報 告 1 診 療 報 酬 改 定 と 国 保 問 題 小 澤 勇 治 ( 栃 木 県 民 主 医 療 機 関 連 合 会 ) はじめに 栃 木 県 民 主 医 療 機 関 連 合 会 事 務 局 長 の 小 澤 でございます 略 称 で 言 いますと 民 医 連 という 言 葉 をお 聞 きなったこともあろうかと 思 います 栃 木 県 では 医 療 生 協 法 人 の 診 療 所 や 介 護 事 業 所 と 株 式 会 社 の 薬 局 二 店 が 加 盟 しておりまして 病 院 を 持 たない 民 医 連 と いうことでは 全 国 でも 最 小 の 組 織 ということで 一 昨 年 に 結 成 されました 丸 2 年 を 経 と うとしておりますけれども これから 医 療 運 動 を 行 おうとしているところです 4 月 1 日 から 義 務 年 限 を 終 了 した 自 治 医 大 の 卒 業 生 1 人 が 私 どもの 法 人 の 常 勤 医 師 として 勤 務 して いただけることになり 常 勤 医 師 が5 人 になります そういうことで 地 域 医 療 を 担 って いく 医 療 機 関 であるというふうにご 理 解 いただければと 思 います 基 調 講 演 で 篠 崎 先 生 もおっしゃっていましたが 世 界 的 にも 民 医 連 というのは 稀 有 な 存 在 なんです 自 分 たちで 医 師 を 育 て また 医 療 スタッフを 育 てて 医 療 を 私 たちのものにする つまり 個 人 所 有 ではない 国 民 の 働 く 人 々のための 医 療 機 関 を 作 ってきました 今 日 は 診 療 報 酬 改 定 とそれから 国 保 問 題 に 関 して 報 告 させていただきたいと 思 います 1 2010 年 4 月 診 療 報 酬 報 改 定 厚 生 労 働 省 HPより( 厚 労 省 予 算 編 成 上 の 見 解 ) 平 成 22 年 度 診 療 報 酬 改 定 について( 平 成 21 年 12 月 9 日 厚 生 労 働 省 保 険 局 医 療 課 ) 医 療 は 国 民 の 生 活 を 支 える 最 も 重 要 な 社 会 基 盤 の 一 つである 我 が 国 の 医 療 費 ( 対 GDP 比 )は 国 際 的 に 見 ても 低 水 準 であるが 医 療 現 場 の 努 力 により 効 率 的 かつ 質 の 高 い 医 療 を 提 供 してきた しかしながら 高 齢 化 の 進 展 による 患 者 増 などにより 医 療 現 場 は 疲 弊 しており 特 に 救 急 急 性 期 の 入 院 医 療 は 危 機 的 な 状 況 にある 前 回 の 診 療 報 酬 改 定 においても 厳 しい 勤 務 環 境 におかれている 病 院 勤 務 医 の 負 担 軽 減 や 救 急 医 療 や 周 産 期 小 児 医 療 の 充 実 などを 重 点 課 題 として 取 り 組 んだが 必 ずしも 十 分 な 効 果 が 出 ていない 現 状 にある 例 えば 有 識 者 の 研 究 によれば 急 性 期 の 入 院 医 療 を 担 う DPC 対 象 病 院 の 年 間 の 赤 字 は 総 額 3,500 億 円 にのぼると 推 計 されている また 平 成 21 年 度 医 療 経 済 実 態 調 査 に よれば 年 間 の 緊 急 入 院 患 者 受 け 入 れが 200 名 以 上 の 病 院 の 経 営 実 態 は 補 助 金 等 に よる 補 填 を 行 った 後 の 総 損 益 差 額 ベースで 見 ても 1 施 設 当 たりで 年 間 約 1 億 円 の 赤 字 と なっている こうした 状 況 の 下 三 党 連 立 政 権 合 意 では 医 療 費 (GDP 比 ) の 先 進 国 (OECD) 並 みの 確 保 を 目 指 す ことが また 民 主 党 のマニフェストでは 医 療 従 事 者 の 増 員 に 努 める 医 療 機 関 の 診 療 報 酬 ( 入 院 )を 増 額 する ことが 示 されている 平 成 22 年 度 診 療 報 酬 改 定 にお いては これらを 踏 まえ 国 民 の 安 全 安 心 を 支 える 医 療 の 再 構 築 に 取 り 組 んでいく 必 要 がある 1
