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平 成 27 年 度 第 3 四 半 期 運 用 状 況 の 概 要 第 3 四 半 期 の 運 用 資 産 額 は 2 兆 4,339 億 円 となりました 第 3 四 半 期 の 修 正 総 合 収 益 率 ( 期 間 率 )は +2.05%となりました 実 現 収 益 率 は +1.19%です

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平成24年度 業務概況書

第 3 四 半 期 運 用 状 況 の 概 要 第 3 四 半 期 末 の 運 用 資 産 額 は 2,976 億 円 となりました 第 3 四 半 期 の 修 正 総 合 収 益 率 ( 期 間 率 )は +1.79%となりました なお 実 現 収 益 率 は +0.67%です 第 3 四 半 期

●電力自由化推進法案

預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

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疑わしい取引の参考事例

1 予 算 の 姿 ( 平 成 25 当 初 予 算 ) 長 野 県 財 政 の 状 況 H 現 在 長 野 県 の 予 算 を 歳 入 面 から 見 ると 自 主 財 源 の 根 幹 である 県 税 が 全 体 の5 分 の1 程 度 しかなく 地 方 交 付 税 や 国 庫 支

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 25 年 4 月 1 日 至 平 成 26 年 3 月 31 日 ) ( 単 位 : 百 万 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 75,917 取 引 参 加 料 金 39,032 上 場 関 係 収 入 11,772 情 報 関 係 収 入 13,352 そ

平 成 24 年 4 月 1 日 から 平 成 25 年 3 月 31 日 まで 公 益 目 的 事 業 科 目 公 1 公 2 公 3 公 4 法 人 会 計 合 計 共 通 小 計 苦 情 相 談 解 決 研 修 情 報 提 供 保 証 宅 建 取 引 健 全 育 成 Ⅰ. 一 般 正 味 財

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連結計算書

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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

<重要な会計方針及び注記>

法 人 等 に 対 する 課 税 際 課 税 原 則 の 帰 属 主 義 への 見 直 しのポイント 総 合 主 義 から 帰 属 主 義 への 移 行 法 人 及 び 非 居 住 者 ( 法 人 等 )に 対 する 課 税 原 則 について 従 来 のいわゆる 総 合 主 義 を 改 め OECD

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経 常 収 支 差 引 額 等 の 状 況 平 成 26 年 度 予 算 早 期 集 計 平 成 25 年 度 予 算 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 3,689 億 円 4,597 億 円 908 億 円 減 少 赤 字 組 合 数 1,114 組 合 1,180 組 合 66

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代 議 員 会 決 議 内 容 についてお 知 らせします さる3 月 4 日 当 基 金 の 代 議 員 会 を 開 催 し 次 の 議 案 が 審 議 され 可 決 承 認 されました 第 1 号 議 案 : 財 政 再 計 算 について ( 概 要 ) 確 定 給 付 企 業 年 金 法 第

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為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

 

科 目 予 算 額 決 算 額 差 異 Ⅱ 投 資 活 動 収 支 の 部 1. 投 資 活 動 収 入 特 定 資 産 取 崩 収 入 13,811,848 62,532,864 48,721,016 退 職 給 付 引 当 資 産 取 崩 収 入 2,811,848 54,237,864 51,

(6) 事 務 局 職 場 積 立 NISAの 運 営 に 係 る 以 下 の 事 務 等 を 担 当 する 事 業 主 等 の 組 織 ( 当 該 事 務 を 代 行 する 組 織 を 含 む )をいう イ 利 用 者 からの 諸 届 出 受 付 事 務 ロ 利 用 者 への 諸 連 絡 事 務


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経 常 収 支 差 引 額 の 状 況 平 成 22 年 度 平 成 21 年 度 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 4,154 億 円 5,234 億 円 1,080 億 円 改 善 赤 字 組 合 の 赤 字 総 額 4,836 億 円 5,636 億 円 800 億 円 減

損 益 計 算 書 ( 平 成 25 年 10 月 1 日 から 平 成 26 年 9 月 30 日 まで) ( 単 位 : 千 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 304,971 営 業 費 用 566,243 営 業 総 損 失 261,271 営 業 外 収 益 受 取 利 息 3,545

