個人の税金 Q&A

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内 において 管 理 されている 上 場 株 式 等 のうち 非 課 税 管 理 勘 定 に 係 るもの( 新 規 投 資 額 で 毎 年 80 万 円 を 上 限 とします )に 係 る 配 当 等 で 未 成 年 者 口 座 に 非 課 税 管 理 勘 定 を 設 けた 日 から 同 日 の 属

税金読本(8-5)特定口座と確定申告

(1) 率 等 一 覧 ( 平 成 26 年 度 ) 目 課 客 体 及 び 納 義 務 者 課 標 準 及 び 率 法 内 に 住 所 を 有 する ( 均 等 割 所 得 割 ) 内 に 事 務 所 事 業 所 又 は 家 屋 敷 を 有 する で 内 に 住 所 を 有 し ないもの( 均 等

第一部【証券情報】

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Microsoft Word - 【第17期】有価証券報告書(課税上の取り扱い)

(Microsoft Word - \220\305\220\247\211\374\220\263.doc)

c. 投 資 口 の 譲 渡 に 係 る 税 務 個 人 投 資 主 が 投 資 口 を 譲 渡 した 際 の 譲 渡 益 は 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 として 原 則 20%( 所 得 税 15% 住 民 税 5%)の 税 率 による 申 告 分 離 課 税 の 対 象 となりま

所令要綱

損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

N 一 般 の 住 宅 について 控 除 の 対 象 となる 借 入 金 は 平 成 26 年 4 月 平 成 31 年 6 月 30 日 までの 入 居 の 場 合 は4,000 万 円 ( 平 成 26 年 3 月 までの 入 居 の 場 合 は2,000 万 円 )までとなります 建 物 や

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

平成16年度

就 業 規 則 ( 福 利 厚 生 ) 第 章 福 利 厚 生 ( 死 亡 弔 慰 金 等 ) 第 条 法 人 が 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 民 間 社 会 福 祉 施 設 等 職 員 共 済 規 程 に 基 づき 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 との 間 において 締 結 す

種 類 控 除 額 小 規 模 企 業 共 済 等 掛 金 控 除 生 命 保 険 料 控 除 地 震 保 険 料 控 除 支 払 った 小 規 模 共 済 心 身 障 害 者 扶 養 共 済 の 掛 金 の 金 額 生 命 保 険 料 控 除 額 = 一 般 生 命 保 険 料 控 除 額 + 個

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 25 年 4 月 1 日 至 平 成 26 年 3 月 31 日 ) ( 単 位 : 百 万 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 75,917 取 引 参 加 料 金 39,032 上 場 関 係 収 入 11,772 情 報 関 係 収 入 13,352 そ

情 報 通 信 機 器 等 に 係 る 繰 越 税 額 控 除 限 度 超 過 額 の 計 算 上 控 除 される 金 額 に 関 する 明 細 書 ( 付 表 ) 政 党 等 寄 附 金 特 別 控 除 額 の 計 算 明 細 書 国 庫 補 助 金 等 の 総 収 入 金 額 不 算 入 に 関

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住宅税制について

Microsoft Word - ☆f.doc

Ⅲ 相 続 財 産 の 分 割 に 関 する 確 認 事 項 1 遺 言 がありますか? 有 遺 言 公 正 証 書 又 は 家 公 証 人 役 場 等 要 月 日 無 庭 裁 判 所 の 検 認 を 受 否 ( 通 ) けた 遺 言 書 2 死 因 贈 与 があります 有 贈 与 契 約 書 要

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科 売 上 原 価 売 上 総 利 益 損 益 計 算 書 ( 自 平 成 26 年 4 月 1 日 至 平 成 27 年 3 月 31 日 ) 目 売 上 高 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 営 業 利 益 営 業 外 収 益 受 取 保 険 金 受 取 支 援 金 補 助 金 収 入 保

(ⅴ) 平 成 28 年 4 月 1 日 から 平 成 35 年 12 月 31 日 までの 期 間 未 成 年 者 に 係 る 少 額 上 場 株 式 等 の 非 課 税 口 座 制 度 に 基 づき 証 券 会 社 等 の 金 融 商 品 取 引 業 者 等 に 開 設 した 未 成 年 者 口

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第316回取締役会議案

給 与 所 得 控 除 所 得 税 の 簡 易 給 与 所 得 表 により 給 与 所 得 の 金 額 を 求 めますが 控 除 額 の 計 算 については 次 のとおりです 給 与 等 の 収 入 金 額 給 与 所 得 控 除 額 180 万 円 以 下 の 場 合 180 万 円 を 超 え

賦課の根拠となった法律及び条例(その2)

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[Q1] 復 興 特 別 所 得 税 の 源 泉 徴 収 はいつから 行 う 必 要 があるのですか 平 成 25 年 1 月 1 日 から 平 成 49 年 12 月 31 日 までの 間 に 生 ずる 所 得 について 源 泉 所 得 税 を 徴 収 する 際 復 興 特 別 所 得 税 を 併

個 人 所 得 課 税 ~ 住 宅 ローン 控 除 等 の 適 用 期 限 の 延 長 2 4. 既 存 住 宅 に 係 る 特 定 の 改 修 工 事 をした 場 合 の 所 得 税 額 の 特 別 控 除 居 住 年 省 エネ 改 修 工 事 控 除 限 度 額 バリアフリー 改 修 工 事 平

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平 成 34 年 4 月 1 日 から 平 成 37 年 3 月 31 日 まで 64 歳 第 2 章 労 働 契 約 ( 再 雇 用 希 望 の 申 出 ) 第 3 条 再 雇 用 職 員 として 継 続 して 雇 用 されることを 希 望 する 者 は 定 年 退 職 日 の3か 月 前 まで

平成21年10月30日

[ 組 合 員 期 間 等 の 特 例 ] 組 合 員 期 間 等 については 年 齢 職 種 などにより 過 去 の 制 度 からの 経 過 措 置 が 設 けられ ており 被 用 者 年 制 度 の 加 入 期 間 ( 各 共 済 組 合 の 組 合 員 期 間 など)については 生 年 月 日

Microsoft Word )40期決算公開用.doc

教育資金管理約款

給 与 所 得 控 除 控 除 額 の 計 算 については 次 のとおりです 給 与 等 の 収 入 金 額 給 与 所 得 控 除 額 180 万 円 以 下 の 場 合 180 万 円 を 超 え 360 万 円 以 下 の 場 合 360 万 円 を 超 え 660 万 円 以 下 の 場 合

10 期 末 現 在 の 資 本 金 等 の 額 次 に 掲 げる 法 人 の 区 分 ごとに それぞれに 定 める 金 額 を 記 載 します 連 結 申 告 法 人 以 外 の 法 人 ( に 掲 げる 法 人 を 除 きます ) 法 第 292 条 第 1 項 第 4 号 の5イに 定 める

弁護士報酬規定(抜粋)

 

1 ガス 供 給 業 を 行 う 法 人 の 事 業 税 の 課 税 について ガス 供 給 業 を 行 う 法 人 は 収 入 金 額 を 課 税 標 準 として 収 入 割 の 申 告 となります ( 法 72 条 の2 72 条 の 12 第 2 号 ) ガス 供 給 業 とその 他 の 事

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私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

( 補 助 金 等 交 付 決 定 通 知 に 加 える 条 件 ) 第 7 条 市 長 は 交 付 規 則 第 11 条 に 規 定 するところにより 補 助 金 の 交 付 決 定 に 際 し 次 に 掲 げる 条 件 を 付 するものとする (1) 事 業 完 了 後 に 消 費 税 及 び

空 き 家 を 売 却 した 場 合 の,000 万 円 控 除 特 例 の 創 設 被 相 続 人 が 住 んでいた 家 屋 及 びその 敷 地 を 相 続 があった 日 から 年 を 経 過 する 年 の 月 日 までに 耐 震 工 事 をしてから あるいは 家 を 除 却 し てから 売 却

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第5回法人課税ディスカッショングループ 法D5-4

用 語 の 意 義 このFAQにおいて 使 用 している 用 語 の 意 義 は 次 のとおりです 用 語 意 義 所 得 税 法 ( 所 法 ) 所 得 税 法 ( 昭 和 40 年 法 律 第 33 号 )をいいます 所 得 税 法 施 行 令 ( 所 令 ) 所 得 税 法 施 行 令 ( 昭

(2) 保 育 料 等 減 免 措 置 に 関 する 調 書 (3) 地 方 税 法 ( 昭 和 25 年 法 律 第 226 号 ) 第 5 条 第 2 項 第 1 号 に 規 定 する 市 町 村 民 税 の 課 税 の 状 況 を 証 明 する 書 類 又 は 生 活 保 護 法 ( 昭 和

国税

 

平成28年度 特別区民税・都民税(住民税)の算出方法


国税連携ファイル記録項目一覧

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定款  変更

1_2013BS(0414)

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不 動 産 所 得 の 赤 字 < 土 地 等 の 取 得 の 負 債 利 子 なら 300 万 500 万 不 動 産 所 得 の 赤 字 300 万 のうち 利 子 分 の500 万 は 通 算 できない = 赤 字 分 の300 万 は 全 額 通 算 できないことになる = 損 益 通 算

の 基 礎 の 欄 にも 記 載 します ア 法 人 税 の 中 間 申 告 書 に 係 る 申 告 の 場 合 は 中 間 イ 法 人 税 の 確 定 申 告 書 ( 退 職 年 金 等 積 立 金 に 係 るものを 除 きます ) 又 は 連 結 確 定 申 告 書 に 係 る 申 告 の 場

(12) 配当所得の収入金額の収入すべき時期

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役員退職手当規程

第 2 問 問 4 問 5 1ロ 2チ 3ヲ 4ホ ⅰ)Aさんは 今 年 の 誕 生 日 で 40 歳 となるので 公 的 介 護 保 険 の(1 第 2 号 ) 被 保 険 者 資 格 を 取 得 し 介 護 保 険 料 を 負 担 することになる 40 歳 以 上 65 歳 未 満 の 医 療


