2010.6.24 みずほ 総 合 研 究 所 比 較 検 討 党 と 党 の 参 院 選 マニフェスト ~ 経 済 政 策 の 差 異 縮 小 で 国 民 にとって 判 断 基 準 が 不 鮮 明 に~ <ポイント> 党 マニフェストは 現 実 路 線 への 転 換 等 で 与 党 らしい 姿 に マクロ 経 済 財 政 運 営 の 記 述 が 冒 頭 にあるなど 体 系 的 に 整 理 された 印 象 財 源 確 保 の 難 しさ 等 を 踏 まえ 昨 年 の 衆 院 選 マニフェストで 掲 げた 重 点 政 策 の 一 部 を 事 実 上 修 正 ( 子 ども 手 当 の 満 額 支 給 を 事 実 上 断 念 等 ) 家 計 重 視 が 鮮 明 であった 衆 院 選 マニフェストに 比 べ 今 回 は 包 括 的 な 成 長 戦 略 を 盛 り 込 むなど 経 済 成 長 のエンジンである 企 業 にも 目 配 り 消 費 税 率 引 き 上 げにも 前 向 きな 姿 勢 に 転 じた ただし 政 策 実 現 の 道 筋 や 政 策 修 正 の 理 由 には 曖 昧 さも 重 点 政 策 に 関 する 工 程 表 や 財 源 確 保 策 が 今 回 はなくなっている 重 点 政 策 を 修 正 した 理 由 が 必 ずしも 明 確 に 示 されてはいない 党 マニフェストは 具 体 性 は 高 いが 対 立 軸 が 見 えづらい 網 羅 的 かつ 具 体 的 に 政 策 を 記 述 その 反 面 優 先 順 位 がわかりづらい 子 育 て 支 援 などについて 党 と 対 立 する 政 策 を 打 ち 出 しているものの 成 長 戦 略 や 財 政 税 制 に 関 する 方 針 は 大 筋 で 類 似 総 じてみると 経 済 政 策 における 両 党 の 差 異 が 縮 まった 印 象 国 民 にとっての 投 票 判 断 基 準 が 不 鮮 明 に 新 成 長 戦 略 は 建 て 付 け レベルでの 整 合 性 に 問 題 点 も 需 給 両 面 からのアプローチ 数 値 目 標 や 工 程 表 が 付 された 点 などは 評 価 ただし 選 択 と 集 中 が 不 十 分 財 政 コストや 財 源 が 不 明 確 等 の 問 題 点 あり 実 行 と 実 効 が 大 切 で 今 後 は 優 先 順 位 を 付 けた 上 で 施 策 を 展 開 すべき
党 マニフェストの 特 徴 党 の 参 院 選 マニフェストは 現 実 路 線 に 舵 を 切 るとともに 成 長 戦 略 や 財 政 に 関 する 記 述 も 手 厚 くなり 全 般 的 に 政 権 与 党 責 任 政 党 らしいマニフェスト という 印 象 また 冒 頭 でマクロ 経 済 財 政 運 営 について 記 述 その 後 に 子 育 て 教 育 雇 用 などの 重 点 政 策 分 野 へ と 続 いており 衆 院 選 マニフェストに 比 べると より 体 系 的 で 整 理 され た 感 がある しかし 重 点 政 策 に 関 する 工 程 表 や 財 源 確 保 策 が 今 回 はなくなるなど 政 策 実 現 への 道 筋 については 逆 に 曖 昧 さが 増 した 前 回 の 衆 院 選 マニフェストにみられた 家 計 重 視 一 辺 倒 の 印 象 は 影 を 潜 め 元 気 な 日 本 を 復 活 させる 強 い 経 済 強 い 財 政 強 い 社 会 保 障 (= 第 三 の 道 ) といったスローガンを 掲 げ 包 括 的 な 成 長 戦 略 を 盛 り 込 むなど 経 済 成 長 のエンジンである 企 業 にも 目 を 向 けている 図 表 1 経 済 財 政 社 会 保 障 を 一 体 として 捉 える 経 済 政 策 (= 