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Transcription:

第 6 章 道 路 基 盤 データの 迅 速 な 更 新 配 信 システムの 開 発 概 要 スマートウェイ 推 進 会 議 の 提 言 においては セカンドステージを 迎 える ITS を 展 開 して いく 上 で 共 通 の 基 盤 であるスマートウェイを 具 体 的 に 実 現 していくための 方 策 が 取 りま とめられている この 中 で 多 様 なサービスを 展 開 する 上 で 必 要 となる 共 通 基 盤 の 一 つと して デジタル 道 路 地 図 の 高 度 化 が 謳 われている 提 言 では 欧 米 は すでに 安 全 運 転 支 援 に 資 する 次 世 代 デジタル 道 路 データを 実 現 する 国 家 的 なプロジェクトを 立 ち 上 げ 官 民 連 携 のもと 積 極 的 にデジタル 道 路 地 図 整 備 へ 向 け た 検 討 を 進 めている 我 が 国 においても カーナビゲーションシステムにおいて 利 用 可 能 なデジタル 道 路 地 図 の 整 備 更 新 について 官 による 基 盤 整 備 に 加 え 民 間 各 社 の 努 力 に より 精 力 的 に 行 われているところである 今 後 走 行 支 援 システムへの 活 用 や 迅 速 な 更 新 を 可 能 とする 仕 組 み 作 りに 向 けて 積 極 的 に 推 進 することが 望 ましい とされており 欧 米 の 取 り 組 みも 意 識 しつつ 官 民 が 連 携 した 積 極 的 な 取 り 組 みが 求 められている 一 方 道 路 管 理 者 による 道 路 管 理 は 舗 装 管 理 境 界 確 定 特 車 管 理 や 行 政 相 談 など 多 岐 にわたり 取 扱 う 情 報 も 車 道 や 歩 道 などの 構 造 情 報 をはじめ 事 故 多 発 箇 所 や 占 用 物 な ど 多 種 多 様 である 業 務 間 や 道 路 管 理 者 間 での 共 用 性 の 高 い 道 路 情 報 も 多 くあることから 各 道 路 管 理 者 で 情 報 共 有 できる 仕 組 みがあると 道 路 管 理 を 効 率 よく 進 めることができる この 多 くの 道 路 情 報 は 位 置 情 報 ( 座 標 )によって 地 図 に 関 連 づけられるため 道 路 構 造 を 詳 細 に 表 現 した 地 図 を 共 通 基 盤 とすることで 情 報 共 有 の 仕 組 みが 実 現 する 本 研 究 では 上 記 を 実 現 するために 国 土 交 通 省 で 平 成 13 年 度 から 実 施 されている 電 子 納 品 のサイクルに 着 目 した 電 子 納 品 のプロセスの 中 で 作 成 される CAD データを 有 効 利 用 し 道 路 管 理 の 共 通 基 盤 となる 地 図 を 作 成 することで 地 図 作 成 のコスト 削 減 や 地 図 の 鮮 度 を 保 つ 更 新 サイクルを 確 立 できる 上 記 を 実 現 するために 行 った 技 術 開 発 を 6.2 に 示 す また 整 備 したデータの 官 民 での 利 活 用 シーンを 6.3 に 整 理 した さらに 平 成 22 年 度 の 検 討 結 果 を 含 め 今 後 の 展 開 を 6.4 に 盛 り 込 んだ 6-1

6.1 研 究 目 的 と 研 究 方 法 (1) 研 究 の 背 景 道 路 行 政 の IT 化 が 進 む 中 で 地 図 情 報 を 用 いた 各 種 管 理 システムの 利 用 が 徐 々に 普 及 しつつある これに 伴 い 各 システムにおいてベースマップとなる 地 図 情 報 の 迅 速 な 更 新 が 新 たな 課 題 となりつつあり 道 路 状 況 の 変 化 に 対 するリアルタイムな 情 報 の 収 集 更 新 が 望 まれている 国 土 交 通 省 では 道 路 事 業 のライフサイクル( 調 査 計 画 設 計 工 事 維 持 管 理 ) において 各 段 階 の 情 報 を 相 互 に 活 用 すべく CALS/EC の 一 環 として 平 成 13 年 度 から 全 国 の 公 共 工 事 において 電 子 納 品 を 実 施 しており 完 成 図 書 の 電 子 データが 蓄 積 され ている 国 土 交 通 省 CALS/EC アクションプログラム 2005 および 2008 では 完 成 図 を 利 用 した 管 理 図 の 蓄 積 更 新 の 迅 速 化 効 率 化 GIS 管 理 図 に 重 ね 合 わせた 施 設 情 報 管 理 の 効 率 化 や 調 査 計 画 設 計 施 工 管 理 を 通 じて 利 用 可 能 な 電 子 データの 利 活 用 が 挙 げられている また GIS アクションプログラム 2010 における 施 策 と しても 道 路 関 係 図 面 の 電 子 化 工 事 図 面 等 を 活 用 した 基 盤 地 図 情 報 の 更 新 技 術 の 開 発 などが 挙 げられている さらに 地 理 空 間 情 報 の 活 用 推 進 に 関 する 行 動 計 画 (G 空 間 行 動 プラン) でも 道 路 関 係 図 面 の 電 子 化 工 事 図 面 等 を 活 用 した 基 盤 地 図 情 報 の 更 新 技 術 の 開 発 が 盛 り 込 まれている この 目 標 を 達 成 するためにも 土 木 工 事 共 通 仕 様 書 に 定 められている 完 成 図 の 作 成 方 法 等 を 標 準 化 し その 電 子 情 報 をより 円 滑 に 受 け 渡 すことが 不 可 欠 となっている (2) 研 究 目 的 と 研 究 方 法 本 研 究 では 災 害 時 の 迅 速 な 対 応 道 路 管 理 の 効 率 化 や 道 路 利 用 サービスの 高 度 化 等 を 図 るため 道 路 管 理 者 および 多 様 な 民 間 事 業 者 が 共 通 して 利 用 可 能 な 道 路 構 造 を 表 現 する 基 盤 情 報 ( 道 路 基 盤 地 図 情 報 )を 整 備 するとともに それらを 円 滑 に 整 備 運 用 するための 体 制 を 構 築 することを 目 的 とした 上 記 の 目 的 を 達 成 するため 以 下 の 基 準 類 の 策 定 や 技 術 開 発 を 行 った まず 道 路 管 理 の 各 業 務 で 利 用 する 共 用 性 の 高 い 道 路 構 造 のデータ 項 目 ( 地 物 )を 整 理 し 道 路 基 盤 地 図 情 報 製 品 仕 様 書 を 作 成 した 次 に 同 製 品 仕 様 書 に 則 した 道 路 基 盤 地 図 情 報 を 生 成 することを 踏 まえつつ 完 成 図 に 反 映 するデータ 項 目 ( 地 物 )と 属 性 情 報 図 形 要 素 ( 点 線 面 )およびレイヤ 分 類 方 法 などを 規 定 した 道 路 工 事 完 成 図 等 作 成 要 領 を 作 成 した また CAD ソフトへの 仕 様 となる 道 路 基 盤 地 図 情 報 交 換 属 性 セット を 作 成 した さらに 完 成 平 面 図 の 品 質 を 確 認 する 道 路 工 事 完 成 図 等 チェ ックプログラム および 完 成 図 を 道 路 基 盤 地 図 情 報 に 変 換 する CAD-GIS コンバータ を 開 発 した これらツールの 位 置 づけは 図 6.1.1 にも 示 している また 図 6.1.2 に 示 した 維 持 更 新 サイクルを 実 現 するため 道 路 基 盤 地 図 情 報 (GIS データ)と CAD デ ータの 相 互 変 換 技 術 を 開 発 し GIS-CAD コンバータ と GIS-CAD コンバータ を 作 成 した さらに 道 路 工 事 で 作 成 した 完 成 図 や 道 路 施 設 基 本 データおよび 生 成 し た 道 路 基 盤 地 図 情 報 を 一 括 で 管 理 する 道 路 平 面 図 等 管 理 システム を 構 築 した 6-2

