算 する (4) 資 産 グループ 中 の 主 要 な 資 産 以 外 の 構 成 資 産 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 が 主 要 な 資 産 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 を 超 える 場 合 には 当 該 主 要 な 資 産 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 経 過 時 点 における 当 該 構 成 資 産 の 回 収 可 能 価 額 ( 第 33 項 参 照 )を (1)のときには 主 要 な 資 産 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 経 過 時 点 までの 割 引 前 将 来 キャッシュ フローに 加 算 し ( 減 損 会 計 意 見 書 四 2.(2)3 参 照 ) (2)のときには 21 年 目 以 降 に 見 込 まれる 将 来 キャッシュ フローに 加 算 する 19. 減 損 損 失 を 認 識 するかどうかを 判 定 するために 見 積 られる 割 引 前 将 来 キャッシュ フロ ーは 将 来 キャッシュ フローが 見 積 値 から 乖 離 するリスクを 反 映 させず( 減 損 会 計 基 準 注 解 ( 注 6) 参 照 ) 第 36 項 から 第 42 項 の 考 え 方 に 基 づいて 見 積 る また この 際 将 来 時 点 における 回 収 可 能 価 額 ( 第 18 項 (2) 及 び(4) 参 照 )を 算 定 する にあたっては 将 来 時 点 における 正 味 売 却 価 額 の 算 定 ( 第 29 項 参 照 ) 及 び 将 来 時 点 にお ける 使 用 価 値 等 の 算 定 ( 第 32 項 及 び 第 33 項 参 照 )の 考 え 方 に 基 づいて 行 うこととなる 20. 将 来 キャッシュ フローが 外 貨 建 てで 見 積 られる 場 合 第 18 項 及 び 第 19 項 に 基 づいて 算 定 された 外 貨 建 ての 将 来 キャッシュ フローを 減 損 損 失 の 認 識 の 判 定 時 の 為 替 相 場 に より 円 換 算 し 減 損 損 失 を 認 識 するかどうかを 判 定 するために 見 積 られる 割 引 前 将 来 キャ ッシュ フローに 含 める 経 済 的 残 存 使 用 年 数 21. 資 産 又 は 資 産 グループ 中 の 主 要 な 資 産 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 は 当 該 資 産 が 今 後 経 済 的 に 使 用 可 能 と 予 測 される 年 数 と 考 えられ 対 象 となる 当 該 資 産 の 材 質 構 造 用 途 等 の 物 理 的 な 要 因 のほか 使 用 上 の 環 境 技 術 の 革 新 経 済 事 情 の 変 化 による 陳 腐 化 の 危 険 の - 10 -

程 度 その 他 当 該 企 業 の 特 殊 的 条 件 も 検 討 し 見 積 られることとなる( 第 99 項 参 照 ) なお 資 産 又 は 資 産 グループ 中 の 主 要 な 資 産 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 が 当 該 資 産 の 減 価 償 却 計 算 に 用 いられている 税 法 耐 用 年 数 等 に 基 づく 残 存 耐 用 年 数 と 著 しい 相 違 がある 等 の 不 合 理 と 認 められる 事 情 のない 限 り 当 該 残 存 耐 用 年 数 を 経 済 的 残 存 使 用 年 数 とみなす ことができる( 第 100 項 参 照 ) 主 要 な 資 産 22. 資 産 グループの 将 来 キャッシュ フロー 生 成 能 力 にとって 最 も 重 要 な 構 成 資 産 である 主 要 な 資 産 ( 減 損 会 計 基 準 注 解 ( 注 3) 参 照 )は 資 産 のグルーピングを 行 う 際 に 決 定 さ れ 当 期 に 主 要 な 資 産 とされた 資 産 は 原 則 として 翌 期 以 降 の 会 計 期 間 においても 当 該 資 産 グループの 主 要 な 資 産 となる( 第 101 項 参 照 ) 23. 企 業 は 主 要 な 資 産 を 決 定 するにあたって 以 下 のような 要 素 も 含 めて 総 合 的 に 判 断 す る( 第 102 項 参 照 ) (1) 企 業 は 当 該 資 産 を 必 要 とせずに 資 産 グループの 他 の 構 成 資 産 を 取 得 するかどうか (2) 企 業 は 当 該 資 産 を 物 理 的 及 び 経 済 的 に 容 易 に 取 り 替 えないかどうか なお 土 地 等 の 非 償 却 資 産 や 建 物 等 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 が 20 年 を 超 える 資 産 を 主 要 な 資 産 とする 場 合 にも 当 該 資 産 が 資 産 グループの 将 来 キャッシュ フロー 生 成 能 力 にと って 最 も 重 要 な 構 成 資 産 であるかどうかに 留 意 する 必 要 がある( 第 103 項 参 照 ) 24. 共 用 資 産 やのれんは 原 則 として 主 要 な 資 産 には 該 当 しない( 第 104 項 参 照 ) 減 損 損 失 の 測 定 25. 減 損 損 失 を 認 識 すべきであると 判 定 された 資 産 又 は 資 産 グループについては 帳 簿 価 額 を 回 収 可 能 価 額 まで 減 額 し 当 該 減 少 額 を 減 損 損 失 として 当 期 の 損 失 とする( 減 損 会 計 基 準 二 3. 参 照 ) 回 収 可 能 価 額 を 算 定 するにあたっては 正 味 売 却 価 額 の 算 定 ( 第 28 項 参 照 ) 及 び 使 用 価 値 の 算 定 ( 第 31 項 参 照 )の 考 え 方 に 基 づいて 行 う 26. 資 産 グループについて 認 識 された 減 損 損 失 は 帳 簿 価 額 に 基 づいて 比 例 配 分 する 方 法 の ほか 各 構 成 資 産 の 時 価 を 考 慮 した 配 分 等 合 理 的 であると 認 められる 方 法 により 当 該 資 産 グループの 各 構 成 資 産 に 配 分 する( 減 損 会 計 意 見 書 四 2.(6)2 減 損 会 計 基 準 二 6. (2) 及 び 第 105 項 参 照 ) 27. 資 産 グループが 複 数 の 建 設 仮 勘 定 から 構 成 されている 場 合 資 産 グループについて 認 識 された 減 損 損 失 は 資 産 グループの 帳 簿 価 額 から 控 除 するが 減 損 損 失 の 測 定 時 には 各 建 設 仮 勘 定 に 配 分 せず 完 成 時 にそれまでの 総 支 出 額 等 の 合 理 的 な 方 法 に 基 づいて 配 分 する [ 設 例 4] - 11 -

回 収 可 能 価 額 の 算 定 正 味 売 却 価 額 28. 回 収 可 能 価 額 とは 資 産 又 は 資 産 グループの 正 味 売 却 価 額 と 使 用 価 値 のいずれか 高 い 方 の 金 額 をいう( 減 損 会 計 基 準 注 解 ( 注 1)1. 参 照 ) 通 常 使 用 価 値 は 正 味 売 却 価 額 よ り 高 いと 考 えられるため 減 損 損 失 の 測 定 において 明 らかに 正 味 売 却 価 額 が 高 いと 想 定 される 場 合 や 処 分 がすぐに 予 定 されている 場 合 などを 除 き 必 ずしも 現 在 の 正 味 売 却 価 額 を 算 定 する 必 要 はないが 正 味 売 却 価 額 を 算 定 する 場 合 には 以 下 のようにして 求 められ た 資 産 又 は 資 産 グループの 時 価 から 処 分 費 用 見 込 額 を 控 除 して 行 われることとなる( 減 損 会 計 基 準 注 解 ( 注 1)2. 参 照 ) (1) 時 価 とは 公 正 な 評 価 額 をいい 通 常 それは 観 察 可 能 な 市 場 価 格 をいう( 減 損 会 計 基 準 注 解 ( 注 1)3. 参 照 ) このような 市 場 価 格 ( 第 15 項 また 書 き 参 照 )が 存 在 する 場 合 には 原 則 として 市 場 価 格 に 基 づく 価 額 を 時 価 とする( 第 108 項 参 照 ) (2) 市 場 価 格 が 観 察 できない 場 合 には 合 理 的 に 算 定 された 価 額 が 時 価 となる( 減 損 会 計 基 準 注 解 ( 注 1)3. 参 照 ) 合 理 的 に 算 定 された 価 額 は 市 場 価 格 に 準 ずるもの として 合 理 的 な 見 積 りに 基 づき 以 下 のような 方 法 で 算 定 される( 第 109 項 及 び 第 110 項 参 照 ) 1 不 動 産 については 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 ( 国 土 交 通 省 )に 基 づいて 算 定 する 自 社 における 合 理 的 な 見 積 りが 困 難 な 場 合 には 不 動 産 鑑 定 士 から 鑑 定 評 価 額 を 入 手 して それを 合 理 的 に 算 定 された 価 額 とすることができる なお 重 要 性 が 乏 しい 不 動 産 については 一 定 の 評 価 額 や 適 切 に 市 場 価 格 を 反 映 していると 考 えられる 指 標 (この 点 については 第 15 項 また 書 き 及 び 第 90 項 を 参 照 )を 合 理 的 に 算 定 された 価 額 とみなすことができる 2 その 他 の 固 定 資 産 については コスト アプローチやマーケット アプローチ インカム アプローチによる 見 積 方 法 が 考 えられるが 資 産 の 特 性 等 によりこれら のアプローチを 併 用 又 は 選 択 して 算 定 する 自 社 における 合 理 的 な 見 積 りが 困 難 な 場 合 には 製 造 業 者 や 販 売 業 者 物 件 売 買 仲 介 会 社 など 適 切 と 考 えられる 第 三 者 か ら 前 述 した 方 法 に 基 づき 算 定 された 価 格 を 入 手 して それを 合 理 的 に 算 定 された 価 額 とすることができる なお 重 要 性 が 乏 しいその 他 の 固 定 資 産 についても 一 定 の 評 価 額 や 適 切 に 市 場 価 格 を 反 映 していると 考 えられる 指 標 (この 点 については 第 15 項 また 書 き 及 び 第 90 項 を 参 照 )を 合 理 的 に 算 定 された 価 額 とみなすことができる (3) 処 分 費 用 見 込 額 は 企 業 が 類 似 の 資 産 に 関 する 過 去 の 実 績 や 処 分 を 行 う 業 者 から の 情 報 などを 参 考 に 現 在 価 値 として 見 積 る( 第 112 項 参 照 ) 29. 将 来 時 点 ( 例 えば 経 済 的 残 存 使 用 年 数 経 過 時 点 )における 正 味 売 却 価 額 を 算 定 する 必 要 がある 場 合 ( 第 107 項 参 照 )には 当 該 時 点 以 後 の 一 期 間 の 収 益 見 込 額 をその 後 の 収 益 に 影 響 を 与 える 要 因 の 変 動 予 測 や 予 測 に 伴 う 不 確 実 性 を 含 む 当 該 時 点 の 収 益 率 ( 最 終 還 元 - 12 -

