猫 の 飼 養 ガイドライン 吹 田 市 - 0 -
目 次 第 1 目 的 2 第 2 基 本 的 な 考 え 方 2 第 3 定 義 2 第 4 猫 の 本 能 習 性 3 第 5 飼 い 猫 について 4 第 6 飼 い 猫 以 外 の 猫 について 7 第 7 最 後 に 11 侵 入 防 止 の 方 法 12 知 っていますか? 猫 がこんなに 増 えること( 図 と 解 説 ) 13-1 -
吹 田 市 猫 の 飼 養 ガイドライン 第 1 目 的 犬 や 猫 たちは 古 くから 人 のそばでともに 生 活 し 私 たちに 安 らぎや 潤 いを 与 えてくれるばかりでなく 小 さな 命 を 守 ることで 人 に 対 する 思 いやりや 命 の 尊 さを 教 えてくれました しかしながら 近 年 一 部 の 非 常 識 な 飼 い 主 による 不 適 切 な 飼 養 により 動 物 による 迷 惑 問 題 や 動 物 の 遺 棄 飼 育 放 棄 が 発 生 するなど 犬 や 猫 をめぐるト ラブルが 増 えてきており 本 市 においては 特 に 野 良 猫 に 関 する 相 談 苦 情 が 多 く 寄 せられるようになりました 本 ガイドラインは こうした 問 題 の 解 決 にあたり 人 と 猫 との 共 生 に 対 する 社 会 的 理 解 を 深 め ともに 健 康 で 安 全 に 暮 らしていける 環 境 を 築 き 上 げていく ことを 目 的 としています 第 2 基 本 的 な 考 え 方 猫 を 飼 養 するにあたっては 愛 情 を 持 って 接 するだけでなく 猫 の 生 態 及 び 習 性 等 猫 に 対 する 正 しい 理 解 と 飼 うことに 対 する 社 会 的 責 任 を 自 覚 し 適 正 に 管 理 することで 猫 の 存 在 が 広 く 市 民 に 受 けいれられるよう 心 がけることが 大 切 です そのためには 猫 の 飼 い 主 は 室 内 飼 育 終 生 飼 育 身 元 表 示 避 妊 去 勢 手 術 を 実 施 し 新 たな 野 良 猫 を 増 やすことのないよう 飼 い 主 としての 責 任 を 十 分 に 自 覚 しましょう また 飼 い 主 のいない 猫 に 対 しては これ 以 上 増 えないように 避 妊 去 勢 手 術 を 実 施 する 餌 を 与 える 場 所 と 時 間 を 限 定 し 置 き 餌 をせずに 猫 が 食 べ 終 わ ったら 片 付 ける 糞 尿 の 後 片 付 けをするなど 地 域 の 合 意 形 成 を 図 り 適 正 に 管 理 することで 地 域 猫 として その 生 涯 を 見 守 ることにより 減 少 を 図 りま す 第 3 定 義 本 ガイドラインでは 猫 の 飼 育 方 法 によってその 扱 い 方 が 異 なるため 次 の 3 種 類 に 分 類 していますが いずれの 猫 についても その 命 の 尊 さには 変 わり はありません 1 飼 い 猫 飼 い 主 が 明 確 であり 居 住 場 所 や 餌 を 飼 い 主 からもらい 生 活 している 猫 - 2 -
2 飼 い 主 のいない 猫 飼 い 主 がなく 地 域 に 住 みつき 人 から 餌 をもらったり ゴミをあさった りして 生 活 している 猫 ( 野 良 猫 と 呼 ばれる ) 3 地 域 猫 飼 い 主 のいない 猫 のうち 地 域 住 民 の 理 解 と 協 力 のもとに 避 妊 去 勢 手 術 を 行 なってこれ 以 上 増 やさないようにした 上 で 適 切 に 餌 を 与 えて 食 べ 残 しや 糞 の 清 掃 等 地 域 で 適 正 に 管 理 されている 猫 第 4 猫 の 本 能 習 性 猫 の 本 能 習 性 は 以 下 のとおりです このうち 発 情 期 と 妊 娠 出 産 マーキング( 縄 張 り 争 い) 尿 スプレー 鳴 き 声 などは 避 妊 去 勢 手 術 により 抑 えることができます 1 夜 行 性 昼 間 は 寝 ていることが 多 く 夜 間 活 動 が 活 発 になります 2 発 