平 成 25 年 分 の 農 業 所 得 計 算 上 の 留 意 事 項 平 成 2 6 年 1 月 JA 新 潟 中 央 会 この 資 料 の 仕 訳 例 の 科 目 のあとの( )は 消 費 税 の 取 扱 いを 示 す 課 : 課 税 不 : 不 課 税 非 : 非 課 税?: 個 別 内 容 により 判 断 1. 米 の 仮 渡 金 の 入 金 共 計 における 精 算 払 いの 処 理 (1) 米 の 仮 渡 金 の 入 金 < 仕 訳 例 1> 仮 渡 金 の 入 金 9~10 月 頃 入 金 仮 渡 金 が 口 座 に 入 金 された ( 借 ) 預 金 / ( 貸 ) 売 上 高 ( 課 ) (2) 共 計 における 精 算 払 い 共 計 システムの 精 算 書 様 式 では 控 除 明 細 も 記 載 されているので 収 入 金 額 必 要 経 費 両 建 て( 総 額 主 義 の 原 則 )で 計 上 する < 仕 訳 例 2> 精 算 払 いの 入 金 精 算 払 い 金 が 口 座 に 入 金 された ( 借 ) 預 金 荷 造 運 賃 手 数 料 (?) 利 子 割 引 料 ( 非 ) 雑 費 (?) / ( 貸 ) 雑 収 入 ( 課 ) 雑 収 入 ( 課 ) 計 算 方 法 過 年 産 本 精 算 額 ( 精 算 書 で 確 認 ) 仮 渡 金 償 還 額 ( 精 算 書 で 確 認 ) 荷 造 運 賃 手 数 料 ( 精 算 書 で 確 認 ) 利 子 割 引 料 ( 精 算 書 で 確 認 ) 雑 費 ( 精 算 書 で 確 認 ) 口 座 への 入 金 額 ( 通 帳 で 確 認 ) 円 円 円 円 円 円 雑 収 入 に 計 上 (A) 必 要 経 費 に 計 上 (B) (A)-(B) - 1 -
2. 生 産 調 整 に 係 る 交 付 金 の 取 扱 い (1) 生 産 調 整 に 係 る 交 付 金 の 入 金 農 業 者 が 国 から 受 け 取 る 米 の 生 産 調 整 の 交 付 金 は 平 成 18 年 分 まで 税 制 上 の 特 例 措 置 により 一 時 所 得 として 収 入 金 額 とされてきたが 平 成 19 年 分 より 原 則 ど おり 農 業 所 得 の 収 入 金 額 に 算 入 することとなった < 仕 訳 例 3> 生 産 調 整 に 係 る 交 付 金 の 交 付 生 産 調 整 に 係 る 交 付 金 が 口 座 に 入 金 された ( 借 ) 預 金 / ( 貸 ) 雑 収 入 ( 不 ) 25 年 中 に 交 付 された( 又 は 交 付 予 定 の) 生 産 調 整 等 に 係 る 一 般 的 な 交 付 金 交 付 金 の 種 類 等 平 成 25 年 ( 月 ) 備 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 考 農 業 者 戸 別 所 得 補 償 制 度 畑 作 物 の 所 得 補 償 交 付 金 ( 営 農 継 続 支 払 ) 畑 作 物 の 所 得 補 償 交 付 金 ( 数 量 払 ) 水 田 活 用 の 所 得 補 償 交 付 金 ( 戦 略 作 物 助 成 ) 水 田 活 用 の 所 得 補 償 交 付 金 ( 二 毛 作 助 成 ) 水 田 活 用 の 所 得 補 償 交 付 金 ( 耕 畜 連 携 助 成 ) 水 田 活 用 の 所 得 補 償 交 付 金 ( 産 地 資 金 ) 米 の 所 得 補 償 交 付 金 米 価 変 動 補 填 交 付 金 (24 年 産 は 交 付 なし) 3 規 模 拡 大 加 算 再 生 利 用 加 算 経 営 所 得 安 定 対 策 畑 作 物 の 直 接 支 払 交 付 金 ( 営 農 継 続 支 払 ) 畑 作 物 の 直 接 支 払 交 付 金 ( 数 量 払 ) 1 水 田 活 用 の 直 接 支 払 交 付 金 ( 戦 略 作 物 助 成 ) 水 田 活 用 の 直 接 支 払 交 付 金 ( 二 毛 作 助 成 ) 水 田 活 用 の 直 接 支 