露 地 ショウガの 安 定 生 産 と 産 地 振 興 策 の 実 践 実 施 地 区 高 知 市 対 象 :JA 高 知 市 朝 生 姜 生 産 組 合 23 年 度 の 目 標 1 環 境 に 配 慮 した 生 産 体 制 の 構 築 2 産 地 振 興 ビジョンの 実 現 に 向 けた 実 践 活 動 3 加 工 用 仕 向 け 量 の 拡 大 取 り 組 み 結 果 現 地 検 討 会 1 臭 化 メチル 代 替 技 術 を 現 地 実 証 し 体 系 化. 代 替 技 術 導 入 面 積 が6.8ha 拡 大 61 戸 全 戸 が エコシステム 栽 培 認 証 取 得 こうち 環 境 安 全 安 心 点 検 シート 実 施 2 貯 蔵 ショウガの 品 質 低 下 要 因 の 究 明 に 向 けた 活 動 を 実 施 ( 栽 培 履 歴 貯 蔵 条 件 の 調 査 実 施 と 分 析 ) 3 新 たな 加 工 品 を 開 発 販 売 開 始 し 加 工 仕 向 け 量 が 増 加 関 係 機 関 との 連 携 コーディネート 貯 蔵 状 況 調 査 実 証 試 験 技 術 向 上 研 修 会 残 された 課 題 産 地 振 興 ビジョンの 実 現 に 向 けた 課 題 解 決 環 境 に 配 慮 した 生 産 体 制 の 推 進 臭 化 メチル 代 替 技 術 新 技 術 等 の 実 証 と 評 価 エコシステム 栽 培 認 証 定 着 GAP 土 壌 診 断 実 施 貯 蔵 性 の 改 善 と 安 定 出 荷 貯 蔵 ショウガの 品 質 安 定 品 質 低 下 要 因 の 究 明 改 善 策 の 検 討 執 筆 者 名 吉 本 良 太 -3-
春 野 地 区 の 農 産 物 の 付 加 価 値 向 上 への 支 援 実 施 地 区 高 知 市 春 野 地 区 23 年 度 の 目 標 供 給 量 16t 1 加 工 会 社 による 農 産 物 加 工 施 設 の 整 備 2 加 工 用 野 菜 の 品 種 特 性 の 把 握 と 特 性 に 応 じた 栽 培 管 理 技 術 の 確 立 3 加 工 用 野 菜 を 計 画 的 に 生 産 供 給 する 地 域 内 農 家 と 加 工 会 社 との 連 携 体 制 構 築 取 り 組 み 結 果 1 加 工 施 設 が 整 備 され 加 工 品 の 開 発 生 産 拠 点 ができた ( 県 産 業 振 興 総 合 支 援 事 業 の 活 用 9 月 竣 工 加 工 開 始 ) 2 加 工 用 野 菜 の 品 種 特 性 を 把 握 できた 3 新 たな 加 工 品 開 発 に 向 けて 農 家 と 加 工 会 社 をマッチングした 高 糖 度 トマト 梅 新 高 梨 イチゴ 蜂 蜜 など 供 給 実 績 14t 残 された 課 題 と 対 応 策 1 加 工 用 野 菜 の 品 種 特 性 に 応 じた 栽 培 技 術 の 確 立 と 計 画 生 産 2 地 域 内 農 家 と 加 工 会 社 との 連 携 体 制 の 構 築 栽 培 技 術 の 確 立 加 工 用 トマト 定 植 時 期 毎 の 栽 培 技 術 課 題 の 整 理 収 穫 期 間 の 適 正 化 コスト 把 握 トウガラシ 低 コスト 栽 培 作 型 の 検 討 その 他 品 目 タマネギの 貯 蔵 技 術 加 工 野 菜 の 安 定 生 産 加 工 用 トマト 作 型 に 応 じた 栽 培 期 間 と 面 積 の 検 討 連 携 体 制 の 構 築 加 工 会 社 の 加 工 用 野 菜 必 要 量 の 明 確 化 需 要 に 応 じた 生 産 計 画 の 策 定 と 作 付 誘 導 執 筆 者 名 青 木 敏 純 -4-
消 費 者 ニーズに 応 えられるユリ 産 地 づくり 実 施 事 項 産 地 戦 略 の 実 践 支 援 による 産 地 振 興 実 施 地 区 高 知 市 長 浜 対 象 :JA 高 知 市 長 浜 支 所 花 卉 部 会 JA 高 知 市 長 浜 支 所 花 卉 部 会 では 所 得 の 確 保 と 産 地 の 維 持 発 展 のため 平 成 21 年 度 より 産 地 戦 略 として 安 定 品 質 の 確 保 産 地 の 売 り 込 み 部 会 活 動 の 改 善 を 掲 げて 実 践 してきた その 活 動 をさらにすすめ より 活 力 ある 産 地 への 発 展 を 目 指 して 戦 略 の 見 直 しと 