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第316回取締役会議案

貸 借 対 照 表 内 訳 表 212 年 3 月 31 日 現 在 公 益 財 団 法 人 神 奈 川 県 公 園 協 会 科 目 公 益 目 的 事 業 会 計 収 益 事 業 等 会 計 法 人 会 計 内 部 取 引 消 去 合 計 Ⅰ 資 産 の 部 1. 流 動 資 産 現 金 預 金

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受 託 工 事 費 一 般 管 理 費 何 地 区 給 料 手 当 賞 与 引 当 金 繰 入 額 賃 金 報 酬 法 定 福 利 費 退 職 給 付 費 備 消 品 費 厚 生 福 利 費 報 償 費 旅 費 被 服 費 光 熱 水 費 燃 料 費 食 糧 費 印 刷 製 本 費 測 量 調 査

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科 売 上 原 価 売 上 総 利 益 損 益 計 算 書 ( 自 平 成 26 年 4 月 1 日 至 平 成 27 年 3 月 31 日 ) 目 売 上 高 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 営 業 利 益 営 業 外 収 益 受 取 保 険 金 受 取 支 援 金 補 助 金 収 入 保

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1. はじめに 大 阪 光 の 饗 宴 実 行 委 員 会 は 大 阪 の 都 市 ブランドの 向 上 観 光 誘 客 促 進 ならびに 経 済 活 性 化 をめざし 2015 年 度 においても 2014 年 度 に 引 き 続 き OSAKA 光 のルネサンス 及 び 御 堂 筋 イルミネーショ

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別紙3

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損 益 計 算 書 ( 自 平 成 23 年 4 月 1 日 至 平 成 24 年 3 月 31 日 ) 金 額 ( 単 位 : 百 万 円 ) 売 上 高 99,163 売 上 原 価 90,815 売 上 総 利 益 8,347 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 4,661 営 業 利 益

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別紙3

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連結計算書

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 級 の 給 料 月 額 最 高 号 級 の 給 料 月 額 1 級 ( 単 位 : ) 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 9 級 1 級 135,6 185,8 222,9 261,

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 ( 注 ) 給 料 月 額 は 給 与 抑 制 措 置 を 行 う 前 のものである ( 単 位 : ) 5 級 6 級 職 員 の

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 ( 各 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 例 ) ( 例 ) 15 (H2) (H2) (H24) (H24) (H25.4.1) (H25.4.1) (H24) (H24)

Transcription:

早 分 かり 産 業 連 関 表 一 そのしくみと 使 い 方 一 熊 本 県 企 画 振 興 部 統 計 調 査 課

目 次 Ⅰ 産 業 連 関 表 が 表 すもの 1 産 業 連 関 表 とは 1 2 産 業 連 関 表 の 沿 革 1 3 簡 単 な 経 済 取 引 の 例 2 4 産 業 連 関 表 のしくみと 見 方 4 5 生 産 者 価 格 と 購 入 者 価 格 6 6 産 業 連 関 表 でわかること 7 7 投 入 係 数 表 7 8 逆 行 列 係 数 表 9 ( 参 考 ) 生 産 波 及 効 果 の 仕 組 み 11 価 格 波 及 効 果 の 仕 組 み 14 Ⅱ 仮 説 例 による 産 業 連 関 分 析 1 生 産 波 及 効 果 分 析 18 2 価 格 波 及 効 果 分 析 31 Ⅲ 波 及 効 果 分 析 の 問 題 点 35 Ⅳ 用 語 の 解 説 37

Ⅰ 産 業 連 関 表 が 表 すもの 1 産 業 連 関 表 とは 私 たちの 日 常 生 活 は 多 くの 種 類 の 財 やサービスの 経 済 取 引 によって 成 り 立 っています ある 財 を 生 産 するためには 原 材 料 や 燃 料 労 働 力 等 の 生 産 要 素 が 使 用 され(このことを 投 入 という) 一 方 その 生 産 された 財 が 他 の 産 業 の 原 材 料 や 家 計 の 消 費 物 輸 出 物 等 に 利 用 されます(この ことを 産 出 という) 産 業 連 関 表 は 一 定 の 地 域 ( 例 えば 熊 本 県 )のなかで 一 定 期 間 ( 例 え ば1 年 間 )に 生 産 された 財 貨 サービスの 投 入 と 産 出 の 関 係 を 碁 盤 のま す 目 のような 表 形 式 で 示 したもので 投 入 産 出 表 (input-output table: I-O 表 )とも 呼 ばれています 2 産 業 連 関 表 の 沿 革 産 業 連 関 表 は 一 般 的 にフランスの 重 農 学 派 の 経 済 学 者 F.ケネー (1694~1774 年 )が 作 成 した 経 済 表 に 起 源 をもつとされます 彼 は ルイ 王 政 の 財 政 危 機 に 対 処 するために 課 税 の 基 礎 となる 国 民 所 得 の 再 生 産 の 仕 組 みを 経 済 表 として 考 察 しています また K.マルクス(1818~1883 年 )は 資 本 論 のなかで 再 生 産 式 という 形 でケネーの 考 え 方 を 受 け 継 いでいます 産 業 連 関 表 の 創 設 者 W.レオンチェフは 1906 年 ロシアで 生 まれまし た その 後 彼 は アメリカに 移 住 し 1931 年 からアメリカ 経 済 を 対 象 とした 世 界 で 初 めての 産 業 連 関 表 の 作 成 を 開 始 し 1936 年 に 最 初 の 研 究 の 成 果 を 発 表 します そして 産 業 連 関 表 に 対 する 功 績 により 1973 年 にノーベル 経 済 学 賞 を 受 賞 しています 1

3 簡 単 な 経 済 取 引 の 例 簡 単 な 例 を 使 って 経 済 取 引 を 産 業 連 関 表 で 表 してみましょう 下 記 の 例 では 消 費 者 が 自 動 車 を 購 入 したとして その 自 動 車 がどの ように 生 産 され 消 費 者 の 手 に 渡 っていくか 示 しています 1: 鉄 鉱 山 は 労 働 者 に 支 払 った 賃 金 50 万 円 に 鉱 山 の 利 潤 50 万 円 を 加 え 100 万 円 で 製 鉄 所 に 販 売 します 2: 製 鉄 所 は 100 万 円 で 購 入 した 鉄 鉱 石 に 労 働 者 の 賃 金 50 万 円 工 場 の 利 潤 50 万 円 を 加 え 200 万 円 で 自 動 車 工 場 に 販 売 します 3: 自 動 車 工 場 は 200 万 円 で 購 入 した 製 鉄 に 労 働 者 の 賃 金 50 万 円 工 場 の 利 潤 50 万 円 を 加 え 300 万 円 で 自 動 車 ディーラーに 販 売 しま す 4: 自 動 車 ディーラーは 300 万 円 で 購 入 した 自 動 車 を 労 働 者 の 賃 金 50 万 円 ディーラーの 利 潤 50 万 円 を 加 え 400 万 円 で 消 費 者 に 販 売 し ます 2

自 動 車 を 消 費 者 が 購 入 するまで 鉄 鉱 山 鉄 鉱 石 100 万 円 粗 付 加 価 値 賃 金 50 万 円 利 潤 50 万 円 製 鉄 所 製 鉄 200 万 円 = 鉄 鉱 石 100 万 円 + 粗 付 加 価 値 賃 金 50 万 円 利 潤 50 万 円 自 動 車 工 場 自 動 車 300 万 円 = 製 鉄 200 万 円 + 粗 付 加 価 値 賃 金 50 万 円 利 潤 50 万 円 自 動 車 ディーラー 自 動 車 400 万 円 = 自 動 車 300 万 円 + 粗 付 加 価 値 賃 金 50 万 円 利 潤 50 万 円 消 費 者 3

4 産 業 連 関 表 のしくみと 見 方 前 ページの 消 費 者 が 自 動 車 を 購 入 するまでの 経 済 取 引 を 産 業 連 関 表 に 当 てはめてみると 下 記 の 表 1のとおりになります 表 1 産 業 連 関 モデル ( 単 位 : 万 円 ) 供 給 部 門 ( 売 り 手 ) 需 要 部 門 ( 買 い 手 ) 鉄 鉱 山 中 間 需 要 製 鉄 所 自 動 車 工 場 デ ィー ラー 中 間 需 要 計 最 終 需 要 消 移 費 輸 者 出 需 要 合 計 ( 控 除 ) 移 輸 入 県 内 生 産 額 中 間 投 入 粗 付 加 価 値 鉄 鉱 山 100 100 100 100 製 鉄 所 200 200 200 200 自 動 車 工 場 300 300 300 ディーラー 100 100 100 中 間 投 入 計 100 200 300 400 700 700 賃 金 50 50 50 50 200 利 潤 50 50 50 50 200 粗 付 加 価 値 計 100 100 100 100 400 県 内 生 産 額 100 200 300 100 700 産 業 連 関 表 の 表 頭 は 買 い 手 表 側 は 売 り 手 を 表 しています そして 前 述 した 鉄 鉱 山 製 鉄 所 自 動 車 工 場 自 動 車 ディーラーはそれぞれ 買 い 手 側 の 表 頭 と 売 り 手 側 の 表 側 の 両 方 で 表 しています 4

