2-1 本 市 の 現 況 2-2 都 市 計 画 マスタープラン 策 定 に 向 けた 課 題 のとりまとめ
2. 現 況 と 課 題 の 整 理 2-1 本 市 の 現 況 (1) 歴 史 本 市 は 明 治 の 大 合 併 時 に2 町 9 村 となり 昭 和 29~35 年 の 昭 和 の 大 合 併 時 に 現 在 の 市 の 前 身 の6 市 町 村 になっています さらに 平 成 18 年 2 月 20 日 に 旧 渋 川 市 旧 伊 香 保 町 旧 小 野 上 村 旧 子 持 村 旧 赤 城 村 旧 北 橘 村 の1 市 1 町 4 村 の 合 併 により 新 渋 川 市 が 発 足 しました 図 2-1 渋 川 市 の 変 遷 本 市 は 古 くから 宿 場 町 として 栄 え 現 在 もJR 上 越 線 JR 吾 妻 線 の 鉄 道 駅 関 越 自 動 車 道 インターチェンジがあり 前 橋 市 と 県 北 の 主 要 都 市 である 沼 田 市 の 中 継 地 点 として また 国 内 有 数 の 温 泉 地 である 伊 香 保 温 泉 のほか 草 津 温 泉 や 四 万 温 泉 への 玄 関 口 として 交 通 の 要 衝 となっています (2) 自 然 1) 位 置 本 市 は 日 本 のほぼ 中 央 に 位 置 し 三 方 を 緑 豊 かな 赤 城 山 榛 名 山 子 持 山 及 び 小 野 子 山 に 囲 まれ 市 の 中 央 で 日 本 を 代 表 する 利 根 川 と 吾 妻 川 が 合 流 してお り ここから 雄 大 な 関 東 平 野 が 広 がって います 本 市 の 南 部 は 前 橋 市 に 隣 接 し 本 市 の 中 心 部 から 前 橋 市 街 地 まで 約 15km 東 京 都 心 まで 約 120km であり 北 部 は 沼 田 市 に 隣 接 し 日 本 海 側 の 新 潟 までは 約 図 2-2 渋 川 市 の 広 域 的 位 置 11
200km の 距 離 に 位 置 しています 東 京 と 新 潟 とを 結 ぶ 大 動 脈 である 上 越 新 幹 線 及 び 関 越 自 動 車 道 国 道 17 号 JR 上 越 線 が 市 域 を 南 北 に 縦 断 しています また 市 内 には 関 越 自 動 車 道 の 渋 川 伊 香 保 インターチェンジ 赤 城 インターチェンジが 位 置 しており 前 橋 市 街 地 や 東 京 都 心 等 へのアクセスが 容 易 になっています 2) 地 形 本 市 は 東 側 に 赤 城 山 (1,828m) 西 側 に 榛 名 山 (1,449m) 北 側 には 三 国 山 脈 へと 続 く 子 持 山 (1,296m) 小 野 子 山 (1,208m)と 三 方 を 標 高 1,000m 級 の 山 に 囲 まれてい ます 低 地 の 標 高 は 市 域 の 東 北 側 と 西 北 側 の 市 境 で 約 300 m 中 心 部 では 約 200m 南 側 の 市 境 では 約 150mと なっています こうした 山 地 と 低 地 の 境 を 利 根 川 吾 妻 川 が 流 れ そ の 合 流 地 点 にあたる 平 地 が 渋 川 地 区 や 子 持 地 区 の 市 街 地 となっています 図 2-3 渋 川 市 の 標 高 図 3) 気 候 本 市 の 気 候 は 夏 が 蒸 し 暑 く 冬 に 晴 天 が 多 い 太 平 洋 気 候 と 気 温 の 変 化 が 大 きい 内 陸 性 気 候 の 両 面 を 持 っています 夏 期 は 高 温 となり 雷 雨 が 多 く 梅 雨 期 や 台 風 期 は 多 雨 となりま すが 年 間 降 水 量 は 平 成 20 年 時 点 で 1,246.5mm と 降 雨 や 降 雪 は 比 較 的 少 ない 傾 向 にあ ります また 冬 から 早 春 にかけての 乾 燥 した 冷 たい 北 西 の 季 節 風 からっ 風 が 強 く 吹 くことが 特 徴 となっています 12