具 体 的 には 救 急 医 療 の 充 実 など 喫 緊 の 課 題 に 対 応 するため 急 性 期 を 中 心 とする 入 院 医 療 に 優 先 的 かつ 重 点 的 に 配 分 するとともに 急 性 期 後 の 受 け 皿 としての 後 方 病 床 在 宅 療 養 の 機 能 を 強 化 する さらに 手 術 等 の 医 療 技 術 の 適 正 評 価 医 療 の 高 度 化 への 対 応 医 師 補 助 業 務 の 充 実 等 を 通 じた 勤 務 環 境 の 改 善 医 療 安 全 への 取 り 組 みな ど 我 が 国 の 医 療 をめぐる 課 題 に 対 応 していくことが 求 められている これらを 総 合 的 に 勘 案 すれば 薬 価 改 定 と 医 療 材 料 価 格 改 定 により 捻 出 される 約 5,000 億 円 を 全 て 診 療 報 酬 本 体 の 財 源 として 充 当 するとしても これを 超 える 規 模 の 財 源 が 必 要 であり 全 体 としては 10 年 ぶりのネットプラス 改 定 を 行 うことが 必 要 である 厚 生 労 働 省 は 北 欧 とか OECD 諸 国 に 比 べて 日 本 の 医 療 は 貧 困 であるという 認 識 はもっ ているんですね 昨 年 民 医 連 も 診 療 報 酬 改 定 について 厚 生 労 働 省 との 交 渉 を 行 いまして 厚 生 労 働 省 の 現 場 の 技 官 は 10%は 上 げたいと 言 っていたのですが 結 局 上 がったのは プラス0.16%でした その 中 身 どういうところが 上 がったのかというところですけ ども 実 際 はゼロ 改 定 であるということでご 理 解 していただきたいと 思 います 私 たちが 通 常 診 療 していただく 町 のお 医 者 さんは ほとんどマイナスになっています それから 後 発 医 薬 品 をたくさん 使 っているということになりますと 薬 価 が 下 がる 診 療 報 酬 が 下 がる 医 療 費 が 下 がるということになりますが これは 当 然 なんですけれども 元 々が 高 い 薬 を 使 っているということで 病 名 が 変 わると 同 じ 薬 効 の 薬 でも 新 薬 として 登 録 されて 7 倍 くらいの 値 段 に 薬 価 基 準 が 上 がってしまうという 中 身 になっています 埼 玉 県 の 済 生 会 栗 橋 病 院 の 副 院 長 である 本 田 弘 先 生 外 科 の 先 生 でテレビでもよく 発 言 をなさって 頑 張 っていらっしゃる 方 で 民 医 連 とも 一 緒 に 運 動 をさせていただいている 先 生 ですけれども その 本 田 先 生 がそのことをいち 早 く 警 鐘 しながら 医 療 崩 壊 という 言 葉 を 言 われました 解 説 本 なんかも 書 かれています もっと 深 い 中 身 で 地 域 医 療 を 守 っていくいろいろな 活 動 が 各 地 域 にあるんですけれども 厚 生 労 働 省 はそのことを 基 本 的 には 理 解 はしているんで すが 今 回 の 診 療 報 酬 改 定 はそれに 向 けた 形 でなされていたかどうかというところに 大 き な 視 点 を 持 たなければいけないと 思 います 民 主 党 マニュフェスト 3 22. 医 療 崩 壊 を 食 い 止 め 国 民 に 質 の 高 い 医 療 サービスを 提 供 する 政 策 目 的 医 療 従 事 者 を 増 員 し 質 を 高 めることで 国 民 に 質 の 高 い 医 療 サービスを 安 定 的 に 提 供 する 特 に 救 急 産 科 小 児 外 科 等 の 医 療 提 供 体 制 を 再 建 し 国 民 の 不 安 を 軽 減 する 具 体 策 自 公 政 権 が 続 けてきた 社 会 保 障 費 2200 億 円 の 削 減 方 針 は 撤 回 する 医 師 看 護 師 その 他 の 医 療 従 事 者 の 増 員 に 努 める 医 療 機 関 の 診 療 報 酬 ( 入 院 )を 増 額 する OECD 平 均 