A: 表 を 縦 ( 列 )の 方 向 にみると 表 を 縦 方 向 にみると 買 い 手 としての 表 頭 各 産 業 が 生 産 のために 投 入 した 費 用 の 構 成 を 表 しています つまり 買 い 手 ( 表 頭 )の 各 産 業 が 商 品 を 作 るために 何 をどれだけ 必 要 としたか を 示 しており 売 り 手 ( 表 側 )の 各 産 業 から 原 材 料 等 を いくら 購 入 し また 働 いている 人 にいくら 賃 金 を 支 払 い どのくらい 儲 けがあったのかなどがわかるようになっています 例 えば 製 鉄 所 をみると 200 万 円 の 製 鉄 を 生 産 するために 原 材 料 として 鉄 鉱 山 から 100 万 円 の 鉄 鉱 石 を 購 入 し 労 働 者 に 50 万 円 の 賃 金 を 支 払 い 利 潤 として 50 万 円 を 得 たことがわかります これを 産 業 連 関 表 の 用 語 で 示 すと 原 材 料 である 鉄 鉱 石 100 万 円 の 購 入 のことを 中 間 投 入 といい 賃 金 50 万 円 や 利 潤 50 万 円 は 新 たな 生 産 活 動 によって 新 たに 付 け 加 えられた 価 値 なので 粗 付 加 価 値 といいます そして 中 間 投 入 額 と 粗 付 加 価 値 額 を 加 えたものを 県 内 生 産 額 と 呼 ん でいます 縦 の 関 係 を 式 で 表 すと 下 記 のようになります 県 内 生 産 額 = 中 間 投 入 額 + 粗 付 加 価 値 額 B: 表 を 横 ( 行 )の 方 向 にみると 表 を 横 方 向 にみると 売 り 手 としての 表 側 の 各 産 業 の 商 品 の 販 路 を 示 しています つまり 商 品 を どこへどれだけ 売 ったか を 示 していま す 例 えば 製 鉄 所 をみると 200 万 円 の 製 鉄 を 自 動 車 工 場 に 販 売 している ことが 自 動 車 工 場 をみると 300 万 円 の 自 動 車 を 消 費 者 に 販 売 している ことがわかります これを 産 業 連 関 表 の 用 語 で 示 すと 製 鉄 所 から 自 動 車 工 場 に 販 売 さ れた 製 鉄 200 万 円 のことを 中 間 需 要 といい 自 動 車 工 場 から 消 費 者 に 販 売 された 自 動 車 300 万 円 のことを 最 終 需 要 といいます そして 中 間 需 5

要 額 と 最 終 需 要 額 を 加 えたものが 需 要 合 計 です また 県 内 の 生 産 だけでは 需 要 をまかないきれない 場 合 は 不 足 分 を 県 外 ( 海 外 又 は 他 の 都 道 府 県 )から 購 入 することになりますが これを 移 輸 入 といい マイナスで 計 上 します そして 需 要 合 計 から 移 輸 入 額 を 控 除 した 額 が 県 内 生 産 額 となり 縦 の 県 内 生 産 額 に 一 致 します 横 の 関 係 を 式 で 表 すと 次 のようになります 県 内 生 産 額 = 中 間 需 要 額 + 最 終 需 要 額 - 移 輸 入 額 5 生 産 者 価 格 と 購 入 者 価 格 自 動 車 エ 場 を 横 にみていくと 300 万 円 の 自 動 車 はディーラーに 販 売 されているわけですから 縦 のディーラーと 交 差 する 箇 所 ( 表 1の ) に 300 万 円 と 記 入 したいところですが ディーラーは 自 動 車 そのものを 生 産 しているわけではありませんので 投 入 費 用 と 考 えることはできま せん もし これを 計 上 すると 自 動 車 工 場 の 生 産 額 が 二 重 計 上 されるこ とになります よって 流 通 段 階 ではこれを 計 上 せず 縦 の 消 費 者 ( 最 終 需 要 )と 横 の 自 動 車 工 場 の 交 差 する 箇 所 に 300 万 円 を 計 上 し 自 動 車 工 場 が 直 接 消 費 者 に 自 動 車 を 販 売 したかのような 形 を 取 っています また 横 のディ ーラーでは 商 業 マージン 100 万 円 のみを 計 上 し 消 費 者 への 販 売 額 は 計 上 しないことになっています また 産 業 が 他 の 産 業 へ 財 を 運 搬 する 際 の 費 用 である 運 輸 マージンに ついても 商 業 マージンと 同 様 の 取 扱 を 行 っており 商 品 の 価 格 には 運 賃 は 含 めず 運 輸 という 部 門 を 設 けてそこに 計 上 しています このように 商 品 の 流 通 に 要 した 費 用 ( 流 通 マージン= 商 業 マージン + 運 輸 マージン)を 価 格 からはぎ 取 って 別 に 設 けた 商 業 や 運 輸 部 門 に 計 上 した 価 格 を 生 産 者 価 格 といい それを 表 している 表 を 生 産 者 価 格 評 価 表 といいます これに 対 し 流 通 マージンを 商 品 の 価 格 に 含 めた 価 格 6

( 実 際 の 商 品 価 格 )を 購 入 者 価 格 といい それを 表 している 表 を 購 入 者 価 格 評 価 表 といいます 本 県 の 産 業 連 関 表 は 生 産 者 価 格 評 価 表 によっています 6 産 業 連 関 表 でわかること 産 業 連 関 表 を 使 って 何 がわかるのでしょうか 先 ほどの 自 動 車 に 関 する 取 引 を 例 に 考 えると 自 動 車 に 関 する 需 要 が 増 加 したとすると その 需 要 を 満 たすために 自 動 車 工 場 では 自 動 車 の 増 産 が 始 まり そのことで 製 鉄 の 需 要 が 高 まり 製 鉄 所 も 増 産 を 始 めま す このように ある 需 要 が 生 じる( 増 加 する)と その 需 要 を 満 たすた めに いろいろな 産 業 で 生 産 が 生 じてきます これを 生 産 波 及 効 果 とい います 投 入 係 数 や 逆 行 列 係 数 を 用 いることにより 需 要 が 生 じた 場 合 最 終 的 にどの 産 業 でどのくらい 生 産 額 が 誘 発 するかを 計 算 することが できます また 一 方 では 産 業 連 関 表 は 産 業 の 費 用 構 造 を 示 してもいます 投 入 係 数 が 一 定 ( 先 ほどの 例 でいくと 自 動 車 の 生 産 が 何 単 位 になろうとも 自 動 車 1 単 位 当 たりの 製 鉄 の 投 入 量 は 0.67 であり 続 けるということ) と 仮 定 するならば 費 用 構 造 の 変 化 は 価 格 の 変 化 を 表 すことになります このことから ある 産 業 の 価 格 の 上 昇 が 他 の 産 業 の 価 格 にどのような 影 響 を 及 ぼすか 等 の 分 析 に 利 用 できます 7 投 入 係 数 表 投 入 係 数 とは 産 業 連 関 表 を 縦 方 向 にみた 場 合 の 費 用 構 成 であり あ る 産 業 が 生 産 物 一 単 位 を 生 産 するために 必 要 な 各 産 業 からの 投 入 額 を 示 しています 投 入 係 数 の 求 め 方 は 各 産 業 の 投 入 額 をその 産 業 の 県 内 生 産 額 で 除 し たものです 表 1を 例 にとり 投 入 係 数 を 求 めると 表 2の 投 入 係 数 表 のようになります 7

表 2 投 入 係 数 表 供 給 部 門 ( 売 り 手 ) 需 要 部 門 ( 買 い 手 ) 鉄 鉱 山 中 間 需 要 製 鉄 所 自 動 車 工 場 デ ィー ラー 中 間 需 要 計 中 間 投 入 粗 付 加 価 値 鉄 鉱 山 0.00 0.50 0.00 0.00 0.14 製 鉄 所 0.00 0.00 0.67 0.00 0.29 自 動 車 工 場 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 ディーラー 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 中 間 投 入 計 0.50 0.67 0.00 0.43 賃 金 0.50 0.25 0.17 0.50 0.29 利 潤 0.50 0.25 0.17 0.50 0.29 粗 付 加 価 値 計 1.00 0.50 0.33 1.00 0.57 県 内 生 産 額 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 この 表 の 中 間 投 入 計 の 欄 の 数 値 を 中 間 投 入 率 といい 粗 付 加 価 値 計 の 欄 の 数 値 を 粗 付 加 価 値 率 といいます 中 間 投 入 率 + 粗 付 加 価 値 率 =1.0 そこで この 投 入 係 数 を 用 いて 自 動 車 の 需 要 が 100 万 円 増 加 した 場 合 に 各 産 業 にどれだけの 生 産 波 及 効 果 があるのかを 求 めてみましょう 自 動 車 がすべて 県 内 の 自 動 車 工 場 で 生 産 されたとすると 自 動 車 工 場 では 自 動 車 100 万 円 を 製 造 するために 67 万 円 の 製 鉄 が 必 要 になります ( 投 入 係 数 表 より 自 動 車 工 場 が1 単 位 の 自 動 車 を 作 るために 必 要 な 製 鉄 の 量 は 0.67 なので 100 万 円 0.67=67 万 円 ) 8

