心 臓 血 管 病 から 道 民 の 健 康 と 明 るい 生 活 を 守 ります No.127 2016 6 月 ホームページアドレス http://www.aurora-net.or.jp/life/heart/ 一 般 財 団 法 人 北 海 道 心 臓 協 会
生 まれつきの 心 臓 の 病 気 を 持 った 子 どもたちが 大 人 になったら 成 人 先 天 性 心 疾 患 のお 話 し ( 前 編 ) 北 海 道 立 子 ども 総 合 医 療 療 育 センター 横 澤 正 人 氏 < 成 人 先 天 性 心 疾 患 とは? : 子 ども 病 院 の 診 察 室 にて> 先 生 うちの 子 23 歳 になるんだけど いくつ まで 先 生 の 所 で 診 てもらえるんですか? A 君 の 心 臓 の 病 気 は 特 別 だから 北 海 道 だとなかなか 診 て くれる 大 人 の 心 臓 の 先 生 はいないよね あと 腸 にも 病 気 があるからね 小 児 外 科 の 専 門 の 先 生 でな いとA 君 の 病 気 は 解 らないから なかなか 他 の 病 院 という 話 にはならないよね 小 児 外 科 の 先 生 が も う 来 なくても 大 丈 夫 だよ と 言 ったらまた 相 談 しよ うと 思 うんだけど それまでは 僕 がもうしばらく 診 せてもらっていいかい? あー 安 心 した 先 生 これからもずっとうちの 子 を 診 てくださいね ここは 子 ども 病 院 の 診 察 室 私 は 子 どもの 心 臓 の 病 気 を 専 門 に 診 る 小 児 科 医 = 小 児 循 環 器 医 です 最 近 は 外 来 をやると 1 日 に 必 ず 1 件 や 2 件 本 人 ご 家 族 と 私 の 間 でこんなやりとりが 行 われるように なってきました 読 者 の 皆 さんは< 成 人 先 天 性 心 疾 患 >という 言 葉 をご 存 じでしょうか? 子 どもの 生 まれつきの 心 臓 の 病 気 を< 先 天 性 心 疾 患 >と 呼 びます 心 臓 の 壁 に 穴 が 開 いていたり 心 臓 の 中 の 弁 の 開 きや 閉 じが 悪 かったり 血 管 が 細 かったり 太 かったりするだけで はなく 本 来 あるべき 心 臓 の 部 屋 がなかったり 小 さかったりする 場 合 もあります 要 は 心 臓 の 構 造 そ のものに 異 常 がある 疾 患 で 最 近 は< 先 天 性 心 疾 患 >と 呼 ばずに< 構 造 的 心 疾 患 >という 名 称 が 使 わ れることがあります 一 方 私 たち 大 人 の 心 疾 患 は 元 々の 構 造 や 機 能 に 異 常 がなかった 心 臓 が 病 気 になった 状 態 です 加 齢 や 生 活 習 慣 など 様 々な 原 因 で 働 きが 低 下 したもの です 狭 心 症 や 心 筋 梗 塞 弁 逆 流 大 動 脈 瘤 が 主 で < 後 天 性 心 疾 患 >と 呼 ばれています 先 天 性 心 疾 患 の 頻 度 は 意 外 に 高 く 赤 ちゃんが 100 人 生 まれたら 1 人 は 何 かの 先 天 性 心 疾 患 を 持 っ ていると 言 われています 心 臓 の 構 造 そのものに 異 常 があるため 手 術 が 必 要 な 場 合 が 多 く その 手 術 も 大 変 に 難 しい 場 合 が 少 なくありませんでした そ のため 今 から30~40 年 前 までは 軽 症 や 中 等 症 の 先 天 性 心 疾 患 のお 子 さんは 何 とか 生 きることが 出 来 ま したが 重 症 のお 子 さんのほとんどは 赤 ちゃんの 時 期 や 幼 児 期 小 学 校 の 低 学 年 の 時 期 に 亡 くなって いました ところがここ20~30 年 の 間 に 先 天 性 心 疾 患 の 診 断 や 手 術 は 目 覚 ましい 発 展 を 遂 げ 重 症 例 のお 子 さん の 多 くが 救 命 されるようになってきました 今 では 重 症 例 を 含 めて 先 天 性 心 疾 患 のお 子 さんの95% 以 上 が 救 命 され 90% 以 上 のお 子 さんが 成 人 期 に 達 する ようになりました 日 本 全 国 で 成 人 に 達 した 先 天 性 心 疾 患 の 患 者 さん は 現 在 40 万 人 以 上 になっており 毎 年 1 万 人 以 上 増 加 していると 推 定 されています 特 に 昔 は 亡 くなっ ていた 重 症 例 の 増 加 が 目 立 っているのが 特 徴 です < 先 天 性 心 疾 患 に 根 治 手 術 はない : 生 涯 医 療 の 必 要 性 について> 心 臓 の 手 術 を 受 けた 方 ならご 存 じと 思 いますが 余 程 の 軽 い 手 術 でない 限 りは 元 気 になっても 担 当 医 から 1 年 に 1 回 か 2 回 は 必 ず 外 来 に 通 院 するよう に 言 われます 手 術 後 に 思 いもよらない 病 気 =< 合 併 症 >が 起 こることがあるからです 元 々 心 臓 に 異 1