の 人 口 当 たり 医 師 数 を 目 指 し 医 師 養 成 数 を1.5 倍 にする 国 立 大 学 病 院 などを 再 建 するため 病 院 運 営 交 付 金 を 従 来 水 準 へ 回 復 する 救 急 産 科 小 児 外 科 等 の 医 療 提 供 体 制 を 再 建 するため 地 域 医 療 計 画 を 抜 本 的 に 見 直 し 支 援 を 行 う 妊 婦 患 者 医 療 者 がともに 安 心 して 出 産 治 療 に 臨 めるように 無 過 失 補 償 制 度 を 全 分 野 に 広 げ 公 的 制 度 として 設 立 する 所 要 額 9000 億 円 程 度 2
資 料 の 中 に 民 主 党 が 昨 年 の 総 選 挙 の 時 に 出 したマニフェストの 各 論 の 部 分 を 載 せてお きました この 上 には 後 期 高 齢 者 医 療 制 度 を 即 時 廃 止 しますという 言 葉 があるのですけれ ども 医 療 崩 壊 を 食 い 止 め 国 民 に 質 の 高 い 医 療 サービスを 提 供 する ということがテー マなんです 民 主 党 は 国 民 に 質 の 高 い 医 療 を 安 定 的 に 提 供 する というふうに 言 ってい まして 次 が 問 題 なのですけれども 特 に 救 急 産 科 小 児 外 科 等 の 医 療 提 供 体 制 を 再 建 し 国 民 の 不 安 を 軽 減 する と そして 各 論 に 具 体 策 がでていまして 下 の 方 に 救 急 産 科 小 児 外 科 等 の 医 療 提 供 体 制 を 再 建 するため 地 域 医 療 計 画 を 抜 本 的 に 見 直 し 支 援 を 行 う と それから 妊 婦 患 者 医 療 者 がともに 安 心 して 出 産 治 療 に 臨 めるよう に 無 過 失 補 償 制 度 を 全 分 野 に 広 げ 公 的 制 度 として 設 立 する 所 要 額 は9000 億 円 程 度 というふうに 書 かれています 平 成 22 年 度 診 療 報 酬 改 定 の 改 定 率 について( 平 成 22 年 2 月 1 日 ) 先 日 一 部 報 道 において 平 成 22 年 度 診 療 報 酬 の 改 定 率 に 関 して 後 発 医 薬 品 の 置 き 換 え 効 果 の 精 算 分 約 600 億 円 が 改 定 率 の 計 算 に 盛 り 込 まれていないことから 実 質 ゼロ 改 定 である 旨 の 報 道 がありました 厚 生 労 働 省 としては 従 来 から 後 発 医 薬 品 の 使 用 促 進 すなわち 先 発 品 から 後 発 品 への 置 き 換 え による 財 源 は 本 来 的 に 医 療 機 関 の 収 入 とみなされるべきものの 減 少 につな がる 訳 ではないことから 一 貫 して 診 療 報 酬 改 定 の 財 源 とはしてこなかったところです 今 般 の 後 発 医 薬 品 の 置 き 換 え 効 果 の 精 算 分 600 億 円 についても 後 発 医 薬 品 の 使 用 促 進 が 進 んでいない 現 状 を 是 正 するために 実 施 するものであり 後 発 品 の 使 用 促 進 と 同 様 診 療 報 酬 の 改 定 財 源 とはしていないところであります このように 平 成 22 年 度 の 診 療 報 酬 の 改 定 率 については 従 来 と 同 様 の 考 え 方 で 計 算 し ているところであり その 率 は これまでの 説 明 のとおり 診 療 報 酬 本 体 の 改 定 で+1.5 5% 薬 価 等 の 改 定 で 1.36% 合 計 で+0.19%であります なお 報 道 にあった 当 省 の 幹 部 が 診 療 報 酬 の 改 定 率 に 関 して 報 道 にあったような 打 ち 合 わせを 行 った 事 実 はありません 今 回 の 診 療 報 酬 改 定 についての 厚 生 労 働 省 の 言 い 訳 です 実 質 プラス 0.19% 改 定 だと これがどういうところにプラスになったのかというというところが 大 きな 問 題 なんです 特 徴 の 第 一 は 大 規 模 急 性 期 病 院 