第 三 の 道 ) 2020 年 度 までの 平 均 で 名 目 3% 超 ( 実 質 2% 超 )の 経 済 成 長 法 人 税 率 引 き 下 げ 首 相 閣 僚 のトップセールスによる 官 民 一 体 インフラ 輸 出 医 療 介 護 などを 新 たな 成 長 産 業 に 規 制 改 革 総 合 特 区 観 光 振 興 EPA FTA などの 推 進 税 収 の 基 盤 強 い 経 済 重 要 な 成 長 分 野 健 康 分 野 で 需 要 と 雇 用 を 創 出 消 費 税 を 含 む 税 制 の 抜 本 改 革 に 関 する 協 議 を 超 党 派 で 開 始 2011 年 度 の 国 債 発 行 額 は 10 年 度 発 行 額 を 上 回 らない ように 全 力 をあげる 2020 年 度 までに 基 礎 的 財 政 収 支 を 黒 字 化 強 い 財 政 成 長 を 実 現 する 予 算 編 成 持 続 可 能 な 財 政 の 下 で 可 能 となる 消 費 保 険 料 の 基 盤 社 会 不 安 の 最 小 化 最 大 の 支 出 項 目 安 定 財 源 の 確 保 による 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 強 い 年 金 制 度 の 一 元 化 最 低 保 障 年 金 実 現 の ため 税 制 の 抜 本 改 革 を 実 施 後 期 高 齢 者 医 療 制 度 を 廃 止 し 2013 年 度 から 新 たな 高 齢 者 医 療 制 度 を 創 設 診 療 報 酬 引 き 上 げ 医 師 数 を 1.5 倍 増 員 看 護 師 なども 増 員 ( 資 料 ) 党 マニフェスト 内 閣 府 新 成 長 戦 略 参 考 資 料 等 より みずほ 総 合 研 究 所 作 成 1
2010 年 度 予 算 編 成 で 露 呈 した 財 源 不 足 に 鑑 み 衆 院 選 マニフェスト で 掲 げた 重 点 政 策 の 一 部 を 以 下 のように 事 実 上 修 正 しかし マニ フェスト 修 正 の 理 由 は 必 ずしも 明 確 に 示 されておらず 国 民 への 説 明 責 任 の 観 点 からは 問 題 1 子 ども 手 当 は 満 額 支 給 を 事 実 上 断 念 2 農 家 の 戸 別 所 得 補 償 は 2011 年 度 からは 麦 や 大 豆 にも 対 象 を 広 げて 全 面 実 施 を 想 定 していたが 段 階 的 に 拡 大 に 改 め 実 施 時 期 の 明 言 を 避 けた 3 高 速 道 路 無 料 化 は 無 料 化 した 際 の 効 果 などに 留 意 として 表 現 を 弱 めた 4 暫 定 税 率 は 簡 素 化 とグリーン 化 の 観 点 から 全 体 として 負 担 を 軽 減 として 全 面 廃 止 を 事 実 上 放 棄 消 費 税 率 引 き 上 げに 前 向 きな 姿 勢 に 転 じた マニフェストには 消 費 税 を 含 む 税 制 の 抜 本 改 革 に 関 する 協 議 を 超 党 派 で 開 始 すると 明 記 さらに 菅 首 相 は 2010 年 度 内 に 改 革 案 を 策 定 当 面 の 消 費 税 率 は 党 提 案 の 10%を 一 つの 参 考 に などと 踏 み 込 んで 発 言 これに より 財 政 税 制 に 関 する 党 と 党 の 方 針 は 似 通 ったものに 党 マニフェストの 特 徴 簡 易 な 政 策 パンフレット と 詳 細 な 政 策 集 の 2 つをマニフェストと して 作 成 ( 党 は 今 回 政 策 集 を 作 成 せず) 網 羅 的 かつ 具 体 的 に 政 策 を 記 述 その 反 面 政 策 の 優 先 順 位 がわかりづらい 印 象 も 子 ども 手 当 や 高 速 道 路 無 料 化 郵 政 改 革 等 について 党 と 対 立 する 政 策 を 打 ち 出 している ただ 成 長 戦 略 や 財 政 税 制 に 関 する 方 針 が 大 筋 において 共 通 していることや 党 がマニフェストを 修 正 したことから 経 済 政 策 全 般 について 党 との 大 きな 差 異 が 目 立 たなくなった 印 象 国 民 にとっては 投 票 判 断 基 準 が 不 鮮 明 に 2