常 がなかった 成 人 の 心 疾 患 でもこんな 状 況 ですので 生 まれつき 心 臓 の 構 造 に 異 常 があって 手 術 した 先 天 性 心 疾 患 の 場 合 は もっと 注 意 が 必 要 だろうと 想 像 するのは 難 しくないでしょう < 根 治 手 術 >という 言 葉 がありますが 人 間 は 神 ではありませんので 100% 完 璧 な 根 治 手 術 はあり 得 ません またフォンタン 手 術 と 言 って 生 理 的 な 人 間 の 血 液 の 流 れを 根 本 的 に 変 えてしまっている 手 術 も 存 在 します 先 天 性 心 疾 患 で もう 病 院 に 来 なく てよい と 言 われるのは 手 術 を 必 要 としなかった 栓 症 脳 膿 瘍 や 肺 炎 などの 感 染 症 になりやすく 痛 風 や 肝 障 害 腎 障 害 など 全 身 の 臓 器 の 障 害 が 徐 々に 出 始 めてきます 20 歳 台 30 歳 台 はこのような 様 々 な 合 併 症 が 出 現 してくる 時 期 です それに 加 え 成 人 先 天 性 心 疾 患 の 患 者 さんは 私 たちと 同 じように 加 齢 生 活 習 慣 などの 影 響 も 受 け ることになります 先 天 性 心 疾 患 の 心 臓 がそのよう な 状 況 にさらされたときにどのようになるかは 全 く 分 かっていません 20~30 年 前 までは 生 きていなかった 人 たちが 今 軽 症 例 か 心 室 中 隔 欠 損 や 心 房 中 隔 欠 損 動 脈 管 開 存 といっ たごく 一 部 の 疾 患 の 手 術 例 の みと 考 えてください ただ そのような 例 でも 最 近 は 数 年 に 1 回 くらいは 定 期 受 診 した 方 が 良 いと 言 われています 小 児 期 に 救 命 された 重 症 の 先 天 性 心 疾 患 のお 子 さんの 多 くは 比 較 的 順 調 に 成 人 期 に 達 します しかし 20 歳 台 か30 歳 台 を 境 に 再 び 状 態 が 悪 化 す ることが 多 いのが 特 徴 的 です 疲 れやすいとか 息 切 れ む くみといった 心 不 全 が 悪 化 し たり 今 までは 無 かった 不 整 脈 の 発 作 が 急 に 出 現 すること があります 軽 症 の 先 天 性 疾 患 でも 感 染 性 心 内 膜 炎 と 言 って 心 臓 の 一 部 に 細 菌 が 繁 殖 し 頑 固 な 発 熱 と 血 液 と 細 菌 の 細 かい 塊 =< 塞 栓 >が 全 身 に 散 らばり 様 々な 症 状 を 起 こす 疾 患 にな る 場 合 があります また 疾 患 によっては 低 酸 素 血 症 (チアノーゼ)が 残 って いることがあります このよ うな 場 合 は 脳 梗 塞 などの 塞 図 1 成 人 先 天 性 心 疾 患 の 望 ましい 診 療 体 制 ( 白 石 公 : 厚 生 労 働 科 学 研 究 費 補 助 金 事 業 成 人 先 天 性 心 疾 患 の 診 療 体 系 の 確 立 に 関 する 研 究 平 成 24~26 年 度 総 括 分 担 研 究 報 告 書 から 引 用 ) 2
生 きていて 歳 を 重 ねているのですから さらに 女 性 の 場 合 は 妊 娠 出 産 をどうするのか?が 非 常 に 大 きな 問 題 となってきます そんな 患 者 さんが 日 本 全 国 で40 万 人 居 て それが 毎 年 1 万 人 増 加 していま す そして 今 一 番 問 題 なのが それらの 人 たちを 診 る 専 門 の 医 者 がほとんどいないこと それらの 人 た ちを 受 け 入 れる 病 院 が 整 備 されていないことです < 成 人 先 天 性 心 疾 患 の 患 者 さんを 診 る 医 師 と 病 院 : 移 行 医 療 (トランジッション)> 何 歳 までが 小 児 で 何 歳 から 成 人 なのかは 議 論 が あるところですが 一 般 的 に16 歳 から20 歳 くらいと 思 います この 時 期 になると 小 児 循 環 器 医 は 成 人 の 循 環 器 内 科 医 への 患 者 さんのバトンタッチを 考 えます こ れを 移 行 医 療 (トランジッション 以 前 はキャリーオー バーという 言 葉 を 使 っていました)と 言 います ただ 最 近 は 進 学 率 が 高 いので 大 学 や 専 門 学 校 を 卒 業 する 21~22 歳 頃 に 移 行 することが 多 くなりました 実 は この 移 行 医 療 (トランジッション)が 上 手 くいってい ません 軽 症 例 は 問 題 ないのですが 重 症 例 の 場 合 が 上 手 くいきません なぜなら 重 症 の 成 人 先 天 性 心 疾 患 の 患 者 さんを 積 極 的 に 引 き 受 けてくれる 循 環 器 内 科 医 そして 病 院 がほとんどないからです 先 天 性 心 疾 患 のお 子 さんは どこで 診 断 され 手 術 を 受 けているかご 存 じですか? 先 天 性 心 疾 患 にはた くさんの 種 類 があり それに 合 わせての 独 特 の 管 理 手 術 が 必 要 になります そのため 高 度 の 専 門 知 識 と 実 践 トレーニングが 必 要 とされています そんな 専 門 的 な 医 者 ( 小 児 循 環 器 医 + 小 児 心 臓 血 管 外 科 医 ) が 揃 っている 専 門 施 設 でなければ 重 症 の 先 天 性 心 疾 患 の 診 療 は 出 来 ません 全 国 の 先 天 性 心 疾 患 のお 子 さんの 多 くは このよ うな 小 児 心 疾 患 の 専 門 施 設 で 診 断 され 手 術 を 受 け ています 全 国 的 に 見 ると 子 ども 病 院 が 主 体 で 次 に 大 学 病 院 です 一 般 病 院 でも 子 どもの 手 術 を 行 っている 施 設 はあ りますが 数 はそんなに 多 くありません 一 方 軽 症 のケースは 一 般 病 院 の 常 勤 の 小 児 循 環 器 医 が 診 察 す るか 大 学 病 院 や 子 ども 病 院 から 小 児 循 環 器 医 が 一 般 病 院 に 出 張 して 専 門 外 来 を 開 き 診 療 をしています 小 児 循 環 器 医 はどのような 医 者 がなるのかご 存 じ ですか? 