や 入 院 料 加 算 の 引 き 上 げに 重 点 が 置 かれ これが4 億 4 千 万 円 です 中 小 規 模 病 院 は1% 前 後 の 引 き 上 げに 止 まりました 診 療 所 の 再 診 料 は 引 き 下 げられました 病 院 と 診 療 所 の 再 診 料 には 差 があったんです 診 療 所 はご 存 知 だと 思 いますけれども 医 療 法 上 19 床 以 下 の 医 療 機 関 です 地 域 の 医 療 機 関 であるわけです 中 小 規 模 病 院 というのは200 床 とか300 床 とか 第 二 次 救 急 を 目 指 している 地 域 基 幹 病 院 で それから 大 規 模 病 院 があるわけです 今 中 小 規 模 病 院 の 状 況 というのが 特 徴 的 に 問 題 なわけです 特 徴 の 第 二 は 2006 年 の 療 養 病 床 の 削 減 方 針 というのは 引 き 続 き 行 われており そのため 大 規 模 急 性 期 病 院 からの 早 期 退 院 を 迫 られた 患 者 さんの 医 療 介 護 難 民 が よりいっそう 増 える 可 能 性 が 今 回 の 診 療 報 酬 改 定 であるということです 後 でご 覧 になっていただきたいのですが 細 かくて 大 変 申 し 訳 ないのですが 療 養 病 床 に 入 っている 患 者 さんので 食 事 が 取 れずにおり 管 から 食 事 ( 栄 養 )が 入 っている 方 だとか 3
常 時 尿 管 カテーテルが 入 っている 方 だとかの 状 況 を 示 すチャートです これは 厚 生 労 働 省 が 見 本 として 出 しているんですけれども これが 医 療 区 分 1 2 3と 分 けられまして あと ADL 評 価 日 常 生 活 動 作 の 評 価 です それが1 2 3とありまして それを 組 み 合 わせて 医 療 報 酬 診 療 報 酬 が 決 められるわけです インターネットのブログなどを 見 ま すとご 家 族 の 療 養 病 床 入 院 の 時 の 医 療 区 分 についてのブログですが それをご 覧 になると 分 かると 思 うのですが 先 生 に 聞 くと 医 療 区 分 3ということで 区 分 上 はいわゆる 重 症 です が 物 凄 く 低 い 点 数 ですね 1 日 で7 千 円 くらいです 格 安 料 金 とかいろいろ 出 ていますが 格 安 でも7 千 円 というのはビジネスホテルの 素 泊 くらいです そのような 状 況 が 医 療 機 関 で 行 われているのです その 診 療 報 酬 によって 医 師 の 給 料 や 看 護 師 の 給 料 もちろん 看 護 師 の 人 数 とか 助 手 さんの 人 数 とか 若 干 少 なくとも 済 むんですけれども そのように 体 制 が 変 わってくるという 状 況 です 病 院 や 有 床 診 療 所 の 病 床 転 換 ということで これは20 08 年 9 月 に 全 国 保 険 医 団 体 連 合 会 が 出 した 病 床 転 換 についてのマニュアルなんですけど も このようにやはり 大 きな 病 院 ではなくて 中 小 零 細 病 院 は 療 養 病 床 でないと 生 き 残 って いけないと 出 ています 人 手 不 足 看 護 師 不 足 やもちろん 医 師 不 足 が 当 然 なんですけども そのような 状 況 になっております 結 論 を 端 折 りますが やはり 今 回 の 診 療 報 酬 改 定 は 急 性 期 病 院 に 対 して 厚 く 入 院 料 が 引 き 上 げられたということです 急 性 期 病 院 については 早 く 退 院 していただかないと 入 院 料 が 減 ってしまうんです 逓 減 制 というんですが これが7 日 間 とか それから 看 護 体 制 も10 対 1 10 人 の 患 者 さんに 対 して1 人 の 看 護 婦 さんということですが 7 対 1とい うことで 看 護 師 さんの 人 数 で 決 まってしまいますので 看 護 師 の 多 い 病 棟 にどんどん 入 院 をさせて 即 1 週 間 以 内 に 退 院 をさせるということがありますので 