払 交 付 金 ( 耕 畜 連 携 助 成 ) 2 水 田 活 用 の 直 接 支 払 交 付 金 ( 産 地 資 金 ) 2 米 の 直 接 支 払 交 付 金 米 価 変 動 補 填 交 付 金 3 再 生 利 用 交 付 金 2 水 田 畑 作 経 営 所 得 安 定 対 策 ( 収 入 減 少 影 響 緩 和 交 付 金 ) (24 年 産 は 交 付 なし) 4 ( 注 1) 表 中 の は24 年 度 対 策 は25 年 度 対 策 による 交 付 金 ( 注 2) なお 25 年 度 対 策 については 次 のような 交 付 予 定 とされている ただし 25 年 度 対 策 では 販 売 の 確 認 がとれない 限 り 交 付 されないため 交 付 時 期 が 遅 れる 可 能 性 がある 1 麦 なたねが11 月 交 付 予 定 大 豆 そば てん 菜 でん 粉 原 料 用 ばれいしょ1~3 月 交 付 予 定 2 翌 年 3 月 に 交 付 予 定 3 翌 年 5~6 月 に 交 付 予 定 4 翌 年 6 月 頃 交 付 予 定 - 2 -
0< 交 付 金 にかかる 一 般 的 な 注 意 点 > a. 交 付 決 定 通 知 を 受 けた 時 期 で 収 入 の 計 上 を 行 う b. 法 人 等 で 雑 収 入 以 外 の 勘 定 科 目 を 使 用 する 場 合 は 原 則 次 による 対 象 作 物 の 販 売 数 量 品 質 に 応 じて 交 付 価 格 補 填 収 入 ( 営 業 収 益 ) 例 : 畑 作 物 の 所 得 補 償 交 付 金 ( 数 量 払 ) 作 付 面 積 当 たりで 交 付 される 作 付 助 成 収 入 ( 営 業 外 収 益 ) 例 : 米 の 所 得 補 償 交 付 金 水 田 活 用 の 所 得 補 償 交 付 金 ( 戦 略 作 物 助 成 ) 価 格 下 落 分 の 補 填 として 交 付 経 営 安 定 補 填 収 入 ( 特 別 利 益 ) 例 : 米 価 変 動 補 填 交 付 金 - 3 -
(2) とも 補 償 ( 地 域 独 自 制 度 ) 平 成 15 年 度 をもって 全 国 とも 補 償 はなくなったが 地 域 独 自 でとも 補 償 を 実 施 し た 場 合 は 次 による 1 資 金 の 拠 出 ( 水 稲 作 付 面 積 割 円 /10a など) 生 産 者 からの 資 金 の 拠 出 金 の 支 払 いは 必 要 経 費 ( 雑 費 )に 算 入 する < 仕 訳 例 4> 資 金 の 拠 出 地 域 とも 補 償 資 金 を 拠 出 した( 口 座 振 替 ) ( 借 ) 雑 費 ( 不 ) / ( 貸 ) 預 金 2 とも 補 償 金 の 入 金 とも 補 償 基 金 から 生 産 者 への 補 償 金 の 支 払 いは 収 入 金 額 ( 雑 収 入 )に 算 入 する 年 内 に 実 際 の 支 払 がなくても 発 生 主 義 の 原 則 から 通 知 を 受 けた 場 合 や 補 償 金 が 計 算 できる 場 合 は 未 収 金 計 上 する < 仕 訳 例 5> とも 補 償 金 の 受 取 り とも 補 償 金 円 の 支 払 通 知 を 受 けた なお 支 払 いは 翌 年 となる ( 借 ) 未 収 金 / ( 貸 ) 雑 収 入 ( 不 ) ( 翌 年 ) 上 記 通 知 のとも 補 償 金 が 口 座 に 入 金 された ( 借 ) 預 金 / ( 貸 ) 未 収 金 3. 