諮 問 庁 : 防 衛 大 臣 諮 問 日 : 平 成 20 年 4 月 15 日 ( 平 成 20 年 ( 行 情 ) 諮 問 第 204 号 ) 答 申 日 : 平 成 21 年 3 月 31 日 ( 平 成 20 年 度 ( 行 情 ) 答 申 第 581 号 ) 事 件 名 : インド 洋 方 面 における 対 米 支 援 用 燃 料 の 供 給 能 力 の 調 査 結 果 につい て の 一 部 開 示 決 定 に 関 する 件 答 申 書 第 1 審 査 会 の 結 論 インド 洋 方 面 における 対 米 支 援 用 燃 料 の 供 給 能 力 の 調 査 結 果 について ( 以 下 本 件 対 象 文 書 という )につき,その 一 部 を 不 開 示 とした 決 定 に ついて, 諮 問 庁 がなお 不 開 示 とすべきとしている 部 分 は, 不 開 示 とするこ とが 妥 当 である 第 2 異 議 申 立 人 の 主 張 の 要 旨 1 異 議 申 立 ての 趣 旨 行 政 機 関 の 保 有 する 情 報 の 公 開 に 関 する 法 律 ( 以 下 法 という )3 条 の 規 定 に 基 づく 本 件 対 象 文 書 の 開 示 請 求 に 対 し, 平 成 20 年 2 月 22 日 付 け 防 官 文 第 2051 号 により 防 衛 大 臣 ( 以 下 処 分 庁 又 は 諮 問 庁 と いう )が 行 った 一 部 開 示 決 定 ( 以 下 原 処 分 という )について,これ を 取 り 消 し,その 開 示 を 求 める 2 異 議 申 立 ての 理 由 (1) 異 議 申 立 書 ア 本 件 開 示 決 定 通 知 書 は, 当 該 文 書 のどの 部 分 を 不 開 示 としたか 具 体 的 に 特 定 しておらず, 行 政 処 分 として 違 法 の 疑 いが 持 たれる また, 技 術 的 なミスによって 誤 った 部 分 に 皮 膜 が 施 される 可 能 性 があるた め, 不 開 示 部 分 の 特 定 ( 何 頁 の 何 行 目 という 形 で)がされるべきであ る イ 記 録 された 内 容 を 精 査 し, 支 障 が 生 じない 部 分 については 開 示 すべ きである (2) 意 見 書 ア 不 開 示 部 分 の 内 容 的 な 特 定 では 不 十 分 である 諮 問 庁 の 理 由 説 明 書 では, 不 開 示 理 由 を 複 数 挙 げており, 不 開 示 部 分 には,それぞれ 個 別 の 不 開 示 理 由 があるものと 思 われる その 個 別 の 理 由 に 対 して, 異 議 申 立 人 がそれぞれ 反 証 するためには, 不 開 示 部 分 の 具 体 的 な 特 定 が 不 可 欠 である 本 件 対 象 文 書 にかかわる 海 上 自 衛 隊 によるインド 洋 での 給 油 活 動 について, 諮 問 庁 は,それまで 秘 密 と されてきた 数 々の 事 実 について 積 極 的 に 資 料 を 公 表 している 不 開 示 -1-
部 分 が 特 定 されれば,そうした 資 料 を 基 に 個 別 に 反 証 していきたい イ インド 洋 での 給 油 活 動 における 海 上 自 衛 隊 の 後 方 支 援 の 運 用 実 態 は, 公 開 されている 諮 問 庁 は, 不 開 示 部 分 のうち, 海 外 における 船 舶 用 燃 料 の 供 給 能 力 調 査 (ご 依 頼 ) 中,1 回 当 たりの 出 荷 単 位 については, 公 にする と, 海 上 自 衛 隊 の 後 方 支 援 に 係 る 運 用 能 力 が 推 察 され と 主 張 してい る しかしながら, 諮 問 庁 は, 海 上 自 衛 隊 補 給 艦 から 米 補 給 艦 への 給 油 量 取 り 違 え 事 案 について( 中 間 報 告 ) ( 平 成 19 年 10 月 29 日 防 衛 省 )を 公 表,この 