図 6.1.1 道 路 基 盤 地 図 情 報 の 整 備 方 法 図 6.1.2 道 路 基 盤 地 図 情 報 の 維 持 更 新 サイクル 6.2 道 路 工 事 完 成 図 を 活 用 した 道 路 基 盤 地 図 情 報 の 整 備 6.2.1 道 路 基 盤 地 図 情 報 の 整 備 方 法 6.2.1.1 道 路 基 盤 地 図 情 報 製 品 仕 様 書 ( 案 ) 道 路 管 理 の 各 業 務 で 利 用 する 道 路 構 造 のデータ 項 目 ( 地 物 )を 整 理 し 道 路 基 盤 地 図 情 報 製 品 仕 様 書 ( 案 ) ( 以 下 製 品 仕 様 書 という )を 作 成 した 製 品 仕 様 書 では 道 路 関 連 の 法 律 政 令 通 達 で 定 義 され 道 路 台 帳 および 道 路 台 帳 附 図 に 記 載 があるもので 主 に 道 路 区 域 内 にある 道 路 上 に 存 在 する 施 設 と 道 路 管 理 者 が 管 理 する 地 下 埋 設 施 設 ( 約 100 種 類 )を 対 象 に 地 物 の 定 義 を 行 った 道 路 基 盤 地 図 情 報 は 以 下 の 地 物 により 構 成 される( 図 6.2.1) 道 路 基 本 地 物 : 道 路 面 ( 連 続 面 )を 構 成 する 地 物 等 道 路 の 基 本 的 な 地 物 道 路 関 連 地 物 : 道 路 面 または 道 路 構 造 物 の 上 または 内 部 に 設 置 する 地 物 道 路 支 持 地 物 : 道 路 の 構 造 を 支 持 し 機 能 を 保 つために 設 置 する 地 物 上 記 の 分 類 とは 別 に 特 に 共 用 性 が 高 く 標 準 として 整 備 する 30 地 物 を 基 本 地 物 その 他 を 拡 張 地 物 に 分 類 し 基 本 地 物 をベースに 新 たに 地 物 を 追 加 する 場 合 の 参 考 になるものとして 定 義 した 今 後 本 稿 でいう 道 路 基 盤 地 図 情 報 は 基 本 地 物 に 定 めら れた 30 地 物 のことを 指 す( 表 6.2.1) 6-3

図 6.2.1 道 路 基 盤 地 図 情 報 を 構 成 する 代 表 的 な 地 物 の 例 表 6.2.1 道 路 基 盤 地 図 情 報 の 基 本 地 物 を 構 成 する 30 地 物 ( 当 初 は 29 地 物 であったが 平 成 20 年 8 月 版 より 30 地 物 を 整 備 している ) 6-4

また 道 路 基 盤 地 図 情 報 は 個 々の 地 物 の 特 性 を 空 間 属 性 時 間 属 性 主 題 属 性 で 表 現 し XML を 用 いた 符 号 化 を 行 う 空 間 属 性 : 地 物 の 位 置 や 形 状 空 間 属 性 は 地 物 の 位 置 や 形 状 の 表 現 に 点 (GM_Point) 線 (GM_Curve) 面 (GM_Surface)の3 種 類 を 用 いる 図 6.2.2 は 道 路 基 盤 データを 図 形 表 現 した 際 のイメージである 時 間 属 性 : 地 物 の 存 在 する 期 間 など 主 題 属 性 : 地 物 の 種 別 や 区 分 など 図 6.2.2 道 路 基 盤 地 図 情 報 の 表 示 イメージ 6.2.1.2 道 路 工 事 完 成 図 等 作 成 要 領 土 木 工 事 の 共 通 仕 様 書 では 出 来 形 測 量 結 果 等 を 反 映 した 完 成 図 の 提 出 を 求 めている ものの 完 成 図 そのものの 定 義 はあまりはっきりしていなかった そこで 本 研 究 では 製 品 仕 様 書 に 則 した 道 路 基 盤 地 図 情 報 を 生 成 することを 踏 まえつつ 完 成 平 面 図 に 反 映 するデータ 項 目 ( 地 物 )と 属 性 情 報 図 形 要 素 ( 点 線 面 )およびレイヤ 分 類 方 法 な どを 規 定 した 道 路 工 事 完 成 図 等 作 成 要 領 ( 以 下 作 成 要 領 という ) を 作 成 した 作 成 要 領 に 基 づき 作 成 した 完 成 図 のイメージを 図 6.2.3 に 示 す 6-5