利 回 り)で 割 り 戻 した 価 額 から 処 分 費 用 見 込 額 の 当 該 時 点 における 現 在 価 値 を 控 除 して 算 定 する( 第 113 項 参 照 ) ただし このような 方 法 によって 将 来 時 点 の 正 味 売 却 価 額 を 算 定 することが 困 難 な 場 合 には 現 在 の 正 味 売 却 価 額 ( 第 28 項 参 照 )( 償 却 資 産 の 場 合 には 現 在 の 正 味 売 却 価 額 か ら 適 切 な 減 価 額 を 控 除 した 金 額 )を 用 いることができる( 第 113 項 ただし 書 き 参 照 ) この 場 合 現 在 の 市 場 価 格 や 合 理 的 に 算 定 された 価 額 である 時 価 を 容 易 に 入 手 すること ができないときには 現 在 の 時 価 に 代 えて 現 在 における 一 定 の 評 価 額 や 適 切 に 市 場 価 格 を 反 映 していると 考 えられる 指 標 (この 点 については 第 15 項 また 書 き 及 び 第 90 項 を 参 照 )を 利 用 して 現 在 の 正 味 売 却 価 額 を 算 定 することができる( 第 114 項 参 照 ) また 資 産 の 減 価 償 却 計 算 に 用 いられている 税 法 規 定 等 に 基 づく 残 存 価 額 に 重 要 性 が 乏 しい 場 合 には 当 該 残 存 価 額 を 当 該 資 産 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 経 過 時 点 における 正 味 売 却 価 額 とみなすことができる( 第 115 項 参 照 ) なお 減 損 損 失 の 認 識 の 判 定 における 割 引 前 将 来 キャッシュ フローの 総 額 を 見 積 るに あたって 主 要 な 資 産 以 外 の 構 成 資 産 が 償 却 資 産 のときには 将 来 時 点 の 正 味 売 却 価 額 に 代 えて 現 在 の 当 該 構 成 資 産 の 帳 簿 価 額 から 主 要 な 資 産 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 までの 適 切 な 減 価 額 を 控 除 した 金 額 を 用 いることができる( 第 33 項 また 書 き 参 照 ) 30. 正 味 売 却 価 額 が 外 貨 建 てで 見 積 られる 場 合 には 減 損 損 失 の 認 識 の 判 定 及 び 測 定 時 の 為 替 相 場 により 円 換 算 するものとする 使 用 価 値 31. 使 用 価 値 は 資 産 又 は 資 産 グループの 継 続 的 使 用 と 使 用 後 の 処 分 によって 生 ずると 見 込 まれる 将 来 キャッシュ フローの 現 在 価 値 ( 減 損 会 計 基 準 注 解 ( 注 1)4. 参 照 )として 以 下 のように 算 定 される (1) 資 産 又 は 資 産 グループの 継 続 的 使 用 によって 生 ずると 見 込 まれる 将 来 キャッシ ュ フローは 第 36 項 から 第 42 項 に 基 づいて 算 定 する (2) 資 産 又 は 資 産 グループの 使 用 後 の 処 分 によって 生 ずると 見 込 まれる 将 来 キャッシ ュ フローは 将 来 時 点 の 正 味 売 却 価 額 となるため 第 29 項 に 基 づいて 算 定 する (3) (1) 及 び(2)により 算 定 された 資 産 又 は 資 産 グループの 継 続 的 使 用 と 使 用 後 の 処 分 によって 生 ずると 見 込 まれる 将 来 キャッシュ フローは 第 43 項 から 第 47 項 に 基 づ いて 算 定 された 割 引 率 によって 現 在 価 値 に 割 り 引 く 32. 減 損 損 失 の 認 識 の 判 定 において 割 引 前 将 来 キャッシュ フローの 総 額 を 見 積 るにあた り 20 年 経 過 時 点 の 回 収 可 能 価 額 を 算 定 する 場 合 ( 第 18 項 (2) 参 照 ) 当 該 時 点 における 使 用 価 値 は 20 年 経 過 時 点 以 降 に 見 込 まれる 将 来 キャッシュ フローに 基 づいて 当 該 時 点 の 現 在 価 値 として 算 定 される( 第 116 項 参 照 ) 共 用 資 産 やのれんに 関 しても より 大 きな 単 位 でグルーピングを 行 う 場 合 減 損 損 失 を 認 識 するかどうかを 判 定 するために 割 引 前 将 来 キャッシュ フローの 総 額 を 見 積 るにあた - 13 -

り これらの 経 済 的 残 存 使 用 年 数 が 20 年 を 超 える 場 合 ( 第 37 項 (3) 及 び(4) 参 照 )には 20 年 経 過 時 点 の 回 収 可 能 価 額 を 20 年 目 までの 割 引 前 将 来 キャッシュ フローに 加 算 す ることとなる 当 該 時 点 における 回 収 可 能 価 額 の 算 定 も 20 年 経 過 時 点 以 降 に 見 込 まれ る 将 来 キャッシュ フローに 基 づいて 当 該 時 点 の 現 在 価 値 として 算 定 される 33. 減 損 損 失 の 認 識 の 判 定 において 割 引 前 将 来 キャッシュ フローの 総 額 を 見 積 るにあた り 主 要 な 資 産 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 経 過 時 点 における 資 産 グループ 中 の 主 要 な 資 産 以 外 の 構 成 資 産 の 回 収 可 能 価 額 ( 第 18 項 (4) 参 照 )は 原 則 として 当 該 時 点 における 構 成 資 産 の 正 味 売 却 価 額 ( 第 29 項 参 照 )となる ただし 主 要 な 資 産 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 経 過 後 新 たに 主 要 な 資 産 になると 考 えられ る 資 産 の 使 用 に 係 る 合 理 的 な 計 画 が 存 在 している 場 合 には 当 該 時 点 における 構 成 資 産 の 正 味 売 却 価 額 に 代 えて 当 該 合 理 的 な 計 画 に 従 って 算 定 した 将 来 キャッシュ フローの 主 要 な 資 産 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 経 過 時 点 における 現 在 価 値 を 用 いることができる( 第 117 項 ただし 書 き 参 照 [ 設 例 3]) また 主 要 な 資 産 以 外 の 構 成 資 産 が 償 却 資 産 のときには 現 在 の 構 成 資 産 の 帳 簿 価 額 か ら 主 要 な 資 産 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 までの 適 切 な 減 価 額 を 控 除 した 金 額 を 用 いることが できる( 第 29 項 なお 書 き 及 び 第 117 項 ただし 書 き 参 照 [ 設 例 3]) 共 用 資 産 やのれんに 関 しても より 大 きな 単 位 でグルーピングを 行 う 場 合 減 損 損 失 を 認 識 するかどうかを 判 定 するために 割 引 前 将 来 キャッシュ フローの 総 額 を 見 積 るにあた り 共 用 資 産 やのれんの 経 済 的 残 存 使 用 年 数 経 過 時 点 における 他 の 資 産 の 回 収 可 能 価 額 は 原 則 として 当 該 時 点 における 他 の 資 産 の 正 味 売 却 価 額 となるが 上 述 のただし 書 き 及 び また 書 きの 取 扱 いを 準 用 することができる 34. 使 用 価 値 を 算 定 する 場 合 将 来 キャッシュ フローを 見 積 る 期 間 ( 第 37 項 参 照 ) 経 過 時 点 においても 経 済 的 残 存 使 用 年 数 が 存 在 する 他 の 資 産 について 当 該 経 過 時 点 におけ る 回 収 可 能 価 額 は 原 則 として 当 該 時 点 における 他 の 資 産 の 正 味 売 却 価 額 となる ただし 当 該 経 過 時 点 後 に 将 来 キャッシュ フローの 見 積 りに 用 いた 資 産 の 使 用 に 係 る 合 理 的 な 計 画 が 存 在 している 場 合 には 当 該 時 点 における 他 の 資 産 の 正 味 売 却 価 額 に 代 えて 当 該 合 理 的 な 計 画 に 従 って 算 定 した 将 来 キャッシュ フローの 当 該 経 過 時 点 におけ る 現 在 価 値 を 用 いることができる 35. 使 用 価 値 の 算 定 において 見 積 られる 将 来 キャッシュ フローが 外 貨 建 ての 場 合 第 31 項 (1) 及 び(2)に 基 づいて 算 定 された 外 貨 建 ての 将 来 キャッシュ フローを 当 該 通 貨 に 関 して 第 31 項 (3)に 基 づき 算 定 された 割 引 率 によって 現 在 価 値 に 割 り 引 き 当 該 外 貨 建 ての 将 来 キャッシュ フローの 現 在 価 値 を 減 損 損 失 の 測 定 時 の 為 替 相 場 により 円 換 算 すること により 使 用 価 値 を 算 定 するものとする ただし 使 用 価 値 の 算 定 において 見 積 られる 将 来 キャッシュ フローの 一 部 のみが 外 貨 建 ての 場 合 には 第 31 項 (1) 及 び(2)に 基 づいて 外 貨 建 ての 将 来 キャッシュ フローを 減 損 損 失 の 測 定 時 の 為 替 相 場 により 円 換 算 し 他 の 円 貨 建 ての 将 来 キャッシュ フローと 合 - 14 -

