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損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

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テーマ: 歯 牙 障 害 交 通 医 療 研 究 会 平 成 24 年 1 月 21 日 藤 本 一 郎 第 1 基 礎 知 識 1 歯 の 名 称 文 献 : 歯 科 用 語 の 解 説 を 参 照 2 歯 式 永 久 歯 は 数 字 乳 歯 はアルファベット 歯 式 は 自 分 と 相 対 する 人 が 口 を 開 いた 状 態 で 表 しているため 自 分 とは 逆 になる 第 2 歯 牙 障 害 1 歯 科 補 綴 を 加 えた 歯 の 本 数 によって 後 遺 障 害 等 級 が 変 わる 10 級 4 号 14 歯 以 上 11 級 4 号 10 歯 以 上 12 級 3 号 7 歯 以 上 13 級 5 号 5 歯 以 上 14 級 2 号 3 歯 以 上 (いずれも 別 表 第 二 ) 2 現 実 に 喪 失 または 著 しく 欠 損 した 歯 に 対 する 補 綴 でなければならない 著 しく 欠 損 とは 歯 冠 部 体 積 の3/4 以 上 を 欠 損 切 除 していることを 言 う インレー ポストインレーを 行 っただけでは 補 綴 した 歯 数 に 算 入 しない 3 現 実 に 喪 失 した 歯 数 をカウントする 喪 失 した 歯 数 よりも 義 歯 の 数 が 多 い 場 合 でも 喪 失 した 歯 数 で 判 断 する 第 3 インプラント 1 定 義 金 属 セラミックスなどの 人 工 物 を 粘 膜 骨 膜 下 または 顎 骨 内 などに 埋 入 して 粘 膜 上 に 一 部 分 を 突 出 させ その 部 分 に 維 持 を 求 めた 補 綴 物 のこと 2 システム インプラントのシステムには 骨 膜 下 インプラント 歯 内 骨 内 インプラント - 1 -

骨 内 インプラント 粘 膜 内 インプラント があるが 現 在 では 骨 内 インプラントが 臨 床 応 用 されている 3 手 術 (2 回 法 ) ⑴ 一 次 手 術 土 台 となるインプラント 体 を 埋 入 する 手 術 ⑵ 二 次 手 術 インプラント 体 にアバットメント( 土 台 )を 取 り 付 ける 手 術 ⑶ 最 終 補 綴 上 部 構 造 を 装 着 する 手 術 4 手 術 (1 回 法 ) 1 回 法 は 一 度 の 手 術 でアバットメントの 取 付 までする 方 法 5 メインテナンス インプラント 治 療 の 永 続 性 はメインテナンスにかかっている 6 インプラント 治 療 の 予 後 ⑴ 10 年 ほど 経 過 すると 10 名 中 約 1 名 20 本 中 約 1 本 の 割 合 で 予 後 不 良 と なる ⑵ トラブルの 内 容 として スクリューの 緩 み 破 折 インプラント 体 の 破 折 ポーセレンの 破 折 ( 上 部 構 造 物 の 異 常 ) インプラント 周 囲 炎 がある 第 5 賠 償 上 の 問 題 点 ( 裁 判 例 の 検 討 ) 歯 牙 障 害 において 検 討 されるべきは 1 将 来 治 療 費 2 労 働 能 力 喪 失 の 有 無 3 後 遺 障 害 慰 謝 料 である 1 大 阪 地 裁 平 成 6 年 4 月 25 日 判 決 ( 交 民 集 27 巻 2 号 514 頁 ) 本 件 事 故 によって 原 告 ( 本 件 事 故 当 時 5 歳 )は 乳 歯 の 早 期 喪 失 によって 永 久 歯 列 の 並 び 方 に 問 題 が 生 じ 咬 合 に 問 題 が 生 じた 上 顎 歯 槽 骨 骨 折 のため 永 久 歯 の 形 成 が 阻 害 され 上 顎 前 面 の 歯 根 形 成 不 全 等 の 障 害 がある 上 顎 歯 槽 骨 骨 折 のため 上 顎 の 発 達 が 不 十 分 となった - 2 -