建設特別・資産運用の基本方針

容 積 率 制 限 の 概 要 1 容 積 率 制 限 の 目 的 地 域 で 行 われる 各 種 の 社 会 経 済 活 動 の 総 量 を 誘 導 することにより 建 築 物 と 道 路 等 の 公 共 施 設 とのバランスを 確 保 することを 目 的 として 行 われており 市 街 地 環

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目 次 貸 借 対 照 表 1 損 益 計 算 書 2 キャッシュ フロー 計 算 書 3 利 益 の 処 分 に 関 する 書 類 4 国 立 大 学 法 人 等 業 務 実 施 コスト 計 算 書 5 注 記 事 項 6 附 属 明 細 書 別 紙

6-1 第 6 章 ストック オプション 会 計 設 例 1 基 本 的 処 理 Check! 1. 費 用 の 計 上 ( 1 年 度 ) 2. 費 用 の 計 上 ( 2 年 度 )- 権 利 不 確 定 による 失 効 見 積 数 の 変 動 - 3. 費 用 の 計 上 ( 3 年 度 )-

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

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損 益 計 算 書 ( 自 平 成 23 年 4 月 1 日 至 平 成 24 年 3 月 31 日 ) 金 額 ( 単 位 : 百 万 円 ) 売 上 高 99,163 売 上 原 価 90,815 売 上 総 利 益 8,347 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 4,661 営 業 利 益


情 報 通 信 機 器 等 に 係 る 繰 越 税 額 控 除 限 度 超 過 額 の 計 算 上 控 除 される 金 額 に 関 する 明 細 書 ( 付 表 ) 政 党 等 寄 附 金 特 別 控 除 額 の 計 算 明 細 書 国 庫 補 助 金 等 の 総 収 入 金 額 不 算 入 に 関

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

第4回税制調査会 総4-1

目 次 高 山 市 連 結 財 務 諸 表 について 1 連 結 貸 借 対 照 表 2 連 結 行 政 コスト 計 算 書 4 連 結 純 資 産 変 動 計 算 書 6 連 結 資 金 収 支 計 算 書 7

国 家 公 務 員 の 年 金 払 い 退 職 給 付 の 創 設 について 検 討 を 進 めるものとする 平 成 19 年 法 案 をベースに 一 元 化 の 具 体 的 内 容 について 検 討 する 関 係 省 庁 間 で 調 整 の 上 平 成 24 年 通 常 国 会 への 法 案 提

目 次 ( 資 産 の 部 金 融 資 産 ) 1. 資 金 4 1 資 金 明 細 台 帳 ( 資 産 負 債 整 簿 ) 5 2 資 金 の 明 細 台 帳 ( 付 属 明 細 表 ) 5 2. 税 等 未 収 金 6 3 債 権 債 務 整 台 帳 ( 資 産 負 債 整 簿 ) 6 4 当

3 圏 域 では 県 北 沿 岸 で2の 傾 向 を 強 く 見 てとることができます 4 近 年 は 分 配 及 び 人 口 が 減 少 している 市 町 村 が 多 くなっているため 所 得 の 増 加 要 因 を 考 える 場 合 は 人 口 減 少 による 影 響 についても 考 慮 する

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円 定 期 の 優 遇 金 利 期 間 中 に 中 途 解 約 す る と 優 遇 金 利 は 適 用 さ れ ず お 預 け 入 れ 日 か ら 解 約 日 ま で の 所 定 の 期 限 前 解 約 利 率 が 適 用 さ れ ま す 投 資 信 託 ( 金 融 商 品 仲 介 で 取 り 扱

科 売 上 原 価 売 上 総 利 益 損 益 計 算 書 ( 自 平 成 26 年 4 月 1 日 至 平 成 27 年 3 月 31 日 ) 目 売 上 高 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 営 業 利 益 営 業 外 収 益 受 取 保 険 金 受 取 支 援 金 補 助 金 収 入 保