算 した 金 額 を 第 31 項 (3)に 基 づき 算 定 された 割 引 率 によって 現 在 価 値 に 割 り 引 くことに より 使 用 価 値 を 算 定 することができる 将 来 キャッシュ フロー 36. 減 損 損 失 を 認 識 するかどうかの 判 定 及 び 使 用 価 値 の 算 定 において 見 積 られる 将 来 キャ ッシュ フローを 企 業 に 固 有 の 事 情 を 反 映 した 合 理 的 で 説 明 可 能 な 仮 定 及 び 予 測 に 基 づ いて 見 積 る( 減 損 会 計 基 準 二 4.(1) 参 照 )にあたっては 以 下 のような 点 に 留 意 する( 第 118 項 参 照 ) (1) 企 業 は 取 締 役 会 等 の 承 認 を 得 た 中 長 期 計 画 の 前 提 となった 数 値 を 経 営 環 境 など の 企 業 の 外 部 要 因 に 関 する 情 報 や 企 業 が 用 いている 内 部 の 情 報 ( 例 えば 予 算 やその 修 正 資 料 業 績 評 価 の 基 礎 データ 売 上 見 込 みなど 以 下 同 じ )と 整 合 的 に 修 正 し 各 資 産 又 は 資 産 グループの 現 在 の 使 用 状 況 や 合 理 的 な 使 用 計 画 等 を 考 慮 して 将 来 キ ャッシュ フローを 見 積 る (2) 中 長 期 計 画 が 存 在 しない 場 合 企 業 は 経 営 環 境 などの 企 業 の 外 部 要 因 に 関 する 情 報 や 企 業 が 用 いている 内 部 の 情 報 に 基 づき 各 資 産 又 は 資 産 グループの 現 在 の 使 用 状 況 や 合 理 的 な 使 用 計 画 等 を 考 慮 して 将 来 キャッシュ フローを 合 理 的 に 見 積 る こ れには 過 去 の 一 定 期 間 における 実 際 のキャッシュ フローの 平 均 値 に これまでの 趨 勢 を 踏 まえた 一 定 又 は 逓 減 する 成 長 率 (ゼロやマイナスになる 場 合 もある )の 仮 定 をおいて 見 積 ることも 含 む (3) 中 長 期 計 画 の 見 積 期 間 を 超 える 期 間 の 将 来 キャッシュ フローを 算 定 する 場 合 企 業 は 原 則 として 取 締 役 会 等 の 承 認 を 得 た 中 長 期 計 画 の 前 提 となった 数 値 ( 経 営 環 境 などの 企 業 の 外 部 要 因 に 関 する 情 報 や 企 業 が 用 いている 内 部 の 情 報 と 整 合 的 に 修 正 した 後 のもの)に 合 理 的 な 反 証 がない 限 り それまでの 計 画 に 基 づく 趨 勢 を 踏 ま えた 一 定 又 は 逓 減 する 成 長 率 (ゼロやマイナスになる 場 合 もある )の 仮 定 をおいて 見 積 る この 結 果 中 長 期 計 画 の 見 積 期 間 を 超 える 期 間 の 成 長 率 がプラスの 仮 定 の 場 合 には 当 該 将 来 キャッシュ フローの 金 額 は 逓 増 し 成 長 率 がマイナスの 仮 定 の 場 合 逓 減 することとなる (4) 資 産 又 は 資 産 グループの 将 来 キャッシュ フローの 見 積 りに 際 しては 現 金 基 準 に 基 づいて 見 積 る 方 法 のほか 発 生 基 準 に 基 づいて 見 積 った 金 額 に 当 該 資 産 又 は 資 産 グ ループの 減 価 償 却 費 などの 重 要 な 非 資 金 損 益 項 目 を 加 減 した 金 額 を 用 いることがで きる 37. 減 損 損 失 を 認 識 するかどうかの 判 定 及 び 使 用 価 値 の 算 定 に 際 して 将 来 キャッシュ フ ローを 見 積 る 期 間 は 以 下 とする( 第 119 項 参 照 ) (1) 資 産 又 は 資 産 グループについて 減 損 損 失 を 認 識 するかどうかを 判 定 するために 将 来 キャッシュ フローを 見 積 る 期 間 は 資 産 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 又 は 資 産 グループ 中 の 主 要 な 資 産 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 と 20 年 のいずれか 短 い 方 とする( 減 損 会 計 基 - 15 -

準 二 2.(2) 参 照 ) (2) 資 産 又 は 資 産 グループについて 使 用 価 値 の 算 定 のために 将 来 キャッシュ フロー を 見 積 る 期 間 は 資 産 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 又 は 資 産 グループ 中 の 主 要 な 資 産 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 とする (3) 共 用 資 産 に 関 して より 大 きな 単 位 でグルーピングを 行 う 場 合 減 損 損 失 を 認 識 す るかどうかを 判 定 するために 将 来 キャッシュ フローを 見 積 る 期 間 は 共 用 資 産 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 ( 共 用 資 産 が 複 数 ある 場 合 には 共 用 資 産 全 体 の 帳 簿 価 額 のうち その 帳 簿 価 額 が 大 きな 割 合 を 占 める 共 用 資 産 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 )と 20 年 のいず れか 短 い 方 とする また その 場 合 に 使 用 価 値 の 算 定 のために 将 来 キャッシュ フ ローを 見 積 る 期 間 は 共 用 資 産 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 ( 共 用 資 産 が 複 数 ある 場 合 には 共 用 資 産 全 体 の 帳 簿 価 額 のうち その 帳 簿 価 額 が 大 きな 割 合 を 占 める 共 用 資 産 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 )とする (4) のれんに 関 して より 大 きな 単 位 でグルーピングを 行 う 場 合 減 損 損 失 を 認 識 する かどうかを 判 定 するために 将 来 キャッシュ フローを 見 積 る 期 間 は 原 則 として の れんの 残 存 償 却 年 数 (のれんが 複 数 ある 場 合 には のれん 全 体 の 帳 簿 価 額 のうち そ の 帳 簿 価 額 が 大 きな 割 合 を 占 めるのれんの 残 存 償 却 年 数 )と 20 年 のいずれか 短 い 方 とする また その 場 合 に 使 用 価 値 の 算 定 のために 将 来 キャッシュ フローを 見 積 る 期 間 は 原 則 として のれんの 残 存 償 却 年 数 (のれんが 複 数 ある 場 合 には のれん 全 体 の 帳 簿 価 額 のうち その 帳 簿 価 額 が 大 きな 割 合 を 占 めるのれんの 残 存 償 却 年 数 ) とする 38. 将 来 キャッシュ フローは 資 産 又 は 資 産 グループの 継 続 的 使 用 と 使 用 後 の 処 分 によっ て 生 ずると 見 込 まれる 将 来 キャッシュ イン フローから 継 続 的 使 用 と 使 用 後 の 処 分 の ために 生 ずると 見 込 まれる 将 来 キャッシュ アウト フローを 控 除 して 見 積 る これらの 見 積 りに 含 められる 範 囲 は 以 下 のようにする[ 設 例 2] [ 設 例 3] (1) 将 来 キャッシュ フローの 見 積 りに 際 しては 資 産 又 は 資 産 グループの 現 在 の 使 用 状 況 及 び 合 理 的 な 使 用 計 画 等 を 考 慮 する( 減 損 会 計 基 準 二 4.(2) 参 照 ) このため 計 画 されていない 将 来 の 設 備 の 増 強 や 事 業 の 再 編 の 結 果 として 生 ずる 将 来 キャッシ ュ フローは 見 積 りに 含 めない( 減 損 会 計 基 準 注 解 ( 注 5) 参 照 ) (2) 資 産 又 は 資 産 グループの 現 在 の 使 用 状 況 及 び 合 理 的 な 使 用 計 画 等 を 考 慮 し 現 在 の 価 値 を 維 持 するための 合 理 的 な 設 備 投 資 に 関 連 する 将 来 キャッシュ フローは 見 積 りに 含 める( 減 損 会 計 意 見 書 四 2.(4)2 参 照 ) したがって 資 産 グループ 中 の 主 要 な 資 産 以 外 の 構 成 資 産 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 が 主 要 な 資 産 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 を 超 えない 場 合 ( 第 18 項 (3) 参 照 )でも 現 在 の 価 値 を 維 持 するための 合 理 的 な 設 備 投 資 により 構 成 資 産 が 引 き 続 き 存 在 するものと 仮 定 して 将 来 キャッシュ フロー を 見 積 る この 場 合 当 該 設 備 投 資 に 関 連 する 将 来 キャッシュ フローには 当 該 設 備 投 資 による 将 来 キャッシュ アウト フローや 主 要 な 資 産 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 - 16 -

