【論文】

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阪 神 高 速 道 路 におけるWEBベース 事 故 リスク 情 報 提 供 ツールを 活 用 した 安 全 運 転 支 援 阪 高 SAFETYナビ:SAFETY ドライブ スマートチョイス 小 澤 友 記 子 1 兒 玉 崇 2 藪 上 大 輔 3 大 藤 武 彦 4 1 正 会 員 株 式 会 社 交 通 システム 研 究 所 ( 532-0011 大 阪 市 淀 川 区 西 中 島 7-1-20) E-mail:ozawa@tss-lab.com 2 正 会 員 阪 神 高 速 道 路 株 式 会 社 保 全 交 通 部 交 通 企 画 課 ( 541-0056 大 阪 市 中 央 区 久 太 郎 町 4-1-3) E-mail:takashi-kodama@hanshin-exp.co.jp 3 非 会 員 阪 神 高 速 技 研 株 式 会 社 システム 事 業 本 部 企 画 開 発 課 ( 550-0011 大 阪 市 西 区 阿 波 座 1-3-15) E-mail: daisuke-yabukami@hanshin-tech.co.jp 4 正 会 員 株 式 会 社 交 通 システム 研 究 所 ( 532-0011 大 阪 市 淀 川 区 西 中 島 7-1-20) E-mail:daito@tss-lab.com ドライバーに 潜 在 的 な 事 故 リスク 情 報 を 提 供 して,より 安 全 性 の 高 い 経 路, 出 発 時 刻 に 変 更 を 促 すこと で,ドライバーの 事 故 発 生 リスクを 低 減 させることが 可 能 であることが 知 られてきた. 本 研 究 では, 事 故 リスク 情 報 を 所 要 時 間 などとともに 経 路 情 報 として 提 供 し, 経 路 上 の 要 注 意 地 点 情 報 と 運 転 アドバイス 情 報 を 提 供 するスマートフォン 版 SAFETYドライブ スマートチョイス プログラムを 開 発 して 提 供 する こととした. 本 プログラムでは 数 種 類 の 事 故 リスク 情 報 を 作 成 し, 事 故 リスク 情 報 が 経 路 選 択 の 行 動 変 容 を 促 す 動 機 となる 可 能 性 について 考 察 した. 今 後 は,モニター 調 査 などを 通 して, 事 故 リスク 情 報 提 供 に 伴 う 選 択 行 動 への 影 響 検 証,より 多 くのドライバーに 利 用 していただくための 改 良 などを 検 討 していく 予 定 である. Key Words : 交 通 事 故, 安 全 対 策, 運 転 支 援, 経 路 選 択 1. はじめに (1) 背 景 と 目 的 阪 神 高 速 では, 平 成 22 年 7 月 に 策 定 した 阪 神 高 速 道 路 の 交 通 安 全 対 策 第 2 次 アクションプログラム におい て, ドライバーに 伝 える 対 策 を 取 り 組 み 骨 子 の 一 つ に 掲 げている. 同 対 策 は, 阪 神 高 速 道 路 を 走 行 するうえ で 注 意 すべきポイントや 安 全 運 転 のコツを,ドライバー に 伝 えて 安 全 運 転 を 支 援 することを 目 標 としている.そ の 主 要 施 策 として,Web 上 の 安 全 運 転 教 育 ツール 阪 高 SAFETYナビ 1) を 活 用 した 交 通 安 全 施 策 を 実 施 するこ ととし, 平 成 23 年 2 月 から 運 用 を 開 始 した. 