また 製 鉄 所 は 67 万 円 の 製 鉄 を 作 るために 33 万 5 千 円 の 鉄 鉱 石 が 必 要 になります ( 投 入 係 数 表 より 製 鉄 所 が1 単 位 の 製 鉄 を 作 るため に 必 要 な 鉄 鉱 石 の 量 は 0.5 なので 67 万 円 0.5=33 万 5 干 円 ) これを 合 計 すると 自 動 車 工 場 ( 直 接 効 果 ) 100 万 円 製 鉄 所 ( 間 接 効 果 ) 67 万 円 鉄 鉱 山 ( 間 接 効 果 ) 33 万 5 干 円 合 計 200 万 5 千 円 はじめに 生 じた 自 動 車 の 需 要 増 加 100 万 円 により 合 計 200 万 5 千 円 最 初 の 需 要 に 対 して 約 2 倍 の 生 産 が 誘 発 されます このように 投 入 係 数 を 使 うことにより ある 産 業 に 生 じた 需 要 が 各 産 業 にどれほどの 生 産 波 及 効 果 を 及 ぼすかを 計 算 することが 可 能 にな ります しかし 実 際 の 経 済 取 引 は このように 簡 単 ではなく 産 業 の 種 類 は 数 多 くあり 産 業 間 の 経 済 取 引 は 幾 多 にも 結 びついています このよ うな 形 で 計 算 すれば 膨 大 な 作 業 量 となってしまいます そこで このような 需 要 増 に 対 する 生 産 波 及 効 果 の 最 終 的 な 大 きさを あらかじめ 係 数 によって 知 ることができるようにしたものが 逆 行 列 係 数 表 です 8 逆 行 列 係 数 逆 行 列 係 数 を 利 用 すれば 投 入 係 数 を 用 いて 繰 り 返 し 計 算 をする 必 要 がなく 同 じ 結 果 を 簡 単 に 求 めることができます この 逆 行 列 係 数 は 投 入 係 数 から 数 学 的 に 求 められるものです 逆 行 列 係 数 とは ある 産 業 に 最 終 需 要 が1 単 位 増 加 したときに 直 接 間 接 を 含 めて 最 終 的 に 各 産 業 の 生 産 水 準 がどれくらいになるかを 示 す 係 数 です 表 3が 表 2の 投 入 係 数 表 から 求 めた 逆 行 列 係 数 表 です 9

表 3 逆 行 列 係 数 表 鉄 鉱 山 製 鉄 所 自 動 車 工 場 デ ィー ラー 行 和 感 応 度 係 数 鉄 鉱 山 1.00 0.50 0.33 0.00 1.83 1.33 製 鉄 所 0.00 1.00 0.67 0.00 1.67 1.21 自 動 車 工 場 0.00 0.00 1.00 0.00 1.00 0.73 ディーラー 0.00 0.00 0.00 1.00 1.00 0.73 列 和 1.00 1.50 2.00 1.00 影 響 力 係 数 0.73 1.09 1.45 0.73 この 逆 行 列 係 数 表 を 産 業 ごとに 縦 方 向 にみると どの 産 業 にどれだけ の 生 産 波 及 効 果 を 及 ぼすかを 示 しています そして 列 和 ( 縦 の 合 計 ) の 値 が ある 産 業 に1 単 位 の 需 要 増 が 生 じた 場 合 に 最 終 的 にどのく らいの 生 産 額 が 誘 発 されるか を 示 しています 実 際 に 表 3にそって 自 動 車 工 場 を 縦 にみると 自 動 車 工 場 の 生 産 が1 単 位 増 加 すると 最 終 的 に 鉄 鉱 山 で 0.33 単 位 製 鉄 所 で 0.67 単 位 自 動 車 工 場 で 1.00 単 位 生 産 が 誘 発 されることがわかります これを 合 計 ( 列 和 )すると 2.00 となり 先 ほど 投 入 係 数 を 用 いて 繰 り 返 し 計 算 し た 結 果 と 同 じ 値 になります 以 上 のように 産 業 連 関 表 は3つの 表 が 基 本 となっています 1 産 業 連 関 表 2 投 入 係 数 表 3 逆 行 列 係 数 表 2は1から 求 められ 3は2から 求 められます 1は 経 済 構 造 を 表 し 2と3は 分 析 の 手 段 として 公 共 投 資 やイベント 観 光 消 費 等 の 波 及 効 果 を 分 析 する 場 合 に 用 いられます 10

影 響 力 係 数 ある 行 部 門 に 最 終 需 要 が 発 生 したとき 産 業 全 体 に 対 する 生 産 波 及 の 相 対 的 な 大 きさ( 影 響 力 )を 示 す もの 一 般 的 に 中 間 投 入 率 の 高 い 部 門 ほど 影 響 力 係 数 は 大 きい 影 響 力 係 数 =ある 列 の 列 和 すべての 列 の 列 和 の 平 均 値 感 応 度 係 数 各 列 部 門 にそれぞれ1 単 位 の 需 要 があったとき ど の 行 部 門 が 相 対 的 に 強 い 影 響 ( 感 応 度 )を 受 けるか を 示 すもの この 係 数 の 高 い 産 業 は 広 く 各 産 業 に 対 して 原 材 料 やサービスを 提 供 している 産 業 とい える 感 応 度 係 数 =ある 行 の 行 和 すべての 行 の 行 和 の 平 均 値 ( 参 考 ) 生 産 波 及 効 果 の 仕 組 み( 均 衡 産 出 高 モデル) 以 下 の 図 のモデルを 考 える X: 生 産 額 (xは 各 産 業 の 投 人 額 ) F: 最 終 需 要 部 門 V: 粗 付 加 価 値 部 門 産 業 A 産 業 B 産 業 C 最 終 需 要 産 業 A x11 x12 x13 F1 X1 産 業 B x21 x22 x23 F2 X2 産 業 C x31 x32 x33 F3 X3 粗 付 加 価 値 V1 V2 V3 生 産 額 をXと 置 き 各 産 業 の 生 産 額 X1 X2 X3 を 表 すと 下 記 のよ うになります x11+x12+x13+f1=x1 x21+x22+x23+f2=x2 x31+x32+x33+f3=x3 11

これを 行 列 表 示 にすると x11 x12 x13 F1 = X1 x21 x22 x23 + F2 = X2 x31 x32 x33 F3 = X3 xij/xj=aij( 投 入 係 数 )を 置 くと a11 a12 a13 X1 F1 = X1 a21 a22 a23 X2 + F2 = X2 a31 a32 a33 X3 F3 = X3 右 辺 に 単 位 行 列 を 掛 けると a11 a12 a13 X1 F1 = 1 0 0 X1 a21 a22 a23 X2 + F2 = 0 1 0 X2 a31 a32 a33 X3 F3 = 0 0 1 X3 ここで 投 入 係 数 の 行 列 をA 最 終 需 要 の 列 ベクトルをF 県 内 生 産 額 の 列 ベクトルをX 単 位 行 列 をIと 置 くと AX+F=IX (I-A)X=F となり これをXについて 解 くと X=(I-A) -1 F よって 生 産 額 = 逆 行 列 係 数 最 終 需 要 額 という 式 が 導 き 出 せます つ まり 最 終 需 要 の 増 加 額 と 逆 行 列 係 数 がわかれば 生 産 額 の 増 加 額 を 導 き 出 せます 12

次 に 移 輸 入 の 効 果 を 考 慮 に 入 れた 均 衡 産 出 高 モデルを 作 ってみたい と 思 います 以 下 のモデルを 考 えます 産 業 A 産 業 B 産 業 C 最 終 需 要 産 業 A x11 x12 x13 F1 X1 産 業 B x21 x22 x23 F2 X2 産 業 C x31 x32 x33 F3 X3 粗 付 加 価 値 V1 V2 V3 生 産 額 をXと 置 き 各 産 業 の 生 産 額 X1 X2 X3 を 表 すと 下 記 のよう になります x11+x12+x13+f1-m1=x1 x21+x22+x23+f2-m2=x2 x31+x32+x33+f3-m3=x3 これを 行 列 表 示 すると x11 x12 x13 F1 M1 = X1 x21 x22 x23 + F2 - M2 = X2 x31 x32 x33 F3 M3 = X3 xij/xj=aij( 投 入 係 数 )を 置 くと a11 a12 a13 X1 F1 M1 = X1 a21 a22 a23 X2 + F2 - M2 = X2 a31 a32 a33 X3 F3 M3 = X3 ここで 投 入 係 数 の 行 列 をA 最 終 需 要 の 列 ベクトルをF 移 輸 入 の 列 ベクトルをM 県 内 生 産 額 の 列 ベクトルをXと 置 くと 13

