資 料 3 第 4 回 日 本 の 稼 ぐ 力 創 出 研 究 会 雇 用 システム 改 革 事 務 局 説 明 資 料 2014 年 6 月 10 日 経 済 産 業 省 経 済 産 業 政 策 局 ( ) 本 分 析 における 試 算 は 一 定 の 仮 定 を 置 いて 推 計 を 行 ったものであり 種 々の 不 確 実 性 に 鑑 み 相 当 程 度 の 幅 を 持 って 理 解 される 必 要 がある
2 < 目 次 > 1. 柔 軟 で 多 様 な 働 き 方 の 推 進 P. 3 2. 労 働 市 場 の 機 能 強 化 P.19 3. 外 国 人 材 の 活 用 P.27
3 1. 柔 軟 で 多 様 な 働 き 方 の 推 進 (1/3) 1 人 口 減 少 社 会 の 到 来 や 経 済 のグローバル 化 といった 課 題 への 対 応 という 観 点 からは 若 者 女 性 高 齢 者 の 活 躍 促 進 や 教 育 制 度 改 革 など 幅 広 い 取 組 が 必 要 特 に 日 本 の 稼 ぐ 力 を 創 出 するためには 行 き 過 ぎた 非 正 規 化 を 是 正 し 労 働 生 産 性 の 向 上 を 図 ることが 必 要 ではないか 2 雇 用 者 に 占 める 非 正 規 雇 用 の 比 率 は 長 期 的 に 増 加 傾 向 にあり 業 種 別 では サービス 業 が 増 加 分 の 約 4 割 医 療 福 祉 が4 割 弱 年 代 別 では 高 齢 者 が 約 6 割 就 職 氷 河 期 世 代 が 約 3.5 割 を 占 める 3 非 正 規 雇 用 が 多 い 産 業 においては 生 産 性 の 低 迷 が 見 られる 非 正 規 雇 用 は 雇 用 期 間 が 限 られるため 従 業 員 の 成 長 意 欲 を 引 き 出 せず また 企 業 側 も 長 期 的 な 人 材 育 成 のインセンティブがなく 結 果 として 生 産 性 の 低 迷 が 生 じている 可 能 性 がある
非 正 規 労 働 者 比 率 の 推 移 雇 用 者 に 占 める 非 正 規 雇 用 の 比 率 は 長 期 的 に 増 加 傾 向 にあり 2004 年 から2014 年 の10 年 間 で 6.4% 増 加 し 37.9%となった 40.0% 35.0% 30.0% 雇 用 者 に 占 める 非 正 規 従 業 員 の 比 率 (2004 年 ) 正 規 3,380 万 人 非 正 規 1,555 万 人 非 正 規 比 率 31.5% (2014 年 ) 正 規 3,223 万 人 非 正 規 1,970 万 人 非 正 規 比 率 37.9% 男 女 非 正 規 25.0% 女 非 正 規 20.0% 15.0% 10.0% 5.0% 0.0% 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 ( 出 典 ) 労 働 力 調 査 ( 総 務 省 ) 4
年 齢 階 層 別 産 業 別 の 非 正 規 労 働 者 の 増 加 非 正 規 の 増 加 を 年 代 別 にみると60 歳 以 上 の 非 正 規 雇 用 者 の 増 加 が 最 も 大 きく 6 割 弱 を 占 める また 就 職 氷 河 期 世 代 も 約 3.5 割 を 占 める 産 業 別 にみるとサービス 業 の 非 正 規 雇 用 者 の 増 加 が 最 も 大 きく 約 4 割 を 占 める 次 いで 医 療 福 祉 が4 割 弱 を 占 める 年 齢 階 層 別 の 非 正 規 者 数 の 増 減 500 400 300 200 100-100 2002 年 から2012 年 への 増 減 ( 万 人 ) 0 1 60 歳 以 上 が 大 半 60 歳 以 上 45~59 歳 30~44 歳 15~29 歳 2 就 職 氷 河 期 世 代 ( 万 人 ) 400 350 300 250 200 150 100 50 0-50 産 業 別 の 非 正 規 者 数 の 増 減 2002 年 から2012 年 への 増 減 サービス 業 医 療 福 祉 公 務 ( 他 に 分 類 されるものを 除 く) サービス 業 医 療, 福 祉 不 動 産 業, 物 品 賃 貸 業 卸 売 業, 小 売 業 運 輸 業, 郵 便 業 電 気 ガス 熱 供 給 水 道 業 製 造 業 建 設 業 情 報 通 信 業 金 融 業, 保 険 業 3 サービス 業 医 療 福 祉 が 大 半 ( 出 典 ) 労 働 力 調 査 就 業 構 造 基 本 調 査 ( 総 務 省 ) サービス 業 には 学 術 研 究, 専 門 技 術 サービス, 宿 泊 業, 飲 食 サービス 業 生 活 関 連 サービス 業, 娯 楽 業 教 育, 学 習 支 援 業 複 合 サービス 業 サービス 業 ( 他 に 分 類 されないもの) を 含 む 2002 年 からの 増 減 には 農 業 林 業 漁 業 鉱 業, 採 石 業, 砂 利 採 取 業 を 含 まず 5
非 正 規 比 率 と 生 産 性 の 関 係 非 正 規 比 率 が 低 い 産 業 ほど 全 要 素 生 産 性 の 伸 びが 大 きくなっている 特 に 飲 食 宿 泊 卸 売 小 売 の 非 正 規 率 が 高 く 全 要 素 生 産 性 の 伸 びが 低 くなっている 0% 全 要 素 生 産 性 の 伸 び( 米 国 を100とした 場 合 ) 40 50 60 70 80 90 100 110 120 非 正 規 比 率 10% 20% 30% 40% 運 輸 倉 庫 電 気 機 器 金 属 建 設 化 学 輸 送 用 機 器 金 融 保 険 50% 60% 卸 売 小 売 70% 80% 飲 食 宿 泊 ( 出 典 ) 非 正 規 比 率 : 就 業 構 造 基 本 調 査 全 要 素 生 産 性 :EU KLEMSデータベース 注 ) 卸 売 小 売 の 労 働 生 産 性 は それぞれの 労 働 生 産 性 の 値 の 単 純 平 均 値 を 使 用 運 輸 倉 庫 については 運 輸 倉 庫 の 全 要 素 生 産 性 の 値 を 運 輸 業, 郵 便 業 の 非 正 規 比 率 と 比 較 6