水 田 畑 作 経 営 所 得 安 定 対 策 の 取 扱 い 水 田 畑 作 経 営 安 定 対 策 は 従 前 の 生 産 条 件 不 利 補 正 対 策 ( 旧 ゲタ 対 策 )が 畑 作 物 の 所 得 補 償 交 付 金 畑 作 物 の 直 接 支 払 交 付 金 に 移 行 したが 収 入 減 少 影 響 緩 和 対 策 (ナ ラシ 対 策 )は 制 度 の 基 本 的 な 枠 組 みを 維 持 しつつ 存 続 している (1) 収 入 減 少 影 響 緩 和 対 策 (ナラシ 対 策 ) 1 積 立 金 の 納 付 ナラシ 対 策 の 生 産 者 積 立 金 は 拠 出 した 時 点 では 必 要 経 費 とならないため 預 け 金 等 の 資 産 科 目 で 処 理 する < 仕 訳 例 6> 積 立 金 の 納 付 7 月 末 までに 納 付 ナラシ 対 策 の 積 立 金 が 口 座 から 引 き 落 とされた ( 借 ) 預 け 金 等 / ( 貸 ) 預 金 2 交 付 金 の 交 付 交 付 金 は 支 払 われた 年 ( 交 付 決 定 通 知 がなされた 年 )の 雑 収 入 に 算 入 する < 仕 訳 例 7> 交 付 金 の 入 金 6 月 下 旬 に 入 金 ナラシ 対 策 の 交 付 金 が 口 座 に 入 金 された - 4 -
( 借 ) 預 金 / ( 貸 ) 雑 収 入 ( 不 ) 通 帳 には 摘 要 として 歳 出 金 通 帳 備 考 として ホクリクノウセイキョク と 印 字 される 3 積 立 金 の 返 納 ( 積 立 金 の 額 の 確 定 に 伴 う 返 納 交 付 金 の 交 付 に 伴 う 返 納 ) 積 立 金 の 返 納 であり 預 け 金 等 の 資 産 科 目 の 振 替 となり 課 税 は 生 じない < 仕 訳 例 8> 積 立 金 の 返 納 6 月 下 旬 に 入 金 ナラシ 対 策 の 積 立 金 が 返 納 ( 口 座 に 入 金 )された ( 借 ) 預 金 / ( 貸 ) 預 け 金 等 通 帳 には 摘 要 として 振 込 通 帳 備 考 として コウフヘンノウキン と 印 字 される なお 積 立 金 の 額 の 確 定 に 伴 う 返 納 と 交 付 金 の 交 付 に 伴 う 返 納 は 合 算 さ れて 入 金 されている (2) 事 務 委 託 費 の 出 金 対 策 加 入 申 請 等 の 事 務 をJAに 委 託 したことに 伴 い 事 務 委 託 費 を 支 払 ったときは 雑 費 として 必 要 経 費 に 算 入 する < 仕 訳 例 9> 事 務 委 託 費 の 出 金 ( 事 務 をJAに 委 託 したため) 事 務 委 託 費 が 口 座 から 引 き 落 とされた ( 借 ) 雑 費 ( 課 ) / ( 貸 ) 預 金 4. 営 農 資 金 に 係 る 利 子 助 成 営 農 資 金 に 係 る 利 子 助 成 事 業 の 補 給 金 は 受 領 した 年 の 収 入 金 額 に 算 入 する < 仕 訳 例 10> 利 子 助 成 の 入 金 補 給 金 が 口 座 に 入 金 された ( 借 ) 預 金 / ( 貸 ) 雑 収 入 ( 不 ) 5.JAによる 供 給 割 戻 処 理 の 取 扱 い 担 い 手 農 家 等 に 対 して 実 施 される 奨 励 金 等 の 支 払 い( 明 確 な 基 準 に 基 づく 供 給 割 戻 と しての 処 理 )は 農 家 にとって 仕 入 割 戻 に 該 当 するので 割 戻 金 は 雑 収 入 ではなく 必 要 経 費 の 減 額 処 理 とする なお その 割 戻 金 が 実 際 の 供 給 に 係 る 期 間 とズレが 生 じた 場 合 であっても 事 業 を 継 続 していることを 前 提 に 割 戻 金 の 入 金 日 に 処 理 しても 差 し 支 えない < 仕 訳 例 11 JA 独 自 支 援 策 による 資 材 価 格 等 支 援 金 の 入 金 支 援 金 ( 奨 励 金 )が 口 座 に 入 金 された ( 借 ) 預 金 / ( 貸 ) 肥 料 費 ( 課 ) 等 消 費 税 の 取 扱 いは 仕 入 に 係 る 対 価 の 返 還 - 5 -