実 践 を 支 援 した (1) 活 動 の 見 直 しと 新 たな 戦 略 の 策 定 前 年 度 に 実 施 したモニタリング 調 査 結 果 をもとに 部 会 内 で 協 議 し 産 地 として 行 動 すべき 対 策 を 検 討 した また 市 場 関 係 者 を 交 えて 目 慣 らし 会 を 実 施 し 出 された 意 見 をもとにさらに 実 践 すべき 項 目 を 整 理 した (2) 新 たな 実 践 項 目 への 支 援 サンプル 提 供 モニタリングの 継 続 等 新 たに 整 理 した6 項 目 の 実 施 方 法 や 実 施 時 期 等 への 助 言 と 活 動 の 実 践 を 支 援 した ユリ 産 地 の 行 動 計 画 を 検 討 中 (1) 産 地 として 今 できることから 実 施 する という 方 針 により サンプル 提 供 出 荷 予 測 のための 作 付 検 討 会 ( 秋 春 の 2 回 ) 出 荷 品 の 情 報 提 供 ( 量 品 質 ) モ ニタリング 調 査 の 継 続 目 慣 らし 会 の 改 善 ( 雇 用 人 の 参 加 ) 出 荷 箱 への 花 シー ルの 添 付 の 6 項 目 を 新 たに 決 定 した (2) 消 費 者 ニーズや 市 場 関 係 者 の 意 見 を 積 極 的 に 取 り 入 れ 産 地 として 実 践 することを 常 に 見 直 していく 部 会 活 動 が 定 着 してきた 各 生 産 者 が 少 量 ずつサンプルを 提 供 し たり 女 性 を 中 心 にモニタリング 調 査 に 参 加 するなど 各 自 が 積 極 的 に 産 地 づくり に 関 わるようになった 産 地 戦 略 の 実 践 と 評 価 改 善 といった 部 会 員 による 活 動 が 定 着 していくよう 支 援 する 執 筆 者 名 門 田 いづみ -5-
イチゴのアザミウマ 対 策 実 施 事 項 イチゴのヒラズハナアザミウマ 対 策 の 検 討 実 施 地 区 高 知 市 介 良 五 台 山 対 象 :JA 高 知 市 介 良 支 所 苺 部 五 台 山 支 所 苺 部 イチゴの 果 実 を 食 害 するヒラズハナアザミウマは 3 月 上 旬 頃 に 野 外 からハウス 内 に 侵 入 し 被 害 が 発 生 していると 思 っている 生 産 者 が 多 い そのため 被 害 が 認 めら れてから 防 除 することが 多 く 薬 剤 による 防 除 が 困 難 になると 栽 培 を 終 了 する 生 産 者 も 少 なくない しかし 当 地 区 におけるヒラズハナアザミウマの 発 生 データは 無 く 発 生 消 長 を 調 査 して 防 除 体 系 の 確 立 につなげる (1) 調 査 の 設 置 1ハウス 周 囲 への 光 反 射 資 材 (タイベック)を 敷 設 して アザミウマ 類 の 侵 入 抑 制 効 果 の 検 討 (4 月 ~5 月 ) 2 野 外 及 びハウス 内 のヒラズハナアザミウマ 発 生 消 長 調 査 (7 月 ~3 月 ) (2) 生 産 者 への 情 報 提 供 ( 講 習 会 等 ) 1アザミウマ 類 に 対 する 薬 剤 感 受 性 の 調 査 結 果 2ヒラズハナアザミウマの 発 生 推 移 3アザミウマ 類 に 効 果 が 期 待 される 天 敵 (アカメガ シワクダアザミウマ)の 情 報 提 供 (1) 光 反 射 資 材 を 利 用 した 侵 入 抑 制 効 果 は 調 査 区 及 び 対 象 区 ともに 試 験 開 始 時 ( 平 成 23 年 2 月 )からアザミウマ 類 の 発 生 が 認 められ 判 断 できなかった 野 外 での 発 生 が 確 認 できない 厳 寒 期 にハウス 内 で 増 殖 が 認 められたことから 春 先 の 野 外 からの 侵 入 前 にハウス 内 で 増 殖 している 可 能 性 が 高 いことがわかった (2)ハウス 内 の 発 生 実 態 調 査 では 11 月 の 調 査 開 始 時 から 花 への 寄 生 が 認 められ 寄 生 頭 数 によっては 年 内 でも 果 実 への 被 害 の 発 生 が 認 められた 合 同 研 修 会 (3) 講 習 会 等 で 発 生 状 況 を 報 告 することで 被 害 果 が 認 められる 前 でもアザミウマの 発 生 に 注 意 する 生 産 者 もおり 低 密 度 時 期 の 防 除 への 意 識 啓 発 ができた 地 区 でのヒラズハナアザミウマに 対 する 防 除 実 態 を 調 査 し 今 回 得 られた 調 査 結 果 を 活 用 してヒラズハナアザミウマの 効 果 的 な 防 除 体 系 の 確 立 を 支 援 する 執 筆 者 名 谷 岡 賀 子 -6-
