御 説 明 資 料 武 力 攻 撃 に 至 らない 侵 害 への 対 処 自 衛 隊 法 第 95 条 条 文 2 自 衛 隊 法 第 95 条 に 規 定 する 武 器 の 使 用 について 2 関 連 国 会 答 弁 3 部 隊 防 護 (Unit Self-defense) 安 全 保 障 の 法 的 基 盤 の 再 構 築 に 関 する 懇 談 会 報 告 書 4 関 連 国 会 答 弁 4 武 力 の 行 使 との 一 体 化 過 去 の 国 会 答 弁 で 示 された 後 方 支 援 の 具 体 例 5 関 連 国 会 答 弁 判 断 の 考 慮 事 情 6 一 体 化 のおそれはないとされた 後 方 支 援 の 例 7 一 体 化 のおそれが 指 摘 された 後 方 支 援 の 例 10 駆 け 付 け 警 護 任 務 遂 行 のための 武 器 使 用 及 び 領 域 国 の 同 意 に 基 づく 邦 人 救 出 関 連 国 会 答 弁 12 武 力 の 行 使 に 当 たり 得 る 活 動 集 団 的 自 衛 権 と 憲 法 との 関 係 に 関 する 政 府 資 料 ( 昭 和 47 年 10 月 14 日 参 決 算 委 員 会 提 出 資 料 ) 14 関 連 国 会 答 弁 ( 事 例 8~15) 事 例 8: 邦 人 輸 送 中 の 米 輸 送 艦 の 防 護 15 事 例 9: 武 力 攻 撃 を 受 けている 米 艦 の 防 護 15 事 例 10: 強 制 的 な 停 船 検 査 16 事 例 11: 米 国 に 向 け 我 が 国 上 空 を 横 切 る 弾 道 ミサイル 迎 撃 18 事 例 12: 弾 道 ミサイル 発 射 警 戒 時 の 米 艦 防 護 19 事 例 13: 米 本 土 が 武 力 攻 撃 を 受 け 我 が 国 近 隣 で 作 戦 を 行 う 時 の 米 艦 防 護 19 事 例 14: 国 際 的 な 機 雷 掃 海 活 動 への 参 加 20 事 例 15: 民 間 船 舶 の 国 際 共 同 護 衛 22 ( 参 考 )その 他 の 関 連 国 会 答 弁 等 23 集 団 的 自 衛 権 行 使 の 判 断 要 件 等 安 全 保 障 の 法 的 基 盤 の 再 構 築 に 関 する 懇 談 会 報 告 書 25 1
自 衛 隊 法 第 95 条 ( 武 器 等 の 防 護 のための 武 器 の 使 用 ) 自 衛 官 は 自 衛 隊 の 武 器 弾 薬 火 薬 船 舶 航 空 機 車 両 有 線 電 気 通 信 設 備 無 線 設 備 又 は 液 体 燃 料 を 職 務 上 警 護 するに 当 たり 人 又 は 武 器 弾 薬 火 薬 船 舶 航 空 機 車 両 有 線 電 気 通 信 設 備 無 線 設 備 若 しくは 液 体 燃 料 を 防 護 するため 必 要 であると 認 める 相 当 の 理 由 がある 場 合 には その 事 態 に 応 じ 合 理 的 に 必 要 と 判 断 さ れる 限 度 で 武 器 を 使 用 することができる ただし 刑 法 第 36 条 又 は 第 37 条 に 該 当 する 場 合 のほか 人 に 危 害 を 与 えてはならない -------------------------------------------------------- 自 衛 隊 法 第 95 条 に 規 定 する 武 器 の 使 用 について( 抄 ) ( 平 成 11 年 4 月 23 日 衆 防 衛 指 針 特 委 理 事 会 提 出 資 料 ) 2 自 衛 隊 法 第 95 条 に 規 定 する 武 器 の 使 用 と 武 力 の 行 使 との 関 係 自 衛 隊 法 第 95 条 に 規 定 する 武 器 の 使 用 も 憲 法 第 9 条 第 1 項 の 禁 止 する 武 力 の 行 使 に 該 当 しないものの 例 である すなわち 自 衛 隊 法 第 95 条 は 自 衛 隊 の 武 器 等 という 我 が 国 の 防 衛 力 を 構 成 する 重 要 な 物 的 手 段 を 破 壊 奪 取 しようとする 行 為 から 当 該 武 器 等 を 防 護 するた めに 認 められているものであり その 行 使 の 要 件 は 従 来 から 以 下 のように 解 さ れている (1) 武 器 を 使 用 できるのは 職 務 上 武 器 等 の 警 護 に 当 たる 自 衛 官 に 限 られてい る こと (2) 武 器 等 の 退 避 によってもその 防 護 が 不 可 能 である 場 合 等 他 に 手 段 のない やむを 得 ない 場 合 でなければ 武 器 を 使 用 できない こと (3) 武 器 の 使 用 は いわゆる 警 察 比 例 の 原 則 に 基 づき 事 態 に 応 じて 合 理 的 に 必 要 と 判 断 される 限 度 に 限 られる こと (4) 防 護 対 象 の 武 器 等 が 破 壊 された 場 合 や 相 手 方 が 襲 撃 を 中 止 し 又 は 逃 走 した 場 合 には 武 器 の 使 用 ができなくなる こと (5) 正 当 防 衛 又 は 緊 急 避 難 の 要 件 を 満 たす 場 合 でなければ 人 に 危 害 を 与 えては ならない こと 自 衛 隊 法 第 95 条 に 基 づく 武 器 の 使 用 は 以 上 のような 性 格 を 持 つものであり あくまで 現 場 にある 防 護 対 象 を 防 護 するための 受 動 的 な 武 器 使 用 である このような 武 器 の 使 用 は 自 衛 隊 の 武 器 等 という 我 が 国 の 防 衛 力 を 構 成 する 重 要 な 物 的 手 段 を 破 壊 奪 取 しようとする 行 為 からこれらを 防 護 するための 極 めて 受 動 的 かつ 限 定 的 な 必 要 最 小 限 の 行 為 であり それが 我 が 国 領 域 外 で 行 われたと しても 憲 法 第 9 条 第 1 項 で 禁 止 された 武 力 の 行 使 には 当 たらない 2
-------------------------------------------------------- 平 成 9 年 5 月 15 日 衆 安 保 委 山 本 内 閣 法 制 局 第 1 部 長 答 弁 米 軍 艦 艇 の 話 でございますけれども これはやはり 二 つに 分 かれておりまし て 既 に 我 が 国 に 対 する 武 力 攻 撃 が 発 生 した 場 合 におきまして 我 が 国 防 衛 のため に 行 動 している 米 軍 艦 船 が 相 手 国 から 攻 撃 を 受 けたときには 我 が 国 の 自 衛 権 の 行 使 によって 対 処 することが 可 能 でありますし また 法 理 としては 個 別 具 体 の 事 実 関 係 におきまして お 尋 ねのような 米 軍 艦 船 への 攻 撃 が 我 が 国 に 対 する 武 力 攻 撃 に 該 当 すると 認 められるならば 我 が 国 として 自 衛 権 を 発 動 して 実 力 を 行 使 する ことによって 当 該 米 軍 艦 船 への 攻 撃 を 排 撃 するということが 可 能 な 場 合 もありま す また 次 に 武 力 攻 撃 に 当 たらない 武 器 の 使 用 といたしまして 自 己 等 や 武 器 等 の 防 護 のための 武 器 使 用 の 規 定 これはテロ 特 法 の 十 二 条 あるいは 自 衛 隊 法 の95 条 でございますが その 要 件 が 満 たされるときには 武 器 の 使 用 が 認 められておりまし て このような 武 器 の 使 用 が 結 果 的 に 米 軍 艦 船 に 対 する 攻 撃 を 防 ぐ 反 射 的 効 果 を 有 する 場 合 があり 得 る というふうにお 答 えしているわけでございます 3
