中 学 生 テキスト< 講 義 型 > 解 説 書 パワーポイント 図 解 シ ナ リ オ 自 己 紹 介 自 己 紹 介 は 生 徒 との 最 初 の 接 点 です 最 初 に 生 徒 の 心 をつかめれば その 後 の 講 義 もスムーズに 進 められます つかみとして 生 徒 の 興 味 を 引 くような 相 談 例 の 話 などをするのもいい と 思 います ただ 租 税 教 育 の 目 的 は 税 理 士 の 職 業 紹 介 ではありませんので 簡 単 に 紹 介 する 工 夫 をしてください その 場 を 無 理 に 盛 り 上 げたり 笑 わせたりする 必 要 は 全 くありません 得 意 な 方 法 で 生 徒 の 心 をつかんでください テーマの 発 表 学 習 の 内 容 を 最 初 に 伝 えておくことはとても 重 要 なことです いま 何 について 勉 強 しているのか 常 に 意 識 してもらいましょう 租 税 教 育 の 目 的 租 税 教 育 は 生 徒 に 国 民 として 必 要 な 税 の 仕 組 みを 理 解 してもらうと 同 時 に 税 を 題 材 にして 社 会 を 考 えてもらうことから 個 人 と 社 会 との 関 係 について 考 察 を 深 めてもらい 自 由 権 利 と 責 任 義 務 の 関 係 を 考 え 民 主 主 義 の 本 質 についての 理 解 を 深 めてもらいます そして 民 主 的 な 国 家 社 会 の 形 成 者 としての 自 覚 を 促 し 社 会 的 責 任 や 義 務 を 果 たそうとする 意 識 を 持 ってもらい 社 会 生 活 において 多 面 的 に 考 え 公 正 に 判 断 する 力 を 育 み 国 民 主 権 を 担 う 国 民 として 積 極 的 に 社 会 参 画 する 重 要 性 を 理 解 してもらいましょう テーマⅠ 税 金 の 意 義 無 人 島 に 一 人 で 生 きるのであれば 税 金 は 必 要 のないものです しかし 人 は 一 人 では 生 きられません 社 会 の 中 みんなと 生 きていくのであれば きまり は 必 要 であり み んなが 幸 せになれる 社 会 にしていくため みんなで 支 える 仕 組 み が 必 要 となります 税 金 は その 最 たるものです
しかし 生 徒 の 多 くは 税 は 自 分 たちの 生 活 に 必 要 なもの とは 思 って いません まずはそのネガティブなイメージを 払 拭 して 税 は 自 分 たちのために あり 自 分 たちで 支 えていくもの ということを 理 解 してもらいましょ う 税 金 の 身 近 な 使 途 税 金 が 使 われているところを 身 近 なところから 知 ってもらいましょう このほか 国 際 協 力 や 防 衛 科 学 振 興 などにも 使 われていること に 触 れることで これだけではないんだ と 生 徒 のイメージを 膨 らま せる 工 夫 をしてください 時 間 に 余 裕 があれば このほかにも みんなの 周 りで 税 金 が 使 われてい るところは たくさんあります 思 いついた 人 手 を 挙 げてみて! な どと 生 徒 に 考 えてもらって 挙 手 を 求 めるのもいいと 思 います 税 の 意 義 みんなが 豊 かに 健 康 に 文 化 的 に 安 心 して 暮 らすために 使 うも のであり 自 分 たちで 支 えていくものです 税 金 クイズ1 このあたりになると 生 徒 の 集 中 力 も 途 切 れてきます じゃんけんクイズをして 生 徒 に 体 を 動 かしてもらいましょう 体 を 動 かすことは 集 中 力 の 維 持 や 眠 気 覚 ましにも 効 果 的 です ところどころで ノビをしてもらうのもいいと 思 います
もしも 税 金 がなかったら 断 定 的 な 言 い 方 を 避 け かもしれない と 可 能 性 があるという 表 現 にし ています テーマⅠ 税 金 の 意 義 のまとめ 税 は 自 分 たちのためにあり 自 分 たちで 支 えていくもの ということ を 理 解 してもらえたかを 確 認 してください テーマの 最 後 では 必 ず 理 解 の 確 認 をしてください テーマⅡ 税 金 の 仕 組 み 税 を 通 して 社 会 を 考 えてもらうことが 目 的 です まずは なぜ 50 種 類 もの 税 目 があるのかを 疑 問 に 思 ってもらい その 答 えを 税 金 の 集 め 方 を 通 して 学 んでもらいます なぜ 50 種 類 もの 税 目 があるのか? と 生 徒 に 問 いかけると 参 加 体 験 型 の 授 業 