シシトウ 栽 培 での 病 害 虫 管 理 技 術 改 善 実 施 事 項 グループ 実 証 による 防 除 体 系 の 改 善 実 施 地 区 高 知 市 土 佐 山 対 象 : 土 佐 山 野 菜 生 産 組 合 高 知 市 土 佐 山 地 区 の 促 成 シシトウ 栽 培 では 天 敵 を 利 用 した 防 除 に 取 り 組 んでおり その 成 果 から 地 区 内 の 雨 よけ 栽 培 での 天 敵 利 用 が 広 がった しかし 主 要 害 虫 (アザミウマ コナジラミ)に 対 する 防 除 効 果 は 高 かったが 他 の 病 害 虫 防 除 (アブラムシ うどんこ 病 斑 点 病 )が 課 題 となった そこで 地 域 での 病 害 虫 の 発 生 や 防 除 実 態 などを 調 査 して 課 題 を 整 理 し 次 年 度 の 防 除 技 術 の 改 善 につなげる (1) 病 害 虫 発 生 および 防 除 実 態 調 査 天 敵 導 入 後 の 防 除 実 態 や 経 費 病 害 虫 と 土 着 天 敵 発 生 状 況 および 防 除 意 識 の 変 化 につい て 土 佐 山 野 菜 生 産 組 合 員 へのアンケートお よび 聞 き 取 り 調 査 を 行 った また 現 地 検 討 会 で 各 ほ 場 での 防 除 状 況 を 確 認 した (2) 防 除 体 系 改 善 ( 案 )の 提 案 防 除 が 不 十 分 であった 病 害 虫 に 対 して 調 査 結 果 を 基 に 防 除 体 系 ( 案 )を 提 案 し 勉 強 会 で 検 討 した 現 地 検 討 会 (1) 調 査 結 果 から 天 敵 導 入 後 は 防 除 回 数 が 減 り 労 力 軽 減 が 図 られたこと 病 害 の 防 除 が 遅 れがちになっていることが 判 った 次 作 は 予 防 を 中 心 とした 病 害 防 除 を 行 うこ とを 確 認 した (2) 天 敵 導 入 によって 殺 虫 剤 の 使 用 が 減 り これまで 見 られなかったアブラムシの 土 着 天 敵 が 数 種 見 られた 初 めて 見 る 天 敵 を 害 虫 と 勘 違 いして 殺 していた 生 産 者 もいた が 現 地 検 討 会 で 理 解 を 深 め 観 察 力 も 高 まった (3) 天 敵 導 入 によって 防 除 方 法 が 変 わることで 病 害 虫 防 除 に 対 する 意 識 が 変 化 し 虫 や 病 斑 の 発 生 状 況 を 敏 感 に 観 察 するようになった 新 たな 防 除 体 系 での 防 除 効 果 の 検 証 と 適 期 防 除 の 実 施 を 支 援 する 執 筆 者 名 安 岡 由 紀
三 尺 ソルゴーを 利 用 した 防 除 体 系 の 検 討 実 施 事 項 雨 よけシシトウにおける 三 尺 ソルゴーを 用 いた 防 除 体 系 の 検 討 実 施 地 区 高 知 市 土 佐 山 地 区 土 佐 山 地 域 では 促 成 雨 よけ 露 地 の3つの 作 型 でシシトウが 栽 培 されている シシトウ 栽 培 では 登 録 農 薬 が 少 ないことから 施 設 では 天 敵 のスワルスキーカブリダ ニを 導 入 し 農 薬 の 使 用 を 抑 えた 防 除 に 取 り 組 んでいる そこで より 防 除 効 果 を 高 めるため 三 尺 ソルゴー( 侵 入 抑 制 土 着 天 敵 の 呼 び 込 み)を 用 いた 防 除 効 果 について 検 討 した (1) 実 証 圃 の 設 置 と 調 査 三 尺 ソルゴーをハウス 周 辺 に 栽 植 し ハウス 内 のシ シトウとハウス 周 辺 の 三 尺 ソルゴーに 寄 生 するアブ ラムシ 類 と 天 敵 類 の 発 生 状 況 を 調 査 し 防 除 効 果 を 検 討 した (2) 三 尺 ソルゴー 導 入 事 例 調 査 県 内 各 地 で 行 なわれている 三 尺 ソルゴーの 取 組 み について 情 報 を 収 集 した (3) 土 佐 山 野 菜 生 産 組 合 への 情 