国試対策 Ⅲ X 線発生装置 X 線管と X 線管容器および冷却ファン. X 線管の構造問題. 次の図は固定陽極 X 線管と回転陽極 X 線管の縦断面像を示す. 図中番号 ~6( 固定陽極 ),7~0( 回転陽極 ) の各部位名を答えよ.. 問題 2. 次の文章は X 線管の構造を説明したものである. 文中の ( ) に適当な言葉を入れよ. ガラス容器の中に陰極と陽極を封入し, 管内を高真空 [ 約 ( ) mmhg)] にした ( 2 )2 極真空管である. また, 管球には高電圧が加えられ, 高温となるため ( ) 耐力が大きく,( 4 ) 強度があり, ( 5 ) 変化が少ない,( 6 ) を主成分とする硬質ガラスが用いられている. 真空ある容器に真空ポンプをつなぎ, 中の空気を抜いていくとき中の気圧は次第に下がる. 容器の中の真空度を知るための目安として, 中の気圧を普通は水銀柱の高さを単位として [mmhg] で表す. 普通, 真空といえば [mmhg] 以下の気圧を指す. [ atm ] = 760 [ mmhg ] [ mmhg ] =.6 0 - [ atm ] 気圧換算 [atm] = 025 [Pa] = 760 [Torr] 真空度 00 [mmhg] 程度 低圧 ~0-2 [mmhg] 程度 低真空 0 - ~0-6 [mmhg] 程度 高真空 0-7 [mmhg] 以下 超高真空 0-7 2 熱電極 絶縁 4 機械的 5 化学 6 Si( シリコン )
() 陰極 (cathode) 負電位となる全体部分の総称で ( ),( 2 ),( ) より構成される.X 線発生に必要な電子源として, 高温に熱せられたフィラメントから放出される ( 4 ) を用いている. フィラメント 直径 ( 5 ) の ( 6 ) 線をコイル状に巻き,( 7 )V,( 8 )A の交流電源で高温に加熱している. フィラメント 2 集束電極 ステム ( 導入線 ) 4 熱電子 5 0.~0.mm 6 W 7 0 数 8 数 集束電極 ( 筒 ) 電子流を ( 9 ) させるために ( 0 ) 構造となっていて, フィラメントは集束電極の ( ) に組み込まれている. 集束電極はフィラメントと同電位 ( 一端が接続されている ) で ( 2 ), ( ) で作られている. 集束筒の中での ( 4 ) は焦点の大きさを変える因子となる. 9 焦点面に集束 0 内側にくぼんだ構造 中 ( 内 ) 2 Fe Ni 4 フィラメントの深さ (2) 陽極 (anode) 正電位となる全体部分の総称で,( 5 ) の先端に ( 6 ) を埋め込んだもの. 埋め込んだ6 を ( 7 ) という. 陰極からの ( 8 ) を受け止める働きをするが, 電子の直接衝撃を受ける部分 ( 衝撃面積 ) を ( 9 ) という. 5 Cu 6 W 7 ターゲット 8 熱電子流 9 焦点 () 固定陽極と回転陽極固定陽極 P27~29 陽極にはその構造と形状から,( 20 ) と ( 2 ) がある. 20 固定陽極 2 回転陽極 固定陽極は全体を電気伝導 熱伝導の良い ( 22 ) で作り, その先端にタングステンを埋め込んでターゲットとしている. 回転陽極では ( 2 ) を ( 24 ) により高速回転させ ( 25 ) としてX 線を発生させている. 円板は熱に強い ( 比熱が大きい )( 26 ) を裏打ちしている. 現在ではこれに ( 27 )(: 比熱がタングステンの約 0 倍 ) を張り合わせている. 22 銅 2 タングステン円板 24 回転子 25 ターゲット 26 モリブデン 27 カーボングラファイト (4) ターゲットの具備条件を列挙せよ. ( ) が大きいこと. ( 2 ) が高いこと. ( ) が低いこと. ( 4 ) 伝導が良いこと. 原子番号が大きいこと. X 線発生効率はターゲットの原子番号に比例する. 2 溶融点が高いこと. ターゲットに当たる電子エネルギーの 99% が熱になる. 蒸気圧が低いこと. 蒸気圧が高い金属は X 線管内のガス圧力を上昇させ真空度の低下につながる. 放電につながる. 4 電気伝導が良いこと. ターゲット内部を電子が自由に移動することにより X 線高圧回路が形成される. 回転陽極はタングステンでターゲット円板を作り, ターゲットで発生した熱が回転部分に伝導しないように軸材料は比熱の大きいモリブデンを用いる.
