１から学ぶNPO法人会計基準対応事業報告書＆計算書類作成セミナー

新 しい 公 共 支 援 事 業 NPO 新 時 代 を 拓 く 組 織 運 営 の 力 量 アップ 支 援 事 業 1から 学 ぶ NPO 法 人 会 計 基 準 対 応 事 業 報 告 書 & 計 算 書 類 作 成 セミナー( 名 古 屋 会 場 ) 中 尾 さゆり( 特 定 非 営 利 活 動 法 人 ボランタリーネイバーズ 相 談 事 業 部 長 ) 1. NPO 法 改 正 の 概 要 特 定 非 営 利 活 動 促 進 法 の 改 正 が2012 年 4 月 1 日 に 施 行 されます (1) 所 轄 庁 の 変 更 名 古 屋 市 内 にのみ 事 務 所 を 置 く 法 人 は 愛 知 県 から 名 古 屋 市 へ 所 轄 庁 が 変 更 (2) 会 計 の 明 確 化 収 支 計 算 書 から 活 動 計 算 書 へ 変 更 収 支 予 算 書 も 活 動 予 算 書 に 変 更 (3) 手 続 きの 簡 素 化 定 款 変 更 の 際 届 出 のみで 変 更 できる 事 項 が 追 加 従 来 : 事 務 所 の 所 在 地 の 変 更 資 産 に 関 する 事 項 の 変 更 公 告 の 方 法 の 変 更 追 加 : 役 員 定 数 会 計 に 関 する 事 項 事 業 年 度 及 び 解 散 に 関 する 事 項 ( 残 余 財 産 の 譲 渡 先 を 除 く) (4) 情 報 開 示 充 実 役 員 変 更 届 に 新 年 度 における 全 役 員 名 簿 の 添 付 が 必 要 役 員 名 簿 の 氏 名 欄 には ふ りがなを 付 ける (5) 情 報 開 示 充 実 主 たる 事 務 所 だけではなく 従 たる 事 務 所 においても 関 係 書 類 の 備 付 の 義 務 が 拡 大 関 係 書 類 : 事 業 報 告 書 等 ( 事 業 報 告 書 計 算 書 類 ) 最 新 役 員 名 簿 定 款 設 立 認 証 書 ( 定 款 変 更 認 証 書 )の 写 し 登 記 事 項 証 明 書 の 写 し (6)その 他 の 変 更 点 1 理 事 の 代 表 権 の 定 款 による 制 限 定 款 に 明 記 すれば 代 表 権 限 の 制 限 を 善 意 の 第 三 者 にも 対 抗 できるようになります 但 し 理 事 長 ( 代 表 理 事 ) 以 外 の 理 事 はこの 法 人 の 業 務 についてこの 法 人 を 代 表 し ない 旨 の 規 定 を 定 款 に 記 載 し 所 轄 庁 の 定 款 変 更 認 証 が 必 要 となります なお 役 員 登 記 の 変 更 も 必 要 です 2 総 会 の 省 略 総 会 の 議 題 となる 事 項 について 正 会 員 全 員 が 書 面 や 電 磁 的 記 録 で 同 意 の 意 思 を 表 示 した 時 は 提 案 を 可 決 したとみなすことができるようになります 3 解 散 時 の 公 告 従 来 公 告 ( 官 報 掲 載 )は 少 なくとも 3 回 とされていましたが 1 回 で 足 りるよう になります 詳 細 は 内 閣 府 HP 参 照 : 特 定 非 営 利 活 動 促 進 法 の 一 部 を 改 正 する 法 律 について https://www.npo-homepage.go.jp/about/201204_kaisei.html NPO 法 人 会 計 基 準 の 理 解 と 定 款 変 更 がポイント 1

2. 計 算 書 類 のポイント~NPO 法 人 会 計 基 準 とは NPO 法 人 会 計 基 準 協 議 会 が 策 定 した 会 計 基 準 内 閣 府 特 定 非 営 利 活 動 法 人 の 会 計 の 明 確 化 に 関 する 研 究 会 においても 現 段 階 において NPO 法 人 会 計 基 準 は 特 活 法 人 の 望 ましい 会 計 基 準 であると 考 える と 位 置 づけられている (1) 基 本 的 考 え 方 市 民 の 期 待 とそれにこたえるべきNPO 法 人 の 責 任 の 双 方 にふさわしい 会 計 基 準 と はいかなるものであるか を 策 定 作 業 の 出 発 点 とする 情 報 公 開 の 重 要 な 部 分 を 占 める 会 計 報 告 では 1 市 民 にとってわかりやすいこと 2NPO 法 人 の 信 頼 性 の 向 上 につながること (2) 計 算 書 類 の 体 系 NPO 法 ( 現 時 点 ) 財 産 目 録 貸 借 対 照 表 収 支 計 算 書 収 支 予 算 書 NPO 法 計 算 