欧 米 は 循 環 器 内 科 医 がさらに 子 どもの 心 臓 を 勉 強 して 小 児 循 環 器 医 になりますが 日 本 ( 他 のア ジア 諸 国 の 多 くも)では 小 児 科 医 が さらに 子 どもの 心 臓 の 特 別 な 勉 強 をして 小 児 循 環 器 医 になります もともと 小 児 科 医 ですから 心 臓 だけでなく 小 児 科 一 般 には 強 いのですが 成 人 の 心 疾 患 には 弱 く 内 科 の 一 般 的 な 病 気 にも 弱 いという 特 徴 があります 一 方 成 人 の 心 臓 の 専 門 医 は 内 科 医 がさらに 成 人 の 心 臓 の 特 別 な 勉 強 をして 循 環 器 内 科 医 になりま す 子 どもの 心 臓 のことも 学 びますが 限 られた 内 容 です 先 天 性 心 疾 患 には 弱 く 小 児 科 一 般 にも 弱 い ですが 逆 に 成 人 の 心 疾 患 には 強 く また 内 科 の 一 般 的 な 病 気 にも 強 いという 特 徴 があります そのた め 心 臓 のことなら 小 児 も 成 人 も 強 いという 循 環 器 医 は 非 常 に 少 なく 今 の 日 本 のシステムではこのよう な 医 者 を 養 成 することは 非 常 に 難 しいのです 次 に 施 設 の 問 題 があります 先 天 性 心 疾 患 の 手 術 の 多 くを 手 掛 ける 子 ども 病 院 は あくまでも 子 どもを 対 象 としていますので 外 来 受 診 や 入 院 の 年 齢 を 原 則 と して18 歳 とか20 歳 までと 決 めている 施 設 が 大 半 です もちろん 疾 患 の 種 類 や 状 況 によっては 20 歳 代 や 30 歳 代 それ 以 上 の 年 齢 の 患 者 さんも 引 き 受 けてい ますが 基 本 的 には 成 人 施 設 への 移 行 を 勧 めていま す 患 者 さんにとっても 入 院 すると 自 分 以 外 は 子 どもばかりという 状 況 で 自 分 より 年 下 の 親 が 付 き 添 っている 場 合 もありますので 周 囲 に 気 兼 ねし ての 落 ち 着 きのない 入 院 生 活 になることが 少 なくあ りません もっとも 子 ども 病 院 に 入 院 するのに 慣 れている 患 者 さんが 多 いので 周 囲 が 考 えているほど 違 和 感 を 感 じていないことも 事 実 なのですが それはそれ でちょっと 問 題 なのです 大 学 病 院 なら 良 いのではないかと 思 われる 方 もい らっしゃるかも 知 れませんが 医 者 や 看 護 師 などの スタッフが 病 気 に 慣 れていないという 理 由 で 循 環 器 内 科 ではなく 小 児 科 に 入 院 するケースが 多 く 子 ども 病 院 と 同 じ 状 況 になります 成 人 として 扱 わ れたいのに 扱 ってもらえる 場 所 がない 自 分 たち 3
の 居 場 所 がないというのが 成 人 先 天 性 心 疾 患 の 患 者 さんの 共 通 した 悩 みです このような 状 況 を 打 開 しようと 厚 生 労 働 省 日 本 循 環 器 病 学 会 日 本 小 児 循 環 器 病 学 会 などが 中 心 になって 日 本 各 地 に 成 人 先 天 性 心 疾 患 の 専 門 施 設 を 作 り それを 中 心 に 医 療 者 間 施 設 間 のネットワー クを 作 って 患 者 さんを 受 け 入 れ さらに 成 人 先 天 性 心 疾 患 を 専 門 に 扱 う 人 材 の 育 成 を 試 みる 構 想 があり ますが( 図 1 2 ) まだまだ 発 展 途 上 であり 十 分 な 成 果 があげられていないのが 現 状 です 先 にお 話 ししました 通 り 成 人 先 天 性 心 疾 患 の 患 者 さんは 心 臓 だけではなく 全 身 にいろんな 病 気 をかかえており 妊 娠 出 産 の 問 題 もあります さらに 社 会 的 に 自 立 出 来 ていない 経 済 的 に 恵 ま れていないことが 多 く 精 神 的 にもいろんな 問 題 を 抱 えているケースが 少 なくありません 循 環 器 科 や 心 臓 血 管 外 科 産 婦 人 科 などの 医 師 看 護 師 や 検 査 技 師 に 加 え 臨 床 心 理 士 や 精 神 科 医 師 なども 交 えた チームで 患 者 さんに 対 応 するのが 理 想 です また 患 者 さんは 専 門 施 設 の 近 くに 住 んでいる 訳 ではありません 特 に 北 海 道 の 場 合 は 普 段 は 近 く のかかりつけの 一 般 病 院 に 通 院 していて 手 術 や 検 査 のときに 専 門 施 設 を 受 診 する あるいは 入 院 する 場 合 が 大 半 です 地 元 のかかりつけの 病 院 との 密 接 な 連 携 そして 元 々 患 者 さんが 通 院 していた 子 ども 病 院 大 学 病 院 等 とも 密 接 な 関 係 を 保 つことが 求 め られています( 図 1 ) 北 海 道 では 北 大 と 札 幌 医 大 が 成 人 先 天 性 心 疾 患 の 専 門 施 設 としてネットワークに 参 加 していますが ( 図 2 ) 具 体 的 な 運 営 は これからといった 状 況 です 図 2 成 人 先 天 性 心 疾 患 循 環 器 内 科 診 療 ネットワーク 現 在 32 主 要 施 設 の 参 加 (2014 年 7 月 )( 白 石 公 : 厚 生 労 働 科 学 研 究 費 補 助 金 事 業 成 人 先 天 性 心 疾 患 の 診 療 体 系 の 確 立 に 関 する 研 究 平 成 24~26 年 度 総 括 分 担 研 究 報 告 書 から 引 用 ) 4