(5) 焦点 実焦点と実効焦点 を説明せよ. 実焦点フィラメントから放射された電子がターゲットに当たる ( ). X 線管の ( 2 ) を左右する. 面積 2 許容負荷 放射窓方向 4 鮮鋭度 5 実効焦点 実効焦点 X 線の ( ) から見た投影面積. 写真の ( 4 ) に関係する. 一般に焦点寸法は X 線管軸に対し直角方向の ( 5 ) で表し (JIS 公称寸法 ), これが正方形または円形になるように設計されている. 実焦点は大きく 実効焦点は小さくするのが X 線管の理想で回転陽極はこれを実現した 基準軸と基準面 を説明せよ. 基準軸 2 基準面 X 線管軸に垂直で実焦点の中心を通る線. 2 基準軸に垂直な面. ターゲット角 ( 陽極角 ) を説明せよ. ( ) と ( 2 ) との角度をターゲット角 ( 陽極角 ) とよぶ. 陽極角が小さいほど ( ) は小さくなる. 実効焦点が同じであれば ターゲット角が小さいほど熱電子の衝突面積 ( 実焦点 ) が大きくなり ( 4 ) も増える. 0 と 20 では約 2 倍の許容負荷となるが, 反面,( 5 ) が制限される. 中心 X 線 2 焦点面 実効焦点 4 許容負荷 5 有効照射野 正焦点と副焦点 フィラメント前面から直接放射された電子の作る焦点を ( ) とよび, 集束電極で反射しフィラメントの側方向からでた電子の作る焦点を ( 2 ) という. 正焦点 2 副焦点 深さ 4 大きく 5 小さく 6 内側 両者の寸法は集束電極中のフィラメントの ( ) できまり フィラメントが深くなるほど副焦点は ( 4 ) 正焦点は( 5 ) なる. 焦点面での温度上昇を考慮して正焦点の ( 6 ) に副焦点があることが望ましい.( 熱電子密度が異なる )
通電条件による焦点寸法の変化 焦点寸法は使用時の X 線管電流, 電圧によって若干変化する. 管電流管電圧を一定にして 管電流を増やすと焦点は大きくなる. この効果を ( ) という. ブルーミング効果 ( ブルーミング効果 :blooming effect) この効果の影響は ( 2 ) で大きくなる. これは電子流の増大により, 電子相互の反発力が大きくなり ( ) からである. ブルーミング値 焦点寸法の計測法で,( 4 ) にて指定電圧のもとで ( 5 ) により求めた焦点解像限界 (R 00 ) と,( 6 ) の 50% で求めた解像限界 (R 50 ) の比. 2 低電圧 電子軌道が広げられる 4 スターパターンカメラ法 5 0. 秒の最大許容管電流 6 最大許容管電流 ブルーミング値 = R 50 / R 00 管電圧管電流を一定にして 管電圧を増やすと焦点は ( 7 ) なる. 管電圧の増大とともに電子の ( 8 ) が大きくなる. 7 小さく 8 吸引力 焦点( 実効焦点 ) 寸法の測定 実効焦点の測定には ( ) 法,( 2 ) 法,( ) 法がある. この中で国際的に通用する国際規格は ( 4 ) 法である. また, 0.mm 以下の小焦点寸法の測定に用いるのは ( 5 ) 法で, 平行パターンカメラ法とスターパターンカメラ法がある. スリットカメラ 2 ピンホールカメラ 解像力 4 スリットカメラ 5 解像力 ヒール効果 を説明せよ. P4 実効焦点は X 線中心軸に対して陽極側で小さく, 陰極側で大きくなり, 同時に X 線放射量もこれと同じ傾向となる. このような X 線量の変化をヒール効果という. ヒール効果の原因 熱電子はターゲット表面だけではなく, ある深さまで到達して X 線を発生する.X 線の発生過程で, 深部から出て行こうとするものほど減弱が多くなる. 右図では () が, 発生する X 線の減弱が少なく,() は減弱が多くなる. ヒール効果の影響 X 線量分布が陰極側で多く, 陽極側で少なくなる. 陽極側の線質硬化 ヒール効果を利用する撮影乳房撮影, 胸部撮影など.
