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Transcription:

英 語 必 修 科 目 の CAN-DO List 作 成 に 向 けて(1) CAN-DO Description for the Required Subjects of English 柴 田 晶 子 SHIBATA Akiko The aim of this study is to delve into various problems to be solved in planning to make our own Can-Do Lists for required English subjects at the Department of Local Community Studies in the Faculty of Sociology. Firstly, I will trace back the path of policy reform on English education in Japan which has led to the recent introduction of CAN-DO Lists. Secondly, I will try to make clear the significance of its introduction into Japanese schools through the survey of CEFR along with its underlying fundamental concepts concerning language education and language itself. Thirdly, I will probe into various problems to be solved before making up our own CAN-DO Lists. はじめに 平 成 23 年 文 部 科 学 省 から 国 際 共 通 語 としての 英 語 力 向 上 のため の 5 つの 提 言 と 具 体 的 施 策 ~ 英 語 を 学 ぶ 意 欲 と 使 う 機 会 の 充 実 を 通 じた 確 かなコミュニケーション 能 力 の 育 成 に 向 けて~ が 発 表 された そこ で 示 された 具 体 的 施 策 の1つの 中 で, 到 達 目 標 を 英 語 を 使 ってできる こと の 具 体 的 な 叙 述 によって 示 す CAN-DO リスト の 形 式 で 作 成 す ることへの 言 及 がなされた 今 回 の 提 言 は 中 高 等 学 校 を 対 象 としたものではあるが 高 等 教 育 機 関 の 各 校 への 波 及 は 当 然 予 想 されることであり すでに 作 成 実 施 して いる 大 学 もみられる すでに 大 学 教 育 については 仕 事 で 英 語 が 使 え るような 人 材 を 育 成 する 観 点 に 立 って 各 大 学 がそれぞれの 達 成 目 標 を 23

設 定 することが 求 められており これまでの 英 語 教 育 に 関 する 様 々な 研 究 成 果 を 踏 まえて 目 標 明 示 化 の 方 法 として CAN-DO 形 式 を 選 択 した 大 学 があるからである また, 教 育 の 質 の 保 証 という 観 点 からも, CAN-DO リストの 形 で 学 習 到 達 目 標 を 設 定 して 明 示 することは, 指 導 と 評 価 の 一 体 化 を 可 視 化 することにもつながり 説 明 責 任 を 果 たすという 点 で 望 ましいだけでなく 学 習 者 である 学 生 と 指 導 に 当 たる 教 員 の 双 方 にとって 有 意 義 なものと 考 えられる このことから, 遅 ればせながら 本 学 社 会 学 部 地 域 社 会 学 科 ( 以 下 本 学 科 )の 英 語 関 連 必 修 科 目 のそれぞ れについて CAN-DO リストの 形 で 到 達 目 標 の 設 定 することを 目 指 すこ とにした 次 第 である 本 論 文 では 本 学 科 独 自 の CAN-DO リストを 作 成 する 前 段 階 として まずは 各 種 文 献 から 最 近 の 英 語 教 育 改 革 の 流 れを 辿 って CAN-DO リ スト 導 入 に 至 る 経 緯 を 確 認 し 次 にその 原 点 ともいえる ヨーロッパ 言 語 参 照 共 通 枠 (Common European Framework of Reference for Languages: Learning, Teaching, Assessment.)( 以 下 CEFR)の 基 本 的 考 えから 英 語 教 育 の 改 善 という 視 点 に 立 って CAN-DO リスト 作 成 の 意 義 を 確 認 し さらに 解 決 すべき 問 題 点 や 課 題 を 明 らかにし 作 成 まで の 手 順 を 考 えていきたいと 考 える 1. CAN-DO リスト 作 成 推 奨 までの 経 緯 1.1 行 動 計 画 の 見 直 し 英 語 が 使 える 日 本 人 の 育 成 のための 戦 略 構 想 が 発 表 されたのは 今 を 遡 ること 10 年 平 成 14 年 のことである 翌 平 成 15 年 には この 構 想 を 進 めるための 具 体 的 な 施 策 や 目 標 が 英 語 が 使 える 日 本 人 の 育 成 のための 行 動 計 画 ( 以 下 行 動 計 画 )として 明 らかにされた この 中 で, 平 成 20 年 度 の 達 成 を 目 指 した 日 本 人 に 求 められる 英 語 力 の 目 標 が 掲 げられていた 高 等 教 育 機 関 である 大 学 教 育 には, 専 門 分 野 に 必 要 24

な 英 語 力 や 国 際 社 会 に 活 躍 する 人 材 等 に 求 められる 英 語 力 の 育 成 が 求 め られ 卒 業 したら 仕 事 で 英 語 が 使 える ことを 目 指 すべきことが 明 記 さ れた これと 並 んで 中 等 教 育 機 関 である 中 学 校 高 等 学 校 には 国 民 全 体 に 求 められる 英 語 力 の 育 成 が 委 ねられ 卒 業 したら 英 語 でコミュニ ケーションができる ことがその 目 標 として 示 されていた さらにその 指 導 を 担 当 する 英 語 教 員 には 英 語 を 使 用 する 活 動 を 積 み 重 ねながらコ ミュニケーション 能 力 の 育 成 を 図 る 授 業 を 行 うことのできる 英 語 力 と 教 授 力 を 備 えることが 目 標 として 明 記 された より 具 体 的 な 数 値 目 標 として 中 学 校 卒 業 段 階 では 挨 拶 や 応 対 身 近 な 暮 らしに 関 わる 話 題 などについて 平 易 なコミュニケーションができ る という 目 標 が 設 定 され 卒 業 者 の 英 語 力 の 平 均 が 日 本 英 語 検 定 協 会 主 催 の 実 用 英 語 技 能 検 定 ( 以 下 英 検 )3 級 程 度 になることが 求 められてい た また 高 等 学 校 卒 業 段 階 では 日 常 的 な 話 題 について 通 常 のコミュ ニケーションができる ことが 目 標 とされ 卒 業 者 の 英 語 力 の 平 均 が 英 検 準 2 級 ~2 級 程 度 になることが 求 められていた さらに 指 導 にあた る 英 語 教 員 の 英 語 力 についても 概 ね 全 員 が 英 検 準 1 級 等 (TOEFL [Test of English as a Foreign Language]550 点 TOEIC [Test of English for International Communication]730 点 [ い ず れ も 米 国 Educational Testing Service により 実 施 される 英 語 力 判 定 テスト]) 以 上 の 英 語 力 を 備 えることを 求 めたのである 平 成 20 年 度 達 成 を 目 指 して 示 されていたこれらの 目 標 について ま ずは 生 徒 の 英 語 力 の 実 際 の 達 成 度 から 確 認 してみたい 平 成 19 年 度 英 語 教 育 改 善 実 施 状 況 調 査 の 調 査 結 果 によると 公 立 中 学 校 3 年 生 の 英 語 力 については 卒 業 者 の 平 均 として 望 まれる 英 語 力 の 指 標 であった 英 検 3 級 あるいはそれ 以 上 の 級 を 実 際 に 取 得 した 生 徒 は 18.3%であり こ れに 同 程 度 の 力 があると 判 断 された 生 徒 の 14.0%を 加 えても 合 計 で 全 体 の 32.4%と 1/3 には 満 たなかった また 公 立 高 等 学 校 3 年 生 につ 25