書 類 ( 活 動 計 算 書 貸 借 対 照 表 ) 活 動 予 算 書 (2012 年 4 月 1 日 以 降 ) 及 び 財 産 目 録 NPO 法 人 会 計 基 準 財 務 諸 表 ( 活 動 計 算 書 及 び 貸 借 対 照 表 ) - 及 び 財 産 目 録 注 記 活 動 計 算 書 : 一 定 期 間 におけるNPO 法 人 の 活 動 状 況 を 表 す 計 算 書 営 利 企 業 におけ る 損 益 計 算 書 に 相 当 するフローの 計 算 書 収 支 計 算 書 と 比 較 し NPO 法 人 の 財 務 的 生 存 力 を 把 握 しやすい 収 支 計 算 書 : 資 金 の 収 支 を 記 載 した 計 算 書 貸 借 対 照 表 : 年 度 末 時 点 でのNPO 法 人 の 資 産 負 債 正 味 財 産 の 有 高 を 示 すもの 資 産 の 合 計 = 負 債 の 合 計 + 正 味 財 産 の 合 計 となっている 財 産 目 録 : 貸 借 対 照 表 等 を 補 完 する 書 類 として 位 置 づけられる * 例 示 用 資 料 P.4 参 照 (3) 内 容 のポイント 1 収 支 計 算 書 から 活 動 計 算 書 へ (コスト 計 算 財 務 的 生 存 力 ) 活 動 計 算 書 は 1 年 間 の 収 益 から 費 用 や 損 失 を 引 いて 1 年 で 正 味 財 産 がどれだけ 増 減 したかを その 原 因 の 面 から 表 すもの( NPO 法 人 会 計 基 準 完 全 収 録 版 P106) 2

2 経 常 費 用 の 区 分 1) 経 常 費 用 を 事 業 費 と 管 理 費 に 分 ける 事 業 費 と 管 理 費 の 定 義 按 分 方 法 については Q&A で 解 説 ( NPO 法 人 会 計 基 準 完 全 収 録 版 P.112-115 133-136) 事 業 費 と 管 理 費 の 考 え 方 明 らかに 個 別 の 事 業 の 経 費 と 特 定 できる 費 用 事 業 費 管 理 費 共 通 経 費 のうち 事 業 部 門 の 経 費 として 配 賦 される 費 用 共 通 経 費 のうち 管 理 部 門 の 経 費 として 配 賦 される 費 用 明 らかに 管 理 部 門 の 経 費 と 特 定 できる 費 用 法 人 全 体 に 係 る 費 用 ( 共 通 経 費 ) * 按 分 方 法 按 分 : 基 準 となる 比 率 を 決 め その 比 率 に 応 じて 共 通 経 費 を 分 ける 作 業 按 分 の 方 法 : 従 事 割 合 使 用 割 合 建 物 面 積 比 職 員 数 比 2)それぞれを 人 件 費 とその 他 経 費 に 分 ける 3) 事 業 費 は 形 態 別 に 把 握 する 目 的 別 4) 複 数 事 業 の 開 示 複 数 事 業 を 実 施 している 場 合 には 事 業 別 開 示 を 推 奨 ( 注 記 ) 事 業 費 の 内 訳 ( NPO 法 人 会 計 基 準 完 全 収 録 版 P.75) 事 業 別 の 損 益 (パンフ レット NPO 法 人 会 計 基 準 完 全 収 録 版 P.76) 3 使 途 が 制 約 された 寄 付 金 等 使 途 が 制 約 された 寄 付 金 とは: このような 目 的 に 使 って 欲 しい といって 受 け 取 っ た 寄 付 金 等 で 期 末 までに 使 い 切 っていないもの 原 則 : 注 記 重 要 性 が 高 い 場 合 : 貸 借 対 照 表 の 正 味 財 産 の 部 を 指 定 正 味 財 産 と 一 般 正 味 財 産 に 区 分 するとともに 活 動 計 算 書 においても 指 定 正 味 財 産 増 減 計 算 の 部 一 般 正 味 財 産 増 減 計 算 の 部 の 区 分 を 設 け それぞれの 動 きを 表 示 ( NPO 法 人 会 計 基 準 完 全 収 録 版 P.155-157) 4 無 償 著 しく 低 い 価 額 の 施 設 の 提 供 等 やボランティアを 会 計 に 取 り 込 むことができ る( NPO 法 人 会 計 基 準 完 全 収 録 版 P.139-154) 原 則 : 会 計 的 には 認 識 しない 合 理 的 に 金 額 を 算 定 できる 場 合 : 注 記 できる( NPO 法 人 会 計 基 準 完 全 収 録 版 P.89) 財 務 諸 表 に 計 上 するに 足 りるほど 客 観 的 なものである 場 合 : 活 動 計 算 書 に 計 上 できる ( NPO 法 人 会 計 基 準 完 全 収 録 版 :P.84 87) 3