3ヶ 月 も 入 院 した ら もう 転 院 先 を 探 しなさいというような 話 をされるというということはよく 聞 かれるか と 思 うんですけれども ご 相 談 される 方 も そのような 状 況 があります 私 どものところ は 有 床 診 療 所 がございますので やはりそういう 患 者 さんを 受 けざるを 得 ない その 場 合 は 本 当 に 診 療 報 酬 そのものが 低 いというところで 厳 しい 状 況 になっています 2 栃 木 県 の 国 保 状 況 次 に 栃 木 県 の 国 保 の 状 況 ということですが 全 国 の 滞 納 世 帯 について 厚 生 労 働 省 が 今 年 の2 月 2 日 に 発 表 しました 2009 年 6 月 1 日 現 在 ですが 保 険 料 ( 税 ) 滞 納 世 帯 数 が73,927 世 帯 短 期 保 険 証 発 行 世 帯 が16,652 世 帯 (22.5%: 滞 納 世 帯 数 の 内 ) 資 格 証 明 書 発 行 世 帯 が13,569 世 帯 (18.4%: 滞 納 世 帯 数 の 内 )です 資 格 証 明 書 は 国 保 の 資 格 があるよというだけで 窓 口 では 全 額 支 払 いなさいということにな りますので 国 民 皆 保 険 制 度 に 逆 行 する 中 身 なわけです これについては 後 期 高 齢 者 医 療 制 度 についても 後 期 高 齢 者 に 対 して 昨 年 度 は 栃 木 県 では523 件 くらいの 短 期 保 険 証 の 発 行 がありました 日 本 の 医 療 制 度 の 良 かったところというのは 医 療 へのアクセスが 良 かったということです 国 民 皆 保 険 制 度 は 気 軽 に 病 院 にかかれるということです 岩 手 県 沢 内 村 の 生 命 行 政 を 描 いた 映 画 いのちの 山 河 は 私 も 実 行 委 員 として 一 緒 にやらせてい ただきましたが 本 当 に 気 軽 に 軽 いうちに 病 院 にかかれる 健 康 診 断 もきちっと 行 って 乳 児 死 亡 率 をゼロにしたり 老 人 医 療 費 を 無 料 にしたりということで 逆 に 村 の 国 保 医 療 費 が 下 がったということを 1981 年 に 国 会 を 通 過 した 老 人 保 健 法 の 国 会 の 公 聴 会 で 当 時 の 沢 内 村 立 病 院 の 増 田 進 先 生 がおっしゃっていたと 思 います それから もう 一 つ 問 題 なのは 子 供 に 対 する 医 療 費 助 成 の 問 題 です 地 域 医 療 の 崩 壊 4
と 子 どもの 貧 困 問 題 に 拍 車 をかけるものであるというふうに 言 わざるを 得 ないと 思 います 3 とちぎ 未 来 開 拓 プログラム から( いのち かかわる 主 なものを 視 ると) それから 栃 木 県 が 昨 年 策 定 した とちぎ 未 来 開 拓 プログラム( 財 政 健 全 化 計 画 ) から い のち にかかわる 主 なものとしてと 大 病 院 地 域 間 病 院 の 補 助 金 のことについては 抜 い ておりますけれども こども 医 療 費 の 無 料 化 を 小 学 6 年 生 まで 拡 大 しようという 形 にはな っていますが 妊 産 婦 医 療 費 助 成 制 度 に 所 得 制 限 を 設 けるというふうに 明 確 に 言 っており ます それから こども 医 療 費 の 市 町 村 に 対 する 国 庫 負 担 金 減 額 への 助 成 金 は 廃 止 の 方 向 であるということも 言 われております また 看 護 師 等 養 成 所 運 営 補 助 費 金 の 県 単 独 補 助 金 の 原 則 廃 止 例 えば 衛 生 福 祉 大 学 校 などの 奨 学 金 などがたぶん 減 額 されるのではないか というふうに 言 われています 4 今 後 の 私 たちの 課 題 として まとめますと 私 たちの 課 題 としては 国 保 料 又 は 国 保 税 ですね 高 すぎる 国 保 料 ( 税 ) に 対 して 具 体 的 な 行 動 としては 法 定 減 