図 6.2.3 完 成 平 面 図 のイメージ 作 成 要 領 では 道 路 工 事 竣 工 時 の 完 成 図 書 データの 内 完 成 平 面 図 および 工 事 施 設 帳 票 を 道 路 地 図 データの 迅 速 な 更 新 に 役 立 てることを 主 な 目 的 とし CAD 製 図 基 準 ( 案 ) および 工 事 完 成 図 書 の 電 子 納 品 要 領 ( 案 ) 等 関 連 基 準 との 整 合 を 図 った 上 で 道 路 工 事 における 完 成 図 の 定 義 や 作 成 方 法 および 電 子 納 品 の 方 法 等 について 定 めている 図 6.2.4 に 示 す 通 り 作 成 要 領 では 完 成 図 の 主 な 構 成 物 を 完 成 平 面 図 や 施 設 台 帳 と 規 定 し 検 査 後 にデータ 変 換 を 行 い それぞれ 維 持 管 理 段 階 で 道 路 基 盤 地 図 情 報 道 路 施 設 基 本 データとして 活 用 することとしている 作 成 要 領 は 下 記 の 3 編 から 構 成 されている 共 通 編 : 目 的 用 語 の 解 説 および 適 用 工 事 など 全 般 に 関 する 事 項 作 成 編 : 作 成 範 囲 対 象 施 設 など 完 成 図 作 成 時 に 参 照 すべき 事 項 電 子 納 品 編 :ファイル 形 式 レイヤ 分 類 およびチェック 方 法 など 電 子 納 品 デー タ 作 成 時 に 参 照 すべき 事 項 図 6.2.4 道 路 工 事 完 成 図 等 作 成 要 領 の 範 囲 6-6

共 通 編 では 作 成 要 領 の 適 用 工 事 などが 記 載 されている 完 成 平 面 図 と 完 成 縦 断 図 は 新 土 木 工 事 積 算 体 系 に 基 づた 事 業 分 野 が 道 路 のうち 舗 装 工 が 含 まれる 工 事 で 作 成 対 象 となる ただし 道 路 修 繕 工 事 で 簡 易 小 規 模 なものは 対 象 外 としている 道 路 施 設 基 本 データは 全 ての 道 路 工 事 において 作 成 対 象 となっている( 表 6.2.2) 表 6.2.2 道 路 工 事 完 成 図 等 作 成 要 領 の 対 象 工 事 作 成 編 では 完 成 平 面 図 縦 断 図 の 作 成 範 囲 や 道 路 施 設 基 本 データの 対 象 施 設 など 完 成 図 作 成 時 に 参 照 すべき 事 項 が 記 載 されている 図 6.2.5 に 完 成 平 面 図 の 作 成 範 囲 を 示 す 特 に 横 断 方 向 の 作 成 範 囲 については 施 工 範 囲 のみ 対 象 となるわけではなく 管 理 境 界 の 内 側 が 作 成 範 囲 となる 6-7

図 6.2.5 完 成 図 の 作 成 範 囲 電 子 納 品 編 では ファイル 形 式 レイヤ 分 類 およびチェック 方 法 など 電 子 納 品 デー タ 作 成 時 に 参 照 すべき 事 項 が 記 載 されている 特 に 完 成 平 面 図 のファイル 形 式 は 図 形 データに 任 意 の 属 性 データを 付 与 することができる SXF Ver.3.x の 仕 様 に 準 拠 するもの とし 図 形 データ 等 を 格 納 するファイルは P21 形 式 属 性 データを 格 納 するファイルは SAF 形 式 と 定 めている また 電 子 納 品 成 果 の 作 成 に 当 たっては 工 事 完 成 図 書 の 電 子 納 品 要 領 に 準 拠 することとしている( 図 6.2.6) 図 6.2.6 成 果 品 格 納 フォルダのイメージ 6-8

6.2.1.3 道 路 工 事 完 成 図 等 作 成 要 領 の 改 定 平 成 20 年 3 月 に 道 路 基 盤 地 図 情 報 の ITS 分 野 などにおける 用 途 拡 大 を 目 的 に 道 路 の 縦 横 断 情 報 の 取 得 方 法 を 検 討 し 関 連 基 準 類 の 改 定 を 行 い 道 路 工 事 完 成 図 等 作 成 要 領 ( 第 2 版 ) を 公 開 した 改 訂 内 容 は 以 下 の 通 りである 完 成 縦 断 図 を 電 子 納 品 の 対 象 として 追 加 完 成 平 面 図 に 測 点 地 物 を 追 加 適 用 工 事 の 拡 大 まず 作 成 要 領 の 改 定 においては 縦 横 断 情 報 の 取 得 方 法 を 検 討 した 具 体 的 には 道 路 の 高 さ 横 断 勾 配 を 取 得 するために 完 成 縦 断 図 の 作 成 提 出 を 義 務 づけている( 図 6.2.7) 完 成 縦 断 図 のみでは 平 面 上 での 位 置 を 把 握 することができないため 従 来 の 完 成 平 面 図 に 道 路 の 高 さ 横 断 勾 配 を 入 力 可 能 とするための 地 物 測 点 を 新 たに 追 加 す ることにより 従 来 の 29 地 物 から 30 地 物 を 扱 うこととした( 図 6.2.8) 完 成 縦 断 図 は 設 計 変 更 で 更 新 された 最 終 的 な 発 注 図 ( 完 成 形 状 を 表 すもの)を 基 に 作 成 することとし 測 点 毎 (20m ピッチ)の 高 さ 横 断 勾 配 ( 左 右 )の 記 載 を 必 須 と している その 他 の 作 成 方 法 に 関 する 規 定 は CAD 製 図 基 準 に 準 拠 している 一 方 の 完 成 平 面 図 では 道 路 中 心 線 上 に 測 点 地 物 を 配 置 し 表 6.2.3 図 6.2.9 に 示 す 属 性 を 入 力 することとする そこでの 属 性 値 は 完 成 縦 断 図 に 記 載 した 内 容 と 同 一 のものである 6-9

図 6.2.7 完 成 縦 断 図 のイメージ NO. 6 NO. 5 NO. 4 NO. 3 NO. 2 NO 1 図 6.2.8 完 成 平 面 図 への 測 点 を 追 加 のイメージ 表 6.2.3 測 点 地 物 の 属 性 項 目 属 性 定 義 記 述 例 設 置 日 工 事 完 了 日 ( 日 本 時 間 の 年 ( 西 暦 ) 月 日 の 半 角 スペース 区 切 り) 設 置 日 が 不 明 な 場 合 は 不 明 と 入 力 する 2005 3 31 測 点 番 号 測 点 毎 に 付 与 される 番 号 完 成 平 面 図 完 成 縦 断 図 に 記 載 された 測 点 番 号 の 値 を 入 力 する 2+0.000 追 加 距 離 工 事 起 点 からの 水 平 距 離 完 成 縦 断 図 に 記 載 された 追 加 距 離 を 入 力 する ( 小 数 点 以 下 3 桁 単 位 m ) 56.200 高 さ 計 画 高 位 置 における 路 面 高 さ(T.P.) 完 成 縦 断 図 に 記 載 された 計 画 高 ( 設 計 値 )を 入 力 する 設 計 値 が 取 得 できない 45.406 場 合 は 出 来 形 測 量 結 果 を 入 力 する ( 小 数 点 以 下 3 桁 単 位 m ) 横 断 勾 配 ( 右 ) 工 事 起 点 から 終 点 方 向 に 向 かって 右 側 車 線 の 横 断 勾 配 値 完 成 縦 断 図 に 記 載 された 横 断 勾 配 ( 設 計 値 )を 入 力 する 設 計 値 が 取 得 でき -1.75 ない 場 合 は 出 来 形 測 量 結 果 を 入 力 する ( 小 数 点 以 下 2 桁 単 位 % ) 横 断 勾 配 ( 左 ) 工 事 起 点 から 終 点 方 向 に 向 かって 左 側 車 線 の 横 断 勾 配 値 完 成 縦 断 図 に 記 載 された 横 断 勾 配 ( 設 計 値 )を 入 力 する 設 計 値 が 取 得 でき ない 場 合 は 出 来 形 測 量 結 果 を 入 力 する ( 小 数 点 以 下 2 桁 単 位 % ) 2.07 6-10