5 注 記 * 該 当 事 項 がない 場 合 は 記 載 不 要 1) 重 要 な 会 計 方 針 2) 会 計 方 針 の 変 更 3) 事 業 別 損 益 の 状 況 4) 施 設 の 提 供 等 の 物 的 サービスの 受 入 の 内 訳 5) 活 動 の 原 価 に 当 たって 必 要 なボランティアによる 役 務 の 提 供 の 内 訳 6) 使 途 等 が 指 定 された 寄 附 金 等 の 内 訳 7) 固 定 資 産 の 増 減 の 内 訳 科 目 有 形 固 定 資 産 什 器 備 品 無 形 固 定 資 産 ソフトウェア 投 資 その 他 の 資 産 敷 金 合 計 期 首 取 得 価 額 1,000,000 取 得 350,000 減 少 期 末 取 得 価 額 1,000,000 350,000 減 価 償 却 累 計 額 500,000 50,000 ( 単 位 : 円 ) 期 末 帳 簿 価 額 500,000 300,000 120,000 120,000 120,000 1,120,000 350,000 0 1,470,000 550,000 920,000 8) 借 入 金 の 増 減 の 内 訳 ( 単 位 : 円 ) 科 目 期 首 残 高 当 期 借 入 当 期 返 済 期 末 残 高 役 員 借 入 金 1,200,000 200,000 1,000,000 9) 役 員 及 びその 親 近 者 との 取 引 の 内 容 科 目 ( 活 動 計 算 書 ) 業 務 委 託 費 ( 事 業 費 ) 活 動 計 算 書 計 計 算 書 類 に 計 上 された 金 額 ( 単 位 : 円 ) 内 役 員 及 び 近 親 者 との 取 引 2,640,000 2,000,000 2,640,000 2,000,000 1) 役 員 の 範 囲 1 役 員 2その 親 近 者 (2 親 等 内 ) 3 支 配 法 人 2) 金 額 的 重 要 性 100 万 円 以 下 3) 役 員 に 対 する 報 酬 賞 与 及 び 退 職 慰 労 金 の 支 払 並 びにこれらに 順 ずる 取 引 は 注 記 を 要 しない 10)その 他 特 定 非 営 利 活 動 法 人 の 資 産 負 債 及 び 正 味 財 産 の 状 態 並 びに 正 味 財 産 の 増 減 の 状 況 を 明 らかにするために 必 要 な 事 項 4

6 小 規 模 法 人 への 対 応 重 要 性 の 原 則 を 柔 軟 に 解 釈 して 少 しでも 負 担 の 軽 減 を 図 る という 方 向 性 簡 便 な 方 法 をとる 場 合 は 全 体 的 に 利 用 者 の 判 断 を 誤 らせないように 最 大 限 配 慮 しな ければならない 重 要 な 事 項 はより 詳 細 な 会 計 報 告 をすることを 明 らかにする (4) 導 入 にあたって 1 導 入 時 期 :NPO 法 は2012 年 4 月 1 日 施 行 (2012 年 4 月 1 日 以 降 開 始 事 業 年 度 分 から) 経 過 措 置 あり 2 事 業 区 分 勘 定 科 目 の 整 理 3 複 式 簿 記 発 生 主 義 会 計 4 会 計 ソフトの 導 入 検 討 3. 事 業 報 告 書 等 作 成 に 係 る 手 続 き 事 業 報 告 書 等 の 作 成 が 終 わったら 利 害 関 係 者 に 対 して 法 人 が 行 ってきた 活 動 につ いて 報 告 する 必 要 があります 具 体 的 には 次 のような 報 告 や 承 認 の 手 続 きを 行 う 必 要 が あります 事 業 報 告 書 等 の 作 成 ( 定 款 の 規 定 により 代 表 者 が 作 成 することになっているケースが 多 い) 監 事 による 事 業 報 告 書 等 の 監 査 理 事 会 における 事 業 報 告 書 等 の 承 認 社 員 総 会 における 事 業 報 告 等 と 承 認 NPO 法 により 総 会 開 日 の5 日 前 までに 開 催 通 知 が 必 要 定 款 も 要 チェック 事 業 年 度 終 了 後 3 ヶ 月 以 内 に 行 う 但 し 税 務 申 告 がある 場 合 には2ヶ 月 以 内 所 轄 庁 への 事 業 報 告 書 等 の 提 出 登 記 税 務 申 告 など 必 要 な 手 続 5

