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監 修 北 辰 会 有 澤 総 合 病 院 内 科 大 八 木 秀 和 1 時 間 目 子 宮 内 膜 症 名 古 屋 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 産 婦 人 科 中 原 辰 夫 NAKAHARA Tatsuo 月 経 困 腎 難 不 を 全 訴 とはどのような えて 来 院 される

全設健発第     号

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目  次

5 次 のいずれにも 該 当 する 従 業 員 は 子 が1 歳 6ヶ 月 に 達 するまでの 間 で 必 要 な 日 数 について 育 児 休 業 をするこ とができる なお 育 児 休 業 を 開 始 しようとする 日 は 原 則 として 子 の1 歳 の 誕 生 日 に 限 るものとする (1

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次 世 代 育 成 支 援

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概 要 説 明 書

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(2) 国 民 年 金 の 保 険 料 国 民 年 金 の 第 1 号 被 保 険 者 および 任 意 加 入 者 は, 保 険 料 を 納 めなければなりま せん また,より 高 い 老 齢 給 付 を 望 む 第 1 号 被 保 険 者 任 意 加 入 者 は, 希 望 により 付 加 保 険

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75 歳 以 上 の 方 の 後 期 高 齢 者 医 療 制 度 75 歳 になると 全 ての 方 が 後 期 高 齢 者 医 療 制 度 に 加 入 して 医 療 を 受 けます 後 期 高 齢 者 医 療 制 度 は 東 京 都 後 期 高 齢 者 医 療 広 域 連 合 が 主 体 となり 区

乳癌は女性にとって 身近な病気です

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マスミューチュアル 定 額 終 身 保 険 の 特 徴 としくみ Point 1 健 康 状 態 の 告 知 は Point 2 ありません 固 定 利 率 で る 保 険 す 契 約 積 立 す * 被 保 険 者 が 入 院 中 の 場 合 など ご 加 入 いただけない 場 合 がございます

主 要 な が ん 治 療 に つ い て 入 院 に か か る 医 療 費 の 支 払 い か ら 計 算 し た も の で す 例 え ば 胃 が ん に つ い て は 平 均 入 院 費 は 総 額 約 万 円 で 自 己 負 担 額 は 約 3 3 万 円 程 度 必 要

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5 月 27 日 4 子 宮 頸 癌 1 GIO: 子 宮 頸 癌 の 病 態 診 断 治 療 について 理 解 する SBO: 1. 子 宮 頸 癌 の 発 癌 のメカニズムや 発 癌 過 程 について 説 明 できる 2. 子 宮 頸 癌 および 前 癌 病 変 の 分 類 ついて 説 明 でき

4 調 査 の 対 話 内 容 (1) 調 査 対 象 財 産 の 土 地 建 物 等 を 活 用 して 展 開 できる 事 業 のアイディアをお 聞 かせく ださい 事 業 アイディアには, 次 の 可 能 性 も 含 めて 提 案 をお 願 いします ア 地 域 の 活 性 化 と 様 々な 世

目 次 1. 社 会 保 障 分 野 でできること 1 1 高 額 医 療 高 額 介 護 合 算 制 度 の 改 善 2 保 険 証 機 能 の 一 元 化 3 自 己 診 療 情 報 の 活 用 4 給 付 可 能 サービスの 行 政 側 からの 通 知 2. 年 金 分 野 でできること 5

毎 月 の 給 与 等 ( )を 一 定 の 等 級 区 分 にあてはめた 標 準 月 額 の 上 限 が 現 行 の47 等 級 から50 等 級 に 改 正 されます ( 別 紙 健 康 保 険 料 額 表 参 照 ) なお 法 改 正 に 伴 い 標 準 月 額 が 改 定 される 方 につい

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 135, , , , , ,600

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(2) 特 別 障 害 給 付 金 国 民 年 金 に 任 意 加 入 していなかったことにより 障 害 基 礎 年 金 等 を 受 給 していない 障 がい 者 の 方 に 対 し 福 祉 的 措 置 として 給 付 金 の 支 給 を 行 う 制 度 です 支 給 対 象 者 平 成 3 年 3

( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

2. ど の 様 な 経 緯 で 発 覚 し た の か ま た 遡 っ た の を 昨 年 4 月 ま で と し た の は 何 故 か 明 ら か に す る こ と 回 答 3 月 17 日 に 実 施 し た ダ イ ヤ 改 正 で 静 岡 車 両 区 の 構 内 運 転 が 静 岡 運

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任 意 保 険 料 の 保 険 料 額 については 下 記 の 理 由 により 変 更 となる 場 合 があります 保 険 料 が 変 更 する 場 合 1 任 意 継 続 加 入 中 に 40 歳 になり 介 護 保 険 被 保 険 者 に 該 当 した 場 合 ( 被 扶 養 者 含 む) (

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奨学資金の受領から返還までの手続

提 出 書 類 ア 財 産 形 成 年 金 貯 蓄 の 非 課 税 適 用 確 認 申 告 書 ( 積 立 終 了 から2ヶ 月 以 内 に 提 出 厳 守 ) 記 入 例 参 照 イ 財 産 形 成 年 金 貯 蓄 者 の 退 職 等 申 告 書 記 入 例 参 照 年 金 財 形 提 出 書 類

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生命保険料控除制度

5

平 成 34 年 4 月 1 日 から 平 成 37 年 3 月 31 日 まで 64 歳 第 2 章 労 働 契 約 ( 再 雇 用 希 望 の 申 出 ) 第 3 条 再 雇 用 職 員 として 継 続 して 雇 用 されることを 希 望 する 者 は 定 年 退 職 日 の3か 月 前 まで

3. 出 産 費 等 について (1) 文 部 科 学 省 共 済 組 合 員 またはその 被 扶 養 者 が 出 産 したとき 常 勤 職 員 のみ 出 産 費 1 件 420,000 円 ( 産 科 医 療 補 償 制 度 に 加 入 していない 医 療 機 関 で 出 産 のときは 390,0

3 保 険 料 ( 掛 金 )を 納 めていること 原 則 として 初 診 日 月 前 々 月 まで 国 民 年 金 加 入 期 間 全 体 うち 3 分 2 以 上 きち んと 納 めている( 保 険 料 免 除 期 間 も 含 む)ことが 必 要 です 現 在 は 特 例 として 初 診 日 が

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Q5 育 児 休 業 を 請 求 する 際 の 事 務 手 続 は? A5 育 児 休 業 を 請 求 しようとする 職 員 は, 育 児 休 業 承 認 請 求 書 ( 様 式 第 1 号 )に 子 の 氏 名 や 請 求 する 期 間 等 を 記 入 し, 育 児 休 業 を 始 めようとする1

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公 営 企 業 職 員 の 状 況 1 水 道 事 業 1 職 員 給 与 費 の 状 況 ア 決 算 区 分 総 費 用 純 利 益 職 員 給 与 費 総 費 用 に 占 める ( 参 考 ) 職 員 給 与 費 比 率 22 年 度 の 総 費 用 に 占 A B B/A める 職 員 給 与

は 1 時 間 ( 年 次 有 給 休 暇 5 日 を 限 度 )とすることができる 2 1 時 間 を 単 位 として 使 用 した 年 次 有 給 休 暇 を 日 に 換 算 する 場 合 は 8 時 間 をもって1 日 とする ( 病 気 有 給 休 暇 ) 第 4 条 規 則 第 20 条

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学 力 家 計 とも 基 準 内 です 申 込 みをすれば 必 ず 採 用 されますか? 奨 学 生 の 採 用 は 日 本 学 生 支 援 機 構 が 定 める 採 用 枠 の 範 囲 内 で 行 いますので 基 準 内 なら 必 ず 採 用 されるとのお 約 束 はできません 下 宿 しています