(2) 懲 戒 については 戒 告 は 3 ヵ 月 減 給 は 6 ヵ 月 停 職 は 9 ヵ 月 4 病 気 休 暇 休 職 欠 勤 により 勤 務 しなかった 職 員 が 再 び 勤 務 するに 至 った 場 合 において 他 の 職 員 との 均 衡 上 必 要 があると 認 められるときは

連結計算書

 

所 得 税 と 住 民 税 の 税 率 表 所 得 税 と 住 民 税 の 税 率 は 以 下 の 通 りです 退 職 所 得 の 場 合 も この 税 率 表 を 使 います 1. 平 成 19 年 1 月 1 日 以 降 ( 所 法 891) 課 税 所 得 所 得 税 率 控 除 額 ~195

定款


Q7 従 業 員 に 対 する 現 物 給 付 は 報 酬 給 与 額 に 含 まれます A7 法 人 が 役 員 又 は 使 用 人 のために 給 付 する 金 銭 以 外 の 物 又 は 権 利 その 他 経 済 的 利 益 (いわ ゆる 現 物 給 与 )については 所 得 税 において 給

8 認 定 区 分 変 更 日 等 上 記 による 認 定 区 分 変 更 日 取 消 日 認 定 日 及 び 再 認 定 日 は 確 定 申 告 を 行 った 日 とする なお 特 定 口 座 年 間 取 引 報 告 により 確 認 する 場 合 は 当 該 報 告 を 受 領 た

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養 老 保 険 の 減 額 払 済 保 険 への 変 更 1. 設 例 会 社 が 役 員 を 被 保 険 者 とし 死 亡 保 険 金 及 び 満 期 保 険 金 のいずれも 会 社 を 受 取 人 とする 養 老 保 険 に 加 入 してい る 場 合 を 解 説 します 資 金 繰 りの 都

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図 表 1 住 開 始 分 ま で の 5 年 間 延 長 さ れ ま し た 住 宅 ロ ー ン 控 除 の た め の フ ロ ー チ ャ ー ト 住 宅 ローンで 住 宅 及 びその 敷 地 を 取 得 し 取 得 の 日 から6か 月 以 内 に 居 住 して いますか? 所 得 金 額 が

40 総 論 41 法 人 課 税 01 租 税 法 概 論 ( 4001 ) 02 税 制 の 動 向 ( 4002 ) 91 事 例 研 究 ( 4091 ) 99 その 他 ( 4099 ) 01 法 人 税 ( 4101 ) 3. 税 務 官 庁 の 組 織 4. 不 服 申 立 て 税 務

[2] 控 除 限 度 額 繰 越 欠 損 金 を 有 する 法 人 において 欠 損 金 発 生 事 業 年 度 の 翌 事 業 年 度 以 後 の 欠 損 金 の 繰 越 控 除 にあ たっては 平 成 27 年 度 税 制 改 正 により 次 ページ 以 降 で 解 説 する の 特 例 (

無年金外国人高齢者福祉手当要綱

公 共 債 の 税 金 について Q 公 共 債 の 利 子 に 対 する 税 金 はどのようになっていますか? 平 成 28 年 1 月 1 日 以 後 に 個 人 のお 客 様 が 支 払 いを 受 ける 国 債 や 地 方 債 などの 特 定 公 社 債 ( 注 1) の 利 子 については

4 5 6 県 内 に 所 在 する 営 業 所 等 のうち 主 たるものから 本 県 分 を 一 括 納 入 県 内 に 所 在 する 各 営 業 所 等 から 当 該 営 業 所 等 分 を 納 入 この 場 合 において 特 別 徴 収 義 務 者 の 事 務 処 理 システム 上 必 要 あ

土 購 入 土 借 用 土 所 有 権 移 転 登 記 確 約 書 農 転 用 許 可 書 ( 写 ) 農 転 用 届 出 受 理 書 ( 写 ) 土 不 動 産 価 格 評 価 書 土 見 積 書 ( 写 ) 又 は 売 買 確 約 書 ( 写 ) 土 売 主 印 鑑 登 録 証 明 書 売 主

も く じ 1 税 源 移 譲 1 2 何 が 変 わったのか 改 正 の 3 つ の ポイント ポイント1 国 から 地 方 へ 3 兆 円 規 模 の 税 源 が 移 譲 される 2 ポイント2 個 人 住 民 税 の 税 率 構 造 が 一 律 10%に 変 わる 3 ポイント3 個 々の 納

第 7 条 職 員 の 給 与 に 関 する 規 程 ( 以 下 給 与 規 程 という ) 第 21 条 第 1 項 に 規 定 す るそれぞれの 基 準 日 に 育 児 休 業 している 職 員 のうち 基 準 日 以 前 6 月 以 内 の 期 間 にお いて 在 職 した 期 間 がある 職


平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

4 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 若 しくはその 委 任 を 受 けた 者 又 は 監 査 委 員 の 監 査 に 応 じなければ ならない ( 状 況 報 告 ) 第 7 条 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 が 必 要 と 認 めるときは 交 付 金 事 業 の 遂 行 の

目 次 1 報 酬 給 与 額 事 例 1 報 酬 給 与 額 に 含 める 賞 与 の 金 額 が 誤 っていた 事 例 1 事 例 2 役 員 退 職 金 ( 役 員 退 職 慰 労 金 )を 報 酬 給 与 額 として 申 告 して いなかった 事 例 1 事 例 3 持 株 奨 励 金 を

目 次 第 1 部 個 人 所 得 税 の 概 要 居 住 者 非 居 住 者 の 定 義 4 個 人 所 得 税 の 納 付 のしかた( 給 不 所 得 者 ) 5 居 住 者 の 個 人 所 得 税 額 の 計 算 のしくみ( 給 不 所 得 者 ) 6 非 居 住 者 の 個 人 所 得 税

住民税

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む )の 規 定 は 同 令 第 二 百 六 十 三 条 第 一 項 に 規 定 する 申 告 書 と 併 せて 提 出 する 復 興 特 別 所 得 税 申 告 書 について 準 用 する 2 法 第 十 七 条 第 一 項 第 三 号 に 規 定 する 政 令 で 定 める 金 額 は 所 得

Transcription:

1 所 得 税 の 最 高 税 率 の 引 き 上 げ 2 給 与 所 得 控 除 に 設 けられた 上 限 3 NISA の 特 例 を 有 効 活 用 する 4 不 動 産 業 に 対 する 消 費 税 の 課 税 5 住 宅 ローン 控 除 の 改 正 6 直 系 尊 属 からの 贈 与 の 税 率 改 正 7 相 続 時 精 算 課 税 制 度 の 改 正 8 相 続 税 の 基 礎 控 除 の 引 き 下 げ 9 相 続 により 取 得 した 土 地 の 譲 渡 10 居 住 者 と 非 居 住 者 11 個 人 事 業 者 の 従 業 員 の 新 規 採 用 と 税 額 控 除 12 個 人 事 業 者 が 給 料 を 増 やした 場 合 の 税 額 控 除 13 給 与 所 得 者 の 特 定 支 出 控 除 の 特 例 14 小 規 模 企 業 共 済 と 確 定 拠 出 年 金 15 旅 費 規 程 の 整 備 と 日 当 の 支 給 16 退 職 所 得 に 対 する 課 税 強 化 17 生 命 保 険 料 控 除 に 関 する 改 正 18-1 -

所 得 税 の 最 高 税 率 の 引 き 上 げ Q 平 成 27 年 から 所 得 税 の 最 高 税 率 が 引 き 上 げられ 増 税 になると 聞 きました 詳 しい 内 容 を 教 えてください A 平 成 27 年 分 以 後 の 所 得 税 に 新 たに 課 税 所 得 金 額 4,000 万 円 超 の 区 分 が 設 けられ その 税 率 が45.945%( 改 正 前 :1,800 万 円 超 の 課 税 所 得 金 額 に 対 して40.84%)とされます 所 得 税 は 超 過 累 進 税 率 により 課 税 されます 超 過 累 進 税 率 とは 課 税 所 得 金 額 が 大 きくなるに 従 い 税 率 が 高 くなるしくみです 高 額 所 得 者 には 多 くの 所 得 税 額 を 納 税 してもらおうという 垂 直 的 に 公 平 な 制 度 を 前 提 としています また 平 成 25 年 1 月 1 日 から 平 成 49 年 12 月 31までの 間 に 生 ずる 所 得 については 所 得 税 のほかに 復 興 特 別 所 得 税 ( 所 得 税 額 の2.1% 相 当 額 )が 課 税 されています そのため 利 息 や 配 当 金 を 受 け 取 るときにも 所 得 税 と 併 せて 復 興 特 別 所 得 税 が 源 泉 徴 収 されています 預 貯 金 および 公 社 債 の 利 子 等 は 収 入 金 額 に 対 して 所 得 税 15.315%( 復 興 特 別 所 得 税 0.315%を 含 む)と 住 民 税 の 利 子 割 5%が 源 泉 徴 収 されます 上 場 株 式 等 に 係 る 利 益 の 配 当 等 は 所 得 税 15.315%( 復 興 特 別 所 得 税 0.315%を 含 む)と 住 民 税 の 利 子 割 5%が 源 泉 徴 収 され 非 上 場 株 式 に 係 る 利 益 の 配 当 等 は 所 得 税 20.42%( 復 興 特 別 所 得 税 0.42%を 含 む)が 源 泉 徴 収 されます 所 得 税 の 速 算 表 ( 平 成 27 年 分 以 降 / 復 興 特 別 所 得 税 を 含 む) 所 得 税 率 所 得 税 および 復 興 特 別 所 得 税 の 合 計 課 税 所 得 金 額 ( A) ( B) 控 除 額 ( C) (( A) ( B)-( C)) 102.1% 195 万 円 以 下 5% - (( A) 5%) 102.1% 195 万 円 超 330 万 円 以 下 10% 97,500 円 (( A) 10%- 97,500 円 ) 102.1% 330 万 円 超 695 万 円 以 下 20% 427,500 円 (( A) 20%-427,500 円 ) 102.1% 695 万 円 超 900 万 円 以 下 23% 636,000 円 (( A) 23%-636,000 円 ) 102.1% 900 万 円 超 1,800 万 円 以 下 33% 1,536,000 円 (( A) 33%-1,536,000 円 ) 102.1% 1,800 万 円 超 4,000 万 円 以 下 40% 2,796,000 円 (( A) 40%-2,796,000 円 ) 102.1% 4,000 万 円 超 45% 4,796,000 円 (( A) 45%-4,796,000 円 ) 102.1% ( 注 ) 平 成 25 年 ~ 平 成 49 年 分 の 所 得 には 復 興 特 別 所 得 税 ( 所 得 税 2.1%)が 課 税 される - 2 -