政 策 分 野 別 にみた 党 と 党 のマニフェスト は 党 マニフェストの 特 徴 や 前 回 の 衆 院 選 マニフェストからの 変 更 点 は 党 マニフェストの 特 徴 成 長 戦 略 前 回 手 薄 だった 成 長 戦 略 について 冒 頭 で 記 述 新 成 長 戦 略 (6 月 18 日 閣 議 決 定 )を 踏 襲 した 内 容 で インフラ 輸 出 や 総 合 特 区 の 推 進 等 により 名 目 成 長 率 3% 超 実 質 成 長 率 2% 超 (2020 年 度 までの 平 均 ) を 目 指 す 政 府 と 日 銀 が 協 力 した 早 期 のデフレ 克 服 もうたう 成 長 あっての 雇 用 として 成 長 重 視 の 姿 勢 をより 鮮 明 に 成 長 率 の 目 標 も 名 目 4%と 党 より 高 く 設 定 ( 経 済 成 長 で 財 政 再 建 などの 課 題 解 決 を 図 ろうとした 上 げ 潮 派 と 同 じ 水 準 ) 法 人 税 改 革 前 回 は 記 述 がなかった 法 人 税 率 の 引 き 下 げ を 明 記 ただし 簡 素 化 (= 課 税 ベースの 拡 大 )を 前 提 に という 条 件 がついており 実 質 的 な 税 負 担 が 軽 減 されるかは 不 透 明 課 税 ベースの 拡 大 とともに という 条 件 つきながら 法 人 税 率 を 20% 台 に 引 き 下 げる とより 具 体 的 に 言 及 財 政 健 全 化 前 回 は 記 述 がなかった 財 政 健 全 化 について 今 回 は 詳 述 財 政 運 営 戦 略 (6 月 22 日 閣 議 決 定 )に 沿 った 内 容 で 短 期 中 期 長 期 に 分 けて 目 標 を 明 示 目 標 は 党 政 権 時 代 の 財 政 健 全 化 目 標 と ほぼ 同 じオーソドックスなもの( 2020 年 度 までに 基 礎 的 財 政 収 支 の 黒 字 化 を 達 成 等 )で 基 本 的 に 評 価 に 値 する ただし 前 回 掲 げた 重 点 政 策 の 財 源 確 保 策 が 今 回 はなくなって いることなどから 短 期 目 標 ( 2011 年 度 の 国 債 発 行 額 は 10 年 度 を 上 回 らない )の 実 現 可 能 性 には 不 安 も 党 の 財 政 健 全 化 目 標 も 党 とほぼ 同 じ 3
消 費 税 改 革 消 費 税 を 含 む 税 制 の 抜 本 改 革 に 関 する 協 議 を 超 党 派 で 開 始 する と 明 記 さらに 菅 首 相 は 2010 年 度 内 に 改 革 案 を 策 定 当 面 の 消 費 税 率 は 党 提 案 の 10%を 一 つの 参 考 に 税 率 引 き 上 げ 時 期 は 早 くて 2 3 年 後 などと 踏 み 込 んで 発 言 これにより 財 政 税 制 に 関 する 党 と 党 の 方 針 は 似 通 ったものに 消 費 税 は 当 面 10%とし 全 額 を 社 会 保 障 費 に 充 当 と 税 率 と 使 途 を 明 確 化 超 党 派 協 議 については 党 が 衆 院 選 マニフェストを 撤 回 することを 参 加 の 