. 回転陽極の回転数 P0 陽極の回転はターゲット円板に直結された銅製の回転子と外部の固定子からなり 誘導電動機の原理により固定子から回転磁界が与えられ 回転子は次の速度で回転している N ( ) [rpm] 注意 三倍高速回転陽極では電源周波数を 倍にする 20 f N ( S) [ rpm] P f: 電源周波数 (50Hz or 60Hz) P : 磁極の数 ( 通常 2 極 ) S: 滑り ( 約 0.) 4. 焦点外 X 線ターゲットを衝撃した電子の一部は散乱を起こし,( ) として陽極外に飛び出るが, 再び ( 2 ) にひかれて陽極に戻るとき X 線を放射する. 2 次電子の戻る位置は焦点とは限らず,( ) におよび X 線を放射する. このような X 線を ( 4 ) という. 2 4 2 次電子電界陽極全体焦点外 X 線 陽極に銅を用いた固定陽極 X 線管ではさほど問題ではないが, 回転陽極では陽極全体が ( 5 ) であるため, 焦点外 X 線の発生率が高く,X 線写真の ( 6 ) を低下させるなどの悪影響を与える. 5 タングステン 6 鮮鋭度 焦点外 X 線は ( 7 ) の上昇とともに増加する. 焦点から ( 8 ) になるほど 2 次電子のエネルギーも大きく線質が ( 9 ) なる. 7 8 9 管電圧遠い位置硬く 焦点外 X 線の除去焦点外 X 線遮蔽形 X 線管を用いるほか,X 線放射窓に付ける ( 0 ) と ( ) の組み合わせにより除去する. 0 鉛コーン多重絞り 5. ガラスバブル X 線管の陰極と陽極はガラス容器に封入され X 線管用ガラスとしては次の条件を満たすことが必要である ガラスバルブの具備条件 電気絶縁力が大きい 2 高真空が保てる 機械的強度が大きい 4 温度変化に強い 5 加工が容易 6 化学的耐性が良い 7 X 線吸収が小さい 以上の条件を満たすものとして 現在はシリコン主体の ( ) 硬質ガラスが用いられている. 管内の真空度を保つためにバリウムなどの金属を高温で蒸発させ薄い皮膜にした ( 2 ) を塗布している 2 ホウケイ酸ゲッタ
5. 許容負荷と定格 負荷 負荷とは,X 線管陽極に ( ) を供給すること. 電気エネルギー ( 電力 : P = IV [W] ) () 短時間負荷 : ( 2 ) の負荷. ターゲットの ( ) を基準にして制限. 2 撮影時 ( 負荷時間数 ms~ 数 s) 溶融点 (2600~000 ) (2) 長時間負荷 : ( 4 ) の負荷. ( 5 ) の温度上昇により制限. 4 透視撮影 ( 負荷時間数 0s~ 数 0min) 5 陽極 ( 主にターゲット ) 全体 () 混合負荷 : ( 6 ) 短時間連続撮影や透視と撮影などの混合負荷. 6 短時間負荷 + 長時間負荷 許容負荷と熱容量 X 線管の耐熱性を示す尺度であり電気エネルギーで表す. () 許容負荷 ( 7 ) を考えた,X 線管供給電気エネルギーの最大許容値. 7 ターゲット焦点面でのミクロ的温度上昇 (2) 熱容量 ( 8 ) を考えた,X 線管供給エネルギーの最大許容値. 8 陽極 ( 主にターゲット ) 全体の温度上昇 定格とは ( 9 ) で X 線管の定格は,( 0 ) および ( ) に発生する熱量で決まる. 9 X 線管容量 ( 入力 ) の大きさ 0 ターゲット 陽極 () 短時間許容負荷 短時間許容負荷を大きくする因子を 5 項目列挙せよ. 2 4 5 焦点面積を大きくする. 2 ターゲット角度を小さくする. 陽極回転数を上げる. 4 焦点軌道直径を大きくする. 5 管電圧波形のリプル百分率 ( 脈動率 ) を小さくする.