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質 問 票 ( 様 式 3) 質 問 番 号 62-1 質 問 内 容 鑑 定 評 価 依 頼 先 は 千 葉 県 などは 入 札 制 度 にしているが 神 奈 川 県 は 入 札 なのか?または 随 契 なのか?その 理 由 は? 地 価 調 査 業 務 は 単 にそれぞれの 地 点 の 鑑 定

Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 1 人

第 41 期

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平成22年度

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4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 新 規 社 ( 社 名 ) 除 外 社 ( 社 名 ) (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

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1. 前 払 式 支 払 手 段 サーバ 型 の 前 払 式 支 払 手 段 に 関 する 利 用 者 保 護 等 発 行 者 があらかじめ 利 用 者 から 資 金 を 受 け 取 り 財 サービスを 受 ける 際 の 支 払 手 段 として 前 払 式 支 払 手 段 が 発 行 される 場 合

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定款

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注 記 事 項 (1) 当 四 半 期 連 結 累 計 期 間 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 : 無 (2) 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 : 有 ( 注 ) 詳 細 は 添 付 資 料 4ページ 2.サマリー 情 報 (


Q IFRSの特徴について教えてください

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Transcription:

レポート 世 界 の 機 関 投 資 家 の 変 貌 と 日 本 の 課 題 野 村 資 本 市 場 研 究 所 研 究 部 長 関 雄 太 1. 拡 大 変 貌 する 伝 統 的 投 資 資 産 日 本 の 金 融 市 場 を 語 るうえで 外 国 人 投 資 家 の 動 向 を 無 視 することはできないが その 実 像 は 一 般 の 人 々にとって 必 ずしも 明 瞭 では ない 実 際 グローバル 金 融 市 場 において 機 関 投 資 家 は 影 響 力 を 強 めているが その 勢 力 図 や 顔 ぶれは 近 年 大 きく 変 わってきている まず 年 金 保 険 投 信 をグループとする 伝 統 的 な 機 関 投 資 家 の 資 産 量 は 2013 年 時 点 目 次 1. 拡 大 変 貌 する 伝 統 的 投 資 資 産 2.AUM 巨 大 化 競 争 を 展 開 する 世 界 の 大 手 資 産 運 用 会 社 3. 影 響 力 を 強 める 非 伝 統 的 な 機 関 投 資 家 4. 今 後 の 注 目 点 と 日 本 の 状 況 で 推 定 約 97 兆 ドルと 2003 年 の 約 42 兆 ドルか ら 倍 以 上 に 増 加 している( 図 表 1) 先 進 国 における 年 金 資 産 は いずれの 国 に おいても 高 齢 化 によって 蓄 積 が 進 んでいる 状 況 である しかし 資 産 の 内 訳 を 見 ると そ の 時 々の 年 金 給 付 支 払 いに 必 要 となる 資 金 を 年 金 保 険 料 等 の 拠 出 で 賄 う 賦 課 方 式 による 確 定 給 付 型 年 金 (DB)が 制 度 的 限 界 に 直 面 しつつあり 代 わって 自 助 努 力 型 の 確 定 拠 出 型 年 金 (DC)の 増 加 ペースが 速 くなっている 米 国 と 豪 州 では すでにDCの 資 金 量 がDBを 凌 駕 している また 国 別 に 見 た 伝 統 的 機 関 投 資 家 の 資 産 量 では 米 国 が 格 段 に 大 きく 世 界 シェア 約 46%を 占 めている 一 方 日 本 フ ランス ドイツのシェアが 低 下 している こ れは 豪 州 カナダ 韓 国 南 アフリカなど の 年 金 資 産 が 増 加 していることによる 特 に 豪 州 では スーパーアニュエーションと 呼 ば れる 強 制 加 入 型 の 私 的 年 金 制 度 を 通 じた 資 産 蓄 積 が 進 んでおり 残 高 は 約 1.6 兆 豪 ドル(150 4