第 21 回 日 本 心 臓 リハビリテーション 学 会 学 術 集 会 北 海 道 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 循 環 病 態 内 科 学 博 士 研 究 員 高 田 真 吾 氏 平 成 27 年 7 月 18 日 から 2 日 間 福 岡 県 の 福 岡 国 際 会 議 場 にて 第 21 回 日 本 心 臓 リハビリテーション 学 会 学 術 集 会 が 開 催 されました 本 学 会 では 心 臓 リ ハビリテーション に 関 して 基 礎 臨 床 の 立 場 で 最 新 の 知 見 から 今 後 の 展 望 に 至 るまで 広 く 発 表 討 論 が 行 われました 今 回 は 幸 いにも 参 加 する 機 会 を 与 えて 頂 き 様 々 な 知 見 や 経 験 が 出 来 ましたので 報 告 させていただき ます さて 今 回 私 は DPP-4 inhibitor improved exercise capacity in mice with heart failure という 演 題 を International Awards session にて 発 表 させてい ただきました 心 不 全 患 者 では 運 動 能 力 が 低 下 しており 運 動 能 力 低 下 は 予 後 の 規 定 因 子 として 知 られています また 有 酸 素 運 動 による 運 動 療 法 は 心 不 全 患 者 の 運 動 能 力 を 改 善 し 予 後 を 改 善 することが 知 られてい ます しかしながら 心 不 全 患 者 の 運 動 能 力 を 特 異 的 に 改 善 させる 薬 物 療 法 は 知 られていません 心 不 全 に おける 運 動 能 力 低 下 について 骨 格 筋 の 形 態 機 能 異 常 が 重 要 な 役 割 を 果 たしていることが 明 らかにされています インクレチンホルモンは 食 事 摂 取 に 伴 い 消 化 管 から 分 泌 され 膵 β 細 胞 に 作 用 してインスリン 分 泌 を 促 進 するホルモン の 総 称 ですが その 一 種 であるグルカゴン 様 ペ プチド-1(GLP-1)の 受 容 体 は 心 筋 細 胞 血 管 内 皮 細 胞 骨 格 筋 細 胞 に 存 在 することが 見 出 さ れ GLP-1はインスリン 分 泌 作 用 だけでなく 心 血 管 骨 格 筋 への 直 接 的 な 作 用 を 有 すると 考 えられています GLP-1はジペプチジルペプチ ダーゼ(DPP-4)によって 数 分 のうちに 分 解 され ますが DPP- 4 阻 害 薬 は 濃 度 依 存 性 にDPP-4を 阻 害 し 活 性 型 GLP-1 濃 度 を 増 加 させる 薬 剤 です これまで GLP-1 持 続 投 与 により 心 不 全 患 者 での 運 動 耐 容 能 が 改 善 することが 報 告 されていますが これまでに 心 不 全 でのDPP-4 阻 害 薬 投 与 による 運 動 能 力 骨 格 筋 機 能 についての 検 討 は 行 われていま せん 本 研 究 ではDPP-4 阻 害 薬 投 与 は 心 筋 梗 塞 後 心 不 全 モデルにおいて 骨 格 筋 エネルギー 代 謝 を 改 善 し 運 動 能 力 を 改 善 するかどうかを 検 討 すること を 目 的 としました 本 研 究 では 心 筋 梗 塞 後 心 不 全 マ ウスに 対 するMK-0626の 投 与 は 骨 格 筋 線 維 タイ プの 改 善 と 運 動 能 力 の 改 善 をもたらしました こ れらの 知 見 により DPP-4 阻 害 薬 は 心 不 全 におけ る 骨 格 筋 機 能 障 害 に 対 する 新 規 治 療 薬 になり 得 るこ とが 考 えられます 発 表 中 は 幾 人 かの 先 生 方 から 御 助 言 等 をいただき これからの 研 究 遂 行 にあたり 大 変 貴 重 なものとなりました この 学 会 で 得 られた 知 見 を 今 後 の 研 究 および 予 防 リハビリテーション における 運 動 療 法 の 発 展 に 貢 献 できればと 思 ってお ります また 他 の 報 告 にも 今 回 発 表 させて 頂 い たテーマとは 別 の 観 点 からのアプローチ さらに 詳 細 なメカニズムの 一 端 に 触 れるものまで 今 後 の 自 分 の 研 究 を 発 展 させるにあたり 参 考 になる 研 究 が 多 数 あり 大 変 貴 重 な 見 聞 が 得 られました 最 後 になりますが 本 学 会 への 参 加 にあたり 研 究 開 発 調 査 助 成 を 賜 りました 財 団 法 人 北 海 道 心 臓 協 会 に 心 より 厚 く 御 礼 申 し 上 げます 筆 者 は 右 から 3 人 目 5
そして 二 日 目 私 の 発 表 日 がやって 参 りました 欧 州 心 臓 病 学 会 学 術 集 会 札 幌 医 科 大 学 循 環 器 腎 臓 代 謝 内 分 泌 内 科 学 講 座 大 学 院 生 筆 者 は 左 側 西 沢 慶 太 郎 氏 2015 年 8 月 29 日 から 9 月 2 日 までの 5 日 間 私 は イギリスのロンドンにて 開 催 された 欧 州 心 臓 病 学 会 (ESC) 主 催 の 学 術 集 会 (ESC Congress 2015)に 参 加 させていただきました このESC 学 術 集 会 は 毎 年 世 界 中 から 約 30,000 人 の 参 加 者 が 集 う 循 環 器 領 域 において 世 界 最 大 規 模 の 学 術 集 会 の 一 つであります 近 年 では 米 国 心 臓 協 会 (AHA) 主 催 のものよりも 参 加 者 が 多 く 演 題 の 採 択 率 も 厳 しくなっております ですが 上 級 医 の 先 生 方 の 協 力 もあり 私 の 演 題 が 見 事 採 択 され ポ スター 発 表 の 機 会 を 得 ることができまして はるば るロンドンまで 行 って 参 りました 私 にとって 今 回 初 めての 国 際 学 会 への 参 加 であっ たため その 全 てが 新 鮮 で 驚 きに 満 ちたものでした まず その 学 会 初 日 には 会 場 の 熱 気 に 度 肝 を 抜 か されました 会 場 自 体 はとても 広 く 端 から 端 まで 歩 