給 与 所 得 控 除 に 設 けられた 上 限 Q サラリーマンに 対 するみなし 必 要 経 費 が 縮 減 し 増 税 されたと 聞 きましたが? A 所 得 税 の 最 高 税 率 の 引 き 上 げに 加 えて 今 後 は 高 額 所 得 者 に 対 する 給 与 所 得 控 除 の 上 限 額 も 縮 小 されていきます 給 与 所 得 控 除 とは 給 与 所 得 者 に 対 して 認 められてい る みなし 必 要 経 費 の 特 例 をいいます ここで 所 得 税 のおさらいしておきましょう 所 得 税 の 課 税 所 得 金 額 は 総 収 入 金 額 から 必 要 経 費 を 差 し 引 いて 求 めます 総 収 入 金 額 には 年 末 までに 実 際 に 代 金 を 受 け 取 った 金 額 だけではなく その 年 中 に 収 入 すべきことが 確 定 した 金 額 を 含 めます 必 要 経 費 とは 収 入 を 得 るために 直 接 要 した 原 価 費 用 および 損 失 の 額 のうち その 年 において 債 務 が 確 定 しているものをいいます 債 務 が 確 定 している 必 要 経 費 とは 減 価 償 却 費 を 除 き 年 末 までに 1 債 務 が 成 立 している 2 具 体 的 な 給 付 原 因 事 実 が 発 生 している 3 金 額 が 合 理 的 に 算 定 できるものをいいます 所 得 税 での 必 要 経 費 とは 名 前 のとおり 収 入 を 得 るために 直 接 要 したビジネスでの 経 費 を 意 味 します ただ 一 定 の 所 得 には 実 際 に 支 出 したかどうかは 関 係 なく 所 得 税 法 が 定 める 必 要 経 費 とみなされる 金 額 を 差 し 引 いて 所 得 金 額 を 計 算 することが 認 められています 具 体 的 には 給 与 には 給 与 所 得 控 除 年 金 には 公 的 年 金 控 除 退 職 金 には 退 職 所 得 控 除 という みなし 必 要 経 費 が 適 用 されます このうち 給 与 所 得 控 除 は 給 与 所 得 者 に 対 する 必 要 経 費 として 給 与 収 入 に 応 じた 一 定 の 算 式 により 計 算 されます たとえば 年 収 500 万 円 ならば154 万 円 年 収 1,200 万 円 ならば230 万 円 といった 具 合 に 基 本 的 に 給 与 収 入 が 増 えるに 従 って 給 与 所 得 控 除 額 も 増 えるしくみです 平 成 25 年 1 月 1 日 以 後 に 支 払 う 給 与 等 から 給 与 収 入 が1,500 万 円 を 超 える 場 合 の 給 与 所 得 控 除 額 は 上 限 額 である245 万 円 が 適 用 されています しかし 平 成 28 年 分 は 給 与 収 入 1,200 万 円 超 の 場 合 は230 万 円 平 成 29 年 分 以 後 は 給 与 収 入 1,000 万 円 超 の 場 合 は220 万 円 が 上 限 とされます また 給 与 所 得 控 除 には 最 低 保 障 額 65 万 円 が 設 けられており 給 与 以 外 の 所 得 がない 場 合 には 給 与 所 得 控 除 65 万 円 と 基 礎 控 除 38 万 円 の 合 計 額 である103 万 円 以 下 の 給 与 収 入 であれば 課 税 所 得 が0 円 となり 所 得 税 は 課 税 されないこととなります ( 給 与 所 得 控 除 額 の 速 算 表 ) 給 与 収 入 給 与 所 得 控 除 額 162.5 万 円 以 下 65 万 円 162.5 万 円 超 180 万 円 以 下 収 入 金 額 40% 180 万 円 超 360 万 円 以 下 収 入 金 額 30% + 18 万 円 360 万 円 超 660 万 円 以 下 収 入 金 額 20% + 54 万 円 660 万 円 超 1,000 万 円 以 下 収 入 金 額 10% + 120 万 円 1,000 万 円 超 1,500 万 円 以 下 収 入 金 額 5% + 170 万 円 1,500 万 円 超 245 万 円 ( 注 ) 給 与 収 入 が1,500 万 円 を 超 える 場 合 の 給 与 所 得 控 除 額 は 上 限 245 万 円 となる - 3 -

NISA の 特 例 を 有 効 活 用 する Q NISA 口 座 を 開 設 しました 上 手 な 投 資 と 制 度 利 用 上 の 留 意 点 は? A NISA 口 座 では 安 定 的 に 配 当 支 払 いが 見 込 まれる 株 式 等 業 績 が 良 好 で 値 上 がり 期 待 のある 銘 柄 への 投 資 が 有 利 となります ( 注 ) NISA 非 課 税 口 座 内 の 少 額 上 場 株 式 等 に 係 る 配 当 所 得 および 譲 渡 所 得 等 の 非 課 税 措 置 NISA 口 座 では 最 長 5 年 間 年 間 100 万 円 までの 投 資 元 本 に 係 る 配 当 等 と 売 却 益 に 対 する20.315% 相 当 額 の 税 金 が 非 課 税 とされます 5 年 間 は 売 らなくても 良 い! という 株 式 に 投 資 します なお 配 当 等 を 非 課 税 とするためには 証 券 会 社 等 を 経 由 して 配 当 金 を 受 け 取 る 株 式 数 比 例 配 分 方 式 を 選 択 する 必 要 があります 各 年 の 投 資 上 限 額 100 万 円 のうち 使 い 切 らず 残 った 未 使 用 枠 は 翌 年 に 繰 り 越 せません そのため 投 資 資 金 に 余 裕 があるならば 各 年 の 非 課 税 投 資 額 のすべてを 使 用 するのが 得 策 です NISA 口 座 で 非 課 税 の 対 象 となるのは 上 場 株 式 上 場 新 株 予 約 権 付 社 債 公 募 株 式 投 資 信 託 の 受 益 権 上 場 投 資 信 託 の 受 益 権 ( ETF) 上 場 不 動 産 投 資 ( REIT)など です 定 期 預 金 公 社 債 や MMF などの 公 社 債 投 資 信 託 の 受 益 権 は 対 象 外 です また NISA 口 座 を 開 設 している 証 券 会 社 等 を 通 じて 新 たに 取 得 した 株 式 等 に 限 られ ます 特 定 口 座 等 で 保 有 している 株 式 等 を NISA 口 座 に 移 管 することで 非 課 税 の 適 用 は 受 けられません NISA 口 座 で 取 得 した 株 式 等 を5 年 以 内 に 売 却 した 場 合 の 売 却 益 は 非 課 税 となります 一 方 で NISA 口 座 での 売 却 損 はなかったものとされます 従 って NISA 口 座 での 売 却 損 を 特 定 口 座 等 で 保 有 する 株 式 等 の 配 当 金 や 売 却 益 と 損 益 通 算 したり 繰 越 控 除 をす ることはできません また 売 却 した 株 式 等 の 取 得 時 に 使 用 した 投 資 枠 は 別 の 株 式 等 の 買 い 付 け 枠 として の 再 利 用 はできません なお NISA 口 座 内 で 株 式 等 を 保 有 したまま 5 年 間 の 非 課 税 期 間 が 終 了 した 場 合 は 次 のいずれかを 選 択 することになります 1 同 一 の NISA 口 座 内 の 新 たな 非 課 税 管 理 勘 定 に 移 管 して 保 有 し 続 ける 2 特 定 口 座 等 に 移 管 する 上 記 のうち 2により 特 定 口 座 等 に 移 管 した 後 の 株 式 等 の 配 当 等 や 売 却 益 は 課 税 対 象 と なります NISA 口 座 が 開 設 できる 期 間 は 平 成 26 年 1 月 1 日 から 平 成 35 年 12 月 31 日 までの10 年 間 となっています - 4 -