平 成 26 年 8 月 末 時 点 で 延 2.5 万 人, 平 均 600~700 人 / 月 の 方 が 安 定 的 に 取 り 組 まれ, 安 全 運 転 に 対 する 意 識 や 態 度,そして 運 転 時 のリスクやハザードへの 対 処 などが 醸 成 されている. 一 方,ドライバーに 潜 在 的 な 事 故 リスク 情 報 を 提 供 し て,より 安 全 性 の 高 い 経 路, 出 発 時 刻 に 変 更 を 促 すこと で,ドライバーの 事 故 発 生 リスクを 低 減 させることが 可 能 であることも 知 られてきた 2). 本 研 究 では, 事 故 リスク 情 報 を 所 要 時 間 などとともに 経 路 情 報 として 提 供 し, 経 路 上 の 要 注 意 地 点 情 報 と 運 転 アドバイス 情 報 を 提 供 するスマートフォン 版 SAFETY ドライブ スマートチョイス プログラムを 開 発 して 提 供 することとした.さらに, 事 故 リスク 情 報 の 提 供 が 安 全 な 経 路 選 択 を 促 す 可 能 性 について 考 察 する. (2) 阪 高 SAFETYナビ 1) の 概 要 阪 高 SAFETY ナビ は,ドライバー 個 人 の 運 転 特 性 に 応 じて, 阪 神 高 速 道 路 での 具 体 的 な 道 路 環 境, 交 通 環 境 において 役 に 立 つ 情 報 を, 参 加 型 プログラムを 通 じて 提 供 することを 目 的 として 開 発 し, 平 成 23 年 2 月 から WEB サイトでの 提 供 を 通 してドライバーへの 取 り 組 み を 進 めてきたものである. 主 なコンテンツとして, 次 の6つのコンテンツで 構 1

成 している. 1SAFETY ドライブカウンセリング: 運 転 危 険 度 を 診 断 して 安 全 な 運 転 情 報 を 提 供 する 2SAFETY ドライブトレーニング: 高 速 道 路 上 の 走 行 動 画 を 用 いて 危 険 感 受 性 とリスク 察 知 力 を 高 める 3SAFETY ドライブプランニング: 阪 神 高 速 道 路 の 注 意 地 点 を 提 供 し, 利 用 ルートの 危 険 を 事 前 に 確 認 する 4 安 全 ドライブのポイント: 利 用 者 属 性 別 に 阪 神 高 速 道 路 を 安 全 に 運 転 する 予 備 知 識 を 提 供 する 5 要 注 意 ポイントはここだ!:ドライバー 属 性 別, 事 故 形 態 別 の 事 故 多 発 地 点 MAP 6みんなで 共 有 ヒヤリハット: 利 用 者 の 皆 様 で ヒヤリ 体 験 を 情 報 交 換 していただく 掲 示 板 ここでは,モビリティマネジメントや 学 習 の 定 着 度 を 定 義 するラーニングピラミッドを 参 考 に, 安 全 運 転 の 定 着 ( 持 続 性 )を 期 待 したコンテンツ 構 成 ( 学 ぶコン テンツ 使 うコンテンツ 教 えるコンテンツ )と なっている. また, 企 業 や 事 業 所 の 交 通 安 全 教 育 ツールとして 利 用 するために, 団 体 用 サイトも 合 わせて 提 供 している. ただくことが 大 きな 目 的 となっていた.そのため, 利 用 者 に 事 故 多 発 地 点 や 事 故 発 生 時 の 対 応 策 を 情 報 提 供 する ことにより, 事 故 多 発 地 点 での 運 転 の 仕 方, 注 意 点 を 知 っていただき, 安 全 に 走 行 していただくための 準 備 をし ていただくための 情 報 提 供 を 行 ってきた. 一 方 で, 事 故 リスク 情 報 提 供 には, 利 用 者 に 安 全 な 経 路 選 択 を 促 し, 交 通 の 最 適 化 を 図 ることも 期 待 でき ると 考 えられる. 