安 全 保 障 の 法 的 基 盤 の 再 構 築 に 関 する 懇 談 会 報 告 書 ( 抜 粋 ) ( 平 成 26 年 5 月 15 日 ) III. 国 内 法 制 のあり 方 自 衛 隊 法 については 任 務 や 行 動 権 限 等 の 整 備 が 考 えられる 自 衛 隊 法 は 安 全 保 障 環 境 の 変 化 に 伴 う 様 々な 事 態 に 対 応 するため そのたびに 制 度 の 見 直 しが 図 られてきたところではあるが 手 続 面 での 適 正 さを 確 保 しつつ これまで 以 上 に より 迅 速 かつ 十 分 な 対 応 を 可 能 とするための 制 度 的 な 余 地 がないか 再 検 討 する 必 要 がある また 行 動 が 命 ぜられていない 時 点 でも 現 場 の 自 衛 官 がどのような 対 応 をすることが 認 められるかという 観 点 からの 検 討 も 必 要 である 国 連 PKO 等 への 参 加 に 際 して 新 たにどのような 任 務 が 付 与 されるべきかとともに これを 安 全 かつ 確 実 に 遂 行 するため 従 来 の いわば 自 己 保 存 のための 自 然 権 的 権 利 等 としての 武 器 使 用 権 限 をどのように 見 直 すかについても 先 進 民 主 国 家 の 軍 や 国 連 PKO ミッシ ョン 等 において 一 般 に 行 われているようなケースを 踏 まえて 他 国 の ROE(rules of engagement)に 相 当 する 部 隊 行 動 基 準 の 整 備 により 文 民 統 制 の 確 保 を 図 り つつ 国 際 法 上 許 容 される 部 隊 防 護 (unit self-defense)( 注 ) や 任 務 遂 行 のた めの 武 器 使 用 に 係 る 権 限 を 包 括 的 に 付 与 することができないか 検 討 を 行 う 必 要 が ある ( 注 ) 部 隊 司 令 官 の 判 断 で 部 隊 等 への 外 部 からの 侵 害 に 対 し 防 衛 のための 措 置 を とることが 世 界 で 広 く 認 められている -------------------------------------------------------- 部 隊 防 護 (Unit Self-defense) 関 連 国 会 答 弁 参 外 交 防 衛 委 岸 田 外 務 大 臣 答 弁 ( 平 成 26 年 5 月 29 日 ) ユニットセルフディフェンス 部 隊 防 護 と 訳 しているようですが 一 般 に 武 力 攻 撃 に 至 らない 状 況 において 部 隊 司 令 官 の 判 断 で 部 隊 等 への 外 部 からの 侵 害 に 対 し 防 護 のための 措 置 をとること こうしたことを 指 すと 承 知 をしております 4
武 力 の 行 使 との 一 体 化 について 過 去 の 国 会 答 弁 で 示 された 後 方 支 援 の 具 体 例 1. 一 体 化 のおそれはないとされた 後 方 支 援 の 例 1 戦 闘 行 為 のところから 一 線 を 画 されるようなところで 医 薬 品 や 食 料 品 を 輸 送 2 後 方 地 域 等 における 米 軍 の 艦 船 に 対 する 給 油 整 備 3 戦 闘 行 動 が 行 われている 場 所 から 非 常 に 離 れたところでそれと 関 係 なく 行 う 補 給 ( 武 器 弾 薬 の 補 給 を 含 む ) 4 我 が 国 の 領 域 内 で 行 う 医 療 活 動 5 非 戦 闘 地 域 における 武 器 弾 薬 の 輸 送 イラク 特 措 法 において 武 器 弾 薬 の 輸 送 は 実 施 要 項 で 行 わないこととされていたが 武 器 を 携 行 した 兵 員 の 輸 送 はこれに 含 まれず 2. 一 体 化 のおそれが 指 摘 された 後 方 支 援 の 例 (1) 一 体 化 の 問 題 があろうとされた 例 1 現 に 戦 闘 が 行 われているところへ 武 器 弾 薬 を 供 給 輸 送 すること 2 現 に 戦 闘 が 行 われているところの 医 療 部 隊 に 組 み 込 まれるような 形 での 医 療 活 動 (2) 一 体 化 と 判 断 できる 可 能 性 が 非 常 に 高 まるとされた 例 3 現 に 戦 闘 を 行 っている 米 軍 に 我 が 国 が 出 向 いて 行 って 油 を 補 給 す ること 4 戦 闘 行 動 を 行 っている 米 軍 の 兵 員 の 輸 送 (3) 一 体 化 するという 場 合 も 考 えられる 等 とされた 例 5 地 上 で 戦 闘 行 為 が 行 われている 場 所 に 物 資 ( 食 糧 のようなものを 含 む )を 空 挺 部 隊 が 投 下 すること 6 戦 闘 作 戦 行 動 に 発 進 準 備 中 の 航 空 機 に 対 する 給 油 及 び 支 援 個 々の 作 戦 行 動 のたびに 必 要 なもののみを 給 油 する 形 態 で 行 われるもの 5
( 参 考 ) 関 連 国 会 答 弁 判 断 の 考 慮 事 情 平 成 9 年 2 月 13 日 衆 予 算 委 大 森 法 制 局 長 官 答 弁 多 分 委 員 のお 尋 ねは それ 自 体 は 武 力 の 行 使 を 行 わない 活 動 であっても ある 場 合 には 憲 法 との 関 係 で 問 題 となる 行 為 があるのではないか その 場 合 に いかな る 基 準 によってそれを 振 り 分 けるのであるかということで 多 分 その 一 体 化 理 論 と いうものについてのお 尋 ねであろうと 思 います したがいまして それについて 従 前 お 答 えしてきているところを 申 し 上 げますと 例 としてはよく 輸 送 とか 医 療 とかあるいは 補 給 協 力 ということが 挙 げられるわけ でございますが それ 自 体 は 直 接 武 力 の 行 使 を 行 わない 活 動 について それが 憲 法 九 条 との 関 係 で 許 されない 行 為 に 当 たるかどうかということにつきましては 他 国 による 武 力 の 行 使 あるいは 憲 法 上 の 評 価 としては 武 力 による 威 嚇 でも 同 じでござ いますが 武 力 の 行 使 等 と 一 体 となるような 行 動 としてこれを 行 うかどうかという ことにより 判 断 すべきであるということを 答 えてきているわけであります このような いわゆる 一 体 化 の 理 論 と 申 しますのは 仮 に みずからは 直 接 武 力 の 行 使 をしていないとしても 他 の 者 が 行 う 武 力 の 行 使 への 関 与 の 密 接 性 等 から 我 が 国 も 武 力 の 行 使 をしているとの 評 価 を 受 ける 場 合 を 対 象 とするものでありまし て いわば 法 的 評 価 に 伴 う 当 然 の 事 理 を 述 べるものでございます そして 問 題 は 他 国 による 武 力 の 行 使 と 一 体 となす 行 為 であるかどうか その 判 断 につきましては 大 体 四 つぐらいの 考 慮 事 情 を 述 べてきているわけでございまして 委 員 重 々 御 承 知 と 思 いますが 要 するに 戦 闘 活 動 が 行 われている または 行 われ ようとしている 地 点 と 当 該 行 動 がなされる 場 所 との 地 理 的 関 係 当 該 行 動 等 の 具 体 的 内 容 他 国 の 武 力 の 行 使 の 任 に 当 たる 者 との 関 係 の 密 接 性 協 力 しようとする 相 手 の 活 動 の 現 況 等 の 諸 般 の 事 情 を 総 合 的 に 勘 案 して 個 々 的 に 判 断 さるべきもので ある そういう 見 解 をとっております 6
一 体 化 のおそれはないとされた 後 方 支 援 の 例 平 成 2 年 10 月 29 日 衆 PKO 特 委 工 藤 内 閣 法 制 局 長 官 過 去 に 問 題 があると 言 いましたようなケースにつきましては 例 えば 現 に 戦 闘 が 行 われているというふうなところでそういう 前 線 へ 武 器 弾 薬 を 供 給 するようなこと 輸 送 するようなこと あるいはそういった 現 に 戦 闘 が 行 われているような 医 療 部 隊 のところにいわば 組 み 込 まれるような 形 でと 申 しますか そういうふうな 形 でまさ に 医 療 活 動 をするような 場 合 こういうふうなのは 今 のような 点 から 見 て 問 題 があ ろうということでございますし 逆 にそういう 戦 闘 行 為 のところから 一 線 を 画 され るようなところで そういうところまで 医 薬 品 や 食 料 品 を 輸 送 するようなこと こ ういうふうなことは 当 然 今 のような 憲 法 九 条 の 判 断 基 準 からして 問 題 はなかろう こういうことでございます したがいまして 両 端 はある 程 度 申 し 上 げられる こ ういうことだと 思 います 平 成 11 年 4 月 15 日 衆 ガイドライン 特 委 大 森 内 閣 法 制 局 長 官 ただいま 委 員 が 指 摘 された 答 弁 というのは 平 成 十 一 年 一 月 二 十 八 日 の 衆 議 院 予 算 委 員 会 の 赤 松 正 雄 委 員 の 質 問 に 対 する 私 の 答 弁 部 分 であろうかと 思 います 手 元 の 資 料 を 見 ておりましたら 大 体 正 確 にそのような 発 言 をしていることは 間 違 いご ざいません そこで 飛 行 機 について 航 空 機 についてはそのように 考 え 船 についてはその ように 考 えないのはなぜかということでございますが これは 戦 闘 作 戦 行 動 に 発 進 準 備 中 の 航 空 機 に 対 する 給 油 及 び 支 援 につきましては 個 々の 作 戦 行 動 のたびに 必 要 なもののみを 給 油 するという 態 様 で 行 われるということであろうと 思 います したがいまして 個 々の 戦 闘 行 動 との 密 接 な 関 係 があるのではないかということか ら 慎 重 な 検 討 を 必 要 とするというふうに 考 えたわけでございますが これも 既 に 別 の 機 会 で 述 べていますように アメリカの 方 ではそのような 支 援 の 要 請 がないとい うことがはっきりいたしましたので 私 どもとしてはそれ 以 上 の 検 討 を 行 うことは しなかったということでございます