下 顎 骨 複 雑 骨 折 によって 下 顎 の 関 節 窩 が 著 しく 前 方 に 位 置 することとな ったため 下 顎 前 突 となって 今 後 下 顎 の 成 長 を 抑 制 しなければ 著 しい 咬 口 不 良 となる 可 能 性 がある などのため 将 来 的 な 矯 正 と 補 綴 の 必 要 性 が 認 められた 顔 面 形 成 手 術 関 連 及 び 下 顎 の 手 術 費 用 は 否 定 されたが 歯 牙 の 矯 正 補 綴 費 用 と して223 万 円 余 の 将 来 の 治 療 費 が 認 められた の 有 無 原 告 の 後 遺 障 害 は 男 子 の 外 貌 の 著 しい 醜 状 12 級 13 号 と 歯 牙 障 害 12 級 3 号 相 当 の 併 合 11 級 であって 他 に 前 記 認 定 の 頭 部 醜 状 痕 構 音 障 害 が 認 められると ころ 一 般 的 には これらの 障 害 は 労 働 能 力 の 喪 失 に 結 についての 影 響 が 想 定 で き 将 来 の 職 業 選 択 を 狭 めたり 収 入 を 減 じたりする 可 能 性 もあるところ 前 記 の 程 度 であれば 構 音 障 害 がある 程 度 残 存 することも 参 酌 して 稼 働 年 齢 である18 歳 から 就 労 可 能 年 齢 である67 歳 まで 平 均 して 原 告 主 張 の 基 礎 収 入 である19 6 万 9900 円 の10%の 労 働 能 力 を 喪 失 したと 認 める 前 記 認 定 の 障 害 の 程 度 からすると 男 子 の 顔 面 の 著 しい 醜 状 12 級 13 号 と 歯 牙 障 害 12 級 3 号 相 当 の 併 合 11 級 であって 他 に 等 級 認 定 に 至 るほどではないが 前 記 認 定 の 頭 部 醜 状 痕 構 音 障 害 が 認 められること 平 成 5 年 12 月 8 日 以 後 も 歯 科 への 通 院 を 継 続 しなければならないこと その 間 は 現 実 に 補 綴 する 後 より 歯 牙 の 状 態 は 良 くないと 推 認 できることから 総 合 すると 原 告 を 慰 謝 するには 40 0 万 円 をもって 相 当 と 認 める 2 岡 山 地 裁 平 成 12 年 3 月 23 日 判 決 ( 交 民 集 33 巻 2 号 610 頁 ) 原 告 は 平 成 10 年 3 月 2 日 に 最 終 的 に 症 状 が 固 定 し 骨 盤 骨 変 形 障 害 (12 級 5 号 ) 外 貌 醜 状 障 害 (12 級 13 号 ) 歯 牙 障 害 (14 級 2 号 ) 左 上 腕 骨 神 経 症 状 (14 級 10 号 )の 後 遺 障 害 が 残 存 し 併 合 11 級 の 後 遺 障 害 等 級 認 定 を 受 けた ⑶ 労 働 能 力 喪 失 原 告 の 請 求 原 告 は 本 件 交 通 事 故 による 後 遺 障 害 のうち 後 遺 障 害 等 級 認 定 を 受 けた 部 分 の ほか 握 力 低 下 及 び 関 節 可 動 域 制 限 の 後 遺 障 害 が 残 存 しており これらによって 生 涯 にわたり 労 働 能 力 を20% 喪 失 した 被 告 の 反 論 後 遺 障 害 のうち 外 貌 醜 状 障 害 歯 牙 障 害 は 本 件 交 通 事 故 前 後 における 原 告 の 職 業 からみて 労 働 能 力 とは 無 関 係 である 裁 判 所 の 判 断 原 告 に 本 件 交 通 事 故 の 後 遺 障 害 として 外 貌 醜 状 障 害 歯 牙 障 害 及 び 骨 盤 骨 変 形 障 害 が 残 存 していることは 当 事 者 間 に 争 いがないが うち 外 貌 醜 状 障 害 及 び 歯 牙 障 害 については 後 遺 障 害 の 内 容 性 質 原 告 の 性 別 職 業 に 照 らし これ - 3 -

⑶ らの 後 遺 障 害 が 具 体 的 な 減 収 に 結 びつくと 認 めることはできない 他 の 後 遺 障 害 に 基 づく 労 働 能 力 喪 失 は 肯 定 した 後 遺 症 慰 藉 料 400 万 円 3 東 京 高 裁 平 成 14 年 6 月 18 日 判 決 ( 自 動 車 保 険 ジャーナル 第 1451 号 ) 被 控 訴 人 が 昭 和 50 年 3 月 13 日 生 まれで 本 件 事 故 時 に22 歳 であったこと 自 動 車 保 険 料 率 算 定 会 から 平 成 10 年 11 月 11 日 症 状 固 定 し 自 賠 法 施 行 令 2 条 別 表 の12 級 3 号 7 歯 以 上 に 対 し 菌 科 補 綴 を 加 えたもの 及 び 同 12 級 13 号 男 子 の 外 貌 に 著 しい 醜 状 を 残 すもの に 該 当 する 後 遺 障 害 が 存 するものとして 併 合 11 級 の 認 定 を 受 けたことは 当 事 者 間 に 争 いがない 前 者 の 歯 牙 障 害 については ( 証 拠 略 )によれば 被 控 訴 人 は 本 件 事 故 により 合 計 9 歯 を 失 ったこと そのため 上 の5 歯 の 欠 損 部 分 は 取 り 外 し 式 の 局 部 床 義 歯 をもって 補 綴 され 下 の4 歯 の 欠 損 部 分 は 固 定 式 のブリッジで 補 綴 されたが そのため 更 に 下 の 欠 損 部 分 の 両 側 の4 歯 に 補 綴 が 加 えられたこと 