前 提 条 件 とする 姿 勢 子 育 て 支 援 子 ども 手 当 の 満 額 実 施 を 事 実 上 断 念 財 源 を 確 保 しつつ 月 1.3 万 円 から 上 積 み し 上 積 み 分 については 現 物 サービスも 可 能 とした 子 ども 手 当 の 廃 止 を 打 ち 出 す 代 わりに 地 方 自 治 体 が 独 自 のサー ビスに 利 用 できる 子 育 て 交 付 金 の 創 設 を 提 唱 年 金 前 回 掲 げた 年 金 制 度 の 一 元 化 最 低 保 障 年 金 を 実 現 するために 税 制 の 抜 本 改 革 を 実 施 する として 財 源 論 に 踏 み 込 んだ 現 行 の 年 金 制 度 を 前 提 としつつ 基 礎 年 金 の 満 額 受 け 取 り を 確 保 するとした また 税 率 引 き 上 げ 分 を 含 む 消 費 税 の 全 額 を 社 会 保 障 の 財 源 とする 旨 明 記 雇 用 前 回 掲 げた 政 策 に 引 き 続 き 取 り 組 むことを 表 明 ( 求 職 者 支 援 待 遇 の 均 等 均 衡 推 進 等 ) セーフティネットの 充 実 をうたいつつ 解 雇 規 制 の 緩 和 などにも 踏 み 込 み 企 業 競 争 力 の 強 化 と 雇 用 の 安 定 の 両 立 を 目 指 す 方 向 高 速 道 路 無 料 化 前 回 は 2012 年 度 の 原 則 無 料 化 を 掲 げたが 今 回 は 無 料 化 した 際 の 効 果 などに 留 意 しつつ 段 階 的 に 原 則 無 料 化 とし 時 期 を 明 示 せず 高 速 道 路 を 無 料 化 せず 道 路 ネットワークを 着 実 に 整 備 する 旨 明 記 4
暫 定 税 率 自 動 車 重 量 税 自 動 車 取 得 税 は 簡 素 化 とグリーン 化 の 観 点 から 全 体 として 負 担 を 軽 減 として 全 面 廃 止 を 事 実 上 放 棄 自 動 車 関 係 諸 税 の 負 担 軽 減 の 方 向 で 検 討 する 旨 明 示 環 境 政 策 地 球 温 暖 化 対 策 税 について 具 体 的 な 導 入 時 期 (2011 年 度 )を 明 記 他 方 前 回 掲 げた 温 室 効 果 ガス 削 減 の 中 長 期 目 標 やキャップ&トレ ード 方 式 による 国 内 排 出 量 取 引 市 場 の 創 設 など 規 制 的 な 政 策 に ついては( 産 業 界 等 への 配 慮 からか) 明 記 されず 温 室 効 果 ガス 削 減 の 中 期 目 標 を 明 記 したほか 環 境 ビジネスの 支 援 について 一 歩 踏 み 込 んだ 内 容 を 盛 り 込 んでいる 党 に 比 べ 環 境 分 野 の 優 先 度 が 高 い 印 象 地 方 分 権 ( 地 域 主 権 ) 補 助 金 の 一 括 交 付 金 化 や 国 直 轄 事 業 の 地 方 負 担 金 廃 止 など 前 回 掲 げた 政 策 に 引 き 続 き 取 り 組 む 旨 を 明 記 するにとどまる 地 域 主 権 の 確 立 を 改 革 の 一 丁 目 一 番 地 としてきた 鳩 山 内 閣 の 方 針 に 比 べ 優 先 順 位 が 後 退 した 印 象 地 方 分 権 について 概 ね 従 来 通 りの 政 策 ( 道 州 制 の 推 進 地 方 税 財 政 の 充 実 )を 列 挙 地 方 公 共 団 体 が 地 域 経 済 活 性 化 や 雇 用 創 出 に 利 用 できる 2 兆 円 の 緊 急 交 付 金 を 今 回 新 たに 明 記 郵 政 改 革 通 常 国 会 で 廃 案 となった 郵 政 改 革 法 案 について 次 期 国 会 の 最 優 先 課 題 として 速 やかな 成 立 を 図 ると 明 記 郵 政 民 営 化 の 旗 は 降 ろさないものの 郵 便 局 ネットワークや 郵 政 三 事 業 のサービス 水 準 が 維 持 されるよう 民 営 化 後 の 状 況 を 十 分 検 証 すると 明 記 5