参 考 仕 入 控 除 の 節 税 効 果 1 その 事 業 年 度 の 仕 入 総 額 が 減 少 するとともに 仕 入 単 価 も 減 少 して 期 末 棚 卸 高 が 減 少 し その 分 課 税 対 象 になる 利 益 が 減 少 する 2 仕 入 割 戻 を 仕 入 控 除 ではなく 雑 収 入 処 理 すると 計 上 時 に 課 税 される 3 消 費 税 の 簡 易 課 税 方 式 を 選 択 した 場 合 納 付 する 消 費 税 額 は 課 税 売 上 高 で 決 まることから 雑 収 入 処 理 すると この 雑 収 入 も 課 税 売 上 高 となり 納 付 する 消 費 税 額 も 増 加 する 6. 養 豚 経 営 安 定 対 策 事 業 における 生 産 者 負 担 金 生 産 者 負 担 金 については 平 成 21 年 度 までは 国 税 庁 長 官 の 指 定 を 受 けることにより その 支 払 時 に 必 要 経 費 の 額 に 計 上 することができた しかし 22 年 度 は 様 々な 理 由 に より 生 産 者 負 担 金 はその 支 払 時 ではなく 補 てん 金 の 原 資 となった 時 において 必 要 経 費 の 額 に 計 上 することとされた 23 年 度 24 年 度 の 扱 いについては 損 金 算 入 の 特 例 を 受 けるための 手 続 きが 継 続 中 であり その 結 論 が 出 ていないことから とりあえず 仮 払 金 として 処 理 しておく こととし 1 月 以 降 に 結 論 が 出 た 25 年 度 についても23 年 度 24 年 度 と 同 様 に 現 段 階 で 結 論 が 出 ていないことから とりあえず 仮 払 金 として 処 理 しておくこととする なお 同 事 業 に 参 加 している 農 家 等 に 対 して 独 立 行 政 法 人 農 畜 産 業 振 興 機 構 から 連 絡 がいく 予 定 である 7.その 他 留 意 事 項 (1) ここ 数 年 の 資 料 に 記 載 されていた 対 策 等 で 既 に 終 了 しているもの 1 米 需 給 調 整 需 要 拡 大 基 金 の 拠 出 金 2 集 荷 円 滑 化 対 策 の 拠 出 金 等 3 生 産 調 整 に 係 る 一 般 的 な 交 付 金 水 田 フル 活 用 推 進 交 付 金 産 地 確 立 交 付 金 産 地 づくり 交 付 金 需 要 即 応 型 交 付 金 水 田 等 有 効 活 用 交 付 金 自 給 力 向 上 戦 略 的 作 物 等 緊 急 需 要 拡 大 事 業 補 助 金 (23 年 3 月 交 付 で 終 了 ) 4 水 田 経 営 所 得 安 定 対 策 ( 生 産 条 件 不 利 補 正 対 策 <ゲタ 対 策 >) 5 燃 油 肥 料 価 格 高 騰 緊 急 対 策 ( 国 補 )の 交 付 金 - 6 -
(2) 農 業 経 営 基 盤 強 化 準 備 金 の 活 用 1 農 業 経 営 基 盤 強 化 準 備 金 制 度 の 概 要 a. 青 色 申 告 を 行 っている 認 定 農 業 者 ( 個 人 農 業 生 産 法 人 ) 等 が 後 掲 する2の 交 付 金 等 を 農 業 経 営 改 善 計 画 などに 従 い 農 業 経 営 基 盤 強 化 準 備 金 として 積 み 立 てた 場 合 この 積 立 額 を 個 人 は 必 要 経 費 に 法 人 は 損 金 に 算 入 できる b.さらに 農 業 経 営 改 善 計 画 などに 従 い 5 年 以 内 に 積 み 立 てた 準 備 金 を 取 り 崩 したり 受 領 した 交 付 金 などをそのまま 用 いて 農 用 地 新 品 の 農 業 用 の 構 築 物 と 農 業 用 設 備 ( 機 械 装 置 ) 等 の 固 定 資 産 を 取 得 した 場 合 圧 縮 記 帳 できる 2 対 象 となる 交 付 金 ( 平 成 25 年 度 の 対 象 となる 交 付 金 ) 経 営 所 得 安 定 対 策 の 交 付 金 畑 作 物 の 直 接 支 払 交 付 金 水 田 活 用 の 直 接 支 払 交 付 金 米 の 直 接 支 払 交 付 金 米 価 変 動 補 填 交 付 金 水 田 畑 作 経 営 所 得 安 定 対 策 ( 収 入 減 少 影 響 緩 和 対 策 交 付 金 ) 再 生 利 用 交 付 