図 6.2.9 道 路 の 高 さ 横 断 勾 配 入 力 の 例 6.2.1.4 道 路 基 盤 地 図 情 報 交 換 属 性 セット( 案 ) 工 事 完 成 図 書 の 電 子 納 品 サイクルを 理 容 師 道 路 基 盤 地 図 情 報 の 整 備 更 新 を 図 るこ とを 目 的 とし CAD ソフトで 編 集 可 能 な 道 路 基 盤 地 図 情 報 の 交 換 仕 様 (SXF Ver.3.x)お よび CAD ソフトで 実 装 すべき 機 能 について 道 路 基 盤 地 図 情 報 交 換 属 性 セット( 案 )( 以 下 属 性 セット という )で 規 定 した 本 属 性 セットは SXF Ver.3.x で 作 成 する 完 成 平 面 図 のデータ 及 び 完 成 平 面 図 の 作 成 に 対 応 する CAD ソフト( 完 成 平 面 図 作 成 支 援 CAD)の 開 発 に 適 用 する 属 性 セットで 規 定 した CAD ソフトに 必 要 な 作 成 支 援 機 能 の 一 覧 を 表 6.2.4 に 示 す 6-11

表 6.2.4 作 成 支 援 機 能 一 覧 6-12

6.2.2 道 路 基 盤 地 図 情 報 の 整 備 更 新 のための 技 術 開 発 6.2.2.1 道 路 工 事 完 成 図 等 チェックプログラムの 開 発 道 路 基 盤 地 図 情 報 を 道 路 管 理 の 共 通 基 盤 として 活 用 していくためには 基 になる 完 成 平 面 図 の 品 質 確 保 が 重 要 である そこで 平 成 20 年 8 月 の 作 成 要 領 等 の 策 定 に 合 わせて 道 路 工 事 完 成 図 等 チェックプ ログラム( 以 下 チェックプログラム という )を 開 発 した( 図 6.2.10) 図 6.2.10 路 工 事 完 成 図 等 チェックプログラムのメニュー 画 面 チェックプログラムは 道 路 工 事 完 成 図 等 作 成 支 援 サイト( 以 下 支 援 サイトという ) で 一 般 公 開 し 要 領 等 の 改 訂 の 都 度 適 宜 バージョンアップを 行 っている チェックプ ログラムでは 工 事 によって 作 成 された 電 子 納 品 成 果 が 作 成 要 領 に 準 拠 した 完 成 平 面 図 データおよび 道 路 施 設 基 本 データであるかどうか 表 6.2.5 に 示 す 4 種 類 のチェック 機 能 を 備 えている 6-13

表 6.2.5 各 チェック 項 目 の 概 要 それぞれのチェック 機 能 では 画 面 にチェック 結 果 を 表 示 することができ エラー が 無 ければ 合 格 確 認 が 出 た 場 合 は 目 視 等 でデータが 本 当 に 正 しく 作 成 されているか 確 認 エラー が 出 た 場 合 は 要 修 正 ということを 示 す( 図 6.2.11) 完 成 平 面 図 のチェ ックの 結 果 エラー が 検 出 された 場 合 は 修 正 するべき 箇 所 が 分 かるようにエラー 箇 所 を 示 す 図 形 が 挿 入 された SXF ファイルを 出 力 し 作 業 者 が 効 率 よくデータの 修 正 を 行 えるように 配 慮 している( 図 6.2.12) 6-14

図 6.2.11 チェック 結 果 の 表 示 例 図 6.2.12 エラー 図 形 の SXF 出 力 の 例 特 に 完 成 平 面 図 のチェック 機 能 では 以 下 の 項 目 についてチェックを 行 っている a) SXF Ver.3.x 形 式 として 正 しいデータ 構 造 か b) JPGIS 準 拠 の XML 形 式 に 変 換 可 能 なデータ 構 造 か c) 属 性 の 入 力 値 は 正 しいか 6-15

a)は SXF Ver.3.x のファイルフォーマットを 以 下 の 観 点 からチェックするものである 識 別 番 号 の 一 意 性 幾 何 要 素 フィーチャの 構 造 の 誤 り 属 性 XML(.SAF)のデータ 構 造 の 誤 り 等 b)は データのフォーマット 上 に 誤 りは 無 いものの 変 換 処 理 においてエラーとすべ き 誤 りをあらかじめ 以 下 の 観 点 からチェックするものである レイヤ 分 類 の 誤 り 作 図 仕 様 における 作 図 ルールとの 不 適 合 ( 自 己 交 差 二 重 線 の 検 出 等 ) c)は データ 構 造 上 の 問 題 はないが 入 力 値 が 妥 当 であるか 以 下 の 観 点 から 検 査 する ものである 地 物 の 隣 接 関 係 の 誤 り( 島 と 歩 道 の 隣 接 等 ) SXF Ver.3.x のチェック 項 目 の 一 例 を 表 6.2.6 に 示 す 表 6.2.6 SXF Ver.3.x のチェック 項 目 の 例 6-16