AX+F-M=X 1 ここで 県 内 総 需 要 ( 中 間 需 要 AXと 県 内 最 終 需 要 F)に 占 める 移 輸 入 の 割 合 を 移 輸 入 係 数 Mとすると M M= (AX+F) M=M(AX+F) 2 2を1に 代 入 すると AX+F-M(AX+F)=X これをXについて 解 くと X={I-(I-M)A} -1 (I-M)F この 式 において (I-M)Aは 移 輸 入 の 投 入 比 率 が 中 間 需 要 最 終 需 要 を 問 わず 全 ての 部 門 において 同 一 であると 仮 定 した 場 合 の 県 産 品 の 投 入 係 数 を 示 し (I-M)Fは 同 様 の 仮 定 における 県 産 品 の 県 内 最 終 需 要 を 示 しています また このモデルは 移 輸 入 を 内 生 化 してい ることで 一 般 的 に 分 析 等 に 利 用 されます 価 格 波 及 効 果 の 仕 組 み( 均 衡 価 格 モデル) 均 衡 産 出 高 モデルでは 最 終 需 要 額 の 変 化 額 に 対 し 生 産 額 がどれだけ 変 化 するかを 分 析 するものでしたが 均 衡 価 格 モデルでは 粗 付 加 価 値 率 に 変 化 が 生 じたとき その 変 化 が 価 格 体 系 全 体 に 及 ぼす 効 果 を 分 析 す ることができます 以 下 の 図 のモデルを 考 えます aij: 投 入 係 数 v : 粗 付 加 価 値 率 ( 粗 付 加 価 値 額 生 産 額 ) w : 雇 用 者 所 得 率 ( 雇 用 者 所 得 生 産 額 ) s : 営 業 余 剰 等 率 ( 営 業 余 剰 等 生 産 額 ) 14

産 業 A 産 業 B 産 業 C 最 終 需 要 産 業 A a11p1 a12p1 a13p1 f1 産 業 B a21p2 a22p2 a23p2 f2 産 業 C a31p3 a32p3 a33p3 f3 粗 付 加 価 値 v1 v2 v3 うち 雇 用 者 所 得 率 w1 w2 w3 営 業 余 剰 等 率 s1 s2 s3 P1 P2 P3 ここで 価 格 P1 を 表 してみると P1=a11P1+a21P2+a31P3+v1 価 格 ( 生 産 物 1 単 位 当 たりの 価 値 )P1 の 内 訳 は 各 産 業 から 投 入 され る 生 産 物 1 単 位 当 たりの 投 入 量 (つまり 投 入 係 数 )にその 産 業 の 生 産 物 の 価 格 を 掛 けたものを 加 えて さらに 生 産 物 1 単 位 当 たりの 粗 付 加 価 値 額 (つまり 粗 付 加 価 値 率 )を 加 えたものになります 行 列 式 で 表 すと a11 a21 a31 P1 v1 = P1 a12 a22 a32 P2 + v2 = P2 a13 a23 a33 P3 v3 = P3 均 衡 価 格 モデルの 投 入 係 数 は 均 衡 産 出 高 モデルの 投 入 係 数 を 配 置 転 換 した 形 となっている 投 入 係 数 行 列 をA 価 格 の 列 ベクトルをP 粗 付 加 価 値 率 の 列 ベク トルをVと 置 くと A P+V=P 単 位 行 列 をIと 置 くと V=(I-A )P Pについて 解 くと P=(I-A ) -1 V 15

よって 価 格 = 逆 行 列 係 数 粗 付 加 価 値 率 という 式 が 導 き 出 せます つ まり 粗 付 加 価 値 率 の 変 化 分 と 逆 行 列 係 数 がわかれば 価 格 の 変 化 分 を 導 き 出 せます 次 に 特 定 部 門 の 価 格 が 変 動 した 場 合 の 価 格 波 及 効 果 についてみると 先 の 例 で 産 業 Cの 製 品 価 格 が 上 昇 したとすると 産 業 Cを 外 生 化 した 行 列 表 示 のバランス 式 は a11 a21 P1 a31p3 V1 P1 a12 a22 P2 a32p3 V2 P2 となり これを 変 形 すると P1 1-a11 -a21-1 a31 V1 = + + = P3 P2 -a12 1-a22 a32 V2 となります これを 一 般 化 し 県 内 産 業 がn 部 門 あり n 部 門 の 価 格 が Pだけ 上 昇 したとすると 下 記 のようになります + P1 1-a11 -an-1,1-1 an1 V1 = Pn+ Pn-1 -a1,n-1 1-an-1,n-1 an,n-1 Vn-1 ここでVは Pによっても 変 化 せず 一 定 であるとすると P1 1-a11 -a1,n-1-1 an1 = Pn Pn-1 -a1,n-1 1-an-1,n-1 an,n-1 Bn1/Bnn -1 = Bn,n-1/Bnn Pn 但 し(I-A) -1 =Bij 16

よって 既 存 の 逆 行 列 係 数 表 の 対 象 となる 部 門 ( 価 格 が 変 化 した 部 門 )の 行 をその 交 点 で 除 した 値 に 一 率 に Pを 乗 ずればよく 俗 に 簡 略 計 算 表 と 呼 ばれる 方 法 です 17

Ⅱ 仮 説 例 による 産 業 連 関 分 析 前 項 までは 産 業 連 関 表 の 仕 組 みや 働 きなどの 基 本 的 な 事 例 について 説 明 してきましたが ここでは 前 項 までに 説 明 した 各 種 の 係 数 を 利 用 して 仮 説 例 をもとに 波 及 効 果 分 析 を 行 います ( 利 用 した 部 門 表 は 建 設 投 資 の 分 析 が 108 部 門 表 それ 以 外 は 34 部 門 表 です ) 1 生 産 波 及 効 果 分 析 以 下 では 均 衡 産 出 高 モデルを 使 って 生 産 波 及 効 果 を 分 析 します (1) 最 終 需 要 の 変 化 による 効 果 分 析 イベントや 観 光 客 の 増 加 などにより 県 内 の 消 費 支 出 が 増 加 し それが 県 内 の 生 産 額 にどれくらいの 波 及 効 果 を 与 えるかを 分 析 します あくま で 最 終 需 要 部 門 の 変 化 に 対 するものであり 工 場 立 地 等 に 伴 う 生 産 額 の 変 化 による 効 果 分 析 とは 違 います 1 最 終 需 要 増 額 を 求 める まず 分 析 を 始 めるために 最 終 需 要 の 増 額 を 算 出 する 必 要 があり ます あくまでも 最 終 需 要 の 増 額 は 新 たに 付 け 加 わったものである 必 要 があります つまり そのイベントが 起 こらなかったら 発 生 しな いであろう 需 要 のことをいいます ( 例 えば あるイベントの 観 客 の 昼 食 費 は イベントがなくても 観 客 は 昼 食 を 食 べると 考 えられるので 純 粋 な 最 終 需 要 増 とはいえません ) 2 最 終 需 要 増 額 を 各 産 業 に 振 り 分 ける 1で 求 めた 最 終 需 要 増 額 を 各 産 業 に 振 り 分 けます この 場 合 注 意 するのは 実 際 の 購 入 価 格 には 流 通 マージンが 含 まれており 生 産 者 価 格 ベースで 作 成 している 本 県 の 産 業 連 関 表 に 直 接 計 上 することは できません 18