中 で 個 別 の 給 油 実 態 を 明 らかにしている 個 別 の 給 油 実 態 が 既 に 公 表 されている 現 在, 1 回 当 たりの 出 荷 単 位 を 不 開 示 とする 理 由 はない 第 3 諮 問 庁 の 説 明 の 要 旨 1 経 緯 本 件 開 示 請 求 は, 海 上 自 衛 隊 のインド 洋 での 洋 上 給 油 活 動 にかかる 燃 料 調 達 の 随 意 契 約 に 当 たって 行 われた 燃 料 供 給 の 能 力 調 査 に 関 する 文 書 のす べて を 求 めるものであり,これに 対 し 本 件 対 象 文 書 を 特 定 し,その 記 載 の 一 部 が 法 5 条 に 規 定 する 不 開 示 情 報 に 該 当 することから, 平 成 20 年 2 月 22 日 付 け 防 官 文 第 2051 号 により, 当 該 部 分 を 不 開 示 とする 原 処 分 を 行 ったところ, 異 議 申 立 てが 提 起 されたものである 2 不 開 示 情 報 該 当 性 について (1) 調 査 結 果 等 及 び 別 紙 中, 特 定 の 企 業 に 係 る 情 報 については, 公 にする と, 燃 料 調 達 に 係 る 契 約 の 相 手 方 企 業 が 明 らかとなり, 又 は 推 察 される おそれがあり,テロ 等 の 標 的 になるなど, 公 共 の 安 全 と 秩 序 の 維 持 に 支 障 を 及 ぼすおそれがあり, 法 5 条 4 号 に 該 当 するため 不 開 示 とした また, 当 該 不 開 示 部 分 は,インド 洋 方 面 における 供 給 能 力 調 査 におい て, 供 給 可 能 と 回 答 した 企 業 に 対 して 再 確 認 した 際 の 情 報 であり, 公 に することにより, 今 後 の 燃 料 調 達 に 係 る 入 札 への 参 加 をちゅうちょさせ, 公 正 な 競 争 により 形 成 されるべき 適 正 な 額 での 契 約 が 困 難 となったり, 最 悪 の 場 合, 燃 料 の 納 入 自 体 が 不 可 能 となる 外, 海 上 自 衛 隊 が 行 う 燃 料 調 達 の 契 約 に 係 る 選 定 基 準 や 判 断 材 料 が 明 らかになることから, 当 該 契 約 事 務 の 適 正 な 遂 行 に 支 障 を 生 じるさせるおそれがあるため, 法 5 条 6 号 にも 該 当 する (2) 海 外 における 艦 船 用 燃 料 の 供 給 能 力 調 査 (ご 依 頼 ) 中,1 回 当 たりの 出 荷 単 位 については, 公 にすると, 海 上 自 衛 隊 の 後 方 支 援 に 係 る 運 用 能 力 が 推 察 され, 海 上 自 衛 隊 の 任 務 の 効 果 的 な 遂 行 に 支 障 を 生 じさせるお それがあり, 法 5 条 3 号 に 該 当 するため 不 開 示 とした (3) 海 外 における 艦 船 用 燃 料 の 供 給 能 力 調 査 に 対 する 回 答 については, 公 -2-
表 しないことを 前 提 に 提 出 を 依 頼 したものであり, 法 5 条 2 号 ロに 該 当 するため 不 開 示 とした (4) 平 成 13 年 に 行 われた 燃 料 供 給 の 能 力 調 査 に 関 する 文 書 については, 文 書 の 保 存 期 限 が 満 了 しており, 既 に 破 棄 されていることから, 不 存 在 につき 不 開 示 とした 3 開 示 決 定 後 新 たに 開 示 することとした 部 分 について 上 記 2(1)により 不 開 示 とした 特 定 の 企 業 に 係 る 情 報 のうち, 所 要 量 の 確 保 におけるタンクの 容 量 及 び 現 地 派 遣 員 ( 通 訳 等 )の 一 部 については, 改 めて 精 査 した 結 果, 開 示 可 能 と 判 断 したことから, 審 査 会 の 答 申 