SXF Ver.3.x で 作 成 したデータについては チェックツールによりデータ 構 造 上 の 誤 り をチェックし これを 無 くすことにより JPGIS 準 拠 の XML 形 式 への 変 換 は 可 能 となる ただし 誤 って 異 なる 地 物 として 作 図 した 場 合 や 作 成 すべき 地 物 が 作 成 されていな い 場 合 といったエラー 内 容 等 については データ 構 造 上 の 誤 りではないことから ツ ールによるチェックでは 対 応 できない 上 記 の 誤 りに 対 応 するためには ツールによるチェックのほか 工 事 完 成 図 書 の 電 子 納 品 時 における 出 図 目 視 等 による 属 性 や 地 物 の 数 量 等 の 妥 当 性 の 確 認 も 依 然 として 必 要 であると 考 える 作 成 要 領 ( 案 )でも 工 事 の 完 成 検 査 の 中 で 出 図 を 行 い 目 視 で 確 認 する 旨 を 明 記 している 6.2.2.2 CAD-GIS 相 互 変 換 コンバータの 開 発 道 路 基 盤 地 図 情 報 は 図 6.1.2 に 示 すようなサイクルで 整 備 更 新 を 進 める 方 針 とし ている 整 備 段 階 では 作 成 要 領 に 則 した 完 成 平 面 図 の SXF データから JPGIS 準 拠 の XML データ(GIS データ)へ 変 換 する CAD-GIS コンバータ を 用 いて 道 路 基 盤 地 図 情 報 を 生 成 する 更 新 段 階 では 道 路 基 盤 地 図 情 報 から 施 工 対 象 範 囲 を 切 り 出 し GIS-CAD コンバータ で CAD データに 変 換 し 工 事 に 必 要 な 情 報 を 追 加 するなどの 加 工 を 行 った 上 で 発 注 図 の 一 部 として 施 工 業 者 に 渡 す そして 工 事 完 了 後 納 品 された 完 成 平 面 図 を 用 いて 道 路 基 盤 地 図 情 報 を 更 新 する このように 道 路 基 盤 地 図 情 報 の 整 備 更 新 では CAD データを GIS データ 間 を 相 互 に 変 換 するコンバータが 必 要 である 本 研 究 では CAD データと GIS データの 相 互 変 換 技 術 を 開 発 し 以 下 に 示 す 2 種 類 の コンバータを 作 成 した コンバータの 構 成 を 図 6.2.13 に 示 す CAD-GIS コンバータ 道 路 版 GIS-CAD コンバータ 道 路 版 6-17

図 6.2.13 コンバータの 構 成 CAD データと GIS データを 相 互 に 変 換 するためには 以 下 の 機 能 が 必 要 である (1) CAD データから GIS データへの 変 換 1) 図 形 データの 変 換 図 形 データの 変 換 は 具 体 的 には SXF Ver.3.x のフィーチャで 表 す 地 物 の 位 置 形 状 を JPGIS 対 応 XML の 空 間 属 性 に 変 換 する 機 能 である 図 形 データの 変 換 処 理 では SXF Ver.3.x の 点 マーカの 持 つ 座 標 値 (X Y)を 基 に 道 路 基 盤 データの GM_Point で 表 す 経 緯 度 に 変 換 する 必 要 があるが これについては SXF データを 平 面 直 角 座 標 に 対 応 可 能 な 座 標 値 で 作 成 し 変 換 時 に 座 標 系 の 系 番 号 を 指 定 することにより 一 意 に 変 換 が 可 能 である また 面 データの 場 合 幾 何 位 相 構 造 としない 場 合 とする 場 合 で 変 換 処 理 が 異 な る まず 幾 何 位 相 構 造 としない 面 データの 場 合 面 の 領 域 を 構 成 する 折 線 は 一 つであるため 図 形 データの 変 換 処 理 では SXF Ver.3.x の Target 属 性 より 抽 出 した 折 線 を 反 時 計 まわりの 向 きにして 面 データ(GM_Surface)の 境 界 とする( 図 6.2.14 左 ) しかし 幾 何 位 相 構 造 とする 面 データの 場 合 SXF Ver.3.x の Target 属 性 より 領 域 (ID:45)の 境 界 を 構 成 する 折 線 (ID:13~16)を 抽 出 し 反 時 計 まわりの 輪 となるよ う 折 線 の 向 きを 調 整 して 面 データ(GM_Surface)の 境 界 とする この 際 隣 接 する 面 同 士 (ID:45 と 50)の 境 界 は 同 一 の 折 線 (ID:14)を 用 い それぞれの 面 データで 反 時 計 まわりとなるよう 向 きを 変 えて 利 用 する( 図 6.2.14 右 ) 6-18

図 6.2.14 図 形 データの 変 換 処 理 2) 属 性 データの 変 換 属 性 データの 変 換 は 具 体 的 には SXF Ver.3.x のフィーチャに 付 与 した 地 物 の Attr 属 性 を JPGIS 対 応 XML の 主 題 時 間 属 性 に 変 換 する 機 能 である また 属 性 デー タの 変 換 では SXF Ver.3.x の Attr 属 性 で 保 持 する 値 をそのまま もしくは 道 路 基 盤 デ ータで 用 いる 表 現 に 置 き 換 えを 行 うことにより 一 意 に 変 換 が 可 能 である (2) GIS データから CAD データへの 変 換 1) 空 間 属 性 の 変 換 JPGIS 対 応 XML で 表 す 地 物 の 空 間 属 性 を SXF Ver.3.x のフィーチャ および Target 属 性 に 変 換 する 機 能 2) 主 題 時 間 属 性 の 変 換 JPGIS 対 応 XML で 表 す 地 物 の 主 題 時 間 属 性 を 対 応 する SXF Ver.3.x の Attr 属 性 に 変 換 する 機 能 詳 細 な 処 理 の 流 れは 異 なるものの 基 本 的 には SXF Ver.3.x JPGIS 対 応 XML と 同 様 に JPGIS 対 応 XML 形 式 と SXF Ver.3.x の 対 応 付 けにより 変 換 可 能 である どちらの 変 換 にしても 極 力 共 通 的 なコンポネントを 用 意 するとともに レベル 2 STEP/AP202 用 の 共 通 ライブラリを 用 いて SXF ファイル 関 連 の 入 出 力 などを 省 力 化 した 6.2.2.3 道 路 平 面 図 等 管 理 システムの 開 発 道 路 基 盤 地 図 情 報 の 効 率 的 な 整 備 および 継 続 的 な 維 持 更 新 には 完 成 平 面 図 からの 道 路 基 盤 地 図 情 報 の 生 成 蓄 積 等 を 行 うシステムが 必 要 となるため 道 路 平 面 図 等 管 理 シ ステム を 構 築 した( 図 6.2.15) 道 路 平 面 図 等 管 理 システムは 各 地 方 整 備 局 ( 北 海 道 開 発 局 沖 縄 総 合 事 務 局 を 含 む) の 電 子 納 品 保 管 管 理 システムに 登 録 された 工 事 の 電 子 納 品 成 果 のうち 完 成 平 面 図 と 道 路 施 設 基 本 データを 収 集 し 全 国 のデータを 管 理 サーバで 一 括 管 理 している また 道 路 平 面 図 等 保 管 管 理 システムと 電 子 納 品 保 管 管 理 システムを 連 携 させることにより 自 動 的 に 上 記 のデータを 収 集 することでき 職 員 に 負 担 をかけることなく 効 率 良 くデータを 収 集 している 6-19

