愛 宕 築 地 光 岸 地 地 区 復 興 まちづくり 計 画 ( 素 案 ) 1. 地 区 の 現 況 (1) 地 区 の 特 性 愛 宕 築 地 光 岸 地 地 区 は 中 心 市 街 地 と 鍬 ヶ 崎 地 区 の 間 に 位 置 し 国 道 45 号 が 東 西 に 通 っ ており 沿 道 には 商 業 業 務 施 設 等 が 立 地 し その 背 後 には 住 宅 地 が 形 成 されています 閉 伊 川 沿 いにかつては 宮 古 駅 と 宮 古 港 をつな ぐ 臨 港 線 ( 貨 物 専 用 の 鉄 道 )が 走 っており 現 在 も 堤 防 沿 いに 跡 地 が 残 っています (2) 被 災 前 の 状 況 国 勢 調 査 ( 平 成 22 年 )によれば 愛 宕 築 地 光 岸 地 地 区 の 人 口 構 成 は 市 の 平 均 に 比 べて 20 歳 未 満 の 割 合 が 低 く 60 歳 以 上 の 割 合 が 高 くなっ ています 国 道 の 沿 道 には 商 業 業 務 施 設 や 公 共 公 益 施 設 住 宅 等 が 立 地 し 国 道 より 山 側 は 愛 宕 小 学 校 まで 住 宅 を 中 心 と した 市 街 地 が 形 成 され ています 震 災 前 の 建 物 用 途 の 状 況 被 災 地 区 を 含 む 行 政 区 における 年 齢 別 人 口 構 成 H22 宮 古 市 愛 宕 築 地 光 岸 地 人 数 割 合 人 数 割 合 0~9 歳 4,474 7.5% 41 4.7% 10~19 歳 5,259 8.9% 44 5.1% 20~29 歳 4,298 7.2% 59 6.8% 30~39 歳 6,338 10.7% 72 8.3% 40~49 歳 6,999 11.8% 92 10.6% 50~59 歳 8,507 14.3% 121 13.9% 60~69 歳 9,614 16.2% 169 19.4% 70 歳 以 上 13,896 23.4% 272 31.3% 総 計 59,385 100.0% 870 100.0% 平 成 22 年 国 勢 調 査 より 愛 宕 小 閉 伊 川 1 被 災 現 況 調 査 ( 国 土 交 通 省 )より
(3) 地 区 の 位 置 づけ 平 成 15 年 度 に 策 定 された 宮 古 市 都 市 計 画 マスタープラン 地 域 別 構 想 において 中 心 地 区 のうち 愛 宕 築 地 光 岸 地 地 区 に 関 する 内 容 は 次 のとおり 記 載 されています キャッチフレーズ ~ みやこまち ~ まちづくりの 方 向 土 地 利 用 1 中 心 部 は 商 業 活 性 化 を 支 える 土 地 利 用 を 図 ります 2 国 道 106 号 沿 道 は 商 業 業 務 系 の 利 用 増 進 を 図 ります 3 外 縁 部 の 住 宅 地 は 住 環 境 の 保 全 を 図 り 新 たな 開 発 に 対 しては 良 好 な 住 環 境 を 確 保 するよう 誘 導 します 4 閉 伊 川 の 河 川 敷 は 市 民 のやすらぎの 空 間 とします また 今 回 の 震 災 を 受 けて 平 成 23 年 10 月 に 策 定 された 宮 古 市 東 日 本 大 震 災 復 興 計 画 ( 基 本 計 画 )では すまいと 暮 らしの 再 建 産 業 経 済 復 興 安 全 な 地 域 づくり の3つを 復 興 の 柱 として 掲 げており 本 地 区 を 含 む 宮 古 地 域 の 復 興 まちづくりの 方 向 性 として 防 潮 堤 の 整 備 や 必 要 に 応 じた 嵩 上 げ 促 進 背 後 地 の 高 台 活 用 など 安 全 安 心 な 住 宅 地 の 整 備 漁 港 など 産 業 関 連 基 盤 の 計 画 的 段 階 的 な 事 業 展 開 避 難 タワーや 避 難 ビルの 設 置 誰 もが 容 易 に 避 難 することができる 避 難 路 避 難 場 所 の 見 直 し 地 域 特 性 を 活 かしたコンパ クトで 快 適 なまちづくり などが 挙 げられています (4) 被 害 の 状 況 3 月 11 日 の 東 日 本 大 震 災 の 際 は 防 潮 堤 を 越 流 した 津 波 によって 国 道 45 号 沿 道 の 建 物 をはじめとし 住 宅 等 が 大 きな 被 害 を 受 けました 浸 水 面 積 は 12.2ha にわたり 浸 水 高 は T.P.+3.4~7mとなり 光 岸 地 では 最 大 浸 水 深 が 5.3mに 達 しました 浸 水 区 域 内 の 建 物 312 棟 のうち 約 75% が 流 失 または 全 壊 の 被 害 を 受 けました 被 害 の 状 況 T.P.: 東 京 湾 平 均 海 水 面 愛 宕 小 閉 伊 川 2 被 被 災 災 現 現 況 況 調 調 査 査 ( 国 ( 国 土 土 交 交 通 通 省 省 )より )より