後 の 決 定 により 開 示 することとする 4 異 議 申 立 人 の 主 張 について 異 議 申 立 人 は, 本 件 開 示 決 定 通 知 書 は, 当 該 文 書 のどの 部 分 を 不 開 示 と したか 具 体 的 に 特 定 しておらず, 行 政 処 分 として 違 法 の 疑 いが 持 たれる などとして, 不 開 示 処 分 の 対 象 部 分 の 特 定 を 求 めているが, 行 政 文 書 開 示 決 定 通 知 書 により, 適 法 に 不 開 示 情 報 該 当 部 分 は 特 定 されており, 異 議 申 立 人 の 主 張 は 当 たらない また, 記 録 された 内 容 を 精 査 し, 支 障 が 生 じない 部 分 については 開 示 す べきである として, 原 処 分 の 取 消 しを 主 張 するが, 不 存 在 につき 不 開 示 とした 文 書 以 外 の 文 書 について, 不 開 示 情 報 該 当 部 分 を 再 度 慎 重 に 検 討 し た 結 果, 答 申 後 の 決 定 により 開 示 することとした 部 分 を 除 き, 法 5 条 の 規 定 に 該 当 する 部 分 以 外 の 部 分 については 開 示 しており, 異 議 申 立 人 の 主 張 は 当 たらない 第 4 調 査 審 議 の 経 過 当 審 査 会 は, 本 件 諮 問 事 件 について, 以 下 のとおり, 調 査 審 議 を 行 った 1 平 成 20 年 4 月 15 日 諮 問 の 受 理 2 同 日 諮 問 庁 から 理 由 説 明 書 を 収 受 3 同 月 28 日 異 議 申 立 人 から 意 見 書 を 収 受 4 平 成 21 年 2 月 20 日 本 件 対 象 文 書 の 見 分 及 び 審 議 5 同 年 3 月 6 日 審 議 6 同 月 10 日 諮 問 庁 から 補 充 理 由 説 明 書 を 収 受 7 同 月 27 日 審 議 第 5 審 査 会 の 判 断 の 理 由 1 本 件 対 象 文 書 について 本 件 対 象 文 書 は, 平 成 13 年 9 月 11 日 のアメリカ 合 衆 国 において 発 生 したテロリストによる 攻 撃 等 に 対 応 して 行 われる 国 際 連 合 憲 章 の 目 的 達 成 のための 諸 外 国 の 活 動 に 対 して 我 が 国 が 実 施 する 措 置 及 び 関 連 する 国 際 連 合 決 議 等 に 基 づく 人 道 的 措 置 に 関 する 特 別 措 置 法 に 基 づき 実 施 する 海 上 -3-
自 衛 隊 による 協 力 支 援 活 動 において 必 要 とされる 艦 船 用 燃 料 を 海 外 で 調 達 するに 先 立 ち, 海 上 幕 僚 監 部 装 備 部 需 品 課 がその 供 給 能 力 について 各 法 人 に 対 して 行 った 調 査 の 結 果 を 取 りまとめ, 横 須 賀 地 方 総 監 部 経 理 部 長 及 び 横 須 賀 造 修 補 給 所 長 あてに 通 知 した 文 書 である なお, 当 該 通 知 文 書 には, 別 紙 として 調 査 結 果 の 一 覧 が 付 されている 外, 海 上 自 衛 隊 から 各 法 人 への 調 査 の 依 頼 文 書 及 び 各 法 人 から 海 上 自 衛 隊 への 回 答 文 書 が 添 付 されている 処 分 庁 は, 本 件 対 象 文 書 の 記 載 の 一 部 が 法 5 条 2 号 ロ,3 号 及 び4 号 に 規 定 する 不 開 示 情 報 に 該 当 するとして,これらの 部 分 を 不 開 示 とする 原 処 分 を 行 っており, 諮 問 庁 は, 同 条 4 号 に 該 当 するとされた 部 分 の 一 部 につ いては 新 たに 開 示 するとしているが,その 余 の 不 開 示 部 分 については, 同 条 2 号 ロ,3 号,4 号 及 び6 