経 路 選 択 の 動 機 には, 所 要 時 間 や 料 金 以 外 にも 快 適 な 経 路 や 安 全 な 経 路 といった 多 様 な 経 路 選 択 基 準 がある.そこで, 本 検 討 では 所 要 時 間 や 料 金 などとともに 事 故 リスク 情 報 を 提 供 し,より 安 全 な 経 路 時 間 等 の 利 用 を 促 すコンテンツとして, 経 路 上 の 要 注 意 地 点 情 報 と 運 転 アドバイス 情 報 を 提 供 するスマー トフォン 版 SAFETYドライブ スマートチョイス プ ログラムを 開 発 する. また,このコンテンツによる 事 故 リスク 情 報 提 供 を 運 用 することにより, 事 故 リスク 情 報 の 概 念 を 普 及 し,そ の 有 益 性 や 活 用 性 のイメージを 訴 求 するとともに, 阪 神 高 速 道 路 が 目 指 す 事 故 リスク 情 報 の 普 段 利 用 の 理 解 を 深 めるコンセプトモデルとしての 活 用 を 目 指 している. 図 -2 事 故 リスク 情 報 提 供 の 社 会 的 位 置 付 け (2) 提 供 する 事 故 リスク 情 報 の 作 成 事 故 リスク 情 報 は, 過 去 の 事 故 データと 交 通 データに 基 づく 統 計 値 をもとに, 表 1に 示 す4 種 類 の 事 故 リスク 情 報 を 作 成 し, 提 供 した. 事 故 リスク 情 報 は 時 間 帯 別, 曜 日 別, 降 雨 有 無 別 に 提 供 するが, 統 計 値 としての 事 故 率 は 稀 に 発 生 する 顕 在 化 した 事 故 データであるため, 細 かなセグメントを 設 定 す ると, 非 常 に 多 くの 事 故 率 =0 の 地 点 が 発 生 したり, 図 -1 阪 高 SAFETYナビの 構 成 2. 安 全 運 転 支 援 ツールを 活 用 した 事 故 リスク 情 報 提 供 (1) 事 故 リスク 情 報 活 用 の 位 置 付 け 事 故 リスク 情 報 の 提 供 によって 期 待 する 行 動 として, これまでは 危 険 に 対 する 備 え を 利 用 者 に 意 識 してい 表 -1 提 供 する 多 様 な 事 故 リスク 情 報 の 概 要 指 標 単 位 考 え 方 危 険 度 水 準 ランク シンボル 概 ね 安 全 ~ 極 めて 危 険 の5ラン ク, 事 故 率 ランクと 事 故 件 数 ランク のマトリクスでランク 設 定 ( 事 故 発 生 確 率 と 事 故 遭 遇 確 率 を 複 合 した 指 標 ) 事 故 率 件 / 億 台 キ ロ 設 定 した 経 路 上 で 事 故 を 起 こす 確 率 事 故 遭 遇 確 率 % 設 定 した 経 路 上 で 事 故 に 遭 う 確 率 事 故 形 態 別 要 注 意 地 点 数 地 点 数, 事 故 形 態 別 アイコン 設 定 した 経 路 上 の 要 注 意 地 点 数 ( 事 故 形 態 別 ) 2

時 間 空 間 的 にバラつきが 大 きく 不 安 定 な 情 報 となり, ドライバーに 事 故 リスクの 情 報 が 正 しく 伝 わらず, 情 報 の 信 頼 性 を 損 ねる 可 能 性 がある.そこで, 事 故 率 事 故 遭 遇 確 率 については, 大 藤 ら 3) が 開 発 した 動 的 事 故 率 予 測 モデル を 活 用 して, 潜 在 的 な 事 故 リスク 情 報 を 作 成 することとした. a) 危 険 度 水 準 事 故 率, 事 故 件 数 の 両 者 毎 に5 段 階 の 危 険 度 ランクを 設 定 して, 両 者 がクロスする 領 域 に 対 して, 事 故 率, 事 故 件 数 ともに 最 も 大 きい 領 域 約 2 割 を 最 高 危 険 度 領 域 と して 設 定 し, 順 次 低 い 領 域 を 設 定 した( 図 -3). 