( 図 表 1) 主 要 国 の 伝 統 的 投 資 資 産 単 位 :10 億 米 ドル 2003 年 2013 年 年 金 基 金 保 険 投 資 信 託 合 計 年 金 基 金 保 険 投 資 信 託 合 計 ( 対 2003 年 伸 び 率 ) 米 国 7,492 4,633 7,414 19,539 21,233 8,458 15,018 44,709 129% 英 国 1,406 1,676 397 3,479 3,618 3,282 1,167 8,067 132% 日 本 2,867 1,919 349 5,135 1,732 4,620 774 7,126 39% フランス 143 918 1,148 2,209 265 781 1,532 2,578 17% ドイツ 229 984 276 1,489 242 1,649 383 2,274 53% オランダ 615 271 97 983 1,346 354 85 1,785 82% スイス 388 241 91 720 804 428 397 1,457 102% その 他 1,827 2,857 4,186 8,870 8,866 9,538 10,674 29,078 228% 合 計 14,967 13,500 13,958 42,425 38,106 29,109 30,030 97,245 129% ( 出 所 )TheCityUKより 野 村 資 本 市 場 研 究 所 作 成 兆 円 強 )に 達 している 投 資 信 託 では 米 国 の 資 産 残 高 (2013 年 末 ) が15 兆 ドルを 超 えており 日 本 の20 倍 近 くに 達 するなど 主 要 国 の 中 でずば 抜 けて 大 きな 市 場 規 模 となっていることが 目 立 つ 米 国 の 資 金 循 環 統 計 を 見 ても 個 人 金 融 資 産 に 占 め る 投 資 信 託 の 比 率 は 一 貫 して 上 昇 しており 7,500 万 人 を 超 える 米 国 ベビーブーマー 層 (1946 年 1964 年 生 まれの 人 口 階 層 )の 主 要 な 資 産 形 成 運 用 手 段 として 投 資 信 託 が 定 着 していることがわかる もちろん 一 口 に 米 国 の 投 資 信 託 (ミュー チュアルファンドと 呼 ばれる)と 言 っても 中 身 は 多 様 である 相 変 わらず 投 信 の 主 流 は 株 式 債 券 の 長 期 アクティブ 運 用 型 のファン ドで ファイナンシャルアドバイザー 経 由 の 販 売 チャネルが 大 きな 比 重 を 保 っているもの の 単 なる 金 融 商 品 というよりはライフプラ ンに 合 わせたソリューションを 提 供 する 道 具 として 投 資 信 託 の 用 途 目 的 の 多 様 化 に 合 わせ 多 くのイノベーションが 発 生 している 例 えば ファンドラップ( 顧 客 のリスク 許 容 度 や 運 用 方 針 金 融 機 関 の 専 門 的 なコンサル ティングに 基 づき 複 数 の 投 資 信 託 を 組 み 合 わせて 資 産 を 一 任 運 用 するサービス)の 残 高 は 直 近 約 10 年 間 で5 倍 以 上 となり 2014 年 に は1 兆 ドルを 超 えた(セルリ アソシエイツ による) 同 様 に DC 口 座 の 中 で 加 入 者 から 運 用 指 図 がないときに 自 動 的 に 資 金 が 積 み 立 てられる デフォルトファンド として 普 及 してきたターゲットデートファンド(DC 加 入 者 の 退 職 年 齢 を 目 標 としてリスク 配 分 を 変 更 していくファンド オブ ファンズ)の 残 高 は 直 近 約 10 年 間 で20 倍 以 上 に 拡 大 し 2014 年 第 3 四 半 期 末 には6,800 億 ドルを 超 え ている(ICI( 米 国 投 信 協 会 )による) ETF ( 上 場 投 資 信 託 )も 2000 年 末 の 米 国 上 場 フ ァンド 数 102 本 残 高 830 億 ドルから 2014 年 11 末 時 点 で 上 場 ファンド 数 1,411 本 残 高 1.95 兆 ドルと 急 拡 大 しており 21 世 紀 最 大 の 金 融 イノベーションと 言 ってよいであろう (ICIによる) 5