2-2 都 市 計 画 マスタープラン 策 定 に 向 けた 課 題 のとりまとめ 本 市 おける 都 市 づくりの 課 題 を 整 理 すると 次 のように 整 理 できます 渋 川 市 の 課 題 1 人 口 減 少 高 齢 化 社 会 の 到 来 人 口 減 少 高 齢 化 社 会 を 見 据 えたまちづくり 中 心 市 街 地 での 空 洞 化 対 策 ( 街 なか 居 住 の 推 進 ) 若 い 世 代 を 中 心 とした 定 住 促 進 市 内 での 就 業 通 学 地 の 確 保 ( 人 口 流 出 の 抑 制 ) 2 産 業 構 造 の 変 化 後 継 者 の 育 成 確 保 産 業 振 興 と 就 業 機 会 の 拡 大 地 域 資 源 の 活 用 による 交 流 人 口 の 拡 大 3 地 域 で 異 なる 都 市 計 画 区 域 の 考 え 方 一 体 的 な 都 市 計 画 の 推 進 計 画 的 な 土 地 利 用 の 推 進 土 地 利 用 動 向 を 勘 案 した 規 制 誘 導 4 自 然 環 境 農 地 の 保 全 と 有 効 活 用 用 途 地 域 外 での 農 地 の 減 少 自 然 環 境 の 保 全 5 市 街 地 の 拡 散 スプロール 化 の 進 行 無 秩 序 な 市 街 地 の 抑 制 効 率 的 な 都 市 基 盤 整 備 の 推 進 整 備 済 エリアの 利 活 用 6 自 動 車 交 通 への 依 存 と 公 共 交 通 機 関 の 利 用 減 少 円 滑 な 交 通 処 理 を 可 能 とする 道 路 整 備 公 共 交 通 網 の 充 実 と 利 用 率 の 向 上 市 民 アンケート 生 活 環 境 の 評 価 医 療 施 設 ( 病 院 など)の 充 実 街 路 灯 の 数 や 夜 道 の 安 全 性 歩 道 ガードレールなど 歩 行 者 の 安 全 対 策 就 業 の 場 就 業 の 機 会 など 身 近 な 生 活 環 境 に 対 する 取 り 組 みを 重 要 と 考 えている 住 みやすさ 住 みやすい と 感 じている 回 答 者 が 57% 住 みにくい と 感 じている 人 が 約 14%となっており 住 みにくいと 感 じている 理 由 として 商 業 施 設 が 少 ない( 大 型 店 舗 ) 交 通 が 不 便 ( 公 共 交 通 橋 渋 滞 道 路 整 備 ( 狭 い 側 溝 のフタ 歩 道 自 転 車 道 医 療 機 関 が 充 実 していない 等 が 挙 げられている 土 地 利 用 や 都 市 施 設 整 備 の 方 向 性 伊 香 保 温 泉 に 代 表 される 温 泉 地 周 辺 の 観 光 地 としての 整 備 推 進 (37.0%) 工 場 や 企 業 の 積 極 的 な 誘 致 (32.1%) 既 存 の 商 業 施 設 の 活 用 (30.2%) 等 を 望 む 回 答 が 多 くなっている 将 来 の 渋 川 市 のあり 方 医 療 や 防 災 防 犯 交 通 安 全 対 策 等 が 整 った 安 心 安 全 に 暮 らせるまち を 回 答 者 の 約 62%が 求 めている 社 会 的 潮 流 今 後 の 都 市 づくりに 求 められるもの 人 口 減 少 と 高 齢 化 の 進 展 少 子 高 齢 化 を 前 提 とした 都 市 づくり 地 球 環 境 問 題 への 対 応 地 方 公 共 団 体 の 財 政 制 約 市 町 村 の 行 政 区 域 の 広 域 化 環 境 負 荷 の 小 さな 都 市 づくり 個 性 的 な 都 市 づくり 既 存 ストックを 活 かした 都 市 づくり 一 体 的 総 合 的 な 都 市 づくり 国 民 ニーズの 多 様 化 高 度 化 柔 軟 な 都 市 政 策 第 1 章 より 再 掲 都 市 づくりの 課 題 持 続 可 能 な 都 市 の 形 成 都 市 活 動 を 支 える 都 市 交 通 網 の 充 実 産 業 動 向 市 街 化 動 向 を 踏 まえた 土 地 利 用 コントロール 自 然 環 境 や 地 域 資 源 との 共 生 高 齢 化 社 会 に 対 応 した 生 活 環 境 の 確 保 総 合 計 画 都 市 計 画 法 の 改 正 の 動 き 目 指 すべき 将 来 像 やすらぎとふれあいに 満 ちた ほっと なまち エコ コンパクトシティ の 実 現 将 来 都 市 構 造 計 画 的 な 土 地 利 用 の 推 進 各 地 区 の 特 性 を 活 かした 連 携 と 一 体 性 の 確 立 安 全 で 安 心 して 暮 らせるまちづくり 美 しく 魅 力 ある 都 市 の 実 現 本 市 に 関 連 するもの 13