2. 復 興 まちづくりの 目 標 愛 宕 築 地 光 岸 地 地 区 の 検 討 会 での 意 見 地 区 復 興 まちづくり 便 りに 対 する 意 見 市 からの 情 報 提 供 などを 踏 まえ 将 来 を 見 据 えた 復 興 まちづくりの 目 標 を 整 理 すると 以 下 のとおりです (1) 地 区 復 興 まちづくりの 目 標 愛 宕 築 地 光 岸 地 地 区 の 復 興 まちづくりの 目 標 を 次 のとおりとします 水 産 業 観 光 の 拠 点 となる 活 気 のあるまち 防 災 のまち 安 心 して 住 めるまち お 年 寄 りが 安 心 してくらせるまち 子 ども 達 の 声 が 聞 こえるまち 水 産 業 観 光 の 拠 点 となる 活 気 のあるまち 商 業 業 務 施 設 や 加 工 場 などが 集 まり 人 々が 活 動 する 活 気 あるまちと マリンスポーツや 宿 泊 施 設 も 立 地 してにぎわいのあるまちを 目 指 します 防 災 のまち 安 心 して 住 めるまち 災 害 からの 安 全 だけでなく 日 常 の 防 犯 防 災 にも 配 慮 した 安 心 して 暮 らせるまちづくりを 進 めます お 年 寄 りが 安 心 してくらせるまち 子 ども 達 の 声 が 聞 こえるまち 医 療 福 祉 が 充 実 した 高 齢 者 にやさしく 子 ども 達 がのびやかに 暮 らせる 人 々が 交 流 するまちづくりを 進 めます 3
(2) 地 区 の 復 興 まちづくりの 方 針 1 土 地 利 用 の 方 針 地 区 の 土 地 利 用 については 以 下 の 考 えをもとにゾーン 配 置 と 土 地 利 用 方 針 を 設 定 します 国 道 沿 道 の 産 業 用 地 と 山 側 の 住 宅 地 が 適 切 に 配 置 された 良 好 な 環 境 を 創 出 します 住 み 続 けられる 住 宅 地 を 形 成 します 既 存 住 宅 地 閉 伊 川 沿 い 愛 宕 小 学 校 住 民 が 安 全 に 避 難 できるように 避 難 路 を 確 保 し 住 宅 地 として 居 住 環 境 の 向 上 を 図 る 住 宅 ゾーン 個 別 再 建 が 難 しい 住 民 が 住 み 続 けるための 低 未 利 用 地 を 活 用 した 公 営 住 宅 の 整 備 既 存 新 築 の 商 業 サービス 系 の 施 設 を 活 かした 活 力 を 生 み 出 すゾーン 愛 宕 小 学 校 プール 跡 地 は 公 営 住 宅 や 公 共 施 設 など 様 々な 活 用 を 検 討 オープンスペースを 確 保 車 でのアクセスが 可 能 な 福 祉 施 設 等 整 備 土 地 利 用 方 針 図 公 共 施 設 住 宅 ゾーン プール 愛 宕 小 公 営 住 宅 (1 階 は 駐 車 場 ) 商 業 サービスゾーン 住 宅 ゾーン 住 宅 ゾーン 坂 がきついため 道 路 整 備 に 合 わ せた 嵩 上 げ 宮 古 漁 協 商 業 サービス 水 産 加 工 施 設 ゾーン 0 250 500m 4
2 道 路 防 災 等 の 方 針 道 路 等 の 施 設 整 備 や 防 災 については 以 下 の 考 えをもとに 施 設 整 備 と 避 難 施 設 の 方 針 を 設 定 します 避 難 場 所 を 充 実 し 安 全 な 避 難 の 確 保 と 防 災 性 の 向 上 を 図 ります 避 難 道 路 は 高 齢 化 に 対 応 し 自 動 車 等 にも 対 応 した 幅 員 構 造 とします 避 難 距 離 が 300m 以 内 となるよう 津 波 避 難 ビルを 整 備 します 防 潮 堤 の 整 備 防 潮 堤 及 び 水 門 を 整 備 し 市 街 地 の 安 全 性 確 保 を 図 る 避 難 場 所 避 難 所 の 確 保 避 難 道 路 の 確 保 主 要 な 道 路 の 整 備 地 域 住 民 が 避 難 できるように 愛 宕 小 学 校 