それに 対 して 米 軍 の 艦 船 に 対 する 給 油 整 備 につきましては その 態 様 が 比 較 的 長 時 間 にわたる 艦 船 の 行 動 全 体 に 対 して 行 われる すなわち 艦 船 の 燃 料 等 の 積 載 量 が 一 定 水 準 を 下 回 った 場 合 等 に 行 うものであって 個 々の 戦 闘 行 動 と 密 接 な 関 係 があるものとは 考 えられないので その 点 で 飛 行 機 と 艦 船 とは 個 々の 戦 闘 行 動 と の 関 係 という 観 点 からは 差 があるのではなかろうか ということで 航 空 機 について は 先 ほどのような 考 えを 述 べ 船 についてはそのようなことを 考 えるには 至 らなか ったということでございます 平 成 2 年 10 月 30 日 衆 PKO 特 委 柳 井 外 務 省 条 約 局 長 答 弁 武 力 行 使 と 一 体 となるかどうかという 点 につきましては いろいろな 具 体 的 な 状 況 を 総 合 的 に 判 断 して 判 定 する 必 要 があるわけでございます ただいま 何 を 提 供 するか 何 を 運 ぶかという 点 についての 御 指 摘 がございましたが 必 ずしも 何 を 提 供 するかということで 一 義 的 に 決 まるということではございませんで 戦 闘 行 動 が 7
行 われているところで これはきのうちょっと 私 の 方 からも 触 れましたけれども 例 えば 地 上 で 戦 闘 行 動 が 行 われている そこに 物 資 を 空 挺 部 隊 が 投 下 するというよ うな 場 合 には 武 力 行 使 と 一 体 となるというようなことが 考 えられるわけでございま す その 場 合 に どのような 物 資 を 投 下 するか どのような 物 資 を 補 給 するかとい うことは 必 ずしも 関 係 なく 仮 に 食 糧 のようなものでございましても 戦 闘 行 動 と 武 力 行 使 と 一 体 になるという 場 合 も 考 えられると 思 います 他 方 武 器 弾 薬 のよう なものでございましても 戦 闘 行 動 が 行 われている 場 所 から 非 常 に 離 れたところで それと 関 係 なく 補 給 を 行 うというようなことは 単 なる 補 給 活 動 として 戦 闘 行 動 とは 武 力 行 使 とは 一 体 とならない ということはあると 思 います 平 成 8 年 5 月 30 日 衆 外 務 委 秋 山 内 閣 法 制 局 第 一 部 長 答 弁 この 一 体 化 論 の 基 本 的 なところは 先 ほども 申 しましたように その 行 為 が 我 が 国 としての 武 力 行 使 などと 法 的 に 評 価 をされるかどうかという いわば 常 識 的 な 話 でございますので ある 意 味 では 常 識 的 な 判 断 をしていかざるを 得 ないと 思 います けれども ただいま その 行 為 の 態 様 とか 例 えば 非 常 に 武 力 行 使 に 密 接 な 行 為 で もって 支 援 を 行 うのか あるいはそうでない いわば 人 道 的 といいますか 通 常 市 民 が 受 けるようなサービスとして 行 われるのかとか そういうことも 考 慮 の 要 素 と して 考 えていくべきものであろうと 考 えまして したがいまして 我 が 国 の 領 域 内 で 行 う 医 療 活 動 などは 一 体 化 という 評 価 を 受 けることが 概 してないのではないか と いうふうに 申 し 上 げた 次 第 でございます 平 成 15 年 6 月 27 日 衆 イラク 特 委 石 破 防 衛 庁 長 官 答 弁 本 法 案 ( 注 :イラク 特 措 法 案 )に 基 づきます 安 全 確 保 支 援 活 動 は イラク 国 内 における 安 全 及 び 安 定 を 回 復 するために 行 われる 国 連 加 盟 国 の 活 動 を 支 援 する ために 我 が 国 が 実 施 する 医 療 輸 送 補 給 等 武 力 の 行 使 に 当 たらない 活 動 当 然 のことでございますが 武 力 の 行 使 に 当 たらない 活 動 をその 内 容 としておるわけで ありまして 武 器 弾 薬 の 輸 送 それ 自 体 は 憲 法 が 禁 じております 武 力 の 行 使 という ものに 当 たらないものでございます そしてまた この 地 域 は 非 戦 闘 地 域 になるわ けでありますから 一 体 化 という 問 題 も 生 じない 非 戦 闘 地 域 においてしか 行 わな いということは きのうも 答 弁 を 申 し 上 げたとおりでございます したがいまして 基 本 的 に 戦 闘 が 終 わっているイラクの 中 で イラク 復 興 のため の 国 際 社 会 の 取 り 組 みに 寄 与 することを 目 的 としておりますので あえてこれを 外 すということの 必 要 性 これが 認 められないということでございます きのうもお 答 えをいたしましたように 私 どもが 仮 に 武 器 弾 薬 の 輸 送 を 行 うこと がありましても それは 起 点 も 終 点 も 非 戦 闘 地 域 でございます ですから 当 然 武 器 弾 薬 の 輸 送 ということそれ 自 体 は 武 力 の 行 使 ではございません そして 非 戦 闘 地 域 において 行 うわけでございますから 一 体 化 という 問 題 も 生 じないわけでご ざいます したがいまして この 法 案 におきましてそのことを 排 除 していないとい う 理 屈 でございます 8
平 成 15 年 12 月 16 日 参 外 交 防 衛 委 小 泉 総 理 答 弁 基 本 計 画 この 支 援 法 の 中 では 武 器 弾 薬 も 輸 送 することはできると しかし 私 は 実 施 要 項 武 器 弾 薬 はしないと この 中 で それぞれ 協 力 する 場 合 に 自 衛 隊 員 だって 武 器 携 行 する 場 合 あるでしょう それも 武 器 弾 薬 の 輸 送 に 入 るかというと そこは 入 らないんじゃないですか 私 は そういう 面 において 兵 員 が 武 器 を 携 行 していく 場 合 それを 兵 員 を 輸 送 する 場 合 にそれは 武 器 お 互 い 協 力 活 動 をして いるわけですから そのときにまでこれまでも 武 器 弾 薬 の 輸 送 というふうには 言 え ないんじゃないか と 言 っているんです 平 成 16 年 2 月 10 日 衆 テロ イラク 特 委 石 破 防 衛 庁 長 官 答 弁 外 国 の 領 域 における 武 器 弾 薬 の 輸 送 につきましては それ 自 体 は 武 力 の 行 使 ではない また 活 動 地 域 はいわゆる 非 戦 闘 地 域 に 限 られておりますから 当 然 のことながら 憲 法 の 問 題 は 生 じない ということでございます しかしながら このような 憲 法 の 議 論 とは 別 にして 基 本 計 画 におきまして 我 が 国 の 活 動 は 人 道 復 興 支 援 活 動 が 中 心 である その 輸 送 も 人 道 復 興 関 連 物 資 が 対 象 となるというふうに 基 本 的 な 方 針 を 示 しておるものでございます 実 施 要 項 におき まして 人 道 復 興 支 援 活 動 か 安 全 確 保 支 援 活 動 か どちらかを 問 いませず 自 衛 隊 の 部 隊 が 物 品 の 輸 送 に 際 しては 武 器 の 輸 送 を 行 わない と 定 めておりますのは これは 法 的 な 要 請 ではございません 政 策 判 断 の 問 題 でございます ですから 先 生 御 賢 察 のとおり いや そういうところであれば 武 器 を 運 ぼうが 弾 薬 を 運 ぼうが 構 わぬではないかということを 言 われれば 憲 法 上 は 確 かにそのと おりということに 相 なりますでしょう しかしながら 憲 法 上 の 問 題 あるいは 法 律 的 な 問 題 ではなくて 政 策 判 断 として 武 器 ( 弾 薬 を 含 む )の 輸 送 は 行 わないと いうことを 実 施 要 項 に 定 めるのは 何 ら 不 自 然 なことではない と 考 えておる 次 第 で ございます 9