情 期 と 妊 娠 出 産 メスは 生 後 4~6か 月 の 間 に 最 初 の 発 情 期 を 迎 えます 年 に2~4 回 程 度 発 情 し 交 尾 をすれば ほぼ100% 妊 娠 します 妊 娠 期 間 は2か 月 程 度 で 平 均 4~8 匹 の 子 猫 を 出 産 します 仮 に 1 回 に6 匹 の 子 猫 を 産 み その 子 猫 がまた 半 年 後 には 子 猫 を 産 む とどうなるでしょうか ( 巻 末 解 説 を 参 照 してください ) オスは 生 後 6か 月 ぐらいになると メスのフェロモンによって 発 情 しま す オス 独 自 の 発 情 期 はありません 3 マーキング( 縄 張 り 争 い) 擦 り 付 けや 尿 スプレー 等 臭 いによるコミュニケーション 方 法 です 特 に 縄 張 り 意 識 の 強 いオスが 尿 スプレーをしますが メスでもする 場 合 が あります メスの 発 情 期 にはオスの 活 動 範 囲 が 広 がり オス 同 士 の 喧 嘩 も 増 えます 避 妊 去 勢 手 術 をするとマーキングが 抑 えられ 臭 いも 薄 くなり ます 4 トイレ やわらかい 土 砂 地 を 好 みます オスは 尿 スプレーを 行 なうことが 多 くあります 5 爪 とぎ 猫 の 気 分 がリラックスしたり 高 揚 したとき 爪 の 新 陳 代 謝 やマーキング - 3 -
が 行 なわれるときに 見 られる 本 能 的 な 習 性 です 6 性 格 自 尊 心 が 強 く 気 ままで 気 まぐれなため 飼 い 主 の 言 いなりにならない ものです 神 経 が 繊 細 で 急 な 環 境 の 変 化 突 然 の 大 きな 音 や 騒 々しい 環 境 を 嫌 います 7 鳴 き 声 コミュニケーションの 一 つで 猫 同 士 の 会 話 のほか 発 情 期 の 誘 い 威 嚇 警 戒 など 様 々な 表 現 を 行 ないます 8 寿 命 飼 い 猫 の 平 均 寿 命 は 12~15 年 程 度 といわれていますが 最 近 では 20 年 を 超 える 長 寿 猫 も 増 えています しかしながら 野 良 猫 は 生 活 環 境 が 劣 悪 なため 病 気 や 交 通 事 故 等 により 命 を 落 とすことが 多 く 平 均 4~5 年 程 度 といわれています 第 5 飼 い 猫 について 猫 を 飼 うのに 愛 情 はもちろん 必 要 ですが 可 愛 い という 気 持 ちだけでは 動 物 は 飼 えません 猫 の 生 態 に 関 する 知 識 を 深 め 猫 の 本 能 や 習 性 を 十 分 理 解 し ましょう また 猫 を 飼 える 環 境 が 整 っているか 毎 日 の 世 話 が 出 来 るか アレルギー を 持 っている 家 族 はいないか 避 妊 去 勢 手 術 を 行 なうなどといった 近 隣 に 迷 惑 をかけない 配 慮 が 出 来 るかといったことについて 飼 い 始 める 前 によく 考 え る 必 要 があります 猫 も 十 数 年 生 きます 猫 が 高 齢 になった 時 の 介 護 のことも 考 えておかなけれ ばなりません 飼 い 始 めた 限 りは 最 後 まで 責 任 を 持 って 飼 いましょう 1 飼 養 管 理 (1) 法 令 の 遵 守 動 物 の 愛 護 及 び 管 理 に 関 する 法 律 大 阪 府 動 物 の 愛 護 及 び 管 理 に 関 す る 条 例 地 域 や 集 合 住 宅 内 の 飼 養 規 程 等 に 規 定 された 飼 養 者 の 義 務 を 守 りましょう (2)みだりな 繁 殖 を 防 止 するための 避 妊 去 勢 手 術 措 置 飼 養 する 猫 の 数 は 居 住 環 境 を 踏 まえ その 環 境 で 無 理 のない 猫 の 数 を 見 極 めて 飼 養 しましょう また 猫 は 屋 内 外 自 由 に 行 動 するため 自 然 繁 殖 の 機 会 が 多 くなります このため 生 まれてくる 全 ての 命 に 責 任 を 持 てないのであれば 避 妊 - 4 -