情 報 提 供 時 には, 概 ね 安 全 な 走 行 が 可 能 な 状 態 である レベル1から 極 めて 危 険 なレベル5として, 危 険 レベルを イメージできるシンボル( 図 -4)を 表 示 させた. 事 故 件 数 5 4 3 2 1 事 故 率 5 4 3 2 1 高 低 図 -3 事 故 リスクランクイメージ (3) 事 故 リスク 情 報 提 供 の 可 能 性 a) 時 間 帯 別 所 要 時 間 と 事 故 リスク 情 報 比 較 曜 日 別 時 間 帯 別 所 要 時 間 と 事 故 リスク 情 報 の 比 較 を 図 -5に 示 す.ここでは, 交 通 量 が 多 い 時 間 帯 においては, 渋 滞 等 が 発 生 し 所 要 時 間 が 長 くなるにしたがって 事 故 リ スク 情 報 も 大 きくなる 傾 向 があることが 確 認 できた.こ のことから, 阪 神 高 速 道 路 の 昼 間 帯 において, 安 全 な 時 間 帯 への 誘 導 により 道 路 利 用 時 間 帯 の 分 散 化 や 渋 滞 の 削 減 に 寄 与 する 可 能 性 があると 考 えられる. 一 方 で, 所 要 時 間 が 一 定 の 時 間 帯 でも 交 通 状 況 や 時 間 帯 で 事 故 リスク 情 報 は 変 動 していることがわかった.こ のことから, 所 要 時 間 が 変 わらない 状 況 でも, 事 故 リス クの 提 供 によって 出 発 時 間 や 経 路 の 変 更 が 検 討 される 可 能 性 があると 考 えられる. b) 降 雨 有 無 別 所 要 時 間 と 事 故 リスク 情 報 降 雨 有 無 別 の 事 故 リスク 情 報 の 比 較 を 図 -6に 示 す. 降 雨 あり の 場 合 は, なし の 場 合 と 比 較 して 事 故 リ スク 情 報 は 極 端 に 高 くなる.さらに, 事 故 リスク 情 報 は 所 要 時 間 の 変 化 よりも 降 雨 有 無 の 影 響 の 方 が 大 きいとい える. このことから, 事 故 リスク 情 報 によって, 所 要 時 間 提 供 だけでは 判 断 できない 経 路 情 報 を 提 供 できると 考 えら れる. 図 -4 危 険 度 水 準 シンボル b) 事 故 率 事 故 率 は, 当 該 入 口 出 口 間 経 路 の 単 位 区 間 を 走 行 する 間 に 事 故 を 起 こす 確 率 とし, 各 経 路 の 事 故 発 生 件 数 / 総 走 行 台 キロ( 件 / 億 台 キロ)で 表 した. c) 事 故 遭 遇 確 率 事 故 遭 遇 確 率 は 吉 井 ら 2) が 提 案 した 期 待 事 故 遭 遇 件 数 の 指 標 であり,ある 時 間 帯 にある 特 定 の 道 路 区 間 を 走 行 した 場 合 に 遭 遇 する 事 故 件 数 の 期 待 値 を 示 している.こ こでは, 事 故 に 遭 う 確 率 は % という 形 式 で, 当 該 入 口 出 口 間 経 路 を 走 行 した 場 合, 事 故 現 場 を 見 るまたは 事 故 渋 滞 に 巻 き 込 まれる 確 率 を 示 す 事 故 遭 遇 確 率 と して 情 報 を 提 供 する. d) 事 故 形 態 別 要 注 意 地 点 数 阪 神 高 速 道 路 上 において, 過 去 に 多 くの 事 故 が 発 生 し ている 地 点 を 要 注 意 地 点 と 設 定 し, 選 択 した 入 口 出 口 間 経 路 上 における 要 注 意 地 点 数 を 提 示 した. 要 注 意 地 点 は 過 去 の 事 故 率, 事 故 件 数 を 基 に 約 120 地 点 を 選 定 し, 各 地 点 で 主 に 発 生 している 事 故 形 態 ( 追 突, 車 両 接 触, 施 設 接 触 )を 定 義 した. 図 -5 所 要 時 間 と 事 故 リスク 情 報 の 比 較 図 -6 降 雨 有 無 別 の 事 故 リスク 情 報 の 比 較 3

