県西部浜松医療センター学術誌 第 3 巻 第1号 2009 図3 オンライン リスク評価と予防法決定システム 手術例 外傷例 手術例 外傷例 16歳以上 を示す リスク項目のチェックにより リスクのスコア化と層別化が自動的に行われ 5 段階にリスクが決 定された後に 担当医が予防法を弾性ストッキング 間欠的空気圧迫法 抗凝固療法から選択し決定する あらかじめ下肢深部静脈血栓 症がある場合には 間欠的空気圧迫法を選択できないようにプログラムされている 詳細は本文参照のこと 14
県西部浜松医療センター学術誌 第 3 巻 第1号 2009 図4 オンライン リスク評価と予防法決定システム 非手術例 非手術例 16歳以上 を示す リスク項目のチェックにより リスクのスコア化と層別化が自動的に行われ 5 段階にリスクが決定され た後に 担当医が予防法を弾性ストッキング 間欠的空気圧迫法 抗凝固療法から選択し決定する あらかじめ下肢深部静脈血栓症があ る場合には 間欠的空気圧迫法を選択できないようにプログラムされている 詳細は本文参照のこと 15
県西部浜松医療センター学術誌 第 3 巻 第1号 2009 図5 オンライン 静脈血栓塞栓症のリスク評価と予防調査票 転帰報告シート 静脈血栓塞栓症のリスク評価を行った患者を対象に リスクレベル 予防法 抗凝固療法の内容の報告と転帰を入力するプログラムである 16
県西部浜松医療センター学術誌 第 3 巻 第1号 2009 と目で全内容がわかるように 文章を必要最小限と し 指示を明確に記載したマニュアルの草案を作成 した この段階で対応方法のフローチャートの必要 性が挙げられたため 視覚的に判断できるよう 色 分けし対応方法及び薬剤分類を作成した 2 上記担当者及び抗癌剤治療に従事している医師 にも参加依頼をし マニュアル草案検討 多職種の話し合いにおいて 筋肉注射を行う薬剤 に関しては 原則血管外へ投与されるため除外し た また 不明確との指摘を受けた 時間外におけ る医師への連絡方法は 管理当直医へ連絡し 必要 に応じて担当医へ連絡することを明確とした な お 抗癌剤の血管外漏出における看護師の対応につ いては 被爆の危険性を回避するため マスク ゴーグル 手袋 廃棄ボックス を準備し対応する こととした 3 血管外漏出時対応マニュアル 配布 血管外漏出対応マニュアル 図 1 及び 血管 図1 血管外漏出対応マニュアル 外漏出対応フローチャート 図 2 を完成させ 2008年12月に医師 病棟 外来 薬剤科へ配布を 行った 全職員には 院内オーダリングシステムの コミュニケートツールを利用し情報発信を行った 図2 血管外漏出対応マニュアルフローチャート 53
県西部浜松医療センター学術誌 第 3 巻 第1号 2009 図1 健康管理ノート 修正前 修正後 表1 アンケートA 健康に関するアンケート 記入日 平成 19 年 月 日 回答は あてはまるもを で囲んでください 複数回答可 その他に該当する場合は 具体的な内容を に記入してください 2 化学療法治療を受けてみて気になる症状は何でしたか ①血液検査の数値 白血球 ヘモグロビン 血小板など の変動 ②発熱 ③かぜ症状 咳 のどの痛み ④貧血症状 めまい ふらつき 動悸 息切れ ⑤血が止まりにくい ⑥吐き気 吐く ⑦口内炎 ⑧便秘 ⑨下痢 ⑩尿量が少なくなる むくみ ⑪じんましんがでる かゆくなる ⑫からだのだるさ ⑬脱毛 ⑭その他 -------------------------------------------------------------------- 1 入院生活の中で大切だと思うことはなんですか ①食事をとること ②排尿 排便があること ③適度に身体を動かすこと ④身体を休め 睡眠をとること ⑤身体を清潔に保つこと ⑥薬を飲んだり 点滴注射を受けること ⑦うがい 手洗いをすること 以下の質問についてのご意見をご自由にお書きください 3 あなたが入院中の体調で 一番きにかかることは何ですか 4 自分の体の健康のために大切にしてきたことは何ですか 入院前のこと 入院してからのこと どちらでもかまいません 上記に記載したことは 病気になる前と後で変わったことは何ですか はい いいえ 5 化学療法が効果を出しているかどうかをどのように知りますか 6 入院中 目標にしていることは何ですか 7 退院したら何がしたいですか 8 今回の化学療法に関して 聞いておきたいこと 不安なことは何で すか ご協力ありがとうございました 70