去 勢 手 術 など 繁 殖 制 限 を 行 なうことが 飼 い 主 としての 社 会 的 責 務 であ ると 言 われています 生 後 6か 月 までに 去 勢 手 術 をすることで 万 一 逃 げ 出 した 時 の 予 測 し ない 繁 殖 他 所 での 出 産 がなくなり 飼 い 主 のいない 不 幸 な 猫 を 減 らす ことができます (3) 屋 内 飼 養 屋 内 飼 養 にすることで 糞 尿 鳴 き 声 等 の 苦 情 の 解 消 や 自 然 繁 殖 の 機 会 を 減 らすことができます また 屋 外 で 生 活 することは 感 染 症 や 交 通 事 故 等 猫 にとっても 必 ずしも 安 全 とはいえません 猫 の 習 性 を 理 解 し 屋 外 に 出 さずともストレスを 感 じさせない 環 境 を 屋 内 に 作 り 飼 養 することが 猫 にとってもより 安 全 なものとなります (4)トイレの 設 置 飼 い 主 が 占 用 する 場 所 に 猫 用 トイレを 設 置 し そこで 排 便 をするよう 子 猫 のときからしつけを 行 ないましょう また 排 泄 後 のトイレは 常 に 清 掃 し 清 潔 を 保 つようにしましょう (5) 餌 やり 水 やり 猫 に 餌 や 水 を 与 えるときは 必 ず 飼 い 主 の 占 用 の 場 所 で 与 えましょう みだりに 給 餌 又 は 給 水 をやめることにより 衰 弱 させる 等 の 虐 待 を 行 な った 者 には 罰 金 が 科 せられることが 動 物 の 愛 護 及 び 管 理 に 関 する 法 律 に 規 定 されています (6) 抜 け 毛 処 理 ケージ 内 の 清 掃 の 実 施 抜 け 毛 の 処 理 やケージの 清 掃 等 を 行 なう 場 合 は 室 内 で 行 い 必 ず 窓 を 閉 めるなど 毛 や 埃 等 の 飛 散 を 防 止 し 必 ずゴミとして 捨 てましょう 集 合 住 宅 の 場 合 は 特 に 周 囲 への 配 慮 が 必 要 です (7) 日 常 的 な 人 との 触 れ 合 い 飼 い 主 以 外 の 人 から 触 れられても 平 気 なように 日 頃 から 人 との 付 き 合 いを 経 験 させましょう 万 一 逃 げたときも 保 護 しやすくなります (8) 爪 とぎ 板 の 設 置 猫 の 成 長 に 合 わせて 強 度 のある 爪 とぎ 板 を 設 置 しましょう 2 健 康 管 理 (1) 病 気 怪 我 の 予 防 と 異 常 時 の 獣 医 科 受 診 - 5 -
猫 の 病 気 や 負 傷 の 予 防 等 健 康 及 び 安 全 を 保 持 することに 努 め 異 常 があったときにはできるだけ 早 く 獣 医 師 に 相 談 しましょう (2) 猫 の 清 潔 保 持 猫 の 体 が 汚 れているときは 猫 を 洗 う 毛 を 抜 くなどして 清 潔 を 保 ちましょう また ノミが 付 いている 場 合 には 駆 虫 薬 で 駆 除 するか 獣 医 師 に 相 談 しましょう 3 その 他 (1) 身 元 の 明 示 には 迷 子 札 を 行 方 不 明 の 場 合 迷 子 札 が 頼 りです 飼 い 主 の 氏 名 電 話 番 号 などの 連 絡 先 を 記 した 首 輪 や 迷 子 札 マイクロチップなどを 装 着 するようにし ましょう 迷 子 札 を 装 着 することにより 所 有 者 のいない 猫 との 区 分 が 明 確 になり 殺 処 分 されることを 防 ぎます (2) 猫 による 損 害 等 についての 責 任 と 解 決 猫 による 汚 損 破 損 傷 害 等 の 苦 情 が 発 生 した 場 合 には 飼 い 主 がそ の 責 任 を 負 わなければなりません 被 害 者 に 対 して 誠 意 をもって 解 決 を 図 りましょう そうしたことにならないためにも 屋 内 飼 養 をおすすめ します (3) 地 域 との 良 好 な 関 係 の 構 築 普 段 から 近 隣 住 民 とコミュニケーションをとり 円 満 