子 育 て 世 帯 に 対 する 手 当 等 と 扶 養 控 除 縮 減 の 影 響 ~ 最 近 の 制 度 改 変 に 伴 う 所 得 別 の 影 響 試 算 ~ 調 査 情 報 担 当 室 鈴 木 克 洋 1.はじめに 子 育 て 世 帯 に 対 する 支 援 ( 子 育 て 支 援 )の 充 実 が 政 策 課 題 の 一 つとなってい る この 子 育 て 支 援 は 次 代 の 社 会 を 担 う 子 供 一 人 ひとりの 育 ちを 社 会 全 体 で 応 援 することを 目 的 として 子 育 てにかかる 経 済 的 負 担 の 軽 減 安 心 して 子 育 てができる 環 境 整 備 等 を 行 うための 施 策 1 とされるが この 定 義 で 捉 えるならば 社 会 保 障 政 策 の 範 囲 を 超 えて 税 制 上 の 扶 養 児 童 に 係 る 所 得 控 除 や 児 童 の 就 学 支 援 といった 施 策 も 広 義 の 子 育 て 支 援 として 包 括 できるだろう 近 年 こうした 広 義 での 子 育 て 支 援 について 民 主 党 政 権 下 での ( 所 得 ) 控 除 から 手 当 へ という 政 策 の 方 向 転 換 などもあり その 制 度 設 計 について 国 会 論 議 を 経 ながら ここ 数 年 の 間 に 内 容 は 大 きく 変 遷 した 最 終 的 には 児 童 手 当 ( 子 ども 手 当 )における 対 象 者 支 給 額 の 拡 充 高 校 無 償 化 制 度 の 創 設 と いった 子 育 て 世 帯 にとってプラス 面 となる 政 策 が 導 入 される 一 方 で 税 制 面 で の 扶 養 児 童 に 係 る 扶 養 控 除 の 廃 止 縮 小 等 による 負 担 増 といったマイナス 面 の 政 策 も 実 施 されるなど 子 育 て 支 援 に 係 る 体 系 は 大 きく 変 わっている そこで 本 稿 では これら 制 度 体 系 の 変 更 によって 子 供 を 養 育 する 世 帯 にど のような 影 響 があったかを 整 理 する 2 なお 本 稿 では 子 育 て 世 帯 への 所 得 ( 収 入 ) 面 での 公 的 支 援 を 中 心 に 検 証 することとし その 対 象 の 制 度 は 特 段 の 断 りがない 限 り 子 育 て 世 帯 への 現 金 給 付 型 支 援 制 度 ( 児 童 手 当 ) 3 新 た に 導 入 された 高 校 無 償 化 制 度 4 税 制 上 の 措 置 については 扶 養 年 少 児 童 に 係 る 扶 養 控 除 ( 年 少 扶 養 控 除 ) 特 定 扶 養 控 除 5 に 限 定 した 1 厚 生 労 働 省 ウェブサイト <http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kod omo_kosodate/> 2 本 稿 は 鈴 木 (211)( 子 どもに 対 する 手 当 の 増 額 と 年 少 扶 養 者 控 除 廃 止 の 影 響 本 誌 第 96 号 平 成 23 年 1 月 )のフォローアップである 3 子 育 て 支 援 の 充 実 策 には 児 童 手 当 制 度 という 現 金 給 付 のほか 地 域 子 育 て 支 援 拠 点 事 業 保 育 所 や 学 童 保 育 妊 婦 健 診 助 成 等 といった 現 物 給 付 (サービス) があるが これら 現 物 給 付 の 制 度 は 世 帯 ごとの 定 量 化 が 難 しいため 検 証 の 対 象 外 とした 4 就 学 支 援 には 義 務 教 育 で 行 われている 就 学 援 助 制 度 もあるが 対 象 が 低 所 得 者 世 帯 向 けの 援 助 という 性 格 から 検 証 の 対 象 外 とした なお 就 学 援 助 制 度 については 鳫 (213)が 詳 しい 5 このほか 給 与 所 得 控 除 制 度 の 改 正 の 影 響 も 加 味 した 1 経 済 のプリズム No12 213.11
2. 子 育 て 支 援 の 国 際 比 較 はじめに 子 育 て 支 援 の 規 模 について 我 が 国 の 国 際 的 な 位 置 づけを 確 認 する 図 表 1は OECDの 定 義 に 基 づく 政 策 分 野 別 公 的 社 会 支 出 の 構 成 比 率 につい て 国 別 に 比 較 したものである 図 表 中 の 家 族 とあるのは 政 府 等 の 公 的 機 関 が 家 族 を 支 援 するために 支 出 する 現 金 給 付 及 び 現 物 給 付 (サービス)のこと であり 具 体 的 には 児 童 手 当 のほか 保 育 所 運 営 費 児 童 保 護 費 出 産 一 時 金 就 学 援 助 等 の 子 育 て 等 に 係 る 各 施 策 が 含 まれる 29 年 ( 平 成 21 年 )の 公 的 社 会 支 出 に 占 める 家 族 支 出 の 割 合 をみると 我 が 国 は 4.3%にすぎず アメリカを 除 けば 欧 州 各 国 と 比 べてその 割 合 は 小 さ い 上 に 我 が 国 の 公 的 社 会 支 出 全 体 の 対 GDP 比 も 他 国 と 比 較 して 大 きくはな いことから 家 族 支 出 の 金 額 水 準 自 体 も 低 いことが 確 認 できる 我 が 国 におけ る 家 族 支 援 は 公 的 社 会 支 出 の 規 模 ではまだまだ 十 分 とはいえないだろう 図 表 1 政 策 分 野 別 公 的 社 会 支 出 の 比 較 (29 年 ) 1% 9% 8% 7% 6% 5% 4% 24.1 29.8 32.1 27.8 22.2 住 宅 生 活 保 護 その 他 遺 族 障 害 業 務 災 害 等 労 働 政 策 失 業 対 策 19.2 保 健 % 5 45 4 35 3 25 2 3% 15 2% 高 齢 1 1% % イギリス 15.9 12.6 1. 7.4 4.3 3.7 スウェーデ ン フランス ドイツ 日 本 アメリカ 家 族 : 公 的 社 会 支 出 ( 対 GDP 比 )( 右 軸 ) 5 ( 注 ) 各 国 比 較 可 能 な 直 近 29 年 時 点 の 数 値 21 年 時 点 の 日 本 の 社 会 支 出 のうち 家 族 の 構 成 比 は 5.7% 公 的 社 会 支 出 対 GDP 比 22.3%である ( 出 所 )OECD, Social Expenditure Database(SOCX) (July 213 update)から 作 成 なお 図 表 1 注 に 記 載 したが 直 近 のデータである 21 年 ( 平 成 22 年 )の 我 が 国 の 家 族 支 出 の 割 合 は 5.7%に 改 善 している これは 児 童 手 当 ( 子 ども 手 当 ) 制 度 における 手 当 の 増 額 等 (3 節 参 照 )によって 家 族 支 出 の 額 が 増 加 した ことによるものと 考 えられる 経 済 のプリズム No12 213.11 2
しかし この 手 当 増 額 の 財 源 として 税 法 上 の 人 的 控 除 である 年 少 扶 養 控 除 特 定 扶 養 控 除 の 廃 止 等 をもって 賄 われたことから 家 族 支 出 の 増 加 だけをみて 子 育 て 支 援 が 充 実 したとは 必 ずしもいえない 点 は 注 意 が 必 要 である そこで 各 国 における 税 制 上 の 子 育 てに 係 る 控 除 制 度 を 確 認 する( 図 表 2) 税 制 については 各 国 の 制 度 や 慣 習 の 違 いなどがあるために 単 純 には 比 較 できな いが 前 掲 図 表 1において 公 的 な 家 族 支 出 の 割 合 の 高 い 国 (イギリス フラン ス ドイツ)については おおむね 税 法 上 においても (もちろん 適 用 要 件 もあ るが) 子 育 て 世 帯 に 対 する 公 的 な 支 援 ( 被 扶 養 児 童 に 係 る 税 額 控 除 等 )が 行 わ れていることが 確 認 できる こうした 中 で 我 が 国 ではこの 税 制 上 での 支 援 に ついては 廃 止 縮 小 されるという 方 向 になった 図 表 2 主 要 国 における 被 扶 養 親 族 に 対 する 主 な 税 制 上 の 配 慮 措 置 日 本 アメリカ イギリス ドイツ フランス 課 税 単 位 個 人 単 位 課 税 個 人 単 位 課 税 と 夫 婦 単 位 課 税 の 選 択 制 被 扶 養 親 族 に 係 る 控 除 等 扶 養 控 除 被 扶 養 者 に 係 る 人 的 控 除 あり ( 注 1) 扶 養 親 族 [3 万 円 ] 個 人 単 位 課 税 16 歳 以 上 扶 養 親 族 [38 万 円 ] また 一 定 の 要 件 ( 所 ただし 一 定 の 要 件 特 定 扶 養 親 族 (16 歳 以 上 23 歳 未 満 ) (19 歳 以 上 23 歳 未 満 ) 得 年 齢 等 )の 下 子 ( 所 得 年 齢 等 )の 下 については 児 童 税 額 子 については 児 童 税 控 除 ( 給 付 付 き)を 受 け 額 控 除 ( 全 額 給 付 )を 受 [63 万 円 ] ることができる けることができる 老 人 扶 養 親 族 [17 歳 未 満 8 万 円 * ] [16 歳 未 満 7 万 円 * ] 個 人 単 位 課 税 と 夫 婦 単 位 課 税 の 選 択 制 なし ( 注 2) なし なし ただし 18 歳 未 満 及 び 一 定 の 要 件 を 満 たす 18 歳 以 上 の 子 につい ては 児 童 控 除 ( 児 童 手 当 (23 万 円 )との 選 択 )を 受 けることがで 世 帯 単 位 課 税 (N 分 N 乗 方 式 ) ただし 21 歳 未 満 及 び 一 定 の 要 件 を 満 たす 21 歳 以 上 の 子 につい ては 合 算 課 税 ( 世 帯 単 位 課 税 )を 適 用 でき る ( 注 4) (7 歳 以 上 ) [48 万 円 ] ( 注 3) きる [ 家 族 除 数 1につき [ 児 童 控 除 の 額 は 税 率 不 適 用 所 得 子 供 1 人 につき 63 万 円 ] 74 万 円 ] ( 備 考 )212 年 1 月 現 在 *は 納 税 者 の 所 得 に 応 じて 金 額 が 変 動 するもの 各 国 の 控 除 等 に ついては 一 般 的 に 適 用 される 控 除 等 について 原 則 の 適 用 要 件 と その 際 の1 人 当 た りの 最 大 金 額 を 記 している 邦 貨 換 算 レートは 1ドル=78 円 1ポンド=123 円 1 ユーロ=16 円 (211 年 11 月 の 実 勢 相 場 の 平 均 値 ) 端 数 は 四 捨 五 入 ( 注 1) 日 本 の 被 扶 養 親 族 に 係 る 控 除 等 の 枠 内 の 取 消 し 線 は 21 年 度 ( 平 成 22 年 度 ) 税 制 改 正 において 廃 止 されたものを 示 す なお 記 載 した 控 除 金 額 は 所 得 税 についてのもの ( 注 2)イギリスでは 一 定 の 要 件 ( 労 働 時 間 年 齢 等 )の 下 全 額 給 付 の 税 額 控 除 として 就 労 税 額 控 除 が 認 められている ( 注 3)イギリスにおける 児 童 税 額 控 除 は 低 所 得 世 帯 に 対 して 子 1 人 当 たり 最 大 31 万 円 増 額 される ( 注 4)フランスでは 家 族 除 数 (N)は 単 身 者 の 場 合 1 夫 婦 の 場 合 2 夫 婦 子 1 人 の 場 合 2.5 夫 婦 子 2 人 の 場 合 3 以 下 被 扶 養 児 童 が1 人 増 すごとに1を 加 算 する なお 家 族 除 数 (N)により 調 整 を 受 けられない 成 人 した 子 については 扶 養 費 用 を 所 得 控 除 ( 最 大 6 万 円 )できる ( 出 所 ) 財 務 省 資 料 から 一 部 抜 粋 し 加 筆 修 正 3 経 済 のプリズム No12 213.11
3. 最 近 の 我 が 国 における 所 得 面 での 子 育 て 支 援 の 変 遷 次 に 平 成 21 年 度 以 降 の 我 が 国 における 所 得 面 での 子 育 て 支 援 に 係 る 制 度 の 変 遷 を 振 り 返 る( 図 表 3) 平 成 21 年 度 時 点 の 所 得 面 での 子 育 て 支 援 としては 税 制 上 の 年 少 扶 養 控 除 特 定 扶 養 控 除 があり 6 児 童 手 当 は 所 得 制 限 付 きで3 歳 未 満 には1 人 当 たり 月 1 万 円 3 歳 以 上 には5 千 円 ( 第 3 子 以 降 1 万 円 )を 給 付 するものであった 7 図 表 3 我 が 国 における 子 育 て 支 援 に 係 る 制 度 の 変 遷 平 成 21 年 度 22 年 度 23 年 度 24 年 度 25 年 度 26 年 度 給 付 制 度 児 童 手 当 名 称 ( 児 童 手 当 ) ( 子 ども 手 当 ) ( 子 ども 手 当 ) ( 児 童 手 当 ) ( 児 童 手 当 ) ( 児 童 手 当 ) 子 ども 手 当 <つなぎ 法 > < 特 措 法 > H23.1 3 歳 未 満 月 1 万 円 月 1.3 万 円 月 1.5 万 円 3 歳 ~ 小 学 校 修 了 月 5 千 円 月 1.3 万 円 月 1 万 円 ( 第 3 子 以 降 ) ( 月 1 万 円 ) ( 月 1.3 万 円 ) ( 月 1.5 万 円 ) 中 学 生 ー 月 1.3 万 円 月 1 万 円 H24.6 所 得 制 限 世 帯 ー 月 1.3 万 円 ( 同 上 ) 5 千 円 ( 所 得 制 限 額 *) 86 万 円 なし なし なし 96 万 円 96 万 円 96 万 円 公 立 高 校 授 業 料 無 償 制 高 校 等 就 学 支 援 金 公 立 高 校 ー 月.99 万 円 相 当 私 立 高 校 ー 月.99 万 円 (25 万 円 未 満 世 帯 *) ( 月 1.98 万 円 ) (25~35 万 円 世 帯 *) ( 月 1.485 万 円 ) ( 所 得 制 限 額 *) なし なし なし なし 所 得 控 除 制 度 H23.1 所 得 税 年 少 扶 養 控 除 年 38 万 円 ( 廃 止 ) 特 定 扶 養 控 除 (16~18 歳 ) 給 与 所 得 控 除 年 63 万 円 ( 縮 小 ) 年 38 万 円 H24.6 