1 PowerPointによるプレゼンテーションの 基 礎 基 本 からスライド 作 りのABCまで 1. パワーポイントの 基 本 概 念 複 数 のスライドを 講 演 者 が 意 図 した 順 番 に 提 示 することによってプレゼンテーションをおこな うソフト ふつう1 枚 のスライドには 1つ 以 上 のオブジェクトが 貼 り 付 けられている オブジェクトとは スライドに 貼 り 付 けられたテキストもしくは 画 像 ( 写 真 グラフ 表 など) などの 要 素 のことである スライドとオブジェクトの 関 係 は 紙 芝 居 の 台 紙 と 台 紙 に 貼 り 付 けられた 切 り 紙 のような 関 係 である 2. パワーポイントを 使 ったプレゼンテーションのポイント 説 明 : 聴 衆 に 新 しい 情 報 や 概 念 を 伝 える 例 : 七 夕 の 起 源 ココス 島 旅 行 写 真 日 記 など 説 得 : 聴 衆 にある 行 動 を 取 るよう 説 得 する 例 : 語 劇 に 多 くの 観 客 を 呼 ぶための 戦 略 いずれの 場 合 も データ( 事 実 )とそれを 説 得 的 につなぐストーリー( 論 理 )の 二 つが 最 重 要 であり デザインやアニメーションなどの 視 覚 的 な 効 果 は 二 次 的 である 3. スライド 制 作 の 基 本 的 流 れ 3.1 新 しいファイルを 作 る 保 存 する 開 く (1) ファイル> 新 規 作 成 (2) ファイル> 名 前 を 付 けて 保 存 ファイルの 種 類 に 注 意 外 大 ではファイル サーバに 保 存 する (3) ファイル> 上 書 き 保 存 頻 繁 におこなうこと 左 手 のキーボード ショートカットを 覚 えること 補 足 説 明 参 照 (4) ファイル> 開 く 3.2 スライドを 新 規 作 成 する 追 加 する 差 し 替 える パワーポイントの 画 面 が 標 準 表 示 ( 左 中 央 右 の3 面 構 成 )になっていることを 確 認 (1) 左 ウィンドウで 最 後 のスライドを 選 択 > 右 クリック> 新 しいスライド (2) 右 ウィンドウの テキストのレイアウト から 適 切 なレイアウトを 選 択 >テキストを 入 力 テキストの 基 本 はリスト 形 式 リターン キーを 押 すと 改 行 タブ キーを 押 すとレベルが 一 つ 下 がる シフト+タブ キーを 押 すとレベルが 一 つ 上 がる リストの 行 頭 文 字 は 変 えることができる: 変 えたい 範 囲 を 選 択 > 書 式 > 箇 条 書 きと 段 落 番 号 >OK 3.3 スライドに 図 写 真 などを 挿 入 する (1) 左 ウィンドウで 最 後 のスライドを 選 択 > 右 クリック> 新 しいスライド (2) 右 ウィンドウの コンテンツのレイアウト から 適 切 なレイアウトを 選 択
2 (3) 図 の 挿 入 をクリック> 挿 入 したい 図 を 選 択 し 図 を 挿 入 をクリック (4) 別 のファイルやウェブ 上 の 画 像 をコピー&ペーストしてもよい たとえば <http://office.microsoft.com/clipart/> 挿 入 された 図 は 大 きさを 自 由 に 変 えることができる 少 し 大 きめの 図 を 挿 入 し スライド にあわせて 縮 めるのがコツ 補 足 説 明 参 照 挿 入 された 図 は 位 置 を 自 由 に 変 えることができる 挿 入 された 図 は トリミングすることができる: 図 の 上 でダブル クリック> 図 >トリミング 範 囲 の 数 字 を 設 定 >OK 3.3 表 示 モードの 切 り 替 え 左 下 の3つのアイコン:( 左 から) 標 準 表 示 スライド 一 覧 表 示 スライドショー (1) 標 準 表 示 :スライドの 作 成 (2) スライド 一 覧 表 示 :スライドの 一 覧 表 示 順 番 の 入 れ 替 え コピー カット ペーストを 活 用 する (3) スライドショー :プレゼンテーションの 実 行 3.4 スライドにデザインを 付 ける (1) 右 ウィンドウに スライドのデザイン(デザイン テンプレート) を 表 示 させる (2) 適 切 なデザインを 選 びクリックする(すべてのスライドに 適 用 される) (3) 特 定 のスライドのデザインを 変 更 する 場 合 : 右 クリック> 選 択 したスライドに 適 用 デザインというのは すべてのスライドに 共 通 した 統 一 的 な 様 式 のこと レイアウトというのは 個 々のスライドの 特 徴 に 応 じたテキストや 図 の 標 準 的 な 配 置 のこと 背 景 というのは デザインに 適 用 される 背 景 色 のこと 通 常 は 変 更 しなくてよい 3.5 スライドショーをおこなう (1) 表 示 モードを スライドショー に 切 り 替 える スライドの 現 在 の 位 置 からスライドショーが 開 始 する (2) キーボードの 右 カーソル キーで 次 の 左 