であれば たくさんの 税 目 があれば たくさんの 税 金 が 集 められるから と 考 える 生 徒 もいるかもしれませんが 租 税 教 育 では 公 平 について 考 えてもらうため 50 種 類 もの 税 目 があるのは た くさんの 税 目 を 組 み 合 わせることで 立 場 や 意 見 の 違 いを 調 整 して 全 体 として できるだけ 公 平 な 負 担 を 実 現 させるための 仕 組 み であるこ とを 理 解 してもらいましょう 税 金 の 集 め 方 公 平 を 理 解 してもらうため 四 つのパターンに 分 けて 説 明 していき ます ポイント 次 のことを 生 徒 に 体 感 してもらいましょう 立 場 の 違 いにより 公 平 の 感 じ 方 が 異 なる こと 立 場 の 違 いから 生 じた 対 立 をどのように 合 意 にもっていく のかということ
参 加 体 験 型 の 授 業 であれば 生 徒 は 自 然 と 感 じていくことなので すが 講 義 型 の 授 業 形 式 であっても これらを 意 識 して 伝 えていくよ うにしましょう みんなから 同 じ 金 額 を 集 める 方 法 公 平 を 考 えるために まずは 平 等 を 例 にあげています 生 徒 の 多 くは 平 等 と 公 平 は 同 じことだと 思 っているため 平 等 と 公 平 の 違 いに 気 付 いてもらいましょう 特 定 の 人 だけが 負 担 する 方 法 このあとで 応 益 負 担 を 説 明 するためにあげています また 生 徒 に Aさんだけが 負 担 するなんて 不 公 平 だ と 思 ってもらう こともポイントです このあとの 説 明 で 特 定 の 人 だけが 負 担 する 税 金 として 固 定 資 産 税 や 自 動 車 税 などがあることを 知 ってもらうことで 驚 きを 覚 えても らうことも 一 つの 方 法 です みんなから 同 じ 率 で 集 める 方 法 このあとで 税 率 の 概 念 を 説 明 するためにあげています 負 担 能 力 に 応 じて 集 める 方 法 このあとの 解 説 で 累 進 課 税 の 概 念 を 知 ってもらうためにあげていま す
どれが 公 平 な 集 め 方? どれが 公 平 な 集 め 方 なのか? と 生 徒 に 問 いかけてください ここが 租 税 教 育 のキモの 部 分 です 税 を 題 材 にして 公 平 を 考 えてもらうことは 租 税 教 育 における 重 要 な 学 習 支 援 の 一 つです 公 平 にはいろいろな 考 え 方 があること 平 等 は 必 ずしも 公 平 ではないこと 公 平 は 不 公 平 と 背 中 合 わせにあること 立 場 が 変 われば 公 平 の 感 じ 方 も 変 わること これらについて 時 間 をかけてじっくり 考 えてもらいましょう それとともに AさんとCさんによる 対 立 が 合 意 になる 過 程 で 個 人 の 尊 厳 と 人 権 を 尊 重 する 大 切 さを 感 じてもらいましょう 重 ねて 言 いますが ここが 租 税 教 育 のキモの 部 分 です じっくり 時 間 をかけてください いろいろ 組 み 合 わせたら 公 平 かな? それぞれのパターンに 該 当 する 税 目 をあげていきますが 税 の 種 類 を 覚 えてもらうことが 目 的 ではありません それぞれの 税 目 の 性 質 を 簡 単 に 説 明 しながら いろいろな 公 平 があ ることを さらに 理 解 してもらいましょう 多 くの 税 目 は それぞれが 公 平 の 概 念 に 基 づき 制 定 されているものの 単 独 の1 税 目 だけでは 公 平 な 負 担 は 実 現 できません そこで いろいろ 組 み 合 わせることで 立 場 や 意 見 の 違 いを 調 整 して 全 体 として できるだけ 公 平 な 負 担 を 実 現 させる 仕 組 みとなっているこ とを 理 解 してもらいましょう 所 得 という 言 葉 は 生 徒 の 理 解 度 に 応 じて もうけ や 利 益 な どの 簡 単 な 言 葉 に 置 き 換 えてください
税 金 の 使 い 方 税 金 の 使 い 方 でも 公 平 という 言 葉 を 使 っています 公 平 に 使 う という 説 明 については 様 々な 意 見 があると 思 いますが 公 平 に 集 めて 公 平 に 使 う という 一 連 の 流 れのほうが 生 徒 は 理 解 しやすいと 考 え 使 用 しています みんなの 合 意 を 得 られる みんなが 納 得 する 使 い 方 という 意 味 で ここでは 使 っています 立 場 や 考 え 方 の 違 いにより 社 会 では 意 見 の 対 立 が 生 じます 限 られた 財 源 を 有 効 に 使 うという 命 題 について 公 平 に 考 えたうえで 合 意 に 導 くことの 大 切 さを 感 じてもらいましょう