そこで 最 終 需 要 増 額 に 商 業 マージン 率 と 運 輸 マージン 率 を 乗 じて 各 々 商 業 及 び 運 輸 業 に 格 付 けします 例 ) 加 工 食 料 品 に 対 する 最 終 需 要 が 100 円 増 加 したとする 商 業 マ ージン 率 を 30% 運 輸 マージン 率 を 10%とすると 100 円 0.3 =30 円 ( 商 業 に 格 付 け) 100 円 0.1=10 円 ( 運 輸 に 格 付 け) 残 り 60 を 飲 食 料 品 製 造 業 に 格 付 けする 3 各 産 業 に 振 り 分 けた 最 終 需 要 増 額 に 自 給 率 を 掛 ける 各 産 業 に 振 り 分 けた 最 終 需 要 増 額 がそのまま 県 内 の 生 産 額 増 加 に 結 びつくわけではありません つまり 県 内 に 発 生 した 最 終 需 要 増 に 対 応 する 生 産 が 県 外 もしくは 海 外 で 行 われている 場 合 は 生 産 額 は 県 内 には 波 及 しません ( 例 えば 県 内 で 自 動 車 に 対 する 最 終 需 要 が 増 えて も 県 内 に 自 動 車 産 業 がなければ 直 接 的 には 県 内 の 生 産 額 は 増 加 しな い )そこで 各 産 業 の 最 終 需 要 増 額 に 県 内 自 給 率 をかけて 県 産 品 需 要 額 ( 直 接 効 果 )を 求 めます 4 逆 行 列 係 数 表 を 使 って1 次 効 果 を 分 析 する 均 衡 産 出 高 モデルに 基 づき 逆 行 列 係 数 に3で 求 めた 県 産 品 需 要 額 ( 直 接 効 果 )を 乗 じて1 次 効 果 ( 直 接 効 果 + 間 接 効 果 )を 分 析 します 5 2 次 間 接 効 果 以 降 を 分 析 する 1 次 効 果 の 一 部 が 新 たな 最 終 需 要 の 増 加 となり さらに 県 内 生 産 額 を 増 加 させます まず 1 次 効 果 に 雇 用 者 所 得 率 を 乗 じて 雇 用 者 所 得 誘 発 額 を 求 めま す この 雇 用 者 所 得 誘 発 額 に 消 費 性 向 を 乗 じて 家 計 消 費 増 加 額 を 求 め さらに 家 計 消 費 増 額 を 民 間 消 費 支 出 パターン( 各 産 業 の 民 間 消 費 支 出 を 民 間 消 費 支 出 の 合 計 で 割 ったもの)で 振 り 分 け これを 新 たな 最 終 需 要 増 額 と 考 えます そして3 及 び4の 作 業 を 行 うことにより2 次 間 接 効 果 を 求 めることができ 以 下 は この 繰 り 返 しで3 次 間 接 効 果 以 降 も 求 めることができます 19

消 費 性 向 とは 家 計 調 査 年 報 ( 総 務 省 )から 得 られるもので 実 収 入 から 税 金 社 会 保 険 料 等 の 非 消 費 支 出 を 差 し 引 いた 可 処 分 所 得 に 占 める 消 費 支 出 の 割 合 をいう 産 業 連 関 表 の 雇 用 者 所 得 が 可 処 分 所 得 と は 考 えにくい( 雇 用 者 所 得 の 中 に 税 金 や 社 会 保 険 料 が 含 まれてい る)ので 本 県 では 実 収 入 に 占 める 消 費 支 出 の 割 合 を 消 費 性 向 と して 使 用 する 分 析 例 )イベントの 開 催 により 観 光 客 が2 万 人 ( 県 内 客 1 万 人 県 外 客 1 万 人 ) 訪 れた 観 光 客 の 消 費 額 が 県 内 生 産 額 に 及 ぼす 波 及 効 果 を 求 める 但 し 県 内 客 は 全 て 日 帰 り 客 県 外 客 は 全 て 宿 泊 客 とし 一 人 当 たりの 消 費 額 は 下 記 のとおりとする ( 円 ) 宿 泊 費 飲 食 費 交 通 費 土 産 物 購 入 費 県 内 客 - 1,000 1,000 1,000 県 外 客 10,000 2,000 1,500 1,000 土 産 物 は 加 エ 食 料 品 が7 割 繊 維 製 品 が3 割 とする 1 最 終 需 要 増 額 を 求 める 県 内 客 の 需 要 増 額 に 関 しては 観 光 消 費 額 を 全 てカウントすること はできません つまり このイベントがなくても 普 段 県 内 客 は 県 内 で 消 費 活 動 を 行 うので その 分 を 控 除 する 必 要 があります ( 例 えば 普 段 500 円 の 昼 食 をとっている 人 が イベント 会 場 で 1,000 円 の 昼 食 を とったならば 500 円 を 需 要 増 とカウントする )そこで ここでは 県 内 客 の 消 費 額 の 50%を 需 要 増 額 と 仮 定 します 一 方 県 外 客 は 普 段 は 県 外 で 消 費 活 動 を 行 うので イベントによ る 消 費 額 全 てを 需 要 増 と 仮 定 します 県 内 客 の 需 要 増 額 飲 食 費 1,000 円 1 万 人 0.5=5,000,000 円 交 通 費 1,000 円 1 万 人 0.5=5,000,000 円 土 産 物 購 入 費 1,000 円 1 万 人 0.5=5,000,000 円 20

県 外 客 の 最 終 需 要 増 額 宿 泊 費 10,000 円 1 万 人 =100,000,000 円 飲 食 費 2,000 円 1 万 人 = 20,000,000 円 交 通 費 1,500 円 1 万 人 = 15,000,000 円 土 産 物 購 入 費 1,000 円 1 万 人 = 10,000,000 円 2 最 終 需 要 増 額 を 各 産 業 に 振 り 分 ける 宿 泊 費 は 宿 泊 業 飲 食 費 は 飲 食 店 交 通 費 は 運 輸 業 に 格 付 けします 土 産 物 は 商 業 マージンと 運 輸 マージンをはぎ 取 って 飲 食 料 品 製 造 業 繊 維 製 品 製 造 業 卸 売 業 小 売 業 運 輸 マージンに 格 付 けします (マージン 率 及 び 商 業 の 卸 売 業 小 売 業 への 配 分 は 国 の 産 業 連 関 表 を 基 にしています ) ( 千 円 ) 飲 食 料 品 繊 維 製 品 需 要 増 額 (a) 10,500 4,500 商 業 マージン 率 (b) 0.311 0.401 運 輸 マージン 率 (c) 0.034 0.025 商 業 (d)=(a) (b) 3,265.5 1,804.5 ( 内 訳 ) 卸 売 業 2,171.5 1,199.9 小 売 業 1,094.0 604.6 運 輸 マージン(e)=(a) (c) 357.0 112.5 (f)=(a)-(d)-(e) 6,877.5 2,583.0 (f)を 飲 食 料 品 製 造 業 及 び 繊 維 製 品 製 造 業 に 格 付 けします よって 各 産 業 に 振 り 分 けた 需 要 増 額 は 下 記 の 表 のようになります 飲 食 料 品 製 造 業 繊 維 製 品 製 造 業 卸 売 業 小 売 業 運 輸 業 運 輸 マージン 飲 食 店 宿 泊 業 合 計 需 要 増 額 6,877,500 円 2,583,000 円 3,371,400 円 1,698,600 円 20,000,000 円 469,500 円 25,000,000 円 100,000,000 円 160,000,000 円 21

3 各 産 業 に 振 り 分 けた 最 終 需 要 増 額 に 自 給 率 を 掛 ける 2で 振 り 分 けた 最 終 需 要 増 額 に 各 産 業 の 自 給 率 を 乗 じて 県 産 品 需 要 額 を 求 めます 観 光 という 県 内 消 費 の 特 殊 性 を 考 慮 して 特 定 の 産 業 部 門 の 自 給 率 を 調 整 しています ( 千 円 ) 需 要 増 額 (a) 自 給 率 (b) (a) (b) 飲 食 料 品 製 造 業 6,877.5 0.46403 3,191.4 繊 維 製 品 製 造 業 2,583.0 0.07739 199.9 卸 売 業 3,371.4 0.74459 2,510.3 小 売 業 1,698.6 1.00000 1,698.6 運 輸 業 20,000.0 1.00000 20,000.0 運 輸 マ ー ジ ン 469.5 0.88660 416.3 飲 食 店 25,000.0 1.00000 25,000.0 宿 泊 業 100,000.0 1.00000 100,000.0 合 計 160,000.0-153,016.5 (a) (b)が 県 産 品 需 要 額 - 4 逆 行 列 係 数 表 ({I-(I-M)A} -1 型 )を 使 って1 次 効 果 を 分 析 する 直 接 効 果 縦 にかけ 算 農 林 水 産 業 飲 食 料 品 繊 維 製 品 飲 食 料 品 繊 維 製 品 卸 売 小 売 運 輸 飲 食 店 宿 泊 業 3,191.4 199.9 2510.3 1698.6 20,416.3 0.220675 0.009421 0.000508 0.000688 0.000545 1.075440 0.000976 0.000122 0.000120 0.000217 0.000198 1.016754 0.000272 0.000332 0.000190 合 計 25,000.0 100,000.0 153,016.5 0.067691 0.106025 0.000132 0.051606 7,571.7 0.056758 11,759.5 0.000718 284.0 1 次 効 果 分 類 不 明 0.000020 0.000151 0.000004 0.000004 0.000020 0.000009 1 次 効 果 ( 直 接 + 間 接 ) 0.000013 2.0 228,995.9 5 2 次 間 接 効 果 以 降 を 分 析 する 各 産 業 の1 次 効 果 に 雇 用 者 所 得 率 を 乗 じて 雇 用 者 所 得 誘 発 額 を 求 め ます 22