いて15 分 程 度 かかるのですが その 会 場 全 体 が 沢 山 の 人 達 で 溢 れかえっており 各 セクションで 活 気 に 満 ちた 講 演 や 発 表 がなされていました とても 興 味 深 い 講 演 ばかりだったのですが 翌 日 に 発 表 を 控 え ていたこともあり 初 日 は 早 々に 会 場 を 後 にしました 私 は 普 段 慢 性 腎 不 全 と 心 筋 梗 塞 との 関 係 を 調 べてお り 今 回 その 研 究 結 果 を 発 表 させていただきました ここで 内 容 について 少 しだけ 説 明 させていただきま す 近 年 心 臓 と 腎 臓 の 病 気 は 互 いに 悪 影 響 を 及 ぼ し 合 うということが 注 目 されており 心 腎 連 関 と 呼 ばれています 実 際 慢 性 腎 不 全 の 患 者 さんに おいて 腎 不 全 でない 患 者 さんに 比 べ 心 筋 梗 塞 を 発 症 した 場 合 にその 梗 塞 領 域 が 大 きくなることが 知 ら れています しかし その 詳 しい 機 序 については 明 らかにされていません そのため 私 は 主 にラットを 用 いて 心 臓 を 保 護 する 薬 を 使 用 するなどして 分 子 レベルでの 機 序 解 明 を 目 指 しています 今 回 その 研 究 経 過 の 一 部 をまとめ 発 表 させていただきました 緊 張 しながらも 内 容 を 伝 えようと 必 死 で 発 表 を 行 った 結 果 ベストポスター 賞 をいただくことがで きました 各 分 野 で 4 人 以 上 受 賞 されている 賞 では ありましたが それでもこのように 表 彰 していただ けたのは 大 変 有 り 難 いことでした 勿 論 発 表 に 際 し 会 場 からは 鋭 いご 指 摘 もあり 今 後 の 研 究 の 参 考 となるべく 貴 重 な 意 見 もいただくことができました 3 日 目 以 降 は 肩 の 荷 も 降 り ゆったりとした 気 持 で 世 界 的 な 権 威 ある 先 生 方 の 講 演 を 聞 くことができ ました ここではカテーテル 治 療 の 最 先 端 の 研 究 結 果 の 報 告 など 本 当 に 目 から 鱗 のような 話 を 数 多 く 聞 くことができました また 空 き 時 間 にはロンド ン 市 内 の 観 光 もしました バッキンガム 宮 殿 やウェ ストミンスター 寺 院 ビッグベンなどの 建 造 物 を 訪 れることでロンドンの 歴 史 や 文 化 に 触 れることがで きました さらには ロンドンで 散 髪 する とい うことも 空 き 時 間 に 行 うことができました さっぱ りとしたロンドンのトレンドヘアで 歴 史 的 な 街 中 を 闊 歩 すると とてつもない 高 揚 感 に 包 まれました(た だ 実 際 には 発 表 後 に 散 髪 しているのです が ) 何 はともあれ 全 てが 貴 重 な 体 験 でした 最 後 になりましたが 本 学 会 への 参 加 にあたり 研 究 開 発 調 査 助 成 を 受 け 賜 りました 一 般 財 団 法 人 北 海 道 心 臓 協 会 に 心 より 厚 く 御 礼 申 し 上 げます 6
第 25 回 日 本 心 臓 核 医 学 会 総 会 学 術 大 会 北 海 道 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 循 環 病 態 内 科 学 分 野 博 士 課 程 相 川 忠 夫 氏 第 25 回 日 本 心 臓 核 医 学 会 総 会 学 術 大 会 は 2015 年 6 月 26 日 から27 日 の 2 日 間 の 日 程 で 東 京 コンベ ンションホールで 開 催 されました 本 学 会 は 心 臓 核 医 学 からの 発 信 情 報 を 総 括 する をテーマに 心 臓 核 医 学 に 関 する 最 新 の 基 礎 研 究 やテクノロジー 臨 床 研 究 についての 研 究 成 果 が 多 数 発 表 されました 私 は 今 回 絶 食 下 F-18-FDG PET/CTで 偶 発 的 に 左 前 下 行 枝 領 域 心 筋 への 局 所 集 積 を 認 めた 無 症 候 性 心 筋 虚 血 の 一 例 について 発 表 させて 頂 きました F-18-FDG PET/CT 検 査 は 特 に 悪 性 腫 瘍 に 関 し て 病 変 の 広 がりや 転 移 巣 の 検 索 再 発 の 有 無 の 評 価 などを 行 うのに 非 常 に 有 用 な 検 査 で また 虚 血 性 心 疾 患 における 生 存 心 筋 の 評 価 においても 同 検 査 は 保 険 適 応 となっております 正 常 心 筋 では 主 に 脂 肪 酸 を 代 謝 することでエネルギーを 産 生 しております が 虚 血 心 筋 においては 糖 代 謝 が 盛 んになるために FDGの 集 積 が 亢 進 すると 考 えられています 今 回 は 悪 性 腫 瘍 の 経 過 観 察 目 的 に 実 施 したF-18-FDG PET/CT 検 査 で 偶 発 的 に 冠 動 脈 支 配 領 域 に 一 致 した 心 筋 にFDGの 局 所 集 積 を 認 め その 所 見 から 心 精 査 を 行 って 虚 血 性 心 疾 患 が 見 つかり 後 日 治 療 後 に FDGの 局 所 集 積 が 消 失 したことを 確 認 した 症 例 に ついて 発 表 致 しました 特 に 悪 性 腫 瘍 に 関 しては F-18-FDG PET/CT 検 査 の 保 険 適 応 拡 大 に 伴 い 年 々 検 査 数 が 増 加 傾 向 にありますので 本 例 のように 心 筋 への 局 所 集 積 を 認 めた 際 には 虚 血 性 心 疾 患 を 鑑 別 する 必 要 があるということで 示 唆 に 富 む 症 例 で した 質 疑 応 答 