報 提 供 現 地 検 討 会 や 反 省 会 の 場 を 利 用 して 三 尺 ソルゴー による 防 除 効 果 について 地 域 内 や 県 内 での 取 り 組 み 状 況 と 結 果 を 報 告 した 天 敵 発 生 状 況 の 調 査 (1)ハウス 内 のシシトウでは 三 尺 ソルゴーで 確 認 されたヒメカメノコテントウやヒラ タアブ 類 の 幼 虫 など 天 敵 類 も 多 数 確 認 されたことから 三 尺 ソルゴーはアブラム シ 類 の 天 敵 確 保 とアブラムシ 被 害 の 拡 大 の 遅 延 に 有 効 であることが 確 認 された (2) 他 地 域 での 取 組 み 事 例 を 収 集 し 三 尺 ソルゴーのアブラムシ 類 と 土 着 天 敵 の 発 生 傾 向 を 生 産 者 と 共 有 できた (3) 取 り 組 みの 結 果 生 産 者 は 三 尺 ソルゴーの 導 入 に 興 味 を 示 すなど 天 敵 利 用 への 意 欲 が 高 まった 24 園 芸 年 度 での 全 作 型 ( 促 成 雨 よけ 露 地 )への 三 尺 ソルゴーの 利 用 推 進 執 筆 者 名 柴 山 文 那 -8-
裏 作 野 菜 の 導 入 による 稲 作 農 家 の 経 営 安 定 実 施 事 項 水 稲 裏 作 野 菜 の 導 入 および 栽 培 技 術 の 検 討 実 施 地 区 高 知 市 対 象 :JA 高 知 市 東 部 露 地 野 菜 部 会 水 稲 栽 培 農 家 の 経 営 安 定 のために 水 稲 裏 作 として 露 地 野 菜 の 導 入 と 産 地 化 を 望 む 声 が 大 きくなり 22 年 度 に JA 高 知 市 東 部 露 地 野 菜 部 にブロッコリー 部 会 を 設 立 して 栽 培 に 取 り 組 んだ しかし ブロッコリーは 価 格 の 乱 高 下 が 激 しく 経 営 安 定 に 結 びつ いていない そこで 収 穫 期 が 長 く 安 定 した 価 格 で 取 引 される 新 たな 有 望 品 目 の 導 入 を 図 る (1) 新 たな 有 望 品 目 の 導 入 有 望 品 目 産 地 づくり 事 業 を 活 用 し カ イランの 産 地 化 を 提 案 した 併 せて 販 路 出 荷 規 格 荷 姿 を 検 討 した(6 月 ) (2) 栽 培 暦 ( 案 )の 作 成 平 成 21~22 年 の 試 験 栽 培 結 果 をもとに 栽 培 指 針 ( 案 )を 作 成 した(6 月 ) 露 地 野 菜 現 地 検 討 会 (3) 実 証 ほの 設 置 と 巡 回 指 導 によるデータ 収 集 実 証 ほを 設 置 し 栽 培 指 針 ( 正 ) 作 成 のための 基 礎 データを 収 集 した 併 せて 栽 培 技 術 の 向 上 を 図 るため 巡 回 指 導 した(9 月 ~1 月 ) (4) 販 路 の 開 拓 前 年 までは 大 阪 市 場 と 高 知 市 内 の 料 理 店 のみへの 出 荷 であったが 新 たに 高 知 東 京 市 場 への 出 荷 を 開 始 し 消 費 拡 大 による 需 給 バランスと 価 格 の 安 定 を 図 った (1) 産 地 化 に 向 けてカイラン 部 会 ( 部 会 員 13 名 面 積 101a)が 設 立 された 栽 培 指 針 ( 案 )を 作 成 し 定 期 的 な 巡 回 指 導 を 行 い 部 会 全 体 の 栽 培 技 術 の 向 上 が 図 られた (2) 東 京 市 場 に 出 荷 することで 高 値 で 相 場 が 展 開 し 部 会 員 も 手 応 えを 感 じている 来 年 は 面 積 を 増 やす 周 りの 人 にも 紹 介 する 等 生 産 意 欲 が 高 まっている (1) 頂 花 蕾 の 販 売 (H23 年 は 側 枝 のみの 販 売 H24 年 は 頂 花 蕾 の 販 売 も 検 討 ) (2) 厳 寒 期 および 病 害 虫 対 策 (12 月 頃 より 急 激 に 生 育 が 弱 る 登 録 薬 剤 が 少 ない) (3) 栽 培 技 術 の 確 立 執 筆 者 名 市 川 智 啓 -9-