図 表 2 党 と 党 のマニフェストの 比 較 表 党 衆 院 選 (2009 年 ) 参 院 選 (2010 年 ) 子 ども 手 当 高 校 無 償 名 目 成 長 率 3% 超 実 質 成 長 率 2% 超 化 等 によって 家 計 の (20 年 度 までの 平 均 ) 可 処 分 所 得 を 増 やし 法 人 税 制 は 簡 素 化 を 前 提 に 国 際 競 争 消 費 拡 大 内 需 主 導 力 強 化 対 日 投 資 促 進 の 観 点 から 見 直 型 経 済 へ 転 換 す 中 小 企 業 向 け 法 人 税 率 を 引 き 下 げ 環 境 農 業 医 療 介 護 (18% 11%) を 成 長 産 業 として 支 援 新 たな 成 長 産 業 の 支 援 インフラ 輸 出 観 光 振 興 EPA FTA の 推 進 等 基 礎 的 財 政 収 支 の 黒 字 化 を 図 る 国 の 総 予 算 207 兆 円 を 全 面 組 み 替 え 消 費 税 率 は 5% 維 持 公 平 で 簡 素 な 税 制 を つくる 中 学 卒 業 までの 子 ども 1 人 あたり2 万 6 千 円 (10 年 度 は 半 額 ) 年 31.2 万 円 を 支 給 年 金 制 度 を 一 元 化 月 7 万 円 の 最 低 保 障 年 金 後 期 高 齢 者 医 療 制 度 の 廃 止 診 療 報 酬 の 引 き 上 げ 求 職 者 支 援 制 度 創 設 待 遇 の 均 等 を 実 現 最 低 賃 金 引 き 上 げ 段 階 的 実 施 の 上 12 年 度 に 原 則 無 料 化 暫 定 税 率 廃 止 で 2.5 兆 円 の 減 税 20 年 までに 温 室 効 果 ガ スを 90 年 比 25% 削 減 温 暖 化 対 策 税 の 導 入 再 生 可 能 エネルギー の 全 量 買 取 制 度 導 入 戸 別 所 得 補 償 制 度 を 11 年 度 から 1 兆 円 規 模 で 本 格 実 施 補 助 金 を 廃 止 し 一 括 交 付 金 化 国 直 轄 事 業 の 地 方 負 担 金 を 廃 止 国 家 公 務 員 の 総 人 件 費 2 割 以 上 削 減 天 下 り 渡 りの 斡 旋 を 全 面 的 に 禁 止 地 域 社 会 活 性 化 のた め 郵 政 事 業 を 抜 本 的 に 見 直 し 東 アジア 共 同 体 の 構 築 を 目 指 す 緊 密 で 対 等 な 日 米 同 盟 関 係 を 作 る 核 兵 器 廃 絶 の 先 頭 に 立 つ 11 年 度 国 債 発 行 額 は 10 年 度 を 上 回 ら ないように 全 力 をあげる 20 年 度 までに 基 礎 的 財 政 収 支 を 黒 字 化 国 の 総 予 算 の 全 面 組 み 替 えを 更 に 徹 底 早 期 に 結 論 を 得 ることを 目 指 して 消 費 税 を 含 む 税 制 の 抜 本 的 改 革 に 関 する 協 議 を 超 党 派 で 開 始 子 ども 手 当 を 1 万 3 千 円 から 上 積 み 上 積 み 分 は 保 育 所 定 員 増 や 保 育 料 軽 減 などへ 代 替 可 能 に( 満 額 は 断 念 ) 11 年 度 から 子 どもの 国 内 居 住 要 件 を 課 す 年 金 制 度 の 一 元 化 月 額 7 万 円 の 最 低 保 障 年 金 を 実 現 するため 税 制 の 抜 本 改 革 を 実 施 後 期 高 