(1) 監 事 による 事 業 報 告 書 等 の 監 査 監 事 は 理 事 の 業 務 執 行 や 法 人 の 財 産 状 況 を 監 査 する 権 限 と 責 任 を 持 っています ま た 職 務 として 次 の5つの 権 限 が 定 められています また 理 事 又 は 特 定 非 営 利 活 動 法 人 の 職 員 との 兼 務 は 禁 止 されています (NPO 法 第 18 条 19 条 ) 1 理 事 の 業 務 執 行 の 状 況 を 監 査 すること 2 特 定 非 営 利 活 動 法 人 の 財 産 の 状 況 を 監 査 すること 3 前 2 号 の 監 査 の 結 果 特 定 非 営 利 活 動 法 人 の 業 務 又 は 財 産 に 関 し 不 正 の 行 為 又 は 法 令 若 しくは 定 款 に 違 反 する 重 大 な 事 実 があることを 発 見 し た 場 合 には これを 社 員 総 会 又 は 所 轄 庁 に 報 告 すること 4 前 号 の 報 告 をするために 必 要 がある 場 合 には 社 員 総 会 を 招 集 すること 5 理 事 の 業 務 執 行 の 状 況 又 は 特 定 非 営 利 活 動 法 人 の 財 産 の 状 況 について 理 事 に 意 見 を 述 べること そのため 監 事 は 事 業 報 告 書 などの 監 査 を 行 った 後 で 監 査 報 告 書 を 作 成 し 理 事 会 に 提 出 することが 望 ましいでしょう 監 査 報 告 書 は 理 事 や 会 員 に 対 して 事 業 報 告 書 等 の 信 頼 性 について 報 告 するとともに 監 事 が 自 らの 責 任 を 果 たしたことを 証 明 する 書 類 になります 1 2 (2) 理 事 会 における 事 業 報 告 書 等 の 承 認 理 事 の 職 務 は 団 体 の 業 務 を 決 定 し 執 行 することです 事 業 報 告 書 等 は 理 事 が 行 ってきた1 年 間 の 団 体 運 営 の 成 果 を 示 す 書 類 となります 理 事 会 で 事 業 報 告 書 等 に 承 認 を 与 えることにより 理 事 は 事 業 報 告 書 等 が 真 実 の 報 告 を 行 っていることを 認 めるとと もに 自 らがその 責 任 を 果 たしたことを 利 害 関 係 者 に 報 告 する 必 要 があります 3 (3) 社 員 総 会 への 事 業 報 告 書 等 の 報 告 と 承 認 社 員 は 社 員 総 会 において 議 決 権 をもつ 人 のことであり NPO 法 人 の 活 動 に 関 する 基 本 方 針 を 決 定 する 権 限 をもっています NPO 法 人 では 通 常 社 員 のことを 会 員 と 呼 ぶことが 多 いようです 社 員 の 範 囲 については 定 款 に 明 示 することになってい ます 所 轄 庁 に 提 出 する 事 業 報 告 書 等 や 法 人 税 の 申 告 書 は 社 員 総 会 の 承 認 を 受 けて 確 定 し た 決 算 に 基 づいて 作 成 する 必 要 があります 多 くの NPO 法 人 の 定 款 において 事 業 報 告 書 等 の 承 認 は 社 員 総 会 議 決 事 項 となって いるため 総 会 承 認 後 正 式 な 書 類 になります そのため スケジュールに 余 裕 をもって 社 員 総 会 を 開 催 してください 4 1 基 礎 からわかるNPO 会 計 145-147 頁 2 NPO 会 計 税 務 専 門 家 ネットワークが 提 案 する NPO 法 人 の 監 事 の 監 査 チェックリス ト などを 参 考 にするとよいでしょう(http://npoatpro.org/kaikeitools/audit.pdf) 3 基 礎 からわかるNPO 会 計 146 頁 4 基 礎 からわかるNPO 会 計 147-148 頁 6

(4) 所 轄 庁 への 事 業 報 告 等 の 提 出 事 業 年 度 終 了 日 から3ヶ 月 以 内 に 上 記 (1)~(3)の 手 続 きを 完 了 させ 事 業 報 告 書 等 を 所 轄 庁 に 提 出 しないといけません 事 業 報 告 書 等 を 所 轄 庁 に 提 出 しない 場 合 理 事 及 び 監 事 に 20 万 円 以 下 の 過 料 を 科 す ることが 法 律 で 定 められています また3 年 以 上 事 業 報 告 書 等 の 提 出 を 行 わない 場 合 には 所 轄 庁 はNPO 法 人 の 認 証 を 取 り 消 すことができる とも 定 められています(NPO 法 第 43 条 ) 所 轄 庁 ( 愛 知 県 名 古 屋 市 )に 提 出 する 書 類 5 何 を どんな 書 類 か 事 業 報 告 書 前 年 度 にどのような 