消 費 者 ニーズに 基 づく 直 販 所 の 生 産 体 制 づくり 実 施 事 項 生 産 履 歴 記 帳 活 動 の 推 進 と 入 荷 売 上 分 析 に 基 づく 生 産 販 売 体 制 の 確 立 実 施 対 象 鏡 村 直 販 店 組 合 鏡 村 直 販 店 組 合 の 販 売 額 は 近 年 横 ばい 傾 向 であるが 生 産 履 歴 記 帳 活 動 の 不 備 や 商 品 の 不 足 が 頻 発 するなど 消 費 者 ニーズを 反 映 した 店 舗 づくりが 必 ずしもできてい ないことが 販 売 額 低 迷 の 要 因 として 挙 げられた そこで 販 売 額 の 向 上 のため 適 正 な 履 歴 記 帳 と 消 費 者 ニーズに 沿 った 作 付 体 系 への 移 行 を 支 援 する (1) 生 産 履 歴 記 帳 活 動 の 推 進 (4~3 月 ) 組 合 員 の 中 から 生 産 履 歴 チェッカーを 指 名 し 月 1 回 の 履 歴 点 検 活 動 を 支 援 した 同 時 に 点 検 結 果 を 生 産 者 にフィードバックする 体 制 の 整 備 を 支 援 した (2) 需 給 ギャップの 検 証 (6~3 月 ) 消 費 者 アンケート 調 査 グループインタビュー を 実 施 し 消 費 者 ニーズを 把 握 するとともに 入 荷 状 況 調 査 を 実 施 し 商 品 の 入 荷 動 向 を 把 握 した また データを 視 覚 化 し 生 産 者 に 提 示 した 講 習 会 風 景 (1) 生 産 履 歴 点 検 活 動 により 履 歴 の 不 備 等 が 確 認 され 結 果 を 迅 速 に 生 産 者 に 伝 達 し 改 善 する 体 制 が 整 備 できた これにより 適 正 な 生 産 履 歴 が 記 帳 されるようになり 消 費 者 の 求 める 安 全 安 心 な 直 販 所 づくりの 土 台 ができた (2) 把 握 した 消 費 者 ニーズ 基 づいてモデル 品 目 (ホウレンソウ コマツナ)の 作 付 体 系 を 作 成 した 生 産 者 にも 作 付 体 系 を 見 直 す 意 識 が 高 まり 実 践 に 移 行 する 動 きがで きた 需 給 ギャップ 解 消 に 向 けて 消 費 者 ニーズに 沿 った 作 付 体 系 を 誘 導 すると 共 に 栽 培 技 術 指 導 による 安 定 生 産 を 目 指 す また 高 齢 生 産 者 の 増 加 に 伴 う 商 品 搬 入 作 業 労 力 の 軽 減 化 に 向 けて 効 率 的 な 運 営 体 制 の 構 築 を 支 援 していく 執 筆 者 名 西 本 典 矢 -10-
中 山 間 地 域 における 薬 草 栽 培 の 推 進 実 施 事 項 高 知 市 における 薬 草 栽 培 の 安 定 化 実 施 地 区 高 知 市 土 佐 山 菖 蒲 鏡 横 矢 鏡 梅 ノ 木 地 区 高 知 市 では 有 機 無 農 薬 等 ECO 農 業 と 薬 草 の 里 づくり として 地 域 アクション プランで 薬 草 栽 培 を 推 進 している 普 及 所 でも 中 山 間 地 域 の 有 望 な 基 幹 作 物 として 薬 草 に 注 目 し ミシマサイコの 導 入 と 定 着 に 取 り 組 んだ また 新 たな 品 目 として ホソバオケラの 試 験 栽 培 を 行 い 栽 培 方 法 や 高 知 市 での 栽 培 の 適 否 について 検 討 した (1)ミシマサイコ 1 現 地 検 討 会 現 地 指 導 及 び 生 育 調 査 の 実 施 (5 回 ) 2 先 進 事 例 の 調 査 (1 回 ) 3 栽 培 拡 大 に 向 けた 説 明 会 の 実 施 (2 回 ) (2)ホソバオケラ 1 現 地 指 導 及 び 生 育 調 査 の 実 施 (4 回 ) 先 進 事 例 調 査 (1)ミシマサイコ 今 年 は 生 育 不 良 であったが 原 因 ( 初 期 のかん 水 不 足 による 発 芽 不 良 )が 明 らかで あったことから 現 地 検 討 会 先 進 事 例 調 査 等 により 生 産 者 の 栽 培 への 理 解 は 深 まった また 説 明 会 で 啓 発 することで 栽 培 に 関 心 を 持 つ 農 家 が 徐 々に 増 えてきており 中 山 間 地 域 での 広 がりが 見 られるようになった (2)ホソバオケラ 欠 株 率 ( 平 成 23 年 植 えで1 割 近 く)が 多 く 生 産 意 欲 の 減 退 要 因 となっている 生 理 生 態 など 作 物 特 性 の 不 明 点 や 欠 株 の 発 生 等 多 くの 栽 培 技 