住 民 税 年 少 扶 養 控 除 年 33 万 円 ( 廃 止 ) 特 定 扶 養 控 除 ( 縮 小 ) (16~18 歳 ) 年 45 万 円 年 33 万 円 給 与 所 得 控 除 H25.1 ( 縮 小 ) 上 限 設 定 H26.6 ( 縮 小 ) 上 限 設 定 ( 注 1) 所 得 制 限 額 は サラリーマン( 世 帯 主 ) 専 業 主 婦 子 2 名 ( 高 校 生 小 学 生 )の 標 準 世 帯 の 場 合 の 総 所 得 の 場 合 の 例 ( 注 2) 高 校 無 償 化 制 度 の 変 更 が 予 定 されており 支 援 金 額 の 変 更 や 所 得 制 限 (91 万 円 )の 導 入 等 が 項 目 に 上 がっているが 執 筆 時 点 では 詳 細 は 明 らかでない ( 出 所 ) 筆 者 作 成 6 扶 養 控 除 は 納 税 者 に 扶 養 親 族 となる 人 がいる 場 合 一 定 の 金 額 の 所 得 控 除 が 受 けられる 制 度 のことである 扶 養 親 族 1 人 に 対 し 所 得 税 では 38 万 円 住 民 税 では 33 万 円 の 控 除 が 適 用 で きる 扶 養 親 族 のうち~15 歳 までの 扶 養 控 除 は 一 般 的 に 年 少 扶 養 控 除 と 呼 ばれる また 特 定 扶 養 控 除 は 特 定 の 年 齢 ( 学 生 等 )の 扶 養 親 族 に 対 して 所 得 税 では 63 万 円 住 民 税 では 45 万 円 を 控 除 することができる 7 当 時 の 児 童 手 当 については 鈴 木 (29) 参 照 経 済 のプリズム No12 213.11 4
これら 子 育 て 支 援 に 係 る 制 度 は 平 成 22 年 度 に 大 きく 転 換 されることになっ た まず (1) 児 童 手 当 に 上 乗 せする 形 で 子 ども 手 当 が 創 設 され 所 得 制 限 が 撤 廃 されて 中 学 生 まで 対 象 児 童 が 拡 大 され 児 童 1 人 当 たり 一 律 で 月 1.3 万 円 と 現 金 給 付 額 が 増 額 された 8 また (2) 高 校 無 償 化 制 度 が 導 入 され 高 校 生 徒 1 人 当 たり 月 9 千 9 百 円 相 当 分 の 公 立 高 校 授 業 料 無 償 もしくは 私 立 高 校 等 の 就 学 支 援 金 ( 就 学 支 援 金 について 低 所 得 者 は 収 入 に 応 じてその2 倍 もしくは 1.5 倍 の 金 額 )が 受 けられるようになった 9 いずれも 子 育 て 支 援 の 拡 大 策 である その 一 方 (3) 平 成 22 年 度 税 制 改 正 において ~16 歳 未 満 に 係 る 扶 養 控 除 ( 年 少 扶 養 控 除 : 所 得 税 38 万 円 住 民 税 33 万 円 )が 廃 止 され 16~18 歳 に 係 る 特 定 扶 養 控 除 ( 所 得 税 63 万 円 住 民 税 45 万 円 )が 廃 止 された 1 (16~18 歳 は 一 般 の 扶 養 控 除 が 適 用 される) いずれも 所 得 税 は 平 成 23 年 分 から 住 民 税 は 平 成 24 年 度 分 から 順 次 適 用 されることとなった 所 得 控 除 制 度 は 課 税 ベース となる 課 税 所 得 の 算 出 に 当 たって 1 年 間 に 得 た 総 所 得 金 額 から 世 帯 構 成 に 対 する 考 慮 や 個 人 的 事 情 に 適 合 した 応 能 負 担 の 実 現 を 図 ることなどのために 一 定 の 金 額 を 控 除 するものであり これら 控 除 する 金 額 が 少 なければ 税 負 担 は 重 くなる つまり この 年 少 扶 養 控 除 の 廃 止 等 は 所 得 控 除 できる 金 額 が 減 少 するため 当 該 年 齢 の 子 供 を 養 育 する 世 帯 にとっては 税 負 担 が 重 くなること( 増 税 )を 意 味 する なお (1)の 手 当 は 1 年 間 の 時 限 立 法 であったため 平 成 23 年 度 以 降 の 給 付 のためには 新 たな 法 制 定 の 必 要 があった しかし いわゆる ねじれ 国 会 の 中 で 平 成 23 年 度 分 の 法 案 は 撤 回 され 半 年 間 はつなぎ 法 で 平 成 22 年 度 と 同 内 容 が 措 置 され 残 り 半 年 間 は 特 別 措 置 法 で 給 付 金 額 が 変 更 (3 歳 未 満 1.5 万 円 3 歳 ~ 中 学 生 1 万 円 第 3 子 以 降 1.5 万 円 )された 上 で 実 施 された こうした 変 遷 を 経 て 平 成 24 年 度 からの 現 金 給 付 制 度 については 名 称 が 児 童 手 当 に 戻 され 給 