東 芝 半 導 体 アプリケーションノート バススイッチの 使 用 上 の 注 意 点 2011/12/25 株 式 会 社 東 芝 セミコンダクター&ストレージ 社 ディスクリート 半 導 体 事 業 部 Copyright 2010, Toshiba Corporation.
バススイッチとは 機 械 スイッチ バススイッチ スイッチを 押 すと 信 号 伝 達 (オン) 入 出 力 スイッチ Push! オン/オフ 入 出 力 トランジスタ(FET) ソース / ドレイン 電 圧 印 加 ゲート ゲートに 電 圧 印 加 信 号 伝 達 (オン) ドレイン / ソース A B A B 信 号 の 方 向 は どちらでもOK! 信 号 の 方 向 は どちらでもOK! A-B 間 の 信 号 伝 達 をオン/オフさせるスイッチです 基 本 機 能 は 機 械 スイッチと 同 じで オン/オフ 機 能 を トランジスタ(FET)で 実 現 したものがバススイッチです 2
バススイッチとは バススイッチは 主 にデジタル 機 器 に 使 用 されるデバイスで 代 表 的 な2つの 使 い 方 を 紹 介 します 1 信 号 を 繋 ぐ(ON)/ 切 り 離 す(OFF) 2 信 号 を 複 数 に 振 り 分 ける 用 途 Bus Switch (SPST) Bus Switch (SPDT) Input On/Off IC Output Input On/Off Off/On IC-1 IC-2 Output 3
バススイッチと 標 準 ロジックの 違 い バススイッチ(TC7MBL3245C) 標 準 ロジック(TC74VHC245) 信 号 伝 達 速 度 1nS 以 下 数 ns 信 号 増 幅 機 能 無 し ±6mA( 標 準 :=3V 時 ) DIR 信 号 による 方 向 切 替 不 要 必 要 Bus-Switch 入 力 信 号 :C 出 力 信 号 :D 標 準 ロジック(Bus-Buffer) DIR 信 号 入 力 信 号 :A 出 力 信 号 :B 駆 動 能 力 あり C D A B 伝 播 遅 延 信 号 伝 達 速 度 : 1ns 以 下 信 号 伝 達 速 度 : 1ns 以 下 信 号 伝 達 速 度 : 数 ns 信 号 伝 達 速 度 : 数 ns バススイッチは 数 十 MHz 以 上 の 高 い 周 波 数 を 使 用 する 箇 所 に 適 した 製 品 です 信 号 を 増 幅 する 機 能 は 持 っていませんので 長 い 伝 送 路 への 使 用 には 不 適 DIR 信 号 による 信 号 方 向 の 切 替 が 不 要 4
バスラインの 高 速 化 とバススイッチの 関 係 バススイッチを 等 価 回 路 で 表 すと 抵 抗 R バススイッチは 抵 抗 (R)と 容 量 (C) の 等 価 回 路 として 表 現 でき 大 きく 等 価 回 路 容 量 C なると 信 号 波 形 の 立 上 り/ 立 下 り の 傾 きが 大 きくなり 高 速 伝 送 に 影 響 が 出 ます 信 号 波 形 の 傾 きイメージ 理 想 青 : 入 力 赤 : 出 力 補 足 そのまま 高 速 ( 高 周 波 ) 化 すると C/Rを 低 減 し 理 想 点 を 目 指 す!! 高 速 化 に 対 応 するためにはR ON とC I/O を 低 減 し CR 時 定 数 による 波 形 の 鈍 りの 最 小 限 化 が 必 要!! 5
出 力 立 ち 上 がり/ 立 ち 下 がり 時 間 (tr / tf)の 考 え 方 例 :TC7SB66CFU 出 力 信 号 のtr / tf(out)は 入 力 信 号 に 対 してTC7SB66CFUのスイッチ 入 出 力 容 量 (CI/O)とオン 抵 抗 (RON)のCR 時 定 数 により 影 響 されます 実 際 のアプリケーションでは TC7SB66CFU 以 外 の 回 路 上 の 容 量 成 分 及 び 抵 抗 成 分 もtr/tf(out)に 影 響 します 出 力 立 ち 上 がり/ 立 ち 下 がり 時 間 の 概 算 値 は 下 記 の 式 で 表 せます ( 図 3に 算 出 回 路 を 示 します ) tr / tf(out) ( 概 算 値 ) = - ( CI/O + CL ) (R DRIVE + RON) ln ( ( ( VOH VOL ) VM) / ( VOH VOL ) ) R DRIVE = 前 段 回 路 