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自 分 にあった 健 康 保 険 を 見 つけよう! それぞれの 健 康 保 険 の 特 徴 を 踏 まえ 自 分 にあった 健 康 保 険 を 選 ぶようにしましょう! 今 までの 収 入 扶 養 家 族 の 有 無 によって どの 健 康 保 険 に 加 入 するとメリットがあるか 参 考 にし

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間 は 傷 病 手 当 金 を 受 給 しましたが 職 場 の 理 解 とリハビリの 甲 斐 あって 無 事 職 場 復 帰 がで きました しかし 後 遺 症 が 残 ったまま 障 害 認 定 日 を 迎 えました 年 子 さんには 障 害 年 金 の 受 給 資 格 があるのでしょうか? 年 子

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11 新 型 インフルエンザ 予 防 接 種 健 康 被 害 救 済 給 付 金 ( 注 4) 12 ( 医 薬 品 副 作 用 被 害 救 済 制 度 の) 副 作 用 救 済 給 付 又 は( 生 物 由 来 製 品 感 染 等 被 害 救 済 制 度 の) 感 染 救 済 給 付 ( 注 4)

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とする この 場 合 育 児 休 業 中 の 期 限 付 職 員 が 雇 用 契 約 を 更 新 するに 当 たり 引 き 続 き 育 児 休 業 を 希 望 する 場 合 には 更 新 された 雇 用 契 約 期 間 の 初 日 を 育 児 休 業 開 始 予 定 日 として 育 児 休 業 申

(4) 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 との 連 携 1 市 は 国 の 現 地 対 策 本 部 長 が 運 営 する 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 に 職 員 を 派 遣 するなど 同 協 議 会 と 必 要 な 連 携 を 図 る

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1. 調 査 設 計 調 査 の 目 的 検 診 から 診 断 治 療 まで どのような 想 いを 持 ち どのような 行 動 をとられているかを 伺 い がん 治 療 サポート 体 制 の 現 状 課 題 を 把 握 する 調 査 の 内 容 調 査 対 象 : 1がん 患 者 さん 1,000


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図 表 1 1,000 万 円 以 上 高 額 レセプト ( 平 成 25 年 度 ) 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷

5

Ⅶ 東 海 地 震 に 関 して 注 意 情 報 発 表 時 及 び 警 戒 宣 言 発 令 時 の 対 応 大 規 模 地 震 対 策 特 別 措 置 法 第 6 条 の 規 定 に 基 づき 本 県 の 東 海 地 震 に 係 る 地 震 防 災 対 策 強 化 地 域 において 東 海 地 震

Transcription:

乳 がんの 手 術 を 受 けられるあなたへ

乳がんの手術を受けられるあなたへ 今 あなたは乳がんと診断され 入院 手術が必要と医師から 説明を受けられたと思います 医師の説明はご理解いただけたでしょうか あなたの心は病気への不安と悲しみでいっぱいになっている ことでしょう 少しでも不安の解消になれば と考え このパンフレットを 作成しました 乳がんの手術には大きく分けて二つの方法があります 乳房温存療法 と 乳房切除術 です 後ろのページでそれぞれ詳しく説明しています また 乳房の形を整える手術 乳房再建術 や術後の留意点 さらに遺伝性乳癌や妊孕性についても説明を加えています この冊子を読んでいただくことで 治療法の概略を理解して いただき 手術方法を選択するための参考にしていただけたら と思います 今までにもたくさんの女性があなたと同じような体験をし 短期間のうちに元気に日常生活に戻っています この病気は あなた自身とご家族や周囲の協力があれば克服 できるのです 高知医療センター 乳腺外科

目 次 1. 乳 がんってどんな 病 気? 1 2. 乳 房 温 存 療 法 2 3. 乳 房 切 除 術 3 4. 乳 がん 手 術 について( 手 術 方 法 の 選 択 ) 4 5. センチネルリンパ 節 生 検 について 5 6. 乳 房 の 形 を 整 える 手 術 ( 再 建 術 )について 6 7. 入 院 手 術 にあたって 7 手 術 の 説 明 同 意 書 について ご 家 族 の 方 へ 8. 乳 がんと 遺 伝 について 8 9. 乳 がんの 治 療 と 妊 孕 性 について 9 10. 術 後 の 上 肢 の 運 動 について 10