c) 競 合 経 路 における 所 要 時 間 と 事 故 リスク 情 報 3 号 神 戸 線 の 月 見 山 入 口 から13 号 東 大 阪 線 法 円 坂 出 口 までのルートについて, 神 戸 線 ルート, 京 橋 乗 継 湾 岸 線 ルート, 摩 耶 乗 継 湾 岸 線 ルートの 競 合 路 線 において,そ れぞれの 所 要 時 間 と 事 故 リスク 情 報 の 比 較 を 図 -7に 示 す. 夕 方 の 時 間 帯 において,3 経 路 の 所 要 時 間 の 差 が 小 さい 場 合 でも, 事 故 リスクについては 差 が 大 きい 場 合 がある ことが 確 認 できる. このことから, 所 要 時 間 による 経 路 選 択 行 動 に 期 待 が できない 局 面 においても, 事 故 リスク 情 報 が 有 効 な 経 路 選 択 の 動 機 として 活 用 される 可 能 性 があると 考 えられる. 経 路 1: 神 戸 線 ルート 経 路 2: 湾 岸 線 京 橋 乗 継 ルート 経 路 3: 湾 岸 線 摩 耶 乗 継 ルート (2) スマートチョイスの 内 容 1 入 口 出 口 選 択 スマートチョイスは, 利 用 者 の 方 が 阪 神 高 速 道 路 の 利 用 を 計 画 する 段 階 で, 経 路 の 安 全 情 報 等 を 取 得 するため に 使 用 していただくことを 想 定 している.そのため 利 用 者 の 利 用 経 路 単 位 で 情 報 提 供 を 行 うこととし,まずは 利 用 経 路 の 入 口 出 口 を 選 択 する. 2 経 路 選 択 情 報 提 供 a) 経 路 比 較 ( 数 値 情 報 ) 経 路 情 報 としては, 経 路 の 利 用 路 線, 所 要 時 間, 事 故 リスク, 料 金,ガソリン 消 費 量, 乗 り 継 ぎ 回 数, 走 行 距 離 を 表 示 する ( 図 -9).ここでは, 事 故 の 起 きやすさ, 起 こしやすさがイメージでき, 安 全 経 路 の 選 択 に 導 く 訴 求 力 を 重 視 し, 事 故 リスクを 比 較 指 標 として 提 供 している. また, 所 要 時 間 や 事 故 リスクは 利 用 時 間 帯 や 曜 日 によ って 変 動 することから,より 利 用 時 の 交 通 状 況 に 即 した 情 報 を 提 供 するために, 次 の 項 目 毎 の 情 報 を 提 供 する. 利 用 者 属 性 ( 男 性 (29 歳 以 下 )/ 男 性 (30 歳 以 上 )/ 女 性 / 高 齢 者 (65 歳 以 上 )/トラックドライバー) 車 種 ( 普 通 車 / 大 型 車 ) 曜 日 ( 平 日 / 週 末 / 休 日 ) 時 間 帯 (24 時 間 帯 ) 降 雨 有 無 図 -7 競 合 経 路 における 所 要 時 間 と 事 故 リスク 情 報 の 比 較 3. 