の 出 力 インピーダンス 計 算 例 tr / tf(out) ( 概 算 値 ) = - ( 10 + 15 )E-12 ( 120 + 4 ) ln ( ( ( 4.5-0 ) 2.25 ) / ( 4.5 0 ) ) 約 2.1 ns 計 算 条 件 VCC = 4.5V, CL = 15pF, RDRIVE = 120Ω( 前 段 ICの 出 力 インピーダンス), VM = 2.25V(VCC / 2) 前 段 ICのドライブ 出 力 電 圧 = デジタル 信 号 ( H レベル 電 圧 =VCC, L レベル 電 圧 = GND ) 前 段 IC TC7SB66CFU R DRIVE A/B C I/O (Switch On) B/A Measure 出 力 信 号 波 形 V OH = V M V M R ON C L V OL tr(out) tf(out) R DRIVE = 前 段 ICの 出 力 インピーダンス 項 目 V CC 5.0 ± 0.5 V 3.3 ± 0.3 V 2.5 ± 0.2 V 1.8 ± 0.15 V V V M CC / 2 V CC / 2 V CC / 2 V CC / 2 6
バススイッチの 分 類 バススイッチには スイッチ 部 の 構 造 の 違 いにより 2 種 類 のタイプがあります (1)Nchタイプ デジタル 信 号 の 伝 達 が 可 能 デジタル 信 号 の 切 替 遮 断 用 途 に 適 しています (2)Nch+Pchタイプ 双 方 向 でフルスイングでの 信 号 伝 達 が 可 能 デジタル/アナログ 信 号 の 切 替 遮 断 用 途 に 適 しています 7
スイッチ 構 造 タイプ 別 動 作 説 明 (1) ~Nch type~ OE (Output Enable) バスラインのON/OFFを 制 御 High 時 にGndに 対 しGateにバイアスが 印 加 されMOSがON ( 品 種 によっては Lowで ONもあり /OE ) A/B(In/Out 端 子 ) I/O 端 子 信 号 の 伝 達 を 行 う In/Outの 区 別 が 無 く 双 方 向 での 信 号 伝 達 が 可 能 OE A (I/O) B (I/O) オン 抵 抗 スイッチ オン 抵 抗 特 性 Vth V A or V B( 入 力 出 力 :Vout 入 出 力 特 性 -Vth -Vth 入 力 :Vin -Vthで 出 力 が 飽 和 ゲートにバイアスを ) 印 加 状 態 で 入 力 信 号 のレベル 変 化 させることによりI/O 間 のオン 抵 抗 が 変 化 ポイント(ディスクリートMOSとの 違 い) ディスクリートのMOSFETは バックゲートがソースに 落 ちているが バススイッチは Gndに 落 ちている ディスクリートMOSFET ソース ゲート ドレイン ソースを 基 準 とし ゲートの 電 位 によりFETのON/OFFを 制 御 オン 抵 抗 Vth V GS VGS(ゲート-ソース 間 )の 電 圧 を 変 化 させること により ドレイン-ソース 間 のオン 抵 抗 が 変 化 8
スイッチ 構 造 タイプ 別 動 作 説 明 (1) ~Nch type~ 信 号 波 形 例 1 :5V 例 2 :5V A B A B プルアップすることで フルスイング 可 能 出 力 電 圧 :B/A -1.0V -1.0V 出 力 電 圧 :B/A -1.0V -1.0V 入 力 電 圧 :A/B 入 力 電 圧 :A/B 5V A B 4V (-1V) 5V A B 5V 4V (-1V) A B 5V 5V A B 5V 9
Nch オン 抵 抗 特 性 スイッチ 構 造 タイプ 別 動 作 説 明 (2) ~Nch+Pch type~ Pch オン 抵 抗 特 性 OE A (I/O) Gnd B (I/O) オン 抵 抗 Vth (Nch) オン 抵 抗 Vth (Pch) V A or V B( 入 力 ) V A or V B( 入 力 ) 入 出 力 特 性 NchとPchの 特 性 を 合 わせると Nch+Pch Nch+Pchタイプは 出 力 のフルスイング が 可 能 出 力 :Vout 入 力 :Vin オン 抵 抗 V A/B(In) 10
Bus Switch 使 用 例 11