1. 乳 がんってどんな 病 気? 乳 腺 組 織 の 周 囲 のようす 乳 房 は 鎖 骨 胸 骨 肋 骨 と 腕 の 骨 ( 上 腕 骨 )を 結 びつける 大 胸 筋 という 筋 肉 の 上 にのっています 大 胸 筋 の 下 には 肋 骨 と 肩 甲 骨 を 結 び つける 小 胸 筋 があります 小 胸 筋 の 下 の 脇 (わき)にあたるところには リンパ 節 がたくさんあります リンパ 節 とは 血 管 外 にある 体 液 (リンパ 液 )を 集 め 血 管 へ 戻 す 体 にとっての 関 所 のようなところです 乳 腺 組 織 の 構 造 と 乳 がんの 関 係 乳 がんの 多 くはしこりで 見 つかります しこりはがん 細 胞 が 集 まった ものです 乳 がんは 母 乳 を 作 る 小 葉 組 織 や 母 乳 を 乳 頭 まで 運 ぶ 乳 管 組 織 より 発 生 します これらの 組 織 を 構 成 する 細 胞 の 遺 伝 子 に 変 異 が 起 こりがん 細 胞 になります がん 細 胞 は 分 裂 を 繰 り 返 して 増 殖 し 腺 房 や 乳 管 を 破 壊 し 周 囲 の 脂 肪 組 織 にまで 進 展 してしこりを 作 ります さらに 進 行 すると 血 管 やリンパ 管 を 侵 しリンパ 節 や 他 の 臓 器 に 飛 び 火 ( 転 移 )を 起 こします 血 管 脂 肪 組 織 がん リンパ 節 がん 大 胸 筋 肋 骨 乳 腺 乳 管 乳 腺 組 織 周 辺 のようす 乳 腺 の 構 造 1

2. 乳 房 温 存 療 法 手 術 と 放 射 線 を 併 用 して 乳 房 を 温 存 する 治 療 法 です 乳 房 を 全 部 切 除 せずにがんのしこりだけを 取 り 除 きます しこりの 大 きさにより 取 り 除 く 乳 腺 の 量 は 異 なりますが しこりが 大 きいと 切 除 量 が 多 くなり 乳 房 の 変 形 や 引 きつれを 残 してしまいます このためしこりが 大 きい 方 やがんの 広 がりが 広 範 囲 にある 方 には 不 向 きです 手 術 後 温 存 した 乳 房 への 放 射 線 治 療 が 必 要 となります 破 線 が 切 除 範 囲 がん 乳 腺 移 行 術 乳 房 温 存 術 がんのしこりから 約 1.5cm 程 度 離 して 正 常 乳 腺 を 含 め 円 状 に 切 除 します 同 時 に 脇 のリンパ 節 に 転 移 が あるかどうかも 調 べます 乳 腺 移 行 術 乳 腺 の 切 除 量 が 多 いと 陥 凹 や 変 形 が 残 ります このような 場 合 残 った 乳 腺 や 皮 下 脂 肪 を 寄 せ 合 わせる 手 術 を 同 時 に 行 い 乳 房 の 形 をできる 限 り 整 えます しこりが 小 さくて 乳 腺 の 切 除 量 が 少 ない とほとんど 変 形 は 残 りません 乳 腺 移 行 を 行 っても 乳 腺 の 切 除 量 が 多 い 場 合 は 変 形 が 残 ります 2