一 体 化 のおそれが 指 摘 された 後 方 支 援 の 例 平 成 2 年 10 月 29 日 衆 PKO 特 委 工 藤 内 閣 法 制 局 長 官 答 弁 過 去 に 問 題 があると 言 いましたようなケースにつきましては 例 えば 現 に 戦 闘 が 行 われているというふうなところでそういう 前 線 へ 武 器 弾 薬 を 供 給 するようなこと 輸 送 するようなこと あるいはそういった 現 に 戦 闘 が 行 われているような 医 療 部 隊 のところにいわば 組 み 込 まれるような 形 でと 申 しますか そういうふうな 形 でまさ に 医 療 活 動 をするような 場 合 こういうふうなのは 今 のような 点 から 見 て 問 題 があ ろう ということでございますし 逆 にそういう 戦 闘 行 為 のところから 一 線 を 画 され るようなところで そういうところまで 医 薬 品 や 食 料 品 を 輸 送 するようなこと こ ういうふうなことは 当 然 今 のような 憲 法 九 条 の 判 断 基 準 からして 問 題 はなかろう こういうことでございます したがいまして 両 端 はある 程 度 申 し 上 げられる こ ういうことだと 思 います 平 成 8 年 6 月 13 日 参 外 務 委 ( 矢 田 部 理 君 ) 問 題 設 問 のつくり 方 によるわけですが 現 に 戦 闘 行 動 を 行 ってい る 米 軍 これに 日 本 が 出 向 いていって 油 を 補 給 する これはだめでしょう 一 体 そ のものだ 重 要 な 集 団 自 衛 権 の 行 使 の 一 翼 を 担 っている さらには 戦 闘 行 動 を 行 っている 米 軍 の 兵 員 を 輸 送 する それから 武 器 弾 薬 をそこに 送 り 込 む それを 自 衛 隊 がやったら これは 違 憲 に 決 まっているじゃありませんか 結 論 だけどうです か ( 大 森 内 閣 法 制 局 長 官 )ただいま 非 常 に 限 定 された 所 与 の 条 件 のもとでどうである かという 御 質 問 でございますけれども 確 かにそのような 限 定 された 条 件 になりま すと 米 軍 の 武 力 による 行 使 あるいは 武 力 による 威 嚇 と 一 体 化 されていると 判 断 で きる 可 能 性 が 非 常 に 高 まる とは 言 えようかと 思 います 平 成 2 年 10 月 30 日 衆 PKO 特 委 柳 井 外 務 省 条 約 局 長 答 弁 武 力 行 使 と 一 体 となるかどうかという 点 につきましては いろいろな 具 体 的 な 状 況 を 総 合 的 に 判 断 して 判 定 する 必 要 があるわけでございます ただいま 何 を 提 供 するか 何 を 運 ぶかという 点 についての 御 指 摘 がございましたが 必 ずしも 何 を 提 供 するかということで 一 義 的 に 決 まるということではございませんで 戦 闘 行 動 が 行 われているところで これはきのうちょっと 私 の 方 からも 触 れましたけれども 例 えば 地 上 で 戦 闘 行 動 が 行 われている そこに 物 資 を 空 挺 部 隊 が 投 下 するというよ うな 場 合 には 武 力 行 使 と 一 体 となるというようなことが 考 えられるわけでございま す その 場 合 に どのような 物 資 を 投 下 するか どのような 物 資 を 補 給 するかとい うことは 必 ずしも 関 係 なく 仮 に 食 糧 のようなものでございましても 戦 闘 行 動 と 武 力 行 使 と 一 体 になるという 場 合 も 考 えられると 思 います 他 方 武 器 弾 薬 のよう なものでございましても 戦 闘 行 動 が 行 われている 場 所 から 非 常 に 離 れたところで それと 関 係 なく 補 給 を 行 うというようなことは 単 なる 補 給 活 動 として 戦 闘 行 動 とは 武 力 行 使 とは 一 体 とならないということはあると 思 います 10
平 成 11 年 4 月 15 日 衆 ガイドライン 特 委 大 森 内 閣 法 制 局 長 官 答 弁 ただいま 委 員 が 指 摘 された 答 弁 というのは 平 成 十 一 年 一 月 二 十 八 日 の 衆 議 院 予 算 委 員 会 の 赤 松 正 雄 委 員 の 質 問 に 対 する 私 の 答 弁 部 分 であろうかと 思 います 手 元 の 資 料 を 見 ておりましたら 大 体 正 確 にそのような 発 言 をしていることは 間 違 いご ざいません そこで 飛 行 機 について 航 空 機 についてはそのように 考 え 船 についてはそのよ うに 考 えないのはなぜかということでございますが これは 戦 闘 作 戦 行 動 に 発 進 準 備 中 の 航 空 機 に 対 する 給 油 及 び 支 援 につきましては 個 々の 作 戦 行 動 のたびに 必 要 なもののみを 給 油 するという 態 様 で 行 われるということであろうと 思 います し たがいまして 個 々の 戦 闘 行 動 との 密 接 な 関 係 があるのではないかということから 慎 重 な 検 討 を 必 要 とするというふうに 考 えた わけでございますが これも 既 に 別 の 機 会 で 述 べていますように アメリカの 方 ではそのような 支 援 の 要 請 がないという ことがはっきりいたしましたので 私 どもとしてはそれ 以 上 の 検 討 を 行 うことはし なかったということでございます それに 対 して 米 軍 の 艦 船 に 対 する 給 油 整 備 につきましては その 態 様 が 比 較 的 長 時 間 にわたる 艦 船 の 行 動 全 体 に 対 して 行 われる すなわち 艦 船 の 燃 料 等 の 積 載 量 が 一 定 水 準 を 下 回 った 場 合 等 に 行 うものであって 個 々の 戦 闘 行 動 と 密 接 な 関 係 があるものとは 考 えられないので その 点 で 飛 行 機 と 艦 船 とは 個 々の 戦 闘 行 動 と の 関 係 という 観 点 からは 差 があるのではなかろうかということで 航 空 機 について は 先 ほどのような 考 えを 述 べ 船 についてはそのようなことを 考 えるには 至 らなか ったということでございます 11
駆 け 付 け 警 護 任 務 遂 行 のための 武 器 使 用 及 び 領 域 国 の 同 意 に 基 づく 邦 人 救 出 関 連 国 会 答 弁 平 成 15 年 5 月 15 日 参 外 交 防 衛 委 宮 崎 内 閣 法 制 局 第 1 部 長 答 弁 お 尋 ねのように 自 衛 隊 の 部 隊 の 所 在 地 からかなり 離 れた 場 所 に 所 在 します 他 国 の 部 隊 なり 隊 員 さんの 下 に 駆 け 付 けて 武 器 使 用 するという 場 合 は 我 が 国 の 自 衛 官 自 身 の 生 命 又 は 身 体 の 危 険 が 存 在 しない 場 合 の 武 器 使 用 だという 前 提 だというお 尋 ねだと 思 います 御 案 内 のとおり 現 在 現 行 いわゆるPKO 法 の24 条 に 定 めます 武 器 使 用 とい いますのは 細 かく 申 しませんけれども そこの 要 件 に 当 たります 武 器 使 用 であれ ば それはいわば 自 己 保 存 のための 自 然 権 的 権 利 というべきものであるので 仮 に その 攻 撃 者 が 国 又 は 国 に 準 ずる 組 織 だという 場 合 にありましても それを 含 めて そのような 要 件 に 該 当 する 武 器 使 用 であれば 憲 法 第 9 条 の 禁 ずる 武 力 の 行 使 には 当 たらないと 解 しておるわけでございますけれども 今 お 尋 ねのような 場 合 でござい ますと 我 が 国 自 衛 官 の 生 命 身 体 の 危 険 はとりあえずないという 前 提 でございま すので このような 場 合 に 駆 け 付 けて 武 器 を 使 用 するということは いわば 自 己 保 存 のための 自 然 権 的 権 利 というべきものという 説 明 はできないわけでございます さて そうだとするとどうなるのかということなんでございますが そうします と 当 時 平 成 3,4 年 の 国 会 論 議 でも 御 説 明 を 多 々いたしたと 思 いますけれども その 駆 け 付 けて 応 援 しようとした 対 象 の 事 態 ある 今 お 尋 ねの 攻 撃 をしているその 主 体 という 者 が 国 又 は 国 に 準 ずる 者 である 場 合 もあり 得 るわけでございまして そ うでありますと それは 国 際 紛 争 を 解 決 する 手 段 としての 武 力 の 行 使 ということに 及 ぶことが 及 びかねないということになるわけでございまして そうであります と 憲 法 9 条 の 禁 じます 武 力 の 行 使 に 当 たるおそれがあるというふうに 考 えてきた わけでございます したがって これを 逆 に 申 しますと 逆 に 申 し 上 げれば 例 えば 相 手 方 が 単 なる 犯 罪 集 団 であることがはっきりしているという 場 合 など これに 対 する 武 器 使 用 が 国 際 紛 争 を 解 決 する 手 段 としての 武 力 の 行 使 に 当 たるおそれがないんだという 状 況 を 前 提 にすることができるという 場 合 がありますれば それは 別 途 そういう 立 法 措 置 を 取 るべきだということは 別 にいたしまして 憲 法 上 はそのような 武 器 使 用 が 許 容 される 余 地 がないとは 言 えない というふうに 抽 象 的 にはかように 考 えておるわ けでございます 平 成 19 年 11 月 1 日 衆 テロ イラク 特 委 宮 崎 内 閣 法 制 局 長 官 一 般 的 に 申 し 上 げれば 警 護 というものは 内 容 あるいは 対 象 について 何 を 考 えるか さまざまでございますけれども かなりの 程 度 概 して 言 えばという か 物 によってはといいますか その 任 務 を 十 全 に 遂 行 達 成 するためには 武 器 の 使 用 要 件 というものが 現 在 のPKO 法 であれば24 条 テロ 特 措 法 であれば12 条 に 規 定 されている 要 件 で 十 分 であるかという 問 題 すなわち これまでなぜそれ が 憲 法 上 問 題 でないとされていたかというと それは いわば 自 己 保 存 のための 自 12