不 動 産 業 に 対 する 消 費 税 の 課 税 Q 不 動 産 仲 介 業 を 営 む 個 人 事 業 者 です 消 費 税 額 の 計 算 方 法 が 改 正 され 納 税 額 が 増 えると 聞 きましたが? A 消 費 税 の 簡 易 課 税 制 度 における みなし 仕 入 率 が 見 直 されました 具 体 的 には 現 行 の 第 四 種 事 業 のうち 金 融 業 および 保 険 業 を 第 五 種 事 業 とし その みなし 仕 入 率 は50%( 現 行 :60%)とされます 第 五 種 事 業 のうち 不 動 産 業 を 第 六 種 事 業 ( 新 設 )とし その みなし 仕 入 率 は40%( 現 行 :50%)とされます 不 動 産 業 は みなし 仕 入 率 が 下 がるため 簡 易 課 税 制 度 での 納 付 すべき 消 費 税 額 が 増 えることとなります 平 成 27 年 4 月 1 日 以 後 に 開 始 する 課 税 期 間 から 適 用 されます 個 人 事 業 者 の 場 合 平 成 28 年 から 改 正 後 の みなし 仕 入 率 により 消 費 税 額 を 計 算 します 消 費 税 の 簡 易 課 税 では 事 業 ごとに 定 められた みなし 仕 入 率 を 適 用 して 簡 易 に 課 税 仕 入 に 係 る 消 費 税 額 を 計 算 します 納 付 すべき 消 費 税 は 課 税 売 上 8% (1 -みなし 仕 入 率 ) の 算 式 によりを 計 算 します 一 方 消 費 税 の 原 則 課 税 では 課 税 売 上 に 係 る 消 費 税 額 から 課 税 仕 入 に 係 る 消 費 税 額 を 差 し 引 くことにより 納 付 すべき 消 費 税 額 または 還 付 される 消 費 税 額 を 計 算 します 実 際 の 課 税 仕 入 の 率 よりも みなし 仕 入 率 のほうが 高 い 場 合 は 簡 易 課 税 による 税 額 計 算 が 有 利 となります しかし 簡 易 課 税 は 納 税 のみで 設 備 投 資 などの 課 税 仕 入 で 負 担 した 消 費 税 額 は 還 付 されません 簡 易 課 税 制 度 を 選 択 できるのは 前 々 年 ( 基 準 年 度 )の 課 税 売 上 高 が5,000 万 円 以 下 の 事 業 者 に 限 られます 簡 易 課 税 制 度 を 選 択 する 場 合 は 適 用 を 受 けようとする 課 税 期 間 の 前 年 末 までに 税 務 署 へ 簡 易 課 税 制 度 選 択 届 出 書 を 提 出 する 必 要 があります また 一 度 選 択 したら 2 年 間 継 続 して 簡 易 課 税 制 度 を 適 用 しなければなりません そのため 2 年 間 を 通 算 して 実 際 の 課 税 仕 入 率 とみなし 仕 入 率 を 比 較 して 有 利 な 方 を 選 択 します なお 消 費 税 法 では 消 費 になじまないもの 及 び 社 会 政 策 的 配 慮 に 基 づくもの など 一 定 のものについて 消 費 税 を 課 さない 非 課 税 取 引 として 限 定 列 挙 しています たとえば 不 動 産 に 関 する 事 業 のうち 土 地 等 の 譲 渡 や 貸 付 け 住 宅 の 貸 付 けは 消 費 税 法 での 非 課 税 取 引 です 消 費 税 の みなし 仕 入 率 の 見 直 し みなし 仕 入 率 事 業 の 種 類 改 正 前 改 正 後 卸 売 業 ( 第 一 種 ) 90% 90% 小 売 業 ( 第 二 種 ) 80% 80% 製 造 業 等 ( 第 三 種 ) 70% 70% 飲 食 店 業 その 他 の 事 業 60% 60% その 他 事 業 金 融 業 および 保 険 業 ( 第 四 種 ) 50%( 第 五 種 ) 運 輸 通 信 業 サービス 業 ( 飲 食 店 業 を 除 く) 50% 50% サービス 業 等 不 動 産 業 ( 第 五 種 ) 40%( 第 六 種 ) - 5 -

住 宅 ローン 控 除 の 改 正 Q 自 宅 マンションの 購 入 が 消 費 増 税 前 であるか 増 税 後 であるかで 住 宅 ローン 控 除 額 に 違 いがあると 聞 きました その 内 容 は? A 一 定 の 借 入 金 により 一 定 の 要 件 を 満 たす 国 内 の 居 住 用 の 新 築 家 屋 もしくは 中 古 住 宅 の 取 得 等 をした 場 合 には 年 末 の 住 宅 借 入 金 残 高 の 合 計 額 に 一 定 の 控 除 率 を 掛 けて 計 算 した 金 額 を 税 額 から 控 除 できます この 制 度 は 住 宅 ローン 控 除 と 総 称 されています 具 体 的 には 平 成 29 年 12 月 31 日 までの 間 に 居 住 の 用 に 供 した 場 合 その 居 住 年 以 後 10 年 間 にわたり 年 末 の 住 宅 借 入 金 額 に1%を 掛 けた 金 額 を 各 年 分 の 所 得 税 額 から 控 除 で きます 旧 消 費 税 率 5%で 課 税 された 住 宅 を 取 得 して 居 住 した 人 については 住 宅 借 入 金 の 上 限 は2,000 万 円 とされています そのため 住 宅 借 入 金 の 年 末 残 高 が4,000 万 円 であっても 各 年 の 控 除 額 は 借 入 金 の 上 限 額 2,000 万 円 の1% 相 当 額 である20 万 円 が 限 度 となります 一 方 新 消 費 税 率 8%で 課 税 された 住 宅 を 取 得 して 居 住 した 人 については 住 宅 借 入 金 の 上 限 が4,000 万 円 とされています 住 宅 借 入 金 の 年 末 残 高 が4,000 万 円 の 場 合 控 除 額 は40 万 円 (=4,000 万 円 1%)となります 所 得 税 から 控 除 しきれない 住 宅 借 入 金 等 特 別 控 除 額 がある 場 合 は 翌 年 の 住 民 税 から 97,500 円 ( 新 消 費 税 率 で 課 税 された 住 宅 の 場 合 は136,500 円 )を 上 限 として 控 除 できます 住 宅 ローン 控 除 の 対 象 となる 住 宅 は 登 記 簿 上 の 床 面 積 が50m2 以 上 であり 床 面 積 の2 分 の1 以 上 を 居 住 の 用 に 供 しているものです これらの 新 築 住 宅 等 を 取 得 した 日 より6 か 月 以 内 に 居 住 し かつ 年 末 まで 引 き 続 き 居 住 の 用 に 供 している 必 要 があります 対 象 となる 借 入 金 は 住 宅 を 取 得 するための 金 融 機 関 等 からの 借 入 金 で 償 還 期 間 が 10 年 以 上 のものに 限 られます 親 戚 等 からの 借 入 金 は 対 象 外 です 住 宅 の 取 得 対 価 が 住 宅 ローンの 年 末 残 高 よりも 少 ないときは 住 宅 の 取 得 対 価 を 基 に 控 除 額 を 計 算 します また 住 宅 の 取 得 に 際 して 直 系 尊 属 から 住 宅 取 得 資 金 の 贈 与 を 受 け 住 宅 取 得 資 金 の 贈 与 税 の 非 課 税 特 例 を 適 用 した 場 合 には その 適 用 を 受 けた 住 宅 取 得 資 金 の 受 贈 額 を 住 宅 の 取 得 対 価 から 控 除 しなければなりません 居 住 年 住 宅 ローン 控 除 による 税 額 控 除 借 入 金 の 上 限 控 除 期 間 控 除 率 控 除 限 度 額 平 成 26 年 1 月 1 日 から 該 当 する 特 定 取 得 に 4,000 万 円 10 年 間 1% 40 万 円 平 成 29 年 12 月 31 日 まで 特 定 取 得 に 2,000 万 円 10 年 間 1% 20 万 円 該 当 しない ( 注 1) 特 定 取 得 とは 新 消 費 税 率 により 課 税 された 住 宅 の 取 得 等 をいう ( 注 2) 控 除 額 の100 円 未 満 の 端 数 は 切 り 捨 てる - 6 -

Q A 直 系 尊 属 からの 贈 与 の 税 率 改 正 相 続 対 策 として 毎 年 孫 に 金 銭 を 贈 与 しています 孫 への 暦 年 贈 与 は 通 常 の 贈 与 よりも 税 率 が 優 遇 されると 聞 きました 詳 しい 内 容 は? 贈 与 税 には 暦 年 課 税 と 相 続 時 精 算 課 税 の2つの 制 度 があります 暦 年 課 税 では 受 贈 者 ごとに 年 110 万 円 の 基 礎 控 除 額 が 認 められています 贈 与 財 産 の 課 税 価 格 が 年 110 万 円 を 超 える 部 分 の 金 額 に 対 して 超 過 累 進 税 率 により 課 税 されます 改 正 により 平 成 27 年 1 月 1 日 以 後 の 贈 与 から 暦 年 課 税 制 度 の 最 高 税 率 が 引 き 上 げ られるとともに 直 系 尊 属 からの 贈 与 についての 税 率 構 造 が 緩 和 されました 今 回 の 改 正 は 直 系 尊 属 から 直 系 卑 属 への 贈 与 に 優 遇 措 置 を 設 けることで 父 母 や 祖 父 母 から 子 や 孫 への 財 産 移 転 を 促 進 し 消 費 の 拡 大 と 景 気 の 回 復 を 目 的 としています 具 体 的 には 贈 与 税 の 最 高 税 率 を 相 続 税 の 最 高 税 率 55%に 合 わせる 一 方 で 20 歳 以 上 の 直 系 卑 属 ( 子 や 孫 等 )が 受 贈 者 となる 場 合 の 贈 与 については 特 例 税 率 を 適 用 し て 税 額 を 計 算 することとなりました 特 例 税 率 の 適 用 がある 贈 与 財 産 を 特 例 贈 与 財 産 といい 特 例 税 率 の 適 用 がなく 一 般 税 率 を 適 用 する 贈 与 財 産 を 一 般 贈 与 財 産 といいます 歴 年 中 に 一 般 贈 与 財 産 または 特 例 贈 与 財 産 のいずれかのみを 取 得 した 場 合 は 一 般 贈 与 財 産 は 一 般 税 率 を 特 例 贈 与 財 産 は 特 例 税 率 を 適 用 して 贈 与 税 額 を 計 算 します 一 般 贈 与 財 産 と 特 例 贈 与 財 産 の 両 方 を 取 得 した 場 合 は 基 礎 控 除 後 の 合 計 課 税 価 格 に 対 して それぞれの 税 率 を 適 用 して 計 算 した 税 額 を それぞれの 贈 与 財 産 の 価 額 の 比 で 按 分 した 税 額 の 合 計 により 贈 与 税 額 を 計 算 します 暦 年 課 税 により 贈 与 された 財 産 は 贈 与 者 の 死 亡 時 の 相 続 税 の 計 算 においては 原 則 として 相 続 財 産 に 加 算 する 必 要 はありません ただし 相 続 開 始 前 3 年 以 内 に 贈 与 を 受 けた 財 産 の 価 額 は 贈 与 時 の 時 価 により 相 続 財 産 に 加 算 しなければなりません 贈 与 税 の 税 率 改 正 後 基 礎 控 除 後 の 課 税 価 格 一 般 税 率 特 例 税 率 改 正 前 ( 一 般 贈 ( 特 例 贈 与 与 財 産 ) 財 産 贈 与 ) 200 万 円 以 下 10% 10% 10% 200 万 円 超 300 万 円 以 下 15% 15% 300 万 円 超 400 万 円 以 下 20% 20% 15% 400 万 円 超 600 万 円 以 下 30% 30% 20% 600 万 円 超 1,000 万 円 以 下 40% 40% 30% 1,000 万 円 超 1,500 万 円 以 下 50% 45% 40% 1,500 万 円 超 3,000 万 円 以 下 50% 45% 3,000 万 円 超 4,500 万 円 以 下 50% 55% 4,500 万 円 超 55% - 7 -