事 業 を 行 ったかについて 説 明 する 書 類 財 産 目 録 貸 借 対 照 表 収 支 計 算 書 ( 活 動 計 算 書 ) 役 員 名 簿 社 員 名 簿 貸 借 対 照 表 の 明 細 事 業 年 度 終 了 日 ( 例 :3 月 31 日 ) 現 在 の 資 産 や 負 債 正 味 財 産 の 状 況 を 勘 定 科 目 ごとに 集 計 した 表 収 支 計 算 書 : 事 業 年 度 内 ( 例 :4 月 1 日 ~ 翌 3 月 31 日 )の 資 金 の 収 支 を 記 載 した 計 算 書 活 動 計 算 書 : 一 定 期 間 ( 事 業 年 度 内 )における 活 動 状 況 を 表 す 計 算 書 前 事 業 年 度 で 役 員 であった 者 の 氏 名 住 所 と 各 役 員 が 役 員 報 酬 を 受 け 取 ったかどうかを 記 載 した 名 簿 社 員 ( 会 員 )のうち 10 人 以 上 の 氏 名 住 所 を 記 載 した 書 類 (5) 税 務 署 等 への 申 告 書 の 提 出 法 人 税 法 上 の 収 益 事 業 を 行 っている 団 体 は 収 支 計 算 書 ( 活 動 計 算 書 )から 収 益 事 業 に 該 当 する 部 分 だけを 抜 き 出 して 損 益 計 算 書 及 びそれに 基 づく 法 人 税 の 申 告 書 を 作 成 し 所 轄 の 税 務 署 に 提 出 しなければなりません 法 人 税 の 申 告 書 の 提 出 期 限 は 事 業 年 度 終 了 日 から2ヶ 月 以 内 です 1 法 人 税 法 上 の 収 益 事 業 を 行 っている 場 合 税 目 何 を いつまでに 法 人 税 確 定 申 告 書 及 び 一 定 の 添 付 書 類 事 業 年 度 終 了 後 2ヶ 月 以 内 法 人 県 民 税 事 業 税 法 人 県 民 税 の 確 定 申 告 書 事 業 年 度 終 了 後 2ヶ 月 以 内 法 人 市 町 村 民 税 法 人 市 民 税 の 確 定 申 告 書 事 業 年 度 終 了 後 2 ヶ 月 以 内 * 法 人 税 法 上 の 収 益 事 業 を 行 っている 場 合 であっても 法 人 住 民 税 ( 県 民 市 民 な ど)( 均 等 割 )の 減 免 をすることができることがあるようです 所 轄 の 県 税 事 務 所 市 町 村 役 場 に 問 い 合 わせてください 5 愛 知 県 特 定 非 営 利 活 動 法 人 の 手 引 き~ 設 立 から 管 理 運 営 まで~ 43 頁 ~ 参 照 7

2 法 人 税 法 上 の 収 益 事 業 を 行 っていない 場 合 税 目 何 を いつまでに 法 人 税 - - 法 人 県 民 税 事 業 税 法 人 等 の 県 民 税 減 免 申 請 書 事 業 年 度 終 了 後 2ヶ 月 以 内 法 人 市 町 村 民 税 法 人 等 の 市 民 税 減 免 申 請 書 事 業 年 度 終 了 後 1ヶ 月 以 内 (6) 法 務 局 への 登 記 法 務 局 からは 登 記 のお 知 らせなどの 書 類 は 一 切 送 られてきません 従 って 法 務 局 への 登 記 を 要 する 内 容 を よく 確 認 して 下 さい 特 に 役 員 の 任 期 は 自 動 更 新 ではない 為 に 任 期 満 了 に 伴 い 改 めて 任 命 手 続 きを 行 う 必 要 があります 任 期 は 定 款 や 附 則 に 必 ず 記 載 され ていますので 再 度 確 認 した 上 で 必 要 に 応 じて 手 続 きを 行 って 下 さい どんな 場 合 何 を いつまでに 決 算 終 了 後 資 産 の 総 額 ( 正 味 財 産 )に 変 更 があった 場 合 役 員 の 変 更 があった 場 合 ( 任 期 満 了 につ き 重 任 した 場 合 を 含 む) 変 更 登 記 申 請 書 変 更 登 記 申 請 書 事 業 年 度 終 了 後 2ヶ 月 以 内 に 主 たる 事 務 所 の 所 在 地 に おいては 2 週 間 以 内 従 た る 事 務 所 の 所 在 地 におい ては 3 週 間 以 内 (7) 法 人 事 務 所 における 情 報 公 開 NPO 法 人 は 毎 事 業 年 度 開 始 日 から 3 ヶ 月 以 内 に 下 記 の 1~6 に 記 載 する 事 業 報 告 書 等 を 作 成 し これを 翌 々 年 の 末 日 まで 下 記 の 7~9 の 書 類 とともに 主 たる 事 務 所 に 備 え 置 くこと が 義 務 づけられています(2012 年 4 月 1 