経 過 時 点 において 存 在 すると 仮 定 された 構 成 資 産 の 正 味 売 却 価 額 も 含 まれる (3) 将 来 の 用 途 が 定 まっていない 遊 休 資 産 については 現 在 の 状 況 に 基 づき 将 来 キャッ シュ フローを 見 積 る( 減 損 会 計 基 準 注 解 ( 注 5) 参 照 ) なお 資 産 グループに ついては 資 産 グループ 全 体 について 将 来 の 用 途 が 定 まっていない 遊 休 状 態 である 場 合 のみならず 主 要 な 資 産 ( 第 22 項 参 照 )が 将 来 の 用 途 が 定 まっていない 遊 休 資 産 である 場 合 にも 現 在 の 状 況 に 基 づき 将 来 キャッシュ フローを 見 積 ることとなる (4) 建 設 仮 勘 定 については 使 用 に 供 されていないが その 将 来 キャッシュ フローは 合 理 的 な 建 設 計 画 や 使 用 計 画 等 を 考 慮 して 完 成 後 に 生 ずると 見 込 まれる 将 来 キャッ シュ イン フローから 完 成 まで 及 び 完 成 後 に 生 ずると 見 込 まれる 将 来 キャッシュ アウト フローを 控 除 して 見 積 る[ 設 例 4] 39. 将 来 キャッシュ フローの 見 積 金 額 は 生 起 する 可 能 性 の 最 も 高 い 単 一 の 金 額 ( 最 頻 値 ) 又 は 生 起 しうる 複 数 の 将 来 キャッシュ フローをそれぞれの 確 率 で 加 重 平 均 した 金 額 ( 期 待 値 )( 減 損 会 計 基 準 二 4.(3) 参 照 )とされているが いずれの 場 合 でも 使 用 価 値 の 算 定 においては 将 来 キャッシュ フローが 見 積 値 から 乖 離 するリスクについて 将 来 キャ ッシュ フローの 見 積 りと 割 引 率 のいずれかに 反 映 させる 必 要 がある( 減 損 会 計 基 準 注 解 ( 注 6) 参 照 [ 設 例 5]) (1) 当 該 リスクは 実 務 上 割 引 率 に 反 映 させる 場 合 が 多 く この 場 合 には 当 該 リス クを 反 映 させない 将 来 キャッシュ フローと 第 45 項 による 割 引 率 により 使 用 価 値 を 算 定 する (2) 当 該 リスクを 将 来 キャッシュ フローの 見 積 りに 反 映 させた 場 合 には 貨 幣 の 時 間 価 値 だけを 反 映 した 無 リスクの 割 引 率 ( 第 46 項 参 照 )を 用 いて 使 用 価 値 を 算 定 する なお この 場 合 には 算 定 された 使 用 価 値 と 減 損 損 失 の 認 識 の 判 定 に 用 いられた 当 該 リスクを 反 映 させない 割 引 前 将 来 キャッシュ フロー( 第 19 項 参 照 )から 求 められ る 割 引 率 に 相 当 する 率 が 第 45 項 による 割 引 率 と 大 きく 相 違 しないことを 確 認 する 必 要 がある( 第 120 項 なお 書 き 参 照 ) 40. 資 産 又 は 資 産 グループの 将 来 キャッシュ フローの 見 積 りに 際 し 控 除 する 間 接 的 に 生 ず る 支 出 ( 減 損 会 計 基 準 二 4.(4) 参 照 )は 当 該 資 産 又 は 資 産 グループが 使 用 されている 営 業 活 動 に 関 連 して 生 ずる 将 来 キャッシュ アウト フローと 考 えられるが 現 金 基 準 に 基 づいて 見 積 る 方 法 のほか 発 生 基 準 に 基 づいて 見 積 る 方 法 (ただし この 場 合 でも 共 用 資 産 の 減 価 償 却 費 は 間 接 的 に 生 ずる 支 出 には 含 まれないことに 留 意 する )によること もできる( 第 121 項 参 照 ) なお 間 接 的 に 生 ずる 支 出 を 関 連 する 各 資 産 又 は 資 産 グループに 配 分 するための 合 理 的 な 方 法 には 原 価 計 算 基 準 の 33 間 接 費 の 配 賦 や セグメント 情 報 の 開 示 に 関 す る 会 計 手 法 の Ⅰ 2.(2) 直 課 できない 営 業 費 用 に 準 ずる 方 法 が 含 まれる 41. 将 来 キャッシュ フローの 見 積 りには 利 息 の 支 払 額 並 びに 法 人 税 等 の 支 払 額 及 び 還 付 額 を 含 めない( 減 損 会 計 基 準 二 4.(5) 参 照 ) ただし 固 定 資 産 の 建 設 に 要 する 支 払 利 息 - 17 -

で 稼 動 前 の 期 間 において 取 得 原 価 に 算 入 されている 場 合 は 完 成 時 まで 算 入 されると 考 え られる 利 息 の 支 払 額 を 将 来 キャッシュ アウト フローの 見 積 りに 含 める( 第 122 項 参 照 ) 42. 将 来 キャッシュ フローの 見 積 りには 利 息 の 受 取 額 を 含 めない ただし 賃 貸 不 動 産 の 預 り 保 証 金 の 運 用 益 相 当 額 のように 固 定 資 産 の 使 用 に 伴 って 直 接 的 に 生 ずると 考 えら れる 利 息 等 の 受 取 額 は 将 来 キャッシュ フローの 見 積 りに 含 めることができる( 第 123 項 参 照 ) 使 用 価 値 の 算 定 に 際 して 用 いられる 割 引 率 43. 減 損 損 失 の 測 定 にあたり 使 用 価 値 を 算 定 する 際 に 用 いられる 割 引 率 は 減 損 損 失 の 測 定 時 点 の 割 引 率 を 用 い( 第 124 項 参 照 ) 原 則 として 翌 期 以 降 の 会 計 期 間 においても 同 一 の 方 法 により 算 定 される また 将 来 キャッシュ フローが 税 引 前 の 数 値 であることに 対 応 して 割 引 率 も 税 引 前 の 数 値 を 用 いる 必 要 がある( 減 損 会 計 意 見 書 四 2.(5) 参 照 ) 44. 使 用 価 値 を 算 定 する 際 に 用 いられる 割 引 率 は 実 務 上 単 一 の 割 引 率 を 使 用 すると 考 え られるが 将 来 キャッシュ フローが 見 積 られる 期 間 のうち 異 なる 期 間 において 合 理 的 で 説 明 可 能 な 仮 定 及 び 予 測 に 基 づき 将 来 キャッシュ フローが 見 積 値 から 乖 離 するリスク や 貨 幣 の 時 間 価 値 が 相 違 するため 異 なる 期 間 について 異 なる 割 引 率 を 見 積 る 場 合 には 当 該 割 引 率 を 用 いることができる( 第 125 項 参 照 ) 45. 資 産 又 は 資 産 グループに 係 る 将 来 キャッシュ フローがその 見 積 値 から 乖 離 するリスク について 将 来 キャッシュ フローの 見 積 りに 反 映 されていない 場 合 使 用 価 値 の 算 定 に 際 して 用 いられる 割 引 率 は 貨 幣 の 時 間 価 値 と 将 来 キャッシュ フローがその 見 積 値 から 乖 離 するリスクの 両 方 を 反 映 したもの( 減 損 会 計 基 準 二 5. 参 照 )であり 以 下 のもの 又 はこれらを 総 合 的 に 勘 案 したものとなる( 第 124 項 から 第 127 項 参 照 [ 設 例 6]) (1) 当 該 企 業 における 当 該 資 産 又 は 資 産 グループに 固 有 のリスクを 反 映 した 収 益 率 企 業 は 内 部 管 理 目 的 の 経 営 資 料 や 使 用 計 画 等 企 業 が 用 いている 内 部 の 情 報 に 基 づき 当 該 資 産 又 は 資 産 グループに 係 る 収 益 率 を 算 定 する (2) 当 該 企 業 に 要 求 される 資 本 コスト 資 本 コストは 借 入 資 本 コストと 自 己 資 本 コス トを 加 重 平 均 した 資 本 コストを 用 いることが 適 当 である (3) 当 該 資 産 又 は 資 産 グループに 類 似 した 資 産 又 は 資 産 グループに 固 有 のリスクを 反 映 した 市 場 平 均 と 考 えられる 合 理 的 な 収 益 率 (4) 当 該 資 産 又 は 資 産 グループのみを 裏 付 け(いわゆるノンリコース)として 大 部 分 の 資 金 調 達 を 行 ったときに 適 用 されると 合 理 的 に 見 積 られる 利 率 46. 資 産 又 は 資 産 グループに 係 る 将 来 キャッシュ フローがその 見 積 値 から 乖 離 するリスク について 将 来 キャッシュ フローの 見 積 りに 反 映 させた 場 合 ( 第 39 項 (2) 参 照 )には 使 用 価 値 の 算 定 に 際 して 用 いられる 割 引 率 は 貨 幣 の 時 間 価 値 だけを 反 映 した 無 リスクの 割 引 率 となる( 減 損 会 計 意 見 書 四 2.(5) 参 照 ) したがって この 場 合 には 将 来 キャッ - 18 -

シュ フローが 得 られるまでの 期 間 に 対 応 した 国 債 の 利 回 りを 割 引 率 として 用 いることと なる 47. 連 結 財 務 諸 表 において 連 結 の 見 地 から 個 別 財 務 諸 表 において 用 いられた 資 産 のグル ーピングの 単 位 が 見 直 された 場 合 ( 第 10 項 参 照 ) 原 則 として 使 用 価 値 の 算 定 に 際 して 用 いられる 割 引 率 も 資 産 のグルーピングに 応 じて 見 直 されることとなる( 第 128 項 参 照 ) 共 用 資 産 及 びのれんの 取 扱 い 共 用 資 産 の 取 扱 い 48. 共 用 資 産 に 減 損 の 兆 候 がある 場 合 ( 第 16 項 参 照 ) 減 損 損 失 の 認 識 の 判 定 及 び 測 定 は 原 則 として 以 下 のように 共 用 資 産 が 関 連 する 複 数 の 資 産 又 は 資 産 グループに 共 用 資 産 を 加 えた より 大 きな 単 位 で 行 う( 減 損 会 計 基 準 二 7. 参 照 [ 設 例 7-1]) (1) 減 損 損 失 を 認 識 するかどうかの 判 定 は まず 共 用 資 産 が 関 連 する 資 産 又 は 資 産 グ ループに 減 損 の 兆 候 がある 場 合 当 該 資 産 又 は 資 産 グループごとに 行 い その 後 よ り 大 きな 単 位 で 行 う( 減 損 会 計 基 準 注 解 ( 注 7) 参 照 ) 共 用 資 産 を 含 まない 資 産 又 は 資 産 グループに 減 損 の 兆 候 がない 場 合 でも 共 用 資 産 に 減 損 の 兆 候 があるときに は より 大 きな 単 位 で 減 損 損 失 を 認 識 するかどうかの 判 定 を 行 う (2) 共 用 資 産 を 含 む より 大 きな 単 位 について 減 損 損 失 を 認 識 するかどうかを 判 定 する に 際 しては 共 用 資 産 を 含 まない 各 資 産 又 は 資 産 グループにおいて 算 定 された 減 損 損 失 控 除 前 の 帳 簿 価 額 に 共 用 資 産 の 帳 簿 価 額 を 加 えた 金 額 と より 大 きな 単 位 から 得 ら れる 割 引 前 将 来 キャッシュ フローの 総 額 ( 第 37 項 (3) 参 照 )とを 比 較 する 割 引 前 将 来 キャッシュ フローの 総 額 が 帳 簿 価 額 の 合 計 額 を 下 回 る 場 合 には 減 損 損 失 を 認 識 する (3) 減 損 損 失 の 測 定 も まず 資 産 又 は 資 産 グループごとに 行 い その 後 より 大 きな 単 位 で 行 う( 減 損 会 計 基 準 注 解 ( 注 7) 参 照 ) (4) 減 損 損 失 を 認 識 すべきであると 判 定 された 共 用 資 産 を 含 む より 大 きな 単 位 につい ては 共 用 資 産 を 含 まない 各 資 産 又 は 資 産 グループにおいて 算 定 された 減 損 損 失 控 除 前 の 帳 簿 価 額 に 共 用 資 産 の 帳 簿 価 額 を 加 えた 金 額 を より 大 きな 単 位 の 回 収 可 能 価 額 まで 減 額 する (5) 共 用 資 産 を 加 えることによって 算 定 される 減 損 損 失 の 増 加 額 は 原 則 として 共 用 資 産 に 配 分 する ただし 共 用 資 産 に 配 分 される 減 損 損 失 が 共 用 資 産 の 帳 簿 価 額 と 正 味 売 却 価 額 の 差 額 を 超 過 することが 明 らかな 場 合 には 当 該 超 過 額 を 各 資 産 又 は 資 産 グループに 合 理 的 な 基 準 により 配 分 する( 減 損 会 計 基 準 注 解 ( 注 8) 参 照 ) こ れは 以 下 のように 行 う( 第 129 項 参 照 ) 1 各 資 産 又 は 資 産 グループの 回 収 可 能 価 額 が 容 易 に 把 握 できる 場 合 には 当 該 回 収 可 能 価 額 を 下 回 る 結 果 とならないように 当 該 超 過 額 を 各 資 産 又 は 資 産 グループ の 帳 簿 価 額 と 回 収 可 能 価 額 の 差 額 の 比 率 等 により 配 分 する - 19 -