付 金 額 は 特 別 措 置 法 と 同 内 容 (3 歳 未 満 1.5 万 円 3 歳 ~ 中 学 性 1 万 円 第 3 子 以 降 1.5 万 円 )とされた 併 せて 所 得 制 限 が 設 定 された が 所 得 制 限 額 以 上 の 者 に 対 しても 当 面 の 間 は 特 例 給 付 として 一 律 5 千 円 の 給 付 がされることとなった 11 以 上 のように 平 成 21 年 度 以 後 3 年 程 度 の 期 間 において 所 得 面 での 子 育 て 8 詳 しくは 鈴 木 (211)を 参 照 9 制 度 の 詳 細 は 有 薗 (21) 鈴 木 ( 友 )(21)を 参 照 1 平 成 24 年 度 改 正 において 高 額 所 得 者 における 給 与 所 得 控 除 に 上 限 を 設 定 するという 給 与 所 得 控 除 制 度 の 縮 減 が 行 われた これ 自 体 は 子 育 て 支 援 とは 関 係 は 薄 いが 世 帯 の 実 質 収 入 に 大 きな 影 響 を 与 えるものであるため 付 記 している 11 制 度 の 詳 細 は 山 田 (212)を 参 照 5 経 済 のプリズム No12 213.11
支 援 に 係 る 制 度 は 大 きく 変 わった 最 終 的 には 変 更 前 の 平 成 21 年 度 時 点 と 比 較 すると (1)の 児 童 手 当 の 対 象 児 童 拡 大 と 給 付 額 の 増 加 によって 1 人 当 たり 月 5 千 円 の 収 入 増 となり (2)の 高 校 無 償 化 制 創 設 によって 1 人 当 たり 月 9 千 9 百 円 相 当 の 負 担 減 による 実 質 的 な 収 入 増 になった 一 方 で (3)の 年 少 扶 養 控 除 廃 止 と 特 定 扶 養 控 除 の 縮 小 による 課 税 額 の 増 加 で 実 質 的 な 収 入 減 になった こ れらを 相 殺 してみた 場 合 果 たして 所 得 面 での 子 育 て 支 援 は 拡 大 したのだろう か 次 節 ではこの 点 を 試 算 する 4. 現 金 給 付 等 の 増 加 と 扶 養 控 除 等 削 減 による 世 帯 への 影 響 試 算 平 成 22 年 度 以 降 の 改 正 は 世 帯 の 収 入 に 対 してプラスとマイナスの 両 面 から 影 響 を 及 ぼすことになったが 全 体 としてどちらの 影 響 が 強 く 出 てくるのだろ うか そこで これら 所 得 面 の 子 育 て 支 援 に 係 る 制 度 改 正 の 影 響 を 試 算 する 試 算 にあたっての 前 提 は 次 のとおりである 12 (ア) 試 算 対 象 世 帯 の 構 成 : 世 帯 主 ( 給 与 所 得 者 )+ 配 偶 者 ( 無 職 )+ 子 1 人 (イ) 試 算 ケース: 子 供 の 年 齢 にあわせた4ケース(13 歳 未 満 23 歳 ~ 小 学 生 3 中 学 生 4 高 校 生 ) (ウ) 児 童 手 当 改 正 及 び 高 校 授 業 料 無 償 化 制 度 導 入 に 伴 う 実 質 収 入 増 の 影 響 : (a) 平 成 24 年 6 月 以 降 の 新 たな 児 童 手 当 ( 新 児 童 手 当 ) 給 付 額 と 改 正 前 の 平 成 21 年 度 時 点 の 児 童 手 当 ( 旧 児 童 手 当 ) 給 付 額 の 差 額 (b) 高 校 等 就 学 支 援 金 額 ( 高 校 無 償 化 制 度 は 低 所 得 者 世 帯 への 支 援 が 厚 い 高 校 等 就 学 支 援 金 を 選 択 本 支 援 金 は 世 帯 に 直 接 給 付 されるものではないが 授 業 料 の 負 担 軽 減 となることから 実 質 収 入 として 取 り 扱 う ) なお (b)の 高 校 無 償 化 は 平 成 26 年 度 に 制 度 改 正 が 予 定 されているが 13 執 筆 時 点 で 制 度 の 詳 細 が 明 らかでないため 平 成 25 年 度 時 点 の 制 度 を 前 提 とした (エ) 年 少 扶 養 控 除 廃 止 等 による 税 負 担 増 加 に 伴 う 実 質 収 入 減 の 影 響 : (c) 年 少 扶 養 控 除 廃 止 後 の 課 税 額 と 同 控 除 廃 止 前 の 課 税 額 の 差 額 (d) 特 定 扶 養 控 除 縮 減 後 の 課 税 額 と 同 控 除 廃 止 前 の 課 税 額 の 差 額 なお 実 質 収 入 減 少 の 影 響 は 給 与 所 得 控 除 の 変 更 が 所 得 税 住 民 税 ともに 適 用 された 時 点 ( 平 成 26 年 6 月 ) 以 降 を 基 準 とした 12 本 試 算 での 世 帯 は3 人 構 成 のため 前 掲 図 表 3における 所 得 制 限 額 は 異 なる 