特 に 局 部 床 義 歯 は 不 快 感 を 伴 うのみならず 日 常 生 活 上 これが 被 控 訴 人 に 種 々の 不 便 をもたらすものであることが 認 められる しかし 被 控 訴 人 には 嚥 下 機 能 咀 嚼 機 能 や 発 声 機 能 に 特 段 の 障 害 が 生 じているとは 認 め 難 い そうすると 以 上 の 歯 牙 障 害 は 歯 を 喰 いしばって 力 を 入 れるような 仕 事 には 不 都 合 をもたらす 可 能 性 があることが 推 認 され そのことが 被 控 訴 人 の 就 労 の 機 会 や 就 労 可 能 な 職 種 を 狭 めたり 労 働 の 能 率 や 意 欲 を 低 下 させる 影 響 を 与 えるもの であることが 十 分 に 推 認 されるが その 程 度 は 大 きいものとは 認 められない また 後 者 の 外 貌 醜 状 については ( 証 拠 略 )を 併 せると 被 控 訴 人 は 本 件 事 故 により 右 頬 部 に 長 さ 約 12cmの 線 状 の 瘢 痕 のほか 長 さ 約 4センチメートルと 約 3センチメートル の 線 状 の 瘢 痕 等 が 残 ったこと 当 該 瘢 痕 等 は 近 くで 見 ると 傷 の 痕 と 分 かる 瘢 痕 の 存 在 に 気 付 くけれども この 瘢 痕 は 比 較 的 目 立 たなくなっていることが 認 められ る そうすると 以 上 の 瘢 痕 も 対 人 的 面 接 が 重 要 な 職 種 によっては 被 控 訴 人 の 就 労 の 機 会 や 就 労 可 能 な 職 種 を 狭 めたり 労 働 の 意 欲 を 低 下 させる 影 響 を 与 える ものではあるが その 程 度 は 大 きいものとは 認 めらない 以 上 によれば 被 控 訴 人 は 本 件 事 故 による 歯 牙 障 害 及 び 外 貌 醜 状 の 後 遺 障 害 に より 症 状 固 定 時 の23 歳 から 就 労 可 能 年 齢 の67 歳 までの 約 44 年 間 にわたり 労 働 能 力 の5%を 喪 失 したものである 390 万 円 なお 原 審 ( 東 京 地 裁 平 成 14 年 1 月 15 日 判 決 )は 労 働 能 力 喪 失 を 否 定 歯 牙 障 害 については ( 証 拠 略 )によれば 原 告 は 本 件 事 故 により 合 計 9 歯 - 4 -

を 失 ったこと そのため 上 の5 歯 の 欠 損 部 分 は 取 り 外 し 式 の 局 部 床 義 歯 をもって 補 綴 され 下 の4 歯 の 欠 損 部 分 は 固 定 式 のブリッジで 補 綴 された が そのため 更 に 下 の 欠 損 部 分 の 両 側 の4 歯 に 補 綴 が 加 えられたこと 特 に 局 部 床 義 歯 は 不 快 感 を 伴 うのみならず 日 常 生 活 上 これが 原 告 に 種 々の 不 便 をもたらすものであることが 認 められる しかし 原 告 には 嚥 下 機 能 咀 嚼 機 能 や 発 声 機 能 に 特 段 の 障 害 が 生 じているとは 認 め 難 く 以 上 の 歯 牙 障 害 が 原 告 の 労 働 能 力 に 直 接 的 な 影 響 を 与 えることはないものと 考 えら れる 4 京 都 地 裁 平 成 14 年 10 月 31 日 判 決 ( 自 動 車 保 険 ジャーナル 第 1472 号 ) 22 歳 女 子 の 原 告 には 本 件 事 故 に 起 因 して 後 遺 障 害 等 級 7 級 12 号 に 該 当 する 顔 面 右 口 唇 横 部 の 線 状 瘢 痕 及 び 同 13 級 4 号 に 該 当 する 歯 牙 障 害 併 合 6 級 の 後 遺 障 害 が 残 存 した 原 告 は 本 件 事 故 当 時 株 式 会 社 サンデーサンのジョリーパスタ 西 九 条 店 にお いてウェイトレスとして 稼 働 するとともに 株 式 会 社 関 西 ワークシステムにおい て 製 造 作 業 に 従 事 していた 原 告 に 残 存 した 後 遺 障 害 の 内 容 や 原 告 が 本 件 事 故 前 に 就 いていた 職 業 の 内 容 に かんがみ 上 記 後 遺 障 害 が 原 告 の 労 働 能 力 に 消 長 を 来 すものとはにわかに 認 め 難 い したがって この 点 に 係 る 原 告 の 主 張 は 採 用 しない 特 記 なし 5 名 古 屋 高 裁 平 成 16 年 4 月 15 日 判 決 ( 自 動 車 保 険 ジャーナル 第 1540 号 ) 控 訴 人 ( 加 害 者 側 )の 主 張 原 判 決 は 60 歳 から67 歳 の 間 の 労 働 能 力 喪 失 率 を45%として 逸 失 利 益 を 算 出 しているが 不 当 