2 各 資 産 又 は 資 産 グループの 回 収 可 能 価 額 が 容 易 に 把 握 できない 場 合 には 当 該 超 過 額 を 各 資 産 又 は 資 産 グループの 帳 簿 価 額 の 比 率 等 により 配 分 する ただし 各 資 産 又 は 資 産 グループの 一 部 の 回 収 可 能 価 額 が 容 易 に 把 握 できる 場 合 には 当 該 回 収 可 能 価 額 を 下 回 る 結 果 とならないように 合 理 的 な 基 準 により 回 収 可 能 価 額 が 容 易 に 把 握 できない 構 成 資 産 に 減 損 損 失 を 配 分 することができる 49. 共 用 資 産 の 帳 簿 価 額 を 各 資 産 又 は 資 産 グループに 配 分 する 方 法 ( 減 損 会 計 基 準 二 7. 参 照 )を 採 用 するにあたっては 以 下 の 点 に 留 意 する( 第 130 項 参 照 ) (1) 共 用 資 産 の 帳 簿 価 額 を 各 資 産 又 は 資 産 グループに 配 分 して 管 理 会 計 を 行 っている 場 合 や 共 用 資 産 が 各 資 産 又 は 資 産 グループの 将 来 キャッシュ フローの 生 成 に 密 接 に 関 連 し その 寄 与 する 度 合 いとの 間 に 強 い 相 関 関 係 を 持 つ 合 理 的 な 配 賦 基 準 が 存 在 する 場 合 には 共 用 資 産 の 帳 簿 価 額 を 当 該 共 用 資 産 に 関 連 する 各 資 産 又 は 資 産 グルー プに 当 該 合 理 的 な 配 賦 基 準 で 配 分 することができる (2) 当 期 に 共 用 資 産 の 帳 簿 価 額 を 各 資 産 又 は 資 産 グループに 配 分 する 方 法 を 採 用 した 場 合 には 翌 期 以 降 の 会 計 期 間 においても 同 じ 方 法 を 採 用 する 必 要 がある ただし 事 実 関 係 が 変 化 した 場 合 ( 例 えば 資 産 のグルーピングの 変 更 主 要 な 資 産 の 変 更 資 産 グループ 内 での 設 備 の 増 強 や 大 規 模 な 処 分 資 産 グループ 内 の 構 成 資 産 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 の 変 更 共 用 資 産 自 体 の 設 備 の 増 強 や 経 済 的 残 存 使 用 年 数 の 変 更 など) には この 限 りではない (3) 当 該 企 業 の 類 似 の 資 産 又 は 資 産 グループにおいては 同 じ 方 法 を 採 用 する 必 要 があ る 50. 共 用 資 産 の 帳 簿 価 額 を 各 資 産 又 は 資 産 グループに 配 分 する 方 法 ( 第 49 項 参 照 )を 採 用 する 場 合 には 配 分 された 各 資 産 又 は 資 産 グループに 減 損 の 兆 候 があるとき( 第 16 項 な お 書 き 参 照 )に 以 下 のように 減 損 損 失 の 認 識 の 判 定 及 び 測 定 を 行 う[ 設 例 7-2] (1) 共 用 資 産 の 帳 簿 価 額 を 当 該 共 用 資 産 に 関 連 する 各 資 産 又 は 資 産 グループに 配 分 し たうえで 減 損 損 失 を 認 識 するかどうかを 判 定 する (2) 各 資 産 又 は 資 産 グループの 帳 簿 価 額 に 共 用 資 産 の 帳 簿 価 額 を 配 分 した 額 を 加 えた 金 額 を 回 収 可 能 価 額 まで 減 額 する (3) 共 用 資 産 の 帳 簿 価 額 を 配 分 した 各 資 産 グループにおいて 認 識 された 減 損 損 失 は 帳 簿 価 額 に 基 づく 比 例 配 分 等 の 合 理 的 な 方 法 により 共 用 資 産 の 配 分 額 を 含 む 当 該 資 産 グループの 各 構 成 資 産 に 配 分 する( 第 26 項 参 照 ) のれんの 取 扱 い 51. のれんを 認 識 した 取 引 において 取 得 された 事 業 の 単 位 が 複 数 である 場 合 には のれんの 帳 簿 価 額 を 合 理 的 な 基 準 に 基 づき 分 割 する( 減 損 会 計 基 準 二 8. 参 照 ) (1) のれんの 帳 簿 価 額 を 分 割 し 帰 属 させる 事 業 の 単 位 は 取 得 の 対 価 が 概 ね 独 立 して 決 定 され かつ 取 得 後 も 内 部 管 理 上 独 立 した 業 績 報 告 が 行 われる 単 位 とする( 減 損 会 - 20 -

計 基 準 注 解 ( 注 9) 参 照 ) (2) のれんの 帳 簿 価 額 の 分 割 は のれんが 認 識 された 取 引 において 取 得 された 事 業 の 取 得 時 における 時 価 の 比 率 に 基 づいて 行 う 方 法 その 他 合 理 的 な 方 法 による( 減 損 会 計 基 準 注 解 ( 注 10) 参 照 ) その 他 合 理 的 な 方 法 には 取 得 された 事 業 の 取 得 時 におけ る 時 価 と 当 該 事 業 の 純 資 産 ( 資 産 総 額 と 負 債 総 額 の 差 額 )の 時 価 との 差 額 の 比 率 に 基 づいて 行 う 方 法 等 が 含 まれる 52. 分 割 されたのれんを 含 む より 大 きな 単 位 に 減 損 の 兆 候 がある 場 合 ( 第 17 項 参 照 ) 減 損 損 失 の 認 識 の 判 定 及 び 測 定 は 原 則 として のれんが 帰 属 する 事 業 に 関 連 する 複 数 の 資 産 グループにのれんを 加 えた より 大 きな 単 位 で 行 う( 減 損 会 計 基 準 二 8. 参 照 [ 設 例 8]) (1) 減 損 損 失 を 認 識 するかどうかの 判 定 は まず のれんが 帰 属 する 事 業 に 関 連 する 資 産 グループに 減 損 の 兆 候 がある 場 合 当 該 資 産 グループごとに 行 い その 後 より 大 きな 単 位 で 行 う( 減 損 会 計 基 準 注 解 ( 注 7) 参 照 ) のれんを 含 まない 資 産 グルー プに 減 損 の 兆 候 がない 場 合 でも のれんを 含 む より 大 きな 単 位 に 減 損 の 兆 候 がある ときには より 大 きな 単 位 で 減 損 損 失 を 認 識 するかどうかの 判 定 を 行 う (2) のれんを 含 む より 大 きな 単 位 について 減 損 損 失 を 認 識 するかどうかを 判 定 するに 際 しては のれんを 含 まない 各 資 産 グループにおいて 算 定 された 減 損 損 失 控 除 前 の 帳 簿 価 額 にのれんの 帳 簿 価 額 を 加 えた 金 額 と より 大 きな 単 位 から 得 られる 割 引 前 将 来 キャッシュ フローの 総 額 ( 第 37 項 (4) 参 照 )とを 比 較 する 割 引 前 将 来 キャッシュ フローの 総 額 が 帳 簿 価 額 の 合 計 額 を 下 回 る 場 合 には 減 損 損 失 を 認 識 する (3) 減 損 損 失 の 測 定 も まず 資 産 グループごとに 行 い その 後 より 大 きな 単 位 で 行 う( 減 損 会 計 基 準 注 解 ( 注 7) 参 照 ) (4) 減 損 損 失 を 認 識 すべきであると 判 定 されたのれんを 含 む より 大 きな 単 位 について は のれんを 含 まない 各 資 産 グループにおいて 算 定 された 減 損 損 失 控 除 前 の 帳 簿 価 額 にのれんの 帳 簿 価 額 を 加 えた 金 額 を より 大 きな 単 位 の 回 収 可 能 価 額 まで 減 額 する (5) のれんを 加 えることによって 算 定 される 減 損 損 失 の 増 加 額 は 原 則 として のれん に 配 分 する ただし のれんに 配 分 された 減 損 損 失 が のれんの 帳 簿 価 額 を 超 過 する 場 合 には 当 該 超 過 額 を 合 理 的 な 基 準 により 各 資 産 グループに 配 分 する( 減 損 会 計 基 準 注 解 ( 注 11) 参 照 )(この 際 の 合 理 的 な 基 準 については 第 48 項 (5) 参 照 ) 53. のれんの 帳 簿 価 額 を 各 資 産 グループに 配 分 する 方 法 ( 減 損 会 計 基 準 二 8. 参 照 )を 採 用 するにあたっては 以 下 の 点 に 留 意 する( 第 133 項 参 照 ) (1) のれんの 帳 簿 価 額 を 各 資 産 グループに 配 分 して 管 理 会 計 を 行 っている 場 合 や のれ んが 帰 属 する 事 業 が 各 資 産 グループの 将 来 キャッシュ フローの 生 成 に 密 接 に 関 連 し その 寄 与 する 度 合 いとの 間 に 強 い 相 関 関 係 を 持 つ 合 理 的 な 配 賦 基 準 が 存 在 する 場 合 には のれんの 帳 簿 価 額 を 各 資 産 グループに 当 該 合 理 的 な 配 賦 基 準 で 配 分 すること ができる - 21 -