事 故 リスク 情 報 提 供 コンテンツの 構 築 (1) スマートチョイスコンテンツの 概 要 事 故 リスク 情 報 提 供 コンテンツ:SAFETYドライブ スマートチョイス( 以 下, スマートチョイス とす る)は, 安 全 な 経 路 時 間 帯 への 誘 導 のための 情 報 提 供, 安 全 運 転 の 支 援 に 役 立 つ 実 用 性 を 重 視 した 注 意 情 報 の 提 供 を 行 うためのコンテンツとして 開 発 する. コンテンツの 全 体 構 成 を 図 -8に 示 す. 入 口 出 口 選 択 経 路 選 択 情 報 提 供 経 路 上 の 注 意 地 点 情 報 提 供 注 意 地 点 詳 細 情 報 提 供 図 -9 経 路 情 報 の 提 供 ( 経 路 比 較 情 報 ) b) 経 路 比 較 ( 視 覚 情 報 ) 利 用 経 路 は 最 大 3 経 路 までを 提 示 し, 各 利 用 経 路 の 経 路 情 報 を 視 覚 情 報 として 提 示 する( 図 -10).ここでは, 注 意 地 点 の 程 度 や 事 故 リスクの 分 布 状 況 を 一 覧 でき, 安 全 経 路 の 選 択 に 導 く 訴 求 力 を 重 視 した 経 路 比 較 地 図 で 提 供 する. 入 力 入 口 出 口 選 択 属 性 車 種 曜 日 時 間 帯 降 雨 選 択 曜 日 時 間 帯 降 雨 選 択 地 点 選 択 マッヒ ンク 図 -8 スマートチョイスの 構 成 4

3 経 路 上 の 注 意 地 点 情 報 提 供 安 全 運 転 の 支 援 に 役 立 つ 実 用 性 を 重 視 した 注 意 情 報 と して, 利 用 経 路 時 間 帯 曜 日 等 の 条 件 で 抽 出 した 経 路 上 に 存 在 する 注 意 地 点 を 列 挙 し, 各 地 点 における 事 故 リ スクや 注 意 すべき 事 故 の 形 態 等 を 提 供 する( 図 -12). 図 -10 経 路 情 報 の 提 供 ( 路 線 図 ) 4 注 意 地 点 詳 細 情 報 提 供 経 路 上 に 存 在 する 注 意 地 点 のうち, 特 に 事 故 が 多 発 し ている 地 点 においては, 現 地 写 真 やイラストを 活 用 して 対 処 行 動 イメージのしやすさを 重 視 した 詳 細 な 事 故 リス ク 情 報 ( 運 転 アドバイス 情 報 )を 提 供 する( 図 -13). さらに, 利 用 者 の 実 用 性 を 重 視 し,アドバイス 情 報 を より 汎 用 性 の 高 い 地 図 サービスでの 提 供 を 行 っている ( 図 -14). 図 -11 経 路 情 報 の 提 供 ( 時 間 帯 比 較 ) 図 -13 経 路 上 の 注 意 地 点 詳 細 情 報 の 提 供 図 -12 経 路 上 の 注 意 地 点 情 報 の 提 供 c) 時 間 帯 比 較 事 故 の 起 きやすさ, 起 こしやすさの 時 間 帯 変 化 を 訴 求 し, 安 全 な 時 間 帯 の 選 択 に 導 く 事 を 重 視 し, 利 用 時 間 帯 前 後 の 経 路 情 報 を 表 示 し, 時 間 帯 比 較 をしやすく, 変 化 状 況 を 認 識 しやすい 比 較 情 報 で 事 故 リスクを 提 供 する. ( 図 -11) 図 -14 注 意 地 点 情 報 の 提 供 5

4. まとめと 今 後 の 課 題 本 稿 では, 阪 神 高 速 道 路 における 事 故 リスク 情 報 を 作 成 し, 利 用 者 に 阪 神 高 速 道 路 利 用 前 に 経 路 情 報 を 提 供 す る スマートチョイス を 構 築 した.また, 各 経 路 の 事 故 リスク 情 報 と 所 要 時 間 の 関 係 を 分 析 し, 事 故 リスク 情 報 が 安 全 な 経 路 選 択 への 行 動 変 容 の 動 機 となる 可 能 性 が あることを 確 認 した. 