前ページ 短時間許容負荷を大きくする因子 の解説! 実焦点面積実焦点面積が大きいほど許容入力は大きくなる. * 短時間許容負荷 実焦点面積 比負荷 [W/mm 2 ] : 実焦点単位面積あたりの最大入力. 固定陽極 X 線管では,200 [W/mm 2 ] 2 ターゲット角実効焦点が同じであれば ターゲット角が小さいほど熱電子の衝突面積 ( 実焦点 ) が大きくなり許容負荷も増える. 0 と 20 では約 2 倍の許容負荷となるが, 反面, 有効照射野が制限される. 6 管電圧 管電流 負荷時間との関係電圧と電流は反比例の関係にある. 00kV で 200mA 流せる X 線管は 50kV ではおよそ 400mA 流せる. 管電流と負荷時間は負荷時間が /2 になっても 2 倍の許容量とはならず, 冷却効果があるので約 0% 制限されるだけである. 7 X 線管入力 P=IV [ kw ] X 線曝射時に X 線管に加えられる電力 (kw 単位の実効値 ). 高電圧整流方式により実効値に変換する係数が異なるので脈動率にかかわる係数で補正し次の式で示される.,4 回転陽極 X 線管の比負荷 0. 秒以下の短時間負荷では次の関係式がある. l a d n W k k d n [W/mm 2 ] sin W: 最大入力 l: 実効焦点の長さ K: 定数 θ: ターゲット角 a: 実効焦点幅 d: 焦点軌道直径 n: 陽極回転数 倍高速 X 線管では 倍 =.7 倍. 焦点軌道が 75m と 00mm の許容負荷の差は 00 / 75.5 倍となる. 5 管電圧波形管電圧は, 脈動率が小さいほど軌道上の熱分布は平均化され, 脈動の大きな波形より許容負荷は増加する. P V A f 0 P:X 線管入力 [kw] V: 管電圧 [kv]( 最大値 ) A: 管電流 [ma]( 平均値 ) f: 管電圧脈動率に関わる係数 JIS 規定 : 教科書では P U I f 0 [kw] 実際の回路では, 正弦波形が歪むので理論値とは異なり,f の値を次のように定めている. 三相全波整流 (2 ピーク ) および定電圧回路 f =. リプル百分率が 0% 以下. 三相全波整流 (6 ピーク ) f = 0.95. リプル百分率 0% 以上 ~25% 以下. 定電圧波形の許容負荷をとすると単相全波で 0.7 倍, 単相半波で 0.5 倍, 自己整流では 0.5 倍に制限される. 自己整流, 単相半波整流, 単相全波整流 f = 0.74. リプル百分率 25% 以上. 定電圧と三相全波 脈波別脈動率 0.7 0.7 0.5 脈波種類 脈動率 単相全波 0.5 0.7 自己整流 単相半波 単相半波 単相全波 00 % 相 6 ピーク.4 % 相 2ピーク.4 % インバータ式装置 ~ % 色付きはJIS によるリプル 4% 以下の定電圧装置
(2) 長時間負荷 長時間負荷は陽極全体の温度により制限される. 陽極熱容量が大きい方が長時間負荷は大きい. 冷却効率がよい管球ほど大きい. 加熱曲線 P44 陽極加熱曲線 (X 線管装置加熱曲線 ) X 線管または X 線管装置に対して連続的に負荷を加えた場合, 時間の経過とともに熱量が蓄積していく状態を表したもの. 陽極発生熱量 ( heat unit : HU ) 陽極に蓄積できる熱容量の許容最大値で,HU 単位 (Heat unit). 連続繰り返し撮影 ( 負荷 ) 時に考慮する. * HUのほかジュール [J], ワット [W] の単位が用いられる. X 線管入力の大部分は熱に変わり, 陽極での発熱量 Qは HU 値 P t U I f t [JまたはWs] U: 管電圧 I: 管電流 t: 通電時間で表すことができる. HU = 0.7Ws = 0.7J = 0.7cal HU 値は X 線回路により次式により求められる. 単相全波整流回路, 単相半波整流回路または自己整流回路 HU 値 = U I t 2 4 三相全波整流回路, またはこれと同じリプル百分率 ( 脈動率 ) をもつ回路 HU 値 = U I t.5 定電圧回路 HU 値 = U I t.4 コンデンサ放電式 2 2 HU 値 = 0.7 C V V V: 管電圧 [kv] I: 管電流 [ma] t: 負荷時間 [s] C: コンデンサ容量 [μf] V : 放電開始電圧 V 2 : 放電終了電圧 2 () 混合負荷 p45 混合負荷としては, スポット撮影, 集団検診撮影, 高速連続撮影などがある. スポット撮影 ( 透視と撮影の併用 ) 透視によりターゲット温度が上昇しているので, 短時間許容負荷の 70% 以下で使用する. 