(2) 当 期 にのれんの 帳 簿 価 額 を 各 資 産 グループに 配 分 する 方 法 を 採 用 した 場 合 には 翌 期 以 降 の 会 計 期 間 においても 同 じ 方 法 を 採 用 する 必 要 がある ただし 事 実 関 係 が 変 化 した 場 合 ( 例 えば 資 産 のグルーピングの 変 更 主 要 な 資 産 の 変 更 資 産 グループ 内 での 設 備 の 増 強 や 大 規 模 な 処 分 資 産 グループ 内 の 構 成 資 産 の 経 済 的 残 存 使 用 年 数 の 変 更 など)には この 限 りではない (3) 当 該 企 業 の 類 似 の 資 産 グループにおいては 同 じ 方 法 を 採 用 する 必 要 がある 54. のれんの 帳 簿 価 額 を 各 資 産 グループに 配 分 する 方 法 ( 第 53 項 参 照 )を 採 用 する 場 合 に は 配 分 された 各 資 産 グループに 減 損 の 兆 候 があるとき( 第 17 項 また 書 き 参 照 )に 以 下 のように 減 損 損 失 の 認 識 の 判 定 及 び 測 定 を 行 う (1) のれんの 帳 簿 価 額 を 当 該 のれんが 帰 属 する 事 業 に 関 連 する 各 資 産 グループに 配 分 したうえで 減 損 損 失 を 認 識 するかどうかを 判 定 する (2) 各 資 産 グループの 帳 簿 価 額 にのれんの 帳 簿 価 額 を 配 分 した 額 を 加 えた 金 額 を 回 収 可 能 価 額 まで 減 額 する (3) のれんの 帳 簿 価 額 を 配 分 した 各 資 産 グループにおいて 認 識 された 減 損 損 失 は のれ んに 優 先 的 に 配 分 し 残 額 は 帳 簿 価 額 に 基 づく 比 例 配 分 等 の 合 理 的 な 方 法 により 当 該 資 産 グループの 各 構 成 資 産 に 配 分 する( 第 26 項 参 照 ) 減 損 処 理 後 の 会 計 処 理 55. 減 損 損 失 の 戻 入 れは 行 わず また 減 損 処 理 を 行 った 資 産 については 減 損 損 失 を 控 除 した 帳 簿 価 額 に 基 づき 減 価 償 却 を 行 う( 減 損 会 計 基 準 三 1. 及 び 2. 参 照 ) したがって 減 損 損 失 を 控 除 した 帳 簿 価 額 から 残 存 価 額 を 控 除 した 金 額 を 企 業 が 採 用 している 減 価 償 却 の 方 法 に 従 って 規 則 的 合 理 的 に 配 分 することとなる( 第 134 項 及 び 第 135 項 参 照 ) また 減 損 処 理 後 販 売 目 的 で 保 有 するために 流 動 資 産 に 振 り 替 える 場 合 ( 第 136 項 参 照 )を 除 き 処 分 が 予 定 されているときでも 残 存 価 額 まで 減 価 償 却 を 行 う( 第 137 項 参 照 ) 56. 減 損 処 理 を 行 った 遊 休 資 産 ( 第 72 項 参 照 )について 減 損 処 理 後 の 減 価 償 却 費 は 原 則 として 営 業 外 費 用 として 処 理 する なお 減 損 処 理 を 行 うこととはされなかった 遊 休 資 産 についても 減 価 償 却 を 行 うこととなるが 当 該 遊 休 資 産 の 減 価 償 却 費 についても 原 則 として 営 業 外 費 用 として 処 理 する( 第 138 項 参 照 ) 開 示 貸 借 対 照 表 における 表 示 57. 減 損 処 理 を 行 った 資 産 の 貸 借 対 照 表 における 表 示 は 以 下 のように 行 う( 減 損 会 計 基 準 四 1. 参 照 ) (1) 原 則 として 減 損 処 理 前 の 取 得 原 価 から 減 損 損 失 を 直 接 控 除 し 控 除 後 の 金 額 をそ の 後 の 取 得 原 価 とする 形 式 ( 以 下 直 接 控 除 形 式 という )で 表 示 する - 22 -

(2) ただし 減 価 償 却 を 行 う 有 形 固 定 資 産 については 当 該 資 産 に 対 する 減 損 損 失 累 計 額 を 取 得 原 価 から 間 接 控 除 する 形 式 ( 以 下 独 立 間 接 控 除 形 式 という )で 表 示 することもできる (3) (2)の 場 合 減 損 損 失 累 計 額 を 減 価 償 却 累 計 額 に 合 算 して 表 示 ( 以 下 合 算 間 接 控 除 形 式 という )することができる 減 損 処 理 を 行 った 資 産 の 貸 借 対 照 表 における 表 示 形 式 は 例 えば 減 価 償 却 累 計 額 につ いては 各 資 産 科 目 に 対 する 控 除 項 目 として 掲 記 する( 間 接 控 除 形 式 )が 減 損 損 失 につい ては 直 接 控 除 形 式 を 採 るなど 減 価 償 却 累 計 額 の 表 示 形 式 と 同 じものである 必 要 はない( 第 139 項 参 照 ) 注 記 58. 重 要 な 減 損 損 失 を 認 識 した 場 合 には 損 益 計 算 書 ( 特 別 損 失 )に 係 る 注 記 事 項 として 以 下 の 項 目 を 注 記 する( 減 損 会 計 基 準 四 3. 及 び 第 140 項 参 照 ) (1) 減 損 損 失 を 認 識 した 資 産 又 は 資 産 グループについては その 用 途 種 類 場 所 など の 概 要 (2) 減 損 損 失 の 認 識 に 至 った 経 緯 (3) 減 損 損 失 の 金 額 については 特 別 損 失 に 計 上 した 金 額 と 主 な 固 定 資 産 の 種 類 ごとの 減 損 損 失 の 内 訳 (4) 資 産 グループについて 減 損 損 失 を 認 識 した 場 合 には 当 該 資 産 グループの 概 要 と 資 産 をグルーピングした 方 法 (5) 回 収 可 能 価 額 が 正 味 売 却 価 額 の 場 合 には その 旨 及 び 時 価 の 算 定 方 法 回 収 可 能 価 額 が 使 用 価 値 の 場 合 にはその 旨 及 び 割 引 率 ( 第 141 項 参 照 ) ただし 減 損 会 計 基 準 を 初 めて 適 用 した 事 業 年 度 においては 減 損 損 失 を 計 上 していな くとも 全 般 的 な 資 産 のグルーピングの 方 針 等 を 注 記 することができる( 第 140 項 参 照 ) 59. 前 項 で 示 された 注 記 事 項 は 資 産 グループごとに 記 載 する ただし 多 数 の 資 産 グルー プにおいて 重 要 な 減 損 損 失 が 発 生 している 場 合 には 資 産 の 用 途 や 場 所 等 に 基 づいて ま とめて 記 載 することができる その 他 借 手 側 が 所 有 権 移 転 外 ファイナンス リース 取 引 について リース 資 産 の 計 上 額 を 算 定 する 上 でリース 料 総 額 から 利 息 相 当 額 の 合 理 的 な 見 積 額 を 控 除 しない 方 法 によっている 場 合 の 取 扱 い 59-2. 借 手 側 が 所 有 権 移 転 外 ファイナンス リース 取 引 について 通 常 の 売 買 取 引 に 係 る 方 法 に 準 じて 会 計 処 理 を 行 っている 場 合 ファイナンス リース 取 引 により 使 用 している 資 産 ( 以 下 リース 資 産 という ) 及 びリース 債 務 の 計 上 額 を 算 定 するにあたっては 原 則 として リース 料 総 額 からこれに 含 まれている 利 息 相 当 額 の 合 理 的 な 見 積 額 を 控 除 する 方 - 23 -