術 課 題 がある 一 方 2 年 株 の 掘 り 取 り 調 査 では 10a 当 り 782 kg( 植 え 付 け 株 数 :4,444 株 /10 a)となった 予 想 していた 植 付 株 の3~4 倍 を 上 回 る6 倍 近 くの 収 穫 量 があり 一 定 の 収 量 性 があることを 確 認 した ミシマサイコは 栽 培 技 術 の 向 上 を 図 るとともに 導 入 にあたって 課 題 となってい る 手 のかかる 作 業 ( 除 草 調 整 )については 集 落 営 農 等 で 地 域 の 労 働 力 を 有 効 利 用 することを 含 めて 改 善 を 図 っていく ホソバオケラは 栽 培 技 術 課 題 との 改 善 方 向 のめどが 立 ってきた 一 方 単 価 や 県 の 取 り 組 み 方 向 が 明 確 でない 状 況 にある 今 後 関 係 機 関 と 連 携 して 経 営 評 価 ができ るよう 努 める 執 筆 者 名 小 西 則 幸 -11-
集 落 営 農 組 織 のレベルアップ 実 施 事 項 水 稲 機 械 の 共 同 利 用 の 推 進 実 施 地 区 高 知 市 介 良 対 象 : 介 良 沖 ノ 丸 環 境 保 全 農 業 組 合 高 知 市 介 良 で 環 境 に 配 慮 した 農 業 に 取 り 組 んでいる 介 良 沖 ノ 丸 環 境 保 全 農 業 組 合 は エコファーマーの 認 定 を 受 け 農 地 水 環 境 保 全 向 上 対 策 や 新 規 需 要 米 等 の 生 産 に 取 り 組 んでいる 生 産 した 米 は 白 鷺 米 として 学 校 給 食 や 飲 食 店 等 に 販 売 する など 収 益 性 の 向 上 に 取 り 組 んでいる 稲 作 経 営 を 取 り 巻 く 状 況 は 年 々 悪 化 しており 水 稲 機 械 の 共 同 利 用 による 受 委 託 を 進 め 組 織 全 体 の 水 稲 生 産 コストを 下 げると 共 に 品 質 向 上 と 販 路 の 開 拓 などの 取 り 組 みにより 農 家 所 得 の 向 上 を 図 る * 介 良 沖 ノ 丸 環 境 保 全 農 業 組 合 (21 戸 33ha H20 年 6 月 9 日 設 立 ) (1) 水 稲 機 械 の 共 同 利 用 と 受 委 託 の 啓 発 水 稲 作 業 の 受 託 による 規 模 拡 大 と 機 械 の 高 度 利 用 に 取 り 組 む 経 営 者 の 講 演 (6 月 ) 現 地 調 査 (11 月 )を 開 催 した (2) 委 託 意 向 の 把 握 周 辺 地 区 の 水 稲 機 械 の 保 有 状 況 と 更 新 計 画 水 稲 作 業 の 受 委 託 状 況 および5 年 後 の 意 向 についてアンケート 調 査 した (3) 色 彩 選 別 機 の 導 入 支 援 関 係 機 関 と 連 携 し 利 用 規 程 利 用 料 金 設 定 機 械 の 規 模 など 導 入 計 画 の 作 成 や 集 落 営 農 拠 点 ビジネス 支 援 事 業 の 活 用 を 支 援 した (4) 白 鷺 米 の 販 売 促 進 の 支 援 白 鷺 米 のPRチラシの 作 成 を 支 援 し 地 域 イベント 親 水 公 園 ふれあいまつり 等 でのPR 販 売 を 支 援 した 導 入 した 色 彩 選 別 講 演 や 現 地 調 査 により 水 稲 機 械 の 共 同 利 用 の 意 識 が 高 まり 共 同 利 用 機 械 の 導 入 計 画 が 策 定 できた 導 入 した 色 彩 選 別 機 は 斑 点 米 や 黒 点 米 など 害 虫 による 被 害 米 を 取 り 除 くことができ 品 質 向 上 につながった 水 稲 機 械 の 共 同 利 用 による 全 作 業 の 受 委 託 と 効 率 的 な 作 業 計 画 をすすめ さらに 他 地 区 へ 波 及 させていく 執 筆 者 名 中 島 美 里 -12-