都 市 づくりの 課 題 (1) 持 続 可 能 な 都 市 の 形 成 本 市 の 人 口 は 減 少 傾 向 にあり 将 来 的 にもこの 傾 向 は 続 いていくことが 予 想 されます ま た 渋 川 地 区 の 中 心 市 街 地 においても 人 口 減 少 がみられるなど 都 市 の 空 洞 化 が 懸 念 されま す 一 方 で 用 途 地 域 外 での 人 口 増 加 等 がみられ 都 市 の 拡 散 も 進 んでいます 今 後 は 人 口 減 少 時 代 のなかで 持 続 可 能 な 都 市 経 営 を 行 っていくため 公 共 施 設 や 都 市 機 能 の 効 率 的 な 利 用 が 可 能 となるよう 市 街 地 の 拡 大 を 抑 制 し これまでに 投 資 した 都 市 基 盤 を 活 かせるような 集 約 型 の 都 市 構 造 を 形 成 していくことが 必 要 です (2) 都 市 活 動 を 支 える 都 市 交 通 網 の 充 実 集 約 型 の 都 市 構 造 都 市 機 能 の 集 積 等 を 実 現 していくためには 人 や 物 の 移 動 や 輸 送 をよ り 便 利 で 円 滑 にすることが 必 要 になります このため 本 市 の 産 業 や 観 光 に 寄 与 するよう 渋 川 伊 香 保 インターチェンジによる 交 通 利 便 性 を 活 かした 広 域 交 通 網 市 内 各 地 区 の 相 互 連 携 や 一 体 性 の 確 立 市 民 生 活 の 利 便 性 を 支 える 都 市 交 通 網 を 充 実 していく 必 要 がありま す また これらの 交 通 網 整 備 とあわせて 交 通 渋 滞 の 解 消 や 高 齢 者 や 子 ども 等 の 交 通 弱 者 や 利 用 者 ニーズを 考 慮 し 公 共 交 通 空 白 地 域 や 公 共 施 設 病 院 等 へのバス 路 線 の 充 実 等 公 共 交 通 体 系 を 充 実 していくことが 必 要 です (3) 産 業 動 向 市 街 化 動 向 を 踏 まえた 土 地 利 用 コントロール 産 業 には 都 市 に 人 雇 用 を 維 持 する 機 能 があり 都 市 が 持 続 的 であるためには 産 業 の 維 持 更 新 が 必 要 です また 定 住 人 口 の 増 加 に 向 けては 必 要 に 応 じて 新 たな 住 宅 地 開 発 等 も 考 えなくてはなりません しかしながら 集 約 型 の 都 市 構 造 を 形 成 していくためには 生 活 基 盤 の 整 備 とあわせた 土 地 の 有 効 利 用 を 進 めていくことが 必 要 です このため 特 に 用 途 地 域 において 比 較 的 まとまった 低 未 利 用 地 が 集 積 する 地 域 等 での 積 極 的 な 活 用 を 進 めるとともに 散 在 的 で 非 効 率 な 土 地 の 利 用 が 進 行 しないよう また 周 辺 環 境 に 及 ぼす 影 響 に 配 慮 しながら 適 切 に 土 地 利 用 をコントロールしていくことが 必 要 で す (4) 自 然 環 境 や 地 域 資 源 との 共 生 本 市 は 豊 かで 美 しい 自 然 に 恵 まれており これらは 市 民 生 活 にうるおいとやすらぎをもた らしています この 恵 まれた 自 然 環 境 は 次 世 代 に 確 実 に 継 承 していく 必 要 があります また 地 球 温 暖 化 をはじめとする 環 境 問 題 に 対 しては 都 市 づくりにおいて 環 境 に 配 慮 した 取 り 組 みを 実 行 していく 段 階 にあります このため 自 然 環 境 の 保 全 とあわせ 環 境 にできるだけ 負 担 をかけない 環 境 と 共 生 した 都 市 づくりを 進 めていく 必 要 があります 14
(5) 高 齢 化 社 会 に 対 応 した 生 活 環 境 の 確 保 本 市 では 少 子 高 齢 化 が 進 行 しています 今 後 も 進 行 が 予 想 される 高 齢 化 社 会 に 対 応 してい くためには 将 来 にわたって 息 の 長 い 都 市 基 盤 の 整 備 が 求 められます また 人 口 のバラン スを 回 復 するうえでは ファミリー 層 の 定 住 人 口 の 確 保 が 必 要 となります そのため 生 活 道 路 や 公 園 等 の 都 市 施 設 の 整 備 を 充 実 させ 災 害 や 防 災 の 安 全 性 の 向 上 や 居 住 環 境 の 魅 力 を 高 めるような 良 質 な 都 市 基 盤 を 整 備 していくことにより 誰 もが 安 全 安 心 で 快 適 に 暮 らせる 都 市 づくりを 進 めていく 必 要 があります 15