バスラインの 使 用 箇 所 電 源 ラインのSW には 一 般 的 に MOSFETが 使 用 されます 電 源 IC 電 源 ライン その 名 の 通 り IC 等 に 電 力 ( 電 圧 電 流 )を 供 給 するライン 100mA 程 度 ~ 数 A の 電 流 が 流 れます IC1 CK Data1 Data2 CK Data1 Data2 IC2 バススイッチは ここに 使 用 バス/データライン ICとIC 間 で 信 号 (クロック(CK),Data 等 )のやり 取 り するライン 一 般 的 にほとんど 電 流 は 流 れません バススイッチは 大 きな 電 流 を 流 すような 仕 様 にはなっていないため 電 源 ラインのSWには 不 向 き バス/データラインのSWとしてのご 使 用 ください 12
バススイッチ 基 本 応 用 例 (1) (1) バスラインの 切 替 バスライン の 切 替 (2) パワーダウンプロテクション パーシャルパワーダウンエリア =0V (Power Down) IC1 =3.3V パワーダウン プロテクション Peripheral IC1 バスラインの 切 替 IC2 IC1 IC2 こちら 側 のスイッチはオフ こちら 側 のスイッチはオフ IC1 IC2 3.3V パワーダウンプロテクション Bus Switch =0V 0V =3.3V Peripheral IC2 Peripheral IC1 メインICからの 信 号 をブロック. 13
バススイッチ 基 本 応 用 例 (2) (3) バスラインの 遮 断 遮 断 (4) 信 号 のレベル 変 換 =5V =3.3V Peripheral IC1 Peripheral IC2 Peripheral IC3 Level translation and Isolation Peripheral IC Peripheral IC4 3.3V 双 方 向 信 号 レベル 変 換 5V バスラインの 負 荷 を 低 減 14
トレラント 機 能 について ロジック 等 価 回 路 I/O I/O 電 圧 以 上 の 信 号 をCont,I/O 端 子 に 入 力 すると ( 例 ) 5V 信 号 を 入 力 3V ダイオードが 順 方 向 となる 5V 3V 電 流 Gnd 上 側 のダイオードを 削 除 すると 電 流 の 流 れる 経 路 が 無 くなる 上 側 のダイオードが 順 方 向 となり 入 力 端 子 方 向 へ 電 流 が 流 れる より 大 きな 電 圧 の 信 号 をCont.,I/O 端 子 に 入 力 することを 許 可 する 機 能 を トレラント 機 能 と 言 います ( 電 源 ()オフ 時 も 含 む) Gnd 補 足 (TDのポイント) 動 作 条 件 まで 項 目 記 号 トレラント 無 トレラント 有 電 源 電 圧 2.0-5.5V 2.0-5.5V 入 力 電 圧 (OE,S) Vin 0-0-5.5V スイッチ 入 出 力 電 圧 (I/O) Vs 0-0-5.5V 動 作 電 源 電 圧 の 最 大 値 まで 15
製 品 取 り 扱 い 上 のお 願 い 本 資 料 に 掲 載 されているハードウェア ソフトウェアおよびシステム( 以 下 本 製 品 という)に 関 する 情 報 等 本 資 料 の 掲 載 内 容 は 技 術 の 進 歩 などにより 予 告 なしに 変 更 されることがあります 文 書 による 当 社 の 事 前 の 承 諾 なしに 本 資 料 の 転 載 複 製 を 禁 じます また 文 書 による 当 社 の 事 前 の 承 諾 を 得 て 本 資 料 を 転 載 複 製 する 場 合 でも 記 載 内 容 に 一 切 変 更 を 加 えたり 削 除 したりしないでください 当 社 は 品 質 信 頼 性 の 向 上 に 努 めていますが 半 導 体 製 品 は 一 般 に 誤 作 動 または 故 障 する 場 合 があります 本 製 品 をご 使 用 頂 く 場 合 は 本 製 品 の 誤 作 動 や 故 障 により 生 命 身 体 財 産 が 侵 害 されることのないように お 客 様 の 責 任 において お 客 様 のハードウェア ソフトウェア システム に 必 要 な 安 全 設 計 を 行 うことをお 願 いします なお 設 計 および 使 用 に 際 しては 本 製 品 に 関 する 最 新 の 情 報 ( 本 資 料 仕 様 書 データシート アプリケーションノート 半 導 体 信 頼 性 ハンドブックなど)および 本 製 品 が 使 用 される 機 器 の 取 扱 説 明 