である 被 控 訴 人 の 後 遺 障 害 として 認 定 された 障 害 のうち 顔 面 挫 創 後 の 線 状 瘢 痕 及 び 歯 牙 障 害 については 稼 働 能 力 には 影 響 がないから 労 働 能 力 喪 失 率 は35%(9 級 相 当 )と 認 定 するのが 相 当 である 裁 判 所 の 判 断 前 記 のとおり 被 控 訴 人 の 本 件 事 故 による 傷 害 は 平 成 12 年 11 月 29 日 ま でに 症 状 固 定 と 診 断 され 残 存 した 後 遺 障 害 のうち 顔 面 挫 創 後 の 醜 状 については 第 12 級 14 号 に 頭 重 感 めまいについては 第 14 級 10 号 に 頚 部 痛 につい ては 第 14 級 10 号 に 視 力 低 下 視 野 欠 損 については 併 合 第 9 級 に 歯 牙 障 害 - 5 -

については 第 14 級 3 号 ( 既 存 障 害 )と 第 11 級 4 号 に 該 当 することから 結 局 併 合 第 8 級 と 認 定 されたが 後 遺 障 害 等 級 第 8 級 の 労 働 能 力 喪 失 率 は45%とされ ている これに 対 して 控 訴 人 は 以 上 のうち 顔 面 挫 創 後 の 醜 状 及 び 歯 牙 障 害 について は 稼 働 能 力 には 影 響 がないから これを 除 外 して 後 遺 障 害 等 級 第 9 級 に 相 当 す る35%をもって 労 働 能 力 喪 失 率 とするのが 相 当 である 旨 主 張 する しかしながら これらの 事 情 も 被 控 訴 人 が 定 年 後 就 労 する 場 合 に 職 業 の 選 択 や 就 職 対 人 折 衝 面 などで 不 利 益 が 生 じるおそれが 否 定 できず 控 訴 人 の 主 張 は 採 用 できない なお 裁 判 所 は 減 収 が 内 向 から 定 年 前 の 逸 失 利 益 を 否 定 している 900 万 円 なお 原 審 ( 名 古 屋 地 裁 平 成 15 年 9 月 19 日 判 決 )は 定 年 前 の 逸 失 利 益 を 肯 定 している 以 上 によれば 本 件 事 故 後 反 訴 原 告 の 収 入 が 減 収 してないとしても 一 定 の 逸 失 利 益 が 認 められるべきであり そして 反 訴 原 告 の 症 状 固 定 時 51 歳 から 定 年 となる 満 60 歳 までの9 年 間 は 後 遺 障 害 等 級 併 合 第 8 級 の 労 働 能 力 喪 失 率 45%の 約 7 割 に 相 当 する30%の 労 働 能 力 喪 失 があり さらに 60 歳 以 降 は 反 訴 原 告 の 仕 事 の 内 容 年 齢 退 職 の 可 能 性 と 退 職 後 の 再 就 職 の 困 難 さを 考 慮 すれば 45%の 労 働 能 力 喪 失 があると 認 めるのが 相 当 で ある 6 東 京 地 裁 平 成 16 年 8 月 25 日 判 決 ( 自 動 車 保 険 ジャーナル 第 1603 号 ) その 他 の 後 遺 障 害 (10 歯 以 上 に 対 し 歯 科 補 綴 を 加 えたもの 第 11 級 4 号 該 当 とされる 歯 牙 障 害 顔 面 部 左 上 眼 瞼 の 線 状 痕 3cm 上 ではないので 等 級 非 該 当 ) については これらによる 労 働 に 対 する 具 体 的 な 影 響 は 明 確 ではないし 原 告 の 年 齢 職 業 等 に 照 らし その 労 働 能 力 に 影 響 を 及 ぼすものとは 認 め 難 い 本 件 事 故 の 態 様 原 告 の 後 遺 障 害 の 内 容 程 度 等 諸 般 の 事 情 ( 歯 牙 障 害 等 逸 失 利 益 を 認 め 難 い 後 遺 障 害 があることを 含 む)を 考 慮 すると 後 遺 障 害 慰 謝 料 として は700 万 円 が 相 当 である 7 東 京 地 裁 平 成 16 年 9 月 1 日 判 決 ( 自 動 車 保 険 ジャーナル 第 1582 号 ) - 6 -