また 収 集 したデータは 国 土 交 通 省 のイントラネット 上 で 閲 覧 やダウンロードが 可 能 である 図 6.2.16 に 示 すように 道 路 平 面 図 等 管 理 システムでは 事 務 所 や 路 線 発 注 年 度 等 で 工 事 成 果 を 検 索 することができる 検 索 された 工 事 は 国 土 地 理 院 が 公 開 し ている 電 子 国 土 基 本 図 上 に 旗 揚 げが 表 示 され 地 図 上 で 位 置 を 確 認 することが 出 来 る さらに 工 事 成 果 の 閲 覧 画 面 では CAD データ(P21 形 式 )の 完 成 平 面 図 だけでなく PDF 形 式 と 電 子 国 土 XML 形 式 に 変 換 した 完 成 平 面 図 をダウンロードすることができる 図 6.2.15 道 路 平 面 図 等 管 理 システムの 概 要 図 6.2.16 道 路 平 面 図 等 管 理 システムの 画 面 イメージ 6-20

6.3 道 路 基 盤 地 図 情 報 の 利 用 に 関 する 検 討 6.3.1 官 内 部 での 利 活 用 検 討 道 路 基 盤 地 図 情 報 は 道 路 管 理 業 務 をの 共 通 基 盤 として 様 々な 道 路 情 報 を 重 ね 合 わせ て 利 用 することで 道 路 情 報 の 統 合 管 理 による 所 内 情 報 の 共 有 化 や 地 図 情 報 の 整 備 更 新 費 用 の 削 減 など 様 々な 効 果 が 期 待 できる( 図 6.3.1) 以 下 に 道 路 管 理 の 各 業 務 における 道 路 基 盤 地 図 情 報 の 利 活 用 シーンの 検 討 結 果 を 示 す 図 6.3.1 道 路 基 盤 地 図 情 報 による 道 路 管 理 業 務 での 利 活 用 イメージ (1) 行 政 相 談 対 応 国 道 事 務 所 では 日 々 運 転 者 や 通 行 人 から 様 々な 苦 情 要 望 が 寄 せられている 苦 情 要 望 に 対 しては 迅 速 な 対 応 が 求 められ 情 報 の 履 歴 管 理 や 事 務 所 内 での 情 報 共 有 が 重 要 である 道 路 基 盤 地 図 情 報 は 道 路 の 詳 細 構 造 を 表 現 しているため 苦 情 要 望 の 対 象 となっ た 構 造 物 や 道 路 上 の 位 置 を 迅 速 かつ 正 確 に 特 定 することが 可 能 になる( 図 6.3.2) ま た 行 政 相 談 対 応 票 を 作 成 する 上 でも 道 路 基 盤 地 図 情 報 の 距 離 標 を 使 用 することで 業 務 の 効 率 化 が 可 能 である 6-21

図 6.3.2 行 政 相 談 対 応 における 利 活 用 イメージ (2) 舗 装 管 理 道 路 基 盤 地 図 情 報 の 舗 装 面 ( 車 道 部 車 道 交 差 部 歩 道 部 )を 舗 装 台 帳 附 図 とし て 管 理 されている 情 報 ( 舗 装 種 別 舗 装 年 度 )ごとに 分 割 したデータを 作 成 すること で 舗 装 年 度 ごとに 色 分 けしたり 古 い 舗 装 などを 検 索 抽 出 することが 可 能 になる ( 図 6.3.3) これによって 簡 単 に 補 修 個 所 の 優 先 度 が 分 析 でき 補 修 計 画 作 成 の 高 度 化 が 可 能 である 図 6.3.3 舗 装 管 理 における 利 活 用 イメージ (3) 境 界 確 定 境 界 確 定 では 道 路 基 盤 地 図 情 報 の 特 徴 ( 大 縮 尺 )を 利 用 することで 境 界 確 定 箇 所 を 正 確 に 管 理 することができる さらに システム 上 では 境 界 確 定 が 行 われた 箇 所 の 境 界 確 定 範 囲 と 関 連 情 報 ( 確 定 者 確 定 年 月 日 確 定 図 など)を 関 連 付 けて 管 理 で 6-22

きる( 図 6.3.4) 図 6.3.4 境 界 確 定 における 利 活 用 イメージ (4) 特 殊 車 両 管 理 道 路 基 盤 地 図 情 報 の 大 縮 尺 を 生 かし 個 別 協 議 接 進 判 断 の 基 礎 資 料 に 用 いること で 協 議 審 査 箇 所 の 車 道 部 車 道 交 差 部 および 区 画 線 を 元 に 軌 跡 図 と 重 ね 合 わせて 通 行 可 否 を 審 査 できる また 道 路 基 盤 地 図 情 報 は 工 事 によって 道 路 形 状 が 変 わる 都 度 に 更 新 されるため 常 に 最 新 の 情 報 を 用 いて 特 殊 車 両 の 管 理 ができる( 図 6.3.5) 図 6.3.5 特 殊 車 両 管 理 取 締 指 導 における 利 活 用 イメージ (5) 道 路 パトロール 路 基 盤 地 図 情 報 を 可 搬 型 の 端 末 に 道 取 り 込 んで 道 路 パトロールを 実 施 することで 現 地 で 正 確 なパトロール 結 果 を 入 力 することができる また 端 末 と 事 務 所 のシステ ムを 連 携 させ 道 路 基 盤 地 図 情 報 上 でパトロール 情 報 を 一 元 管 理 し 大 縮 尺 の 図 面 の 上 で 詳 細 な 位 置 情 報 をプロット 可 能 である( 図 6.3.6) 6-23

図 6.3.6 道 路 パトロールにおける 利 活 用 イメージ (6) 道 路 占 用 物 件 管 理 道 路 基 盤 地 図 情 報 に 占 用 物 件 を 関 連 づけて 管 理 することで 地 下 埋 設 物 などの 多 種 のインフラを 正 確 な 位 置 情 報 で 一 元 管 理 することが 可 能 になる 工 事 前 の 状 況 確 認 が 効 率 的 に 実 施 できるとともに 破 断 事 故 のリスクを 低 減 できる 図 6.3.7 道 路 占 用 物 件 管 理 における 利 活 用 イメージ 6.3.2 民 間 での 利 活 用 検 討 現 在 様 々な 民 間 ビジネスにおいても より 詳 細 な 道 路 基 盤 地 図 の 提 供 に 対 するニー ズが 増 加 しており 民 間 事 業 者 (カーナビ マンナビ 地 図 調 整 等 )などの 多 様 な 主 体 において 道 路 基 盤 地 図 情 報 を 活 用 した 新 たなサービスの 実 現 が 期 待 されていることを 考 慮 し カーナビ 等 で 提 供 可 能 性 があり 一 定 の 効 果 が 想 定 されるサービス 例 を 検 討 した ( 図 6.3.8) 6-24