愛 宕 公 園 などの 安 全 性 を 確 保 高 台 の 神 社 や 低 未 利 用 地 を 活 用 した 避 難 場 所 の 確 保 閉 伊 川 沿 いには 既 存 のビルを 活 用 した 避 難 ビルの 整 備 高 台 の 避 難 場 所 避 難 所 に 円 滑 に 到 達 するための 避 難 道 路 の 確 保 および 拡 幅 整 備 国 道 45 号 から 鍬 ヶ 崎 に 向 かう 道 路 の 整 備 とそれに 合 わせた 光 岸 地 地 区 の 嵩 上 げ 整 備 愛 宕 公 園 耐 震 化 駐 車 場 確 保 避 難 ビル 機 能 の 整 備 多 目 的 避 難 所 とし て 使 えるようにゆ とりある 整 備 中 央 公 民 館 愛 宕 小 学 校 車 で 避 難 できる 道 路 国 道 市 道 ( 避 難 道 路 等 ) 公 園 歩 行 者 用 避 難 路 等 避 難 所 避 難 場 所 津 波 避 難 ビル タワー 等 0 250 500m 大 杉 神 社 宮 古 漁 協 なあど 方 面 か らの 避 難 道 路 県 の 計 画 により 水 門 整 備 の 予 定 を 記 入 5
3. 愛 宕 築 地 光 岸 地 地 区 復 興 まちづくり 計 画 図 復 興 まちづくり 方 針 に 基 づく 計 画 図 をまとめると 次 のとおりです また 導 入 が 想 定 できる 事 業 区 域 や 整 備 イメージも 示 します 避 難 道 路 整 備 事 業 愛 宕 小 学 校 の 有 効 活 用 事 業 公 営 住 宅 整 備 事 業 避 難 場 所 整 備 事 業 ( 避 難 ビルのイメージ) 愛 宕 公 園 愛 宕 小 学 校 中 央 公 民 館 プール 住 宅 ゾーン 商 業 サービスゾーン 住 宅 ゾーン 大 杉 神 社 宮 古 漁 協 商 業 サービス 水 産 加 工 施 設 ゾーン 都 市 計 画 道 路 整 備 事 業 国 道 市 道 ( 避 難 道 路 等 ) 公 園 歩 行 者 用 避 難 路 等 避 難 所 避 難 場 所 津 波 避 難 ビル タワー 等 0 500m 県 の 計 画 により 水 門 整 備 の 予 定 を 記 入 6
4. 導 入 事 業 およびスケジュール 導 入 事 業 およびスケジュールは 以 下 のように 計 画 しました H24 年 度 H25 年 度 H26 年 度 H27 年 度 H28 年 度 H29 年 度 H30 年 度 H31 年 度 H32 以 降 住 宅 地 整 備 公 営 住 宅 整 備 事 業 計 事 業 着 手 計 事 業 着 手 道 路 公 園 公 共 施 設 整 備 避 難 道 路 整 備 事 業 避 難 場 所 整 備 事 業 都 市 計 画 道 路 整 備 事 業 事 業 着 手 ( 道 路 整 備 ) 事 業 着 手 ( 宅 地 造 成 防 災 施 設 整 備 ) 事 業 着 手 ( 道 路 整 備 ) 愛 宕 小 学 校 の 有 効 活 用 事 業 事 業 着 手 海 岸 河 川 等 整 備 防 潮 堤 整 備 事 業 事 業 着 手 ソ フ ト 事 業 避 難 誘 導 シス テム 整 備 事 業 (サイン 防 災 無 線 防 災 教 育 ) 工 事 システム 等 運 営 事 業 スケジュールについては 現 時 点 の 想 定 であり 今 後 の 地 権 者 や 関 係 機 関 との 協 議 によって 変 更 することがあります 7
参 考 資 料 1: 津 波 シミュレーションについて 1) 復 興 まちづくりを 検 討 する 前 提 となるシミュレーション 津 波 シミュレーションの 条 件 県 が 決 定 した 防 潮 堤 (T.P.+10.4m)が 整 備 されている 東 日 本 大 震 災 が 発 生 した 当 時 の 潮 位 (T.P.-0.46m) および 津 波 高 東 日 本 大 震 災 による 地 盤 が 沈 下 した 状 態 での 地 盤 高 ( 更 なる 地 盤 沈 下 は 考 慮 しない) 2) 避 難 を 考 えるための 最 悪 の 場 合 のシミュレーション 津 波 シミュレーションの 条 件 防 潮 堤 等 の 海 岸 保 全 施 設 がない 朔 望 平 均 満 潮 位 ( 宮 古 TP+0.69m) 東 日 本 大 震 災 が 発 生 した 当 時 の 津 波 高 東 日 本 大 震 災 による 地 盤 沈 下 と 同 程 度 の 沈 下 を 考 慮 した 地 盤 8