税 金 から 見 た 民 主 主 義 税 金 は 法 律 であり 法 律 は 国 会 で 決 まる ということから 自 分 たち 国 民 の 意 志 で 決 めているのだと 確 認 してもらいます また 租 税 法 律 主 義 や 国 民 主 権 を 考 えてもらい 積 極 的 に 社 会 参 画 する 重 要 性 を 理 解 してもらいましょう 納 税 の 義 務 租 税 教 育 で 納 税 の 義 務 をどのように 解 説 するのかは とても 重 要 なこ とです 国 民 すべてに 納 税 の 義 務 を 負 わせているのではなく 法 律 の 定 めるとこ ろにより 納 税 の 義 務 を 負 うこと 民 主 主 義 を 保 持 するため 社 会 の 一 員 として 責 任 負 担 を 負 うことを 説 明 します 国 民 にはたくさんの 権 利 自 由 があり 権 利 自 由 を 主 張 するのであれ ば 責 任 負 担 を 負 わなければなりません 税 金 は 義 務 だから 納 めるというだけではなく 自 分 たちの 決 めたルール に 従 って みんなから 集 めて みんなのために 使 うのが 税 金 なのだと 理 解 してもらいましょう 自 由 権 利 と 責 任 義 務 の 関 係 を 広 い 視 野 から 正 しく 認 識 してもらえ るような 講 義 を 実 践 してください テーマⅢ 財 政 の 現 状 と 課 題 財 政 赤 字 少 子 化 等 の 現 在 の 日 本 が 抱 える 課 題 に 触 れながら 民 主 主 義 国 民 主 権 の 見 地 から 租 税 立 法 のあり 方 や 税 金 の 使 途 等 について 関 心 を 抱 き 公 正 な 判 断 力 を 備 えた 国 民 として 成 長 できるよう 生 徒 が 自 ら 考 え るきっかけを 作 ることを 目 的 とします
今 後 の 課 題 将 来 予 想 される 財 政 の 課 題 に 触 れるとともに 財 政 赤 字 を 解 消 するため にはどうしたらよいかを 考 えてもらいましょう 安 易 に 増 税 や 歳 出 削 減 をするのではなく 慎 重 に 考 えることが 大 事 であ ることを 伝 えましょう また 景 気 の 良 し 悪 しも 財 政 に 影 響 をあたえることを 理 解 してもらいま しょう 宿 題 社 会 を 支 える 一 員 であることを 自 覚 してもらい 様 々な 問 題 に 関 心 を 持 ち 自 身 のこととして 考 えるきっかけを 作 ってください 税 に 対 する 知 識 を 深 めてもらうと 同 時 に 税 を 題 材 にして 社 会 を 考 えて もらうことにより 公 平 について 考 え 民 主 主 義 の 理 解 を 深 め 積 極 的 に 社 会 参 画 する 自 覚 を 芽 生 えさせる このような 租 税 教 育 を 実 践 してください
税 理 士 の 仕 事 税 理 士 の 仕 事 の 説 明 は 最 初 の 自 己 紹 介 時 にする 場 合 も 多 いと 思 います が 申 告 納 税 制 度 の 説 明 後 の 方 が 理 解 しやすいことや 時 間 の 関 係 で 省 略 しやすいことを 考 慮 して 最 後 に 持 ってきています 最 初 に 説 明 する 場 合 は 入 れ 替 えて 使 用 してください 講 師 の 皆 様 へ 税 理 士 が 行 う 租 税 教 育 は 単 に 税 金 を 納 めましょう という 納 税 教 育 をするためではなく 税 を 通 して 社 会 を 考 え 民 主 主 義 全 般 に 関 す る 理 解 を 深 め 租 税 の 意 義 役 割 課 税 の 公 平 租 税 法 律 主 義 民 主 主 義 における 納 税 の 意 義 などを 理 解 してもらい 租 税 に 興 味 関 心 を 抱 い てもらうために 行 います 申 告 納 税 制 度 の 理 念 のもと 租 税 について 深 く 考 え 理 解 する 力 を 育 み 租 税 教 育 を 通 じて 国 民 一 人 一 人 が 社 会 のことを 考 え 租 税 立 法 のあり 方 や 税 金 の 使 途 等 について 公 正 な 判 断 力 を 備 えた 国 民 に 成 長 してもらう ことを 目 的 としていることを 忘 れないでください