農 林 水 産 業 1 次 効 果 雇 用 者 所 得 率 7,571.7 0.093982 雇 用 者 所 得 誘 発 額 =711.6 飲 食 料 品 11,759.5 0.116754 =1373.0 繊 維 製 品 284.0 0.315136 =89.5 分 類 不 明 計 228,995.9 2.0 0.035969 =0.1 61,960.6 雇 用 者 所 得 誘 発 額 に 消 費 性 向 を 乗 じて 消 費 誘 発 額 を 算 出 します 61,960.6( 雇 用 者 所 得 誘 発 額 ) 0.774842( 消 費 性 向 )= 48,009.7 消 費 誘 発 額 を 民 間 消 費 支 出 のパターンにより 各 産 業 に 振 り 分 けます 農 林 水 産 業 消 費 誘 発 型 パターン 産 業 ごとの 消 費 誘 発 額 48,009.6 0.027221 =1306.9 飲 食 料 品 繊 維 製 品 48,009.6 0.079758 =3829.1 48,009.6 0.006739 =323.5 分 類 不 明 48,009.6 0.000000 =0.0 計 1.0 48,009.7 産 業 ごとの 消 費 誘 発 額 を 新 たな 最 終 需 要 増 額 と 考 え 3 及 び4の 作 業 を 行 うことにより 2 次 間 接 効 果 以 降 を 求 めることができます 分 析 ツールでは 2 次 波 及 効 果 までを 測 定 しています 23

波 及 効 果 分 析 の 結 果 ( 千 円 ) 生 産 誘 発 額 雇 用 者 所 得 誘 発 額 需 要 増 額 160,000.0 - 直 接 効 果 153,016.5-1 次 間 接 効 果 75,979.4 61,960.8 2 次 間 接 効 果 50,787.2 13,341.3 総 合 効 果 279,783.1 75,302.1 以 上 の 結 果 をまとめると イベントの 開 催 による 1 億 6,000 万 円 の 需 要 増 により 最 終 的 に 県 内 に 2 億 7,978 万 円 の 生 産 誘 発 額 が 発 生 す ると 推 計 されます ( 波 及 効 果 は3 次 間 接 効 果 以 降 も 続 きますが 額 が 小 さいのでここでは2 次 間 接 効 果 まで 分 析 しています ) 需 要 増 による 生 産 波 及 効 果 のフローチャート 需 要 増 額 県 産 品 需 要 額 ( 直 接 効 果 ) 1 次 効 果 ( 直 接 + 間 接 ) 雇 用 者 所 得 誘 発 額 自 給 率 逆 行 列 係 数 雇 用 者 所 得 率 消 費 性 向 逆 行 列 係 数 自 給 率 民 間 消 費 支 出 パターン 2 次 間 接 効 果 部 門 別 消 費 誘 発 額 消 費 誘 発 額 24

(2) 建 設 投 資 による 効 果 分 析 主 に 公 共 工 事 等 による 建 設 投 資 の 波 及 効 果 を 求 めます 1 建 設 投 資 額 を 求 める 実 際 の 建 設 投 資 額 から 一 般 的 には 用 地 費 を 除 いたものを 建 設 投 資 額 とします Q:どうして 用 地 費 は 含 まないのか A: 用 地 費 は 単 に 所 有 者 が 変 わるだけで 生 産 活 動 に 影 響 を 及 ぼすと は 考 えられないため 2 投 資 額 を 各 産 業 に 振 り 分 ける 建 設 業 で(1) の 分 析 を 利 用 すると 建 設 業 という 産 業 の 平 均 的 な 波 及 効 果 は 分 析 できますが その 結 果 は 木 造 建 築 でも 河 川 改 修 でも 同 じ 効 果 となります しかし 現 実 的 には 木 造 建 築 と 河 川 改 修 では 使 用 し ている 原 材 料 が 大 きく 違 う(つまり 投 入 構 造 が 大 きく 違 う)ので 波 及 効 果 は 大 きく 違 うはずです そこで 十 分 な 精 度 を 確 保 するために 建 設 部 門 分 析 用 産 業 連 関 表 ( 国 土 交 通 省 )の 投 入 係 数 により 建 設 種 類 ごとの 投 入 額 を 求 め それを 各 産 業 に 振 り 分 けます 3 逆 行 列 係 数 表 を 利 用 し 波 及 効 果 を 分 析 する 2で 求 めた 建 設 種 類 ごとの 投 入 額 に 自 給 率 を 乗 じて 県 内 原 材 料 調 達 額 を 求 めます そして 逆 行 列 係 数 を 乗 じることにより1 次 間 接 効 果 が 分 析 されます 後 は(1) での 分 析 と 同 様 に2 次 間 接 効 果 以 降 も 分 析 できます 25

分 析 例 )1 億 5 千 万 円 の 河 川 改 修 工 事 が 県 内 経 済 に 及 ぼす 波 及 効 果 を 分 析 する 但 し 工 事 費 には 用 地 費 5 千 万 円 が 含 まれているとす る 1 建 設 投 資 額 を 求 める 総 額 1 億 5 千 万 円 の 投 資 額 から 用 地 費 の 5 千 万 円 を 控 除 し 建 設 投 資 額 は 1 億 円 となります 2 投 資 額 を 各 産 業 に 振 り 分 ける 1で 求 めた 建 設 投 資 額 1 億 円 を 建 設 部 門 分 析 用 産 業 連 関 表 の 投 入 係 数 表 を 使 って 投 資 額 を 各 産 業 に 振 り 分 けます ( 千 円 ) 農 林 水 産 業 投 資 額 河 川 改 修 の 投 入 係 数 産 業 別 の 投 資 額 100,000 0.005278 527.8 窯 業 土 石 製 品 100,000 0.099479 9,947.9 分 類 不 明 100,000 0.019107 1,910.7 雇 用 者 所 得 100,000 0.310403 31,040.3-3 逆 行 列 係 数 表 ({I-(I-M)A 1 型 )を 利 用 し 波 及 効 果 を 分 析 する 産 業 別 の 投 資 額 ( 雇 用 者 所 得 を 除 く)に 自 給 率 を 乗 じ 県 内 原 材 料 調 達 額 を 求 め それに 逆 行 列 係 数 を 乗 じることにより1 次 間 接 効 果 を 分 析 できます そして 1 次 間 接 効 果 によって 発 生 した 雇 用 者 所 得 に 2で 発 生 した 雇 用 者 所 得 を 加 えて2 次 間 接 効 果 以 降 を 分 析 します 26

波 及 効 果 分 析 の 結 果 ( 千 円 ) 生 産 誘 発 額 雇 用 者 所 得 誘 発 額 投 資 額 100,000 - 直 接 効 果 100,000 31,040 1 次 間 接 効 果 48,941 15,845 2 次 間 接 効 果 38,114 9,796 総 合 効 果 187,055 56,681 以 上 の 結 果 をまとめると 河 川 改 修 工 事 による 1 億 円 ( 用 地 費 は 除 く)の 投 資 により 最 終 的 に 県 内 に 1 億 8,706 万 円 の 生 産 誘 発 額 が 発 生 すると 推 計 されます 投 資 額 建 設 投 資 による 生 産 波 及 効 果 のフローチャート 原 材 料 投 入 額 県 内 原 材 料 調 達 額 1 次 間 接 効 果 建 設 I O の 投 入 パターン 自 給 率 逆 行 列 係 数 雇 用 者 所 得 率 雇 用 者 所 得 誘 発 額 逆 行 列 係 数 自 給 率 消 費 性 向 民 間 消 費 支 出 パターン 2 次 間 接 効 果 部 門 別 消 費 誘 発 額 消 費 誘 発 額 27

(3) 生 産 額 の 変 化 による 効 果 分 析 県 内 でエ 場 が 新 たな 生 産 活 動 を 開 始 し そこで 起 こる 新 たな 原 材 料 消 費 等 が 及 ぼす 波 及 効 果 を 分 析 します 1 生 産 増 加 額 を 求 める この 場 合 の 生 産 増 加 分 も 新 たにつけ 加 わった 生 産 額 です 例 えば 工 場 のライン 増 設 を 考 えるとき 新 たなライン 増 設 なら 生 産 額 の 増 加 と 考 えられますが 古 いラインを 壊 して 新 たなラインを 作 るのであれ ば その 分 を 考 慮 する 必 要 があります 2 逆 行 列 係 数 表 を 加 工 する 通 常 の 産 業 連 関 分 析 は 最 終 需 要 の 変 化 による 県 内 各 産 業 への 生 産 誘 発 額 を 測 定 するものです しかし 生 産 額 の 変 化 による 効 果 分 析 は 企 業 が 行 う 生 産 活 動 そのものが 他 の 産 業 の 生 産 へどのような 影 響 を 及 ぼすかを 測 定 するものですので そのままでは 使 用 できません そこで 特 定 産 業 を 外 生 化 ( 生 産 額 の 変 化 する 企 業 が 属 する 産 業 部 門 を 産 業 連 関 表 の 内 生 部 門 から 除 去 し 当 該 産 業 が 他 の 産 業 から 受 け る 間 接 的 な 影 響 を 排 除 )した 逆 行 列 係 数 が 必 要 になります ここでは 簡 略 的 な 方 法 として 逆 行 列 係 数 において 当 該 産 業 の 行 と 列 との 交 点 ( 自 交 点 )で 列 の 各 係 数 を 除 したものを 使 う 簡 略 計 算 法 で 計 算 します 3 波 及 効 果 を 分 析 する 2で 割 り 戻 した 逆 行 列 係 数 に 生 産 増 加 額 を 乗 じることにより1 次 間 接 効 果 が 分 析 できます 後 は 最 終 需 要 増 による 分 析 と 同 じように 分 析 します 分 析 例 ) 工 場 の 新 たなライン 増 設 により 県 内 の 電 気 機 械 の 生 産 額 が 1 億 円 増 加 した 28