3. 乳 房 切 除 術 乳 房 切 除 術 は 胸 筋 を 残 してがんのしこりを 含 めた 乳 房 全 体 を 切 除 する 手 術 方 法 です しこりが 大 きい 方 乳 がんの 広 がりが 広 範 囲 にある 方 乳 房 温 存 術 を 希 望 されない 方 や 放 射 線 療 法 を 受 けることができない 方 が 対 象 になります 胸 筋 を 残 すことにより 腕 のはれや 胸 の 痛 みが 少 なく なり 腕 の 運 動 の 回 復 が 速 く 脇 の 変 形 も 目 立 たなくなります 切 除 後 乳 房 のふくらみを 再 建 する 手 術 を 形 成 外 科 と 共 同 で 行 う 事 もできます 再 建 手 術 の 説 明 は 希 望 があれば 形 成 外 科 医 が 行 います 乳 房 切 除 術 乳 房 全 体 を 切 除 し 脇 のリンパ 節 を 調 べます 通 常 胸 の 筋 肉 は 残 します この 方 法 には 大 胸 筋 を 残 すペイティ 法 と 大 胸 筋 小 胸 筋 を 残 すオーチン クロス 法 があります 破 線 が 切 除 する 範 囲 がん 皮 膚 切 開 線 胸 の 筋 肉 が 残 るので ふくらみはなくなりますが 柔 らかい 自 然 な 皮 フとなります 希 望 があれば 再 建 可 能 です 3

4. 乳 がん 手 術 について( 手 術 方 法 の 選 択 ) 乳 がんの 手 術 は 大 きく 乳 房 温 存 術 と 乳 房 切 除 術 の2つです 乳 房 温 存 術 の 場 合 は 放 射 線 照 射 が 必 要 です 乳 房 温 存 術 と 放 射 線 照 射 を 合 わせて 乳 房 温 存 療 法 といいます 欧 米 でも 日 本 でも 乳 房 温 存 療 法 は 乳 房 切 除 術 と 同 等 の 治 療 成 績 であることが 確 認 されています あなたは 乳 がんと 診 断 され 手 術 方 法 として 乳 房 温 存 術 か 乳 房 切 除 術 のいずれかを 選 択 することになります ただし しこりが 大 きく 乳 房 温 存 術 が 難 しい 場 合 でも 手 術 前 に 薬 物 療 法 を 行 い しこりが 小 さく なれば 乳 房 温 存 術 が 可 能 になる 場 合 もあります 手 術 はいずれも 全 身 麻 酔 のもと 2 3 時 間 程 度 で 行 なわれます 翌 日 からは 歩 いてトイレに 行 けますし 食 事 も 自 分 で 取 れます 手 術 直 後 は 腕 が 少 し 動 かしにくいかもしれませんが リハビリにより 必 ずもとに 戻 ります 退 院 は 手 術 後 1 週 間 を 予 定 しています 手 術 法 の 比 較 乳 房 温 存 術 乳 房 切 除 術 麻 酔 全 身 麻 酔 手 術 方 法 がんを 含 めた 乳 腺 の 一 部 を 切 除 脇 の 下 のリンパ 節 を 摘 出 乳 房 を 全 体 を 切 除 脇 の 下 の リンパ 節 を 摘 出 放 射 線 治 療 残 した 乳 房 に25から30 回 放 射 線 で 治 療 します(4-5 週 ) 原 則 必 要 ありません( 場 合 に よっては 行 うこともあります) 術 後 薬 物 療 法 治 療 成 績 再 発 を 防 ぐための 治 療 としてホルモン 剤 抗 がん 剤 を 使 用 する ことがあります 手 術 の 方 法 とは 関 係 なく 必 要 時 は 行 います 乳 房 温 存 術 では 残 した 乳 房 内 での 再 発 が 皆 無 ではなく( 約 4 5%) 再 発 すれば 乳 房 切 除 術 などの 再 手 術 が 必 要 となりますが 治 療 成 績 ( 生 存 率 )には 差 はありません 4