相 続 時 精 算 課 税 制 度 の 改 正 Q 親 の 財 産 を 子 供 に 無 税 で 移 転 できる 特 例 である 相 続 時 精 算 課 税 について 教 えてください A 平 成 27 年 1 月 1 日 以 後 の 贈 与 より 相 続 時 精 算 課 税 の 適 用 要 件 が 緩 和 されました 相 続 時 精 算 課 税 の 特 例 を 選 択 すれば 60 歳 ( 改 正 前 :65 歳 ) 以 上 の 親 または 祖 父 母 ( 改 正 前 : 親 )から20 歳 以 上 の 子 および 孫 ( 改 正 前 : 子 ただし 子 が 既 に 亡 くなっている 場 合 は20 歳 以 上 の 孫 を 含 む)に 対 する 贈 与 について 2,500 万 円 までは 非 課 税 で 財 産 を 移 転 できます ただし 前 年 までに 特 別 控 除 額 を 使 用 した 場 合 には 2,500 万 円 からすでに 使 用 した 額 を 控 除 した 残 額 が 特 別 控 除 額 となります 贈 与 回 数 に 制 限 はないため 複 数 年 にわたり 贈 与 しても 構 いません 両 親 のうち 父 親 からの 贈 与 は 相 続 時 精 算 課 税 を 選 択 し 母 親 からの 贈 与 は 暦 年 課 税 とすることも 可 能 です 特 別 控 除 額 を 超 える 財 産 を 贈 与 した 場 合 には その 超 える 金 額 に 対 して 税 率 20%に て 贈 与 税 が 課 税 されます ただ 相 続 時 精 算 課 税 と 呼 ばれているとおり 納 付 した 贈 与 税 額 は 相 続 税 の 計 算 時 に 精 算 されます 贈 与 された 財 産 は 贈 与 時 の 価 額 で 相 続 税 の 課 税 価 格 に 含 めて 相 続 税 額 を 計 算 します そのうえで 納 付 すべき 相 続 税 額 から 納 付 済 みの 贈 与 税 額 の 全 額 が 控 除 または 還 付 されます 将 来 の 相 続 時 において 値 上 がりが 確 実 な 資 産 ならば 相 続 時 精 算 課 税 での 財 産 移 転 は 得 策 だといえます 反 対 に 贈 与 時 の 価 額 よりも 相 続 時 における 財 産 の 価 額 が 下 がってしまうと 高 い 価 額 で 課 税 価 格 に 含 められることで 不 利 になってしまいます また 孫 ( 子 の 死 亡 で 代 襲 相 続 人 となった 孫 を 除 く)に 対 する 相 続 税 は 2 割 相 当 額 が 加 算 されるため 注 意 が 必 要!です もちろん 遺 産 の 合 計 額 が 相 続 税 の 基 礎 控 除 額 以 下 であることが 明 らかであれば 相 続 税 の 基 礎 控 除 を 先 取 りする 形 により 早 めに 無 税 で 親 から 子 供 へ 財 産 を 移 転 でき ます なお 相 続 時 精 算 課 税 を 選 択 したら その 選 択 に 係 る 贈 与 者 からの 贈 与 は その 選 択 をした 年 分 以 後 すべて 相 続 時 精 算 課 税 が 適 用 されます その 後 の 撤 回 はできない ことに 注 意 が 必 要 です 翌 年 に 同 じ 贈 与 者 から 財 産 の 贈 与 を 受 けた 場 合 においても 贈 与 税 の 基 礎 控 除 額 110 万 円 は 適 用 されません 相 続 時 精 算 課 税 の 改 正 改 正 前 改 正 後 ( 平 成 26 年 12 月 31 日 までの 贈 与 ) ( 平 成 27 年 1 月 1 日 以 後 の 贈 与 ) 贈 与 者 贈 与 をした1 月 1 日 において 贈 与 をした1 月 1 日 において 65 歳 以 上 の 親 60 歳 以 上 の 親 または 祖 父 母 受 贈 者 贈 与 を 受 けた 年 の1 月 1 日 に 贈 与 を 受 けた 年 の1 月 1 日 に おいて 贈 与 者 の 推 定 相 続 人 おいて 贈 与 者 の 推 定 相 続 人 である20 歳 以 上 の 子 である20 歳 以 上 の 子 または 孫 - 8 -

相 続 税 の 基 礎 控 除 の 引 き 下 げ Q 相 続 税 が 増 税 されて 納 税 義 務 を 負 う 人 が 増 えると 聞 きました その 詳 しい 内 容 は? A 改 正 により 相 続 税 の 基 礎 控 除 が 3,000 万 円 +600 万 円 法 定 相 続 人 数 ( 改 正 前 : 5,000 万 円 +1,000 万 円 法 定 相 続 人 数 )に 引 き 下 げられるとともに 相 続 税 の 最 高 税 率 が55%( 課 税 価 格 6 億 円 超 の 部 分 )に 引 き 上 げられました また 税 率 構 造 も 見 直 され 新 たに 税 率 45%のゾーンも 追 加 されます たとえば 法 定 相 続 人 が 配 偶 者 と 子 ども2 人 の 場 合 相 続 税 の 課 税 価 格 が4,800 万 円 を 超 えると 相 続 税 の 申 告 をしなければなりません 相 続 財 産 は 自 宅 と 現 預 金 数 千 万 円 という 標 準 的 な 家 庭 にも 相 続 税 の 申 告 と 納 税 が 身 近 な 問 題 となってきました 基 礎 控 除 の 引 き 下 げにより 今 後 は 相 続 税 の 課 税 対 象 者 が 増 えると 見 込 まれます なお 基 礎 控 除 の 引 き 下 げと 税 率 の 引 き 上 げで 相 続 税 負 担 が 増 えることに 配 慮 し 税 額 控 除 が 引 き 上 げられるとともに 小 規 模 宅 地 等 の 特 例 の 適 用 要 件 が 緩 和 されました まず 未 成 年 者 控 除 の 控 除 額 が 引 き 上 げられました 未 成 年 者 控 除 として 相 続 人 が 20 歳 になるまでの1 年 につき10 万 円 ( 改 正 前 :6 万 円 )が 控 除 されます さらに 障 害 者 控 除 の 控 除 額 も 引 き 上 げられます 相 続 人 が 障 害 者 に 該 当 する 場 合 85 歳 までの1 年 につき10 万 円 ( 改 正 前 :6 万 円 )が 控 除 され 特 別 障 害 者 に 該 当 する 場 合 85 歳 までの 1 年 につき20 万 円 ( 改 正 前 :12 万 円 )が 控 除 されます このほか 小 規 模 宅 地 等 の 特 例 の 適 用 要 件 が 見 直 され 居 住 用 の 宅 地 等 について 330m2( 改 正 前 :240m2)まで 評 価 額 の80%が 減 額 されることなりました なお 事 業 用 宅 地 等 に 対 して400m2まで80%の 減 額 駐 車 場 等 の 貸 付 事 業 用 宅 地 等 に 対 して200m2まで50%の 減 額 が 適 用 されることについては 改 正 はなく 従 来 どおりです また 居 住 用 の 宅 地 等 に 対 する 限 度 面 積 が 拡 大 されたことにより 居 住 用 と 事 業 用 の 宅 地 等 を 選 択 して 小 規 模 宅 地 等 の 特 例 を 受 ける 場 合 所 定 の 計 算 で 合 計 730m2( 改 正 前 : 400m2)まで 適 用 が 可 能 となります 小 規 模 宅 地 等 の 特 例 を 受 けるためには 相 続 税 の 申 告 書 の 提 出 が 必 要 です これらの 改 正 は 平 成 27 年 1 月 1 日 以 後 の 相 続 から 適 用 されます 相 続 税 の 税 率 各 法 定 相 続 人 の 取 得 金 額 改 正 前 改 正 後 1,000 万 円 以 下 10% 10% 1,000 万 円 超 3,000 万 円 以 下 15% 15% 3,000 万 円 超 5,000 万 円 以 下 20% 20% 5,000 万 円 超 1 億 円 以 下 30% 30% 1 億 円 超 2 億 円 以 下 40% 40% 2 億 円 超 3 億 円 以 下 45% 3 億 円 超 6 億 円 以 下 50% 50% 6 億 円 超 55% - 9 -