な 付 き 合 いが できるよう 努 力 しましょう (4) 集 合 住 宅 における 飼 養 者 の 会 の 設 置 猫 の 飼 養 が 認 められている 集 合 住 宅 では 飼 い 主 の 会 を 作 り 適 切 な 飼 養 方 法 に 関 する 理 解 を 深 めるとともに 苦 情 処 理 等 の 猫 に 関 する 窓 口 としての 役 割 を 担 い 住 民 間 の 相 互 理 解 を 図 りましょう (5) 引 越 し 時 の 継 続 飼 養 の 努 力 引 越 しの 際 は ペットの 飼 養 可 能 な 住 宅 を 探 すなど 引 越 し 先 でも 飼 い 続 けることができるよう 努 力 しましょう また 引 越 し 先 で 飼 うことが 困 難 な 場 合 は 引 き 取 り 手 を 探 すととも に 獣 医 師 等 に 相 談 するなど 致 死 処 分 されずに 済 むよう 努 力 しましょ う 遺 棄 した 者 には 罰 金 が 科 せられることが 動 物 の 愛 護 及 び 管 理 に 関 する 法 律 に 規 定 されています (6) 死 亡 時 の 適 切 な 処 理 猫 が 死 亡 した 場 合 には 市 またはペット 葬 儀 業 者 に 依 頼 する 等 適 切 - 6 -
に 取 り 扱 いましょう 第 6 飼 い 猫 以 外 の 猫 について 猫 には 係 留 義 務 が 課 せられていないことから 所 有 者 のいる 猫 との 区 分 が 難 しいといったこともありますが 全 国 で 毎 年 約 20 万 匹 の 猫 が 致 死 処 分 さ れています そのほとんどが 子 猫 であることを 考 えると 飼 い 主 に 対 して は みだりな 繁 殖 を 防 止 するための 避 妊 去 勢 手 術 措 置 を 促 進 するなど 猫 の 適 正 な 飼 養 を 推 進 し 飼 い 主 の 意 識 の 向 上 を 通 じてその 責 任 の 徹 底 を 図 るとともに 飼 い 主 のいない 猫 についても 地 域 住 民 で 適 切 な 管 理 を 行 な うことが 大 切 です それぞれの 地 域 の 実 情 に 合 わせたルールをつくり 適 切 な 管 理 がなされ れば 飼 い 主 のいない 猫 の 数 は 減 っていくことになる 上 近 隣 のトラブル の 解 消 に 繋 がります 1 地 域 猫 について 地 域 猫 活 動 には 地 域 猫 の 世 話 をする 団 体 等 ( 以 下 活 動 団 体 等 とい う ) 及 び 行 政 等 が 地 域 の 協 力 を 得 て 取 り 組 むことが 大 切 です 地 域 猫 活 動 では 飼 い 主 のいない 猫 を 排 除 するのではなく これ 以 上 増 え ないように 避 妊 去 勢 手 術 を 行 ない 決 まった 場 所 と 時 間 に 餌 を 与 え 餌 の 後 片 付 けや 糞 尿 の 始 末 を 行 なうことにより 猫 の 存 在 が 広 く 地 域 に 受 け 入 れ られ 人 と 猫 とがより 良 い 関 係 づくりを 進 め 共 に 健 康 で 安 全 に 暮 らせる 社 会 の 構 築 を 図 ることが 必 要 です また 猫 を 捨 てることは 法 律 で 罰 せられますが 遺 棄 行 為 が 命 の 軽 視 であ ることを 周 知 し 猫 の 遺 棄 の 防 止 を 図 っていく 必 要 があります (1) 地 域 猫 活 動 の 役 割 分 担 ア 活 動 団 体 等 の 役 割 地 域 住 民 のボランティアを 中 心 に 代 表 者 を 決 め 複 数 で 役 割 分 担 をしなが ら 地 域 猫 対 策 に 取 り 組 む 主 体 となります 役 割 としては 地 域 住 民 と 合 意 のもと 猫 の 飼 養 に 関 するルールづくり 避 妊 去 勢 手 術 餌 やり 後 片 付 け 糞 尿 の 始 末 (トイレの 設 置 を 含 む ) 猫 台 帳 の 作 成 猫 に 関 する 相 談 などがあります イ 獣 医 師 の 役 割 地 域 猫 活 動 には 獣 医 師 の 協 力 は 欠 かせません 何 よりも 避 妊 去 勢 手 術 の 担 い 手 であり また 動 物 の 専 門 家 として 猫 の 健 康 管 理 に 関 することや 生 態 習 性 等 について 助 言 をします - 7 -