免 と 申 請 減 免 というのがありますが それをしっ かりと 各 自 治 体 で 行 っていこうということであります そういう 方 々 対 象 を 明 確 にして いくということと 私 たちの 自 治 体 では 申 請 減 免 というのはどういうもんでしょうかとい う 話 を 聞 いていこうということにしたいと 思 います それから 最 近 私 も 宇 都 宮 市 の 窓 口 に 行 ってみたのですが 窓 口 負 担 金 の 減 額 免 除 です ね これは 国 保 法 第 44 条 の 本 文 にあるわけです 病 院 にかかって 3 割 負 担 金 を 減 額 又 は 免 除 するということです これについても 宇 都 宮 市 はちゃんと 規 則 をもっていますが 申 請 書 をどうしても 渡 さないんです 1 時 間 半 くらい 粘 ったんですが この 問 題 に 対 して も 国 保 法 の 本 文 にあるので 宇 都 宮 市 でも 経 験 としては2 件 ほどあると 言 っておりました これは 阪 神 大 震 災 で 被 災 された 方 で 宇 都 宮 市 に 移 住 された 方 がお 使 いになったということ で 宇 都 宮 市 自 身 も 認 めています このように 国 保 料 が 高 いということだけれども これ を 減 額 する 低 くする 運 動 をすることとともに 具 体 的 なものについては 私 たち 医 療 従 事 者 とともに 患 者 様 と 一 緒 にしっかりと 窓 口 との 交 渉 をやっていこうと 思 っています そして 民 医 連 の 宣 伝 としては 民 医 連 というのは 私 たちのところではこれからしっかり と 対 応 していきたいと 思 いますけれども 無 料 低 額 診 療 事 業 というものをやっていきた いと 思 っています 栃 木 県 ではたぶん 済 生 会 と 日 赤 だけだと 思 います これをどんどん 使 っていきたいと 思 いますし また 申 請 をしたところは 認 めさせていくという 対 応 をして いきたいと 思 います もちろん 医 療 生 協 ですから 固 定 資 産 税 などの 優 遇 措 置 は 無 いんで すけれども 目 の 前 の 患 者 さんにきちんと 対 応 していくというところでこの 診 療 事 業 をや っていきたいと 考 えているところです ( 本 稿 は 当 日 の 講 演 録 に 基 づき 事 務 局 が 編 集 した 原 稿 に 講 演 者 が 手 を 加 えて 作 成 したものです ) 5
< 小 泉 改 革 以 来 いかに 社 会 保 障 の 費 用 が 削 られたか> 2002 年 度 3000 億 円 =3000 億 円 2003 年 度 3000 億 +2200 億 円 =5200 億 円 * 医 療 改 革 ( 健 保 本 人 3 割 負 担 ) 2004 年 度 3000 億 +2200 億 +2200 億 円 =7400 億 円 * 年 金 改 革 ( 100 年 安 心 プラン ) 2005 年 度 3000 億 +2200 億 +2200 億 +2200 億 円 =9600 億 円 * 介 護 保 険 改 革 ( 軽 度 者 へのサービス 抑 制 ) 2006 年 度 3000 億 +2200 億 +2200 億 +2200 億 +2200 億 円 =1 兆 1800 億 円 *2 度 目 の 医 療 改 革 2007 年 度 3000 億 +2200 億 +2200 億 +2200 億 +2200 億 +2200 億 円 =1 兆 4000 億 円 * 自 立 支 援 法 など 2008 年 度 3000 億 +2200 億 +2200 億 +2200 億 +2200 億 +2200 億 +2200 億 円 =1 兆 6200 億 円 2009 年 度 3000 億 +2200 億 +2200 億 +2200 億 +2200 億 +2200 億 +2200 億 +230 億 円 =1 兆 6430 億 円 * 累 積 額 はいかほどに? 相 野 谷 安 孝 中 央 社 保 協 事 務 局 長 2009 年 7 月 25 日 栃 木 社 保 学 習 会 レジュメより 6