1 生 産 額 を 求 める この 場 合 今 あるラインに 加 えて 新 しいラインが 増 設 されたと 考 え て 1 億 円 を 生 産 額 増 加 と 考 えます 2 簡 略 的 計 算 法 により 各 産 業 の 1 次 効 果 を 分 析 する 外 生 化 した 電 気 機 械 の 逆 行 列 係 数 に 生 産 増 加 額 の1 億 円 を 乗 じて 1 次 効 果 を 求 めます 生 産 増 額 自 交 点 で 除 した 電 気 生 産 誘 発 額 ( 直 接 効 果 ) 機 械 の 逆 行 列 係 数 農 林 水 産 業 100,000 0.000580 =58.0 ( 千 円 ) 電 気 機 械 100,000 1.000000 =100,000.0 分 類 不 明 100,000 0.000046 =4.6 1 次 効 果 ( 直 接 + 間 接 ):143,786.4 3 2 次 間 接 効 果 以 降 を 分 析 する 各 産 業 の1 次 効 果 に 雇 用 者 所 得 率 を 乗 じて 雇 用 者 所 得 誘 発 額 を 求 め ます 1 次 効 果 雇 用 者 所 得 率 雇 用 者 所 得 誘 発 額 農 林 水 産 業 58.0 0.93982 5.5 電 気 機 械 100000.0 0.220090 22,009.0 分 類 不 明 4.6 0.035969 0.2 143,786.4 38,581.8 後 は 1 次 効 果 ( 直 接 + 間 接 )で 発 生 した 雇 用 者 所 得 を 利 用 し 2 次 間 接 効 果 以 降 を 分 析 します 29

波 及 効 果 分 析 の 結 果 ( 千 円 ) 生 産 誘 発 額 雇 用 者 所 得 誘 発 額 生 産 増 額 100,000 - 直 接 効 果 100,000 22,009 1 次 間 接 効 果 43,786 16,573 2 次 間 接 効 果 31,364 8,061 総 合 効 果 175,150 46,643 以 上 の 結 果 をまとめると 電 気 機 械 の 1 億 円 の 生 産 額 増 により 最 終 的 に 県 内 に1 億 7,515 万 円 の 生 産 誘 発 額 が 発 生 すると 推 計 されます 生 産 増 による 生 産 波 及 効 果 のフローチャート 生 産 増 額 直 接 効 果 1 次 間 接 効 果 外 生 化 した 逆 行 列 係 数 - 生 産 増 加 額 ( 直 接 効 果 ) 雇 用 者 所 得 率 雇 用 者 所 得 誘 発 額 消 費 性 向 逆 行 列 係 数 自 給 率 民 間 消 費 支 出 パターン 2 次 間 接 効 果 部 門 別 消 費 誘 発 額 消 費 誘 発 額 30

2 価 格 波 及 効 果 分 析 以 下 では 均 衡 価 格 モデルを 使 って 価 格 波 及 効 果 を 分 析 します (1) 粗 付 加 価 値 率 の 変 化 による 効 果 分 析 ある 一 つの 産 業 もしくは 複 数 の 産 業 において 賃 金 の 上 昇 が 生 じると その 産 業 の 粗 付 加 価 値 率 が 変 化 します このような 粗 付 加 価 値 率 に 変 化 が 生 じたとき その 変 化 が 価 格 体 系 全 体 に 及 ぼす 効 果 を 分 析 します ま た 計 算 結 果 は もとの 全 ての 財 の 単 位 を1としたときの 価 格 変 化 率 で 実 額 ではありません 1 粗 付 加 価 値 率 の 変 化 率 を 求 める まず 粗 付 加 価 値 率 の 変 化 率 を 求 めます 例 えば 賃 金 の 上 昇 が 価 格 に 与 える 影 響 を 分 析 するのであれば 賃 金 の 上 昇 率 ( 増 加 額 ではな い)を 求 めます 次 に 価 格 に 占 める 賃 金 ( 雇 用 者 所 得 )の 割 合 に 賃 金 の 上 昇 率 を 乗 じることにより 雇 用 者 所 得 率 の 変 化 率 を 求 めます 例 )ある 産 業 の 価 格 に 占 める 雇 用 者 所 得 の 割 合 (つまり 雇 用 者 所 得 率 ) が 20%とすると この 産 業 で 賃 金 が 10% 上 昇 すれば 雇 用 者 所 得 率 は 2% 上 昇 する 2 逆 行 列 係 数 表 を 利 用 し 価 格 の 変 化 分 を 求 める 逆 行 列 係 数 ( 均 衡 産 出 高 モデルを 配 置 転 換 した 形 となっている)に 雇 用 者 所 得 の 変 化 率 を 乗 じることにより 価 格 に 対 する 波 及 効 果 を 求 めます 31

分 析 例 ) 県 内 の 全 ての 産 業 において 賃 金 が 5% 上 昇 した 場 合 の 価 格 波 及 効 果 を 分 析 する 1 雇 用 者 所 得 率 の 変 化 率 を 求 める 各 産 業 の 雇 用 者 所 得 率 に 賃 金 の 上 昇 率 を 乗 じます (%) 雇 用 者 所 得 率 賃 金 上 昇 率 変 化 率 農 林 水 産 業 0.093982 鉱 業 0.198528 0.05 = 0.05 = 0.004699 0.009926 分 類 不 明 0.035969 0.05 = 0.001798 2 逆 行 列 係 数 表 ((1-A') 1 型 )を 利 用 し 価 格 の 変 化 率 を 求 める 逆 行 列 係 数 に1で 求 めた 雇 用 者 所 得 率 の 変 化 率 を 乗 じます 熊 本 県 では 逆 行 列 係 数 表 ((1-A') 1 型 )は 作 成 していません 雇 用 者 所 得 率 の 変 化 による 価 格 波 及 効 果 分 析 のフローチャート 雇 用 者 所 得 率 雇 用 者 所 得 率 の 変 化 率 価 格 変 化 率 賃 金 変 化 率 逆 行 列 係 数 (2) 特 定 産 業 の 価 格 の 変 化 による 価 格 波 及 効 果 分 析 次 に ある 特 定 産 業 価 格 が 変 化 したとき 他 の 産 業 の 価 格 がどのよう な 影 響 を 与 えるかを 分 析 します ここでは 粗 付 加 価 値 部 門 は 変 化 しな いと 仮 定 した 簡 略 計 算 法 を 利 用 しています 32

分 析 例 ) 電 気 料 金 が 30% 上 昇 した 場 合 の 他 の 産 業 に 対 する 価 格 波 及 効 果 を 分 析 する 1 行 ベクトルを 取 り 出 し 交 点 の 係 数 で 除 す まず 逆 行 列 係 数 表 (I-A) 1 型 から 電 気 ガス 熱 供 給 業 の 行 ベクトルを 取 り 出 し 電 気 ガス 熱 供 給 業 の 交 点 の 係 数 で 除 した 値 を 求 めます 電 力 ガス 熱 供 給 の 行 ベクトル 農 林 水 産 業 0.003369 電 力 ガス 熱 供 給 の 交 点 係 数 で 除 した 値 0.003258 電 力 ガス 熱 供 給 1.033981 1.000000 分 類 不 明 0.008490 0.008211 交 点 係 数 2 価 格 の 上 昇 率 を 乗 じ 価 格 波 及 効 果 を 分 析 する 1で 求 めた 行 ベクトルを 交 点 係 数 で 除 した 値 に 電 気 料 金 の 価 格 上 昇 率 (30%)を 乗 じ 各 産 業 の 価 格 上 昇 率 を 求 めます 電 力 ガス 熱 供 給 の 交 点 係 数 で 除 した 値 電 気 料 金 の 上 昇 率 価 格 上 昇 率 農 林 水 産 業 0.003258 0.3 0.0009775 電 力 ガス 熱 供 給 1.000000 0.3 0.3000000 分 類 不 明 0.0082110 0.3 0.0024633 33