齢 者 医 療 制 度 は 廃 止 し 13 年 度 から 新 しい 高 齢 者 医 療 制 度 をスタート 診 療 報 酬 引 き 上 げに 引 き 続 き 取 り 組 む 求 職 者 支 援 制 度 を 11 年 度 に 法 制 化 待 遇 の 均 等 均 衡 を 実 現 公 共 交 通 に 留 意 しつつ 段 階 的 に 原 則 無 料 化 ( 実 施 時 期 は 明 示 せず) 自 動 車 重 量 税 自 動 車 取 得 税 は 全 体 と して 負 担 を 軽 減 ( 事 実 上 廃 止 は 断 念 ) 11 年 度 導 入 に 向 け 検 討 中 の 地 球 温 暖 化 対 策 税 を 活 用 して 企 業 の 省 エネ 対 策 を 支 援 再 生 可 能 エネルギーの 全 量 の 固 定 価 格 買 取 制 度 の 導 入 コメの 戸 別 所 得 補 償 制 度 のモデル 事 業 を 検 証 し 段 階 的 に 他 品 目 農 業 以 外 に 拡 大 ( 本 格 実 施 時 期 は 明 示 せず) 2011 年 度 から 段 階 的 に 補 助 金 を 一 括 交 付 金 化 国 直 轄 事 業 の 地 方 負 担 金 廃 止 に 向 け て 引 き 続 き 取 り 組 み 国 家 公 務 員 の 総 人 件 費 2 割 削 減 天 下 りの 温 床 となっている 各 種 公 法 人 に ついて 廃 止 を 含 めた 改 革 に 取 り 組 む 郵 政 改 革 法 案 を 次 期 国 会 の 最 優 先 課 題 として 速 やかな 成 立 を 図 る 東 アジア 共 同 体 の 実 現 を 目 指 し アジ ア 諸 国 との 信 頼 関 係 の 構 築 に 全 力 日 米 同 盟 を 深 化 核 兵 器 のない 世 界 の 実 現 に 向 け 北 東 アジア 地 域 の 非 核 化 を 目 指 す 6 政 策 分 野 成 長 戦 略 財 政 健 全 化 消 費 税 子 育 て 支 援 社 会 保 障 雇 用 高 速 道 路 無 料 化 暫 定 税 率 環 境 農 業 地 方 分 権 行 政 改 革 郵 政 改 革 外 交 安 全 保 障 ( 資 料 ) 党 マニフェスト 党 マニフェストより みずほ 総 合 研 究 所 作 成 党 (2010 年 ) 3 年 間 で 名 目 成 長 率 4%を 目 指 す 法 人 税 率 は 国 際 標 準 の 20% 台 に 減 税 中 小 企 業 向 け 税 率 はさらに 引 き 下 げを 検 討 環 境 エネルギー 健 康 医 療 ICT などの 10 分 野 を 戦 略 的 に 選 び 集 中 投 資 今 後 10 年 間 で 雇 用 者 所 得 の 5 割 増 を 実 現 不 断 の 規 制 改 革 を 進 める 今 後 10 年 以 内 に 国 と 地 方 の 基 礎 的 財 政 収 支 黒 字 化 を 達 成 5 年 を 待 たずに 基 礎 的 財 政 収 支 の 赤 字 を 半 減 財 政 健 全 化 責 任 法 の 早 期 成 立 消 費 税 は 社 会 保 障 ( 社 会 保 障 給 付 と 少 子 化 対 策 )の 費 用 に 全 額 充 てて 税 率 を 引 き 上 げ 消 費 税 率 は 当 面 10% 地 域 の 実 情 にあわせてサービスを 組 み 合 わ せることができる 子 育 て 交 付 金 を 創 設 子 ど も 手 当 は 財 源 の 裏 づけもなく 政 策 目 的 や 効 果 が 不 明 確 なため 全 面 的 に 見 直 す 年 金 の 受 給 資 格 要 件 の 期 間 を 25 年 から 10 年 に 短 縮 基 礎 年 金 を 満 額 支 給 できる 制 度 へ 見 直 す 高 齢 者 医 療 制 度 の 対 象 