7 1. 柔 軟 で 多 様 な 働 き 方 の 推 進 (2/3) 1 生 産 性 向 上 を 図 るためには 正 規 と 非 正 規 を 峻 別 し 処 遇 や 人 材 育 成 投 資 雇 用 の 安 定 に 明 確 な 差 を 設 ける 従 来 の 雇 用 システムを 変 革 し 柔 軟 で 多 様 な 働 き 方 を 可 能 にする 多 様 な 正 社 員 を 普 及 拡 大 させることなどにより 非 正 規 の 正 規 化 を 促 すべきではないか 2マクロで 見 ると 多 くの 産 業 において 景 気 や 季 節 の 変 動 に 必 要 な 以 上 の 非 正 規 労 働 者 をかかえており この 一 部 を 正 規 化 し 多 様 な 正 社 員 として 活 用 す る 余 地 があるのではないか 3 多 様 な 正 社 員 の 普 及 は 出 産 や 子 育 て 等 を 機 に 離 職 を 余 儀 なくされた 女 性 の 職 場 復 帰 や 近 年 人 手 不 足 が 深 刻 になっている 地 域 の 一 部 産 業 での 人 材 確 保 にも 資 するのではないか
多 様 な 正 社 員 の 導 入 余 地 (1) 製 造 業 短 期 的 な 雇 用 者 数 の 増 減 幅 は 約 20 万 人 景 気 変 動 を 要 因 とする 増 減 幅 は 約 100 万 人 と 想 定 される 景 気 により 雇 用 者 数 の 変 動 が 考 えられる 約 100 万 人 までは 非 正 規 雇 用 が 必 要 だが それを 超 える 非 正 規 雇 用 約 150 万 人 は 多 様 な 正 社 員 に 切 り 替 える 余 地 があると 考 えられる ( 万 人 ) 2008 年 以 降 の 雇 用 者 数 の 推 移 今 後 望 まれる 雇 用 形 態 の 構 成 1100 1000 900 800 リーマンショック( 景 気 変 動 ) による 雇 用 者 数 の 変 動 ( 100 万 人 ) 近 年 の 短 期 間 での 雇 用 者 数 の 変 動 幅 (20.8 万 人 ) 非 正 規 雇 用 約 250 万 人 ( 日 系 人 技 能 実 習 パート 派 遣 等 ) 短 期 的 な 変 動 ( 季 節 変 動 等 ) への 対 応 (20 万 人 ) 景 気 変 動 への 備 え (100 万 人 ) 短 期 就 労 外 国 人 の 導 入 万 人 程 度 必 要 技 能 実 習 生 の 増 加 万 人 程 度 必 要 既 存 の 技 能 実 習 ( 主 として3 年 コース) 10 万 人 日 系 人 定 住 者 ( 主 として 製 造 派 遣 ) 推 定 10 万 人 有 期 雇 用 (パート 派 遣 等 ) 80 万 人 程 度 多 様 な 正 社 員 150 万 人 程 度 700 600 2008.1 正 規 雇 用 約 750 万 人.5.9 2009.1.5.9 2010.1.5.9 2011.1.5.9 2012.1.5.9 2013.1.5.9 正 規 雇 用 750 万 人 程 度 ( 出 典 ) 労 働 力 調 査 ( 総 務 省 ) 短 期 間 での 雇 用 者 数 の 変 動 幅 は 各 年 毎 に 線 形 近 似 した 値 とのかい 離 の 最 大 値 の10 年 間 の 平 均 値 を 記 載 8
多 様 な 正 社 員 の 導 入 余 地 (2)サービス 業 短 期 的 な 雇 用 者 数 の 増 減 幅 は 約 60 万 人 景 気 変 動 を 要 因 とする 増 減 幅 は 約 100 万 人 と 想 定 される 景 気 により 雇 用 者 数 の 変 動 が 考 えられる 約 100 万 人 までは 非 正 規 雇 用 が 必 要 だが それを 超 える 非 正 規 雇 用 約 820 万 人 は 多 様 な 正 社 員 に 切 り 替 える 余 地 があると 考 えられる ( 万 人 ) 2100 2000 2008 年 以 降 の 雇 用 者 数 の 推 移 近 年 の 短 期 間 での 雇 用 者 数 の 変 動 幅 (60 万 人 ) 短 期 的 な 変 動 ( 季 節 変 動 等 ) への 対 応 (60 万 人 ) 景 気 変 動 への 備 え (100 万 人 ) 今 後 望 まれる 雇 用 形 態 の 構 成 留 学 生 の 増 加 万 人 ( 週 28 時 間 休 暇 中 就 労 可 ) 既 存 の 留 学 生 万 人 ( 週 28 時 間 休 暇 中 就 労 可 ) 有 期 雇 用 (パート 派 遣 等 ) 90 万 人 程 度 1900 1200 1800 リーマンショック( 景 気 変 動 ) による 雇 用 者 数 の 変 動 ( 100 万 人 ) 非 正 規 雇 用 約 920 万 人 多 様 な 正 社 員 820 万 人 程 度 1700 1100 正 規 雇 用 約 1160 万 人 正 規 雇 用 1160 万 人 程 度 1600 2008.1.5.9 2009.1.5.9 2010.1.5.9 2011.1.5.9 2012.1.5.9 2013.1.5.9 ( 出 典 ) 労 働 力 調 査 ( 総 務 省 ) 短 期 間 での 雇 用 者 数 の 変 動 幅 は 各 年 毎 に 線 形 近 似 した 値 とのかい 離 の 最 大 値 の10 年 間 の 平 均 値 を 記 載 雇 用 者 数 には 学 術 研 究, 専 門 技 術 サービス 業 宿 泊 業, 飲 食 サービス 業 生 活 関 連 サービス 業, 娯 楽 業 教 育, 学 習 支 援 業 医 療, 福 祉 複 合 サービス 事 業 サービス 業 ( 他 に 分 類 されないもの) の 雇 用 者 数 を 含 む 9