波 及 効 果 分 析 の 結 果 ( 上 昇 率 トップ5) 順 位 産 業 価 格 変 化 率 (%) 1 電 気 ガス 熱 供 給 30.00 2 鉱 業 8.45 3 運 輸 5.15 4 対 事 業 所 サービス 2.98 5 石 油 石 炭 製 品 2.66 特 定 産 業 の 価 格 変 化 による 価 格 波 及 効 果 分 析 のフローチャート 対 象 産 業 の 行 ベクトル 価 格 変 化 率 除 する 交 点 係 数 乗 じる 特 定 産 業 の 価 格 変 化 率 34

Ⅲ 波 及 効 果 分 析 の 問 題 点 波 及 効 果 分 析 は 一 見 すると 非 常 に 精 密 なデータと 複 雑 な 計 算 によっ て 部 門 別 の 各 種 の 情 報 が 得 られるため 完 全 無 欠 の 分 析 手 段 のように 思 われるかもしれません しかし 経 済 モデルはあくまでモデルであって 仮 定 の 置 き 方 によっ て 結 果 は 大 きく 左 右 されます よって 実 際 に 分 析 結 果 を 応 用 して 計 画 を 立 てる 場 合 には 以 下 の 点 に 注 意 する 必 要 があります 1 投 入 係 数 は 安 定 的 である 産 業 連 関 表 の 最 大 のポイントは 投 入 係 数 の 安 定 性 を 大 前 提 としてい るところです しかし 逆 に 言 えばこれがウィークポイントでもありま す 平 成 17 年 産 業 連 関 表 は 当 然 平 成 17 年 の 県 経 済 の 姿 です つま り 平 成 17 年 以 降 製 造 工 程 の 合 理 化 やソフト 化 によって 投 入 構 造 が 大 幅 に 変 化 すれば 計 算 された 投 入 係 数 と 実 態 とが 乖 離 することになり 平 成 17 年 の 投 入 係 数 を 基 に 計 測 された 分 析 結 果 も 実 態 と 乖 離 するこ ととなります また 投 入 係 数 が 安 定 的 ということは モノやサービスの 代 替 という ことが 考 えられていないことを 意 味 します 例 えば 石 油 の 価 格 が 上 昇 すれは 石 油 の 代 わりに 石 炭 や 天 然 ガスの 消 費 が 増 え 価 格 も 上 昇 する はずです しかし 産 業 連 関 表 では 投 入 係 数 の 安 定 性 を 前 提 している ため 同 じモノを 同 じ 量 作 っていれば 石 油 の 価 格 が 上 昇 してもその 投 入 量 は 変 化 せず 石 炭 や 天 然 ガスの 価 格 上 昇 という 結 果 にはなりません よって 価 格 分 析 で 求 められた 価 格 上 昇 率 は 価 格 の 変 化 に 伴 う 代 替 効 果 が 含 まれていないことに 注 意 する 必 要 があります 35

2 自 給 率 も 一 定 である 県 外 から 調 達 する 移 輸 入 による 原 材 料 は 需 要 が 倍 に 伸 びればそれ 以 上 に 伸 びると 考 えた 方 が 妥 当 です 特 に 大 型 プロジェクトにおいては そこに 使 用 される 多 量 の 原 材 料 は 県 外 で 調 達 される 場 合 が 多 くなるでしょうから 自 給 率 を 見 直 す 必 要 があります また 県 内 の 企 業 が 成 長 して 県 内 の 需 要 を 賄 えるように なっていても 自 給 率 を 一 定 とするのは 実 態 にあわないと 思 われます 3 在 庫 の 影 響 が 反 映 されない 生 産 の 波 及 過 程 において 在 庫 の 問 題 は 無 視 できません 通 常 他 の 企 業 から 注 文 がきても その 分 だけ 生 産 するのではなく まず 在 庫 品 か ら 片 づけていきます つまり 1 単 位 の 需 要 に 対 して 必 ずしも1 単 位 生 産 しなくてもよい(1 単 位 の 需 要 に 対 し 全 てを 在 庫 品 の 放 出 で 対 応 すれば 生 産 波 及 効 果 は 中 断 される)ことになります 4 生 産 能 カは どんな 状 態 にでも 応 じられる 需 要 に 対 して 十 分 に 供 給 できないことも 考 えられます 突 然 の 大 量 注 文 に 対 しては フル 操 業 しても 追 いつけないことは 十 分 に 考 えられま すが 各 部 門 の 生 産 能 力 は どんな 状 態 にでも 応 じられるものであると いうのが このモデルの 前 提 となっています 5 波 及 効 果 が 達 成 される 期 間 は 不 明 である 通 常 波 及 効 果 は1 年 以 内 に 現 れると 想 定 していますが 実 際 には 何 年 で 効 果 が 現 れるか 不 明 です 6 2 次 効 果 以 降 の 対 象 を 雇 用 者 所 得 のみとしている 2 次 効 果 の 計 算 では 雇 用 者 所 得 のみを 対 象 としていますが 農 家 を はじめとする 個 人 業 主 の 所 得 は 営 業 余 剰 に 含 まれています 本 来 は これを 含 めて 波 及 効 果 を 計 算 すべきですが 分 割 方 法 や 計 算 方 法 が 明 確 でないため 分 析 対 象 とはしていません 36

Ⅳ 用 語 の 解 説 県 内 生 産 額 県 内 に 所 在 する 各 産 業 の1 年 間 の 生 産 活 動 によっ て 生 み 出 された 財 サービスの 総 額 中 間 投 入 各 産 業 の 生 産 活 動 に 必 要 な 原 材 料 燃 料 等 の 財 サービスの 購 入 費 用 中 間 需 要 各 部 門 で 生 産 された 財 サービスが 原 材 料 等 とし てどの 部 門 に 販 売 されたかを 示 す 粗 付 加 価 値 各 部 門 の 生 産 活 動 によって 生 み 出 された 価 値 のこ とで 家 計 外 消 費 支 出 雇 用 者 所 得 営 業 余 剰 資 本 減 耗 引 当 間 接 税 及 び 経 常 補 助 金 からなる 最 終 需 要 財 サービスの 産 出 で 生 産 過 程 ( 中 間 需 要 )では なく 家 計 企 業 及 び 政 府 等 にどれだけ 販 売 された かを 示 し 家 計 外 消 費 支 出 民 間 消 費 支 出 一 般 政 府 消 費 支 出 県 内 総 固 定 資 本 形 成 在 庫 純 増 移 輸 出 からなる 総 需 要 県 内 需 要 に 移 輸 出 を 加 えたもの 総 供 給 総 需 要 を 充 足 するために 対 応 するもので 県 内 生 産 額 に 移 輸 入 を 加 えたもの 37

移 輸 出 県 内 生 産 額 を 国 外 に 出 荷 する 輸 出 と 他 都 道 府 県 に 出 荷 する 移 出 を 統 合 したもの 移 輸 入 国 外 生 産 物 の 県 内 への 搬 入 である 輸 入 と 他 都 道 府 県 生 産 物 の 県 内 への 搬 入 である 移 入 を 統 合 したもの ただし いずれも 県 内 で 消 費 された 場 合 に 限 られ 財 の 単 なる 通 過 取 引 は 計 上 しない 県 内 自 給 率 県 内 需 要 ( 総 需 要 - 移 輸 入 )に 占 める 県 内 に 提 供 され る 生 産 額 ( 県 内 生 産 額 - 移 輸 出 )の 割 合 ( 県 内 自 給 率 =1- 移 輸 入 率 ) 投 入 係 数 1 単 位 の 生 産 をするために 必 要 な 各 部 門 からの 原 材 料 などの 投 入 割 合 中 間 投 入 率 県 内 生 産 額 に 占 める 中 間 投 入 額 の 割 合 粗 付 加 価 値 率 県 内 生 産 額 に 占 める 粗 付 加 価 値 額 の 割 合 雇 用 者 所 得 率 県 内 生 産 額 に 占 める 雇 用 者 所 得 額 の 割 合 逆 行 列 係 数 最 終 需 要 が1 単 位 増 加 したときに 各 産 業 の 生 産 額 が 直 接 間 接 を 含 め 最 終 的 にどれだけ 増 加 するかという 生 産 波 及 効 果 を 示 す 38

-1 {I-(I-M)A} 型 最 終 需 要 によって 誘 発 される 生 産 について 県 外 から の 移 輸 入 は 県 内 需 要 に 比 例 するものと 仮 定 し 波 及 効 果 の 割 合 に 応 じて 県 外 へ 流 失 していくものとする 開 放 型 経 済 を 想 定 したモデル 生 産 波 及 効 果 ある 産 業 に 生 じた 最 終 需 要 がその 産 業 の 生 産 を 誘 発 し それにより 次 々 と 各 産 業 の 生 産 が 誘 発 されることを 示 す 消 費 性 向 雇 用 者 所 得 のうち どれだけが 家 計 消 費 に 回 されるか を 示 す 割 合 39