2 集団検診撮影 ( 繰り返し連続撮影 ) 回あたりの負荷は短時間最大入力の 80% とする. 撮影頻度 負荷条件と間隔が同じの場合 U I f t 長時間負荷換算平均入力 T T: 使用間隔 2 陽極熱量と冷却曲線 P4 陽極冷却曲線陽極に最大陽極熱容量を蓄えた状態から入力を加えないで放置し, 陽極熱容量が時間の経過とともに減少する状態を表したもの. 陽極冷却率 [W] [HU/s] 時間経過に対して陽極熱量の減少する割合. 高速連続撮影 ( 回の撮影時間 ) ( 撮影回数 ) < 最大規格表範囲内 (4) 焦点の荒れとその影響 P46 X 線管に短時間許容負荷以上の過大負荷が加えられると, 焦点温度が上昇し焦点面が融解する. 高頻度で熱電子衝突が衝突した場合も同様となる. X 線の出力が低下する. 陽極最大冷却率 [W] [HU/s] 陽極冷却率の最大値. 現在は焦点の荒れを防ぐために ( ),( 2 ) のターゲットが使用されている. Re+W 2 Fe+W
X 線管入力 ヒートユニット (HU) X 線管入力 ( 陽極入力 ) とは,X 線を発生させるために陽極に加えら れる電力 (P=IV). HU とは,X 線管の入力を表す特別な単位. 陽極蓄積熱量などを表す. P U I f 0 [ kw ] P:X 線管入力 [kw] U: 管電圧 [kv] ピーク値 I: 管電流 [ma] 平均値 f: 管電圧のリプル百分率で決まる定数 ピーク値と平均値を実効値に換算する係数. f =.0 : リプル百分率が 0% 以内 ( インバータ式, 定電圧形, 三相 2 ピーク形に相当 ) HU=0.7[J] として換算する. () 単相全波整流回路, 単相半波整流回路, 自己整流回路 HU U I t HU / sec U I (2) 三相全波整流回路または同等のリプル百分率回路 HU U I t.5 HU / sec U I. 5 () 定電圧回路 f =0.95 : リプル百分率が 0% を超え 25% 以内 ( 三相 6 ピーク形に相当 ) f =0.74 ( 単相 2 ピーク, 単相 ピーク形に相当 ) HU U I t.4 HU / sec U I. 4 (4) コンデンサ式 2 2 HU 0.7 C ( U U2 ) U: 管電圧 [kv] ピーク値で表す I: 管電流 [ma] 平均値で表す t: 負荷時間 [s] C: コンデンサ容量 [μf] U,U 2 : 放電開始時と放電終了時の管電圧
練習問題 問題 2 P265 単相 2ピーク形装置で 20kV,500mA,0.02sの条件で 20 回連続撮影をしたい.X 線管の熱容量は少なくとも何 HUのものが必要か. ただし, その冷却効果は無視する. 20 0 500 0 0.02 f () 20 24,000[ HU ] 24[ KHU] 問題 24 単相 2ピーク形装置で, 最大冷却率 240[HU/s] のX 線管がある. この X 線管で 80kV,00mA,0.sの条件で反復負荷を行う場合の最短使用間隔を求めよ. また, 毎分の使用頻度数は何回か. 問題 25 第 47 回国試問題 相全波整流装置を用いて 00kV,200mA,0.sの条件で撮影を行う場合, 連続して許される最大撮影回数は何回か. ただし, 使用する X 線管の陽極蓄積熱容量は 00 0 HUとする. 問題 26 回転陽極 X 線管において短時間負荷が 00kV,400mAのとき,X 線管入力は約何 kwか. ただし,X 線高電圧装置の管電圧リプル百分率は 0% とする. 80 0 00 0 240 0. f () 0[ s] 60 [ s] 6 回 0 [ s] 00 0 7.0 00 0 200 0 0..5 従って 7 回 00 0 400 0 0.74 29.600 0[ kw ] 6. ガラスバブル X 線管の陰極と陽極はガラス容器に封入され X 線管用ガラスとしては次の条件を満たすことが必要である ガラスバルブの具備条件を列挙せよ. 電気 ( ) 力が大きい ( 2 ) が保てる ( ) 強度が大きい ( 4 ) 変化に強い ( 5 ) が容易 ( 6 ) 耐性が良い ( 7 ) が小さい 2 4 5 6 7 絶縁高真空機械的温度変加工化学的 X 線吸収 以上の条件を満たすものとして 現在はシリコン主体の ( 8 ) 硬質ガラスが用いられている. 管内の真空度を保つためにバリウムなどの金属を高温で蒸発させ薄い皮膜にした ( 9 ) を塗布している 8 ホウケイ酸 9 ゲッタ