金 環 境 保 全 型 農 業 直 接 支 援 対 策 の 交 付 金 環 境 保 全 型 農 業 直 接 支 援 対 策 交 付 金 ( 地 方 公 共 団 体 がこれと 一 体 的 に 交 付 するものを 含 む ) 担 い 手 への 農 地 集 積 推 進 事 業 の 交 付 金 規 模 拡 大 交 付 金 3 対 象 となる 法 人 から 特 定 農 業 団 体 およびこれに 準 ずる 組 織 を 除 外 しており 集 落 営 農 など 地 域 で 受 領 した 場 合 は 対 象 となっていないことに 留 意 が 必 要 4 この 準 備 金 は 積 み 立 てた 翌 年 度 から5 年 を 経 過 した 場 合 は 順 次 収 入 金 額 ( 益 金 )に 算 入 され 課 税 対 象 となる つまり 平 成 19 年 に 積 み 立 てた 準 備 金 で 平 成 25 年 度 までに 使 用 されなかった 金 額 は 収 入 金 額 ( 益 金 )に 算 入 され 課 税 対 象 と なるので 留 意 が 必 要 - 7 -
(3) 農 業 所 得 の 計 算 上 間 違 いやすい 項 目 ( 個 人 の 場 合 ) < 収 入 に 関 すること> 1 金 銭 以 外 による 支 払 を 受 けた 場 合 その 物 の 時 価 により 計 上 2 家 事 消 費 した 場 合 の 価 額 通 常 他 に 販 売 する 価 額 により 計 上 なお 年 末 一 括 して 記 帳 することでも 可 能 3 他 人 に 贈 与 した 場 合 の 価 額 その 物 の 時 価 により 計 上 著 しく 低 い 価 額 (7 割 相 当 未 満 )の 場 合 その 差 額 も 計 上 する 必 要 あり 4 農 業 用 少 額 減 価 償 却 資 産 ( 取 得 価 額 10 万 円 未 満 )の 譲 渡 収 入 原 則 農 業 所 得 とする なお 農 業 の 用 に 供 する 土 地 建 物 器 具 備 品 果 樹 等 の 減 価 償 却 資 産 の 譲 渡 については 譲 渡 所 得 となる 5 農 作 業 の 報 酬 原 則 農 業 所 得 とする( 農 業 経 営 の 一 環 であれば) 6 農 事 組 合 法 人 から 支 払 いを 受 ける 従 事 分 量 配 当 次 の 取 り 扱 いとなる 給 与 と 従 事 分 量 配 当 を 支 給 配 当 所 得 として 取 り 扱 われる 従 事 分 量 配 当 のみ 支 給 農 業 所 得 として 取 り 扱 われる 参 考 農 事 組 合 法 人 における 剰 余 金 の 配 当 剰 余 金 の 配 当 a. 事 業 の 利 用 分 量 に 応 じた 支 払 い b. 事 業 に 従 事 した 程 度 に 応 じた 支 払 い( 従 事 分 量 配 当 ) c. 出 資 に 応 じた 支 払 い 7 加 害 者 からの 賠 償 金 ( 農 産 物 出 荷 中 の 交 通 事 故 ) 次 の 取 り 扱 いとなる 傷 の 治 療 費 非 課 税 ( 医 療 費 控 除 を 受 ける 場 合 医 療 費 から 控 除 ) 入 院 中 加 療 中 の 所 得 補 償 非 課 税 負 傷 に 対 する 慰 謝 料 非 課 税 トラックの 修 理 代 農 業 所 得 の 収 入 金 額 に 計 上 ( 修 理 代 の 必 要 経 費 算 入 の 見 合 い) 積 み 荷 の 損 害 賠 償 相 当 額 農 業 所 得 の 収 入 金 額 に 計 上 ( 注 ) 親 戚 知 人 からの 見 舞 金 は 非 課 税 となる 8 農 機 具 の 貸 付 による 謝 礼 農 業 所 得 の 収 入 金 額 に 計 上 ( 事 業 として 行 われ ていない 場 合 は 原 則 雑 所 得 だが 事 業 < 農 業 経 営 >の 遂 行 に 付 随 して 貸 し 付 け られているため) < 必 要 経 費 に 関 すること> 1 債 務 の 確 定 していない 費 用 原 則 必 要 経 費 に 算 入 できない 2 自 家 労 賃 ( 自 己 の 労 力 に 対 する 対 価 ) 必 要 経 費 に 算 入 できない( 収 入 必 要 経 費 が 同 一 人 のため プラス マイナス0となり 無 意 味 ) - 8 -