書 操 作 説 明 書 などをご 確 認 の 上 これに 従 ってください また 上 記 資 料 などに 記 載 の 製 品 データ 図 表 などに 示 す 技 術 的 な 内 容 プログラム アルゴリズムその 他 応 用 回 路 例 などの 情 報 を 使 用 する 場 合 は 単 独 およびシステム 全 体 で 十 分 に 評 価 し お 客 様 の 責 任 において 適 用 可 否 を 判 断 してください 当 社 は 適 用 可 否 に 対 す る 責 任 は 負 いません 本 製 品 は 一 般 的 電 子 機 器 (コンピュータ パーソナル 機 器 事 務 機 器 計 測 機 器 産 業 用 ロボット 家 電 機 器 など)または 本 資 料 に 個 別 に 記 載 されている 用 途 に 使 用 されることが 意 図 されています 本 製 品 は 特 別 に 高 い 品 質 信 頼 性 が 要 求 され またはその 故 障 や 誤 作 動 が 生 命 身 体 に 危 害 を 及 ぼす 恐 れ 膨 大 な 財 産 損 害 を 引 き 起 こす 恐 れ もしくは 社 会 に 深 刻 な 影 響 を 及 ぼす 恐 れのある 機 器 ( 以 下 特 定 用 途 という)に 使 用 さ れることは 意 図 されていませんし 保 証 もされていません 特 定 用 途 には 原 子 力 関 連 機 器 航 空 宇 宙 機 器 医 療 機 器 車 載 輸 送 機 器 列 車 船 舶 機 器 交 通 信 号 機 器 燃 焼 爆 発 制 御 機 器 各 種 安 全 関 連 機 器 昇 降 機 器 電 力 機 器 金 融 関 連 機 器 などが 含 まれます 本 資 料 に 個 別 に 記 載 されている 場 合 を 除 き 本 製 品 を 特 定 用 途 に 使 用 しないでください 本 製 品 を 分 解 解 析 リバースエンジニアリング 改 造 改 変 翻 案 複 製 等 しないでください 本 製 品 を 国 内 外 の 法 令 規 則 及 び 命 令 により 製 造 使 用 販 売 を 禁 止 されている 製 品 に 使 用 することはできません 本 資 料 に 掲 載 してある 技 術 情 報 は 製 品 の 代 表 的 動 作 応 用 を 説 明 するためのもので その 使 用 に 際 して 当 社 及 び 第 三 者 の 知 的 財 産 権 その 他 の 権 利 に 対 する 保 証 または 実 施 権 の 許 諾 を 行 うものではありません 別 途 書 面 による 契 約 がない 限 り 当 社 は 本 製 品 および 技 術 情 報 に 関 して 明 示 的 にも 黙 示 的 にも 一 切 の 保 証 ( 機 能 動 作 の 保 証 商 品 性 の 保 証 特 定 目 的 への 合 致 の 保 証 情 報 の 正 確 性 の 保 証 第 三 者 の 権 利 の 非 侵 害 保 証 を 含 むがこれに 限 らない )をせず また 当 社 は 本 製 品 および 技 術 情 報 に 関 する 一 切 の 損 害 ( 間 接 損 害 結 果 的 損 害 特 別 損 害 付 随 的 損 害 逸 失 利 益 機 会 損 失 休 業 損 データ 喪 失 等 を 含 むがこれに 限 らな い )につき 一 切 の 責 任 を 負 いません 本 製 品 または 本 資 料 に 掲 載 されている 技 術 情 報 を 大 量 破 壊 兵 器 の 開 発 等 の 目 的 軍 事 利 用 の 目 的 あるいはその 他 軍 事 用 途 の 目 的 で 使 用 しな いでください また 輸 出 に 際 しては 外 国 為 替 及 び 外 国 貿 易 法 米 国 輸 出 管 理 規 則 等 適 用 ある 輸 出 関 連 法 令 を 遵 守 し それらの 定 め るところにより 必 要 な 手 続 を 行 ってください 本 製 品 のRoHS 適 合 性 など 詳 細 につきましては 製 品 個 別 に 必 ず 弊 社 営 業 窓 口 までお 問 合 せください 本 製 品 のご 使 用 に 際 しては 特 定 の 物 質 の 含 有 使 用 を 規 制 するRoHS 指 令 等 適 用 ある 環 境 関 連 法 令 を 十 分 調 査 の 上 かかる 法 令 に 適 合 するようご 使 用 ください お 客 様 がかかる 法 令 を 遵 守 しないことにより 生 じた 損 害 に 関 して 当 社 は 一 切 の 責 任 を 負 いかねます 16
17