経 営 感 覚 に 優 れた 担 い 手 の 育 成 実 施 事 項 経 営 改 善 支 援 実 施 地 区 高 知 市 対 象 : 企 業 的 農 業 経 営 を 目 指 す 農 業 者 農 業 を 取 り 巻 く 状 況 が 厳 しい 中 農 業 経 営 者 には 明 確 な 目 標 のもとに 効 率 的 な 作 業 や 雇 用 管 理 能 力 を 備 えた 企 業 的 な 経 営 感 覚 を 持 つことが 求 められている このため 経 営 発 展 に 高 い 意 欲 をもつ 経 営 体 を 対 象 に 専 門 家 や 関 係 機 関 と 連 携 したコンサルテーション 活 動 と 併 せて 各 種 研 修 会 等 を 実 施 し 個 々の 経 営 管 理 能 力 の 向 上 を 支 援 した (1) カウンセリング コンサルテーション 普 及 所 JA 各 専 門 家 が 対 象 農 家 の 経 営 課 題 に 応 じて 連 携 し 農 家 毎 に 課 題 や 改 善 策 を 検 討 した (2) 各 種 研 修 会 等 の 開 催 及 び 開 催 支 援 カウンセリング コンサルテーションで 得 た 対 象 農 家 の 意 向 と 経 営 課 題 を 把 握 し 専 門 家 や 関 係 機 関 と 連 携 し 下 記 のテーマで 研 修 会 を 実 施 した 5 月 : 我 が 家 の 経 営 分 析 6 月 : 地 域 指 標 の 傾 向 7 月 :これからの 雇 用 管 理 経 営 管 理 ( 講 師 : 経 営 コンサルタント) 8 月 : 農 業 者 が 知 っておきたい 社 会 保 険 制 度 ( 講 師 : 社 会 保 険 労 務 士 ) 9 月 :これからの 効 率 的 な 経 営 手 法 ( 講 師 : 経 営 コンサルタント) 11 月 : 企 業 的 経 営 先 進 事 例 調 査 (1) 研 修 会 では1 自 分 がどういうホ シ ション ヒ シ ョンでどうなりたいのか 2 時 間 で 作 業 を 管 理 する 3 売 る ことを 考 える 3 求 められる 経 営 者 像 は 規 模 によって 違 う 4 雇 用 計 画 の 重 要 性 5 従 業 員 の 本 音 に 気 づく 等 経 営 発 展 に 必 要 な 雇 用 経 営 管 理 に 関 する 認 識 を 深 めた (2) 経 営 者 の 仕 事 の 再 確 認 や 仕 事 の 進 め 方 作 業 が 効 率 的 にできる 体 制 づくり 資 金 繰 り 表 の 作 成 等 新 たな 新 取 り 組 みを 始 める 機 会 になった (3) 法 人 経 営 体 の 調 査 では 法 人 化 のきっかけ 法 人 化 後 の 経 営 者 や 従 業 員 の 意 識 の 変 化 等 を 具 体 的 に 聞 き 法 人 化 や 規 模 拡 大 等 経 営 発 展 に 向 けた 課 題 整 理 に 活 かされた 演 習 : 経 営 者 の 本 来 業 務 とは 関 係 機 関 と 連 携 し 農 家 の 課 題 やニーズに 応 じた 的 確 な 経 営 管 理 を 支 援 する * 企 業 的 農 業 経 営 体 : 規 模 拡 大 や 法 人 化 等 により 経 営 発 展 を 目 指 す 経 営 体 執 筆 者 名 田 中 若 菜 -13-
新 規 就 農 希 望 者 の 就 農 支 援 実 施 事 項 就 農 希 望 者 の 円 滑 な 経 営 開 始 への 支 援 実 施 地 区 高 知 市 春 野 町 新 規 就 農 者 特 に I ターンの 就 農 希 望 者 は 研 修 受 入 農 家 や 研 修 後 の 農 地 (ハウス) の 確 保 が 難 しく 経 営 開 始 が 困 難 な 場 合 がある そこで 就 農 希 望 者 が 円 滑 に 農 業 経 営 を 開 始 できるよう 関 係 機 関 と 連 携 して 支 援 する (1) 新 規 就 農 研 修 支 援 事 業 を 活 用 した 農 業 技 術 習 得 への 支 援 1 関 係 機 関 の 連 携 JA 高 知 春 野 は 就 農 希 望 者 と 面 談 し 研 修 受 け 入 れ 農 家 を 選 定 紹 介 した 市 は 農 業 技 術 の 習 得 期 間 ( 研 修 期 間 ) 中 の 経 済 負 担 を 軽 減 するため 新 規 就 農 研 修 支 援 事 業 ( 県 単 事 業 )を 活 用 した 普 及 所 は 研 修 の 状 況 を 確 認 し 研 修 内 容 に 対 する 助 言 や 研 修 生 と 研 修 受 入 農 家 との 調 整 等 を 行 った また 農 業 大 学 校 等 の 研 修 情 報 を 提 供 し 幅 広 い 研 修 が 行 えるように 支 援 した (2) 経 営 開 始 への 支 援 就 農 時 の 栽 培 作 物 選 定 について 