相 続 により 取 得 した 土 地 の 譲 渡 Q 相 続 で 取 得 した 土 地 の 売 却 益 の 計 算 方 法 が 見 直 され 所 得 税 額 の 負 担 が 増 えると 聞 きました 詳 しい 内 容 は? A 相 続 により 取 得 した 土 地 等 を 譲 渡 した 場 合 における 相 続 税 の 取 得 費 加 算 の 特 例 が 見 直 されました 相 続 税 の 取 得 費 加 算 の 特 例 とは 相 続 財 産 を 譲 渡 した 場 合 に 相 続 時 に 課 税 された 相 続 税 額 のうち 譲 渡 資 産 に 対 応 する 部 分 の 金 額 を 譲 渡 した 資 産 の 取 得 費 に 加 算 できる 特 例 です 相 続 税 相 当 額 が 取 得 費 (コスト)に 含 められ 収 入 金 額 から 控 除 されることで 譲 渡 益 が 少 なく 計 算 されます 結 果 として 譲 渡 所 得 に 対 する 税 負 担 額 が 軽 減 されるこ ととなります 今 回 の 改 正 では 相 続 財 産 である 土 地 等 を 譲 渡 した 場 合 の 譲 渡 所 得 の 計 算 において 取 得 費 に 加 算 される 相 続 税 の 額 が その 譲 渡 をした 土 地 等 ( 改 正 前 : 相 続 により 取 得 し たすべての 土 地 等 )に 対 応 する 相 続 税 額 に 相 当 する 額 とされました 土 地 等 とは 土 地 および 土 地 の 上 に 存 する 権 利 をいいます 改 正 前 は 土 地 等 を 譲 渡 した 人 に 課 税 された 相 続 税 のうち その 人 が 相 続 で 取 得 したすべての 土 地 等 に 対 応 する 税 額 を 取 得 費 に 加 算 できました つまり 相 続 財 産 である 土 地 等 のうち 売 却 せず 保 有 し 続 けている 土 地 等 に 係 る 相 続 税 額 まで 取 得 費 (コスト)に 算 入 されていたわけです 取 引 実 態 にそぐわな い 特 例 であるとして かねてより 見 直 しが 議 論 されていたものです この 改 正 は 平 成 27 年 1 月 1 日 以 後 に 開 始 する 相 続 により 取 得 した 土 地 等 の 譲 渡 につ いて 適 用 されます 平 成 26 年 12 月 31 日 までに 開 始 した 相 続 により 取 得 した 土 地 等 の 譲 渡 については 改 正 前 の 取 扱 いによります 相 続 税 の 取 得 費 加 算 の 特 例 を 受 けるためには 相 続 開 始 のあった 日 の 翌 日 から 相 続 税 の 申 告 期 限 の 翌 日 以 後 3 年 を 経 過 するまでに 相 続 財 産 を 譲 渡 しなければなりません すなわち 相 続 開 始 の 日 の 翌 日 から3 年 10か 月 内 に 譲 渡 する 必 要 があります なお 相 続 により 取 得 した 財 産 は 被 相 続 人 ( 死 亡 した 人 )の 取 得 時 期 と 取 得 価 額 を 引 き 継 ぎます そのため 被 相 続 人 が 取 得 した 日 から 譲 渡 した 年 の1 月 1 日 までの 所 有 期 間 で 長 期 か 短 期 かを 判 定 することとなります また 譲 渡 した 相 続 財 産 が 土 地 等 以 外 の 建 物 や 株 式 などである 場 合 は 従 来 どおり その 譲 渡 した 建 物 や 株 式 などに 対 応 する 相 続 税 のみが 取 得 費 に 加 算 されます ( 土 地 等 の 取 得 費 に 加 算 される 相 続 税 額 ) 取 得 費 に 加 算 その 者 の 相 続 税 の 課 税 価 格 のうち 譲 渡 した 土 地 等 の 価 額... = する 相 続 税 額 相 続 税 額 その 者 の 相 続 税 の 課 税 価 格 +その 人 の 債 務 控 除 額 - 10 -

居 住 者 と 非 居 住 者 Q 個 人 の 税 金 でよく 聞 く 居 住 者 と 非 居 住 者 とはどう 違 うのですか? A 所 得 税 法 の 多 くの 条 文 は 居 住 者 が という 言 葉 または 居 住 者 またはその 者 と 生 計 を 一 にする 配 偶 者 という 文 言 で 始 まります たとえば 給 与 計 算 における 甲 欄 での 所 得 税 の 源 泉 徴 収 年 末 調 整 社 会 保 険 料 などの 所 得 控 除 などは すべて 居 住 者 に 対 して 適 用 されるものです 所 得 税 法 において 居 住 者 とは 国 内 に 住 所 を 有 し または 現 在 までに 引 き 続 い て1 年 以 上 の 居 所 を 有 する 個 人 をいう と 定 義 されています さらに 居 住 者 のうち 日 本 国 籍 を 有 しておらず かつ 過 去 10 年 以 内 において 日 本 国 内 に 住 所 または 居 所 を 有 していた 期 間 が5 年 以 下 である 個 人 を 非 永 住 者 といいます また 居 住 者 以 外 の 個 人 を 非 居 住 者 といい 非 居 住 者 は 国 内 に 住 所 も1 年 以 上 の 居 所 も 有 しない 人 ということになります たとえば 居 住 者 である 個 人 が 海 外 転 勤 辞 令 に より1 年 以 上 海 外 で 勤 務 することとなれば 出 国 日 の 翌 日 から 非 居 住 者 となります 結 果 として 所 得 税 において 個 人 は 1 非 永 住 者 以 外 の 居 住 者 2 非 永 住 者 である 居 住 者 3 非 居 住 者 の3 種 類 の 納 税 義 務 者 に 区 分 されます それぞれ 納 税 義 務 者 に 課 税 される 所 得 は 次 のとおり 定 められています 区 分 課 税 される 所 得 非 永 住 者 以 外 の 居 住 者 全 世 界 所 得 ( 国 内 外 で 生 じたすべての 所 得 ) 居 国 内 源 泉 所 得 および 国 外 源 泉 所 得 のうち 国 内 で 住 非 永 住 者 支 払 われ または 国 外 から 送 金 された 所 得 者 ( 所 得 税 の 源 泉 徴 収 については 非 永 住 者 以 外 の 居 住 者 と 同 様 の 取 扱 いとなる) 非 居 住 者 国 内 源 泉 所 得 ( 注 ) 日 本 国 籍 を 有 する 国 家 公 務 員 または 地 方 公 務 員 は 国 内 に 住 所 を 有 しない 期 間 についても 国 内 に 住 所 を 有 するものとされる 日 本 国 籍 を 有 する 個 人 は 所 得 税 法 において 非 永 住 者 以 外 の 居 住 者 または 非 居 住 者 の いずれかに 該 当 することとなります 非 永 住 者 以 外 の 居 住 者 であれば すべての 所 得 に 対 して 課 税 され 非 居 住 者 であれば 国 内 源 泉 所 得 に 対 してのみ 課 税 されます - 11 -

個 人 事 業 者 の 従 業 員 の 新 規 採 用 と 税 額 控 除 Q 衣 料 品 店 を 営 む 個 人 事 業 者 です 新 しく 従 業 員 を 採 用 する 予 定 です 税 制 上 の 優 遇 措 置 はありますか? A 青 色 申 告 書 を 提 出 する 個 人 事 業 者 が 雇 用 者 数 を 一 定 数 以 上 増 加 させた 場 合 は 一 定 要 件 のもと 雇 用 促 進 税 制 により 税 額 控 除 の 適 用 があります 具 体 的 には 当 年 末 の 雇 用 者 の 数 を 前 年 末 の 雇 用 者 の 数 より2 人 ( 中 小 企 業 者 で ない 個 人 は5 人 ) 以 上 かつ 10% 以 上 増 加 したことについて 一 定 の 証 明 を 受 けた 個 人 に 対 して 雇 用 増 加 数 1 人 当 たり40 万 円 の 税 額 控 除 が 認 められます 中 小 企 業 者 とは 常 時 使 用 する 従 業 員 の 数 が1,000 人 以 下 である 個 人 をいいます 雇 用 者 とは 使 用 人 のうち 雇 用 保 険 の 一 般 被 保 険 者 である 従 業 員 をいい パートタ イマー 勤 務 者 も 含 まれます ただし 個 人 事 業 者 の 親 族 個 人 事 業 者 と 事 実 上 婚 姻 関 係 と 同 様 の 事 情 にある 者 などは 除 かれます また 税 額 控 除 は その 年 の 所 得 税 額 の20%( 中 小 企 業 者 でない 個 人 は10%) 相 当 額 を 限 度 とします なお 雇 用 促 進 税 制 の 適 用 を 受 けるためには 年 初 より2か 月 以 内 に 雇 用 促 進 計 画 を 公 共 職 業 安 定 所 (ハローワーク)に 提 出 するとともに 年 末 から2か 月 以 内 に 雇 用 促 進 計 画 の 達 成 状 況 について 確 認 を 受 けなければなりません また 次 の 要 件 のすべてを 満 たしていることが 必 要 です 1 前 年 および 当 年 に 事 業 主 都 合 による 離 職 者 がいないこと 2 基 準 雇 用 者 数 ( 当 期 末 の 雇 用 者 数 が 前 期 末 の 雇 用 者 数 より 増 加 した 数 )が2 ( 中 小 企 業 者 でない 個 人 は5 人 ) 以 上 であること 3 基 準 雇 用 者 割 合 ( 前 年 末 の 雇 用 者 数 に 対 する 増 加 した 雇 用 者 数 の 割 合 )が10 以 上 であること 4 当 年 の 雇 用 者 に 対 する 給 与 等 支 給 額 が 比 較 給 与 等 支 給 額 以 上 であること ( 注 1) 給 与 等 支 給 額 給 与 等 の 支 給 額 のうち 適 用 年 の 必 要 経 費 に 算 入 される 国 内 雇 用 者 に 対 する 給 与 手 当 賃 金 賞 与 などであり 退 職 手 当 などは 含 まない ( 注 2) 比 較 給 与 等 支 給 額 = 前 年 の 給 与 等 の 支 給 額 + 前 年 の 給 与 等 の 支 給 額 基 準 雇 用 者 割 合 30% 5 風 俗 営 業 等 を 営 む 個 人 でないこと なお 上 記 4の 要 件 を 満 たす 必 要 があるため 給 与 水 準 を 下 げて 従 業 員 数 を 増 やした ケースでは 適 用 を 受 けられない 場 合 もあります 税 額 控 除 限 度 額 = 基 準 雇 用 者 数 40 万 円 ( 注 1) 基 準 雇 用 者 数 当 期 末 の 雇 用 者 数 が 前 期 末 の 雇 用 者 数 より 増 加 した 数 ( 注 2) 適 用 年 の 所 得 税 額 の20%( 中 小 企 業 者 以 外 の 個 人 は10%)を 限 度 とする - 12 -