日 から 従 たる 事 務 所 にも 備 付 ) また 社 員 その 他 の 利 害 関 係 人 からの 閲 覧 の 請 求 があった 場 合 には 正 当 な 理 由 がある 場 合 を 除 いて 閲 覧 させなければなりません 6 作 成 備 置 き 書 類 備 考 1 事 業 報 告 書 前 事 業 年 度 分 2 財 産 目 録 前 事 業 年 度 分 3 貸 借 対 照 表 前 事 業 年 度 分 4 収 支 計 算 書 ( 活 動 計 算 書 ) 5 役 員 名 簿 前 事 業 年 度 分 前 事 業 年 度 で 役 員 であった 者 の 氏 名 住 所 と 各 役 員 が 役 員 報 酬 を 受 け 取 ったかどうかを 記 載 した 名 簿 6 社 員 名 簿 社 員 ( 会 員 )のうち 10 人 以 上 の 氏 名 住 所 を 記 載 した 書 類 7 定 款 8 認 証 書 の 写 し 9 登 記 に 関 する 書 類 の 写 し 6 NPO 法 第 28 条 参 照 8

4. 定 款 変 更 の 手 続 き (1) 定 款 変 更 の 手 続 き( 一 般 的 な 流 れ) 7 社 員 総 会 の 通 知 社 員 総 会 定 款 変 更 認 証 申 請 公 告 縦 覧 < 申 請 後 2ヶ 月 間 > 決 定 通 知 < 申 請 後 4ヶ 月 以 内 > * 登 記 事 項 に 変 更 が 生 じた 場 合 には 登 記 の 変 更 も 必 要 になります (2) 軽 微 な 定 款 変 更 手 続 きの 流 れ 社 員 総 会 の 通 知 社 員 総 会 定 款 変 更 の 届 出 * 登 記 事 項 に 変 更 が 生 じた 場 合 には 登 記 の 変 更 も 必 要 になります (3) 定 款 変 更 箇 所 (NPO 法 人 会 計 基 準 の 導 入 の 場 合 ) ア 総 会 の 機 能 の 変 更 ( 収 支 予 算 活 動 予 算 収 支 決 算 決 算 ) イ 資 産 の 区 分 の 削 除 * 資 産 を 特 定 非 営 利 活 動 /その 他 の 事 業 で 区 分 している 場 合 ウ 事 業 計 画 及 び 予 算 ( 収 支 予 算 活 動 予 算 ) エ 事 業 報 告 及 び 決 算 ( 収 支 計 算 書 活 動 計 算 書 ) オ 定 款 変 更 の 認 証 事 項 の 変 更 カ 附 則 について * 愛 知 県 は 定 款 変 更 認 証 申 請 書 兼 定 款 変 更 届 出 書 ( 案 )あり 5. 税 金 の 種 類 と 税 率 (1) 法 人 税 法 人 税 法 上 の 収 益 事 業 に 該 当 する 事 業 を 行 っている 場 合 のみ 法 人 税 の 申 告 納 税 を しなくてはなりません 法 人 税 法 上 の 収 益 事 業 とは? NPO 法 人 が 行 う 本 来 事 業 であっても その 本 来 事 業 が 法 人 税 法 上 の 収 益 事 業 に 該 当 し た 場 合 には その 事 業 に 関 する 所 得 に 対 して 法 人 税 が 課 税 されます 7 特 定 非 営 利 活 動 法 人 の 手 引 き P.59-60 9

NPO 法 上 の 事 業 と 法 人 税 法 上 の 収 益 事 業 は 全 く 異 なる 視 点 から 個 々に 独 立 して 定 義 がされています すなわち NPO 法 上 の 事 業 であっても 法 人 税 法 上 の 収 益 事 業 に 該 当 することがあるのです 特 定 非 営 利 活 動 に 係 る 事 業 法 人 税 \NPO 法 その 他 の 事 業 ( 本 来 事 業 ) 収 益 事 業 法 人 税 の 対 象 となる 事 業 非 収 益 事 業 法 人 税 法 上 の 収 益 事 業 は 販 売 業 製 造 業 その 他 政 令 で 定 める 事 業 で 継 続 して 事 業 場 を 設 けて 営 まれるもの と 規 定 されています( 法 人 税 法 第 2 条 第 1 項 13 号 ) 販 売 業 製 造 業 その 他 政 令 で 定 める 事 業 とは 下 記 34 業 種 に 当 てはまる 事 業 は NPO 法 上 の 事 業 であっても 法 人 税 法 上 の 収 益 事 業 に 該 当 します 1) 物 品 販 売 業 2) 不 動 産 販 売 業 3) 金 銭 貸 付 業 4) 物 品 貸 付 業 5) 不 動 産 貸 付 業 6) 製 造 業 7) 通 信 業 8) 運 送 業 9) 倉 庫 業 10) 請 負 業 11) 印 刷 業 12) 出 版 業 13) 写 真 業 14) 