法 によるが リース 資 産 総 額 に 重 要 性 が 乏 しいと 認 められるときには 利 息 相 当 額 の 合 理 的 な 見 積 額 を 控 除 しない 方 法 によることができる( 企 業 会 計 基 準 適 用 指 針 第 16 号 リース 取 引 に 関 する 会 計 基 準 の 適 用 指 針 ( 以 下 リース 適 用 指 針 という ) 第 31 項 (1) 参 照 ) 当 該 利 息 相 当 額 の 合 理 的 な 見 積 額 を 控 除 しない 方 法 によっている 場 合 でも リース 資 産 又 は 当 該 リース 資 産 を 含 む 資 産 グループに 関 する 減 損 損 失 の 認 識 の 判 定 及 び 減 損 損 失 の 測 定 にあたっては その 時 点 における 利 息 相 当 額 の 合 理 的 な 見 積 額 をリース 資 産 から 控 除 して 行 うことができる 上 記 の 取 扱 いにより リース 資 産 に 関 する 減 損 損 失 を 計 上 する 上 でリース 資 産 から 利 息 相 当 額 の 合 理 的 な 見 積 額 を 控 除 する 場 合 同 額 をリース 債 務 から 控 除 する 当 該 リース 債 務 から 控 除 された 利 息 相 当 額 については 原 則 として 残 存 リース 期 間 にわたり 利 息 法 に より 配 分 するが 定 額 法 により 配 分 することができる 借 手 側 が 所 有 権 移 転 外 ファイナンス リース 取 引 について 通 常 の 賃 貸 借 取 引 に 係 る 方 法 に 準 じ て 会 計 処 理 を 行 っている 場 合 の 取 扱 い 60. 借 手 側 が 所 有 権 移 転 外 ファイナンス リース 取 引 について 通 常 の 賃 貸 借 取 引 に 係 る 方 法 に 準 じて 会 計 処 理 を 行 っている 場 合 リース 資 産 又 は 当 該 リース 資 産 を 含 む 資 産 グル ープの 減 損 処 理 を 検 討 するにあたっては 当 該 リース 資 産 の 未 経 過 リース 料 の 現 在 価 値 を 当 該 リース 資 産 の 帳 簿 価 額 とみなして 減 損 会 計 基 準 を 適 用 する( 減 損 会 計 基 準 注 解 ( 注 12)1. 及 び 第 143 項 参 照 ) その 結 果 リース 資 産 に 配 分 された 減 損 損 失 は 重 要 性 がある 場 合 には 負 債 の 部 におい て リース 資 産 減 損 勘 定 等 適 切 な 科 目 をもって 計 上 する 当 該 負 債 は リース 契 約 の 残 存 期 間 にわたり 定 額 法 によって 取 り 崩 され 当 該 取 崩 額 は 各 事 業 年 度 の 支 払 リース 料 と 相 殺 する( 減 損 会 計 基 準 注 解 ( 注 12)2. 及 び 第 143 項 参 照 ) 61. リース 資 産 及 びリース 資 産 を 含 む 資 産 グループに 関 する 減 損 の 兆 候 の 把 握 減 損 損 失 を 認 識 するかどうかの 判 定 及 び 減 損 損 失 の 測 定 は 通 常 の 資 産 に 準 じて 行 う 当 該 資 産 グルー プについて 認 識 された 減 損 損 失 は 通 常 の 場 合 と 同 様 に 合 理 的 な 方 法 により 資 産 グルー プの 各 構 成 資 産 (オペレーティング リース 取 引 により 使 用 している 資 産 を 除 く )に 配 分 する( 第 26 項 参 照 [ 設 例 9]) なお 当 該 リース 資 産 の 帳 簿 価 額 とみなされる 金 額 ( 第 144 項 参 照 )と 比 較 される 将 来 キャッシュ アウト フローには 将 来 の 支 払 リース 料 が 含 まれないことに 留 意 する ま た 減 損 会 計 基 準 の 対 象 とはされないオペレーティング リース 取 引 を 含 む 資 産 グループ の 将 来 キャッシュ アウト フローには 当 該 取 引 に 係 る 将 来 の 支 払 リース 料 が 含 まれる 62. 未 経 過 リース 料 の 現 在 価 値 に 代 えて 割 引 前 の 未 経 過 リース 料 を リース 資 産 の 帳 簿 価 額 とみなすことができるというリース 資 産 の 重 要 性 が 低 い 場 合 ( 減 損 会 計 基 準 注 解 ( 注 12)1.ただし 書 き 参 照 )とは リース 資 産 総 額 に 重 要 性 が 乏 しいと 認 められる 場 合 (リー ス 適 用 指 針 付 録 ( 注 2) 参 照 ))を 指 す ただし この 場 合 でも 減 損 損 失 を 測 定 する 際 - 24 -

の 回 収 可 能 価 額 の 算 定 においては 現 在 価 値 に 割 り 引 くことに 留 意 する また 個 々のリース 資 産 ( 当 該 リース 資 産 に 係 るリース 取 引 開 始 日 が 企 業 会 計 基 準 第 13 号 リース 取 引 に 関 する 会 計 基 準 ( 以 下 リース 会 計 基 準 という ) 適 用 初 年 度 開 始 後 か 否 かは 問 わない)に 重 要 性 が 乏 しいと 認 められる 場 合 (リース 適 用 指 針 第 35 項 参 照 ) 当 該 リース 資 産 は 減 損 会 計 基 準 の 対 象 とはしないことができる 中 間 会 計 期 間 において 減 損 処 理 を 行 った 資 産 に 係 る 取 扱 い 63. 中 間 会 計 期 間 において 減 損 処 理 を 行 った 場 合 には 年 度 決 算 までに 資 産 又 は 資 産 グルー プに 新 たな 減 損 の 兆 候 があり 追 加 的 に 減 損 損 失 を 認 識 すべきであると 判 定 される 場 合 を 除 き 年 度 決 算 において 中 間 会 計 期 間 を 含 む 事 業 年 度 全 体 を 対 象 として 改 めて 会 計 処 理 を 行 わない( 第 145 項 参 照 ) 再 評 価 を 行 った 土 地 について 減 損 処 理 を 行 った 場 合 の 土 地 再 評 価 差 額 金 の 取 扱 い 64. 土 地 の 再 評 価 に 関 する 法 律 により 再 評 価 を 行 った 土 地 については 再 評 価 後 の 帳 簿 価 額 に 基 づいて 減 損 会 計 を 適 用 する( 減 損 会 計 意 見 書 五 3. 参 照 ) この 場 合 減 損 処 理 を 行 った 部 分 に 係 る 土 地 再 評 価 差 額 金 は 取 り 崩 すこととなる( 土 地 の 再 評 価 に 関 する 法 律 第 8 条 第 2 項 参 照 )と 解 されるが 法 律 の 定 めのもとで 計 上 された 土 地 再 評 価 差 額 金 は 売 却 した 場 合 と 同 様 に 剰 余 金 修 正 を 通 して 繰 越 利 益 剰 余 金 に 繰 り 入 れる( 第 146 項 参 照 [ 設 例 10]) 実 施 時 期 等 65. 本 適 用 指 針 の 適 用 は 次 のとおりとする (1) 平 成 15 年 10 月 公 表 の 本 適 用 指 針 ( 以 下 平 成 15 年 適 用 指 針 という )は 減 損 会 計 基 準 の 実 施 ( 減 損 会 計 意 見 書 五 1. 参 照 )にあわせて 適 用 されることとなる なお 減 損 会 計 基 準 を 早 期 に 適 用 した 場 合 でも 正 当 な 理 由 による 会 計 方 針 の 変 更 に 該 当 することに 留 意 する (2) 平 成 20 年 1 月 改 正 の 本 適 用 指 針 ( 以 下 平 成 20 年 改 正 適 用 指 針 という )の 適 用 時 期 は リース 会 計 基 準 と 同 様 とする (3) 平 成 21 年 改 正 の 本 適 用 指 針 ( 以 下 平 成 21 年 改 正 適 用 指 針 という )の 適 用 時 期 は 平 成 20 年 に 改 正 された 企 業 会 計 基 準 第 21 号 企 業 結 合 に 関 する 会 計 基 準 と 同 様 とする 66. ( 削 除 ) - 25 -

議 決 67. 平 成 15 年 適 用 指 針 は 第 43 回 企 業 会 計 基 準 委 員 会 に 出 席 した 委 員 12 名 全 員 の 賛 成 に より 承 認 された 67-2. 平 成 20 年 改 正 適 用 指 針 は 第 144 回 企 業 会 計 基 準 委 員 会 に 出 席 した 委 員 12 名 全 員 の 賛 成 により 承 認 された 67-3. 平 成 21 年 改 正 適 用 指 針 は 第 173 回 企 業 会 計 基 準 委 員 会 に 出 席 した 委 員 13 名 全 員 の 賛 成 により 承 認 された - 26 -

結 論 の 背 景 対 象 資 産 68. 減 損 会 計 基 準 及 び 本 適 用 指 針 の 対 象 となる 固 定 資 産 には 有 形 固 定 資 産 無 形 固 定 資 産 及 び 投 資 その 他 の 資 産 が 含 まれる( 第 5 項 参 照 ) したがって 国 際 会 計 基 準 の 動 向 に 則 して 時 価 評 価 や 時 価 情 報 の 注 記 の 必 要 性 が 検 討 されたいわゆる 投 資 不 動 産 も 含 まれ( 減 損 会 計 意 見 書 六 1. 参 照 ) また 有 形 固 定 資 産 に 属 する 建 設 仮 勘 定 ( 第 13 項 (7) 第 27 項 及 び 第 38 項 (4) 参 照 )や のれん( 第 17 項 参 照 ) 長 期 前 払 費 用 (ただし 長 期 前 払 利 息 など 財 務 活 動 から 生 ずる 費 用 に 関 する 経 過 勘 定 項 目 は 除 く )も 含 まれる また 所 有 権 移 転 外 ファイナンス リース 取 引 のうち 借 手 側 が 当 該 ファイナンス リース 取 引 によ り 使 用 しているリース 資 産 を 通 常 の 賃 貸 借 取 引 に 係 る 方 法 に 準 じて 会 計 処 理 を 行 ってい る 場 合 (リース 適 用 指 針 第 34 項 及 び 第 79 項 参 照 ) 貸 借 対 照 表 上 固 定 資 産 に 計 上 され ていないリース 資 産 も 対 象 に 含 まれる( 減 損 会 計 基 準 注 解 ( 注 12) 及 び 第 60 項 参 照 ) 繰 延 資 産 は 貸 借 対 照 表 上 固 定 資 産 に 分 類 されていないため 本 適 用 指 針 の 対 象 とはな らないと 考 えられるが 支 出 の 効 果 が 期 待 されなくなった 場 合 には 一 時 的 に 償 却 される こととなる( 財 務 諸 表 等 規 則 ガイドライン 95 の 2 2 参 照 ) なお 貸 借 対 照 表 上 固 定 資 産 という 科 目 を 用 いていない 業 種 においても その 内 容 か ら 一 般 の 企 業 における 有 形 固 定 資 産 無 形 固 定 資 産 及 び 投 資 その 他 の 資 産 に 該 当 するも のは 本 適 用 指 針 の 対 象 となる 固 定 資 産 に 含 まれることに 留 意 する 69. 他 の 基 準 に 減 損 処 理 に 関 する 定 めがある 資 産 は 対 象 資 産 から 除 かれる( 減 損 会 計 基 準 一 参 照 )が これは 必 ずしも 減 損 処 理 という 文 言 が 用 いられてはいないが 類 似 した 会 計 処 理 が 規 定 されているという 意 味 と 解 される また 他 の 会 計 基 準 ではなくとも 具 体 的 な 指 針 等 において すでに 減 損 処 理 に 類 似 した 会 計 処 理 が 規 定 されている 場 合 は 対 象 資 産 から 除 くことが 適 当 である したがって 研 究 開 発 費 等 に 係 る 会 計 基 準 において 無 形 固 定 資 産 として 計 上 されている 市 場 販 売 目 的 のソフトウェアは 未 償 却 残 高 が 翌 期 以 降 の 見 込 販 売 収 益 の 額 を 上 回 った 場 合 当 該 超 過 額 は 一 時 の 費 用 又 は 損 失 として 処 理 する ( 会 計 制 度 委 員 会 報 告 第 12 号 研 究 開 発 費 及 びソフトウェアの 会 計 処 理 に 関 する 実 務 指 針 第 20 項 参 照 )ため 対 象 資 産 からは 除 かれることとなる( 第 6 項 (3) 参 照 ) なお 自 社 利 用 のソフトウェアについては 臨 時 償 却 に 類 似 した 処 理 が 定 められている ( 研 究 開 発 費 及 びソフトウェアの 会 計 処 理 に 関 する 実 務 指 針 第 21 項 参 照 )が 減 損 処 理 に 類 似 した 会 計 処 理 は 規 定 されていないため 対 象 資 産 となると 考 えられる また 自 社 利 用 のソフトウェアのうち ソフトウェアを 用 いて 外 部 へ 業 務 処 理 等 のサービスを 提 供 する 契 約 等 が 締 結 されている 場 合 等 市 場 販 売 目 的 のソフトウェアに 準 じて 見 込 販 売 数 量 や 見 込 販 売 収 益 に 基 づく 方 法 で 償 却 を 行 っていても 通 常 未 償 却 残 高 が 翌 期 以 降 の 見 込 販 売 収 益 の 額 を 上 回 ったときに 当 該 超 過 額 を 一 時 の 費 用 又 は 損 失 として 処 理 されてい ないため その 場 合 には 対 象 資 産 となる - 27 -