や 発 表 後 には 同 様 の 症 例 を 経 験 したこ とのある 先 生 などから 貴 重 なご 意 見 を 頂 き 大 変 有 意 義 な 経 験 ができました 本 学 会 で 得 られた 知 見 を 今 後 の 研 究 活 動 に 役 立 て 少 しでも 循 環 器 病 学 の 研 究 発 展 に 貢 献 できればと 思 います 最 後 になりますが 本 学 会 への 参 加 にあたり 研 究 開 発 調 査 助 成 を 賜 りました 一 般 財 団 法 人 北 海 道 心 臓 協 会 に 心 より 厚 く 御 礼 申 し 上 げます 編 集 委 員 長 田 中 繁 道 ( 医 療 法 人 溪 仁 会 理 事 長 ) 副 委 員 長 加 藤 法 喜 ( 北 光 記 念 病 院 副 院 長 ) 委 員 石 森 直 樹 ( 北 海 道 大 学 病 院 臨 床 研 修 センター 准 教 授 ) 同 絹 川 真 太 郎 ( 北 海 道 大 学 循 環 病 態 内 科 学 分 野 講 師 ) 同 竹 内 利 治 ( 旭 川 医 科 大 学 循 環 呼 吸 神 経 病 態 内 科 学 分 野 講 師 ) 同 竹 中 孝 ( 北 海 道 医 療 センター 循 環 器 科 医 長 ) 同 土 田 哲 人 (JR 札 幌 病 院 副 院 長 ) 同 三 木 隆 幸 ( 札 幌 医 科 大 学 循 環 器 腎 臓 代 謝 内 分 泌 内 科 学 准 教 授 ) 同 横 澤 正 人 ( 北 海 道 立 子 ども 総 合 医 療 療 育 センター 循 環 器 病 センター 長 ) 7
成 分 と 格 闘 しました 帰 宅 の 際 の 電 車 の 中 で 自 第 41 回 然 と 周 りに 座 っていた 乗 客 が 離 れていってしまうこ 反 応 と 合 成 の 進 歩 シンポジウム とも 一 度 や 二 度 ではありませんでした ごく 最 近 インドロキナゾリンという 含 窒 素 複 素 北 海 道 医 療 大 学 薬 学 部 環 化 合 物 に 心 筋 様 細 胞 への 分 化 促 進 作 用 があること 創 薬 化 学 講 座 医 薬 化 学 助 教 が 報 告 されました 心 筋 細 胞 自 体 は 再 生 することが 阿 部 匠 氏 できないので 万 能 細 胞 からの 分 化 により 心 筋 細 胞 の 再 生 が 可 能 となれば 重 度 な 心 疾 患 患 者 の 治 療 の 糸 口 2015 年 10 月 26 日 か となります ら27 日 の 2 日 間 にわ これらの 結 果 は 化 学 物 質 にまだ 不 可 能 を 可 能 に たり 東 大 阪 市 にあ する 奇 跡 の 組 み 合 わせが 眠 っていることを 示 唆 して る 近 畿 大 学 11 月 ホー います そこで 今 回 発 表 した スカトールの 酸 化 ル(NOVEMBER 的 二 量 化 反 応 によるインドロキナゾリンのワンポッ HALL)において 第 ト 合 成 をさらに 検 討 すれば 心 筋 様 細 胞 への 分 化 41 回 反 応 と 合 成 の 進 促 進 剤 の 迅 速 なスクリーニングに 繋 がるものと 期 待 歩 シンポジウムが 開 できます 催 されました 通 常 は 一 つの 反 応 につき 一 つ 以 上 の 反 応 容 器 この 学 会 は 日 本 薬 (ポット)を 用 い 化 合 物 を 合 成 します 複 数 の 反 応 学 会 化 学 系 薬 学 部 会 を 繰 り 返 すとそれだけポットの 数 も 増 えてしまいま が 主 催 し 年 に 一 度 の 薬 学 系 有 機 化 学 者 を 対 象 に 行 す われる 学 術 大 会 です 討 論 となる 主 題 は ライフサ つまり 効 率 や 迅 速 性 を 求 めるとポットの 数 は 少 イエンスを 志 向 した 理 論 反 応 及 び 合 成 でした ない 方 がいいということになります このワンポッ すこやかハートの 読 者 の 皆 様 にはあまり 馴 染 みの ト 反 応 の 検 討 中 に スカトールからのワンポット 反 ない 学 会 テーマかも 知 れません 特 別 講 演 も 含 め 口 応 によるインドロキナゾリンの 簡 便 合 成 法 を 見 出 し 頭 ポスター 発 表 等 数 多 くの 演 題 があり 私 にとっ ました 本 法 は これまで 報 告 例 がないインドロキ ては 大 変 向 学 になる 学 会 となりました ナゾリンをワンポットで 構 築 できる 効 率 的 な 合 成 手 今 年 も 複 雑 な 化 合 物 の 合 成 や 遷 移 金 属 錯 体 を 用 法 と 思 われます いた 新 反 応 の 開 発 のみならず 核 酸 化 学 の 新 展 開 や 複 雑 な 骨 格 を 有 するために 合 成 が 困 難 なインドロ 特 定 の 臓 器 を 対 象 とした 蛍 光 試 薬 の 開 発 など 数 多 く キナゾリン 類 縁 体 を 簡 便 に 合 成 できれば 再 生 医 療 の 演 題 が 全 国 から 持 ち 寄 せられ 真 剣 な 質 疑 応 答 が 分 野 の 分 化 促 進 剤 探 索 研 究 における 迅 速 なスクリー 展 開 されました ニングにつながる 可 能 性 があります この 目 的 を 達 今 回 私 は 継 続 研 究 の 新 規 合 成 手 法 の 開 発 とイ 成 するために 有 機 合 成 化 学 者 として 化 学 合 成 を 用 ンドールアルカロイドの 全 合 成 研 究 の 一 環 として いた 分 化 促 進 作 用 化 合 物 の 簡 便 合 成 を 検 討 し 微 力 スカトールの 酸 化 的 二 量 化 反 応 によるインドロキ ながらも 力 を 尽 くしていきたいと 思 います ナゾロンのワンポット 合 成 という 演 題 で 発 表 を 行 末 筆 になりますがこの 度 の 学 会 参 加 にあたり 研 いました 研 究 で 用 いたスカトール(skatole)とは 究 開 発 調 査 助 成 を 賜 りました 一 般 財 団 法 人 北 海 道 心 3 -メチルインドールの 慣 用 名 で 文 字 のごとく 糞 臓 協 会 に 心 より 感 謝 申 し 上 げます 便 の 成 分 です 名 前 の 通 り とても 悪 臭 がします 今 回 の 発 表 データをそろえるために 日 夜 糞 便 の 8