( 図 表 2) 預 かり 資 産 で 見 たグローバル 資 産 運 用 会 社 ランキング グローバル 資 産 運 用 会 社 ランキング(2007 年 末 預 かり 資 産 ) ランク 運 用 会 社 国 資 産 ( 十 億 米 ドル) 1 バークレイズ グローバル(BGI) 英 国 2,079 2 ステート ストリート 米 国 1,979 3 アリアンツ グループ ドイツ 1,957 4 アクサ グループ フランス 1,887 5 フィデリティ インベストメンツ 米 国 1,862 6 キャピタル グループ 米 国 1,550 7 ドイツ 銀 行 ドイツ 1,402 8 バンガード グループ 米 国 1,365 9 ブラックロック 米 国 1,357 10 UBS スイス 1,231 グローバル 資 産 運 用 会 社 ランキング(2013 年 末 預 かり 資 産 ) ランク 運 用 会 社 国 資 産 ( 十 億 米 ドル) 1 ブラックロック 米 国 4,324 2 バンガード グループ 米 国 2,753 3 アリアンツ グループ ドイツ 2,393 4 ステート ストリート 米 国 2,345 5 フィデリティ インベストメンツ 米 国 2,160 6 JPモルガン チェース 米 国 1,602 7 バンク オブ ニューヨーク メロン 米 国 1,582 8 アクサ グループ フランス 1,532 9 キャピタル グループ 米 国 1,339 10 BNPパリバ フランス 1,325 36 日 本 生 命 日 本 520 40 三 菱 UFJフィナンシャル 日 本 445 31 三 菱 UFJフィナンシャル 日 本 635 33 三 井 住 友 信 託 銀 行 日 本 610 35 日 本 生 命 日 本 600 40 全 共 連 日 本 479 ( 出 所 )P&I Towers Watson World 500より 野 村 資 本 市 場 研 究 所 作 成 2.AUM 巨 大 化 競 争 を 展 開 す る 世 界 の 大 手 資 産 運 用 会 社 上 記 のような 資 金 シフトや 投 資 信 託 資 産 の 拡 大 を 背 景 に 受 託 者 である 資 産 運 用 業 界 は 概 してメリットを 受 けているが 一 方 で 競 争 も 激 しくなっている タワーズ ワトソン 調 査 による2013 年 末 の 資 産 運 用 会 社 世 界 ランキングで1 位 となった ブラックロックの 預 かり 資 産 (AUM)は 約 4.3 兆 ドル( 約 500 兆 円 )に 達 しており ザ バンカー 誌 による 銀 行 資 産 世 界 ランキング1 位 の 中 国 工 商 銀 行 (ICBC)の 総 資 産 約 3.1 兆 ドル 同 2 位 のHSBCの 総 資 産 約 2.67 兆 ドル を 遥 かに 凌 駕 している( 図 表 2) また 2 位 のバンガードのAUM 2.75 兆 ドルは 米 国 最 大 の 銀 行 JPモルガン チェースの 総 資 産 2.4 兆 ドルを 上 回 っている これほど 巨 大 な 資 産 運 用 会 社 が 存 在 するこ とが 日 本 ではなかなか 想 像 しがたいが 実 際 に2000 年 代 半 ば 以 降 は1 兆 ドルのAUMを 持 たないと 資 産 運 用 業 界 で 世 界 のトッププレ イヤーとは 言 えない 状 況 となっている 前 述 のように 確 定 拠 出 年 金 が 各 国 で 政 策 的 に 後 押 しされ 自 助 努 力 型 の 資 産 形 成 運 用 が 重 要 になる 中 で 分 散 投 資 グローバル 運 用 を 実 現 する 投 資 信 託 への 需 要 が 増 大 しているこ とから 年 金 からの 受 託 に 特 化 した 運 用 会 社 よりも リテール 分 野 に 強 みを 持 つ あるい は 機 関 投 資 家 への 投 資 顧 問 事 業 で 得 た 専 門 性 や 運 用 力 をリテール 分 野 に 展 開 できる 能 力 を 持 つ 運 用 会 社 の 方 が 成 長 している 傾 向 がある (インスティチューショナルからリテール 6