今 後 は,スマホ 用 WEBサービス SAFETYドライブ スマートチョイス の 運 用 に 向 けて, 次 のような 課 題 に 対 応 していく 予 定 である. 1モニター 調 査 による スマートチョイス の 有 効 性 の 検 証 本 検 討 で 作 成 した 事 故 リスク 情 報 は,これまで 高 速 道 路 上 で 提 供 された 例 はほとんどなく, 利 用 者 の 皆 様 には なじみのない 情 報 提 供 である.そのため, 事 故 率 や 事 故 遭 遇 確 率 といった 事 故 リスク 情 報 が 経 路 の 安 全 性 を 説 明 する 指 標 としてどの 程 度 認 知 されるかは 不 明 である. そのため スマートチョイス をリリースする 際 には, モニター 調 査 によるアンケートを 実 施 し,コンテンツの 有 用 性, 事 故 リスク 情 報 の 各 指 標 の 理 解 度, 有 効 な 事 故 リスク 情 報 やその 提 供 方 法, 経 路 選 択 効 果 等 を 検 証 した 上 で, 特 に 望 ましい 事 故 リスク 情 報 設 定 に 向 けた 検 討 を 行 う. 2モニター 調 査 に 基 づく スマートチョイス の 改 良 と 拡 大 事 故 リスク 情 報 は, 情 報 提 供 としては 新 しいものであ り, 一 般 に 普 及 している 内 容 ではない.そこで, 事 故 リ スクの 概 念 の 普 及, 浸 透 を 目 指 すために,1で 行 うモニ ター 調 査 の 検 証 結 果 にもとづき, 事 故 リスク 情 報 等 のコ ンテンツ 改 良 を 行 い,PDCAによるコンテンツの 品 質 向 上, 及 び 利 用 促 進 を 図 る. 利 用 促 進 のためには,まずは 提 供 する 事 故 リスクの 有 益 性 や 活 用 性 のイメージを 訴 求 するとともに, 阪 神 高 速 道 路 が 目 指 す 事 故 リスク 情 報 の 普 段 利 用 の 理 解 を 深 める ツールとして スマートチョイス を 改 良 する.また, 他 サービスと 連 携 し,より 汎 用 性 の 高 いツールとしての 運 用 を 目 指 す. 3 スマートチョイス のリアルタイム 事 故 リスク 情 報 の 実 装 本 検 討 で 作 成 した 事 故 リスク 情 報 は, 時 間 帯 別 曜 日 別 降 雨 有 無 別 に 詳 細 に 設 定 しているものの, 過 去 データに 基 づく 静 的 な 情 報 となっており, 現 在 の 交 通 状 況 を 反 映 した いま ここに ひそんでいる 事 故 リスク 情 報 と はなっていない. 事 故 リスク 情 報 を 有 益 な 情 報 として 認 知 していただく ためには, 走 行 時 に 感 じる 危 険 度 合 いと 事 故 リスク 情 報 がリンクしていることが 望 ましい.そのため, 将 来 的 に は, 経 路 時 間 帯 選 択 時 における リアルタイム 事 故 リ スク 情 報 の 実 装 を 検 討 する. 参 考 文 献 1) 阪 高 SAFETYナビ URL:http://safetynavi.jp/ 2) 村 上, 倉 内, 吉 井, 大 西, 川 原, 高 山, 兵 頭 : 事 故 リスク 情 報 がドライバーの 選 択 行 動 に 与 える 影 響 に 関 する 研 究, 第 49 回 土 木 計 画 学 研 究 発 表 会,2014 3) 大 藤, 兒 玉, 竹 井, 小 澤 : 都 市 高 速 道 路 におけるリ アルタイム 事 故 リスク 情 報 提 供 ~ 予 測 モデル 分 析 と 提 供 システム 開 発 ~, 第 51 回 土 木 計 画 学 研 究 発 表 会, 2015 6