7. 管容器と陽極冷却法 () 管容器 X 線管を収納する管容器は次の条件を備える必要がある. ( ) : 金属容器で作り接地する. ( 2 ) : X 線放射口以外からは X 線が出ないよう鉛板を内張りする. ( ) を備えている. ( 4 ) がある. 油浸式の場合は油の膨張を吸収する ( 5 ) を備える. 回転陽極 X 線管では陽極駆動用の ( 6 ) が組み込めること. 防電撃 2 防 X 線 高電圧ケーブルソケット 4 X 線放射窓 5 ベローズ ( 圧力吸収板 ) 6 回転子 X 線管容器の表面温度 X 線管装置の表面温度は ( 7 ) 以下でなければならない. 7を超え利場合には, 接触防止の手段 ( 保護カバーなど ) が必要となる. 7 85 (2) 陽極冷却法陽極冷却には ( ),( 2 ),( ) ある. 管容器の冷却は, この組み合わせで冷却している. 固定陽極 X 線管ターゲット熱は伝導により陽極金属を通じて外部に導かれ ( 4 ) などの方法で冷却される. 回転陽極 X 線管 回転軸受けに熱が伝わらないように ターゲット円板軸を短くし, 熱は主として放射 ( 放散 ) によりガラス管を透して周囲の ( 5 ) に伝えられる. 一部は伝導により陽極端に伝わる. 油熱は自然冷却か強制冷却を行う. 放射 2 伝導 対流 放射 : 熱放散量は物体表面の絶対温度の4 乗と表面積に比例 伝導 : 熱放散量は物体両端の温度差 物体の断面積に比例し 熱移動距 離に反比例 対流 : 熱放散量は相接する物体の温度差 伝達面積に比例 4 油冷, 空冷, 水冷 5 油 (2) X 線用可動絞り ( 照射野限定器 ) X 線可動絞り ( 鉛 ) は X 線管の ( ) に取り付けることで ( 2 ) を調整する X 線錘制限器. ( ) と ( 4 ) に寄与. 放射口 被曝低減 2 X 線照射野 4 画質向上 上羽根利用線錘を ( 5 ) の X 線照射野にする. 下羽根 ( 6 ) の減少および可動絞りの ( 7 ) の低減に関与. 奥羽根 ( 8 ) を効果的に除去する. 5 必要最小限 6 散乱線 7 漏れ線量 8 焦点外 X 線
可動絞りの性能 JIS Z 470,472. 最大照射野は SID(Source Image Distance) が ( ) で ( 2 ) を超えない. 光照射野の平均照度は ( ) で ( 4 ) 以上であること. ただし,( 5 ) 以上が望ましい. 目盛りまたは数値による開度表示は, 表示した X 線照射野と入射面上の X 線照射野との大きさの差異が,SID の ( 6 ) を超えない. 投光照準器による開度表示は,X 線照射野の境界とそれに対応する光照射野の境界とのずれは,SID の ( 7 ) を超えない. 可動絞りの漏れ線量は JIS Z 470 に規定する負荷条件において, h 当たりの積算値が空気カーマ ( 8 ) を超えない. ただし, 許容値の ( 9 ) 以下にすることが望ましい. 固有ろ過は ( 0 ) の最小公称値を, その可動絞りに表示する. 65 cm 2 5 5 cm SID m 4 00 lx 5 60 lx 6 7 8 2% 2%.0mGy 9 5% 0 Al 当量 X 線源装置 (X 線管装置 + 可動絞り ) の総ろ過 70kV 未満の歯科用 X 線装置で ( ) 以上, その他の X 線装置は ( 2 ) 以上に規定されている. 2.5mmAl 当量 2.5mmAl 当量 総ろ過 =( )+( 4 ) 固有ろ過 4 付加ろ過 固有ろ過 X 線管の ( 5 ),( 6 ),( 7 ) を含めたろ過. 5 ガラス壁 6 絶縁油 7 管容器の窓材 付加ろ過 X 線管容器外側に取り付けられた ( 8 ), 可動絞り内の ( 9 ), および選択可能な ( 0 ) を含めたろ過. 8 フィルタ 9 光照射野ミラー 0 フィルタ