標 準 世 帯 (4 人 )と 比 較 して 所 得 制 限 金 額 の 水 準 は 幾 分 か 低 下 することになる なお 扶 養 児 童 が 増 えた 場 合 の 最 終 的 な 実 質 収 入 の 影 響 は 全 体 的 な 傾 向 としては 大 きく 変 わるものではない 13 所 得 制 限 (91 万 円 ) 導 入 とそれによって 浮 いた 財 源 を 基 に 中 低 所 得 者 への 支 援 金 加 算 など の 変 更 が 具 体 的 な 項 目 として 上 がっているとされる( 日 本 経 済 新 聞 213 年 8 月 28 日 ) 制 度 変 更 後 については 改 めて 試 算 することとしたい 経 済 のプリズム No12 213.11 6
これらを 基 にして 試 算 した 結 果 は 図 表 4のとおりである 図 表 4は 子 供 の 年 齢 別 に 総 所 得 金 額 に 応 じて 制 度 改 正 がどの 程 度 実 質 収 入 ( 年 間 額 )を 変 化 さ せたかを 示 すものである このうち (ウ)の 児 童 手 当 改 正 及 び 高 校 無 償 化 導 入 に 伴 う 実 質 収 入 増 分 は 緑 色 ( 児 童 手 当 分 )もしくは 紫 色 ( 高 校 等 就 学 支 援 金 分 ) の 部 分 であり (エ)の 年 少 扶 養 控 除 廃 止 等 による 税 負 担 増 加 に 伴 う 実 質 収 入 減 分 は 青 色 部 分 ( 所 得 税 分 )と 赤 色 部 分 ( 住 民 税 分 )である また 黒 線 はこ 図 表 4 制 度 改 正 に 伴 う 実 質 収 入 ( 年 額 )の 変 化 ( 子 供 の 年 齢 別 )( 試 算 ) 3 万 円 収 入 増 2 実 質 収 入 の 変 化 1 1 世 帯 主 + 配 偶 者 + 子 (3 歳 未 満 ) 児 童 手 当 による 実 収 増 万 円 3 2 1 収 入 増 2 世 帯 主 + 配 偶 者 + 子 (3 歳 ~ 小 学 生 ) 1 1 2 扶 養 控 除 廃 止 等 による 実 収 減 ( 所 得 税 ) 2 3 収 入 減 扶 養 控 除 廃 止 等 による 実 収 減 ( 住 民 税 ) 3 収 入 減 総 所 得 金 額 ( 万 円 ) 総 所 得 金 額 ( 万 円 ) 3 万 円 収 入 増 3 世 帯 主 + 配 偶 者 + 子 ( 中 学 生 ) 3 万 円 収 入 増 4 世 帯 主 + 配 偶 者 + 子 ( 高 校 生 ) 2 2 高 校 等 就 学 支 援 金 による 実 収 増 1 1 1 1 2 2 3 収 入 減 3 収 入 減 総 所 得 金 額 ( 万 円 ) 総 所 得 金 額 ( 万 円 ) ( 注 1) 試 算 の 前 提 は 本 文 参 照 なお 税 制 は 所 得 税 法 令 及 び 地 方 税 法 令 に 則 り 算 出 配 偶 者 は 無 職 社 会 保 険 料 控 除 は 財 務 省 の 近 似 式 を 利 用 医 療 費 控 除 生 命 保 険 料 控 除 住 宅 ローン 控 除 等 の 控 除 復 興 特 別 所 得 税 は 仮 定 しない ( 注 2) 総 所 得 金 額 は 世 帯 主 の 給 与 所 得 のみと 仮 定 し5 千 円 刻 みで 算 出 年 額 ベース ( 出 所 ) 筆 者 作 成 7 経 済 のプリズム No12 213.11
れら 収 入 の 増 加 と 減 少 を 相 殺 した 場 合 の 最 終 的 な 実 質 収 入 の 変 化 を 表 す 試 算 結 果 を 順 にみていくと まず 1 子 供 が3 歳 未 満 の 場 合 と23 歳 ~ 小 学 生 の 場 合 の 実 質 収 入 について 子 育 て 支 援 改 正 の 恩 恵 を 受 けて 大 きく 増 収 とな る 世 帯 は 基 本 的 に 住 民 税 の 非 課 税 世 帯 であることがわかる それよりも 所 得 の 高 い 世 帯 については 年 少 扶 養 控 除 廃 止 による 増 税 の 影 響 で 実 質 収 入 はほ とんど 変 わらないか むしろ 減 収 となっている この 減 収 幅 は 総 所 得 金 額 が 大 きくなるほど 大 きくなり 所 得 税 の 累 進 課 税 による 影 響 を 強 く 受 けていること がわかる なお 総 所 得 金 額 7 万 円 台 後 半 から 8 万 円 台 後 半 の 世 帯 域 で 増 収 世 帯 がみられるが これは 旧 児 童 手 当 と 新 児 童 手 当 における 所 得 制 限 額 の 違 い( 家 族 4 人 の 標 準 世 帯 において 旧 児 童 手 当 86 万 円 新 児 童 手 当 96 万 円 ) による 影 響 と 考 えられる 次 に 3 子 供 が 中 学 生 の 場 合 は 新 児 童 手 当 における 所 得 制 