へ) また 複 数 のアセットクラスに 対 応 で きる 会 社 ( 総 合 化 )が 成 長 機 会 を 獲 得 してい るという 面 もあり M&Aも 辞 さず 規 模 を 大 きくすることとコストの 低 減 を 目 指 すのが トッププレイヤーの 条 件 となっている ステ ート ストリートやバンク オブ ニューヨ ーク メロンなど 信 託 系 の 運 用 会 社 が 巨 大 化 したのは 必 然 とも 言 える ちなみに 資 産 運 用 会 社 のランキングを 2007 年 末 と2013 年 末 の2 時 点 で 比 較 すると 6 年 前 には9 位 だったブラックロックが1 位 へ 8 位 だったバンガードが2 位 へと 躍 進 す る 一 方 で 7 位 だったドイツ 銀 行 グループと 10 位 だったUBSが 圏 外 へ 去 るなど 上 位 の 間 での 順 位 変 動 が 激 しい グローバル 金 融 危 機 以 後 の 特 徴 として 債 券 為 替 分 野 に 強 みを 持 つブラックロックやアリアンツ グループ (PIMCOを 傘 下 に 有 する)の 資 産 が 拡 大 ド イツ 銀 行 UBSなど 欧 州 のユニバーサルバン ク 系 運 用 会 社 のランクが 低 下 傾 向 といった 動 きも 見 られる こうした 激 しい 競 争 は 各 社 が 運 用 するフ ァンドのパフォーマンスあるいは 販 売 額 の 変 動 によって 引 き 起 こされていることはもちろ んだが M&Aによる 統 合 再 編 も 活 発 に 起 きている M&Aを 繰 り 返 すことで 成 長 した 運 用 会 社 の 代 表 的 な 例 がブラックロックである 以 前 は 公 社 債 運 用 にフォーカスしたマネージャー というイメージだった 同 社 だが 2006 年 のメ リル リンチ インベストメント マネージ ャーズ 買 収 と2009 年 のバークレイズ グロー バル インベスターズ 買 収 によって わずか 5 年 の 間 に あらゆる 資 産 クラスで 年 金 から 投 信 ETFに 至 る 運 用 能 力 プロダクトを 有 する 総 合 運 用 会 社 に 変 貌 してしまった ブ ラックロックは 銀 行 保 険 などの 系 列 に 属 しておらず 上 場 会 社 であることから 株 式 交 換 などを 活 用 して 金 融 コングロマリットの 資 産 運 用 部 門 を 統 合 吸 収 してしまう 戦 略 を 展 開 した その 一 方 で JPモルガン アセット マ ネジメントのように 銀 行 持 株 会 社 傘 下 のま まAUMを 巨 大 化 させた 運 用 会 社 フィデリ ティのように 資 産 運 用 を 中 核 事 業 としながら も 自 社 グループ 内 にネット コールセンター 対 面 職 域 等 から 成 る 巨 大 な 販 売 チャネル を 築 き 上 げたグループもあり 資 産 運 用 会 社 のビジネスモデルを 単 純 化 して 説 明 すること はできないのが 実 態 である 3. 影 響 力 を 強 める 非 伝 統 的 な 機 関 投 資 家 また 世 界 的 潮 流 として ソブリン ウェ ルス ファンド(SWF)やヘッジファンド プライベートエクイティファンドなど 非 伝 統 的 な 機 関 投 資 家 の 規 模 と 影 響 力 が 拡 大 して いる( 図 表 3) SWFは 石 油 などの 天 然 資 源 による 収 入 外 貨 準 備 など 国 家 資 産 を 財 源 として 政 府 系 投 資 機 関 が 運 営 するファンドで あり 投 資 決 定 に 際 して 精 密 な 規 約 や 限 度 額 7