3 必 要 経 費 とならない 税 金 所 得 税 所 得 税 にかかる 延 滞 税 利 子 税 ( 農 業 所 得 の 確 定 申 告 の 延 納 にかかる 部 分 は 除 く) 道 府 県 民 税 市 町 村 民 税 道 府 県 民 税 市 町 村 民 税 の 延 滞 金 国 税 の 過 少 申 告 加 算 税 無 申 告 加 算 税 不 納 付 加 算 税 重 加 算 税 地 方 税 の 過 少 申 告 加 算 金 無 申 告 加 算 金 重 加 算 金 4 JAの 賦 課 金 必 要 経 費 となる 農 業 を 営 む 人 が 加 入 している 各 種 団 体 に 対 して 支 払 う 会 費 は その 団 体 の 活 動 が 農 業 と 相 当 程 度 の 関 係 があると 認 められる 場 合 必 要 経 費 に 算 入 できる 5 旅 費 宿 泊 費 交 際 費 接 待 費 農 業 の 遂 行 上 必 要 な 支 出 であれば 必 要 経 費 6 冠 婚 葬 祭 費 用 支 出 の 相 手 方 目 的 等 からみて 農 業 遂 行 上 もっぱら 必 要 なのかどうかで 判 断 例 えば 雇 人 得 意 先 従 業 員 等 への 冠 婚 葬 祭 費 用 は 必 要 経 費 となるが 隣 近 所 友 人 等 へのものは 家 事 費 として 支 出 すべきもの 7 建 物 ( 住 まい 農 業 兼 用 )の 火 災 共 済 掛 金 農 業 の 用 に 供 されている 部 分 の 保 険 料 が 必 要 経 費 となる 8 農 業 倉 庫 に 対 する10 年 満 期 の 火 災 保 険 掛 金 ( 満 期 返 戻 金 付 き) 払 込 保 険 料 のうち 満 期 返 戻 金 の 支 払 いに 充 てられる 積 立 保 険 料 の 部 分 ( 資 産 計 上 )を 除 いたものが 必 要 経 費 9 少 額 な 改 造 費 用 20 万 円 未 満 の 改 造 費 用 は 必 要 経 費 とすることができる ( 修 理 改 良 等 が 概 ね3 年 以 内 の 周 期 の 場 合 も 同 様 ) 10 資 本 的 支 出 か 修 繕 費 か 区 分 が 困 難 な 場 合 支 出 した 費 用 が60 万 円 に 満 た ない 場 合 当 該 資 産 の 前 年 12 月 31 日 における 取 得 価 額 の 概 ね 10% 相 当 額 以 下 で ある 場 合 全 額 を 修 繕 費 とすることが 可 能 参 考 資 本 的 支 出 とは 有 形 固 定 資 産 に 対 する 支 出 のうち その 資 産 の 使 用 可 能 期 間 を 延 長 させたり ま たはその 資 産 の 価 値 を 増 加 させたりするために 支 出 した 金 額 のこと 11 減 価 償 却 の 認 められない 資 産 価 値 の 減 少 しない 資 産 ( 土 地 土 地 の 上 に 損 する 権 利 電 話 加 入 権 書 画 骨 董 等 ) 現 に 業 務 の 用 に 供 されていない 資 産 ( 建 設 中 の 固 定 資 産 育 成 中 の 牛 馬 果 樹 工 具 機 具 備 品 等 ) 棚 卸 資 産 ( 販 売 目 的 で 保 有 飼 育 する 牛 馬 果 樹 ) なお 少 額 な 減 価 償 却 資 産 (10 万 円 未 満 )は 取 得 した 年 の 必 要 経 費 となる 12 事 業 用 固 定 資 産 の 盗 難 盗 難 にあった 年 の 必 要 経 費 となる 必 要 経 費 の 額 は 盗 難 時 の 未 償 却 残 高 ( 盗 難 月 までの 償 却 費 を 控 除 )となる 13 農 産 物 等 の 代 金 が 回 収 不 能 となった 場 合 貸 倒 損 失 として 必 要 経 費 となる - 9 -