ウ 行 政 動 物 の 愛 護 及 び 管 理 に 関 する 施 策 を 円 滑 かつ 効 果 的 に 行 なうため 動 物 の 愛 護 や 適 正 な 飼 養 に 関 する 普 及 啓 発 を 図 ります また 避 妊 去 勢 手 術 の 助 成 本 ガイドラインの 普 及 啓 発 や 活 動 団 体 等 のネットワーク 化 等 の 支 援 を 行 ないます (2) 地 域 の 合 意 形 成 地 域 猫 活 動 には 周 辺 住 民 の 理 解 と 協 力 が 必 要 です 自 治 会 等 地 域 の 合 意 形 成 が 図 られていない 中 で 一 方 的 に 行 なえばトラブルの 原 因 となります まず 周 辺 の 人 々に 十 分 に 趣 旨 を 説 明 し 理 解 を 得 た 上 で 活 動 を 行 いま しょう 地 域 で 話 し 合 いを 行 なう 際 には 実 際 に 活 動 を 行 なう 人 猫 が 嫌 いな 人 や 好 きな 人 など 様 々な 考 えを 持 つ 人 を 交 えて 話 し 合 ってください 自 治 会 等 地 域 などの 協 力 が 得 られれば 掲 示 板 や 回 覧 版 等 により 地 域 猫 活 動 が 単 に 猫 好 きの 活 動 といった 誤 解 をされることなく 地 域 猫 活 動 に 対 する 正 しい 理 解 がより 一 層 深 まることでしょう 事 前 に 各 関 係 者 が 集 まり 地 域 の 現 状 を 確 認 し また 立 場 の 違 いを 認 め 合 いながらも 地 域 での 合 意 形 成 のためのルール 作 りを 検 討 していくことも 必 要 です (3) 適 切 な 管 理 にあたっての 留 意 事 項 ア 継 続 できるルールを 決 める 参 加 者 で 役 割 分 担 ローテーション 日 程 を 決 め 無 理 なく 活 動 が 継 続 できるよう 体 制 を 作 ります また トラブル 等 が 発 生 した 場 合 には 速 やかに 対 処 できるよう あらか じめ 代 表 者 を 決 めておき 連 絡 先 などを 明 確 にしておくことも 必 要 です 苦 情 や 意 見 は 真 摯 に 受 け 止 め 記 録 として 残 しておくと 後 で 役 に 立 ちます イ 説 明 会 地 域 猫 活 動 に 対 する 関 心 と 理 解 を 深 めていくためには 説 明 会 や 報 告 会 を 開 催 することも 必 要 です 特 に 活 動 を 始 める 前 には 地 域 住 民 にその 活 動 が 十 分 理 解 していただけ るよう 関 係 団 体 や 行 政 が 連 携 を 図 りながら 具 体 的 な 説 明 会 を 開 催 する ことが 大 切 です ウ 餌 やり 餌 やり 場 は 地 域 住 民 に 迷 惑 がかからない 場 所 に 固 定 します 餌 は 決 められた 時 間 に 与 え それ 以 外 は 与 えないようにしましょう 猫 が 食 べきれるだけの 量 を 与 え 食 べ 終 わるのを 待 って 容 器 を 回 収 する とともに 周 辺 の 清 掃 をしましょう - 8 -
置 き 餌 はカラスがきたり ハエ ゴキブリなどの 害 虫 発 生 や 悪 臭 の 原 因 になることから 絶 対 にやめましょう 残 飯 を 与 えると 猫 の 糞 尿 の 悪 臭 を 誘 発 するとともに 猫 が 味 を 覚 えて ゴミを 漁 る 原 因 にもなりますのでキャットフードを 与 えましょう エ トイレの 設 置 周 辺 住 民 の 理 解 が 得 られる 場 所 にトイレを 設 置 し そこで 排 泄 させるよ うにしましょう 排 泄 場 所 は 常 に 清 潔 にし 排 泄 物 は 速 やかに 片 付 けまし ょう 定 期 的 にパトロールなどを 行 ない