原 告 久 美 子 歯 牙 障 害 は 事 故 前 からの 障 害 歯 7 歯 に 本 件 事 故 に 起 因 する4 歯 を 加 えた 合 計 11 歯 が 喪 失 又 は 歯 冠 部 体 積 の 大 部 分 を 欠 損 したものと 捉 えられることから 現 症 11 級 4 号 既 存 障 害 12 級 3 号 と 判 断 する 歯 牙 障 害 については その 性 質 上 直 ちに 後 遺 障 害 等 級 相 当 の 労 働 能 力 を 喪 失 し たものとはいえない しかしながら 本 件 事 故 前 には 歯 牙 に 関 して 日 常 生 活 上 何 らの 支 障 もなかったが 上 記 のように 入 れ 歯 としたため 通 常 に 話 すと 入 れ 歯 の 金 具 が 見 えるため 口 元 が 気 になる 上 子 音 を 構 成 する 口 唇 音 のうち ま 行 音 ぱ 行 音 の 発 音 にも 影 響 が 生 じており これは 原 告 久 美 子 の 接 客 等 の 業 務 に 影 響 があると 考 えられること また 仕 事 中 に 重 い 荷 物 を 持 って 階 段 を 昇 降 するなど 歯 を 食 いしばる 場 合 に 以 前 のように 力 が 入 らず さらに 咀 嚼 機 能 にも 低 下 があること( 後 遺 障 害 等 級 10 級 2 号 には 至 らない) 実 際 にも 本 件 事 故 後 に 鞄 店 の 売 上 げが 減 収 したことなどにより 本 件 事 故 前 には1か 月 約 25 万 円 であった 給 料 が 約 15 万 円 程 度 に 減 額 になったこと(その 減 収 の 原 因 が 原 告 久 美 子 の 後 遺 障 害 にのみあるとは 考 えにくいが ある 程 度 の 影 響 はあるものと 推 認 される )が 認 められる もっとも 原 告 久 美 子 の 前 記 の 支 障 や 症 状 は 経 年 や 慣 れにより 軽 減 するもの と 考 えられる 以 上 の 事 情 を 考 慮 すると 原 告 久 美 子 は 上 記 の 歯 牙 障 害 と 頸 部 及 び 右 肩 の 神 経 症 状 ( 後 遺 障 害 等 級 14 級 10 号 )を 併 せて 症 状 固 定 時 から10 年 間 にわ たり 労 働 能 力 の5%を 喪 失 したものと 認 めるのが 相 当 である 原 告 敏 光 歯 牙 障 害 については 事 故 前 からの 障 害 歯 12 歯 に 本 件 事 故 に 起 因 する8 歯 を 加 えた 合 計 20 歯 が 喪 失 又 は 歯 冠 部 体 積 の 大 部 分 を 欠 損 したものと 捉 えられるこ とから 現 症 10 級 3 号 既 存 障 害 11 級 4 号 と 判 断 する 原 告 敏 光 の 歯 牙 障 害 は 現 在 の 症 状 が 後 遺 障 害 等 級 10 級 3 号 既 存 障 害 が 同 1 1 級 4 号 であり 本 件 事 故 後 咀 嚼 機 能 に 若 干 の 低 下 がみられ 一 部 の 子 音 の 発 音 に 支 障 もあることが 認 められる しかしながら 原 告 敏 光 は12 歯 に 既 存 障 害 があ ったところ 本 件 事 故 により 新 たに2 歯 の 治 療 の 必 要 が 生 じたが その 治 療 の 必 要 上 (ブリッジの 支 台 とするため)6 歯 の 歯 冠 部 を 切 除 したものであること 原 告 敏 光 は 上 記 のとおり 家 事 労 働 に 従 事 しているものであり 原 告 久 美 子 について 考 慮 し たような 接 客 等 における 労 働 に 対 する 影 響 は 考 えられないこと 原 告 敏 光 の 本 人 尋 問 における 供 述 からも 原 告 久 美 子 についてとは 異 なり 歯 牙 障 害 により 直 ちに 逸 失 利 益 を 生 じると 評 価 すべき 具 体 的 事 情 が 見 出 せないことからすれば 歯 牙 症 状 に 関 して 労 働 能 力 を 喪 失 したものと 認 めることはできない 各 130 万 円 ( 既 存 障 害 あり) 8 東 京 地 裁 平 成 17 年 12 月 21 日 判 決 ( 自 動 車 保 険 ジャーナル 第 1637 号 ) ⑴ 将 来 治 療 費 - 7 -

原 告 は 症 状 固 定 時 24 歳 であったところ 本 件 事 故 の 結 果 3 本 のMT 4 本 のper 歯 冠 破 折 1 本 の 歯 根 破 折 の 傷 害 を 負 い 平 成 14 年 2 月 6 日 から 平 成 15 年 7 月 18 日 までW 歯 科 医 院 に 通 院 して MTの 上 歯 (1 1)2 本 について はインプラント 補 てつ(MB) MTの 下 歯 (2 )1 本 については 下 歯 (1 1)を 支 台 歯 とする 固 定 式 ブリッジ(MB) per 歯 冠 破 折 の 上 歯 (2 2) 及 び 下 歯 (1 1)についてはメタルコア 支 台 築 造 (MB)ほかの 治 療 を 受 け 治 療 費 として 合 計 172 万 3029 円 を 負 担 したこと インプラントの 耐 用 年 数 は 一 般 的 には1 0 年 程 度 であるものの 原 告 の 場 合 は 広 範 囲 な 欠 損 及 び 上 顎 骨 骨 折 を 考 慮 する と 10 年 に 達 しない 可 能 性 があること 固 定 式 ブリッジの 耐 用 年 数 は 一 般 的 に10 年 であることが 認 められる 