個 人 事 業 者 が 給 料 を 増 やした 場 合 の 税 額 控 除 Q 和 菓 子 店 を 営 む 個 人 事 業 者 です 従 業 員 を 増 やしましたが ハローワークへの 届 出 を しておらず 雇 用 促 進 税 制 を 受 けられません その 他 の 税 制 優 遇 措 置 はありますか? A 給 与 等 を 増 加 させた 個 人 事 業 者 に 対 しては 所 得 拡 大 促 進 税 制 による 税 額 控 除 が 認 められます 所 得 拡 大 促 進 税 制 は 雇 用 促 進 税 制 との 選 択 適 用 とされます ただ 雇 用 促 進 税 制 と 異 なり 人 員 整 理 などの 事 業 主 都 合 による 離 職 者 がいる 年 につい ても 当 制 度 の 適 用 は 可 能 です また 当 制 度 の 適 用 を 受 けるにあたっては 雇 用 促 進 税 制 のような 事 前 の 届 出 書 提 出 は 必 要 ありません 所 得 拡 大 促 進 税 制 では 青 色 申 告 書 を 提 出 する 個 人 事 業 者 が 次 の1から3のすべて の 要 件 を 満 たす 場 合 国 内 雇 用 者 に 対 する 給 与 等 支 給 増 加 額 ( 当 年 の 給 与 等 支 給 額 から 基 準 雇 用 者 給 与 等 支 給 額 を 控 除 した 金 額 )の10% 相 当 額 の 税 額 控 除 が 認 められます 税 額 控 除 は 所 得 税 額 の20%( 中 小 企 業 者 でない 個 人 は10%) 相 当 額 を 限 度 とします 中 小 企 業 者 とは 常 時 使 用 する 従 業 員 の 数 が1,000 人 以 下 である 個 人 をいいます 1 適 用 年 の 国 内 雇 用 者 に 対 する 給 与 等 支 給 額 が 基 準 雇 用 者 給 与 等 支 給 額 と 比 較 して2% 以 上 増 加 していること( 改 正 により 給 与 等 支 給 増 加 割 合 が 5% 以 上 から 2% 以 上 に 緩 和 されました) 2 適 用 年 の 給 与 等 支 給 額 が 前 年 の 給 与 等 支 給 額 以 上 であること 3 適 用 年 の 継 続 雇 用 者 で 雇 用 保 険 法 の 一 般 被 保 険 者 に 該 当 する 人 に 対 する 平 均 給 与 等 支 給 額 が 前 年 の 平 均 給 与 等 支 給 額 を 超 えること ( 注 ) 平 均 給 与 等 支 給 額 継 続 雇 用 者 に 対 する 給 与 等 の 支 給 額 = 給 与 等 月 別 支 給 対 象 者 の 数 の 合 計 数 国 内 雇 用 者 とは 使 用 人 のうち 国 内 事 業 所 に 勤 務 する 雇 用 者 をいい パート アル バイト 勤 務 者 を 含 みます ただし 個 人 事 業 者 の 親 族 個 人 事 業 者 と 事 実 上 婚 姻 関 係 と 同 様 の 事 情 にある 者 などは 除 かれます 給 与 等 支 給 額 とは 各 年 度 の 必 要 経 費 に 算 入 される 国 内 雇 用 者 に 対 する 給 与 手 当 賃 金 賞 与 などであり 退 職 手 当 などは 含 みません 基 準 雇 用 者 給 与 等 支 給 額 とは 平 成 25 年 分 の 事 業 所 得 の 計 算 において 必 要 経 費 に 算 入 された 国 内 雇 用 者 に 対 する 給 与 等 支 給 額 をいいます 継 続 雇 用 者 とは 適 用 年 および 前 年 ともに 給 与 等 の 支 給 を 受 けた 国 内 雇 用 者 であり 退 職 者 や 新 規 採 用 者 を 除 きます - 13 -

給 与 所 得 者 の 特 定 支 出 控 除 の 特 例 Q サラリーマンにも 実 額 での 必 要 経 費 計 算 が 認 められているのですか? A 給 与 所 得 者 には みなし 必 要 経 費 として 給 与 所 得 控 除 が 認 められていますが 実 額 での 必 要 経 費 の 控 除 を 選 択 することもできます この 制 度 は 給 与 所 得 者 の 特 定 支 出 控 除 と 呼 ばれており 税 制 改 正 により 適 用 対 象 となる 支 出 内 容 と 控 除 額 が 見 直 さ れました 平 成 25 年 分 の 所 得 税 より 適 用 されています 給 与 所 得 者 が 給 与 所 得 控 除 額 の2 分 の1( 給 与 収 入 が1,500 万 円 を 超 える 場 合 は125 万 円 )を 超 える 特 定 支 出 をした 場 合 には その 超 える 金 額 を 給 与 所 得 控 除 額 に 加 算 して 給 与 等 の 収 入 金 額 から 控 除 できます 改 正 前 は 給 与 所 得 控 除 額 を 超 える 金 額 の 特 定 支 出 額 がある 場 合 において 適 用 が 認 め られていたため 確 定 申 告 により 当 規 定 の 適 用 を 受 ける 申 告 者 は 全 国 でも 数 名 とい う 状 況 でした 改 正 前 における 特 定 支 出 は 通 勤 費 転 任 に 伴 う 転 居 のための 引 越 費 用 研 修 費 資 格 取 得 費 (その 資 格 を 有 する 者 に 限 り 特 定 の 業 務 を 営 むことができることとされている 弁 護 士 公 認 会 計 士 税 理 士 弁 理 士 医 師 歯 科 医 師 などの 資 格 取 得 費 は 除 く) 単 身 赴 任 者 の 帰 宅 旅 費 でしたが これらに 加 え 次 に 掲 げる 支 出 ( 職 務 の 遂 行 に 直 接 必 要 なものとして 給 与 の 支 払 者 より 証 明 された 支 出 に 限 る)が 追 加 されました (1) 弁 護 士 公 認 会 計 士 税 理 士 弁 理 士 などの 資 格 取 得 費 (2) 次 の 支 出 ( 合 計 65 万 円 まで) 1 職 務 に 関 連 すると 認 められる 書 籍 定 期 刊 行 物 不 特 定 多 数 の 人 に 販 売 する ことを 目 的 として 発 行 される 図 書 を 購 入 するための 支 出 2 制 服 事 務 服 作 業 服 および 給 与 の 支 払 者 により 勤 務 場 所 において 着 用 する ことが 必 要 とされる 衣 服 を 購 入 するための 支 出 3 交 際 費 接 待 費 その 他 の 費 用 で 給 与 の 支 払 者 の 得 意 先 仕 入 先 など 職 務 上 関 係 のある 者 に 対 する 接 待 供 応 贈 答 その 他 それらに 類 する 行 為 のための 支 出 なお 特 定 支 出 控 除 は 確 定 申 告 書 更 正 請 求 書 等 において 適 用 を 受 ける 旨 および 特 定 支 出 額 の 合 計 額 を 記 載 するとともに 一 定 の 明 細 書 および 給 与 の 支 払 者 の 証 明 書 の 添 付 がある 場 合 に 限 り 適 用 することができます - 14 -

小 規 模 企 業 共 済 と 確 定 拠 出 年 金 Q 個 人 事 業 者 が 将 来 の 退 職 金 準 備 をしながら 節 税 もできる 制 度 があると 聞 きました 詳 しい 内 容 は? A 所 得 者 本 人 が 小 規 模 企 業 共 済 等 掛 金 または 確 定 拠 出 年 金 掛 金 を 給 与 天 引 き または 直 接 自 分 で 支 払 った 場 合 には その 掛 金 全 額 の 所 得 控 除 が 認 められます 将 来 の 退 職 金 や 年 金 の 準 備 としての 拠 出 額 が 所 得 控 除 できるため 節 税 効 果 が 大 きい 制 度 です (1) 小 規 模 企 業 共 済 ヘの 掛 金 小 規 模 企 業 共 済 とは 個 人 事 業 者 または 小 企 業 役 員 の 福 祉 の 増 進 と 小 規 模 企 業 の 振 興 を 目 的 とした 共 済 制 度 であり 独 立 行 政 法 人 中 小 企 業 基 盤 整 備 機 構 と 締 結 した 共 済 契 約 をいいます 掛 金 全 額 が 所 得 控 除 の 対 象 となり 将 来 受 け 取 る 共 済 金 は 退 職 所 得 として 課 税 され るなど 節 税 効 果 があります 小 規 模 企 業 共 済 へは 常 時 使 用 する 従 業 員 が20 名 以 下 ( 商 業 またはサービス 業 は5 名 以 下 )の 会 社 役 員 および 個 人 事 業 主 本 人 のほか 個 人 事 業 の 経 営 に 携 わる 一 定 の 共 同 経 営 者 も2 名 まで 加 入 できます 共 同 経 営 者 とは 個 人 事 業 主 の 配 偶 者 や 後 継 者 親 族 以 外 の 人 で 事 業 経 営 での 重 要 な 意 思 決 定 をしている 人 事 業 に 必 要 な 資 金 を 負 担 している 人 事 業 執 行 に 対 する 報 酬 を 得 ている 人 をいいます 控 除 の 対 象 となる 掛 金 は 本 年 中 に 実 際 に 支 払 った 掛 金 または 給 与 等 から 実 際 に 控 除 された 掛 金 であり 1 年 以 内 の 前 納 分 についても その 全 額 を 本 年 の 控 除 対 象 とで きます 前 年 に 未 払 いとなっていた 掛 金 を 本 年 になって 支 払 った 場 合 には 支 払 った 年 の 控 除 対 象 となります 掛 金 は 月 額 1,000 円 から70,000 円 までの500 円 刻 みで 任 意 に 決 めることができ 年 間 で 最 高 84 万 円 の 掛 金 全 額 が 所 得 控 除 の 対 象 となります (2) 確 定 拠 出 年 金 への 掛 金 確 定 拠 出 年 金 とは 個 人 事 業 者 や 企 業 年 金 のない 企 業 の 従 業 員 の 将 来 の 年 金 準 備 を 支 援 する 制 度 であり 日 本 版 401k とも 呼 ばれています 確 定 拠 出 年 金 法 の 規 定 によ り 国 民 年 金 基 金 連 合 会 が 実 施 する 個 人 型 年 金 の 加 入 者 掛 金 のうち 次 の 拠 出 限 度 額 まで の 掛 金 の 全 額 が 控 除 対 象 となります 1 第 1 号 加 入 者 ( 自 営 業 者 )が 支 払 える 掛 金 の 限 度 額 は 国 民 年 金 基 金 掛 金 との 合 算 で 月 68,000 円 です 2 第 2 号 加 入 者 ( 企 業 年 金 のない 企 業 の 従 業 員 )が 支 払 える 掛 金 の 限 度 額 は 月 23,000 円 です - 15 -