5. センチネルリンパ 節 生 検 について 乳 がんの 手 術 では 腫 瘍 とともに 転 移 の 可 能 性 のある 脇 のリンパ 節 も 一 緒 に 切 除 しますが リンパ 節 の 切 除 を 行 うことで 脇 の 下 の 痛 み ひき つり 感 感 覚 の 低 下 リンパ 浮 腫 などが 発 症 することがあります 近 年 これらの 後 遺 症 を 減 らす 目 的 で センチネルリンパ 節 生 検 が 行 わ れるようになりました 乳 房 からのリンパ 管 は 主 に 脇 のリンパ 節 へ 流 れ 込 んでいますが センチ ネルリンパ 節 とは 乳 がんから 流 れ 込 むリンパ 管 が 最 初 にたどり 着 く リンパ 節 のことで 見 張 り (センチネル)のリンパ 節 という 意 味 です センチネルリンパ 節 を 見 つけるために 乳 房 に 色 素 と 放 射 線 同 位 元 素 を 注 射 します センチネルリンパ 節 を 調 べて 転 移 が 見 つからなければ 更 に 奥 にある 残 りのリンパ 節 にも 転 移 がないと 考 え それ 以 上 の 脇 の リンパ 節 は 切 除 しません 使 用 する 色 素 は 体 に 無 害 で 尿 や 便 から 排 泄 されます 放 射 性 同 位 元 素 も 使 用 しますが 放 射 線 量 は 微 量 で 被 爆 の 心 配 はほとんどありません ごくまれに 脇 のリンパ 節 の 再 発 を 認 めることがありますが 治 療 成 績 ( 生 存 率 )には 影 響 ありません 原 則 手 術 前 の 検 査 で 脇 のリンパ 節 転 移 がないと 判 断 された 患 者 さんが 対 象 となります 脇 のリンパ 節 センチネルリンパ 節 5

6. 乳 房 の 形 を 整 える 手 術 ( 再 建 術 )について 乳 房 切 除 術 では 乳 房 が 無 くなってしまいます 希 望 があれば 乳 房 の 形 を 整 えるための 再 建 術 を 行 うこともできます ここで 説 明 する 手 術 法 は 患 者 さんの 希 望 があれば 行 う 美 容 的 な 手 術 で あり 必 ず 行 わなければならない 手 術 ではありません 乳 房 切 除 術 後 のエキスパンダー+シリコンインプラント 法 乳 房 切 除 術 に 対 して 行 う 再 建 術 です シリコンインプラントを 使 用 して 乳 房 の ふくらみを 作 ります 完 全 な 乳 房 とはなりませんが 服 を 着 た 時 の 左 右 差 がわかりにくくなります 方 法 は 乳 房 切 除 術 または 全 乳 腺 切 除 術 と 同 時 に 大 胸 筋 ( 胸 の 筋 肉 )の 下 に エキスパンダー( 特 殊 な 風 船 )をいれます この 風 船 に 生 理 食 塩 水 ( 人 の 体 液 に 近 い 水 ) を2 週 間 に1 度 の 割 合 で 注 入 し 充 分 膨 らま せます 約 6ヶ 月 後 にシリコンインプラント に 入 れ 換 えます エキスパンダー 筋 肉 ( 大 胸 筋 ) シリコン インプラント エキスパンダー 水 を 入 れてふくらませることのできるシリコン 製 の 風 船 で 組 織 ( 皮 膚 や 筋 肉 )を 徐 々に 拡 張 する 特 殊 な 医 療 用 具 シリコンインプラント 美 容 外 科 領 域 で 広 く 使 用 され 安 全 性 も 確 かめられている 豊 胸 術 用 の インプラントです 再 建 手 術 について 詳 しい 説 明 は 形 成 外 科 で 行 いますのでご 相 談 下 さい 6