以 上 によると 原 告 は 平 均 余 命 である 約 55 年 間 ( 平 成 15 年 簡 易 生 命 表 によ ると 24 歳 の 男 性 の 平 均 余 命 は 55.02 年 である)に5 回 の 同 種 治 療 の 必 要 が 見 込 まれ 1 回 当 たり 少 なくとも150 万 円 の 治 療 費 を 要 するということがで きるから 本 件 事 故 と 相 当 因 果 関 係 のある 将 来 の 治 療 費 は 次 の 計 算 式 のとおり 217 万 7144 円 と 認 めるのが 相 当 である 原 告 は 前 示 後 遺 障 害 の 結 果 日 常 生 活 において 不 便 を 感 じ 精 神 的 な 苦 痛 を 被 っているということはできるものの それ 以 上 に 労 働 能 力 への 直 接 的 な 影 響 を 受 け ているとまではいい 難 く 他 に 前 示 後 遺 障 害 が 原 告 の 労 働 能 力 に 直 接 的 な 影 響 を 与 えていることを 認 めるに 足 りる 証 拠 はない もっとも 前 示 のとおり 原 告 は 前 示 後 遺 障 害 により 対 人 関 係 に 消 極 的 となっ ており 前 示 後 遺 障 害 が 原 告 の 労 働 意 欲 その 他 労 働 能 力 に 間 接 的 に 影 響 を 及 ぼして いるとも 考 えられるが この 点 は 後 に 判 示 する 後 遺 障 害 慰 謝 料 の 額 を 算 定 するに 当 たって 考 慮 することとする 後 遺 障 害 の 内 容 ( 歯 牙 障 害 12 級 醜 状 障 害 12 級 併 合 11 級 ) これに 伴 う 日 常 生 活 への 影 響 のほか 前 示 のとおり 後 遺 障 害 が 原 告 の 労 働 意 欲 その 他 労 働 能 力 に 影 響 を 及 ぼしていることなど 諸 般 の 事 情 を 考 慮 すると 原 告 の 後 遺 障 害 について の 慰 謝 料 は 630 万 円 が 相 当 である 9 東 京 地 裁 平 成 18 年 3 月 28 日 判 決 ( 自 動 車 保 険 ジャーナル 第 1650 号 ) 原 告 の 主 張 歯 が 健 全 でなければ 健 康 を 害 しやすいことは 歯 科 医 の 常 識 であり 健 康 でな ければ 働 けない 歯 の 欠 損 は 労 働 能 力 一 般 に 影 響 があり 職 業 いかんにかかわ らず 歯 を 食 いしばる 必 要 があるのであるから 9%の 影 響 がある ましてや 原 告 は 本 件 事 故 当 時 調 理 師 見 習 いであり 調 理 師 として 生 きる 夢 を 持 ってい るところ 調 理 には 歯 触 りや 温 度 が 舌 による 直 接 の 味 覚 にも 劣 らず 重 要 であり - 8 -

労 働 能 力 喪 失 率 として 最 低 でも9%は 認 められるのが 当 然 である 被 告 の 主 張 後 遺 障 害 による 労 働 能 力 の 低 下 の 程 度 は 後 遺 障 害 別 等 級 表 の 労 働 能 力 喪 失 率 を 参 考 とし 被 害 者 の 職 業 年 齢 性 別 後 遺 障 害 の 部 位 程 度 事 故 前 後 の 稼 働 状 況 等 を 総 合 的 に 判 断 して 具 体 的 に 当 てはめて 評 価 すべきであるところ 原 告 は 本 件 事 故 により1 歯 の 歯 根 破 折 と5 歯 の 歯 冠 破 折 の 傷 害 を 受 けて6 歯 に 歯 科 補 綴 を 加 えることとなったが 通 常 このような 歯 牙 傷 害 の 後 遺 障 害 により 労 働 能 力 の 一 部 が 喪 失 することは 想 定 できない 原 告 は 調 理 師 見 習 いであり 調 理 には 歯 触 りや 温 度 が 重 要 であると 主 張 するが しばらくは 歯 触 りや 食 感 温 感 に 支 障 を 感 じることがあっても 傷 害 を 受 けた 歯 以 外 の 歯 で 歯 触 り 等 を 感 じたり 舌 や 唇 で 食 感 や 温 感 を 感 じることは 可 能 であり 慣 れることにより 支 障 はほとん どなくなるものと 思 われることからすると 歯 牙 障 害 を 嗅 覚 障 害 ( 脱 失 )と 同 様 に 考 えることはできないと 考 えられる また 現 在 原 告 が25 歳 で 調 理 師 見 習 い であることや 調 理 することが 困 難 な 状 態 にあるという 事 情 もないことなどを 考 慮 すると 将 来 的 に 原 告 の 労 働 能 力 が 喪 失 したと 認 める 根 拠 はないと 考 えるべきで ある 裁 判 所 の 判 断 本 件 事 故 当 時 調 理 師 を 目 指 していた 原 告 が 修 行 のため 料 理 店 