旅 費 規 程 の 整 備 と 日 当 の 支 給 Q 中 小 企 業 の 経 営 者 ですが 出 張 に 際 して 自 分 の 会 社 から 日 当 を 受 け 取 ることはできますか? A 旅 費 規 程 に 基 づき 会 社 が 役 員 または 従 業 員 に 対 して 支 払 う 社 会 通 念 から 見 て 妥 当 な 額 の 日 当 は 個 人 側 では 非 課 税 収 入 であり 会 社 側 では 旅 費 交 通 費 として 費 用 扱 い されます 日 当 とは 出 張 中 の 食 事 代 その 他 の 雑 費 的 な 支 出 に 充 てるために 支 給 する 実 費 弁 償 的 な 手 当 です 旅 行 期 間 目 的 地 世 間 相 場 役 職 などを 勘 案 して 通 常 必 要 とされる 妥 当 な 金 額 の 日 当 であれば 非 課 税 の 収 入 として 取 り 扱 われ 本 人 の 給 与 所 得 に 含 める 必 要 はありません 会 社 にとっては 日 当 として 支 給 する 金 額 も 出 張 旅 費 の 一 環 ですので 旅 費 交 通 費 と しての 費 用 となります つまり 日 当 は 支 払 った 法 人 側 では 旅 費 となり 受 取 った 個 人 側 では 非 課 税 の 所 得 となるわけです なお 国 内 出 張 に 係 る 日 当 は 消 費 税 の 課 税 仕 入 として 仕 入 税 額 控 除 の 対 象 となります が 海 外 出 張 に 係 る 日 当 は 国 外 取 引 として 消 費 税 の 仕 入 税 額 控 除 の 対 象 外 です 個 人 事 業 者 では 自 分 が 自 分 へ 日 当 を 支 給 することはできません しかし 法 人 組 織 ならば 1 人 会 社 であっても 別 人 格 の 会 社 から 経 営 者 である 自 分 自 身 へ 実 費 支 弁 部 分 としての 日 当 を 非 課 税 扱 いで 支 給 することが 可 能 です 日 当 が 支 給 できるかどうかは 会 社 の 規 模 を 問 いませんので 法 人 で 費 用 扱 いされる 一 方 で 個 人 では 所 得 に 含 めなくてよい 日 当 を 支 給 するために 旅 費 規 程 を 見 直 し 世 間 相 場 から 見 て 妥 当 な 金 額 を 決 定 しておきましょう また 日 当 のほかに 社 会 通 念 からみて 妥 当 な 額 である 支 度 金 の 支 給 額 についても 法 人 側 では 旅 費 となり 個 人 側 では 非 課 税 の 収 入 となります 支 度 金 とは 出 張 に 際 して 必 要 となる 物 を 国 内 で 買 い 揃 えるための 実 費 支 弁 額 という 意 味 の 支 出 です そのため 国 内 出 張 に 係 る 支 度 金 だけでなく 海 外 出 張 に 係 る 支 度 金 についても 消 費 税 の 課 税 仕 入 となります - 16 -

退 職 所 得 に 対 する 課 税 強 化 Q 退 職 金 に 対 する 課 税 が 強 化 されたと 聞 きましたが その 詳 しい 内 容 は? A 退 職 所 得 について 1 特 定 役 員 等 に 対 する 退 職 金 の 課 税 強 化 2 住 民 税 の 軽 減 税 率 の 廃 止 という2つの 改 正 がなされました 平 成 25 年 分 の 所 得 税 および 住 民 税 より 適 用 されています 退 職 所 得 は 長 年 の 勤 務 に 対 する 報 償 であり 老 後 の 生 活 保 障 的 な 性 質 を 有 している ため 他 の 所 得 と 比 較 して 1 退 職 所 得 控 除 の 適 用 22 分 の1 課 税 3 分 離 課 税 とい う3つの 点 で 税 負 担 が 緩 和 されています 具 体 的 には 退 職 所 得 は 退 職 手 当 等 の 収 入 金 額 から 退 職 所 得 控 除 額 を 控 除 した 後 に さらに 残 額 の2 分 の1の 金 額 を 課 税 対 象 とします 課 税 対 象 が2 分 の1されることに 加 え 分 離 課 税 されるため 他 の 所 得 金 額 の 大 きさによる 超 過 累 進 税 率 の 影 響 を 受 けません 退 職 所 得 控 除 は 勤 続 年 数 に 応 じて 適 用 され 最 低 でも80 万 円 が 控 除 されます 勤 続 年 数 が20 年 以 下 の 場 合 は1 年 当 たり40 万 円 勤 続 年 数 が20 年 を 超 える 部 分 は1 年 当 たり70 万 円 が 控 除 されます たとえば 勤 続 年 数 が10 年 である 場 合 の 退 職 所 得 控 除 額 は400 万 円 (=40 万 円 10 年 ) 勤 続 年 数 が30 年 である 場 合 の 退 職 所 得 控 除 額 は1,500 万 円 (=800 万 円 +70 万 円 10 年 ) と 計 算 されます ただし 改 正 により 勤 続 年 数 が5 年 以 下 で 退 職 した 特 定 役 員 等 に 対 する 退 職 金 には 2 分 の1 課 税 の 特 例 は 適 用 されないこととなりました 特 定 役 員 等 に 対 する 退 職 金 とは 役 員 等 勤 続 年 数 が5 年 以 下 である 人 が 支 払 を 受 け る 退 職 手 当 等 のうち 役 員 等 として 勤 務 した 期 間 に 対 応 する 退 職 手 当 等 として 支 払 を 受 けるものをいいます 役 員 等 勤 続 年 数 について1 年 未 満 の 端 数 は1 年 に 切 り 上 げます 役 員 等 とは 1 法 人 の 取 締 役 執 行 役 会 計 参 与 監 査 役 理 事 監 事 および 清 算 人 ならびにこれら 以 外 の 者 で 法 人 の 経 営 に 従 事 している 一 定 の 者 2 国 会 議 員 および 地 方 公 共 団 体 の 議 会 の 議 員 3 国 家 公 務 員 および 地 方 公 務 員 をいいます また 退 職 手 当 等 に 対 する 住 民 税 は10% 相 当 額 を 軽 減 する 措 置 がありましたが 改 正 により この 税 額 控 除 特 例 も 廃 止 されました - 17 -

生 命 保 険 料 控 除 に 関 する 改 正 Q 生 命 保 険 料 控 除 が 大 きく 変 わったと 聞 きましたが その 内 容 は? A 従 来 の 一 般 の 生 命 保 険 料 控 除 と 個 人 年 金 保 険 料 控 除 に 加 えて 介 護 医 療 に 対 する 保 険 料 控 除 も 認 められます 次 の 各 区 分 ごとに 控 除 額 を 計 算 し 最 高 12 万 円 が 限 度 となり ます (1) 新 契 約 ( 平 成 24 年 1 月 1 日 以 後 に 締 結 した 保 険 契 約 等 ) に 基 づく 生 命 保 険 料 控 除 額 平 成 24 年 1 月 1 日 以 後 に 生 命 保 険 会 社 または 損 害 保 険 会 社 等 と 締 結 した 保 険 契 約 等 ( 新 契 約 )のうち 介 護 費 用 保 障 または 医 療 費 用 保 障 を 内 容 とする 主 契 約 または 特 約 に 基 づいて 支 払 った 保 険 料 等 ( 介 護 医 療 保 険 料 )について 適 用 限 度 額 4 万 円 の 介 護 医 療 保 険 料 控 除 が 設 けられました 一 般 の 生 命 保 険 契 約 個 人 年 金 保 険 契 約 介 護 医 療 保 険 契 約 の 保 険 料 控 除 額 は 別 々に 計 算 し 各 々4 万 円 を 上 限 とし 合 わせて 年 間 12 万 円 が 最 高 限 度 額 となります 支 払 った 保 険 料 等 の 合 計 額 控 除 額 20,000 円 以 下 支 払 った 保 険 料 等 の 全 額 20,000 円 超 40,000 円 以 下 ( 支 払 保 険 料 1/ 2)+ 10,000 円 40,000 円 超 80,000 円 以 下 ( 支 払 保 険 料 1/ 4)+ 20,000 円 80,000 円 超 一 律 40,000 円 (2) 旧 契 約 ( 平 成 23 年 12 月 31 日 以 前 に 締 結 した 保 険 契 約 等 ) に 基 づく 生 命 保 険 料 控 除 額 一 般 の 生 命 保 険 契 約 と 個 人 年 金 保 険 契 約 の 保 険 料 控 除 額 は 別 々に 計 算 し 各 々5 万 円 を 上 限 とし 合 わせて 年 間 10 万 円 が 最 高 限 度 額 となります 支 払 った 保 険 料 等 の 合 計 額 控 除 額 25,000 円 以 下 支 払 った 保 険 料 等 の 全 額 25,000 円 超 50,000 円 以 下 ( 支 払 保 険 料 1/ 2)+ 12,500 円 50,000 円 超 100,000 円 以 下 ( 支 払 保 険 料 1/ 4)+ 25,000 円 100,000 円 超 一 律 50,000 円 (3) 新 契 約 と 旧 契 約 の 両 方 に 加 入 している 場 合 新 契 約 と 旧 契 約 の 両 方 に 加 入 している 場 合 の 新 ( 旧 ) 一 般 生 命 保 険 料 または 新 ( 旧 ) 個 人 年 金 保 険 料 は 一 般 生 命 保 険 料 または 個 人 年 金 保 険 料 の 別 に 次 のいずれかを 選 択 して 控 除 額 を 計 算 できます 介 護 医 療 保 険 料 の 控 除 額 と 合 わせて 年 間 12 万 円 が 最 高 限 度 額 と なります 1 新 契 約 のみ 生 命 保 険 料 控 除 を 適 用 (1)に 基 づき 計 算 した 控 除 額 2 旧 契 約 のみ 生 命 保 険 料 控 除 を 適 用 (2)に 基 づき 計 算 した 控 除 額 3 新 契 約 と 旧 契 約 の 両 方 について 生 命 保 険 料 控 除 を 適 用 (1)に 基 づき 計 算 した 新 契 約 の 控 除 額 と(2)に 基 づき 計 算 した 旧 契 約 の 控 除 額 の 合 計 額 ( 最 高 4 万 円 ) - 18 -