図 6.3.8 民 間 における 道 路 基 盤 地 図 情 報 の 利 活 用 イメージ (1) カーブ 進 入 危 険 情 報 サービス カーブ 進 入 危 険 情 報 サービスは 道 路 中 心 線 測 点 の 情 報 から 安 全 に 走 行 するため の 限 界 速 度 を 算 出 し 急 カーブで 速 度 超 過 している 車 両 に 対 して 注 意 喚 起 や 車 両 制 御 を 行 うサービスである 警 告 看 板 のある 地 点 でのカーブ 危 険 情 報 は 現 状 でも 提 供 され ているが 道 路 線 形 等 から 安 全 に 走 行 できる 限 界 速 度 を 算 出 する 点 が 新 たなサービス の 特 徴 である( 図 6.3.9) サービスの 実 現 により 主 にカーブでの 速 度 超 過 による 交 通 事 故 の 削 減 といった 効 果 が 得 られると 考 えられる 図 6.3.9 カーブ 進 入 危 険 情 報 サービスでの 利 活 用 イメージ (2) 交 差 点 等 危 険 情 報 提 供 サービス 交 差 点 危 険 情 報 提 供 サービスは 停 止 線 や 横 断 歩 道 等 の 危 険 箇 所 の 情 報 をカーナビ で 提 供 し 一 時 停 止 線 で 一 時 停 止 や 減 速 を 行 わない 車 両 に 対 しては ドライバへの 注 意 喚 起 車 両 制 御 を 行 う また 横 断 歩 道 では 車 載 レーダーで 歩 行 者 の 存 在 を 検 知 し 歩 行 者 が 横 断 しているにも 関 わらず 減 速 しない 車 両 に 対 しては 注 意 喚 起 や 車 両 制 御 を 行 う 車 載 レーダーと 地 図 とを 共 用 したサービスであることが サービスの 特 徴 である( 図 6.3.10) 6-25

サービスの 導 入 により 主 に 交 差 点 での 交 通 事 故 の 削 減 等 の 効 果 が 見 込 まれると 考 えられる 図 6.3.10 交 差 点 等 危 険 情 報 提 供 サービスでの 利 活 用 イメージ (3) 追 越 し 危 険 箇 所 情 報 提 供 サービス 交 差 点 危 険 情 報 提 供 サービスは 停 止 線 や 横 断 歩 道 等 の 危 険 箇 所 の 情 報 をカーナビ で 提 供 し 一 時 停 止 線 で 一 時 停 止 や 減 速 を 行 わない 車 両 に 対 しては ドライバへの 注 意 喚 起 車 両 制 御 を 行 う また 横 断 歩 道 では 車 載 レーダーで 歩 行 者 の 存 在 を 検 知 し 歩 行 者 が 横 断 しているにも 関 わらず 減 速 しない 車 両 に 対 しては 注 意 喚 起 や 車 両 制 御 を 行 う 車 載 レーダーと 地 図 とを 共 用 したサービスであることが サービスの 特 徴 である( 図 6.3.11) サービスの 導 入 により 主 に 交 差 点 での 交 通 事 故 の 削 減 等 の 効 果 が 見 込 まれると 考 えられる 図 6.3.11 追 越 し 禁 止 情 報 提 供 サービスでの 利 活 用 イメージ 6-26

(4) エコドライブ 支 援 サービス エコドライブ 支 援 サービスは 道 路 線 形 や 勾 配 情 報 をもとに 車 両 制 御 や 情 報 提 供 を 行 い 燃 費 に 良 い 走 行 である 定 速 走 行 を 実 現 する 現 状 エコドライブの 実 現 に 向 け た 勾 配 情 報 を 活 用 した 車 両 制 御 は 実 現 されておらず 勾 配 情 報 の 活 用 が 新 たなサービ スの 特 徴 となる( 図 6.3.12) また 高 規 格 道 路 での 情 報 提 供 など 必 ずしも 面 的 なデ ータ 整 備 を 必 要 としないので 早 期 に 実 現 可 能 であると 考 えられる サービスの 導 入 により 定 速 走 行 による 環 境 負 荷 低 減 効 果 が 得 られると 考 えられる 図 6.3.12 エコドライブ 支 援 サービスでの 利 活 用 イメージ (5) ハイブリッド 自 動 車 電 気 自 動 車 制 御 ハイブリッド 自 動 車 電 気 自 動 車 制 御 では 縦 断 勾 配 の 情 報 を 活 用 し モーター 駆 動 自 動 車 の 最 適 なバッテリ 制 御 を 行 う また 給 電 スポットの 情 報 から 残 バッテリ で 走 行 可 能 なエリアの 情 報 を 提 供 する さらに 交 通 情 報 等 も 活 用 し ハイブリッド 自 動 車 電 気 自 動 車 にとって 最 適 な 燃 費 となるルート 検 索 を 行 う( 図 6.3.13) 道 路 基 盤 地 図 情 報 が 整 備 されていない 道 路 については カーナビのジャイロセンサの 情 報 を もとに 勾 配 を 学 習 するシステムを 用 いて 面 的 なサービスを 可 能 にする この 場 合 ジャイロセンサの 精 度 調 整 に 道 路 基 盤 地 図 情 報 が 整 備 されている 区 間 の 情 報 を 活 用 す ることが 想 定 される サービスの 導 入 により 低 公 害 自 動 車 の 利 用 促 進 による 環 境 負 荷 低 減 効 果 が 得 られ ると 考 えられる 6-27

図 6.3.13 ハイブリッド 自 動 車 電 気 自 動 車 制 御 での 利 活 用 イメージ (6) 既 存 ナビ 地 図 の 情 報 項 目 の 充 実 既 存 ナビ 地 図 への 道 路 基 盤 地 図 情 報 の 利 活 用 にあたっては 道 路 基 盤 地 図 情 報 に より 既 存 ナビの 情 報 項 目 を 充 実 化 することにより より 適 切 な 経 路 案 内 を 実 現 する 現 状 ではナビで 提 供 されていない 情 報 を 道 路 基 盤 地 図 情 報 から 提 供 することで ルー ト 案 内 の 高 度 化 が 可 能 であると 考 えられる( 図 6.3.14) また 大 縮 尺 の 地 図 の 道 路 内 の 情 報 が 充 実 することで 地 図 の 新 たな 利 活 用 方 法 が 期 待 できると 考 えられる 既 存 ナビ 地 図 の 情 報 項 目 の 充 実 化 の 実 現 により ナビ 経 路 案 内 機 能 の 向 上 交 通 事 故 の 削 減 大 縮 尺 地 図 の 整 備 費 用 削 減 等 の 効 果 が 得 られると 考 えられる 図 6.3.14 既 存 ナビ 地 図 の 情 報 項 目 の 充 実 に 向 けた 利 活 用 イメージ (7) マンナビ 機 能 の 向 上 道 路 基 盤 地 図 情 報 を 活 用 した 歩 行 者 ナビの 高 度 化 にあたっては 道 路 基 盤 地 図 情 報 の 導 入 により 歩 道 設 置 状 況 横 断 歩 道 および 横 断 施 設 情 報 を 考 慮 した 歩 行 者 向 けナ ビにおける 適 切 な 経 路 案 内 を 実 現 する 一 方 で 現 状 ではナビで 提 供 されていない 情 報 を 提 供 することで マンナビの 案 内 機 能 向 上 およびデータ 充 実 を 図 ることができる と 考 えられる( 図 6.3.15) 6-28