いては 英 検 準 2 級 以 上 取 得 者 が 10.7% 同 程 度 の 力 があると 判 断 され た 生 徒 が 19.6% 合 計 で 30.3%であり これが 卒 業 者 の 平 均 として 求 め られる 英 語 力 の 指 標 ( 準 2 級 から 2 級 )の 下 限 であることを 考 えると 中 学 校 よりも 達 成 率 は 低 いと 言 えよう 次 に 教 師 の 英 語 力 についてで あるが ほぼ 全 員 に 求 められていた 指 標 の 英 検 準 1 級 等 以 上 の 取 得 割 合 は 中 学 校 教 員 で 24.2%( 平 成 21 年 度 公 立 小 中 学 校 における 教 育 課 程 の 編 成 実 施 状 況 調 査 ) 高 等 学 校 教 員 で 48.9%( 平 成 22 年 度 公 立 高 等 学 校 における 教 育 課 程 の 編 成 実 施 状 況 調 査 )にとどまっている これらの 検 証 結 果 などから 行 動 計 画 には 一 定 の 成 果 が 認 められたも のの 生 徒 や 英 語 教 員 に 求 められる 英 語 力 などについては 必 ずしも 目 標 に 十 分 に 到 達 していないとの 判 断 がなされ 英 語 教 育 の 更 なる 改 善 の ための 具 体 策 が 検 討 されることとなった 1.2 新 たなる 提 言 このようにして 行 動 計 画 の 達 成 状 況 が 未 だ 不 十 分 であるとの 判 断 に 立 ち 英 語 教 育 の 課 題 や 方 策 を 見 直 す 必 要 性 が 出 てきたことから 文 部 科 学 省 は 平 成 22 年 11 月 に 英 語 教 育 関 係 者 のみならず 産 業 界 などにも 人 材 を 求 めて 外 国 語 能 力 の 向 上 に 関 する 検 討 会 を 設 置 した グロー バル 化 が 急 速 に 進 む 社 会 にあって 英 語 力 の 向 上 は 教 育 に 限 らず 様 々な 分 野 において 緊 急 かつ 重 要 な 課 題 であるとの 認 識 から 英 語 教 育 におけ る 目 標 設 定 の 在 り 方 指 導 方 法 教 材 の 在 り 方 などについて 検 討 が 重 ね られた そして 政 府 のグローバル 人 材 育 成 推 進 会 議 の 中 間 まとめの 発 表 に 歩 調 を 合 わせるように,その 翌 週, 平 成 23 年 6 月 に, 検 討 会 の 審 議 のまとめが 国 際 共 通 語 としての 英 語 力 向 上 のための 5 つの 提 言 と 具 体 的 施 策 ~ 英 語 を 学 ぶ 意 欲 と 使 う 機 会 の 充 実 を 通 じた 確 かなコミュニ ケーション 能 力 の 育 成 に 向 けて~ として 発 表 されたのである この 審 議 のまとめの 中 で 平 成 28 年 度 の 達 成 を 目 指 すものとして 述 26

べられている 5 つの 提 言 は 以 下 の 通 りである 1. 生 徒 に 求 められる 英 語 力 について その 達 成 状 況 を 把 握 検 証 する 2. 生 徒 にグローバル 社 会 における 英 語 の 必 要 性 について 理 解 を 促 し 英 語 学 習 のモチベーション 向 上 を 図 る 3. ALT ICT 等 の 効 果 的 な 活 用 を 通 じて 生 徒 が 英 語 を 使 う 機 会 を 増 や す 4. 英 語 教 員 の 英 語 力 指 導 力 の 強 化 や 学 校 地 域 における 戦 略 的 な 英 語 教 育 改 善 を 図 る 5. グローバル 社 会 に 対 応 した 大 学 入 試 となるよう 改 善 を 図 る さらに このうちの 提 言 1について 具 体 的 施 策 として 以 下 の 3 点 が 挙 げられている 1 外 部 検 定 試 験 等 を 活 用 して 求 められる 英 語 力 の 達 成 状 況 を 把 握 検 証 すること 2 国 が 学 習 到 達 目 標 を CAN-DO リスト の 形 で 設 定 することに 向 けて 検 討 すること 3 学 校 は 学 習 到 達 目 標 を CAN-DO リスト の 形 で 設 定 公 表 し,その 達 成 状 況 を 把 握 すること そのために 国 や 教 育 委 員 会 が 参 考 情 報 を 提 供 し 支 援 すること ここに 初 めて,CAN-DO リスト 作 成 に 向 けて 国 としての 積 極 的 な 姿 勢 が 明 確 に 述 べられたことになる 1.3 CAN-DO リスト 作 成 の 支 援 この 提 言 が 発 表 されて 以 降 国 際 共 通 語 としての 英 語 力 向 上 のため の 5 つの 提 言 と 具 体 的 施 策 に 係 る 状 況 調 査 が 実 施 されてきているが すでに 公 表 されている 平 成 23 年 度 24 年 度 の 結 果 から 行 動 計 画 で 示 さ れていた 目 標 の 達 成 状 況 を 見 ていきたい 公 立 中 学 校 3 年 生 の 英 検 3 級 以 上 取 得 者 の 割 合 は それぞれ 9.53% 16.2%( 以 下 同 様 に H23 年 度 27

H24 年 度 の 順 に 列 挙 ) 同 程 度 と 認 められる 生 徒 の 割 合 を 含 めると 全 体 で 25.5% 31.2% 公 立 高 等 学 校 3 年 生 の 英 検 準 2 級 以 上 取 得 者 の 割 合 が 10.1% 10.6% 同 程 度 と 認 められる 生 徒 数 を 含 めても 30.4% 31.0% と やはりどちらの 校 種 でも 未 だになお 1/3 にすら 達 していない また 英 語 教 員 の 英 検 準 1 級 等 以 上 取 得 者 については 中 学 校 教 員 で 27.7% 27.7% 高 等 学 校 教 員 で 52.8% 52.3%という 結 果 で 5 割 を 超 えたも のの これまで 続 いていた 微 増 傾 向 に 停 滞 すら 見 られる 行 動 計 画 で 示 された 目 標 の 達 成 までの 道 はまだ 遠 いと 言 わざるを 得 ない 英 語 教 育 の 改 善 には 更 なる 手 だてが 必 要 であることが 明 らかになって いる 状 況 の 中 で 5つの 提 言 の 具 体 的 施 策 の 一 つとして 挙 げられていた CAN-DO リスト 作 成 のための 参 考 情 報 の 提 供 を 実 行 するために 平 成 24 年 7 月 には 外 国 語 教 育 における CAN-DO リスト の 形 での 学 習 到 達 目 標 設 定 に 関 する 検 討 会 議 が 設 置 され この 会 議 による 検 討 を 経 て 平 成 25 年 3 月 に 文 部 科 学 省 初 等 中 等 教 育 局 から 出 されたのが, 各 中 高 等 学 校 の 外 国 語 教 育 における CAN-DO リスト の 形 での 学 習 到 達 目 標 設 定 のための 手 引 き である このようにして 各 学 校 が 学 習 到 達 目 標 を CAN-DO リストの 形 で 設 定 するための 環 境 が 整 えられてきたのだが 次 項 では CAN-DO リスト が どのように 今 後 の 本 学 科 における 英 語 教 育 改 善 にも 役 立 ち 得 るのか を 先 行 研 究 や 実 践 例 から 探 っていきたい 2. CAN-DO リストの 意 義 2.1 CAN-DO リストの 実 例 CAN-DO リストは 前 述 のように 学 習 者 が 言 語 ( 英 語 )を 使 って 何 ができるかを 具 体 的 に 記 述 したものである 具 体 例 として 英 検 Can-do リスト から 準 2 級 のものを 以 下 に 引 用 する 準 2 級 は 行 動 計 画 の 中 で 高 校 卒 業 時 に 求 められる 英 語 力 の 平 均 値 の 下 限 の 目 安 として 挙 げられ 28