を 経 営 する 会 社 にアルバイトとして 勤 務 していたところ 証 拠 ( 略 )によれば 原 告 の 本 件 事 故 によって 歯 冠 破 折 及 び 歯 根 破 折 の 傷 害 を 受 けた6 本 の 歯 には 義 歯 ( 差 し 歯 )が 装 着 されていること 原 告 が 自 分 の 歯 ではないために 違 和 感 を 感 じたり 体 調 に よっては 歯 の 辺 りがだるく 感 じたり しみたり 熱 さや 冷 たさを 感 じにくいこ とがあること したがって 原 吉 が 将 来 の 調 理 師 として 稼 働 する 上 での 不 安 を 感 じていること しかし 原 告 が 義 歯 について 感 覚 はあり 全 く 歯 触 りが 感 じ られないわけではないこと 原 告 が 味 覚 や 嗅 覚 には 影 響 を 受 けておらず 義 歯 となった6 歯 を 除 いた 歯 については 温 感 冷 感 や 歯 触 りなどの 感 覚 に 対 する 影 響 を 受 けていないこと 原 告 には 咬 合 障 害 はないこと 原 告 が 再 就 職 するに 当 た って 歯 のことを 申 告 しなくてもよかったものの 特 に 支 障 はなかったこと 原 告 が 調 理 師 見 習 いとして 再 就 職 した 後 調 理 上 の 不 都 合 を 指 摘 されたり 解 雇 を 余 儀 なくされるような 事 情 は 生 じていないことが 認 められる 上 記 認 定 の 事 実 のほか 原 告 の 歯 牙 障 害 の 後 遺 障 害 が 原 告 の 労 働 能 力 に 影 響 を 及 ぼしていることを 窺 わせる 事 情 は 認 められないことを 考 慮 すれば 歯 牙 障 害 の 後 遺 障 害 が 残 存 することによって 調 理 師 として 稼 働 していく 上 での 将 来 的 な 不 安 を 感 じている 原 告 の 心 情 には 理 解 できないではない 面 があるものの 原 告 の 歯 牙 障 害 の 後 遺 障 害 が 労 働 能 力 に 影 響 を 及 ぼしていると 認 めることはできず 原 告 の 上 記 主 張 は 採 用 できないといわざるを 得 ない 180 万 円 (13 級 ) 10 横 浜 地 裁 平 成 22 年 1 月 27 日 判 決 ( 自 保 ジャーナル 第 1825 号 ) - 9 -

27%(10 級 ) ⑶ 訴 因 減 額 以 上 によれば 原 告 は 本 件 事 故 による 顔 面 打 撲 により 歯 科 的 症 状 を 惹 起 され その 結 果 次 々と 歯 科 的 不 具 合 を 惹 起 した 末 18 歯 の 補 綴 を 受 けるに 至 ったこと が 認 められる もっとも 前 記 のように 原 告 の 本 件 事 故 以 前 の 歯 の 状 態 は 喪 失 していたとさ れる10 歯 以 外 も その 殆 ど 全 部 が 何 らかの 原 因 で 完 全 なものではなく 治 療 済 み であったか 将 来 の 治 療 を 要 するものであったことが 合 理 的 に 推 認 できるほか 証 拠 ( 略 )によれば 原 告 の 症 状 については 身 体 的 心 因 的 による 身 体 表 現 性 障 害 ( 疼 痛 性 障 害 )の 疑 いももたれ 歯 科 的 治 療 の 他 その 面 からの 治 療 も 行 ったことが 記 載 されている その 他 本 件 事 故 当 時 原 告 が35 歳 で 本 件 事 故 前 にすでに10 歯 を 喪 失 し さらに 少 なくとも11 歯 につきクラウンによる 治 療 をしていたこと 本 件 事 故 を 契 機 として 最 終 的 には1 歯 も 残 さず 全 義 歯 となってしまったことは その 体 質 的 な 素 因 にも 起 因 することを 否 定 することはできないものと 判 断 される そうすると 原 告 の 歯 科 的 症 状 については 本 件 事 故 との 相 当 因 果 関 係 を 否 定 す ることができない 反 面 むしろ 原 告 の 体 質 や 心 因 的 な 素 因 に 起 因 する 面 も 否 定 す ることができないから 損 害 の 算 定 に 当 たり この 点 を 斟 酌 すべきであり その 素 因 減 額 は4 割 と 認 めるのを 相 当 とする ⑷ 後 遺 障 害 慰 謝 料 330 万 円 ( 訴 因 減 額 により550 万 円 の6 割 ) 11 横 浜 地 裁 平 成 22 年 2 月 8 日 判 決 ( 自 保 ジャーナル 第 1836 号 ) 歯 牙 傷 害 による 後 遺 障 害 に 基 づく 逸 失 利 益 についても 通 常 歯 の 状 態 が 職 業 に 影 響 を 与 えることはなく 原 告 は 歯 の 後 遺 障 害 により 客 と 食 事 