10 女 性 の 年 齢 階 級 別 労 働 力 率 の 世 代 による 特 徴 女 性 の 正 規 雇 用 の 割 合 は 20 代 後 半 をピークに 減 少 に 転 じており いったん 離 職 すると 正 社 員 として 復 職 することは 難 しい 出 産 や 子 育 て 等 を 経 ても ライフスタイルに 合 わせて 正 社 員 として 働 き 続 けられる 環 境 が 必 要 ではないか
近 年 の 地 方 における 求 人 数 の 増 加 状 況 2010 年 と 比 較 して 2012 年 は 地 方 を 含 む 広 範 な 都 道 府 県 において 求 人 数 が 増 加 している 2010 年 度 新 規 求 人 状 況 2012 年 度 新 規 求 人 状 況 (%) 30 25 20 15 10 5 (%) 30 25 20 15 10 5 全 産 業 の 新 規 求 人 状 況 (2010 年 度 ) 全 産 業 の 新 規 求 人 状 況 (2012 年 度 ) 新 規 求 人 状 況 は 都 道 府 県 別 新 規 求 人 数 / 都 道 府 県 別 就 業 者 数 ( 出 典 ) 都 道 府 県 別 産 業 別 新 規 求 人 数 は 厚 生 労 働 省 職 業 安 定 業 務 統 計 (2010 年 度 2012 年 度 )の 実 数 都 道 府 県 別 産 業 別 就 業 者 数 については 総 務 省 国 勢 調 査 (2010 年 ) 及 び 総 務 省 就 業 構 造 基 本 調 査 (2012 年 )の 数 値 11
12 都 市 と 地 方 における 賃 金 水 準 の 変 化 日 本 の 給 与 水 準 は 失 業 率 ( 人 材 の 需 給 の 逼 迫 状 況 )との 相 関 が 大 きいことから 必 要 とされている 人 材 の 賃 金 が 結 果 として 高 くなる 傾 向 にある 都 市 と 地 方 の 給 与 水 準 の 変 化 を 比 較 してみると 都 市 部 では 製 造 業 や 情 報 通 信 業 など 労 働 集 約 型 の 産 業 でより 人 材 が 求 められているのに 対 し 地 方 では 卸 売 業, 小 売 業 医 療, 福 祉 などの 産 業 で 人 材 がより 求 められている 賃 金 水 準 の 変 化 ( 平 成 15 年 と 平 成 25 年 の 所 定 内 給 与 を 比 較 ) ( 千 円 / 月 ) 労 働 力 人 口 上 位 7 都 府 県 労 働 力 人 口 下 位 20 県 建 設 業 製 造 業 情 報 通 信 業 運 輸 業, 郵 便 業 卸 売 業, 小 売 業 金 融 業, 保 険 業 宿 泊 業, 飲 食 サービス 業 医 療, 福 祉 サービス 業 ( 他 に 分 類 され ないもの) -3.3 4.8 6.1 1.4 0.7 2.5-4.0-4.1 5.1-7.7 0.8 0.1 2.2 1.5-2.2-5.0 0.3-13.1 地 方 よりも 都 市 部 で 労 働 者 を 必 要 としている 産 業 都 市 部 よりも 地 方 で 労 働 者 を 必 要 としている 産 業 ( 出 典 ) 賃 金 構 造 基 本 統 計 調 査 ( 厚 生 労 働 省 2004 年 2014 年 )
13 1. 柔 軟 で 多 様 な 働 き 方 の 推 進 (3/3) < 取 り 組 むべき 方 向 性 > 1 既 に 一 部 の 企 業 において 地 域 限 定 正 社 員 職 種 限 定 正 社 員 といった 多 様 な 正 社 員 の 活 用 など 非 正 規 雇 用 を 正 規 化 する 取 組 がなされている 優 秀 な 人 材 の 確 保 による 生 産 性 向 上 を 図 るため これら 先 進 的 な 事 例 を 参 考 に 他 の 企 業 で も 積 極 的 に 取 り 組 むべきではないか 2 一 方 で 地 域 の 中 小 零 細 企 業 は 独 自 に 多 様 な 正 社 員 を 雇 用 し 人 材 を 育 成 することが 困 難 な 場 合 がある したがって 企 業 規 模 の 拡 大 や 限 られた 人 材 を 共 同 で 育 成 する 仕 組 みの 構 築 等 が 必 要 ではないか 3 我 が 国 における 賃 金 制 度 は 原 則 労 働 時 間 の 長 さに 応 じた 報 酬 が 得 られる 仕 組 みとなっているが 柔 軟 で 多 様 な 働 き 方 の 推 進 という 観 点 からは 労 働 時 間 よ りも 成 果 を 重 視 して 評 価 されるような 働 き 方 を 進 めることが 必 要 ではないか この ことは 我 が 国 の 労 働 者 が 他 の 先 進 国 と 比 べて 労 働 時 間 が 長 く その 結 果 労 働 生 産 性 が 低 くなっていることを 解 決 することにも 資 するのではないか