第 21 回 日 本 心 臓 リハビリテーション 学 会 学 術 集 会 北 海 道 大 学 病 院 循 環 器 内 科 病 棟 看 護 師 筆 者 は 左 側 林 由 夏 氏 2015 年 7 月 18 日 から19 日 に 福 岡 県 で 開 催 された 第 21 回 日 本 心 臓 リハビリテーション 学 会 学 術 集 会 に 参 加 させていただきました 今 回 の 学 術 集 会 は 新 たな 予 防 医 療 の 創 造 そし て 展 開 をメインテーマに 開 催 され 近 年 注 目 を 浴 びている 心 臓 リハビリテーションの 普 及 と 向 上 を 目 指 し 様 々なシンポジウムやパネルディスカッ ション 等 が 行 われていました 心 臓 リハビリテーションは 運 動 だけではなく 自 己 管 理 を 含 めた 患 者 教 育 や 食 事 指 導 カウンセリン グなどを 多 職 種 で 行 う 包 括 的 なプログラムであり 医 師 や 看 護 師 理 学 療 法 士 栄 養 士 などの 様 々な 専 門 職 種 が 参 加 しており 大 変 興 味 深 い 発 表 が 多 くあ りました 私 は 今 回 当 院 で 取 り 組 んでいる 心 臓 リハビリ テーションを 行 う 外 来 心 不 全 患 者 に 対 する 病 棟 看 護 師 の 継 続 介 入 と 効 果 について 発 表 しました 心 不 全 の 患 者 さんは 退 院 後 も 長 期 にわたり 自 己 管 理 が 必 要 ですが 入 院 中 に 受 けた 生 活 の 注 意 点 を 自 宅 でも 実 践 し 継 続 していくのはとても 大 変 なことであると 感 じています また 実 際 に 退 院 後 に 日 常 生 活 を 初 めてから 直 面 する 問 題 や 不 安 を 抱 える 患 者 さんも 多 くいます そ のため 退 院 後 も 継 続 して 患 者 さんをサポートして いく 体 制 が 必 要 と 言 われています 当 院 では 入 院 加 療 を 受 けた 患 者 さんが 退 院 後 も 外 来 通 院 で 心 臓 リハビリテーションを 継 続 しており 病 棟 看 護 師 も 参 加 しています 私 たちはこのリハビ リテーションの 機 会 を 生 かし 退 院 後 の 自 己 管 理 の 実 践 状 況 や 新 たな 問 題 点 を 確 認 しながら 患 者 さんが 上 手 に 自 己 管 理 を 続 けていく 事 が 出 来 るようアドバ イスを 行 っています 患 者 さんからは 些 細 な 悩 み 事 も 相 談 出 来 て 大 変 安 心 している 顔 なじみの 看 護 師 がいるから 話 し やすい などの 声 を 頂 いています 今 回 の 発 表 では この 取 り 組 みによる 再 入 院 を 予 防 する 効 果 までは 検 討 出 来 ていませんが 退 院 後 の 継 続 したサポートは 自 己 管 理 が 不 十 分 で 再 入 院 となる 患 者 さんを 減 らす 効 果 があると 言 われています 退 院 後 のサポートは 必 要 ですが 十 分 な 体 制 が 築 かれていない 現 状 がありますので 私 たちは 今 回 の 学 術 集 会 での 発 表 や 他 施 設 での 取 り 組 み 内 容 を 参 考 にしながらこの 取 り 組 みを 継 続 し より 良 いサポー ト 体 制 を 築 いていきたいと 考 えています 最 後 になりますが 本 学 会 への 参 加 にあたり 研 究 開 発 調 査 助 成 を 賜 りました 財 団 法 人 北 海 道 心 臓 協 会 に 心 より 厚 く 御 礼 申 し 上 げます 9
であることがわかりました また それぞれは 独 立 した 危 険 因 子 であり 慢 性 腎 臓 病 と 左 室 肥 大 は 栄 第 38 回 日 本 高 血 圧 学 会 総 会 養 障 害 との 組 み 合 わせによって 相 乗 的 に 心 血 管 病 発 症 率 を 増 加 させることが 明 らかになりました 慢 性 旭 川 医 科 大 学 内 科 学 講 座 腎 臓 病 や 左 室 肥 大 の 抑 制 のみならず 栄 養 状 態 の 改 循 環 呼 吸 神 経 病 態 内 科 学 分 野 大 学 院 生 善 も 心 血 管 病 発 症 率 を 低 下 させる 上 で 重 要 な 課 題 で 丸 山 啓 介 氏 あることが 明 らかになりました また 今 回 優 秀 演 題 に 採 択 され 英 語 で 発 表 する 機 第 38 回 日 本 高 血 圧 学 会 総 会 が2015 年 10 月 9 日 から 会 を 得 ました 初 めての 英 語 によるプレゼンテー 11 日 の 日 程 で 愛 媛 県 松 山 市 において 開 催 されました ションであったため 苦 労 する 事 が 多 かったのですが テーマは 今 求 められる 高 血 圧 治 療 と 先 端 研 究 の 融 その 一 方 で 英 語 での 発 表 の 準 備 質 疑 応 答 など 大 変 合 で 基 礎 研 究 から 臨 床 研 究 まで 高 血 圧 に 関 わる 勉 強 になりました 今 後 海 外 の 学 会 等 で 発 表 する 幅 広 い 演 題 が 発 表 され 活 発 なディスカッションが ためのステップアップとなる 学 会 発 表 となりました 行 われていました さて 今 回 学 会 が 行 われた 愛 媛 県 松 山 市 ですが 今 