限 額 を 挟 んで それ 以 下 の 世 帯 で 増 収 それ 以 上 の 世 帯 で 減 収 になっている 中 学 生 は 新 児 童 手 当 において 支 給 対 象 に 加 わったことで 子 育 て 支 援 による 恩 恵 を 受 けられるよ うになった 世 帯 が 増 えたことを 意 味 する ただし 総 所 得 金 額 が 大 きい 世 帯 に おいては 制 度 改 正 によって 大 きく 減 収 になっていることも 確 認 できる 最 後 に 4 子 供 が 高 校 生 の 場 合 は 新 たに 創 設 された 高 校 等 就 学 支 援 金 によ って 今 回 試 算 した 世 帯 全 てで 実 収 増 になった ただし 今 後 の 改 正 で 高 校 無 償 化 制 度 に 所 得 制 限 が 導 入 された 場 合 には 所 得 制 限 額 以 上 の 世 帯 においては 減 収 となる 可 能 性 がある このように 総 所 得 金 額 の 違 いのみならず 子 供 の 年 齢 によっても 子 育 て 支 援 制 度 の 改 正 による 恩 恵 は 変 わってくるが 子 供 の 成 長 にあわせてそれぞれ 適 用 される 内 容 が 異 なるため 子 育 て 期 間 全 体 として 最 終 的 にどれだけの 恩 恵 を 受 けられるようになったのか 総 合 的 にみる 必 要 がある そこで 子 供 の 成 長 に 合 わせて 所 得 面 での 子 育 て 支 援 にかかるこれらの 制 度 変 更 が 全 体 としてど の 程 度 の 恩 恵 を 享 受 できたかについて 計 算 したものが 図 表 5になる 図 表 5は 図 表 4のケースごとに 適 用 期 間 を 掛 け 合 わせて それらをすべて 合 計 したものである つまり 旧 制 度 下 で 子 供 を 産 んで 高 校 生 まで 18 年 間 子 育 てをした 場 合 と 新 制 度 のもとで 行 った 場 合 の 所 得 面 での 子 育 てに 係 る 支 援 の 差 額 を 取 ったものである なお ここでは 子 育 て 期 間 中 に 制 度 改 正 がないこと 世 帯 主 の 総 所 得 金 額 が 変 わらないことが 前 提 になっていることに 留 意 願 いたい これによると 低 所 得 の 世 帯 は 非 課 税 であるため 控 除 削 減 による 増 税 の 影 響 はなく 給 付 額 の 増 分 をそのまま 恩 恵 をうけることができる その 一 方 非 課 税 限 度 額 以 上 の 所 得 のある 世 帯 では その 所 得 金 額 が 大 きくなるほど 制 度 改 正 経 済 のプリズム No12 213.11 8
の 恩 恵 は 小 さくなる この 試 算 においては おおむね 68 万 円 の 世 帯 から 上 の 所 得 世 帯 においては 制 度 改 正 の 恩 恵 は 受 けられずむしろ 減 収 というマイナス の 影 響 が 強 くなる なお 前 述 の 児 童 手 当 の 所 得 制 限 の 引 上 げに 伴 う 総 所 得 金 額 7 万 円 台 後 半 から 8 万 円 台 後 半 の 世 帯 域 で 制 度 改 正 の 恩 恵 を 受 ける 世 帯 が 存 在 するが それ 以 上 の 所 得 金 額 世 帯 では 制 度 改 正 がより 大 きくマイナスに 効 いていく 平 成 24 年 の 国 民 生 活 基 礎 調 査 によれば こうしたマイナスの 影 響 を 受 ける 所 得 階 層 に 属 する 世 帯 は 決 して 少 なくはない 可 能 性 がある 14 ( 図 表 6) 図 表 5 制 度 改 正 に 伴 う 実 質 収 入 図 表 6 児 童 のある 世 帯 における 所 得 金 ( 年 額 )の 変 化 ( 子 育 て 期 間 額 階 層 別 世 帯 の 相 対 度 数 分 布 全 体 )( 試 算 ) 万 円 4 収 入 増 世 帯 主 + 配 偶 者 + 子 3 高 校 等 就 学 支 援 金 による 実 収 増 2 児 童 手 当 による 実 収 増 16% 14% 12% 平 均 値 :697 万 円 中 央 値 :619 万 円 6 歳 以 上 5 歳 台 4 歳 台 3 歳 台 29 歳 以 下 1 1% 8% 1 6% 2 4% 扶 養 控 除 廃 止 等 による 実 収 減 ( 所 得 税 ) 3 収 入 減 扶 養 控 除 廃 止 等 による 実 収 減 ( 住 民 税 ) 4 2% % 総 所 得 金 額 ( 万 円 ) 所 得 金 額 階 層 ( 万 円 ) ( 出 所 ) 筆 者 作 成 ( 注 ) 当 該 年 の 調 査 では 福 島 県 が 除 かれている ( 出 所 ) 厚 生 労 働 省 平 成 24 年 国 民 生 活 基 礎 調 査 から 作 成 5.