カーソル キーで 前 のスライドに 移 動 する マウスをクリックしても 次 のスライドに 移 動 する (4) スライドショーを 中 断 するときはエスケープ キーを 押 す 遠 くのスライドに 直 行 するには 一 時 中 断 し スライド 一 覧 表 示 で 目 的 のスライドを 選 び スライドショー を 再 開 すると 効 率 的 スライドショーを 自 動 プレゼンテーションに 設 定 していた 場 合 は 次 の 手 順 で 手 動 に 切 り 替 える (1) スライドショー>スライドショーの 設 定 > 種 類 を 発 表 者 として 使 用 する に 設 定 (2) スライドショー>スライドショーの 設 定 > スライドの 切 り 替 え を クリック 時 に 設 定 3.6 自 動 的 なスライドショー (1) スライドショー>リハーサル> 各 スライドの 表 示 時 間 を 設 定 (2) スライドショー>スライドショーの 設 定 > 種 類 を 自 動 プレゼンテーション に 設 定
3 (3) スライドショー>スライドショーの 設 定 > スライドの 切 り 替 え を 保 存 時 のタイミング に 設 定 (4) スライドショーを 実 行 中 断 するときはエスケープ キーを 押 す 3.7 スライドを 印 刷 して 配 布 資 料 を 作 る ファイル> 印 刷 プレビュー> 印 刷 対 象 : 配 布 資 料 プリントアウトして 配 布 資 料 を 作 るときに 便 利 1ページに9 画 面 まで 縮 小 して 入 れることが 可 能 モノクロ 印 刷 の 場 合 は 色 の 使 い 方 に 注 意 4. スライドに 視 覚 効 果 をつける 4.1 アニメーション アニメーションは スライド 内 のオブジェクトを 表 示 するときの 視 覚 効 果 (1) 右 ウィンドウを アニメーションの 設 定 に 変 更 する (2) 中 心 ウィンドウでアニメーション 効 果 をつけたいオブジェクトを 選 択 > 右 ウィンドウでアニメ ーションを 設 定 4.2 画 面 切 り 替 え 画 面 の 切 り 替 えは スライドから 次 のスライドへ 切 り 替 えるときの 視 覚 効 果 (1) 右 ウィンドウの 表 示 を 画 面 切 り 替 え に 変 更 する (2) 左 ウィンドウで 画 面 切 り 替 え 効 果 をつけたいスライドを 選 択 > 右 ウィンドウで 画 面 切 り 替 え 効 果 を 設 定 視 覚 効 果 は(デザインやレイアウトと 違 って)モニタやプロジェクタで 提 示 するときに 有 効 5. プレゼンテーションの 実 施 上 の 注 意 点 (1) 必 要 なものを 確 認 する: パソコン プロジェクタまたはモニタ(パソコンとモニタをつなぐケーブル 電 源 ケーブル 延 長 コードなども 確 認 ) ポインタも 使 えるが レーザー ポインタがあると 便 利 (2) ファイルの 移 動 方 法 : 作 成 したファイルを 他 のパソコンに 移 す 場 合 にはその 方 法 をあらかじめ 考 えておくこと 画 像 の 多 いファイルは 巨 大 なのでフロッピー ディスクに 保 存 したり メールの 添 付 ファイルとし て 送 ったりできないことがある CD-Rに 焼 く USBフラッシュメモリなどに 保 存 する ネット サーバを 仲 介 するなどの 方 法 を 考 えておく 必 要 がある (3) パソコンとプロジェクタの 接 続 を 確 認 する: プレゼンテーションに 先 立 って パソコンとプロジェクタを 接 続 し 試 写 をおこなうこと パワ ーポイントによるプレゼンテーションで 起 こるトラブルのほとんどは 接 続 で 起 こる パソコン の 画 面 が 表 示 されない 場 合 は 以 下 のポイントをチェック: パソコンとプロジェクタの 接 続 プロジェクタ 側 の 入 力 がパソコンになっていることを 確 認 パソコンの 画 面 出 力 が 外 部 モニタになっていることを 確 認
4 (4) パワーポイントのバージョン: 作 成 したパソコンとプレゼンテーションで 使 うパソコンが 異 なる 場 合 ( 会 場 のパソコンを 借 り て 使 うときなど) インストールされているパワーポイントのバージョンに 注 意 新 しいバー ジョンの 視 覚 効 果 が 使 えないことがある 6. 参 考 文 献 飯 田 英 明 4 時 間 でつくるパワーポイントのコツWEB 版 (http://www.brain-d.co.jp/ppin4/). 住 中 光 夫 住 中 光 夫 のパワフルプレゼンテーション (http://arena.nikkeibp.co.jp/tokushu/biz/20040406/108360/). 永 山 嘉 昭 説 得 できるプレゼンの 鉄 則 PowerPoint 徹 底 活 用 編 ライバルに 差 を 付 ける プロ の 技 はこう 使 う 日 経 BP 社,2002. プロジェクトA,できるシリーズ 編 集 部 できるPowerPoint 2003 Windows XP 対 応 インプレス, 2004. 