ていたレベルである 英 検 は 5 級 から 最 上 位 の 1 級 に 至 るまで 7 つのグ レードがあり それぞれの 級 のリストには 下 の 表 と 同 様 に 4 技 能 の Can-do 表 現 のまとめ( 表 中 太 字 )と より 具 体 的 な できること の 記 述 が 挙 げられている 表 1 準 2 級 Can-do リスト 簡 単 な 説 明 文 を 理 解 したり 図 や 表 から 情 報 を 得 ることができる 読 簡 単 な 説 明 文 を 理 解 することができる 公 共 の 施 設 などにあるお 知 らせや 注 意 事 項 を 理 解 することができる む 簡 単 に 描 かれた 図 や 表 から 必 要 な 情 報 を 得 ることができる 時 刻 表 を 見 て 目 的 地 や 到 着 時 刻 などの 情 報 を 得 ることができる 日 常 生 活 での 話 題 や 簡 単 な 説 明 指 示 を 理 解 することができる 興 味 関 心 のある 話 題 に 関 する 話 を 理 解 することができる 聞 日 常 生 活 の 身 近 な 話 題 に 関 する 簡 単 な 話 を 聞 いて その 内 容 を 理 解 すること ができる く 授 業 や 研 修 で 先 生 の 指 示 を 理 解 することができる 簡 単 なアナウンスを 聞 いて 理 解 することができる 簡 単 な 道 案 内 をきいて 理 解 することができる 簡 単 な 内 容 であれば 電 話 で 相 手 の 話 を 理 解 することができる 日 常 生 活 で 簡 単 な 用 を 足 したり 興 味 関 心 のあることについて 自 分 の 考 え を 述 べることができる 話 興 味 関 心 のあることについて 自 分 の 考 えを 述 べることができる 自 分 の 将 来 の 夢 や 希 望 について 話 すことができる す 自 分 の 気 持 ちを 表 現 することができる 簡 単 な 約 束 をすることができる ファーストフード レストランでメニューを 見 ながら 注 文 することができる 電 話 で 簡 単 な 表 現 や 決 まり 文 句 を 使 って 応 答 することができる 29

興 味 関 心 のあることについて 簡 単 な 文 章 を 書 くことができる 自 分 の 将 来 の 夢 や 希 望 について 書 くことができる 書 自 分 のお 気 に 入 りのもの 身 近 なものを 紹 介 する 紹 介 する 子 簡 単 な 文 章 を 書 くことができる く 短 い 手 紙 (Eメール)を 欠 くことができる 簡 単 なお 知 らせを 書 くことができる 簡 単 な 予 定 を 手 帳 やカレンダーなどに 書 き 込 むことができる 日 本 では 2006 年 に この 英 検 Can-do リスト が 日 本 英 語 検 定 協 会 から 発 表 されて 以 降 CAN-DO リストが 広 く 知 られるようになった この 日 本 英 語 検 定 協 会 のリストは 各 級 の 合 格 者 を 対 象 に 合 格 直 後 に 実 施 した 大 規 模 なアンケート 調 査 をもとにまとめられたものであり その 副 題 英 検 合 格 者 の 実 際 の 英 語 使 用 に 対 する 自 信 の 度 合 い からもわか るように 各 級 の 取 得 者 が 英 語 でできるであろうと 思 われることが 記 述 されている 日 本 英 語 検 定 協 会 のみならず 他 の 各 種 英 語 検 定 試 験 を 実 施 している 団 体 からも 同 様 のリストが 公 表 されている 受 検 者 のスコアがどのように 解 釈 できるかを 明 らかにするためにテスト 項 目 を 分 析 して 作 成 されたも のや 上 記 のように 様 々な 場 面 での 行 動 を 描 写 したものなど CAN-DO リストにもいくつかの 種 類 は 見 られる しかし 共 通 しているのは 広 い 意 味 での 到 達 目 標 と 言 えるものを CAN-DO 形 式 によって 提 示 してい るということであり このような 考 え 方 には CEFR が 大 きく 影 響 してい ると 言 われている 2.2 CAN-DO リストの 原 点 CEFR CEFR は 欧 州 評 議 会 (2013 年 現 在 で 加 盟 国 47 か 国 )が その 確 固 たる 言 語 観 や 言 語 教 育 観 に 基 づいて 作 成 したヨーロッパ 諸 国 の 言 語 に 共 通 する 参 照 枠 のことであり その 内 容 は CAN-DO リストに 留 まらず 30

言 語 教 育 の 在 り 方 全 般 に 及 んでいる 欧 州 評 議 会 は 欧 州 全 体 が 一 つに なることを 目 指 して 社 会 文 化 教 育 などの 分 野 を 扱 ってきた 政 治 的 組 織 であるが 複 言 語 主 義 (Plurilingualism)- 個 人 が 必 要 に 応 じて 異 なった 場 面 で 異 なった 言 語 を 使 ってコミュニケーションを 行 うことによ って 相 互 関 係 を 気 づくことができる 言 語 能 力 ( 投 野 他. 2013)-とい う 概 念 に 基 づいて これを 作 成 した ヨーロッパが 大 きな 統 一 体 として 歩 もうとするとき 欧 州 評 議 会 にとって 大 きな 課 題 となったのは 多 様 な 言 語 の 存 在 であった この 課 題 解 決 のためには 共 通 語 を 使 用 するという 選 択 肢 もあり 得 たはずだが 様 々な 文 化 の 本 質 である 多 様 な 言 語 を 尊 重 する 立 場 を 堅 持 することを 選 択 して このことが CEFR の 複 言 語 主 義 へ つながった 政 府 には 言 語 学 習 の 機 会 を 拡 大 して 他 言 語 に 触 れる 機 会 を 増 やすことを 個 人 には 教 育 や 学 習 スキルの 獲 得 を 通 して 他 言 語 の 使 用 者 と 意 思 疎 通 ができる 能 力 を 向 上 させることを 求 めている そして 実 際 の 意 思 伝 達 のための 使 用 を 重 んじ 部 分 的 な 習 得 状 態 にあっても 達 成 できるような 目 標 を 明 確 に 示 すという 言 語 観 や 言 語 教 育 観 が CEFR と いう 形 で 結 実 したと 言 える CEFR の 目 的 は 異 なる 国 や 地 域 の 学 習 者 の 目 標 と 到 達 基 準 を 比 較 で きる 方 法 を 確 立 して 言 語 教 育 促 進 の 手 段 を 提 示 することであり 具 体 的 には 以 下 のことを 提 示 している 1provides a common basis for the elaboration of language syllabuses, curriculum guidelines, examinations, textbooks, etc. across Europe. 2describes in a comprehensive way what language learners have to learn to do in order to use a language for communication and what knowledge and skills they have to develop so as to be able to act effectively. (Council of Europe 2002) このために まず CEFR では 言 語 運 用 能 力 が 基 礎 的 言 語 使 用 者 レ ベルの A1 と A2 自 立 した 言 語 使 用 者 レベルの B1 と B2 熟 達 した 言 31