県西部浜松医療センター学術誌 第 3 巻 第1号 2009 考 察 結 語 図 3 に示すように マーケティングリサーチによ 1 り院内外の情報収集を的確に実施し その際 起き ている現象に着目 得られた情報を分析 整理し協 数値目標の全てを達成できたことで 顧客集客 力が高まり 市民に対する貢献度が拡大した 2 先端医療技術センターの方針が 各医療機関の 働チームに開示し 検討した その後 事実判断で 医師に理解され 院外紹介が増し 共同利用率 の意思決定を行い 協働チームによる改善策を立 が約 8 増加した 案 実行 具体的には 院内外の医療機関に簡単 3 目標に向かって 協働チームとして情報を共有 便利を基軸とした改善策を立て実施していることを し 実践したことで 先端医療技術センター部 周知した その場では 基本方針や改善策が理解さ 門の活性化が図られた れるような説明を丁寧に実践 進捗状況の検証や効 果の検証により さらなる改善策を追加し実施し おわりに た これら一連のプロセスが有機的に働いたことに 広報活動を展開するにあたり院内外の多くの医師 より 目的は達成できたと考える を始めとする皆様に大変お世話になりました ここ また今後も 組織としての継続的なマーケティン ろより深謝いたします グリサーチによる情報収集 検討 事実判断による 意思決定 周知 実行 検証のプロセスを丁寧に実 文 献 践し さらなる地域医療機関のネットワーク構築へ 1 新 病 院 経 営 管 理 の ヒ ン ト 病 院 経 営 と推進したいと考えている No397 2008 追補 図 4 市民への貢献活動の紹介 図3 組織としての機動力の発揮 図4 市民への貢献活動の紹介 102
県西部浜松医療センター学術誌 第 3 巻 第1号 2009 感染症検査は行わない ② 検査実施時期の問題 輸血直前 1 週間以内の検体が上記のシステムにより 確保された しかし外科系の手術などでは輸血オー ダはしたものの輸血を実際に行うかどうかは手術が 始まってみなければわからないということはしばし ば起こる そこで実際に輸血が実施された場合は後 日輸血管理室で検査オーダを入力し確保しておいた 検体を用いて検査を行う 輸血が実施されなかった 場合には検体は廃棄し検査オーダしない こととし た これにより輸血をしていないのに輸血前感染症 検査を行うといった無駄もなくなる ③ 検査項目の問題 上記のように輸血が実施されたことを確認後 輸血 管理室で感染症の検査オーダを入力する 検査オー ダ入力は輸血療法委員長が行う 検査項目は厚労省 から指導された 6 項目である ただし直近 1ヶ月以 内に偶然の機会 初診時 入院時 術前など に既 に行われている項目がある場合はその項目は省略す ることとした ④ HIV抗体検査の問題 HIV抗体検査は本人の同意がなければ実施できな い HIV抗体検査の同意書が当院には用意されてい るが 輸血予定の患者から別個にこれを取得するの は多忙な臨床現場の実情にそぐわない 一方 輸血 前に輸血同意書を取得しなければならないという認 識は医師の間に浸透している 我々はこの輸血同意 図1 輸血同意書 書をとるタイミングを利用してHIV抗体検査の同意 をとることとした 図1に示すように 輸血同意の 改善された点 署名欄 A欄 の下に HIV抗体検査を希望しない 上記のように検査オーダの管理を各主治医から輸 患者に限ってもう一度署名していただく欄 B欄 血管理室に移行したことにより以下の点が改善され を設けた書式に輸血同意書を変更した HIV抗体検 た 査の実施に同意する患者はA欄に署名するだけでよ 輸血実施前の4 日以内の検体で感染症検査を行 A A A A A く 大多数の患者はこれに該当する A B両欄に署 う 名がなされた場合 すなわち検査の実施に同意しな 輸血が行われた患者のみ感染症検査を行う い患者の場合 主治医は輸血管理室に連絡し 輸血 輸血管理室で検査オーダを入力するため 感染症 管理室は輸血前感染症検査のオーダにHIV抗体検査 を含めないようにする ちなみにこのような対応を の検査項目の漏れがない 患者の同意を得た上でHIV抗体検査を行う した患者は 本システムを開始後これまでのところ 0 名である 105
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