回 私 は 当 院 における 急 性 心 筋 梗 塞 や 脳 卒 中 な 瀬 戸 内 海 に 面 しており 温 暖 な 気 候 の 中 学 会 に 参 加 どの 心 血 管 病 発 症 に 対 する 慢 性 腎 臓 病 左 室 肥 大 することができました また 発 表 終 了 後 に 食 べた そして 栄 養 障 害 の 影 響 に 関 して 報 告 する 機 会 を 頂 き 瀬 戸 内 海 の 美 味 しい 食 事 地 ビール そして 地 酒 は ました 慢 性 腎 臓 病 左 室 肥 大 は 心 血 管 病 を 発 症 す すべての 疲 労 を 吹 き 飛 ばす 素 晴 らしいものでした る 重 要 な 危 険 因 子 であることが 以 前 より 知 られてい 2 年 後 の 高 血 圧 学 会 も 再 び 松 山 市 で 行 われる 予 定 で ますが 近 年 それらに 加 えて 栄 養 障 害 の 重 要 性 が 明 あり また 発 表 する 機 会 を 得 られるよう 日 常 診 療 か らかになっています 栄 養 障 害 つまり やせ は ら 研 究 活 動 まで 努 力 していきたいと 思 います 加 齢 とともに 増 加 し さらに 食 事 摂 取 量 の 不 足 や 運 最 後 になりましたが 本 学 会 の 参 加 にあたり 研 究 動 不 足 などにより 増 悪 します とくに 透 析 患 者 さん 開 発 調 査 助 成 を 賜 りました 財 団 法 人 北 海 道 心 臓 協 会 では 痩 せすぎ が 死 亡 率 や 心 血 管 病 発 症 率 を 増 加 に 対 し 厚 くお 礼 申 し 上 げます させることが 明 らかになってい ます そこで 今 回 非 透 析 患 者 において 慢 性 腎 臓 病 左 室 肥 大 そして 栄 養 障 害 がどのように 心 血 管 病 発 症 と 関 連 するかを 検 討 しました 結 果 ですが 現 在 までの 報 告 のとおり 慢 性 腎 臓 病 左 室 肥 大 をもつ 患 者 さんは 心 血 管 病 発 症 率 が 有 意 に 高 いことがわかりま したが さらに 栄 養 障 害 を 呈 す る 患 者 さんも 心 血 管 病 発 症 率 が 有 意 に 高 いことがわかり 栄 養 障 害 は 慢 性 腎 臓 病 左 室 肥 大 と 同 等 の 心 血 管 病 発 症 の 規 定 因 子 長 谷 部 教 授 を 囲 んで( 筆 者 は 後 列 右 から 3 人 目 ) 10
- 九 北 海 道 心 臓 協 会 からのお 知 らせ 9 月 10 日 ( 土 )に 料 理 教 室 開 催 予 定 時 間 : 10 : 00~14 : 00 場 所 : 光 塩 学 園 女 子 短 期 大 学 ( 札 幌 市 南 区 真 駒 内 上 町 3 丁 目 1-1) 講 師 : 光 塩 学 園 女 子 短 期 大 学 藤 本 真 奈 美 氏 ( 教 授 管 理 栄 養 士 ) 佐 藤 恵 氏 ( 講 師 管 理 栄 養 士 ) 佐 藤 はるか 氏 ( 助 手 管 理 栄 養 士 ) 開 催 日 詳 細 は 決 定 次 第 北 海 道 新 聞 からのお 知 らせ 欄 に 掲 載 する 予 定 です 北 海 道 心 臓 協 会 市 民 フォーラム2016 10 月 22 日 ( 土 ) 道 新 ホール ( 札 幌 市 中 央 区 大 通 西 3) < 無 料 健 康 相 談 >10 : 30~12 : 00 医 師 看 護 師 薬 剤 師 栄 養 士 による 循 環 器 疾 患 に 関 する 無 料 相 談 < 講 演 >13 : 10 開 場 13 : 30 開 演 第 一 部 北 海 道 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 循 環 病 態 内 科 学 分 野 講 師 絹 川 真 太 郎 氏 第 二 部 北 海 道 教 育 大 学 岩 見 沢 キャンパス スポーツマーケティング 研 究 室 専 任 講 師 元 コンサドーレ 札 幌 サッカー 選 手 曽 田 雄 志 氏 詳 細 は 本 誌 次 号 と 北 海 道 新 聞 紙 上 でお 知 らせします 一 発 般 行 財 団 平 法 成 人 二 北 八 海 年 道 六 心 月 臓 協 一 会 二 七 号 札 1( 幌 0 〇 市 6 一 中 0 一 央 ) 区 二 北 0 四 四 0 一 条 4 西 七 四 六 丁 六 目 伊 藤 組 内 - 0 藤 倉 英 幸 北 海 道 心 臓 協 会 のご 案 内 とお 願 い 一 般 財 団 法 人 北 海 道 心 臓 協 会 は 予 防 啓 発 や 研 究 調 査 に 対 する 研 究 助 成 などの 活 動 を 通 して 心 臓 血 管 病 の 予 防 制 圧 に 努 めています 本 協 会 は1981 年 に 創 設 され 一 貫 して 皆 様 の 賛 助 会 費 やご 寄 付 により 運 営 されています ご 協 力 をお 願 いします 何 口 でも 結 構 です 賛 助 会 費 ( 口 / 年 額 ) 一 般 会 員 1,000 円 個 人 会 員 3,000 円 法 人 会 員 10,000 円 緑 の 中 表 紙 心 臓 血 管 病 を 防 ぎ 健 康 と 明 るい 生 活 を 守 ります 一 般 財 団 法 人 北 海 道 心 臓 協 会 060-0004 札 幌 市 中 央 区 北 4 条 西 4 丁 目 1 番 地 伊 藤 組 内 TEL 011-241-9766 FAX 011-232-4678 mail:sinzoukyoukai@aurora-net.or.jp URL:http://www.aurora-net.or.jp/life/heart/ 北 海 道 心 臓 協 会 検 索 印 刷 株 式 会 社 須 田 製 版 http://www.aurora-net.or.jp/life/heart/ ホ ー ム ペ ー ジ ア ド レ ス