語 使 用 者 レベルの C1 と C2 の 6 段 階 に 分 けられている 各 レベルの 習 熟 度 を 規 定 するための 記 述 が そのレベルで できること すなわち CAN-DO 形 式 の 記 述 でまとめられ 全 体 的 な 共 通 参 照 尺 度 (global scale) として 示 されている また 各 レベルに 顕 著 な 特 徴 についても 説 明 がさ れ 自 己 評 価 表 (self-assessment grid)も 示 されている さらにはニー ズ 分 析 に 大 いに 活 用 できる 言 語 使 用 の 外 的 コンテクストの 枠 組 み 表 (External context of use: descriptive categories)( 使 用 の 領 域 - 私 的 公 的 職 場 教 育 -と それに 関 わる 場 所 組 織 人 物 出 来 事 行 動 テキストの 一 覧 )も 示 され 言 語 の 学 習 指 導 評 価 に 関 わる 要 素 が 体 系 的 に 記 述 された 膨 大 な 資 料 となって 公 開 されている CEFR における 難 易 度 判 断 の 基 準 を 定 めるための 記 述 的 な 共 通 参 照 枠 を 作 る 作 業 が 正 式 に 始 まったのは 1991 年 だとされているが その 背 景 にある 言 語 観 や 言 語 教 育 観 に 関 わる 理 論 的 研 究 などにはさらに 長 い 歴 史 がある CEFR の 作 成 の 担 当 者 は 言 語 教 育 の 基 礎 はコミュニケーショ ン 能 力 の 育 成 にあるとして 言 語 材 料 を 概 念 と 機 能 に 分 けて 総 合 的 なアプ ローチをとった ノーショナルシラバス を 1976 年 に 書 き 上 げた Wilkins の 支 持 者 たちであった その 一 人 van Ek は 同 年 に 欧 州 評 議 会 から Threshold Level 適 切 なコミュニケーションのために 必 要 な 言 語 の 理 解 や 発 表 の 到 達 程 度 に 関 する 著 作 を 出 版 し 1991 年 には Trim と の 共 著 でその 全 面 的 な 改 訂 版 を 出 し この 二 人 は 同 年 にその 下 位 レベル にあたる Waystage に 関 する 出 版 もした このような 言 語 観 や 言 語 教 育 観 を 共 有 する 先 行 研 究 や 並 行 して 進 められた 研 究 の 成 果 が 様 々な 形 で CEFR には 反 映 されており 各 レベルの CAN-DO リストの 記 述 につい ても 多 くの 検 証 を 重 ねた 信 頼 性 の 高 いものであることが 広 く 認 められ ている CEFR はあくまでも 参 照 枠 であるとして それぞれの 国 や 地 域 などの 実 情 に 合 わせて 活 用 をすることが 認 められている 32

2.3 CEFR-J の 構 築 日 本 の 英 語 教 育 の 実 態 を 明 らかにする 様 々な 調 査 結 果 から 英 語 教 育 に 関 する 幅 広 い 研 究 の 成 果 を 踏 まえて 様 々なレベルで 到 達 すべき 英 語 力 を 示 せるような 日 本 の 教 育 環 境 を 踏 まえた 統 一 的 な 指 標 を 作 ること の 必 要 性 が 論 じられるようになった この 時 CEFR が 幅 広 い 知 見 に 基 づいて 構 築 されていることや そのヨーロッパ 諸 国 をはじめとする 様 々 な 地 域 への 影 響 力 を 考 慮 して 日 本 の 英 語 教 育 への 適 用 が 検 討 された 結 果 CEFR の 理 念 をもとに 日 本 の 英 語 教 育 の 実 態 に 合 う 日 本 版 CEFR の 構 築 作 業 が 始 まり 2012 年 に CEFR-J として 発 表 された CEFR-J を 作 成 するに 当 たり 参 考 にした 種 々の 調 査 の 結 果 から 日 本 人 学 習 者 の 8 割 が CEFR の A レベルにとどまっているということが 分 かった この 実 態 を 踏 まえて 基 礎 的 言 語 使 用 者 のレベルが A1 と A2 の2つだけでは 英 語 を 使 ってできることの 記 述 が 不 十 分 になるとの 認 識 から CEFR-J では A1レベルを 3 段 階 A2 レベルを2 段 階 に 細 分 化 し さらに A1 の 前 段 階 としての Pre-A1 レベルを 設 けた また B1 と B2 についても それぞれ 2 段 階 に 細 分 化 している 従 ってレベルに ついては CEFR の6 段 階 に 対 して CEFR-J では Pre-A1から C2 まで の 12 段 階 となっているが 技 能 については CEFR と 同 様 に 理 解 する こと( 聞 くこと 読 むこと) 話 すこと(やり 取 り 発 表 ) 書 くこと( 書 くこと)の5 技 能 に 分 類 されている 下 表 に CERFR-J の A1.3 レベル の 5 技 能 それぞれについての CAN-DO 記 述 文 の 一 覧 を 引 用 する CEFR-J A1.3 レベルの CAN-DO リスト 理 聞 く こ と ゆっくりはっきりと 話 されれば 自 分 自 身 や 自 分 の 家 族 学 校 地 域 な どの 身 の 回 りの 事 柄 に 関 連 した 句 や 表 現 を 理 解 することができる ( 買 い 物 や 外 食 などで) 簡 単 な 用 を 足 すのに 必 要 な 指 示 や 説 明 を ゆっ くりはっきりと 話 されれば 理 解 することができる 33

解 話 す こ と 書 く こ と 読 む こ と や り と り 発 表 書 く こ と 簡 単 な 語 を 用 いて 書 かれた スポーツ 音 楽 旅 行 など 個 人 的 な 興 味 の あるトピックに 関 する 文 章 を イラストや 写 真 も 参 考 にしながら 理 解 す ることができる 簡 単 な 語 を 用 いて 書 かれた 挿 絵 のある 短 い 読 み 物 を 理 解 することがで きる 趣 味 部 活 動 などのなじみのあるトピックに 関 して はっきりと 話 され れば 簡 単 な 質 疑 応 答 をすることができる 基 本 的 な 語 や 言 い 回 しを 使 って 人 を 誘 ったり 断 ったりすることがで きる 前 もって 発 話 することを 用 意 した 上 で 限 られた 身 近 なトピックについ て 簡 単 な 語 や 基 礎 的 な 句 を 限 られた 構 文 に 用 い 複 数 の 文 で 意 見 を 言 うことができる 前 もって 発 話 することを 用 意 した 上 で 日 常 生 活 に 関 する 簡 単 な 事 実 を 簡 単 な 語 や 基 礎 的 な 句 を 限 られた 構 文 に 用 い 複 数 の 文 で 描 写 できる 自 分 の 経 験 について 辞 書 を 用 いて 短 い 文 章 を 書 くことができる 趣 味 や 好 き 嫌 いについて 複 数 の 文 を 用 いて 簡 単 な 語 や 基 礎 的 な 表 現 を 使 って 書 くことができる 2.4 CAN-DO リストの 意 義 日 本 では これまでもコミュニケーション 能 力 の 育 成 を 目 指 して 英 語 教 育 の 改 革 の 必 要 性 は 声 高 に 叫 ばれ 続 けてきたが 思 うような 効 果 が 上 がっていないのも 事 実 であり とりわけ 学 校 の 英 語 教 育 に 対 する 批 判 の 声 はなかなか 止 まない 今 このグローバル 社 会 の 中 で 学 習 者 にとっ てはもちろん 指 導 者 にとっても さらに 大 きな 発 想 の 転 換 が 迫 られた と 言 える というのは 英 語 はもはや 遠 い 憧 れの 地 の 言 葉 ではなく 人 34