道 路 基 盤 地 図 情 報 を 活 用 したマンナビ 機 能 の 向 上 により 歩 行 者 の 交 通 事 故 数 の 削 減 歩 行 者 ナビの 利 便 性 の 向 上 特 に 高 齢 者 の 移 動 支 援 といった 効 果 が 得 られると 考 えられる 図 6.3.15 マンナビ 機 能 の 向 上 へ 向 けた 利 活 用 イメージ 6.4 今 後 の 展 開 6.4.1 道 路 基 盤 地 図 情 報 を 背 景 とした 道 路 管 理 システムの 開 発 平 成 22 年 度 より 道 路 基 盤 地 図 情 報 を 道 路 管 理 の 各 業 務 を 支 援 する 共 通 基 盤 として 利 用 することための 道 路 管 理 を 支 援 する 道 路 基 盤 地 図 情 報 を 共 通 基 盤 としたシステム( 以 下 道 路 基 盤 Web マップ という )が 具 備 すべき 機 能 を 検 討 している 道 路 基 盤 Web マップの 画 面 イメージを 図 6.4.1 に 示 す 図 6.4.1 道 路 基 盤 Web マップの 画 面 イメージ 道 路 基 盤 Web マップは 基 本 機 能 および 個 別 機 能 で 構 成 する 基 本 機 能 は 道 路 管 理 の 各 業 務 で 共 通 して 使 用 する 地 図 表 示 や 図 面 印 刷 などの 機 能 を 指 す 個 別 機 能 は 舗 装 管 理 や 行 政 相 談 など 各 業 務 で 必 要 な 機 能 を 指 す( 月 報 一 括 作 成 機 能 など) 現 在 6-29

国 総 研 では 国 道 事 務 所 と 意 見 交 換 を 実 施 して 基 本 機 能 の 要 件 を 検 討 している 今 後 は 道 路 基 盤 Web マップの 機 能 要 件 を 定 義 し システム 開 発 に 着 手 する 予 定 であ る 道 路 基 盤 Web マップが 道 路 管 理 の 効 率 化 の 支 援 ツールとなるために 道 路 管 理 者 と 意 見 交 換 を 実 施 してニーズを 把 握 しつつ 適 切 な 導 入 運 用 費 用 になることにも 配 慮 し て 整 備 を 進 める 6.4.2 道 路 基 盤 地 図 情 報 の 試 行 提 供 道 路 基 盤 地 図 情 報 は 平 成 18 年 8 月 より 着 々と 整 備 を 始 めているが 一 般 には 公 開 して いないため 産 学 における 具 体 的 な 用 途 に 加 え 各 用 途 を 満 足 する 品 質 を 確 保 している のかなどが 明 らかになっていなかった よって 道 路 基 盤 地 図 情 報 の 適 切 な 情 報 流 通 方 法 を 確 立 するには 官 に 加 え 産 学 のニーズも 的 確 に 把 握 しておく 必 要 がある そこで 平 成 22 年 12 月 から 平 成 23 年 3 月 にかけて 道 路 基 盤 地 図 情 報 が 有 効 利 用 で きる 流 通 環 境 の 構 築 を 目 的 として 道 路 基 盤 地 図 情 報 の 流 通 に 係 わる 条 件 の 整 理 結 果 お よび 道 路 基 盤 地 図 情 報 を 試 行 的 に 提 供 して 産 学 ニーズを 調 査 を 実 施 した 調 査 の 流 れは 図 6.4.2 に 示 すとおりであり 調 査 方 法 は 整 備 した 一 部 の 道 路 基 盤 地 図 情 報 を 産 学 関 係 者 に 実 際 に 利 用 いただいた 上 で 意 見 を 収 集 することとした また 今 回 の 産 学 ニーズ 調 査 では 三 重 県 内 の 直 轄 国 道 122.1km( 国 道 23 号 25 号 42 号 258 号 )の 道 路 基 盤 地 図 情 報 を 利 用 した 図 6.4.2 産 学 ニーズ 調 査 の 流 れ 道 路 基 盤 地 図 情 報 の 利 用 申 請 者 は 8 団 体 であった しかし 申 請 者 には 学 協 会 も 含 ま れていたため 学 協 会 の 会 員 組 織 を 含 めると 今 回 の 調 査 では 約 100 団 体 からのニーズ が 収 集 できた 得 られた 産 学 のニーズの 要 約 を 以 下 に 示 す まず 道 路 基 盤 地 図 情 報 の 様 々な 用 途 への 可 能 性 は 以 下 の 意 見 が 挙 げられた ITS( 車 線 逸 脱 防 止 警 告 カーブ 進 入 警 告 )のサービス 提 供 に 必 要 な 情 報 の 構 築 自 社 ( 民 間 ) 地 図 の 高 精 度 化 6-30

GIS 製 品 へのプラグイン 機 能 の 実 装 民 間 地 図 整 備 の 基 礎 データとして 事 故 調 査 などの 行 政 業 務 に 利 用 道 路 維 持 管 理 のための 基 盤 データ 歩 行 空 間 における 3 次 元 ユニバーサルデザインマップの 基 盤 データ 歩 行 者 ナビゲーションのネットワークデータ ドライビングシミュレータ 自 走 カート ロボット 向 けナビゲーション 騒 音 調 査 事 故 調 査 大 気 成 分 測 定 などの 調 査 シミュレーション その 他 には 上 記 のコンテンツ 作 成 の 効 率 化 への 期 待 高 さ 情 報 の 需 要 が 高 いこと 将 来 的 に 無 償 公 開 が 望 ましいが 商 用 目 的 では 有 償 でも 使 用 する 意 向 があることなどのニ ーズが 収 集 できた 今 後 も 引 き 続 き 道 路 基 盤 地 図 情 報 に 対 する 産 学 官 ニーズを 調 査 して 具 体 的 な 用 途 を 深 掘 りし 道 路 基 盤 地 図 情 報 が 有 効 利 用 できる 流 通 環 境 の 構 築 に 向 けて 取 り 組 む 6-31