号 ロに 該 当 するとしていることから, 以 下, 当 審 査 会 において 本 件 対 象 文 書 を 見 分 した 結 果 に 基 づき, 諮 問 庁 がなお 不 開 示 とすべきとしている 部 分 の 不 開 示 情 報 該 当 性 について 検 討 する 2 不 開 示 情 報 該 当 性 について (1) 法 5 条 2 号 該 当 性 について 本 件 対 象 文 書 中, 法 5 条 2 号 ロを 理 由 に 不 開 示 とされた 部 分 は,6 枚 目 以 降 の 各 法 人 からの 海 外 における 艦 船 用 燃 料 の 供 給 能 力 調 査 に 対 す る 回 答 のすべてである 当 該 部 分 は, 海 上 自 衛 隊 が 各 法 人 に 対 して 行 った 燃 料 調 達 の 供 給 能 力 調 査 への 回 答 文 書 であって, 各 法 人 の 供 給 態 勢 や 能 力 が 具 体 的 な 数 値 や 対 応 措 置 と 共 に 記 載 されていることが 認 められ る 上 記 認 定 の 記 載 内 容 は, 特 殊 な 具 体 的 条 件 下 における 各 法 人 の 燃 料 供 給 能 力, 対 応 能 力 に 係 る 情 報 であって, 各 法 人 にとっては, 個 々の 商 品 取 引 に 係 る 具 体 的 情 報 ないし 企 業 経 営 上 秘 匿 されるべき 内 部 情 報 である と 言 えることから, 法 5 条 2 号 ロに 規 定 する 通 例 として 公 にしないこ ととされているもの に 該 当 すると 認 められる また, 当 該 文 書 の 提 供 に 当 たって 非 公 開 を 前 提 とされていることについても, 上 記 供 給 能 力 の 調 査 依 頼 文 書 及 び 同 回 答 文 書 の 記 載 内 容 や 性 質 にかんがみるとき, 公 に しないことを 条 件 に 作 成 されたものであることを 容 易 にうかがわせ,こ れが 提 出 された 状 況 等 に 照 らせば, 公 にしないとの 条 件 を 付 すこと には, 合 理 性 があると 認 められる ただし, 当 該 不 開 示 部 分 には, 本 件 対 象 文 書 3 枚 目 の 別 紙 において 既 に 開 示 されている 情 報 の 一 部 と, 同 一 又 は 類 似 の 情 報 が 記 載 されている ことが 認 められる そこで, 当 該 情 報 の 不 開 示 情 報 該 当 性 について 更 に 検 討 すると,3 枚 目 の 別 紙 において 開 示 されている 情 報 の 記 載 からは, 調 査 に 回 答 している 法 人 を 具 体 的 に 特 定 することはできないが, 回 答 文 書 中 に 記 載 された 当 該 情 報 については, 回 答 に 係 る 様 式, 書 きぶり 及 び -4-
内 容 が 法 人 ごとに 大 きく 異 なっているところ,これを 公 にすることで, 各 法 人 を 推 測 させるおそれがあるのみならず,それぞれの 法 人 が 海 上 自 衛 隊 の 活 動 に 協 力 的 であるか 否 かといった 機 微 な 事 情 をも 推 察 させるお それがあると 認 められる よって, 当 該 不 開 示 部 分 におけるかかる 情 報 についても, 上 記 認 定 のとおり, 通 例 として, 公 にしないこととされて いるものであり,かつ, 公 にしないとの 条 件 を 付 すことに 合 理 性 がある と 認 められる したがって, 当 該 回 答 文 書 については, 法 5 条 2 号 ロに 該 当 し,その すべてを 不 開 示 とすることが 相 当 である (2) 法 5 条 3 号 該 当 性 について 本 件 対 象 文 書 中, 法 5 条 3 号 を 理 由 に 不 開 示 とされた 部 分 は,4 枚 目 の 海 外 における 艦 船 用 燃 料 の 供 給 能 力 調 査 (ご 依 頼 ) 中,1 回 当 たり の 出 荷 単 位 の 部 分 である 当 該 部 分 には, 海 上 自 衛 隊 が 希 望 する 燃 料 の 納 入 規 模 として,1 回 又 は1か 月 当 たりの 燃 料 数 値 が 具 体 的 に 記 載 され ていることが 認 められる そのため, 当 該 部 分 を 公 にすることにより, 海 上 自 衛 隊 が 保 有 する 補 給 艦 における 運 用 上 の 積 載 能 力 や 給 油 能 力 が 明 らかとなる 外, 海 上 自 衛 隊 が 行 う 洋 上 補 給 に 係 る 出 入 港 のおおよその 間 隔 や 運 用 能 力 等 が 推 察 され, 海 上 自 衛 隊 が 実 施 する 協 力 支 援 活 動 の 効 果 的 な 遂 行 や 安 全 航 行 の 確 保 に 支 障 を 生 じさせるおそれがあると 認 められ る したがって, 当 該 情 報 を 公 にすることにより, 国 の 安 全 が 害 されるお それがあると 行 政 機 関 の 長 が 認 めることにつき 相 当 の 理 由 があると 認 め られるので, 法 5 条 3 号 に 該 当 し, 不 開 示 とすることが 妥 当 である なお, 異 議 申 立 人 は, 海 上 自 衛 隊 補 給 艦 から 米 補 給 艦 への 給 油 量 取 り 違 え 事 案 について( 中 間 報 告 ) を 公 表 して, 個 別 の 給 油 実 態 を 明 らか にしているため, 1 回 当 たりの 出 荷 単 位 を 不 開 示 とする 理 由 はない 旨 主 張 しているが, 上 記 事 案 に 係 る 公 表 において, 諸 外 国 の1 隻 ごとの 艦 艇 への 給 油 量 の 一 部 を 明 らかとしただけで, 海 上 自 衛 隊 の 補 給 艦 に1 回 で 積 載 する 全 体 の 給 油 量 を 明 らかとしているわけではないことから, 当 該 主 張 は 採 用 できない (3) 法 5 条 4 号 及 び6 号 該 当 性 について 本 件 対 象 文 書 中, 諮 問 庁 が 法 5 条 4 号 及 び6 号 に 該 当 するとして 不 開 示 としている 部 分 は, インド 洋 方 面 における 対 米 支 援 用 燃 料 の 供 給 能 力 の 調 査 結 果 について の2 枚 目 及 び3 枚 目 の 別 紙 中 における 特 定 法 人 に 係 る 情 報 であり, 当 該 部 分 には, 燃 料 の 供 給 が 可 能 と 回 答 している 各 法 人 の 名 称 と 共 に, 同 法 人 の 拠 点 となる 場 所 や 海 上 自 衛 隊 との 取 引 実 績, 現 地 の 状 況 等 が 詳 細 に 記 載 されていることが 認 められる -5-
そのため, 各 法 人 の 名 称 等 が 記 載 されている 部 分 については,これを 公 にすることにより, 調 査 の 対 象 とされている 法 人 が 具 体 的 に 特 定 され ることとなり, 海 上 自 衛 隊 による 協 力 支 援 活 動 に 反 対 の 意 見 を 有 する 勢 力 をして, 当 該 法 人 を 標 的 とした 妨 害 や 襲 撃 等 を 誘 発 させる 可 能 性 も 否 定 できないことから, 犯 罪 の 予 防, 鎮 圧 又 は 捜 査 等 の 公 共 の 安 全 と 秩 序 の 維 持 に 支 障 を 及 ぼすおそれがあると 行 政 機 関 の 長 が 認 めることにつき 相 当 の 理 由 があると 認 められるので, 法 5 条 4 号 に 該 当 する また, 各 法 人 の 名 称 等 が 記 載 された 部 分 を 除 いたその 余 の 部 分 につい ても, 当 該 情 報 単 独 では 必 ずしも 特 定 されないが,これらを 組 み 合 わせ ることで 調 査 の 対 象 とされている 法 人 をある 程 度 推 測 