的 物 的 交 流 の 様 々な 分 野 で 一 番 身 近 な 世 界 共 通 語 と 化 しており 学 習 の 際 にも 以 前 にもまして 実 際 に 英 語 を 使 う ことを 強 く 意 識 せざる を 得 なくなってきたはずだからである 従 って コミュニケーション 能 力 の 育 成 を 目 指 す 上 では CEFR-J を 参 照 しながら CAN-DO リストの 形 で 到 達 目 標 を 具 体 的 に 明 示 することが 望 ましいものになってくると 考 えられる コミュニケーション 能 力 の 重 要 性 を 認 識 しながらも 学 校 英 語 や 受 験 英 語 なる 用 語 まで 生 み 出 してきた 日 本 の 学 校 における 英 語 教 育 か ら 教 科 科 目 の1つとしての 学 習 という 概 念 を 払 拭 することは 容 易 なこ とではない これまで 使 うこと を 強 く 意 識 しなくて 済 む 環 境 にあっ たこともあって 長 らく 構 造 主 義 的 言 語 観 に 依 っていたことの 影 響 が 大 きいと 思 われる 授 業 の 中 にコミュニケーション 活 動 を 取 り 入 れても 堅 固 な 理 論 的 背 景 の 裏 打 ちがないために 活 動 の 位 置 づけが 明 確 でなか ったり 継 続 的 な 学 習 活 動 となり 得 ていなかったりする 場 合 も 多 く 見 受 けられた このような 状 況 を 打 破 するためにも 言 語 は 実 際 の 意 思 伝 達 のための 使 用 されるものであるとの 認 識 のもと 部 分 的 な 習 得 状 態 でも 達 成 できるような 目 標 が 明 確 に 示 されている CEFR やそれに 準 拠 した CEFR-J の 持 つ 意 味 は 大 きい CAN-DO 形 式 で どのような 場 面 で ど のようなことを どの 程 度 の 範 囲 までできることを 目 標 とするのかを 明 らかにしていくことは 学 習 者 と 指 導 者 の 双 方 にとって 目 標 に 向 けた 日 々の 授 業 実 践 の 連 続 性 や 発 展 性 が 認 識 しやすくなると 考 えられるから である CAN-DO リスト 導 入 の 第 一 の 利 点 としては 学 習 者 である 学 生 にとっ て 学 ぶ 目 的 が 明 確 になることが 挙 げられる 本 学 への 入 学 生 の 多 くも 英 語 が 話 せるようになりたい という 漠 然 としてはいるものの ある 種 コミュニケーション 能 力 育 成 志 向 の 希 望 を 持 ってはいる しかし 教 科 書 に 沿 って 順 を 追 って 学 習 していくだけでは コミュニケーション 能 力 35

を 身 につけるという 視 点 に 立 った 目 標 をはっきり 認 識 して 日 々の 授 業 に 臨 んでいけるとは 言 い 難 い CAN-DO リスト 形 式 で 到 達 目 標 が 具 体 的 に 明 示 されていれば その 目 標 の 達 成 のために 自 覚 的 に 学 習 に 取 り 組 む ことが 期 待 できる また リストは 目 標 が 達 成 できたかどうかを 自 己 評 価 する 際 のチェックリストとしての 役 割 も 担 えることから 学 習 への 自 主 的 な 関 わりを 促 して 言 語 習 得 には 必 要 不 可 欠 な 側 面 である 自 立 し た 学 習 者 への 成 長 を 助 けることができると 考 えられる 指 導 する 教 員 にとっての 利 点 として 授 業 計 画 の 立 て 易 さが 挙 げられ るかもしれない コミュニケーション 能 力 育 成 を 目 指 した 授 業 を 進 める 際 には 個 々の 授 業 で 何 ができるように 指 導 するのかという 視 点 は 持 ち にくいのも 事 実 である 学 習 者 の 言 語 習 得 の 過 程 はさまざまであること から 長 期 的 な 展 望 を 持 つことは 重 要 ではあるが 遠 くにある 大 きな 目 標 に 向 かって 着 実 に 歩 を 進 めているのかどうかを 絶 えず 確 認 することも 必 要 であろう 前 掲 したような CAN-DO 形 式 での 目 標 提 示 は 具 体 的 な タスクを 考 える 視 点 が 明 確 になるだけでなく 継 続 的 発 展 的 にタスク を 準 備 していける 可 能 性 を 高 めることにもつながりそうである さらに 学 習 者 の 自 己 評 価 の 場 合 と 同 様 に 評 価 の 観 点 としても 活 用 できること から 指 導 と 評 価 の 一 体 化 も 実 現 しやすいと 考 えられる 独 自 の CAN-DO リストの 作 成 を 試 みる 際 に CEFR-J そして CEFR-J が 準 拠 した CEFR の CAN-DO リストが 与 えてくれる 情 報 量 の 持 つ 意 味 が 大 きいのは 言 うまでもないが その 背 景 にある 言 語 観 言 語 教 育 観 を 正 しく 再 認 識 することも グローバル 化 が 進 む 中 日 本 の 英 語 教 育 の 在 り 方 を 考 える 上 では 大 変 重 要 であると 思 われる 3. 本 学 科 の CAN-DO リスト 作 成 上 の 課 題 3.1 目 標 設 定 に 必 要 な 要 素 本 学 科 における 英 語 必 修 科 目 の CAN-DO リストを 作 成 する 上 で 考 36