年 齢 を 65 歳 以 上 に 診 療 報 酬 の 引 き 上 げ 正 規 労 働 者 の 解 雇 規 制 緩 和 と 非 正 規 労 働 者 の 処 遇 改 善 手 厚 い 失 業 給 付 などセーフティネットの 充 実 高 速 道 路 は 無 料 化 せず 道 路 ネットワークを 着 実 に 整 備 自 動 車 関 係 税 の 負 担 を 軽 減 20 年 までに 温 室 効 果 ガスを 国 内 で 05 年 比 15% 削 減 環 境 税 の 検 討 を 含 め 税 制 全 般 を 横 断 的 に 見 直 し 再 生 可 能 エネルギーを 20%にまで 引 き 上 げ 全 国 一 律 ではなく 地 域 の 自 主 的 な 努 力 を 踏 まえた 経 営 所 得 安 定 制 度 を 創 設 道 州 制 の 推 進 地 方 税 財 政 の 充 実 ( 地 方 消 費 税 の 充 実 等 ) 総 額 2 兆 円 の 緊 急 交 付 金 の 実 現 国 家 公 務 員 と 地 方 公 務 員 の 総 人 件 費 を 2 割 削 減 天 下 り 斡 旋 に 刑 事 罰 郵 政 民 営 化 を 推 進 し 郵 便 局 ネットワークや 郵 政 三 事 業 のサービス 水 準 が 維 持 されるよ う 民 営 化 後 の 状 況 を 十 分 に 検 証 豊 かで 安 定 したアジアの 実 現 に 向 け 近 隣 諸 国 との 友 好 協 力 関 係 の 増 進 に 努 める 強 固 な 日 米 同 盟 を 再 構 築 核 抑 止 政 策 の 基 本 方 針 を 確 立
新 成 長 戦 略 について ~ 問 われる5つの 整 合 性 ~ マニフェスト 発 表 に 続 き 6 月 18 日 には 新 成 長 戦 略 が 閣 議 決 定 された 同 戦 略 は 経 済 社 会 の 変 化 を 踏 まえつつ 包 括 的 なプランに まとめられている( 図 表 3) また 需 給 両 面 からのアプローチ 一 定 の 数 値 目 標 や 工 程 表 が 付 された 点 なども 評 価 できる ただし 各 論 は 置 くとしても その 建 て 付 け レベルでの 整 合 性 に 問 題 点 も 戦 略 との 整 合 性 考 えうる 政 策 の 総 メニュー が 盛 り 付 けられた 印 象 が 拭 えない 戦 略 とは 本 来 選 択 と 集 中 を 図 るべきもの 財 源 に 限 りがある 中 何 を 捨 てるか も 重 要 な 視 点 であったのでは 目 的 との 整 合 性 一 つの 政 策 には 一 つの 目 的 という 政 策 割 り 当 て の 原 則 (ティンバーゲンの 定 理 )もある 成 長 を 促 す 施 策 に 多 くの 役 割 を 背 負 わせすぎていないか 成 長 戦 略 は 文 字 通 り 成 長 に 主 眼 を 置 くべきで 成 長 が 実 現 できれば その 果 実 を 他 の 政 策 目 的 に 活 用 するという 発 想 も 必 要 財 政 との 整 合 性 各 分 野 でどの 程 度 の 財 政 コストが 発 生 し 財 源 をどうするかが 不 明 確 費 用 対 効 果 を 踏 まえた 施 策 の 優 劣 判 断 が 不 可 欠 手 法 を 巡 る 整 合 性 例 えば 租 税 特 別 措 置 を 整 理 して 法 人 税 率 引 き 下 げを 目 指 すとする 一 方 特 定 政 策 目 的 の 税 制 措 置 が 多 く 挙 げら れている( 地 域 活 性 化 事 業 拠 点 誘 致 研 究 開 発 促 進 など) 分 権 との 整 合 性 国 が 策 定 する 成 長 戦 略 とはいえ 地 域 や 観 光 都 市 公 共 など 地 方 に 任 せるべき 分 野 に 踏 み 込 み 過 ぎていないか 地 域 主 権 の 実 質 に 難 も いずれにしても 実 行 と 実 効 が 大 切 政 策 展 開 に 優 先 順 位 を 付 けた 上 で 今 後 の 施 策 の 有 効 な 具 体 化 に 期 待 したい 7