7. 入 院 手 術 にあたって 手 術 は 全 身 麻 酔 で 行 います 煙 草 を 吸 われる 方 は 入 院 予 約 をされたら 必 ず 禁 煙 してください 喫 煙 を 続 けられていると 手 術 後 の 咳 や 痰 が 多 く 術 後 肺 炎 を 起 こしたり 傷 の 痛 む 原 因 にもなります 血 液 凝 固 を 予 防 するお 薬 ( 血 液 をサラサラにするお 薬 )を 飲 んでおられる 患 者 さんは 手 術 前 一 週 間 程 内 服 を 中 止 する 必 要 がありますので 必 ずお 知 らせ 下 さい 入 院 されるときは 爪 を 切 りマニキュアをされている 方 は 落 としておい て 下 さい < 手 術 の 説 明 同 意 書 について> 入 院 後 主 治 医 より 手 術 の 説 明 があります( 入 院 前 に 外 来 で 行 う 場 合 もあります) 説 明 の 時 間 は 入 院 後 に 看 護 師 がお 伝 えしますので 可 能 な 限 りご 家 族 と 一 緒 にお 聞 きください 説 明 は 主 治 医 が 書 面 にし 説 明 同 意 書 としてお 渡 しします ご 自 身 ご 家 族 が 十 分 理 解 され 納 得 された 上 で 同 意 書 に 署 名 し 看 護 師 に 渡 してください センチネルリンパ 節 生 検 を 受 ける 方 は 手 術 前 日 の13 時 頃 に 手 術 をする 側 の 乳 頭 下 に 放 射 線 同 位 元 素 を 注 射 しシンチグラフィーを 撮 影 する 検 査 が あります 疑 問 や 質 問 がありましたらその 都 度 お 尋 ねください <ご 家 族 の 方 へ> * 手 術 当 日 手 術 開 始 の 一 時 間 くらい 前 に 病 院 へおこし 下 さい * 手 術 中 の 待 機 場 所 は 当 日 病 棟 看 護 師 がご 案 内 します * 手 術 が 終 わったら 主 治 医 が 手 術 の 結 果 について 簡 単 に 説 明 させて いただきます * 手 術 当 日 は 個 室 の 場 合 患 者 さんの 状 態 により 付 き 添 いが 可 能 ですの で 看 護 師 にお 申 し 出 下 さい 7

8. 乳 がんと 遺 伝 について 乳 がんの 大 部 分 は 遺 伝 は 関 係 しないと 考 えられていますが 一 部 では 患 者 さんの 血 縁 者 の 中 で 複 数 の 方 に 乳 がんや 卵 巣 がんが 発 症 する がん の 家 族 歴 が 見 られる 場 合 があります こうした 家 族 歴 がある 方 は 遺 伝 的 素 因 が 関 与 している 可 能 性 があります 具 体 的 には 1. 患 者 さん 本 人 を 含 めて 母 姉 妹 娘 などの 身 内 に 乳 がんになった 人 が 3 人 以 上 いる 2. 患 者 さん 本 人 を 含 めて 母 姉 妹 娘 などの 身 内 に 乳 がんになった 人 が 2 人 以 上 いて いずれかが 以 下 の 基 準 を 満 たす 場 合 40 歳 未 満 での 乳 がん 発 症 両 側 乳 房 の 乳 がん 発 症 などの 基 準 があり これらの 基 準 を 満 たす 方 の 一 部 で 生 まれつき 乳 がん や 卵 巣 がんになりやすい 遺 伝 子 変 異 を 持 っている 方 がいます これらの 遺 伝 子 変 異 としてBRCA1/2といわれる 遺 伝 子 の 変 異 がよく 知 られてい ます この 遺 伝 子 変 異 を 持 っている 方 は 通 常 の 方 より 数 十 倍 のリスクで 生 涯 のうちに 乳 がんや 卵 巣 がんになるとされており 通 常 より 若 い 年 齢 で 乳 がんになったり 乳 がんに 罹 患 し 治 療 が 終 わった 後 でも 再 び 新 たな 乳 がんになる 可 能 性 が 高 いといわれています また 卵 巣 がんになる 確 率 も 上 昇 します BRCA1/2の 遺 伝 子 変 異 を 持 っていることが 分 かれば 通 常 より 若 い 年 齢 から 密 な 検 診 をして 早 期 発 見 に 努 める 必 要 があります BRCA1/2の 変 異 があるかどうかは 血 液 検 査 で 調 べることが 可 能 です が 現 在 保 険 適 応 はなく 自 費 での 検 査 になり 検 査 を 受 けるに 当 たっては ご 本 人 可 能 であれば 親 族 も 含 めたカウンセリングを 受 けていただく 必 要 があります 上 記 の 基 準 に 当 てはまる 方 や 遺 伝 についてご 心 配 な 方 はまずは 乳 腺 外 来 までご 相 談 下 さい 8