慮 すべきことは 大 きく 3 つあると 思 われる まずは 本 学 科 の 英 語 教 育 の 目 的 を 明 らかにすることである 次 に 到 達 目 標 をどの 程 度 に 設 定 す るのかということであり その 設 定 条 件 の1つとして 入 学 時 の 学 生 が どの 程 度 のコミュニケーション 能 力 としての 基 礎 力 を 身 につけているの か 把 握 することである 3.1.1 英 語 学 習 教 育 の 目 的 本 学 科 は 地 域 社 会 に 貢 献 できる 人 材 の 育 成 を 目 指 して 創 設 されたこと から 英 語 教 育 の 目 的 に 関 しても 地 域 社 会 への 貢 献 という 視 点 から 考 えることが 重 要 である では 地 域 社 会 に 貢 献 するために 必 要 とされる 英 語 英 語 力 とはどのようなものであろうか 経 済 面 を 筆 頭 に 様 々な 局 面 で グローバル 化 が 益 々 進 展 してくる 中 で, 日 本 人 にとって 英 語 という 言 語 の 持 つ 意 味 も 変 化 してきている 英 語 を 第 一 言 語 として 使 用 するグループ(inner circle)を 中 心 に,その 周 りに 第 二 言 語 として 使 用 するグループ(outer circle)を, 外 国 語 として 使 用 するグループ(expanding circle)を1 番 外 側 に 配 して,カチュル が 英 語 の 使 用 者 を 同 心 円 状 に 広 がる3つにグループ 分 けしたのは 1985 年 であった 1997 年 クリスタルは 第 1グループを 3.2~3.8 億 人, 第 2グループを 1.5 から 3.0 億 人, 最 後 の 外 周 グループを 1.0~10.0 億 人 と 推 定 したが, 英 語 が 使 われる 機 会 が 増 すにつれて 英 語 も 使 える 人 の 数 が 増 大 すると 言 われている(グラッドル 1999) さらに 英 語 を 母 語 としない 人 同 士 つまり 外 国 語 としての 英 語 使 用 者 同 士 が 英 語 でコ ミュニケーションする 状 況 もますます 増 えてきている かつては, 発 音 や 綴 りは 英 国 式 と 米 国 式 のどちらが 望 ましい かという 議 論 があった 教 科 書 にも 両 方 の 発 音 記 号 が 併 記 されていた 記 憶 がある 当 時, 英 語 を 使 う 相 手 として 英 米 人 しか 想 定 できなかったの は, 英 語 習 い 始 めの 中 学 生 に 限 ったことではなかったようだ しかし 37

現 在 では, 英 語 を 用 いたコミュニケーションの 相 手 は 変 わってきてい る 日 本 貿 易 振 興 機 構 (JETRO)の 統 計 によると,1990 年 代 の 日 本 の 貿 易 相 手 国 は, 輸 出 入 ともに 米 国 が 他 国 を 大 きく 引 き 離 して1 位 であっ たが, 輸 入 は 2002 年 に, 輸 出 は 2009 年 に 中 国 にその 座 を 譲 った 輸 入 相 手 国 の 上 位 には 資 源 エネルギー 価 格 の 上 昇 に 伴 って 中 近 東 の 国 々が 顔 を 出 し, 輸 出 相 手 国 の 上 位 の 多 くは 経 済 成 長 が 著 しいアジア 諸 国 が 占 めるようになっている 地 域 社 会 への 貢 献 という 観 点 から 道 内 の 状 況 を 概 観 してみると 道 内 企 業 の 海 外 進 出 拠 点 も,その 総 数 に 対 する 割 合 は 北 東 アジアが 59%, 東 南 アジアが 21%と,アジア 諸 国 で 80%が 占 められている ( 日 本 貿 易 振 興 機 構 2013)また, 日 本 政 府 観 光 局 (JNTO)による 訪 日 外 客 数 の 国 籍 データを 2003 年 と 昨 年 の 2012 年 とで 比 較 すると, 欧 州 の 64.5 万 人 から 77.6 万 人, 北 米 の 79.8 万 人 から 87.6 万 人 という 伸 びに 対 して,ア ジア 諸 国 の 伸 びは 35.1 万 人 から 63.9 万 人 と 大 幅 であり, 総 増 加 数 31.5 万 人 のほとんどをアジア 諸 国 が 占 めている(JNTO 2013)ことが 分 かる このような 状 況 の 変 化 は 本 学 科 の 学 生 もボランティアとして 参 加 する 小 樽 の 雪 あかりの 路 や 札 幌 の 雪 まつり などの 道 内 の 観 光 イベ ントを 通 しても 実 感 として 伝 わっていると 思 われる 言 い 換 えるならば 本 学 科 の 学 生 を 含 めて 多 くの 日 本 人 学 習 者 にとっ て 英 語 はもはやアジア 諸 国 の 人 々とのコミュニケーション 手 段 にもな っていて 世 界 共 通 語 としての 言 語 Lingua Franca であると 言 える 従 って 非 英 語 専 攻 である 本 学 科 学 生 の 到 達 目 標 を 考 える 上 でも この 点 に 配 慮 して 考 え 得 る 英 語 使 用 の 場 面 や 相 手 を 十 分 想 定 しておく 必 要 はありそうである 3.1.2 目 指 すべき 英 語 力 次 に CAN-DO リストを 作 成 する 上 で 本 学 科 所 属 学 生 の 最 終 到 達 目 38

標 を 明 らかにする 必 要 がある 指 導 者 側 からすれば どのようなことが どの 程 度 までできる 学 生 を 育 てるのかという 目 標 である 高 等 教 育 機 関 である 大 学 では 入 学 者 はその 入 学 に 至 るまでに 幾 つかの 選 抜 試 験 を 経 てきており 英 語 力 を 含 めた 基 礎 学 力 の 各 学 校 による 違 いは 非 常 に 大 き い 大 学 での 英 語 教 育 に 専 門 分 野 に 必 要 な 英 語 力 や 国 際 社 会 に 活 躍 す る 人 材 等 に 求 められる 英 語 力 の 育 成 すなわち 大 学 を 卒 業 したら 仕 事 で 英 語 が 使 える ことを 求 めた 平 成 15 年 の 行 動 計 画 においても 大 学 英 語 教 育 の 到 達 目 標 については 中 学 校 や 高 等 学 校 のように 一 律 の 数 値 目 標 を 設 定 せず 各 学 校 に 任 せたのも 頷 ける では 仕 事 で 使 える レベルとは 一 般 にどの 程 度 の 英 語 力 を 指 すの であろうか 7,000 名 を 超 す 国 際 的 に 活 躍 する 日 本 人 ビジネスパーソン に 対 して 実 施 したアンケート 調 査 の 報 告 書 ( 小 池 他 2010)によると 国 際 ビジネスに 対 応 するのに 望 まれる 英 語 力 は TOEIC900 点 以 上 (この 得 点 を 取 得 してもなお 難 しい 局 面 があることも 報 告 されている )と 考 え る 人 が 25.5%と 一 番 多 かったとある しかし この 調 査 で 望 ましいとさ れたレベルを 一 般 的 に 大 学 卒 業 生 に 求 める 英 語 力 とするには 無 理 があ る というのも 国 際 的 に 活 躍 しているビジネスパーソン であるこの 調 査 の 対 象 者 でさえも 実 際 にこのレベルに 達 している 人 の 割 合 は 10% 程 度 にとどまっていたからである そもそも TOEIC900 点 という 得 点 は 英 検 であれば 1 級 CEFR では C1 レベルに 相 当 し 熟 達 した 使 用 者 レベルと 考 えられるかなり 高 度 な 英 語 力 なのである この 報 告 書 の 中 でも ビジネスでの 即 戦 力 となり 得 る 英 語 力 の 育 成 を 公 教 育 に 求 める ことの 不 適 切 さを 指 摘 していて 学 校 教 育 の 役 割 は 社 会 人 になったと き 自 分 の 職 業 業 種 に 必 要 な 英 語 力 の 質 やレベルを 見 きわめ その 目 標 に 向 かって 英 語 力 を 伸 ばしていかれるよう そのための 基 礎 力 を 養 成 する ( 同 上 )ことであろうとしている 段 階 的 に 目 標 レベルを 上 げてい く 必 要 はあるとはいえ まずは 現 実 的 なところから 始 めるべきであろう 39