14 多 様 な 正 社 員 の 導 入 など 非 正 規 の 正 規 化 等 の 取 り 組 み 事 例 ファーストリテイリング アルバイトとパート1 万 6 千 人 を2~3 年 以 内 に 地 域 限 定 の 正 社 員 に 登 用 する 新 卒 や 中 途 採 用 でも 地 域 限 定 社 員 を 増 やす 日 本 郵 政 2013 年 度 までに1 万 5,000 人 以 上 の 非 正 規 社 員 を 地 域 限 定 の 正 社 員 に 登 用 2014 年 4 月 には 新 一 般 職 を 用 意 し 約 4,700 人 を 地 域 限 定 の 正 社 員 に スターバックスコーヒー ジャパン 全 契 約 社 員 約 800 人 の 正 規 化 ( 時 間 地 域 限 定 正 社 員 )を 実 施 スタバ 日 本 法 人 で 人 事 管 理 担 当 の 荻 野 博 夫 執 行 役 員 は 人 事 制 度 見 直 しの 着 手 は3 年 前 人 手 不 足 がきっかけではない と 話 す 事 実 スタバ 社 員 の 定 着 率 は 高 い 厚 生 労 働 省 によると 新 卒 の3 年 以 内 の 離 職 率 は 大 卒 で30%ほどだが スタバは5% 未 満 新 制 度 で 意 識 し たのは 契 約 社 員 の 待 遇 改 善 だけでなく 平 均 年 齢 が35 歳 に 上 がった 正 社 員 の 働 き 方 の 改 革 だ パソナ 電 機 メーカーを 辞 めた 人 など 約 100 人 を 正 社 員 として 雇 用 し 無 償 で 半 導 体 検 査 技 術 者 として 養 成 7 月 から 企 業 に 派 遣 する 日 本 生 命 今 年 7 月 正 社 員 だけでなく 事 務 の 契 約 社 員 約 7 千 人 にも ボーナス( 一 時 金 )を 支 給 する 株 高 などで 業 績 が 好 調 なため 正 社 員 だけでなく 非 正 規 の 職 員 への 還 元 も 強 めることにした イケア ジャパン 9 月 をメドにパートの 待 遇 を 見 直 し 時 間 限 定 の 正 社 員 とする 福 利 厚 生 を 充 実 させるとともに 正 社 員 と 同 じ 職 務 なら 時 給 換 算 で 正 社 員 と 同 等 にする 全 日 本 空 輸 2014 年 入 社 から20 年 ぶりに 客 室 乗 務 員 (CA)を 職 種 限 定 の 正 社 員 として 採 用 2,014 年 4 月 1 日 には437 人 2015 年 は500 人 ( 予 定 )のCAが 正 社 員 として 入 社 すかいらーく 2014 年 1 月 に 契 約 社 員 86 人 を 正 社 員 に パートやアルバイトか らも 正 社 員 に 登 用 できるよう6ヶ 月 間 の 研 修 プログラムを 導 入 し た 損 害 保 険 ジャパン 日 本 興 亜 損 害 保 険 と 合 併 する9 月 から 時 給 制 で 働 く 事 務 職 約 2 千 人 を 働 きぶりの 評 価 に 応 じて 昇 給 する 月 給 制 に 転 換 し ボーナスも 支 給 する 仕 事 の 内 容 も 見 直 し 例 えば 営 業 部 門 は 現 在 は 保 険 申 込 書 の 受 け 付 けや 仕 分 け とじこみなどが 仕 事 の 中 心 だが 新 制 度 で は 代 理 店 への 販 売 支 援 など 社 外 での 仕 事 にも 積 極 的 に 関 わっ てもらう 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 1 万 2,000 人 の 契 約 社 員 が 正 社 員 と 同 じ 労 働 組 合 に 加 入 できる よう 制 度 を 変 更 今 春 は 7,000 人 が 実 際 に 組 合 に 加 入 した 非 正 規 社 員 の 処 遇 改 善 等 に 関 する 報 道 まとめ
多 様 な 正 社 員 の 制 度 の 活 用 状 況 企 業 の 雇 用 区 分 を 見 ると 半 数 以 上 の 企 業 が 職 種 限 定 などの 多 様 な 正 社 員 の 制 度 を 持 って おり 従 業 員 数 でみても 約 35%が 多 様 な 正 社 員 として 働 いている 多 様 な 正 社 員 の 制 度 を 導 入 していない 企 業 の 導 入 していない 理 由 は 正 社 員 はそもそも 多 様 な 働 き 方 が 可 能 労 働 管 理 が 煩 雑 非 正 社 員 を 積 極 的 に 活 用 などが 多 い 企 業 における 雇 用 区 分 の 設 定 状 況 と 従 業 員 数 企 業 数 従 業 員 数 全 体 1,987 1,576,996 100.0% 100.0% 多 様 な 正 社 員 1,031 549,452 51.9% 34.8% 職 種 限 定 あり 878 442,020 44.2% 28.0% 労 働 時 間 限 定 あり 146 53,148 7.3% 3.4% 勤 務 地 限 定 あり 382 140,191 19.2% 8.9% いわゆる 正 社 員 1,379 1,011,952 69.4% 64.2% 複 数 回 答 のため 各 項 目 の 企 業 数 は 合 計 と 合 致 しない 正 社 員 に 複 数 の 雇 用 区 分 を 設 けていない 理 由 正 社 員 はそもそも 多 様 な 働 き 方 が 可 能 であるから 労 働 管 理 が 煩 雑 になるから 非 正 社 員 を 積 極 的 に 活 用 しているから 全 事 業 所 が 転 居 を 伴 わない 範 囲 に 立 地 しているから 仕 事 の 範 囲 が 一 つしかないから 従 業 員 や 労 働 組 合 からの 要 望 がないか ら 複 数 区 分 を 設 けたいが その 導 入 方 法 運 用 方 法 に 関 するノウハウがないから その 他 不 明 7.6% 4.3% 9.8% 6.5% 10.2% 22.2% 21.3% 31.1% 正 社 員 の 雇 用 区 分 を 一 つしか 設 けていない 企 業 が 対 象 (いわゆる 正 社 員 でない 雇 用 区 分 のみの 会 社 も 含 まれる ) 対 象 企 業 数 1055 社 52.3% 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% ( 出 典 ) 厚 生 労 働 省 多 様 な 形 態 による 正 社 員 に 関 する 企 業 アンケート 調 査 (2011) 1) 調 査 対 象 は 全 国 従 業 員 300 人 以 上 の 企 業 2000 社 15