然 権 的 権 利 というべきものだからということで 定 式 化 されてきたものを 超 えるもの が 必 要 じゃないかという 問 題 を 随 伴 するということであるために それが 今 まで 実 現 しなかったのだというふうに 思 います そうでありますと そのようないわゆる 自 己 保 存 のための 武 器 使 用 というものを 超 えるものが 全 部 だめだということを 申 し 上 げているわけではございませんけれど も そういう 武 器 使 用 をした 場 合 に その 武 器 使 用 の 相 手 方 が いわゆる 国 または 国 に 準 ずる 者 組 織 といったものに 対 して 行 った 場 合 には やはり 憲 法 9 条 の 禁 ず る 武 力 の 行 使 に 当 たるおそれがあるという 問 題 もつとに 指 摘 されてきたわけであり まして したがいまして 例 えば 仮 に 武 器 使 用 の 相 手 方 が 単 なる 犯 罪 集 団 であるこ とが 明 確 な 場 合 など その 武 器 使 用 が 武 力 の 行 使 に 当 たるおそれがないと 言 えるよ うな 枠 組 みを 設 定 することができる 場 合 があれば お 尋 ねのような 任 務 を 遂 行 する ための 武 器 使 用 でありましても 憲 法 上 許 容 されないわけではない その 旨 はこれま でも 申 し 上 げてきているわけでございます 13
集 団 的 自 衛 権 と 憲 法 との 関 係 に 関 する 政 府 資 料 ( 昭 和 47 年 10 月 14 日 参 決 算 委 員 会 提 出 資 料 ) 政 府 は 従 来 から 一 貫 して わが 国 は 国 際 法 上 いわゆる 集 団 的 自 衛 権 を 有 しているとしても 国 権 の 発 動 としてこれを 行 使 することは 憲 法 の 容 認 する 自 衛 の 措 置 の 限 界 をこえるものであって 許 されないとの 立 場 に 立 っているが これは 次 のような 考 え 方 に 基 づくものである 憲 法 は 第 9 条 において 同 条 にいわゆる 戦 争 を 放 棄 し いわゆる 戦 力 の 保 持 を 禁 止 しているが 前 文 において 全 世 界 の 国 民 が 平 和 のうちに 生 存 する 権 利 を 有 する ことを 確 認 し また 第 13 条 において 生 命 自 由 及 び 幸 福 追 求 に 対 する 国 民 の 権 利 については 国 政 の 上 で 最 大 の 尊 重 を 必 要 とする 旨 を 定 めている ことからも わが 国 がみずからの 存 立 を 全 うし 国 民 が 平 和 のうちに 生 存 することま でも 放 棄 していないことは 明 らかであって 自 国 の 平 和 と 安 全 を 維 持 しその 存 立 を 全 うするために 必 要 な 自 衛 の 措 置 をとることを 禁 じているとはとうてい 解 せない しかしながら だからといって 平 和 主 義 をその 基 本 原 則 とする 憲 法 が 右 にいう 自 衛 のための 措 置 を 無 制 限 に 認 めているとは 解 されないのであって それは あく までも 外 国 の 武 力 攻 撃 によって 国 民 の 生 命 自 由 及 び 幸 福 追 求 の 権 利 が 根 底 からく つがえされるという 急 迫 不 正 の 事 態 に 対 処 し 国 民 のこれらの 権 利 を 守 るための 止 むを 得 ない 措 置 としてはじめて 容 認 されるものであるから その 措 置 は 右 の 事 態 を 排 除 するためとられるべき 必 要 最 小 限 度 の 範 囲 にとどまるべきものである そ うだとすれば わが 憲 法 の 下 で 武 力 行 使 を 行 うことが 許 されるのは わが 国 に 対 する 急 迫 不 正 の 侵 害 に 対 処 する 場 合 に 限 られるのであって したがって 他 国 に 加 えられた 武 力 攻 撃 を 阻 止 することをその 内 容 とするいわゆる 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 は 憲 法 上 許 されないといわざるを 得 ない 14
事 例 8: 邦 人 輸 送 中 の 米 輸 送 艦 の 防 護 衆 武 力 事 態 対 処 特 委 福 田 官 房 長 官 答 弁 ( 平 成 14 年 07 月 03 日 ) 憲 法 九 条 のもとで 許 容 されております 自 衛 権 の 発 動 としての 武 力 の 行 使 につきま しては 政 府 は 従 来 から 自 衛 権 発 動 は 三 要 件 に 該 当 する そういう 場 合 に 限 ら れているという 解 釈 をしてきておりますけれども 一 般 に お 尋 ねの 経 済 的 権 益 や 在 外 邦 人 の 保 護 のための 武 力 の 行 使 がこの 要 件 を 満 たすことはなく 我 が 国 がその ようなことを 目 的 として 武 力 を 行 使 することは 許 されない と 考 えております 衆 安 保 特 委 大 森 内 閣 法 制 局 長 官 答 弁 ( 平 成 3 年 03 月 13 日 ) 外 国 において 日 本 人 の 生 命 身 体 財 産 または 日 本 政 府 の 機 関 が 危 殆 に 瀕 し ているという 場 合 に ただいま 申 し 上 げました 三 つの 要 件 を 果 たして 満 たすのであ ろうか 特 に 第 一 要 件 である 我 が 国 に 対 する 急 迫 不 正 の 侵 害 があることという 要 件 を 満 たすのであろうかということを 考 えてみますと これも 断 定 的 なお 答 えをする ことができない 場 合 ではあろうと 思 いますが 一 般 的 には 直 ちにこれらの 要 件 に 該 当 するとは 考 えられないのではなかろうか したがって 該 当 しない 限 りは 自 衛 隊 を 外 国 に 派 遣 するということは 憲 法 上 認 められない という 結 論 になるということでご ざいます もう 一 つは 公 海 上 においてということになりますと 日 本 の 船 舶 あるいは 外 国 の 船 舶 に 乗 っている 日 本 の 国 民 が 危 害 を 加 えられる 事 態 に 瀕 している 場 合 はどうか こういうことになるわけでございますが その 場 合 におきましても こ の 三 要 件 の うちの 第 一 要 件 を 満 たしているかどうかということとの 関 係 におきましては やは りただいま 申 し 上 げたのと 同 じ 問 題 ではなかろうか というふうに 一 般 的 には 考 えて おります 事 例 9: 武 力 攻 撃 を 受 けている 米 艦 の 防 護 衆 議 院 議 員 楢 崎 弥 之 助 君 提 出 最 近 の 防 衛 力 増 強 に 関 する 質 問 に 対 する 答 弁 書 ( 昭 和 55 年 10 月 14 日 ) 二 について 質 問 が 我 が 国 の 領 域 外 の 海 上 交 通 路 において 我 が 国 以 外 の 国 に 対 する 武 力 攻 撃 に 対 処 するため 自 衛 隊 が 当 該 国 と 共 同 して 武 力 行 使 をすることができるかとい う 意 味 であれば このような 自 衛 隊 の 行 動 は 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 であり 憲 法 の 認 めているところではない と 考 えている 15