席 貸 業 15) 旅 館 業 16) 料 理 店 業 その 他 の 飲 食 店 業 17) 周 旋 業 18) 代 理 業 19) 仲 立 業 20) 問 屋 業 21) 鉱 業 22) 土 石 採 取 業 23) 浴 場 業 24) 理 容 業 25) 美 容 業 26) 興 行 業 27) 遊 技 所 業 28) 遊 覧 所 業 29) 医 療 保 健 業 30) 技 芸 教 授 業 31) 駐 車 場 業 32) 信 用 保 証 業 33) 無 体 財 産 提 供 業 34) 労 働 者 派 遣 業 収 益 事 業 における 事 業 性 とは 収 益 事 業 における 事 業 性 とは 反 復 継 続 して 事 業 場 を 設 けて 営 まれるもの と 定 義 され ています 従 って 例 えば 1 年 に1 回 のバザー などは 物 品 販 売 業 に 該 当 していても 継 続 性 がない と 判 断 される 場 合 があり その 場 合 には 法 人 税 法 上 の 収 益 事 業 とはみなされま せん 法 人 税 法 上 の 収 益 事 業 に 関 する 非 課 税 規 定 法 人 税 法 上 の 収 益 事 業 には さまざまな 非 課 税 規 定 があります 8 8 法 人 税 法 施 行 令 第 5 条 第 2 項 第 2 号 2 次 に 掲 げる 事 業 は 前 項 に 規 定 する 事 業 に 含 まれないものとする 二 公 益 法 人 等 が 行 う 前 項 各 号 に 掲 げる 事 業 のうち その 事 業 に 従 事 する 次 に 掲 げる 者 が その 事 業 に 従 事 する 者 の 総 数 の 半 数 以 上 を 占 め かつ その 事 業 がこれらの 者 の 生 活 の 保 護 に 寄 与 しているもの イ 身 体 障 害 者 福 祉 法 ( 昭 和 二 十 四 年 法 律 第 二 百 八 十 三 号 ) 第 四 条 ( 身 体 障 害 者 の 意 義 ) に 規 定 する 身 体 障 害 者 ロ 生 活 保 護 法 ( 昭 和 二 十 五 年 法 律 第 百 四 十 四 号 )の 規 定 により 生 活 扶 助 を 受 ける 者 ハ 児 童 相 談 所 知 的 障 害 者 福 祉 法 ( 昭 和 三 十 五 年 法 律 第 三 十 七 号 ) 第 九 条 第 五 項 ( 更 生 援 護 の 実 施 者 )に 規 定 する 知 的 障 害 者 更 生 相 談 所 精 神 保 健 及 び 精 神 障 害 者 福 祉 に 関 する 法 律 ( 昭 和 二 十 五 年 法 律 第 百 二 十 三 号 ) 第 六 条 第 一 項 ( 精 神 保 健 福 祉 センター)に 規 定 する 精 神 保 健 福 祉 センター 又 は 精 神 保 健 指 定 医 により 知 的 障 害 者 として 判 定 された 者 ニ 精 神 保 健 及 び 精 神 障 害 者 福 祉 に 関 する 法 律 第 四 十 五 条 第 二 項 ( 精 神 障 害 者 保 健 福 祉 手 帳 の 交 付 )の 規 定 により 精 神 障 害 者 保 健 福 祉 手 帳 の 交 付 を 受 けている 者 ホ 年 齢 六 十 五 歳 以 上 の 者 ヘ 母 子 及 び 寡 婦 福 祉 法 ( 昭 和 三 十 九 年 法 律 第 百 二 十 九 号 ) 第 六 条 第 一 項 ( 定 義 )に 規 定 する 配 偶 者 のない 女 子 であつて 民 法 ( 明 治 二 十 九 年 法 律 第 八 十 九 号 ) 第 八 百 七 十 七 条 ( 扶 養 義 務 者 )の 規 定 により 現 に 母 子 及 び 寡 婦 福 祉 法 第 六 条 第 二 項 に 規 定 する 児 童 を 扶 養 して いるもの 又 は 同 条 第 三 項 に 規 定 する 寡 婦 10

区 分 税 率 年 所 得 800 万 円 以 下 18% 9 年 所 得 800 万 円 超 30% (2)1 法 人 県 民 税 法 人 の 事 業 所 が 置 かれている 都 道 府 県 に 支 払 う 税 金 ( 地 方 税 )です また 収 益 事 業 を 実 施 していない 場 合 減 免 があります 区 分 税 率 均 等 割 21,000 円 所 得 割 法 人 税 額 が 年 1,500 万 円 以 下 法 人 税 額 5.0% 法 人 税 額 が 年 1,500 万 円 超 法 人 税 額 5.8% (2)2 法 人 事 業 税 地 方 特 別 法 人 税 法 人 事 業 税 は 事 業 所 が 置 かれている 都 道 府 県 に 支 払 う 税 金 ( 地 方 税 )です 法 