( 図 表 3)SWF ヘッジファンドの 資 産 の 拡 大 ( 注 )ヘッジファンドの2014 年 データは6 末 時 点 SWFの2014 年 データは12 末 時 点 ( 出 所 )SWF Institute, Hedge Fund Researchより 野 村 資 本 市 場 研 究 所 で 縛 りを 与 えることをせず 独 創 的 な 投 資 ア イデアを 追 求 したり 積 極 的 にリスクをとる ことで 高 い 収 益 性 を 求 める 傾 向 がある SWFの 運 用 資 産 は 2014 年 に7 兆 ドルを 突 破 したが なかでも 中 国 シンガポールなど アジアのSWFの 拡 大 が 顕 著 である 金 融 規 制 改 革 によって 銀 行 などによるリスク 資 本 の 供 給 仲 介 機 能 が 抑 制 される 中 マッキンゼ ーが 新 パワーブローカー と 呼 ぶこれらの 非 伝 統 的 投 資 家 の 存 在 感 は 高 まっており 例 えば 最 近 では 原 油 価 格 の 急 落 に 伴 い 産 油 国 のSWFの 資 金 移 動 が 激 化 し 金 融 市 場 に 混 乱 を 生 み 出 すのではないかといった 指 摘 も 増 えている こうした 非 伝 統 的 な 機 関 投 資 家 の 力 が 増 す 背 景 は スポンサーもしくはアセットオーナ ーと 言 われる 年 金 基 金 や 富 裕 層 個 人 投 資 家 の 資 産 配 分 の 中 で 株 式 債 券 以 外 の 代 替 的 な 投 資 資 産 (オルタナティブ 資 産 )の 比 率 が 高 まっているからである 米 国 において 資 産 運 用 のフロンティアを 常 に 開 拓 し 続 ける 存 在 で ある 大 手 公 的 年 金 や 有 名 私 学 の 基 金 (エンド ウメント)は 伝 統 的 な 投 資 資 産 だけでは 十 分 に 分 散 効 果 が 得 られないと 金 融 危 機 を 契 機 にむしろオルタナティブ 資 産 の 比 率 を 高 め ており 他 の 機 関 投 資 家 も 追 随 している 例 えば カルパース(カリフォルニア 州 職 員 退 職 年 金 )の2015 年 1 現 在 の 目 標 資 産 配 分 を 見 ると プライベート エクイティに 総 運 用 資 産 の10.5% 不 動 産 インフラ 等 の 実 物 資 産 に10.1%を 割 り 当 てるとしている 同 じく イェール 大 学 基 金 における2013 年 時 点 の 目 標 資 産 配 分 を 見 るとプライベート エク イティに31% 不 動 産 天 然 資 源 に27% ヘ ッジファンドに20%を 割 り 当 て 実 に 総 運 用 資 産 の78%をオルタナティブ 資 産 に 投 じてい 8

( 図 表 4)ヘッジファンドのリターンと 米 国 株 価 指 数 の 比 較 ( 出 所 )HFR S&P 資 料 より 野 村 資 本 市 場 研 究 所 作 成 る 状 況 である しかし あまりにも 多 くのスポンサーが 非 伝 統 的 な 投 資 戦 略 を 追 求 することで ユニー クな 投 資 機 会 が 減 少 し リターンが 低 下 する 現 象 も 指 摘 されている 実 際 HFR(ヘッ ジファンドリサーチ) 社 によるヘッジファン ドの 総 合 リターンインデックス(HFRI 指 数 ) を 見 ると 概 してリターンのファンド 間 のば らつき あるいは 上 下 変 動 は 少 なくなってい る 一 方 で リターン 水 準 の 平 均 値 は 低 下 傾 向 にある 2009 年 以 降 はヘッジファンドの 平 均 リターンは 米 国 の 代 表 的 な 株 価 インデック ス(S&P500 指 数 )を 下 回 り 続 けており ハ イリスク ハイリターンというかつてのヘッ ジファンドのイメージはかなり 変 貌 してきた と 言 うこともできる( 図 表 4) 4. 今 後 の 注 目 点 と 日 本 の 状 況 上 記 のように 世 界 の 機 関 投 資 家 や 資 産 運 用 会 社 は 成 長 領 域 やトッププレイヤーの 顔 ぶれを 変 貌 させつつも 顕 著 な 拡 大 を 見 せて いることがわかる 住 宅 不 動 産 バブルが 崩 壊 し 金 融 危 機 が 発 生 した 後 に 多 くの 市 場 で 信 用 収 縮 や デ ィレバレッジング が 進 む 中 このAUMの 成 長 はある 意 味 では 異 様 とも 言 える 一 方 で 今 後 バーゼル 銀 行 委 員 会 欧 米 当 局 などに よる 金 融 規 制 改 革 が 進 展 していくことを 前 提 にすると 世 界 中 で 大 手 金 融 機 関 がバランス シート 拡 大 路 線 の 修 正 を 迫 られ 自 己 資 本 を 食 い 潰 さない 資 産 運 用 ビジネスをより 強 化 し ていく 可 能 性 が 高 い 実 際 JPモルガンや ゴールドマン サックスなどはそうした 戦 略 を 採 用 しているようにも 見 える 今 後 は 銀 9