事 例 10: 強 制 的 な 停 船 検 査 参 予 算 委 岸 田 外 務 大 臣 答 弁 ( 平 成 26 年 3 月 7 日 ) 国 際 法 上 公 海 において 船 舶 は 一 般 にその 旗 国 以 外 の 国 の 執 行 管 轄 権 には 服 する ことはないとの 旗 国 主 義 の 原 則 があります しかしながら この 船 舶 が 国 籍 を 有 し ていない 場 合 など 当 該 船 舶 を 臨 検 することができるほか 経 済 制 裁 の 実 効 性 を 確 保 するために 国 連 安 保 理 決 議 に 基 づき 行 われる 船 舶 検 査 等 についても 旗 国 以 外 の 国 が 行 うことができるとされています 国 際 法 上 の 武 力 の 行 使 については この 国 連 憲 章 第 二 条 四 において すべての 加 盟 国 は その 国 際 関 係 において 武 力 による 威 嚇 又 は 武 力 の 行 使 を いかなる 国 の 領 土 保 全 又 は 政 治 的 独 立 に 対 するものも また 国 際 連 合 の 目 的 と 両 立 しない 他 の いかなる 方 法 によるものも 慎 まなければならない このように 規 定 しております よって この 武 力 の 行 使 に 当 たるかどうかという 御 質 問 につきまして 個 々の 事 案 に 応 じて 判 断 する 必 要 がありますので 一 概 にお 答 えするのは 困 難 ですが 一 般 論 として 申 し 上 げるならば 外 国 船 舶 に 対 して 国 際 法 上 の 正 当 な 法 的 根 拠 なく 実 力 の 行 使 を 伴 う 強 制 的 措 置 をとれば そのような 行 為 が 武 力 の 行 使 と 評 価 される 可 能 性 否 定 はできません 参 防 衛 指 針 特 委 大 森 内 閣 法 制 局 長 官 答 弁 ( 平 成 11 年 5 月 12 日 ) 安 保 理 決 議 に 基 づく 船 舶 検 査 活 動 は 我 が 国 の 治 安 維 持 を 目 的 として 行 われ る 警 察 活 動 ではなく 国 連 憲 章 第 七 章 の 安 保 理 の 権 限 のもとで 行 われる 集 団 的 安 全 保 障 措 置 の 一 環 であり 集 団 的 安 全 保 障 措 置 につきましては そのうち 憲 法 九 条 に よって 禁 じられている 武 力 の 行 使 または 武 力 の 威 嚇 に 当 たる 行 為 については 我 が 国 としてこれを 行 うことは 許 されないと 従 前 から 考 えているところでございます したがいまして 集 団 的 安 全 保 障 措 置 の 一 環 である 船 舶 検 査 活 動 において 警 告 射 撃 等 を 行 うことを 内 容 とする 法 案 につきましては そのような 行 為 を 伴 う 船 舶 検 査 活 動 が 制 裁 対 象 国 及 び 船 舶 の 旗 国 との 関 係 で 憲 法 九 条 が 禁 止 する 武 力 の 行 使 または 武 力 による 威 嚇 に 当 たらないかどうかについてさらに 慎 重 な 検 討 がなされる 必 要 が ある 問 題 である このように 私 どもは 現 在 のところ 考 えております 参 外 交 防 衛 委 小 松 外 務 省 国 際 法 局 長 答 弁 ( 平 成 18 年 10 月 24 日 ) 臨 検 船 舶 検 査 貨 物 検 査 その 概 念 の 関 係 についての 御 質 問 ございましたので 私 の 方 から 御 説 明 をさせていただきます 一 般 には 国 際 法 上 臨 検 と 申 しますのは 極 めて 限 定 的 な 場 合 に 公 海 において 旗 国 主 義 という 原 則 がございますので この 例 外 といたしまして 軍 艦 公 船 に 認 め られる 外 国 船 舶 を 取 り 締 まるための 強 制 的 措 置 をいうということでございまして 具 体 的 には 海 賊 でございますとか 奴 隷 取 引 などの 取 締 りについて 認 められる 国 連 海 洋 法 条 約 に 基 づく 臨 検 平 時 における 臨 検 というのがございます それと いわゆる 戦 争 が 違 法 でなかった 時 代 の 伝 統 的 な 国 際 法 の 下 で 認 められて いたいわゆる 戦 時 臨 検 と 言 われるものもございますが 現 代 の 国 際 法 の 下 において は この 戦 時 臨 検 というものは 武 力 行 使 の 一 環 として その 武 力 行 使 が 国 連 憲 章 上 認 められる 場 合 に 限 られるというふうに 御 理 解 をいただければと 思 います 16
いわゆる 船 舶 検 査 でございますが これについては 国 際 法 上 定 まった 概 念 があ るわけではございません ただ 一 般 的 には 経 済 制 裁 でございますとか 大 量 破 壊 兵 器 の 拡 散 防 止 等 について 国 際 社 会 がこれをやろうということになった 場 合 に そ の 実 効 性 確 保 のために 洋 上 における 船 舶 の 積 荷 の 検 査 を 行 う このことを 船 舶 検 査 と 言 っております 臨 検 とは 異 なりまして 国 際 法 上 の 権 利 ではございませんので 公 海 においては 安 保 理 決 議 により 受 忍 義 務 が 課 されない 限 り 乗 船 の 前 提 として 旗 国 の 同 意 が 必 要 とされるということでございます 次 に 貨 物 検 査 でございますが これは 安 保 理 決 議 千 七 百 十 八 号 で 使 用 された 特 定 の 用 語 でございまして この 決 議 は 国 連 加 盟 国 に 対 して 必 要 に 応 じて 自 国 の 国 内 法 上 の 権 限 及 び 国 内 法 令 に 従 い かつ 国 際 法 に 適 合 する 範 囲 で 貨 物 の 検 査 を 含 む 協 力 行 動 を 取 ることを 要 請 しているということは 御 案 内 のとおりでございます また この 貨 物 の 検 査 と 船 舶 検 査 との 関 係 でございますが この 貨 物 の 検 査 は 洋 上 における 検 査 に 限 らず 港 でございますとか また 陸 続 き 陸 上 における 検 査 等 も 含 んでおるということでございます また この 決 議 に 基 づいていかなる 措 置 をとるかは 各 国 がそれぞれの 国 内 法 制 に 基 づき 判 断 することとされております 17
事 例 11: 米 国 に 向 け 我 が 国 上 空 を 横 切 る 弾 道 ミサイル 迎 撃 衆 安 保 委 阪 田 内 閣 法 制 局 長 官 答 弁 ( 平 成 17 年 2 月 24 日 ) ある 国 からほかの 国 に 対 してミサイルが 発 射 された それがその 国 の 武 力 攻 撃 の 一 環 としてなされたものであるということだとすれば それを 他 国 に 向 けて 飛 行 するその 弾 道 ミサイルを 自 衛 隊 が 撃 墜 するという 行 為 は 我 が 国 に 対 する 武 力 攻 撃 はまだ 発 生 していないという 今 の 先 生 の 前 提 で 申 し 上 げますと にもかかわら ず 我 が 国 がそれを 撃 墜 するわけですから 我 が 国 の 武 力 行 使 にほかならない という ふうに 評 価 できると 思 います そうだとしますと そういう 中 で 我 が 国 が 武 力 行 使 をするということは ちょっと 憲 法 上 疑 義 がある といいますか どういう 根 拠 で 武 力 の 行 使 ができるのかということになるのではないかというふうに 考 えております 全 く 我 が 国 に 被 害 がもたらされるおそれがない ただ 武 力 攻 撃 としてA 国 か らB 国 に 飛 ばされている 弾 道 ミサイルを 途 中 で 邪 魔 をするという 行 為 は これは いかなる 意 味 でも 警 察 活 動 と 言 うことはできない わけですね これは 武 力 の 行 使 まさに 実 力 をもってこれを 阻 止 するということに 当 たるとしか 言 えないということ でありますから 警 察 権 の 行 使 とは 言 えない というふうに 申 し 上 げているわけです 衆 安 保 委 横 畠 内 閣 法 制 局 第 二 部 長 答 弁 ( 平 成 17 年 3 月 25 日 ) 他 国 に 向 かう 弾 道 ミサイルにつきましては それが 実 際 に 他 国 に 対 する 武 力 攻 撃 であったならば それを 我 が 国 が 撃 墜 するということは やはり 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 と 評 価 せざるを 得 ない のではないかと 考 えておりまして それを 我 が 国 が 行 うということにつきましては やはり 憲 法 上 の 問 題 を 生 じ 得 る のではないかと 考 え ているところでございます 18
事 例 12: 弾 道 ミサイル 発 射 警 戒 時 の 米 艦 防 護 衆 予 算 委 小 野 寺 防 衛 大 臣 答 弁 ( 平 成 26 年 5 月 28 日 ) ( 中 谷 ( 元 ) 委 員 ) アメリカのこういった 弾 道 ミサイルを 発 射 警 戒 中 のセンサーを 有 した 艦 艇 が 攻 撃 されるとか 危 険 なときに では 今 の 日 本 の 自 衛 隊 これが 防 御 できるか どうか これについては 防 衛 大 臣 いかがですか ( 小 野 寺 防 衛 大 臣 ) 日 本 が 攻 撃 される 前 に 米 艦 米 国 の 例 えばイージス 艦 等 が 攻 撃 された 場 合 には 現 在 の 状 況 では できないというふうに 判 断 せざるを 得 ないと 思 います 衆 議 院 議 員 楢 崎 弥 之 助 君 提 出 最 近 の 防 衛 力 増 強 に 関 する 質 問 に 対 する 答 弁 書 ( 昭 和 55 年 10 月 14 日 ) 二 について 質 問 が 我 が 国 の 領 域 外 の 海 上 交 通 路 において 我 が 国 以 外 の 国 に 対 する 武 力 攻 撃 に 対 処 するため 自 衛 隊 が 当 該 国 と 共 同 して 武 力 行 使 をすることができるかとい う 意 味 であれば このような 自 衛 隊 の 行 動 は 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 であり 憲 法 の 認 めているところではない と 考 えている 事 例 13: 米 本 土 が 武 力 攻 撃 を 受 け 我 が 国 近 隣 で 作 戦 を 行 う 時 の 米 艦 防 護 衆 議 院 議 員 楢 崎 弥 之 助 君 提 出 最 近 の 防 衛 力 増 強 に 関 する 質 問 に 対 する 答 弁 書 ( 昭 和 55 年 10 月 14 日 ) 二 について 質 問 が 我 が 国 の 領 域 外 の 海 上 交 通 路 において 我 が 国 以 外 の 国 に 対 する 武 力 攻 撃 に 対 処 するため 自 衛 隊 が 当 該 国 と 共 同 して 武 力 行 使 をすることができるかとい う 意 味 であれば このような 自 衛 隊 の 行 動 は 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 であり 憲 法 の 認 めているところではない と 考 えている 19