9. 乳 がんの 治 療 と 妊 孕 性 について 乳 がんの 手 術 を 受 けられた 後 は 少 しでも 再 発 を 少 なくするために 大 部 分 の 患 者 さんで 化 学 療 法 ( 抗 癌 剤 )やホルモン 療 法 などの 薬 の 治 療 を 行 う 必 要 があります 閉 経 前 の 患 者 さんは 化 学 療 法 を 受 けることによって 卵 巣 機 能 障 害 が 起 こるため 月 経 停 止 や 早 期 閉 経 となる 可 能 性 が 高 くな ります このため 妊 孕 性 ( 妊 娠 のしやすさ 受 胎 能 力 )が 低 下 したり 不 妊 になることがあります またホルモン 療 法 は 卵 巣 に 対 する 直 接 的 な 影 響 は 少 ないですが 治 療 期 間 が 最 低 でも5 年 間 必 要 で その 間 は 避 妊 をしていただく 必 要 があります そのため30 台 から40 台 前 半 といった 妊 娠 可 能 な 時 期 を 逸 してしまうことも 考 えられます 最 近 では 生 殖 医 療 の 進 歩 により 凍 結 受 精 卵 保 存 や 凍 結 卵 子 保 存 など 妊 孕 性 を 温 存 するこ とが 可 能 になりつつあります このため 乳 がんの 治 療 が 終 了 した 後 に 妊 娠 出 産 する 道 も 開 かれてきました 当 院 では 挙 児 希 望 のある 患 者 さ んのために 生 殖 医 療 科 と 協 力 して 患 者 さんの 人 生 設 計 にも 配 慮 した 治 療 を 心 がけています 詳 しい 説 明 を 希 望 される 方 は 担 当 医 にご 相 談 下 さい 9

10. 術 後 の 上 肢 の 運 動 について センチネルリンパ 節 生 検 を 受 けられた 患 者 さんへ 脇 のリンパ 節 を 少 数 しか 切 除 していないため 脇 に 多 少 の 違 和 感 は あっても 気 にせず 手 術 前 と 同 じように 積 極 的 に 上 肢 を 使 っていただくこ とがリハビリにつながります 不 必 要 に 腕 をかばう 必 要 もありません 運 動 制 限 も 特 にありません 腋 窩 リンパ 節 郭 清 を 受 けた 患 者 さんへ 脇 のリンパ 節 を 多 く 切 除 しているので 積 極 的 なリハビリを 行 わないと 脇 の 違 和 感 やつっぱり 感 肩 関 節 が 硬 くなるなどの 症 状 が 残 ることがあ ります 入 院 中 にリハビリの 方 法 を 説 明 したDVDを 見 ていただきますの で 参 考 にしていただければと 思 います また 上 肢 の 感 染 などが 起 きやす くなるため 手 術 側 の 腕 にけがをしたり 傷 を 作 ったりすることはできるだ け 避 けていただく 必 要 があります 運 動 制 限 は 特 にありませんが 使 い すぎると 少 し 腕 のだるさを 感 じたり 少 しむくみがでることもあります がその 際 は 少 し 腕 を 休 ませることで 大 部 分 はよくなります まれに 上 肢 が 腫 れてくるリンパ 浮 腫 を 来 すことがあります 体 重 が 増 えるとリンパ 浮 腫 は 起 きやすくなるため 術 後 はできるだけ 体 重 の 維 持 減 量 に 努 めて 下 さい 10

*ご 心 配 な 点 疑 問 点 がありましたら 下 記 の 番 号 にご 連 絡 下 さい 高 知 医 療 センターの 連 絡 先 TEL 088-837-3000( 代 表 ) 2014. 6. 3 改 訂