16 多 様 な 正 社 員 の 普 及 拡 大 多 様 な 正 社 員 の 普 及 拡 大 のための 有 識 者 懇 談 会 ( 座 長 : 今 野 浩 一 郎 学 習 院 大 学 教 授 )をこれまで8 回 開 催 制 度 導 入 企 業 8 社 や 労 使 団 体 からヒアリング 制 度 導 入 のメリット 処 遇 転 換 制 度 労 働 条 件 明 示 等 を 議 論 非 正 規 雇 用 労 働 者 のキャリア アップ 正 社 員 のワーク ライフ バランスの 実 現 のほか 企 業 による 優 秀 な 人 材 の 確 保 地 域 に 密 着 した 事 業 展 開 ものづくり 技 能 の 安 定 的 な 継 承 等 のメリット 勤 務 地 や 職 務 の 限 定 や 労 働 者 による 頻 繁 な 転 換 は 企 業 にとって 柔 軟 な 人 事 配 置 とのバラン スに 課 題 労 働 者 にとって 企 業 からの 拘 束 度 は 緩 やかな 反 面 処 遇 等 への 不 安 について 指 摘 少 子 高 齢 化 やグローバル 競 争 の 激 化 の 下 我 が 国 にとって 正 規 非 正 規 の 働 き 方 の 二 極 化 の 解 消 女 性 や 子 育 て 介 護 に 直 面 する 人 の 雇 用 継 続 や 能 力 発 揮 等 のメリット 本 年 年 央 を 目 途 に 以 下 の 項 目 を 含 む 雇 用 管 理 上 の 留 意 点 をとりまとめる 労 働 契 約 の 締 結 変 更 時 の 労 働 条 件 明 示 の 在 り 方 処 遇 の 在 り 方 いわゆる 正 社 員 との 均 衡 の 在 り 方 相 互 転 換 制 度 その 他 の 雇 用 管 理 に 関 する 事 項 26 年 度 中 に 専 門 性 の 高 い 高 度 人 材 を 含 む 多 様 な 正 社 員 のモデルとなる 好 事 例 及 び 就 業 規 則 の 規 定 例 を 幅 広 く 収 集 し 情 報 発 信 また 雇 用 管 理 上 の 留 意 点 と 併 せて セミナー 等 により 事 業 主 に 対 して 徹 底 した 周 知 さらに 27 年 度 に 向 けて 雇 用 管 理 上 の 留 意 点 を 踏 まえた 新 たな 支 援 措 置 を 検 討
17 労 働 時 間 の 推 移 我 が 国 労 働 者 全 体 での 一 人 当 たりの 年 間 総 実 労 働 時 間 は 減 少 しているが これは 平 成 8 年 頃 からパートタイム 労 働 者 比 率 が 高 まったこと 等 によるもの パートタイム 労 働 者 を 除 く 一 般 労 働 者 の 年 間 総 実 労 働 時 間 は ほとんど 減 少 していない 就 業 形 態 別 年 間 総 実 労 働 時 間 及 びパートタイム 労 働 者 比 率 の 推 移 1999 2008 2010 1999 1984 1990 1999 1990 2000 2016 2015 2012 2024 2033 1996 1972 1992 1996 1997 一 般 労 働 者 の 総 実 労 働 時 間 21.5 21.4 21.5 21.9 22.0 23.4 23.5 23.6 24.4 16.9 17.5 17.9 19.2 19.6 13.9 パートタイム 労 働 者 比 率 ( 単 位 %) 11.5 11.5 11.8 12.4 1176 1183 1176 1164 1157 1150 1172 1170 1172 1184 1171 1176 1182 1195 1166 1139 1153 1158 1163 パートタイム 労 働 者 の 総 実 労 働 時 間 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 ( 出 典 ) 毎 月 勤 労 統 計 調 査 厚 生 労 働 省 ( 注 ) 事 業 所 規 模 30 人 以 上 ( 年 度 )
我 が 国 の 長 時 間 労 働 と 労 働 生 産 性 日 本 は 国 際 的 にみて 長 時 間 労 働 者 の 割 合 が 高 い 一 方 で 労 働 生 産 性 が 低 くなっている 労 働 時 間 の 国 際 比 較 OECDか 加 盟 国 の 労 働 生 産 性 (2011/ 上 位 21カ 国 ) 一 人 当 たり 平 均 年 間 総 実 労 働 時 間 (2011 年 ) 長 時 間 労 働 者 の 割 合 ( 週 49 時 間 以 上 ) (2012 年 ) 日 本 1,728 時 間 計 22.7% 男 性 31.6%/ 女 性 10.6% フランス 1,476 時 間 計 11.6% 男 性 16.1%/ 女 性 6.5% イギリス 1,625 時 間 計 12.0% 男 性 17.3%/ 女 性 5.8% スウェーデン 1.644 時 間 計 7.6% 男 性 10.7%/ 女 性 4.2% ドイツ 1.413 時 間 計 11.2% 男 性 16.4%/ 女 性 5.0% 単 位 : 購 買 力 平 価 換 算 USドル アメリカ 1,787 時 間 計 16.4% 男 性 21.8%/ 女 性 10.2% ( 出 典 ) OECD Detabase ILOデータベース ( 出 典 ) 日 本 の 生 産 性 の 動 向 2012 年 版 ( 日 本 生 産 性 本 部 ) 18