事 例 14: 国 際 的 な 機 雷 掃 海 活 動 への 参 加 衆 予 算 委 横 畠 内 閣 法 制 局 長 官 答 弁 ( 平 成 26 年 5 月 28 日 ) ( 中 谷 ( 元 ) 委 員 ) よく ペルシャ 湾 ホルムズ 海 峡 が 機 雷 で 封 鎖 という 実 例 もありますが 機 雷 の 敷 設 というのは 武 力 行 使 なんですね それをのけることも 武 力 行 使 でありまし て 国 連 の 決 議 等 ができて 各 国 がそれを 除 去 しているときに 日 本 が 参 加 できるの かできないのか いろいろな 議 論 がありますが これは 実 際 機 雷 の 除 去 に 各 国 とともに 参 加 できるんでしょうか ( 横 畠 内 閣 法 制 局 長 官 ) 御 指 摘 のありました 我 が 国 に 対 する 武 力 攻 撃 が 発 生 していない 場 合 におけるそ のような 機 雷 の 除 去 につきましては 我 が 国 に 対 する 武 力 攻 撃 が 発 生 した 場 合 に 限 り 自 衛 権 の 行 使 が 可 能 であるとする 現 在 の 憲 法 解 釈 のもとでは 行 うことがで きないものと 考 えられます 参 内 閣 委 大 森 内 閣 法 制 局 長 官 答 弁 ( 平 成 9 年 6 月 16 日 ) 機 雷 の 除 去 が 武 力 の 行 使 に 当 たるか 否 か これはいかなる 具 体 的 な 状 況 のもとで またいかなる 態 様 で 行 われるか 等 により 判 断 さるべきものでございまして 一 概 に 言 うことは 困 難 であるわけでございますが 一 般 的 に 申 し 上 げますと 外 国 により 武 力 行 使 の 一 環 として 敷 設 されている 機 雷 を 除 去 する 行 為 これは 一 般 にその 外 国 に 対 する 戦 闘 行 動 として 武 力 の 行 使 に 当 たると 解 せられます したがいまして 自 衛 権 発 動 の 要 件 を 充 足 する 場 合 に 自 衛 行 動 の 一 環 として 行 うこと これは 憲 法 が 禁 止 するものではございません しかしながら それ 以 外 の 場 合 には 憲 法 上 認 められ ないのではないか と 考 えている 次 第 でございます これに 対 しまして 遺 棄 された 機 雷 など 外 国 による 武 力 攻 撃 の 一 環 としての 意 味 を 有 しない 機 雷 を 除 去 するということは 単 に 海 上 の 危 険 物 を 除 去 するにとどまり その 外 国 に 対 する 戦 闘 行 動 には 当 たりませんので 憲 法 上 禁 止 されるものではない と これが 機 雷 の 掃 海 に 関 する 私 どもの 基 本 的 な 考 え 方 でございます 参 内 閣 委 秋 山 防 衛 庁 防 衛 局 長 答 弁 ( 平 成 9 年 6 月 16 日 ) 先 ほど 法 制 局 長 官 から 答 弁 がありましたように 武 力 攻 撃 の 一 環 として 敷 設 され ている 機 雷 を 除 去 することは 外 国 に 対 する 対 戦 行 動 と 考 えられるから その 中 でい わば 自 衛 隊 法 第 七 十 六 条 自 衛 権 の 行 使 という 範 囲 に 入 るものは 憲 法 上 可 能 である けれども それ 以 外 は 禁 止 されているということを 先 ほど 述 べたわけでございます したがいまして 武 力 攻 撃 の 一 環 として 敷 設 されている 機 雷 と 認 められるもののう ち 我 が 国 に 対 する 武 力 行 使 あるいは 自 衛 隊 法 第 七 十 六 条 に 言 うところの 防 衛 出 動 の 分 野 に 入 ってこないものについて 我 が 国 がこれを 掃 海 するということは 憲 法 上 認 められていない と 考 えるわけでございます しかし 武 力 攻 撃 の 一 環 として 敷 設 されている 機 雷 とはどうなのか あるいはそ れ 以 外 の 機 雷 はどうなのかという 結 局 判 断 の 問 題 がそこにあるわけでございまして 先 般 もちょっと 御 答 弁 申 し 上 げましたけれども 機 雷 というのは 非 常 に 特 異 な 性 格 20
を 持 っている 攻 撃 が 無 差 別 である あるいは 待 ち 伏 せ 型 兵 器 である あるいはコ ントロールが 困 難 となるということでありますので 機 雷 を 単 に 敷 設 したことのみ をもって 武 力 攻 撃 の 一 環 として 敷 設 された 機 雷 とは 言 えないのではないかと 敷 設 国 が 武 力 攻 撃 を 容 易 にするため 相 手 国 の 港 湾 を 封 鎖 する 等 の 武 力 攻 撃 の 目 的 を 持 っており その 武 力 攻 撃 の 目 的 のために 機 雷 を 敷 設 し かつかかる 敷 設 目 的 が 維 持 されている 機 雷 が 武 力 攻 撃 の 一 環 として 敷 設 されている 機 雷 である というふう に 考 えるわけであります したがいまして 他 方 それ 以 外 の 機 雷 すなわち もと もと 武 力 攻 撃 の 一 環 として 敷 設 されたものでない 機 雷 または 一 たんは 武 力 攻 撃 の 一 環 として 敷 設 されたがその 後 はその 目 的 が 失 われた 機 雷 については 武 力 攻 撃 の 一 環 として 敷 設 されている 機 雷 には 当 たらないと 考 える わけでございます このような 機 雷 の 判 別 につきましては 敷 設 国 の 意 思 の 表 明 ですとか 当 該 機 雷 の 敷 設 海 域 ですとか あるいは 当 該 機 雷 の 性 質 浮 遊 しているか 停 止 されているか 等 々 それから 敷 設 の 態 様 戦 闘 全 般 の 状 況 周 囲 の 国 際 情 勢 こういった 要 素 を 総 合 的 に 勘 案 し 判 断 すべき かつ 判 断 できると 考 えているところでございます 参 内 閣 委 大 森 内 閣 法 制 局 長 官 答 弁 ( 平 成 9 年 6 月 16 日 ) 機 雷 の 除 去 が 武 力 の 行 使 に 当 たるか 否 か これはいかなる 具 体 的 な 状 況 のもとで またいかなる 態 様 で 行 われるか 等 により 判 断 さるべきものでございまして 一 概 に 言 うことは 困 難 であるわけでございますが 一 般 的 に 申 し 上 げますと 外 国 により 武 力 行 使 の 一 環 として 敷 設 されている 機 雷 を 除 去 する 行 為 これは 一 般 にその 外 国 に 対 する 戦 闘 行 動 として 武 力 の 行 使 に 当 たると 解 せられます したがいまして 自 衛 権 発 動 の 要 件 を 充 足 する 場 合 に 自 衛 行 動 の 一 環 として 行 うこと これは 憲 法 が 禁 止 するものではございません しかしながら それ 以 外 の 場 合 には 憲 法 上 認 められ ないのではないか と 考 えている 次 第 でございます これに 対 しまして 遺 棄 された 機 雷 など 外 国 による 武 力 攻 撃 の 一 環 としての 意 味 を 有 しない 機 雷 を 除 去 するということは 単 に 海 上 の 危 険 物 を 除 去 するにとどまり その 外 国 に 対 する 戦 闘 行 動 には 当 たりませんので 憲 法 上 禁 止 されるものではない と これが 機 雷 の 掃 海 に 関 する 私 どもの 基 本 的 な 考 え 方 でございます 21