そこで 学 校 教 育 として 養 成 することが 可 能 と 思 われる 英 語 力 ある いは 仕 事 で 使 える 英 語 の 基 礎 力 の 具 体 的 な 目 安 を 探 ってみたい 道 内 産 業 界 の 英 語 のニーズを 調 べた 調 査 結 果 (ESP 北 海 道 2007)や ビジ ネスパーソンの 考 える 英 語 基 礎 力 像 調 査 の 考 察 ( 柴 田 2011)から 実 際 に 仕 事 で 英 語 を 使 っている 人 が 考 える 英 語 の 基 礎 力 は 高 校 卒 業 程 度 あるいは 英 検 2 級 程 度 であることが 分 かっている 地 域 社 会 への 貢 献 とい 観 点 からも 外 国 語 としての 使 用 者 同 士 によるコミュニケーション に 使 われることが 多 く 予 想 される 道 内 の 現 状 では 大 学 卒 業 時 の 大 まか な 最 終 目 標 を 英 検 2 級 取 得 レベルに 設 定 することは 非 英 語 専 攻 の 本 学 科 の 学 生 にとっても 決 して 非 現 実 的 ではなく 到 達 可 能 性 も 十 分 考 えら れる 目 標 と 言 えそうである 3.1.3 入 学 生 の 英 語 力 と 必 修 科 目 における 到 達 目 標 レベル では 大 学 での 英 語 教 育 を 始 める 出 発 点 での 英 語 力 はどのていどであ ろうか 入 学 直 後 のアンケート 調 査 によると 本 学 科 入 学 生 のうち 英 検 2 級 取 得 者 は 2% 準 2 級 取 得 者 で 10% 程 度 であり 全 体 的 に 見 れば 3 級 レベルにも 達 していないと 思 われる 学 生 も 多 い 行 動 計 画 で 高 等 学 校 卒 業 時 に 求 めた 英 語 力 の 平 均 の 準 2 級 ~2 級 という 数 値 目 標 は 本 学 科 入 学 生 について 言 えば 遥 かに 及 ばぬ 到 達 点 であったと 言 える 前 項 で 述 べた 卒 業 時 までに 全 員 に 身 に 付 けることを 求 めたい 英 検 2 級 程 度 の 英 語 力 と 入 学 時 の 英 検 3 級 未 満 の 英 語 力 というこの 差 を コミュニケーシ ョン 能 力 の 育 成 という 視 点 から どのようにして 埋 めていくのかが 大 き な 課 題 である 卒 業 時 までには 英 検 2 級 レベルの 英 語 力 を 身 につけることを 目 指 すに しても 今 回 作 成 を 試 みる CAN-DO リストは 1 年 次 に 設 定 されている 必 修 科 目 に 対 するものである 入 学 から 1 年 弱 という 短 期 間 で ほぼ 全 員 を 英 検 2 級 取 得 レベルにまで 引 き 上 げるのは 至 難 の 業 と 言 わざるを 得 40

ない 従 って リストを 作 成 する 上 での 到 達 目 標 の 設 定 レベルはさらに 下 げる 必 要 があるだろう 4 年 次 まで 英 語 関 連 科 目 が 選 択 ではあるが 開 講 されている 現 在 のところ 2 年 次 開 講 科 目 の 履 修 率 は 75%である 卒 業 時 の 到 達 目 標 を 達 成 するためには 2 年 次 以 降 に 開 講 される 選 択 科 目 の 履 修 や 自 学 自 習 を 推 奨 して 英 語 力 をさらに 伸 ばせるよう 支 援 するこ とになるが 全 必 修 科 目 を 履 修 し 終 える 1 年 終 了 時 までに 大 まかな 目 安 として 準 2 級 レベルまで 引 き 上 げておくことが 急 務 であるように 思 わ れる 3.2 CAN-DO リスト 作 成 に 向 けて まず CAN-DO リスト 形 式 による 到 達 目 標 の 設 定 をするには 具 体 的 にどんな 場 面 で どんな 相 手 に 対 して どんなことを どの 程 度 までで きるようになることを 求 めるかを 明 らかにして 記 述 していく 必 要 がある その 記 述 を 基 に 日 々の 授 業 内 の 活 動 を 継 続 的 かつ 発 展 的 に 構 成 するな どして 着 実 なステップを 踏 んで 目 標 達 成 を 目 指 すことになる 今 後 は 入 学 生 の 実 態 を 把 握 した 後 に 考 え 得 る 到 達 目 標 の 設 定 を 行 うことにな るが これまでの 2 年 間 の 状 況 から 大 まかな 到 達 目 標 のレベルとして は 前 述 したように 英 検 準 2 級 程 度 に 設 定 することを 想 定 し まずは 前 章 2 章 で 引 用 した 英 検 準 2 級 の Can-do リストなどの 記 述 を 参 考 にし て 考 えていくことにしたい 3.2.1 出 発 点 としての 自 己 評 価 リスト まずは 現 時 点 で 英 語 を 使 ってできること を 捉 えることから 始 め る 必 要 がある 毎 年 入 学 時 には 習 熟 度 別 クラス 編 成 の 資 料 にする 目 的 で リスニング 語 彙 文 法 読 解 の 分 野 にわたる 基 礎 力 診 断 テストを 実 施 しているが その 結 果 から 各 学 生 が 英 語 で 具 体 的 にどのようなこと ができるのかを 把 握 するのは 難 しい 従 って 英 語 力 の 実 態 を 捉 えるた 41

めには 本 学 科 学 生 の 基 礎 力 を 考 慮 して 英 検 3 級 程 度 にあたる CAN-DO リストを 活 用 した 自 己 評 価 を 取 り 入 れてみたい 英 検 3 級 は 4 級 5 級 とともに CEFR では A1 レベルに 相 当 するとされている こ の A1 レベルは CEFR-J では 前 述 のように 3 段 階 に 細 分 化 されている ことから A1.3 が 英 検 3 級 相 当 と 考 えてもよさそうである 前 章 で 引 用 した A1.3 レベルの CAN-DO 記 述 表 現 を 使 った 自 己 評 価 のチェックリス トを 作 成 して 英 語 力 の 実 態 調 査 をすることで まずは 学 生 が 英 語 を 使 ってできること を 大 まかに 捉 えることから 始 めてみたい 3.2.2 CAN-DO リストとタスク 英 語 を 使 ってできること の 実 情 を 踏 まえて 想 定 される 到 達 レベ ルに 基 づいて 何 ができるようになることを 目 指 すかを 明 らかにして CAN-DO リストを 作 成 していくことになる その 後 に リストに 挙 げた 到 達 目 標 を 達 成 するのにふさわしい 具 体 的 なタスクを 作 っていくことに なるのだが ここでは 逆 の 視 点 から 先 行 研 究 で 具 体 的 に 提 示 されたタ スクを 通 して 基 礎 的 言 語 使 用 者 のレベルでは どんなことができるよ うになることが 求 められるのかを 探 ってみたい 次 頁 の 表 は CEFR に 基 づいてカナダで 作 られたフランス 語 教 育 に 関 するガイドからの 抜 粋 である これは 英 語 を 母 語 とする 生 徒 ( 日 本 の 小 学 校 高 学 年 から 中 学 生 に 当 たる)が 学 ぶ 初 歩 段 階 の 必 修 フランス 語 に 関 する 記 述 の 一 部 である 行 動 指 向 アプローチ( 言 語 を 使 ってタスク を 達 成 していくことで 言 語 を 習 得 していくという 考 え 方 )に 基 づいてお り 言 語 (フランス 語 )を 使 って このような 具 体 的 なタスクが 達 成 で きることを 目 指 していることが 分 かる このようなタスクを 達 成 するた めには どのような 知 識 や 技 能 が 必 要 になるのかという 分 析 的 な 視 点 を 持 つことも 必 要 になろう 42