トイレ 以 外 の 場 所 で 排 泄 していたら 速 やかに 処 理 清 掃 をします オ 避 妊 去 勢 手 術 と 耳 先 V 字 カット 地 域 猫 活 動 に 避 妊 去 勢 手 術 は 不 可 欠 です 野 良 猫 の 寿 命 は4~5 年 とい われていますので 避 妊 去 勢 手 術 を 実 施 し きちんと 管 理 をすれば 数 年 でその 地 域 から 野 良 猫 はいなくなると 考 えられます また 避 妊 去 勢 手 術 を 済 ませた 猫 には 未 実 施 の 猫 と 識 別 するため 必 ず 耳 先 V 字 カットをしましょう 猫 が 別 の 場 所 へ 移 動 しても 再 度 手 術 をされることを 防 ぎます カ 報 告 地 域 猫 活 動 がスタートしたら 避 妊 去 勢 手 術 をした 猫 の 数 餌 場 にい る 猫 の 数 協 力 者 の 募 集 等 まめに 報 告 し 地 域 住 民 に 活 動 内 容 を 広 く 知 っ てもらいましょう 周 知 の 方 法 等 については 地 域 に 合 わせたものを 心 がけましょう (4)その 他 の 必 要 事 項 ア 法 令 の 遵 守 飼 い 猫 と 同 様 関 係 する 法 令 は 遵 守 しましょう イ 猫 の 生 態 についての 知 識 を 深 める 地 域 猫 は 屋 外 で 活 動 するため 猫 の 飼 養 にあたっては 猫 の 生 態 に 関 す る 知 識 を 深 め 猫 の 本 能 や 習 性 をより 一 層 理 解 することが 大 切 です ウ 猫 の 把 握 地 域 で 管 理 する 猫 の 個 体 や 数 を 把 握 しましょう 個 体 把 握 することで 他 の 地 域 から 来 た 猫 に 早 く 気 づくことができ 避 妊 去 勢 手 術 等 の 対 処 が 速 やかに 行 なえます - 9 -
エ 爪 とぎ 板 等 の 準 備 周 辺 の 壁 や 樹 木 等 を 傷 つけることがないよう 爪 とぎ 板 や 絨 毯 を 裏 返 し にしたもの 等 を 用 意 しましょう オ 捕 獲 が 困 難 な 場 合 の 対 処 手 術 をするための 捕 獲 が 難 しい 場 合 には 獣 医 師 等 に 相 談 しましょう カ 病 気 負 傷 の 時 の 対 応 や 健 康 の 保 持 病 気 や 負 傷 をしているときは 獣 医 師 に 相 談 し 責 任 をもって 対 応 しまし ょう また 伝 染 病 や 寄 生 虫 の 予 防 等 健 康 保 持 に 関 する 相 談 も 行 い 適 切 な 措 置 を 行 いましょう キ 侵 入 防 止 策 の 検 討 猫 が 侵 入 するのに 好 ましくない 場 所 ( 砂 場 芝 生 等 )については 侵 入 防 止 策 を 検 討 しましょう ( 巻 末 を 参 照 ) 2 野 良 猫 について 野 良 猫 に 餌 をやっている 人 がいるので 止 めさせてほしい という 相 談 がよく 寄 せられます しかしながら 猫 を 慈 しみ 助 けたいという 気 持 ちか ら 猫 に 餌 を 与 えている 方 に その 行 為 を 止 めさせることは 難 しいのが 現 実 です また 迷 惑 だからといって 集 まっている 猫 を 違 う 場 所 に 持 っていって 放 せば 他 の 人 に 迷 惑 をかけるばかりか その 猫 が 放 し 飼 いの 猫 であれば トラブルに 発 展 することにもなりかねません 餌 やりの 問 題 は その 行 為 を 禁 止 するだけでは 隠 れて 餌 を 与 えるなど かえって 野 良 猫 を 増 やす 原 因 にもなりかねません 餌 を 与 えているその 猫 が ご 近 所 の 人 に 迷 惑 をかけていませんか 餌 やりを 続 けるにはご 近 所 の 方 の 理 解 が 不 可 欠 です 迷 惑 をかけないよう 本 ガイドラインを 参 考 に 解 決 方 法 を 考 えてみまし ょう 1 可 哀 想 だからといって 餌 だけを 与 え 続 ければ 不 幸 な 猫 を 増 やすこと 2それを 防 ぐには 避 