行 投 資 銀 行 に 代 わって 機 関 投 資 家 やファ ンドがリスク 資 本 の 供 給 仲 介 で 重 要 な 役 割 を 担 うことになるのかも 知 れない こうした 状 況 に 対 し 欧 米 規 制 当 局 の 間 で は 巨 大 化 した 資 産 運 用 会 社 などが 金 融 シス テムにとって 新 たな 脅 威 を 生 み 出 すのではな いかという 懸 念 が 生 まれている 一 部 には 巨 大 な 資 産 運 用 会 社 をG-SIFI(システム 上 重 要 なグローバル 金 融 機 関 )に 指 定 して 厳 格 な 監 督 モニタリングを 実 施 すべきではないか という 意 見 すら 出 てきており 現 時 点 では 具 体 的 な 動 きや 制 度 化 には 至 っていないもの の 今 後 の 動 きが 注 目 されている 視 点 を 変 えて 日 本 の 資 産 運 用 業 界 機 関 投 資 家 の 状 況 を 見 ると 世 界 の 動 向 から 取 り 残 されていると 言 わざるを 得 ない 面 がある 高 齢 化 や 年 金 財 政 の 困 難 化 という 海 外 諸 国 と 同 じマクロ 環 境 を 抱 えているにもかかわら ず 日 本 の 確 定 拠 出 年 金 ( 企 業 型 )の 資 産 規 模 は7.5 兆 円 弱 (2014 年 3 時 点 運 営 管 理 機 関 連 絡 協 議 会 等 による)に 過 ぎず 家 計 部 門 における 投 資 信 託 の 普 及 も 十 分 ではない 年 金 基 金 もリスク 回 避 志 向 が 強 く オルタナ ティブ 資 産 への 配 分 に 積 極 的 ではない 結 果 的 に グローバルに 活 躍 する 投 資 ファンドや 資 産 運 用 会 社 が 国 内 に 育 たず 世 界 の 主 要 プ レイヤーとの 格 差 は 開 く 一 方 と 言 える とはいえ 日 本 でも 確 定 拠 出 年 金 制 度 の 拡 充 やNISA( 少 額 投 資 非 課 税 制 度 )の 導 入 など 資 産 運 用 業 の 拡 大 を 後 押 しする 政 策 は 続 々と 打 たれている また 世 界 最 大 の 年 金 基 金 であるGPIF( 年 金 積 立 金 管 理 運 用 独 立 行 政 法 人 )も 有 識 者 会 議 の 提 言 や 日 本 再 興 戦 略 改 訂 版 での 方 針 などに 基 づいて 資 産 構 成 の 見 直 しを 進 めている 国 内 証 券 市 場 へのイ ンパクトなどが 活 発 に 議 論 されているが GPIFが 他 のトッププレイヤーが 採 用 してい る 投 資 戦 略 をどのように 取 り 入 れていくのか といったことも 注 目 されよう 逆 に NISA やGPIFといった 動 きは 資 産 運 用 業 界 にお ける 世 界 のトッププレイヤーの 目 を 日 本 に 向 けさせる 可 能 性 があり 今 後 の 競 争 激 化 も 予 想 されよう 政 府 は 現 在 成 長 戦 略 実 現 のためにリスク マネー 供 給 策 を 強 化 しており また 東 京 都 も 改 めて 国 際 金 融 センター 構 想 を 活 発 に 議 論 し はじめている グローバルな 金 融 システムに おいて 資 産 運 用 のプレイヤーや 機 関 投 資 家 が 従 来 以 上 に 重 要 な 役 割 を 果 たしつつあるこ とを 念 頭 に 戦 略 的 な 産 業 育 成 人 材 育 成 の ための 諸 政 策 がデザイン 施 行 されることが 期 待 されよう 1 10