事 例 15: 民 間 船 舶 の 国 際 共 同 護 衛 参 議 院 予 算 委 員 会 における 政 府 統 一 見 解 ( 昭 和 58 年 3 月 15 日 ) 3. 国 際 法 上 公 海 において 船 舶 が 攻 撃 を 受 けた 場 合 個 別 的 自 衛 権 の 行 使 とし て その 攻 撃 を 排 除 し 得 る 立 場 にあるのは 原 則 として 当 該 船 舶 の 旗 国 である 衆 安 保 特 委 大 森 内 閣 法 制 局 長 官 答 弁 ( 平 成 3 年 03 月 13 日 ) 外 国 において 日 本 人 の 生 命 身 体 財 産 または 日 本 政 府 の 機 関 が 危 殆 に 瀕 し ているという 場 合 に ただいま 申 し 上 げました 三 つの 要 件 を 果 たして 満 たすのであ ろうか 特 に 第 一 要 件 である 我 が 国 に 対 する 急 迫 不 正 の 侵 害 があることという 要 件 を 満 たすのであろうかということを 考 えてみますと これも 断 定 的 なお 答 えをする ことができない 場 合 ではあろうと 思 いますが 一 般 的 には 直 ちにこれらの 要 件 に 該 当 するとは 考 えられないのではなかろうか したがって 該 当 しない 限 りは 自 衛 隊 を 外 国 に 派 遣 するということは 憲 法 上 認 められないという 結 論 になるということでご ざいます もう 一 つは 公 海 上 においてということになりますと 日 本 の 船 舶 あるいは 外 国 の 船 舶 に 乗 っている 日 本 の 国 民 が 危 害 を 加 えられる 事 態 に 瀕 している 場 合 はどうか こういうことになるわけでございますが その 場 合 におきましても こ の 三 要 件 の うちの 第 一 要 件 を 満 たしているかどうかということとの 関 係 におきましては やは りただいま 申 し 上 げたのと 同 じ 問 題 ではなかろうか というふうに 一 般 的 には 考 えて おります 22
参 考 その 他 の 関 連 国 会 答 弁 等 衆 安 保 委 秋 山 内 閣 法 制 局 長 官 答 弁 ( 平 成 15 年 5 月 16 日 ) 先 ほどから 申 し 上 げていることは 我 が 国 に 対 する 武 力 攻 撃 の 発 生 というこ とでございまして 我 が 国 を 防 衛 するために 出 動 して 公 海 上 にある 米 国 の 軍 艦 に 対 する 攻 撃 が 状 況 によっては 先 ほど 申 しましたような 我 が 国 に 対 する 武 力 攻 撃 の 端 緒 といいますか 着 手 といいますか そういう 状 況 として 判 断 されることがあ り 得 るのではないか ということを 申 し 上 げているわけでございます 参 イラク 特 委 秋 山 内 閣 法 制 局 長 官 答 弁 ( 平 成 16 年 6 月 10 日 ) 我 が 国 に 来 援 のために 向 かっている 米 軍 が 公 海 上 で 攻 撃 を 受 けたという 場 合 に 我 が 国 としてどのような 対 応 ができるかという 問 題 は そのような 攻 撃 が 自 衛 権 発 動 の 要 件 のうち 我 が 国 に 対 する 武 力 攻 撃 の 発 生 に 該 当 するかどうかというこ とで 決 まるわけでございます それで 理 論 的 にはこれが 我 が 国 に 対 する 組 織 的 計 画 的 な 武 力 の 行 使 と 認 定 さ れるかどうかという 問 題 でございまして 個 別 の 事 実 関 係 において 十 分 慎 重 に 判 断 すべきものでありますが 仮 に 当 該 攻 撃 が 我 が 国 に 対 する 武 力 攻 撃 に 該 当 すると 判 断 されるということも 法 理 としては 排 除 されない というのが 政 府 の 考 え 方 でござい ます この 場 合 には 我 が 国 として 自 衛 権 を 発 動 して 武 力 を 行 使 し 我 が 国 を 防 衛 する ための 行 為 の 一 環 として 当 該 米 艦 の 防 衛 をすることもあり 得 る 法 理 的 にはあり 得 るものと 考 えます ( 武 力 攻 撃 ) 予 測 事 態 と 認 定 されているか 否 かを 問 わず 我 が 国 来 援 のために 向 かっている 米 軍 の 艦 船 が 公 海 上 で 攻 撃 受 けた 場 合 これが 我 が 国 に 対 する 武 力 攻 撃 の 発 生 であると 認 定 される 場 合 には 法 理 として 自 衛 権 の 発 動 をすることは 排 除 されない ということを 申 し 上 げているわけでございます 衆 予 算 委 横 畠 内 閣 法 制 局 長 官 答 弁 ( 平 成 26 年 5 月 28 日 ) ( 中 谷 ( 元 ) 委 員 ) 横 須 賀 の 米 軍 基 地 からキティーホークが 出 港 することにな りました 非 常 にアメリカ 自 身 が 狙 われている 危 険 な 状 況 なので せめて 日 本 の 付 近 では 安 全 を 確 保 しなければということで 海 上 保 安 庁 と 自 衛 隊 の 艦 船 が 前 後 をガ ードしました ところが 今 の 自 衛 隊 の 法 律 には 他 国 の 船 を 警 護 したり 護 衛 する という 権 限 がないんですね 事 実 国 会 で 追 及 を 受 けました そのときに 私 が 答 え たのは 防 衛 庁 設 置 法 の 調 査 研 究 でございます 随 伴 をして 一 緒 に 行 って 危 ないときには 自 分 の 身 を 守 りますと こうでしか 言 えなかったんですね そこで 実 例 としてこういうケースも 挙 げられましたけれども 法 制 局 長 官 にお 伺 いをいた しますが 今 の 憲 法 解 釈 で これを 自 衛 隊 が 守 ること これについてどう 考 えてお られるのか お 伺 いします ( 横 畠 内 閣 法 制 局 長 官 ) 武 力 の 行 使 については 我 が 国 に 対 する 武 力 攻 撃 が 発 生 し た 場 合 における 個 別 的 自 衛 の 発 動 としての 武 力 の 行 使 以 外 のものは 許 容 されないと 23
いうのが 従 来 からの 憲 法 第 九 条 の 解 釈 でございます 御 指 摘 の 事 例 でございま すけれども 我 が 国 に 対 する 武 力 攻 撃 が 発 生 していない 場 合 におけるそのような 米 艦 の 防 護 は 我 が 国 に 対 する 武 力 攻 撃 が 発 生 した 場 合 に 限 り 自 衛 権 の 行 使 が 可 能 で あるとする 現 在 の 憲 法 解 釈 のもとでは 行 うことはできないものと 考 えられます 24
安 全 保 障 の 法 的 基 盤 の 再 構 築 に 関 する 懇 談 会 報 告 書 ( 抜 粋 ) ( 平 成 26 年 5 月 15 日 ) Ⅱ.あるべき 憲 法 解 釈 2. 憲 法 上 認 められる 自 衛 権 集 団 的 自 衛 権 とは 国 際 法 上 一 般 に 自 国 と 密 接 な 関 係 にある 外 国 に 対 する 武 力 攻 撃 を 自 国 が 直 接 攻 撃 されていない 場 合 にも 実 力 をもって 阻 止 する 権 利 と 解 されている また 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 は 武 力 攻 撃 の 発 生 ( 注 : 着 手 も 含 まれ る ) 被 攻 撃 国 の 要 請 又 は 同 意 という 要 件 が 満 たされている 場 合 に 必 要 性 均 衡 性 という 要 件 を 満 たしつつ 行 うことが 求 められる 我 が 国 においては この 集 団 的 自 衛 権 について 我 が 国 と 密 接 な 関 係 にある 外 国 に 対 して 武 力 攻 撃 が 行 われ その 事 態 が 我 が 国 の 安 全 に 重 大 な 影 響 を 及 ぼす 可 能 性 があるときには 我 が 国 が 直 接 攻 撃 されていない 場 合 でも その 国 の 明 示 の 要 請 又 は 同 意 を 得 て 必 要 最 小 限 の 実 力 を 行 使 して この 攻 撃 の 排 除 に 参 加 し 国 際 の 平 和 及 び 安 全 の 維 持 回 復 に 貢 献 することができることとすべきである そのような 場 合 に 該 当 するかについては 我 が 国 への 直 接 攻 撃 に 結 びつく 蓋 然 性 が 高 いか 日 米 同 盟 の 信 頼 が 著 しく 傷 つきその 抑 止 力 が 大 きく 損 なわれ 得 るか 国 際 秩 序 そのもの が 大 きく 揺 らぎ 得 るか 国 民 の 生 命 や 権 利 が 著 しく 害 されるか その 他 我 が 国 へ 深 刻 な 影 響 が 及 び 得 るかといった 諸 点 を 政 府 が 総 合 的 に 勘 案 しつつ 責 任 を 持 って 判 断 すべきである また 我 が 国 が 集 団 的 自 衛 権 を 行 使 するに 当 たり 第 三 国 の 領 域 を 通 過 する 場 合 には 我 が 国 の 方 針 として その 国 の 同 意 を 得 るものとすべきである さらに 集 団 的 自 衛 権 を 行 使 するに 当 たっては 個 別 的 自 衛 権 を 行 使 する 場 合 と 同 様 に 事 前 又 は 事 後 に 国 会 の 承 認 を 得 る 必 要 があるものとすべきである 25