妊 去 勢 手 術 が 必 要 なこと 3 置 き 餌 をしないこと 餌 の 後 片 付 けをすること 4 周 辺 の 糞 の 始 末 をして 近 隣 環 境 に 配 慮 する 必 要 があること が 大 切 です 地 域 には 猫 の 好 きな 人 や 嫌 いな 人 どちらでもない 人 等 様 々な 人 がお られます また 猫 の 糞 や 鳴 き 声 などで 困 っている 人 もいます 挨 拶 を 欠 かさず 理 解 を 得 る 努 力 をしましょう 猫 が 近 隣 の 方 に 嫌 われないよう 野 良 猫 を 地 域 猫 へと 移 行 させるなど 迷 - 10 -
惑 をかけない 解 決 方 法 を 検 討 しましょう 第 7 最 後 に 平 成 18 年 に 国 から 出 された 動 物 愛 護 管 理 推 進 10か 年 計 画 における 殺 処 分 数 の 半 減 目 標 の 達 成 には 猫 の 繁 殖 制 限 こそが 早 道 であると 考 えています 本 市 では 平 成 8 年 度 から 不 幸 な 猫 が 増 えないよう 飼 い 猫 に 限 らず 野 良 猫 も 対 象 に 避 妊 去 勢 手 術 費 の 一 部 を 補 助 してまいりました しかしながら 猫 問 題 の 解 消 のためには もう 一 歩 踏 み 込 んで 命 の 尊 さや 生 きものを 愛 護 する 心 を 育 むとともに 猫 に 関 する 正 しい 知 識 等 を 普 及 啓 発 し ていくことがさらに 必 要 であると 考 えます 人 と 猫 とが 幸 せに 暮 らしてゆくためには また 野 良 猫 も 排 除 するのでなく 共 生 しつつ 減 らしていくためには 繁 殖 制 限 が 不 可 欠 であることの 認 識 をさらに 広 めていく 必 要 があります ふやさないのも 愛 への 共 感 です このため 社 会 的 理 解 を 形 成 する 一 環 として このガイドラインを 作 りまし た より 多 くの 方 に 周 知 されるよう 取 り 組 んでまいります - 11 -
侵 入 防 止 の 方 法 侵 入 防 止 には 臭 いで 猫 に 不 快 感 を 与 えたり 物 理 的 に 不 快 感 を 与 える 方 法 があります 効 果 があるという 意 見 のものから 猫 が 慣 れてしまい2 度 目 以 降 は 効 果 が 無 いというものなど その 効 果 は 様 々です それぞれの 状 況 に 応 じた 方 法 を 試 してみましょう 1 臭 いで 猫 に 不 快 を 与 える 方 法 園 芸 用 品 として 市 販 されている 木 酢 液 や 竹 酢 液 食 用 酢 を 散 布 したり ス ポンジや 布 に 染 み 込 ませて 猫 がよく 通 る 場 所 に 設 置 します いずれも 臭 い による 忌 避 効 果 を 期 待 するものですので 使 用 する 際 には 近 隣 住 民 に 対 し 周 知 する 等 の 周 辺 への 十 分 な 配 慮 が 必 要 となります また 臭 いは 時 間 とと もに 薄 まります 定 期 的 に 散 布 したり スポンジ 等 の 交 換 を 行 いましょう また ペットショップやホームセンターで 市 販 されている 忌 避 剤 も 一 定 の 効 果 があると 言 われています 2 物 理 的 に 不 快 感 を 与 える 方 法 猫 は 濡 れることを 嫌 います 猫 がよく 通 る 場 所 に 水 を 撒 くことで 足 の 裏 が 濡 れるため その 場 所 を 敬 遠 するようになります また 砂 利 石 を 敷 いて 足 元 を 不 安 定 にするなど 猫 の 通 行 が 困 難 になるため 同 様 の 効 果 が 期 待 で きます - 12 -
知 っていますか? 猫 がこんなに 増 えること( 図 と 解 説 ) 猫 が 1 回 に 6 匹 の 子 猫 を 産 み その 子 猫 がまた 半 年 後 には 子 猫 を 産 む と 考 えていくと 図 のように 猫 は 1 年 で 79 匹 に 増 えてしまいます - 13 -