参 考 資 料 2: 事 業 手 法 について 事 業 手 法 災 害 公 営 住 宅 整 備 事 業 激 甚 災 害 により 住 宅 を 失 い 自 ら 住 宅 を 確 保 することが 困 難 な 被 災 者 に 対 して 事 業 目 的 安 定 した 生 活 の 確 保 を 目 的 として 賃 貸 する 公 営 住 宅 を 建 設 する 要 件 災 害 により 滅 失 した 住 宅 に 居 住 していた 人 事 業 のイメージ 事 業 の 特 徴 事 業 期 間 事 業 の 概 要 入 居 条 件 家 賃 調 査 設 計 法 的 手 続 き 住 宅 建 設 等 県 市 の 建 設 もしくは 借 り 上 げにより 戸 建 共 同 住 宅 ともに 可 能 地 区 施 設 ( 集 会 場 子 育 て 支 援 施 設 高 齢 者 生 活 相 談 所 物 置 等 ) 津 波 避 難 施 設 ( 津 波 避 難 機 能 を 有 する 施 設 備 蓄 倉 庫 耐 震 性 貯 水 槽 等 ) 等 の 整 備 も 可 能 県 市 または 借 り 上 げ 公 営 住 宅 事 業 者 が 設 定 した 場 所 に 整 備 1 入 居 条 件 : 災 害 で 滅 失 した 住 居 に 居 住 していた 人 ( 入 居 収 入 基 準 要 件 および 同 居 親 族 要 件 は 適 用 されない) 2 家 賃 : 収 入 や 立 地 条 件 床 面 積 などによって 定 める ( 家 賃 )=( 家 賃 算 定 基 礎 額 ) ( 市 町 村 立 地 係 数 ) ( 規 模 係 数 ) ( 経 過 年 数 係 数 ) ( 利 便 性 係 数 ) また 低 所 得 者 の 家 賃 を 低 額 化 するための 国 の 支 援 が 拡 充 されています 今 回 の 震 災 では 払 下 げ 期 間 の 短 縮 などが 実 施 されています 約 1 年 約 1 年 9
参 考 資 料 3: 検 討 会 でのその 他 の 意 見 について 下 記 に 示 す 意 見 については 関 係 機 関 との 協 議 などをふまえ 再 検 討 しました 1. 高 台 住 宅 地 について 第 2 回 の 検 討 会 では 愛 宕 1 丁 目 愛 宕 公 園 南 側 梅 翁 寺 川 南 側 鍬 ヶ 崎 下 町 鍬 ヶ 崎 仲 町 等 の 高 台 に 住 宅 ゾーン( 高 台 移 転 候 補 )を 設 けるという 意 見 がありました しかし 前 ページ のシミュレーション 結 果 では 本 地 区 においては 浸 水 被 害 は 軽 微 なものとなることが 予 想 さ れています したがって 住 宅 も 現 在 地 での 再 建 が 可 能 となることから 素 案 の 図 および 表 か ら 割 愛 しています 2. 閉 伊 川 沿 いのゾーンの 用 途 構 造 制 限 の 記 載 について 閉 伊 川 沿 い 国 道 45 号 沿 道 を 商 業 サービスゾーンとする 意 見 とともに 用 途 構 造 制 限 を 行 うという 意 見 が 出 ていますが 同 様 に 用 途 構 造 制 限 を 行 う 必 要 性 が 低 いことから そ の 記 述 を 割 愛 しています ただし ゾーンとしての 商 業 サービス 業 務 水 産 加 工 の 用 途 を 誘 導 することは 記 載 しています 3. 鍬 ヶ 崎 仲 町 ~ 梅 翁 寺 川 南 側 高 台 の 道 路 について 連 絡 道 路 を 設 置 する 案 が 出 ていましたが 上 記 2. 高 台 住 宅 地 の 候 補 地 の 削 除 に 伴 い 連 絡 道 路 を 割 愛 しています 4. 市 街 地 内 の 津 波 避 難 ビル 意 見 のあった 津 波 避 難 ビルの 整 備 個 所 をすべて 記 載 していましたが 公 営 住 宅 の 整 備 を 検 討 する 箇 所 と 近 接 している 箇 所 を 1 か 所 割 愛 しました 5. 中 央 公 民 館 裏 の 避 難 道 路 について 避 難 道 路 のうち 中 央 公 民 館 裏 の 道 路 を 歩 行 者 用 とする 案 と 拡 幅 して 車 道 とする 案 が 出 て いましたが 勾 配 や 回 転 半 径 などの 面 で 自 動 車 の 通 行 は 現 実 的 に 困 難 なことから 歩 行 者 用 と 記 載 しました 1 1 3 1 1 1 5 愛 宕 小 4 2 宮 古 漁 協 0 250 500m 10