A Guide to Reflective Practice for Core French Teachers より Core French students may be learning to carry out the following acts of communication in French: Greeting someone Making introduction Asking and answering simple questions about familiar topics Completing simple registration forms Writing simple descriptions to inform someone about an event Asking for help Requesting and giving directions Offering and responding to an invitation Offering and responding to an apology Reading advertisements Giving oral information, answering questions, and writing about oneself Understanding and following procedures to join a club, team, or other group Understanding and asking questions about tasks they are to perform Understanding safety rules and instructions Making purchases 次 に Nation(2013)の 著 作 から 引 用 してみたい これは 次 頁 の 表 の タイトルにもあるように ペアによる 会 話 に 特 化 して 繰 り 返 し 扱 われ るべきものとして 挙 げられたトピックの 一 覧 である ここから 具 体 的 な 会 話 のシミュレーションが 目 に 浮 かぶのではないだろうか また 彼 は 流 暢 な 会 話 ができるようになるためには まず 十 分 な 練 習 が 必 要 である こと 同 じトピックの 繰 り 返 しが 必 要 であることを 唱 え 決 まり 文 句 43

文 会 話 を 暗 記 することに 始 まって 練 習 によって 流 暢 さを 増 して 状 況 に 応 じて 対 応 できるようにしていくといったように 段 階 的 に 進 めてい くことの 重 要 性 を 述 べている 会 話 に 限 定 した 記 述 ではあるが いわ ば モデルの 提 示 暗 記 習 熟 発 展 というサイクルは どのような 知 識 や 技 能 の 習 得 についても 適 用 できるものではないだろうか Topics to repeat in pair conversation practice Talking about yourself and what you do Talking about your family Talking about your hobbies Talking about what you have done recently Talking about a movie Talking about a book, Talking about a TV program Talking about your recent travel Talking about your hometown Talking about your country Asking for directions Giving directions Asking about public transport Using the post office Using the bank Using public transport Using a restaurant Buying takeaway food Using the telephone 44

ここで 引 用 した2つの 例 には 前 章 で 取 り 上 げた2つの CAN-DO リ ストの 記 述 とも 共 通 部 分 が 多 くみられ 全 てが 大 まかに 提 示 された 行 動 目 標 となっていると 言 える 実 際 の 授 業 での 具 体 的 な 運 用 を 考 えるとき 適 切 な 語 彙 や 構 文 などの 言 語 材 料 の 埋 め 込 みも ある 程 度 必 要 になって くることは 明 らかである 例 えば 自 己 紹 介 ができる というだけの 記 述 では 到 達 目 標 としてはあまりにも 漠 然 としている 大 学 生 がする 自 己 紹 介 として 盛 り 込 むべき 情 報 場 面 や 相 手 の 違 いに 応 じて 必 要 と なる 提 供 情 報 の 選 択 を 考 慮 した 上 で タスク 達 成 に 必 要 な 語 彙 や 構 文 な ども 付 加 的 に 記 述 することによって 初 めて 具 体 的 な 活 動 のイメージ が 湧 き できること のレベルも 明 らかにできるように 思 われる このように CAN-DO リストの 記 述 内 容 と 教 室 内 で 行 うべきタスク とは 密 接 に 結 びついていることから 想 定 する 言 語 使 用 の 場 面 や 相 手 想 定 する 到 達 度 レベルを 考 慮 しながら これまで 例 示 した 様 々な 記 述 を 吟 味 して 行 くことから 作 成 作 業 に 着 手 していきたいと 考 える 4. 今 後 の 課 題 今 後 英 語 必 須 科 目 について CAN-DO リスト 形 式 による 到 達 目 標 設 定 の 具 体 的 作 業 に 入 ることになるが 英 語 を 使 ってどのような 機 能 を 果 たせるかという 行 動 目 標 を 明 示 する 際 には 技 能 だけでなく それを 支 える 知 識 についても 言 及 することが 重 要 だと 考 えている まずは 入 学 時 に 英 語 できること を 学 生 の 自 己 評 価 を 通 して 捉 えると 同 時 に 授 業 内 活 動 の 観 察 を 通 して 実 際 にどの 程 度 の 正 確 さや 流 暢 さで でき る のかを 把 握 したい そのうえで 段 階 的 にその 達 成 度 を 高 めていけ るように 授 業 内 活 動 を 工 夫 するととともに 必 要 な 言 語 材 料 の 提 供 や その 習 熟 のための 訓 練 も 併 せて 授 業 計 画 に 組 み 込 むことを 目 指 したい 基 礎 的 な 使 用 者 レベルとはいえ 様 々な 機 能 の 習 得 が 期 待 される 中 その 遂 行 のために 必 要 な 言 語 材 料 の 取 捨 選 択 は 大 きな 課 題 である CEFR-J 45

の 研 究 グループにより 膨 大 なデータに 基 づいた 各 レベルへの 言 語 材 料 の 割 り 付 けが 近 々に 発 表 されるとも 聞 く 大 いに 期 待 し 活 用 していき たい References Council of Europe. (2002) Common European Framework of Reference for Languages: Learning, Teaching, Assessment. http://www.coe.int/lang-cefr Coyle, D., Hood. P. and Marsh. D. (2010) Content and Language Integrated Learning, Cambridge University Press. Crystal, D.(1997)Englsih as a Global Language, Cambridge University Press. Nation, Paul(2013)What Should Every EFL Teachers Know? Compass Publioshing Rossner, Richard(2012) 学 校 教 育 段 階 における 英 語 コミュニケーション 能 力 の 向 上 について:CEFR がいかに 役 立 つのか 文 部 科 学 省 -ブリテ ィッシュ カウンシル 共 催 シンポジウム 発 表 資 料 Smit, U. and Dafouz, E. (2012) Integrating Content and Language in Higher Education: An introduction to English-medium Policies, conceptual issues and research practices across Europe AILA Review Vol.25.1-12 Sung, C. C. Matthew. (2013) English as a Linga Franca and Its Implications for English Language Teaching JALT Journal, Vol. 35, No.2. 173-190 Ur. Penny(2013) A voyage of discovery, Higher-order thinking skills in English teaching JALT 2013 発 表 資 料 Van Ek, J. A. (1975) The Threshold Level for Modern Language Learning in School. Longman Van Ek, J. A. & Trim, J. L M.(1991) Threshold 1990. Cambridge University Press Van Ek, J. A. & Trim, J. L M.(1991) Waystage. Cambridge University Press Wilkins. D. A. (1976) Notional Syllabuses. Oxford University Press ESP 北 海 道 (2007) 北 海 道 の 産 業 界 における 英 語 のニーズ ESP 北 海 道 キース モロウ 編 和 田 稔 他 訳 (2013) ヨーロッパ 言 語 共 通 参 照 枠 (CEFR) 46

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