19 2. 労 働 市 場 の 機 能 強 化 (1/2) 1 産 業 構 造 が 変 化 し 事 業 環 境 変 化 のスピードがますます 速 くなる 中 で 社 会 全 体 での 最 適 な 人 員 配 置 を 実 現 するためには 従 来 の 長 期 安 定 雇 用 偏 重 のシス テムを 見 直 し 労 働 市 場 の 機 能 強 化 を 促 すべきではないか 2 労 働 市 場 の 機 能 強 化 を 促 進 するためには 企 業 だけではなく 労 働 者 個 人 個 人 社 会 の 意 識 の 変 革 や 労 働 需 給 調 整 機 能 を 果 たす 外 部 労 働 市 場 の 役 割 も 非 常 に 重 要 同 時 に 企 業 の 人 材 マネジメントも 大 きく 変 革 する 必 要 があるので はないか 3 今 後 少 子 高 齢 化 により ミドル 層 (40~55 歳 程 度 ) 人 材 の 労 働 人 口 に 占 める 割 合 が 高 まる 中 で 社 内 外 を 問 わず 当 該 ミドル 層 の 能 力 を 十 分 に 活 用 できる かが 企 業 にとっての 人 材 マネジメント 上 の 大 きな 課 題 となっており 特 にミドル 層 の 労 働 市 場 の 機 能 強 化 が 重 要 ではないか
資 料 :リクルート 進 学 総 研 ホームページ ( 注 )1.1990~2010 年 は 総 務 省 統 計 局 労 働 力 調 査 ( 基 本 主 計 ) 2. 予 測 方 法 : 産 業 全 体 の 経 済 成 長 率 予 測 の 前 提 の 下 で 産 業 ごとに2002~2009 年 における 就 業 者 の 動 向 を2020 年 まで 延 長 することで 予 測 した 産 業 全 体 の 経 済 成 長 率 予 測 は 日 本 経 済 研 究 センターが2011 年 6 月 に 発 表 した2011 年 から2015 年 は 平 均 0.4% 2016 年 から2020 年 は 同 0.6%を 用 いた ( 出 典 )リクルートワークス 研 究 所 2020 年 の 働 く を 展 望 する 成 熟 期 のパラダイムシフト 20 産 業 別 就 業 者 数 の 変 化 予 測 今 後 製 造 業 建 設 業 の 就 業 者 数 が 減 少 する 一 方 で 情 報 サービス 業 の 就 業 者 数 が 増 加 することが 予 想 されており その 中 では 特 に 医 療 福 祉 の 増 加 が 予 想 されている ( 万 人 ) 3,500 3,000 情 報 サービス 業 3,098 万 人 2,500 2,000 1,500 1,000 2,099 万 人 1,962 万 人 製 造 業 建 設 業 1,149 万 人 500 0 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 製 造 業 建 設 業 情 報 サービス 業 流 通 業 金 融 保 険 不 動 産 業 農 林 水 産 業
労 働 者 の 年 齢 構 成 比 率 と 転 職 者 市 場 の 動 向 ミドル 層 の 労 働 人 口 が 今 後 増 加 することが 予 想 されるが ミドル 層 の 労 働 市 場 は 硬 直 的 なものとなってい る 労 働 者 の 年 齢 構 成 比 率 の 変 化 ( 出 典 )リクルートワークス 研 究 所 2020 年 の 働 く を 展 望 する 注 )N=8000 ( 出 典 ) 人 材 紹 介 事 業 者 ( 求 人 広 告 による 転 職 サイト)による 転 職 で 成 功 した8000 人 に 聞 いた 転 職 事 情 (2010 年 ) 21
22 ミドル 層 人 材 の 労 働 意 欲 上 司 からの 期 待 は 年 齢 と 共 に 高 まる 傾 向 にあるが 挑 戦 意 欲 は 年 齢 と 共 に 徐 々に 低 下 し 成 長 実 感 も 得 られなくなっている 年 代 別 の 仕 事 に 関 する 意 識
23 2. 労 働 市 場 の 機 能 強 化 (2/2) < 取 り 組 むべき 方 向 性 > 1 特 にミドル 層 の 労 働 市 場 の 機 能 強 化 を 促 進 するためには 企 業 内 の 人 材 マネ ジメントの 変 革 も 重 要 な 要 素 このため 各 企 業 においても 外 部 労 働 市 場 から の 優 秀 な 人 材 の 積 極 的 な 登 用 をはじめ 企 業 内 の 人 材 マネジメントの 変 革 にも 取 り 組 むべきではないか 2 労 働 市 場 の 機 能 強 化 を 進 めることは 企 業 が 機 動 的 に 事 業 再 編 等 を 行 うため に 積 極 的 に 外 部 人 材 を 活 用 することの 基 盤 となるもの ただし それと 同 時 に 雇 用 契 約 の 終 了 時 点 におけるルールの 明 確 化 特 に 予 見 可 能 性 の 高 い 労 働 紛 争 解 決 システムの 構 築 が 必 要 になるのではないか