図 表 3 新 成 長 戦 略 における 21 の 強 み を 活 か す 成 長 分 野 Ⅰ.グリーン イノベーションにおける (1) 固 定 価 格 買 取 制 度 の 導 入 等 による 再 生 可 能 エネルギーの 急 拡 大 (2) 環 境 未 来 都 市 構 想 (3) 森 林 林 業 再 生 プラン Ⅱ.ライフ イノベーションにおける (4) 医 療 の 実 用 化 促 進 のための 医 療 機 関 の 選 定 制 度 等 (5) 国 際 医 療 交 流 ( 外 国 人 患 者 の 受 入 れ) フ ロ ン テ ィ ア の 開 拓 に よ る 成 長 Ⅲ.アジア 展 開 における (6) パッケージ 型 インフラ 海 外 展 開 (7) 法 人 実 効 税 率 引 き 下 げとアジア 拠 点 化 の 推 進 等 (8) グローバル 人 材 の 育 成 と 高 度 人 材 等 の 受 入 れ 拡 大 (9) 知 的 財 産 標 準 化 戦 略 とクール ジャパンの 海 外 展 開 (10) アジア 太 平 洋 自 由 貿 易 圏 (FTAAP)の 構 築 を 通 じた 経 済 連 携 戦 略 Ⅳ. 観 光 立 国 地 域 活 性 化 における (11) 総 合 特 区 制 度 の 創 設 と 徹 底 した オープンスカイの 推 進 等 (12) 訪 日 外 国 人 3,000 万 人 プログラム と 休 暇 取 得 の 分 散 化 (13) 中 古 住 宅 リフォーム 市 場 の 倍 増 等 (14) 公 共 施 設 の 民 間 開 放 と 民 間 資 金 活 用 事 業 の 推 進 成 長 を 支 え る プ ラ ッ ト フ ォ ー ム Ⅴ. 科 学 技 術 情 報 通 信 立 国 における (15) リーディング 大 学 院 構 想 等 による 国 際 競 争 力 強 化 と 人 材 育 成 (16) 情 報 通 信 技 術 の 利 活 用 の 促 進 (17) 研 究 開 発 投 資 の 充 実 Ⅵ. 雇 用 人 材 分 野 における (18) 幼 保 一 体 化 等 (19) キャリア 段 位 制 度 とパーソナル サポート 制 度 の 導 入 (20) 新 しい 公 共 Ⅶ. 金 融 分 野 における (21) 総 合 的 な 取 引 所 ( 証 券 金 融 商 品 )の 創 設 を 推 進 以 上 により 2020 年 度 までの 年 平 均 で 実 質 2% 名 目 3%を 上 回 る 経 済 成 長 を 目 指 す ( 資 料 ) 新 成 長 戦 略 (2010 年 6 月 18 日 閣 議 決 定 )より みずほ 総 合 研 究 所 作 成 8
本 リポートに 関 する 問 い 合 わせ みずほ 総 合 研 究 所 調 査 本 部 政 策 調 査 部 野 田 堀 江 TEL:03-3591-1394 経 済 調 査 部 内 藤 TEL:03-3591-1412 みずほ 総 合 研 究 所 本 資 料 は 情 報 提 供 のみを 目 的 として 作 成 されたものであり 取 引 の 勧 誘 を 目 的 としたものではあり ません 本 資 料 は 弊 社 が 信 頼 に 足 り 且 つ 正 確 であると 判 断 した 情 報 に 基 づき 作 成 されております が 弊 社 はその 正 確 性 確 実 性 を 保 証 するものではありません 本 資 料 のご 利 用 に 際 しては ご 自 身 の 判 断 にてなされますようお 願 い 申 し 上 げます 9