をする 際 食 べ 終 わるのが 最 後 になる 等 食 事 に 時 間 がかかること 等 の 不 都 合 を 述 べるが 原 告 は 現 在 不 動 産 会 社 で 勤 務 していることからすると 上 記 のような 不 都 合 が 労 働 能 力 に 影 響 を 与 えるということはできない したがって 原 告 の 歯 牙 障 害 による 後 遺 障 害 のために 労 働 能 力 が 減 少 し 逸 失 利 益 が 発 生 したことを 認 めることはできない 歯 牙 破 損 等 による 後 遺 障 害 は 後 遺 障 害 等 級 13 級 の 認 定 を 受 けていること 後 遺 障 害 と 認 められるものの 労 働 能 力 喪 失 には 影 響 を 与 えないとされるものの 食 事 等 に 不 都 合 が 生 じてはいることを 考 慮 し その 後 遺 障 害 慰 謝 料 としては 200 万 円 が 相 当 である - 10 -

12 東 京 地 裁 平 成 22 年 7 月 22 日 判 決 ( 自 保 ジャーナル 第 1831 号 ) (インプラント 治 療 費 ) 原 告 の 担 当 医 が 本 件 事 故 による8 歯 欠 損 の 治 療 方 法 としては 原 告 が20 歳 こ ろにインプラント 治 療 を 受 けるのが 最 も 適 切 であり ブリッジ 義 歯 によるには 欠 損 部 分 が 大 き 過 ぎる 上 に 上 下 顎 骨 の 欠 損 も 大 きく 信 頼 性 に 問 題 があるとの 意 見 を 述 べていることが 認 められる これに 対 し 被 告 は ブリッジ 義 歯 による 治 療 で 十 分 であるし インプラント 治 療 は 適 用 除 外 とされる 場 合 があると 主 張 するが ブリッジ 義 歯 による 治 療 の 可 能 性 について 検 討 されていたのは 本 件 事 故 直 後 の 平 成 15 年 3 月 14 日 のことであっ て その 後 にブリッジ 義 歯 による 治 療 が 検 討 された 形 跡 はないし 担 当 医 が 上 記 の とおりの 意 見 を 述 べているのであるから 原 告 がインプラント 治 療 の 適 用 除 外 の 場 合 には 当 たらないというべきである 以 上 の 点 に 照 らすと 本 件 事 故 による8 歯 欠 損 の 治 療 方 法 としては 原 告 が20 歳 ころにインプラント 治 療 をするのが 相 当 であると 認 められる 原 告 の 後 遺 障 害 は 併 合 11 級 であるが 被 告 は 原 告 に 残 存 した 後 遺 障 害 は 労 働 能 力 喪 失 に 影 響 するものではないと 主 張 するので この 点 について 検 討 する まず 上 下 顎 骨 骨 折 に 伴 う 歯 牙 障 害 (8 歯 欠 損 )については 歯 牙 障 害 が 直 接 的 に 労 働 能 力 に 影 響 を 及 ぼすものとは 認 めがたい 上 原 告 についてはインプラント 治 療 費 も 損 害 として 認 めているのであるから より 一 層 労 働 能 力 への 影 響 は 認 め 難 い というべきである 次 に そしゃく 機 能 障 害 開 口 障 害 は それ 自 体 は 直 ちに 労 働 能 力 へ 影 響 を 及 ぼ すものとは 言 い 難 いが 原 告 は そしゃく 機 能 障 害 開 口 障 害 によりそしゃくに 相 当 時 間 を 要 しており これが 労 働 時 間 に 影 響 したりすることが 考 えられる このよ うに 労 働 確 保 という 観 点 からは 労 働 能 力 の 喪 失 と 結 びつくが その 程 度 はそれほ ど 大 きくないといえるから 5%の 労 働 能 力 喪 失 率 を 認 めるのが 相 当 である 450 万 円 13 東 京 地 裁 平 成 22 年 10 月 13 日 判 決 ( 自 保 ジャーナル 第 1839 号 ) 歯 牙 障 害 (10 級 ) 及 び 外 貌 醜 状 (14 級 )は 労 働 能 力 に 影 響 を 与 えるものではなく ( 原 告 は 歯 牙 障 害 のために 歯 を 食 いしばれないとするが 原 告 が 経 済 学 を 専 攻 す る 大 学 院 に 進 学 していることからすると 将 来 は 事 務 職 に 就 くと 考 えられ 労 働 能 力 に 影 響 を 与 えるとはいえないし また 発 音 が 難 しくなったとも 主 張 するが 発 音 の 困 難 については 後 遺 障 害 診 断 書 にも 指 摘 がなく 労 働 能 力 に 影 響 を 与 える ような 支 障 が 生 じているとは 認 められない ) - 11 -

⑶ 後 遺 障 害 慰 謝 料 690 万 円 ( 併 合 9 級 ) - 12 -