労 働 市 場 の 機 能 強 化 促 進 に 向 けた 企 業 の 人 材 マネジメントの 必 要 性 24 企 業 が 直 面 するミドル 層 人 材 活 用 の 現 状 課 題 事 業 構 造 や 年 齢 構 成 の 変 化 事 業 構 造 の 変 化 やバブル 期 大 量 入 社 層 の 高 年 齢 化 等 により 場 合 によっては スキルと 経 験 をもつミドル 層 人 材 を 十 分 に 活 用 することが 困 難 となりつつある 雇 用 慣 行 のパラダイムシフトの 困 難 性 長 期 的 には 社 員 に 社 内 外 での 将 来 にわたる 自 律 的 なキャリア 形 成 を 促 す 必 要 性 があると 認 識 しつつも これまでの 長 期 雇 用 偏 重 の 慣 行 からのパラダイムシフトが 容 易 でなく 試 行 錯 誤 している 状 況 社 内 外 労 働 市 場 での 人 材 活 用 に 向 けた 人 材 マネジメントの 必 要 性 雇 用 責 任 の 概 念 の 切 り 替 え 事 業 環 境 の 変 化 のスピードが 速 く イノベーションなどの 非 連 続 的 な 事 業 戦 略 が 求 められ る 時 代 には これまでの 一 企 業 内 で 社 員 の 雇 用 を 守 る という 考 え 方 のみならず 本 人 が 自 ら 雇 用 を 守 ることを 可 能 にするように 継 続 的 な 能 力 開 発 等 を 行 う という 考 え 方 に 雇 用 責 任 の 概 念 を 切 り 替 える 必 要 があるのではないか 社 内 外 労 働 市 場 での 人 材 活 用 トップの 経 営 方 針 に 基 づく 中 長 期 的 な 組 織 人 事 計 画 を 適 切 に 構 築 しつつ 社 員 の 社 内 外 での 活 躍 機 会 等 の 情 報 提 供 を 含 めた 自 律 的 キャリア 形 成 を 支 援 し 計 画 的 な 社 内 外 労 働 市 場 での 人 材 活 用 に 取 り 組 むことが 重 要
雇 用 契 約 の 終 了 時 点 におけるルールの 明 確 化 ( 特 に 予 見 可 能 性 の 高 い 労 働 紛 争 解 決 システムの 構 築 ) 我 が 国 雇 用 ルールの 明 確 化 予 見 可 能 性 の 確 保 を 目 的 として 労 働 関 係 の 裁 判 例 の 分 析 類 型 化 による 雇 用 指 針 が 策 定 公 表 されており 国 家 戦 略 特 別 区 域 内 での 相 談 にも 活 用 さ れる 予 定 これに 加 え より 予 見 可 能 性 を 高 めるためには 実 際 に 労 働 紛 争 に 発 展 した 際 に 活 用 できる 労 働 紛 争 解 決 システムの 拡 充 特 に 雇 用 契 約 終 了 時 点 における 金 銭 解 決 のルール 化 が 必 要 ではないか 金 銭 救 済 制 度 があることにより 企 業 側 における 予 見 可 能 性 が 高 まるだけではなく 労 働 者 にとっても 選 択 の 幅 が 拡 大 するメリットがある ( 参 考 1): 主 要 国 の 解 雇 紛 争 における 金 銭 救 済 制 度 米 国 英 国 ドイツ フランス イタリア スペイン デン マーク シンガ ポール 香 港 韓 国 オースト ラリア 日 本 復 職 に 代 わる 金 銭 給 付 命 令 の 可 否 ( 出 典 ): 産 業 競 争 力 会 議 第 9 回 雇 用 人 材 分 科 会 フレッシュフィールズブルックハウスデリンガー 法 律 事 務 所 資 料 から 抜 粋 ( 参 考 2): 解 決 金 額 に 格 差 が 生 じている 日 本 の 紛 争 解 決 システム あっせん ( 都 道 府 県 労 働 局 ) 約 17.5 万 円 労 働 審 判 ( 裁 判 所 ) 約 100 万 円 訴 訟 ( 和 解 ) ( 裁 判 所 ) 約 300 万 円 ( 出 典 ) 労 働 審 判 制 度 の 利 用 者 調 査 (2013, 菅 野 ほか) 25
27 3. 外 国 人 材 の 活 用 < 取 り 組 むべき 方 向 性 > 1 我 が 国 産 業 の 国 際 競 争 力 強 化 のためには より 多 くの 優 秀 な 外 国 人 材 が 日 本 国 内 で 働 くことのできる 環 境 を 整 備 することが 重 要 既 に 高 度 外 国 人 材 ポ イント 制 の 拡 充 や 技 能 実 習 制 度 の 見 直 しが 進 められているが 更 に 留 学 生 や 専 門 的 技 術 的 分 野 の 外 国 人 材 の 受 入 れ 拡 大 を 図 っていくことが 必 要 で はないか また 企 業 においても ダイバーシティ 経 営 を 進 め 国 内 でも 優 秀 な 外 国 人 材 の 積 極 的 な 活 用 を 図 っていくべきではないか 2 特 に 日 本 に 留 学 し 国 家 資 格 等 を 取 得 するなど 日 本 国 内 で 活 躍 が 期 待 され ている 外 国 人 についても 在 留 資 格 の 制 限 から 国 内 での 就 労 が 認 められな い 場 合 があるところ 元 留 学 生 に 対 する 在 留 資 格 の 優 遇 などの 制 度 の 見 直 し が 必 要 ではないか
28 外 国 人 材 受 入 れによる 起 業 の 増 加 米 国 では ベンチャー 企 業 上 位 50 社 1 のうち 23 社 2 が 移 民 ( 外 国 人 )による 起 業 ドイツでは 2009 年 に 設 立 されたベンチャー 企 業 40 万 社 のうち 13 万 社 が 移 民 ( 外 国 人 )による 起 業 1: 調 査 会 社 ベンチャーソース が 企 業 価 値 1 億 ドル 以 上 の 企 業 を 対 象 に 企 業 の 成 長 率 売 上 高 等 を 勘 案 して 上 位 50 社 を 算 出 2: 創 立 者 の 少 なくとも 一 人 が 移 民 である 企 業