X 線管 (X 線の発生 X 線管の構造 許容負荷 その他 ) 平成 8 年 (58) 問題 22 誤っているのはどれか.2 つ選べ.. ターゲット角度はヒール効果に影響する. 2.X 線管焦点の大きさは陰極の電極構造で決定される..X 線用可動絞りの奥羽根は焦点外 X 線の低減に有効である. 4.X 線用可動絞りのミラーの X 線吸収は 0.05 mm Al 当量以下である. 5. マンモグラフィー用 X 線管の電極間距離は一般用よりも長い. 平成 8 年 ( 第 58 回 ) 問題 0 X 線管装置の用語で誤っているのはどれか.. 実効焦点とは実焦点を基準面へ垂直投影したものをいう. 2.X 線管入力とは陽極に加えられる電力をいう..HU とは X 線管入力を表す特別な単位である. 4. 固有ろ過とは取り外しできない物質による線質等価ろ過をいう. 5. フィラメント特性とは管電流とフィラメント電流との関係をいう. 平成 7 年 ( 第 57 回 ) 問題 9 X 線管について正しいのはどれか 2つ選べ. X 線管電流は電極間距離の 2 乗に反比例する 2. X 線放射強度分布はターゲットの角度によって異なる. 焦点外 X 線の線質は焦点近傍ほど硬質となる 4. 短時間許容負荷は管電圧リプル百分率によって異なる 5. 実効焦点の変化は X 線管電圧が高く X 線管電流が小さいほど大きい 問題 0 X 線管の短時間許容負荷を大きくする方法はどれか a. 焦点外 X 線の面積を大きくする b. ターゲット角度を大きくする c. 管電圧波形のリプル百分率を小さくする d. 焦点面積を大きくする e. 焦点軌道直径を大きくする. a,b,c 2. a,b,e. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e 平成 6 年 ( 第 56 回 ) 問題 2 X 線管について正しいのはどれか. 管電流は電極間距離の 2 乗に比例する 2. X 線強度は管電圧の /2 乗に比例する. 放射強度分布はターゲット角度に影響される 4. 短時間許容負荷は陽極全体の温度によって制限される 5. 実効焦点はターゲットの電子衝撃面の焦点である 問題 X 線管について正しいのはどれか a. 集束電極の外側にフィラメントがある b. 集束電極によって焦点外 X 線が発生する c. 集束電極によって正焦点と副焦点とができる d. 電子密度は正焦点では大きく 副焦点では小さい e. 低管電圧で管電流が大きいと焦点は小さくなる. a,b 2. a,e. b,c 4. c,d 5. d,e 問題 4 X 線可動絞りについて誤っているのはどれか. 奥羽根は焦点外 X 線を効率的に低減する 2. 上羽根は利用線錘を必要最小限の X 線照射野に設定する. 光照射野の平均照度は SID 00cm で 00 lx 以上である 4. 固有ろ過はアルミニウム当量の最小の公称値を可動絞りに表 示する 5. X 線と光照射野とのずれは焦点 - 光照射野間距離の 4% 以下 にする 問題 5 X 線管の付加フィルタとして用いないのはどれか. モリブデン 2. タングステン. ロジウム 4. アルミニウム 5. 銅 平成 5 年 ( 第 55 回 ) 問題 X 線管について正しいのはどれか a. 実効焦点面積は実焦点面積より小さい b. 許容負荷はターゲット角度の小さい方が大きい c. ターゲットの材質は溶融点の高いものがよい d. 焦点の大きさは低電圧で大電流ほど小さくなる e. X 線強度は陰極側が弱く 陽極側が強い. a,b,c 2. a,b,e. a,d,e 4. b,c, d 5. c,d,e 問題 2 焦点外 X 線について誤っているのはどれか a. 集束電極で集束されなかった分散電子のために生じる b. 線質は焦点から離れるほど軟質となる c. 発生する量は回転陽極が固定陽極よりも多い d. 焦点近傍で最も多く発生する e. X 線写真のコントラストを低下させる. a,b 2. a,e. b,c 4. c,d 5. d,e 平成 4 年 ( 第 54 回 ) 問題 2 X 線管の短時間許容負荷で正しいのはどれか. 陽極全体の温度上昇によって制限される 2. 焦点軌道直径を 2 倍にすると 2 倍になる. ターゲット角度が大きいと大きくなる 4. 管電圧の脈動が大きいと大きくなる 5. 陽極回転数を 倍にすると 倍になる 平成 年 ( 第 5 回 ) 問題 回転陽極 X 線管で 0. 秒以下の負荷において 陽極回転数を 倍 焦点軌道直径を. 倍にすると短時間許容負荷は約何倍か..7 2. 2.0. 2. 4..0 5. 4.0