することが 可 能 と なる 外,そこに 記 載 された 内 容 が 特 定 の 商 品 取 引 についての 具 体 的 対 応 能 力 等 であり, 各 法 人 の 内 部 管 理 情 報 等 であることを 踏 まえれば,これ らを 公 にすることにより, 将 来 的 に 行 われる 同 様 の 燃 料 調 達 に 係 る 調 査 の 回 答 又 は 入 札 への 参 加 を 拒 否 又 は 保 留 するなどし,その 結 果, 公 正 な 競 争 により 形 成 されるべき 適 正 な 額 での 燃 料 調 達 に 係 る 契 約 が 困 難 とな るおそれがあることから, 当 該 事 務 の 適 正 な 遂 行 に 支 障 を 生 じさせ, 国 が 当 事 者 となる 契 約 において,その 地 位 を 不 当 に 害 するおそれがあると 認 められるので, 法 5 条 6 号 ロに 該 当 する したがって, 当 該 特 定 法 人 に 係 る 情 報 の 部 分 は, 法 5 条 4 号 及 び6 号 ロに 該 当 し, 不 開 示 とすることが 相 当 である 3 一 部 の 文 書 の 不 存 在 について 当 審 査 会 において 事 務 局 職 員 をして 諮 問 庁 に 確 認 させたところ, 平 成 1 3 年 度 に 実 施 された 燃 料 供 給 の 能 力 調 査 に 関 する 文 書 については, 文 書 の 保 存 期 限 を5 年, 保 存 期 間 満 了 時 期 を 平 成 18 年 12 月 31 日 に 設 定 して おり, 開 示 請 求 を 受 理 した 同 19 年 12 月 27 日 の 時 点 では 既 に 廃 棄 され ていたとのことであった ちなみに, 今 回 特 定 されている 平 成 16 年 度 に 実 施 した 調 査 結 果 についても, 保 存 期 限 が 同 様 に5 年 とされていることが 本 件 対 象 文 書 の 記 述 それ 自 体 によって 確 認 できた また, 処 分 庁 においては, 本 件 開 示 請 求 を 受 け, 海 上 幕 僚 監 部 装 備 部 需 品 課, 横 須 賀 地 方 総 監 部 経 理 部 及 び 横 須 賀 造 修 補 給 所 の 関 係 各 部 署 におい て, 確 認 作 業 を 行 ったが,いずれも 既 に 廃 棄 されており, 念 のため, 異 議 申 立 てを 受 けた 後, 再 度, 所 要 の 探 索 を 実 施 した 結 果,その 存 在 を 確 認 す ることはできなかったとのことである これらを 踏 まえれば, 平 成 13 年 度 分 について, 文 書 の 保 存 期 限 が 満 了 しており, 既 に 廃 棄 されているという 諮 問 庁 の 説 明 は, 特 段 不 自 然 不 合 理 であるとも 認 められず, 文 書 の 探 索 の 範 囲 も 不 十 分 であるとは 言 えない ことから,これを 保 有 しているとは 認 められない -6-
4 異 議 申 立 人 のその 他 の 主 張 について 異 議 申 立 人 は,その 他 種 々 主 張 するが, 当 審 査 会 の 上 記 判 断 を 左 右 する ものではない 5 本 件 一 部 開 示 決 定 の 妥 当 性 以 上 のことから, 本 件 対 象 文 書 につき,その 一 部 を 法 5 条 2 号 ロ,3 号 及 び4 号 に 該 当 するとして 不 開 示 とした 決 定 について, 諮 問 庁 が 同 条 2 号 ロ,3 号,4 号 及 び6 号 ロに 該 当 するとして,なお 不 開 示 とすべきとして いる 部 分 は, 同 条 2 号 ロ,3 号,4 号 及 び6 号 ロに 該 当 すると 認 められる ので, 不 開 示 とすることが 妥 当 であると 判 断 した ( 第 2 部 会 ) 委 員 寳 金 敏 明, 委 員 秋 田 瑞 枝, 委 員 橋 本 博 之 -7 -