国 際 的 な 人 材 獲 得 競 争 に 後 れる 日 本 日 本 における 外 国 人 材 は 労 働 者 総 数 の1.1%と 欧 米 諸 国 に 比 べ 極 めて 低 い こうした 中 企 業 活 動 のグローバル 化 等 により 各 国 の 人 材 獲 得 競 争 は 激 化 しかし 日 本 の 専 門 的 技 術 的 分 野 の 外 国 人 材 は リーマンショック 等 により 減 少 し リーマンショック 前 の 水 準 には 戻 っていない ( 千 人 ) 250 200 150 日 本 1.1% 専 門 的 技 術 的 分 野 における 在 留 外 国 人 数 の 推 移 (ストック) 213 69 207 68 200 200 205 68 70 72 人 文 知 識 国 際 業 務 米 国 16% 移 民 資 格 (グリーンカード)を 取 得 すれば 無 期 限 滞 在 が 可 能 で 就 労 制 限 がない 毎 年 百 万 人 前 後 の 移 民 が 受 け 入 れられている これに 加 え 現 在 移 民 法 改 正 の 議 論 の 中 で 米 国 内 認 定 大 学 の 科 学 技 術 工 学 数 学 (STE M)の 学 位 を 取 得 した 者 等 は 受 入 数 量 割 り 当 ての 適 用 外 となる 案 が 議 論 されている 英 国 8% 2001 年 に 高 度 技 術 移 民 プログ ラムを 導 入 08 年 からポイント 制 を 段 階 的 に 導 入 優 遇 措 置 が 付 与 される 日 本 と 異 なり 英 国 のポイント 制 合 格 者 は 在 留 資 格 が 付 与 される 100 50-50 47 43 42 43 17 16 15 15 15 10 11 12 13 13 10 10 2 8 2 10 8 2 10 10 8 2 2 8 8 46 45 43 41 41 H21 H22 H23 H24 H25 技 術 企 業 内 転 勤 投 資 経 営 教 育 研 究 教 授 その 他 シンガポール 90 年 代 に 高 度 外 国 人 の 誘 致 政 策 を 加 速 させている 永 住 権 取 得 者 の 家 族 にも 永 住 権 を 付 与 している 他 グローバル 投 資 家 スキームやアーティストス キームで 永 住 権 を 与 え 外 国 人 を 引 きつけている 労 働 者 の1/3が 外 国 人 であり 出 生 率 は 低 下 の 一 途 ながら 人 口 自 体 はこの10 年 で20%の 伸 び 36% 韓 国 2.4% 2000 年 に 特 定 技 術 分 野 で 就 労 する 高 度 外 国 人 材 に 優 遇 措 置 を 与 えるゴールドカード 01 年 に 韓 国 の 教 育 機 関 研 究 機 関 の 教 授 研 究 者 に 優 遇 措 置 を 与 えるサイエンスカードを 導 入 2010 年 に 高 度 外 国 人 材 向 け のポイント 制 による 居 住 永 住 資 格 付 与 制 度 を 導 入 ( 出 典 ) 法 務 省 ( 注 ) 内 の 数 字 は 諸 外 国 の 労 働 力 人 口 総 数 に 占 める 外 国 人 労 働 力 人 口 の 比 率 (%) ( 出 典 )( 独 ) 労 働 政 策 研 究 研 修 機 構 (JILPT) 等 29
留 学 が 認 められるのに 就 労 が 認 められない 分 野 専 門 学 校 の 留 学 生 (24 年 度 卒 業 生 22 万 人 のうち 留 学 生 は2.5 万 人 ) 以 下 の4つのパターンに 分 類 される 1 国 家 資 格 を 取 得 すれば 医 療 で 就 労 可 能 歯 科 衛 生 士 臨 床 工 学 士 看 護 師 2 国 家 資 格 を 取 得 しても 就 労 不 可 能 歯 科 技 工 士 柔 道 整 復 鍼 灸 調 理 師 理 美 容 師 保 育 士 3 国 家 資 格 取 得 を 前 提 にEPAスキームでのみ 就 労 可 能 介 護 福 祉 士 4 国 家 資 格 なし 就 労 不 可 能 ドッグトリマー アパレル 商 品 企 画 エステティシャン 専 門 士 (24 年 度 専 門 学 校 卒 業 生 のうち 約 20 万 人 と 推 定 ) 大 卒 でなくても 専 門 学 校 のうち 修 業 年 限 が2 年 以 上 等 の 要 件 を 満 たしたもので 文 部 科 学 大 臣 が 指 定 した 課 程 の 修 了 者 は 専 門 士 の 称 号 が 付 与 され 技 術 人 文 知 識 国 際 業 務 等 の 在 留 資 格 への 変 更 が 認 められるが 就 職 後 の 業 務 が 制 限 されるという 課 題 が 指 摘 されている 各 種 学 校 の 留 学 生 ( 約 2 千 人 ( 推 定 )) 各 種 学 校 卒 業 生 (20 万 人 )の9 割 は 自 動 車 教 習 所 や 予 備 校 就 職 のための 専 門 知 識 の 習 得 就 労 を 目 的 と する 卒 業 生 は1 割 (2 万 人 ) 希 望 職 種 は 専 門 学 校 と 同 等 のものが 想 定 されるが 技 術 や 人 文 知 識 国 際 業 務 等 の 学 歴 要 件 *を 満 たさないため 就 労 できない 無 認 可 校 の 留 学 生 留 学 生 の 就 職 に 係 る 制 度 面 の 課 題 外 国 人 留 学 生 が 専 門 学 校 等 の 日 本 の 教 育 機 関 を 卒 業 し 又 は 国 家 資 格 を 取 得 しても 就 労 可 能 な 在 留 資 格 がないため 就 労 できないケースがある 無 認 可 校 で 留 学 生 を 受 入 れることのできる 機 関 には 法 務 省 告 示 *2を 受 けたファッション デザイン 教 育 機 関 等 があるが 技 術 や 人 文 知 識 国 際 業 務 等 の 学 歴 要 件 を 満 たさないため 就 労 できない *2 平 成 26 年 4 月 現 在 法 務 省 告 示 により 各 種 学 校 認 可 を 受 けていないファッション 教 育 機 関 5 校 が 各 種 学 校 に 準 ずる 教 育 機 関 として 認 められて おり 在 留 資 格 留 学 により 受 入 れ 可 能 ( 出 典 ) 経 済 産 業 省 委 託 外 国 人 労 働 者 の 受 入 れ 政 策 等 に 関 する 調 査 等 30