問題 2 焦点外 X 線で正しいのはどれか 問題 4. 医用エックス線管装置で正しいのはどれか a. 集束電極で集束されなかった分散電子のために生じる. エックス線強度分布は陽極側より陰極側が高い b. 発生する量は回転陽極が固定陽極よりも多い 2. 利用ビームは焦点から直接放射されるエックス線である c. 焦点近傍で最も多く発生する. ターゲット角度は実効焦点と基準軸とがなす角度である d. X 線写真のコントラストを低下させる 4. フィラメント特性はフィラメント電圧と管電圧との関係を示す e. 線質は焦点近傍がもっとも硬質である 5. ブルーミング値はエックス線の実焦点の特性を表す. a,b,c 2. a,b,e. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e 平成 9 年 ( 第 49 回 ) 問題. 診断用エックス線管について誤っているのはどれか 平成 2 年 ( 第 52 回 ). 空間強度分布はターゲット角度で異なる 問題. 診断用 X 線管について正しいのはどれか 2. ターゲット角度が大きいほど実焦点面積を大きくできる a. ターゲットから放射される X 線強度は陰極側より陽極側が弱い. 発生する熱量は管電圧 管電流および負荷時間の積に比例 b. 焦点外 X 線の発生は固定陽極管より回転陽極管で多い する c. ターゲット角度を小さくすれば短時間許容負荷が大きくなる 4. 管電流は電極間距離の 2 乗に反比例する d. 焦点の大きさは負荷条件によって変化しない 5. エックス線強度は管電圧の 2 乗に比例する e. 実焦点面積は実効焦点面積より小さい. a,b,c 2. a,b,e. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e 問題 6. 診断用エックス線管について誤っているのはどれか. 最大許容入力は実焦点面積に反比例する 問題 2. 診断用 X 線管について正しいのはどれか. 空間電荷電流は両極間電圧の 2/ 乗に比例する 2. 高電圧で大電流ほど飽和電流で動作する. 乳房撮影用 X 線管の電極間距離は一般撮影用より短い 4. 三極 X 線管はコンデンサ式装置に用いられない 5. 管電流は電極間距離の 2 乗に比例する 平成 年 ( 第 5 回 ) 問題 5 回転陽極エックス線管において短時間負荷が 00kV 400mA のときエックス線管入力は約何 kw か ただし エックス線高電圧装置の管電圧のリプル百分率は 0% とする. 0 2. 8. 40 4. 54 5. 56 2. 短時間許容負荷は焦点面の温度により制限される. 長時間許容負荷は陽極全体の温度により制限される 4. スポット撮影は短時間と長時間との混合負荷である 5. 負荷曲線は連続負荷時の陽極の熱容量蓄積を示す 平成 8 年 ( 第 48 回 ) 題. エックス線管電流特性について誤っているのはどれか. V-I 特性は飽和電流と空間電荷領域とで表される 2. 小焦点であるほど空間電荷領域で動作する. 小焦点であるほど電極溝幅は狭くなる 4. 管電流は電極間距離の 2 乗に反比例する 5. 高電圧 小電流であるほど空間電荷領域で動作する 問題 6 診断用エックス線管について誤っているのはどれか. エックス線強度分布は陰極側が強く陽極側が弱い 2. 許容負荷はターゲット角度の大きい方が大きい. 実焦点は実効焦点より大きい 4. 焦点の電子密度は均等でないために正焦点と副焦点が生じる 5. ヒートユニットはエックス線入力を表す特別の単位である 平成 0 年 ( 第 50 回 ) 問題. 診断用エックス線装置について正しいのはどれか. 空間電荷補償回路は管電流が変化しても管電圧が一定になるように補償する 2. 防電撃ケーブルが短い場合にはエックス線管電圧波形が平滑化される. ma 計が振り切れる原因の一つにフィラメント加熱電圧の低下がある 4. 高電圧整流用のシリコン整流器は整流管に比べて内部抵抗が小さい 5. 三相 6ピーク整流には 個の整流器が必要である 問題 2. 回転陽極エックス線管の短時間許容負荷を大きくする 手段について誤っているのはどれか. 管電圧脈動率を小さくする 2. 焦点面積を大きくする. 陽極の回転速度を大きくする 4. ターゲット角度を大きくする 5. 焦点軌道直径を大きくする 問題 6. 二極管について誤っているのはどれか. 真空容器中に二つの電極を封入したものである 2. 熱電子を放出する電極を陰極という. 空間電荷電流は管電圧の 2/ 乗に比例する 4. 陽極電圧を上げても陽極電流が増加しなくなったときの電流 を飽和電流という 5. 飽和電流は陰極が放出し得る全電子量で求められる