7. この 講 習 で 扱 わなかったこと (1) アウトラインを 使 ってプレゼンテーションを 準 備 する (2) パワーポイントで 図 を 作 り 加 工 する (3) パワーポイントで 表 を 作 る 8. 補 足 説 明 ショート カット Windowsの 操 作 体 系 の 特 徴 はマウスを 使 ったポイント アンド クリックであるが キーボードを 使 ったシ ョート カットも 覚 えておくと 作 業 が 効 率 的 になる 次 のショート カットは( 右 手 はマウスに 置 いたまま) 左 手 だけでできるので 便 利 Ctrl + X:カット Ctrl + C:コピー Ctrl + V:ペースト Ctrl + Z: 元 に 戻 す Ctrl + S: 上 書 き 保 存 写 真 ファイル 写 真 のファイルを 用 意 するには 次 の 方 法 がある フィルムから 大 量 にスキャンする 必 要 がある 場 合 には お 店 に 頼 むという 選 択 肢 もある (1) デジカメで 撮 影 した 写 真 :JPEG 形 式 で 保 存 したファイルはそのまま 使 用 可 能 最 近 のデジカメは 最 低 でも200 万 画 素 はあるから 普 通 モードで 撮 れば 十 分 (2) 写 真 プリント: 普 通 のスキャナでスキャンし JPEG 形 式 で 保 存 スキャンする 時 の 解 像 度 は 実 用 的 には96~300dpi(dot per inch) 位 を 目 安 にする 一 般 に 元 の 写 真 が 大 きいほど 解 像 度 は 低 くてよい (3) ネガまたはポジ(スライド)のフィルム:フィルム スキャナでスキャンし JPEG 形 式 で 保 存 使 用 する 写 真 のファイルサイズは100KB 位 であれば 十 分 に 実 用 に 耐 える 使 用 する 写 真 のファイルは 通 し 番 号 を 付 けて 一 つのフォルダにまとめておくと 便 利 例 : tanabata2005-001.jpg tanabata2005-002.jpg など
5 解 像 度 解 像 度 は1インチ(2.24センチ)あたりの 画 素 (ピクセル/ドットとも)の 数 で 表 される 画 像 の 解 像 度 は 高 いほど 綺 麗 に 表 示 されるように 思 われがちだが 実 は 解 像 度 の 高 さが 問 題 になるのは 紙 に 印 刷 する 場 合 である パワーポイントのようにパソコンの 画 面 で 表 示 することだけを 目 的 にする 場 合 には 解 像 度 をやたらと 高 くする 必 要 はない な ぜなら 一 般 のパソコンの 画 面 は1インチあたり96ドットほどしか 表 示 できないからであ る 現 在 のパソコンの 画 面 は 横 1024ドット 縦 768ドット(XGA)ドットか 横 1280ドット 縦 960ドット(SXGA)で 表 示 されている これは XGAだとおよそ78 万 画 素 SXGAでも 122 万 画 素 しか 表 示 できないということである プロジェクタで 大 きな 画 面 に 投 影 された 場 合 でも レンズで 拡 大 されているだけのことで 映 っているドットの 数 には 変 わりはな い したがって これ 以 上 のドットで 構 成 されている( 解 像 度 の 高 い) 画 像 をパソコンで 表 示 しても 画 面 からはみ 出 るだけである 確 かに 細 かな 部 分 はよく 見 えるが 全 体 像 はつか めない そのうえ 解 像 度 が 高 い 画 像 が 多 くなるとファイル サイズが 極 端 に 大 きくなっ て 動 作 が 重 くなる 点 にも 要 注 意 である なぜ 解 像 度 を 理 解 することが 大 切 なのか? 画 像 はパワーポイントやワードのようなソフトの 中 でも 自 由 に 拡 大 縮 小 でき る しかし 画 像 の 画 質 はその 画 像 がもっている 解 像 度 によって 決 まる とくに 画 像 を 大 きくするに 従 って 解 像 度 の 高 さが 画 質 に 反 映 するからである 解 像 度 の 低 い 画 像 小 さいサイズでは 画 質 は 問 題 とならないが( 左 ) 画 面 い っぱいに 拡 大 すると 画 質 の 粗 さが 目 立 つ( 中 ) 解 像 度 の 高 い 画 像 小 さいサイズでは 解 像 度 が 高 くても 目 に 見 える 違 いはな い( 左 ) 画 面 いっぱいに 拡 大 しても 当 然 画 質 はきれいである( 中 ) 本 来 の 大 きさで 表 示 すると 高 い 解 像 度 の 威 力 が 発 揮 されるが 画 面 には 納 まりきらな い( 右 ) 解 像 度 が 不 必 要 に 高 い 画 像 はファイルのサイズが 大 きくて 扱 いにく い 過 ぎたるは 及 ばざるが 如 しである 解 像 度 の 適 切 な 画 像 小 さいサイズでは 画 質 は 問 題 とならない( 左 ) 本 来 の 大 きさで 表 示 したときにきれいな 画 質 で 画 面 いっぱいになる( 右 )