人 の 所 得 に 応 じて 課 税 されます また 収 益 事 業 を 実 施 していない 場 合 減 免 があります 区 分 税 率 法 人 事 業 税 年 所 得 400 万 円 以 下 2.7% 年 所 得 400 万 円 超 800 万 円 以 下 4.0% 年 所 得 800 万 円 超 5.3% 地 方 特 別 法 人 税 基 準 法 人 所 得 割 額 81% (3) 法 人 市 町 村 民 税 法 人 の 事 業 所 が 置 かれている 市 町 村 に 支 払 う 税 金 ( 地 方 税 )です また 収 益 事 業 を 実 施 し ていない 場 合 減 免 があります 区 分 税 率 均 等 割 50,000 円 法 人 税 割 法 人 税 額 12.3% (4) 消 費 税 等 消 費 税 の 申 告 納 税 については 前 々 事 業 年 度 の 課 税 売 上 高 が 1000 万 円 を 超 えている 場 合 について 対 象 となります 税 務 署 への 提 出 書 類 は 損 益 計 算 書 で NPO 法 人 の 収 入 と 支 出 を 報 告 する 場 合 所 轄 庁 ( 県 など)に 提 出 する 場 合 は 収 支 計 算 書 です しかし 税 務 署 へ 法 人 税 の 申 告 書 と 一 緒 に 提 出 する 場 合 は 損 益 計 算 書 になります 法 人 税 の 計 算 の 基 礎 となる 所 得 は 収 支 計 算 書 で 計 算 した 収 支 差 額 ではなく 損 益 計 算 書 で 計 算 した 当 期 利 益 になります つまり 法 人 税 法 上 の 収 益 事 業 を 行 っている 団 体 は 所 轄 庁 提 出 用 の 収 支 計 算 書 と 税 務 署 提 出 用 の 損 益 計 算 書 の 両 方 を 作 成 しなければなりません 9 平 成 21 年 4 月 1 日 から 平 成 24 年 3 月 31 日 までに 終 了 する 各 事 業 年 度 については22 18%に 引 き 下 げ( 措 法 42 の3の2 68 の8) 11

6. 役 に 立 つ 書 籍 相 談 窓 口 等 1 書 籍 1)トータル 自 分 たちで 運 営 しよう!NPO 法 人 ~ 会 計 税 務 登 記 所 轄 庁 労 働 保 険 社 会 保 険 のすべ て~ 堀 田 力 監 修 特 定 非 営 利 活 動 法 人 NPO 事 業 サポートセンター 編 集 増 補 最 新 版 NPO 法 人 の 設 立 と 運 営 Q&A 三 木 秀 雄 他 著 清 文 社 2005 年 2) 登 記 事 例 でわかるNPO 法 人 登 記 ガイドブック 監 修 曽 我 直 ( 行 政 書 士 ) NPOサポートセンター NPOワンストップ 100 人 委 員 会 編 集 2005 年 3) 会 計 税 務 NPO 法 人 会 計 基 準 完 全 収 録 版 NPO 法 人 会 計 基 準 協 議 会 NPO 法 人 会 計 基 準 対 応 版 これ1 冊 で 実 務 に 対 応 できる 基 礎 からわかるNPO 会 計 馬 場 英 朗 NPO 法 人 の 税 務 赤 塚 和 俊 著 花 伝 社 非 営 利 法 人 の 消 費 税 第 5 版 斎 藤 力 夫 編 著 中 央 経 済 社 2WEB あいちNPO 交 流 プラザ http://aichi.npo.gr.jp/ NPO の 設 立 管 理 運 営 に 関 する 情 報 が 掲 載 されています また 県 内 NPO 支 援 センターの 所 在 地 等 の 情 報 も 掲 載 されています みんなで 使 おう!NPO 法 人 会 計 基 準 http://npokaikei.info/ 特 定 非 営 利 活 動 法 人 の 会 計 の 明 確 化 に 関 する 研 究 会 https://www.npo-homepage.go.jp/data/report28.html シーズ= 市 民 活 動 を 支 える 制 度 をつくる 会 http://www.npoweb.jp/ 運 営 に 関 するQ&A 何 でも 質 問 箱 が 充 実 しています NPO 会 計 税 務 サポートサイトhttp://www.npoatpro.org/potal/ NPO 会 計 税 務 専 門 家 ネットワークが 運 営 するサイトです マニュアル チェックリス ト 等 が 充 実 しています NPO 会 計 道 http://blog.canpan.info/waki/ NPO 会 計 リクツとコツ http://blog.canpan.info/sally_nakao/ 12