14 親 族 に 支 払 った 地 代 家 賃 生 計 を 一 にする 親 族 に 支 払 う 対 価 は 必 要 経 費 に 算 入 できない ( 注 ) 生 計 を 一 にする とは 必 ずしも 同 一 の 家 屋 に 起 居 していることを 必 要 と はしないが 明 らかに 互 いが 独 立 した 生 活 を 営 んでいると 認 められる 場 合 を 除 いて 生 計 を 一 にする ものとして 取 り 扱 われる < 農 業 に 関 連 する 所 得 で 農 業 所 得 にならない 所 得 > 1 台 風 被 害 を 被 った 農 業 用 建 物 の 建 物 共 済 の 共 済 金 資 産 の 損 害 に 基 因 した 支 払 を 受 けるものについては 原 則 所 得 税 を 課 さない なお 資 産 の 損 害 につい て 農 業 所 得 の 必 要 経 費 または 雑 損 控 除 の 対 象 としようとするときは その 損 害 額 か ら 共 済 金 を 差 し 引 いた 金 額 によって 必 要 経 費 や 雑 損 控 除 の 金 額 を 計 算 する 2 生 命 共 済 契 約 に 基 づく 一 時 金 掛 金 を 誰 が 負 担 したかによって 課 税 対 象 が 異 なる 参 考 生 命 保 険 契 約 等 に 基 づく 一 時 金 の 課 税 関 係 契 約 者 ( 掛 金 支 払 者 ) 被 保 険 者 受 取 人 原 因 課 税 関 係 A B A 満 期 一 時 所 得 A B A 以 外 満 期 贈 与 税 A B A 死 亡 一 時 所 得 A B A 以 外 死 亡 贈 与 税 A A B 死 亡 相 続 税 3 農 機 具 更 新 共 済 から 受 ける 共 済 金 満 期 共 済 金 は 一 時 所 得 事 故 共 済 金 は その 帳 簿 価 額 を 超 える 金 額 は 非 課 税 ( 先 ずは 資 産 損 失 額 を 補 てんする 金 額 に 充 当 残 額 があればその 部 分 が 非 課 税 )となる 4 大 農 具 の 譲 渡 による 所 得 原 則 譲 渡 所 得 になる 5 所 有 農 地 の 小 作 料 収 入 農 地 等 不 動 産 の 貸 付 による 所 得 は 不 動 産 所 得 に なる 6 小 作 地 の 返 還 に 伴 う 地 主 から 支 払 われる 離 作 料 譲 渡 所 得 になる 7 国 県 市 町 村 の 委 員 報 酬 原 則 給 与 所 得 となる ただし 次 の 場 合 は 課 税 しなくともよいとされている a.その 委 員 会 を 設 置 している 国 等 から 委 員 報 酬 以 外 の 給 与 等 の 支 給 がないこと b. 委 員 として 旅 費 その 他 費 用 弁 償 を 受 けていないこと c. 年 間 の 報 酬 額 が1 万 円 以 下 であること( 委 員 会 毎 に 判 定 ) 8 農 業 者 老 齢 年 金 雑 所 得 となる( 国 民 年 金 等 の 他 の 公 的 年 金 と 同 様 ) 9 裏 山 に 自 生 するきのこの 販 売 代 金 原 則 雑 所 得 になる 裏 山 に 自 生 する きのこを 販 売 することは 事 業 には 該 当 しないが きのこを 採 取 して 販 売 することが - 10 -
その 規 模 収 益 の 状 況 その 他 の 事 情 から 総 合 的 にみて 事 業 に 該 当 すると 認 め られる 場 合 は 事 業 所 得 になる なお 継 続 性 や 対 価 性 からみて 一 時 所 得 に 該 当 する 可 能 性 もある 10 万 円 程 度 であれば 雑 所 得 にするのが 妥 当 10 市 町 村 の 土 地 収 用 にかかる 交 付 金 原 則 収 入 に 計 上 しない 交 付 目 的 に 従 って 資 産 等 を 移 転 した 場 合 その 費 用 に 充 てた 金 額 は 収 入 に 計 上 しない なお 交 付 金 に 残 額 がある 場 合 一 時 所 得 の 収 入 金 額 となる 11 自 宅 庭 にある 檜 の 売 却 代 