おわりに 本 稿 では 足 下 数 年 の 間 に 行 われた 所 得 面 での 子 育 て 支 援 の 制 度 改 正 による 影 響 を 試 算 した 我 が 国 においては 社 会 支 出 など 子 育 て 世 帯 に 対 する 公 的 な 支 援 が 欧 州 各 国 に 比 べて 薄 いことから その 充 実 化 が 政 策 課 題 の 一 つに もなっている この 中 で 平 成 22 年 度 における 大 規 模 な 政 策 の 転 換 によって 児 童 手 当 ( 子 14 なお 本 調 査 は 児 童 数 に 関 係 なく 児 童 を 持 つ 世 帯 全 体 を 対 象 とした 分 布 であり 本 試 算 は その 中 の 特 定 の 世 帯 を 想 定 している 点 には 注 意 が 必 要 である 9 経 済 のプリズム No12 213.11
ども 手 当 )が 増 額 され 高 校 無 償 化 制 度 が 導 入 されたことによって 子 育 て 支 援 策 は 充 実 化 に 向 けた 動 きがあった 一 方 で その 財 源 として 年 少 扶 養 控 除 や 特 定 扶 養 控 除 が 廃 止 縮 減 されることになった そこで 本 稿 においては これら 所 得 面 での 子 育 て 支 援 策 を 検 証 対 象 とし そ の 制 度 改 正 によって 世 帯 年 収 別 にどのような 実 収 入 に 対 する 影 響 があったか を 試 算 した その 結 果 制 度 改 正 による 恩 恵 が 受 けられる 世 帯 は 主 に 低 所 得 世 帯 であるのに 対 して 中 高 所 得 世 帯 を 中 心 として 減 収 となるというものにな った つまり 本 試 算 からは 所 得 面 での 子 育 て 支 援 策 の 拡 充 は 経 済 的 な 観 点 から 見 れば 同 じ 子 育 て 世 帯 という 枠 内 において 中 高 所 得 の 子 育 て 世 帯 か ら 低 所 得 の 子 育 て 世 帯 への 所 得 再 配 分 という 形 で 行 われたものであることが 示 唆 された そして 実 際 の 所 得 階 級 と 照 らしあわせるならば この 制 度 改 正 で 減 収 となる 子 育 て 世 帯 は 少 なくない 可 能 性 があることも 示 された 子 育 て 支 援 は 次 代 の 社 会 を 担 う 子 ども 一 人 ひとりの 育 ちを 社 会 全 体 で 応 援 することを 目 的 に 掲 げる また 社 会 保 障 税 一 体 改 革 大 綱 15 では 給 付 は 高 齢 世 代 中 心 負 担 は 現 役 世 代 中 心 となっている 現 制 度 を 見 直 し 給 付 面 で 子 ども 子 育 て 支 援 などを 中 心 に 未 来 への 投 資 という 性 格 を 強 め 全 世 代 対 応 型 の 制 度 を 目 指 すとしている こうした 政 策 の 方 向 性 を 踏 まえるならば 子 育 て 支 援 における 現 物 給 付 (サービス)のみならず 所 得 面 の 子 育 て 支 援 策 につ いても 同 じ 子 育 て 世 帯 内 で 完 結 することなく 社 会 保 障 制 度 全 体 の 中 で 更 なる 充 実 化 を 図 ることが 求 められる 参 考 文 献 有 薗 裕 章 高 校 無 償 化 の 意 義 ~ 公 立 高 校 授 業 料 不 徴 収 及 び 高 等 学 校 等 就 学 支 援 金 支 給 法 案 ~ 立 法 と 調 査 No.32 21 年 3 月 鳫 咲 子 子 どもの 貧 困 と 教 育 機 会 の 不 平 等 - 就 学 援 助 学 校 給 食 母 子 家 庭 をめぐっ て- 明 石 書 店 213 年 1 月 鈴 木 克 洋 現 金 給 付 型 の 子 育 て 支 援 の 現 状 と 課 題 ~ 児 童 手 当 制 度 を 中 心 に~ 経 済 の プリズム No.73 29 年 12 月 鈴 木 克 洋 子 どもに 対 する 手 当 の 増 額 と 年 少 扶 養 者 控 除 廃 止 の 影 響 ~ 世 帯 構 成 別 及 び 所 得 別 の 影 響 試 算 ~ 経 済 のプリズム No.96 211 年 1 月 鈴 木 友 紀 高 校 無 償 化 をめぐる 国 会 論 議 ~ 公 立 高 校 授 業 料 不 徴 収 及 び 高 等 学 校 等 就 学 支 援 金 支 給 法 ~ 立 法 と 調 査 No.36 21 年 7 月 山 田 千 秀 子 育 てに 係 る 経 済 的 支 援 の 制 度 設 計 ~ 児 童 手 当 法 の 一 部 を 改 正 する 法 律 案 ~ 立 法 と 調 査 No.326 212 年 3 月 ( 内 線 7543) 15 社 会 保 障 税 一 体 改 革 大 綱 ( 平 成 24 年 2 月 17 日 閣 議 決 定 ) 経 済 のプリズム No12 213.11 1