栽 培 技 術 と 経 営 の 両 面 から 助 言 指 導 した JA と 共 に 借 入 農 地 やハウス 等 の 選 定 を 支 援 した 就 農 時 や5 年 後 の 経 営 目 標 設 定 等 就 農 計 画 の 作 成 を 支 援 した 農 業 経 営 開 始 後 の 経 営 シミュレーションを 提 示 す ると 共 に 適 正 な 制 度 資 金 の 活 用 を 助 言 した 関 係 機 関 が 連 携 して 支 援 を 行 うことで 研 修 期 間 中 に 認 定 就 農 者 に 認 定 され 円 滑 に 経 営 を 開 始 でき る 準 備 が 整 い 農 業 経 営 への 意 欲 がさらに 高 まった 就 農 計 画 作 成 支 援 新 規 就 農 者 は 経 験 が 浅 く 技 術 や 知 識 等 が 十 分 でないことがあるため 就 農 後 2 年 ~3 年 は 経 営 が 安 定 しないことが 多 い 早 期 に 経 営 が 安 定 し 地 域 の 担 い 手 とし て 定 着 するよう 今 後 も 関 係 機 関 と 連 携 して 経 営 と 栽 培 技 術 の 両 面 から 支 援 して いく 執 筆 者 名 山 﨑 孝 代 -14-
耕 畜 住 民 連 携 によるカラス 被 害 対 策 実 施 事 項 新 高 梨 の 生 産 安 定 とナシ 産 地 計 画 実 践 支 援 ( 鳥 害 対 策 技 術 の 検 討 と 導 入 ) 実 施 地 区 高 知 市 対 象 : 針 木 梨 組 合 高 知 市 針 木 地 区 では カラスによる 新 高 梨 の 被 害 が 増 加 し 針 木 梨 組 合 (33 戸 以 下 組 合 という)では 年 間 約 3 万 果 約 1,500 万 円 もの 被 害 が 出 ていた これまで カラス 対 策 には 主 に 爆 音 機 を 使 用 してきたが 宅 地 化 の 進 行 に 伴 って 騒 音 が 問 題 視 されるようになった そこで 騒 音 を 伴 わず より 効 果 的 なカラス 被 害 対 策 を 実 施 し 新 高 梨 のカラス 被 害 を 軽 減 する (1) 地 域 対 策 組 織 の 整 備 カラス 被 害 対 策 は 地 域 ぐるみの 取 り 組 みが 効 果 的 であると 考 え 組 合 畜 産 農 家 関 係 機 関 自 治 会 代 表 による 針 木 地 区 カラス 対 策 協 議 会 の 結 成 をコーディネー トし 同 協 議 会 で 情 報 交 換 実 施 計 画 の 作 成 進 捗 を 管 理 した (2) 知 識 と 技 術 の 向 上 農 作 物 野 生 鳥 獣 被 害 対 策 アドバイザーを 招 き カラス 被 害 対 策 の 専 門 研 修 や JA 高 知 市 鳥 獣 対 策 員 ( 有 害 鳥 獣 捕 獲 及 び 生 息 調 査 事 業 により 雇 用 )による 技 術 研 修 を 開 催 した (3) 防 鳥 対 策 の 実 践 防 護 対 策 ( 防 鳥 ネット 他 ) 捕 獲 対 策 (わな 猟 免 許 取 得 捕 獲 檻 の 設 置 ) 環 境 整 備 (エサを 無 くす 追 い 払 い 等 )の 3 対 策 を 支 援 した (4) 地 域 住 民 との 対 話 同 協 議 会 では 爆 音 機 騒 音 を 考 える 会 との 対 話 や 組 合 が 地 元 との 交 流 のため 開 催 している 収 穫 祭 で 鳥 獣 被 害 対 策 をパネル 展 示 するなど 地 元 の 理 解 を 深 めた 防 鳥 ネットの 張 り 方 研 修 (1) 被 害 の 軽 減 平 成 23 年 産 の 被 害 果 数 は 前 年 対 比 の 1/3 被 害 対 策 開 始 (8 月 ) 以 降 に 限 れば 1/9 程 度 にまで 減 少 した これによる 経 済 効 果 は 約 1,000 万 円 であった (2) 住 民 との 融 和 と 協 力 関 係 の 形 成 農 家 と 住 民 の 相 互 理 解 が 進 み 爆 音 機 は 60 台 から 2 台 まで 減 少 住 民 は 梨 園 地 巡 回 コースを 散 歩 し カラスを 追 い 払 うなど 協 力 関 係 が 形 成 された 爆 音 機 の 完 全 撤 廃 と 更 なる 被 害 軽 減 を 目 指 し 地 域 ぐるみの 活 動 を 支 援 して 行 く 執 筆 者 名 中 野 和 彦 -15-