資 産 のグルーピング 70. 複 数 の 資 産 が 一 体 となって 独 立 したキャッシュ フローを 生 み 出 す 場 合 には 減 損 の 兆 候 の 把 握 減 損 損 失 の 認 識 の 判 定 及 び 減 損 損 失 の 測 定 に 際 して 合 理 的 な 範 囲 で 資 産 のグ ルーピングを 行 う 必 要 がある( 減 損 会 計 意 見 書 四 2.(6)1 参 照 ) 様 々な 事 業 を 営 む 企 業 における 資 産 のグルーピングの 方 法 を 一 義 的 に 示 すことは 困 難 であり 実 務 的 には 管 理 会 計 上 の 区 分 や 投 資 の 意 思 決 定 ( 資 産 の 処 分 や 事 業 の 廃 止 に 関 する 意 思 決 定 を 含 む )を 行 う 際 の 単 位 等 を 考 慮 してグルーピングの 方 法 を 定 めることになると 考 えられる 本 適 用 指 針 では 資 産 のグルーピングを 行 う 手 順 を 例 示 することにより 実 務 的 な 指 針 として 役 立 てることを 考 えている( 第 7 項 参 照 ) (1) 例 示 において 本 適 用 指 針 では 企 業 は 資 産 と 対 応 して 継 続 的 に 収 支 の 把 握 がな されている 単 位 を 識 別 し グルーピングの 単 位 を 決 定 する 基 礎 とするものとしている 一 般 に 管 理 会 計 上 の 区 分 は 事 業 別 製 品 別 地 域 別 などの 区 分 を 基 礎 にして 行 わ れていると 考 えられるが 継 続 的 に 収 支 の 把 握 がなされている 単 位 は 予 算 や 業 績 評 価 の 単 位 より 小 さい 場 合 もある 収 支 の 把 握 は 必 ずしも 現 金 基 準 に 基 づくものでは なく 発 生 基 準 に 基 づく 損 益 の 把 握 でもよい また 賃 貸 ビルや 小 売 用 店 舗 のように 資 産 の 利 用 とキャッシュ フローが 直 接 的 に 関 連 づけられやすい 資 産 については 当 該 資 産 ごとに 継 続 的 な 収 支 の 把 握 が 行 われ ている 場 合 が 多 いと 考 えられる なお 事 業 の 種 類 や 業 態 によっては 当 該 資 産 から 生 ずるキャッシュ イン フロ ーが 他 の 資 産 から 生 ずるキャッシュ イン フローと 相 互 補 完 的 ( 第 7 項 (2) 参 照 ) であるため 管 理 会 計 上 も 合 理 的 な 内 部 振 替 価 額 を 用 いて 収 入 の 把 握 を 行 うことが 困 難 な 場 合 がある また 当 該 資 産 に 係 るキャッシュ フローに 見 積 要 素 が 極 めて 多 い ため 管 理 会 計 上 資 産 ごと 又 は 複 数 の 資 産 をまとめた 単 位 では 継 続 的 な 収 支 の 把 握 に 意 義 を 見 出 せない 場 合 がある このような 場 合 企 業 の 継 続 的 な 収 支 は 当 該 事 業 を 行 っている 大 きさでしか 把 握 されていないことがあるが 管 理 会 計 上 の 目 的 や 効 果 から 合 理 性 を 有 するものに 限 られることに 留 意 する 必 要 がある さらに 本 適 用 指 針 では 資 産 のグルーピングの 単 位 を 決 定 する 基 礎 は 原 則 とし て 小 さくとも 物 理 的 な 1 つの 資 産 になると 考 えている これは 固 定 資 産 の 減 損 会 計 は 資 産 を 対 象 とするため 1 つの 資 産 において 継 続 的 に 収 支 の 把 握 がなされて いる 単 位 が 複 数 存 在 する 場 合 でも 1 つの 資 産 を 細 分 化 して 減 損 処 理 の 対 象 とするこ とは 適 切 ではないと 考 えられることによる ただし 物 理 的 な 1 つの 資 産 でも 仕 様 が 異 なる 等 のため 複 数 からなる 資 産 と 考 え られる 場 合 もある これには 商 業 ビルにおいて 仕 様 が 異 ならなくとも 自 社 利 用 部 分 と 外 部 賃 貸 部 分 とが 長 期 継 続 的 に 区 分 されるような 場 合 も 含 めることができるも のと 考 えられる (2) 継 続 的 に 収 支 の 把 握 がなされているグルーピングの 単 位 を 決 定 する 基 礎 が 特 定 の - 28 -

製 品 やサービスと 関 連 していると 想 定 される 場 合 でも 複 数 のグルーピングの 単 位 を 決 定 する 基 礎 が 生 み 出 す 製 品 やサービスの 性 質 市 場 などに 類 似 性 等 があり(これに は 販 売 方 法 として 契 約 に 基 づく 継 続 的 な 一 括 販 売 などを 含 む ) それらから 生 ず るキャッシュ イン フローが 相 互 に 補 完 的 な 影 響 を 及 ぼしあっている 場 合 には 当 該 単 位 を 切 り 離 したときに 他 の 単 位 から 生 ずるキャッシュ イン フローに 大 きな 影 響 を 及 ぼすことがある このような 場 合 には 当 該 単 位 を 切 り 離 すことにより 企 業 の 実 態 を 適 切 に 反 映 しない 結 果 となることが 考 えられるため これらの 複 数 の 単 位 を グルーピングすることが 適 当 である なお グルーピングの 単 位 を 決 定 する 基 礎 において 内 部 取 引 が 存 在 し 合 理 的 な 内 部 振 替 価 額 ( 例 えば 企 業 が 外 部 からの 収 入 価 額 に 基 づく 適 切 な 内 部 振 替 価 額 )によ り 管 理 会 計 上 キャッシュ イン フローを 擬 制 している 場 合 他 の 単 位 から 生 ずる キャッシュ イン フローと 相 互 補 完 的 でなければ 当 該 単 位 を 切 り 離 したときに 他 の 単 位 から 生 ずるキャッシュ イン フローに 大 きな 影 響 を 及 ぼすものとしては 取 り 扱 わず 他 の 単 位 とグルーピングを 行 わないこととなる また 稀 ではあるが 法 規 制 によって 企 業 に 製 品 やサービスの 供 給 義 務 が 課 されて おり このため 販 売 価 格 の 認 可 制 や 広 い 安 全 管 理 義 務 があり 拡 張 撤 退 が 自 由 にで きないような 場 合 には 供 給 義 務 が 課 されている 資 産 又 は 複 数 の 資 産 を 切 り 離 したと きに 他 の 単 位 から 生 ずるキャッシュ イン フローに 大 きな 影 響 を 及 ぼすものと 考 え られるため 当 該 資 産 から 生 ずるキャッシュ イン フローには 相 互 補 完 的 な 影 響 が あることに 該 当 すると 考 えられる 71. 資 産 のグルーピングは 実 務 的 には 投 資 の 意 思 決 定 を 行 う 際 の 単 位 等 を 考 慮 してグル ーピングの 方 法 を 定 めることになると 考 えられている それには 資 産 の 処 分 や 事 業 の 廃 止 に 関 する 意 思 決 定 を 含 む( 減 損 会 計 意 見 書 四 2.(6)1 参 照 ) このため 資 産 の 処 分 や 事 業 の 廃 止 に 関 する 意 思 決 定 を 行 い その 代 替 的 な 投 資 も 予 定 されていない 場 合 における 資 産 が 他 の 資 産 又 は 資 産 グループのキャッシュ フローから 概 ね 独 立 したキャッシュ フ ローを 生 み 出 す 最 小 の 単 位 に 該 当 すると 考 えられる( 第 8 項 参 照 ) なお 資 産 の 処 分 や 事 業 の 廃 止 に 関 する 意 思 決 定 は 取 締 役 会 等 において 行 われるほか 社 内 規 定 等 に 基 づき 他 に 決 定 権 限 が 委 譲 されている 場 合 には 当 該 決 定 権 限 に 従 った 権 限 者 の 承 認 により 行 われる また 実 務 上 の 負 担 を 考 慮 し 重 要 性 の 乏 しい 資 産 は 他 の 資 産 又 は 資 産 グループのキ ャッシュ フローから 概 ね 独 立 したキャッシュ フローを 生 み 出 す 最 小 の 単 位 として 取 り 扱 う 必 要 はなく これまでの 使 用 状 況 等 に 鑑 みて 資 産 グループに 含 めて 取 り 扱 うことが できると 考 えられる 72. 遊 休 状 態 は 企 業 活 動 にほとんど 使 用 されていない 状 態 であって 過 去 の 利 用 実 態 や 将 来 の 用 途 の 定 めには 関 係 がない 現 在 の 状 態 である また このような 状 態 にある 資 産 が 遊 休 資 産 である このうち 将 来 の 使 用 が 見 込 まれていない 遊 休 資 産 は 当 該 資 産 を 切 り 離 - 29 -