金 庭 園 用 立 木 の 譲 渡 は 譲 渡 所 得 になる なお 一 般 的 に 立 木 の 譲 渡 は 山 林 所 得 となるが 庭 園 用 立 木 のような 観 賞 用 のものは 山 林 に 該 当 しない (4) 集 落 営 農 組 織 の 税 務 上 の 取 り 扱 い( 法 人 化 していない 場 合 ) < 概 要 > 集 落 営 農 組 織 は 税 制 面 から 見 ると 任 意 組 合 と 人 格 なき 社 団 に 区 分 され 税 制 面 の 取 り 扱 いも 異 なる なお 任 意 組 合 として 認 められるためには 次 のことに 留 意 する 必 要 がある 1 利 益 を 構 成 員 ( 組 合 員 )に 全 て 配 分 し 構 成 員 による 適 正 な 税 務 申 告 2 構 成 員 による 共 同 事 業 性 を 確 保 した 規 約 運 営 ルールの 整 備 明 確 化 < 任 意 組 合 に 対 する 税 務 の 概 要 > 1 所 得 税 a. 生 産 組 織 の 損 益 は その 持 分 割 合 に 応 じた 額 が 構 成 員 の 損 益 となる b. 構 成 員 の 所 得 について この 損 益 の 分 配 のほか 組 合 事 業 に 従 事 したことによ る 日 当 給 料 は 生 計 を 一 にする 家 族 分 を 含 めすべて 農 業 所 得 となる( 各 構 成 員 は これらの 額 を 加 えて 農 業 所 得 を 計 算 し 申 告 しなければならない 給 与 の 源 泉 徴 収 事 務 は 不 要 ) c. 任 意 組 合 は 原 則 として 暦 年 で 決 算 し 構 成 員 に 対 し 損 益 の 分 配 をしなければな らない( 暦 年 でない 会 計 期 間 を 定 めているときはそれによる) d. 固 定 資 産 取 得 のための 補 助 金 は 課 税 されず その 金 額 だけ 固 定 資 産 を 減 額 する 2 消 費 税 a. 任 意 組 合 の 課 税 売 上 高 課 税 仕 入 高 は 持 分 割 合 に 応 じた 計 算 で 構 成 員 個 人 に 帰 属 する b. 基 準 期 間 ( 前 々 年 )における 構 成 員 の 課 税 売 上 ( 任 意 組 合 分 を 含 めた 合 算 額 ) が 1,000 万 円 超 となれば 課 税 事 業 者 となる c.この 場 合 簡 易 課 税 制 度 選 択 者 は 課 税 売 上 金 額 ( 事 業 区 分 別 )の 分 配 計 算 のみ でよいが 原 則 課 税 業 者 は 課 税 売 上 と 課 税 仕 入 全 てについての 分 配 計 算 をしなけ ればならない - 11 -
< 任 意 組 合 の 構 成 員 への 損 益 等 の 配 分 > 1 損 益 計 算 の 全 体 的 な 流 れ < 複 式 簿 記 > PC 会 計 など < 単 式 簿 記 > 現 金 預 金 出 納 帳 中 心 全 ての 取 引 0 貸 借 対 照 表 損 益 計 算 書 0 0 修 正 収 支 計 算 書 0 損 益 等 の 構 成 員 への 配 分 構 成 員 個 人 の 申 告 2 構 成 員 の 所 得 組 織 から 得 るもの 組 織 と 無 関 係 のもの 労 賃 等 無 関 係 な 所 得 ( 賃 金 手 当 出 役 労 賃 役 員 報 酬 + 作 業 委 託 料 地 代 賃 借 料 ) ( 集 落 組 織 と 関 係 ない 農 業 所 得 等 ) + 配 分 利 益 出 役 労 賃 には 家 族 分 を 含 む 3 消 費 税 の 申 告 (イメージ) 組 織 から 配 分 された 課 税 売 上 高 1,000 万 円 + 組 織 と 無 関 係 な 課 税 売 上 高 免 税 事 業 者 > 1,000 万 円 課 税 事 業 者 課 税 事 業 者 の 場 合 個 人 と 組 織 から 配 分 された 課 税 売 上 課 税 仕 入 の 合 計 によ り 申 告 する 現 金 預 金 の 取 引 以 上 - 12 -