新規文書1



Similar documents

図 表 1 1,000 万 円 以 上 高 額 レセプト ( 平 成 25 年 度 ) 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷

Microsoft Word - 2章.doc

Microsoft PowerPoint _GP向けGL_final

1章A_責了.indd

HIV感染防止マニュアル(出力用).indd

< F2D874491E682528FCD2091E DF C A2E>

監 修 北 辰 会 有 澤 総 合 病 院 内 科 大 八 木 秀 和 1 時 間 目 子 宮 内 膜 症 名 古 屋 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 産 婦 人 科 中 原 辰 夫 NAKAHARA Tatsuo 月 経 困 腎 難 不 を 全 訴 とはどのような えて 来 院 される

ひろっぱ355号2月Web用に.indd

5

各論_1章〜7章.indd

< F2D817995DB94AD D8691E6328D86817A96BE8DD78F91>

<96DA8E9F81698D8791CC A2E786C73>

<4D F736F F F696E74202D208D4C94A C BB38EBA814089FC95CF2E B8CDD8AB B83685D>

2 ペインクリニック ペインクリニック 科 に 関 しては 先 ずは 様 々な 痛 みの 症 例 を 正 確 に 診 断 できる 能 力 の 養 成 を 最 大 の 目 標 にします その 過 程 で 薬 物 療 法 神 経 ブロック( 超 音 波 透 視 下 を 含 む) Intervention

平成24年度 福島県患者調査の概況(厚生労働省大臣官房統計情報部人口動態・保健社会統計課 保健統計室:H )

Microsoft Word - 3大疾病保障特約付団体信用生命保険の概要_村上.docx

003-00個人の健康増進・疾病予防の推進のための所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

PowerPoint プレゼンテーション

10w.xdw

2 積 極 的 な 接 種 勧 奨 の 差 し 控 え 国 は 平 成 25 年 4 月 から 定 期 接 種 化 したが ワクチン 接 種 との 関 連 を 否 定 できない 持 続 的 な 痛 みなどの 症 状 が 接 種 後 に 見 られたことから 平 成 25 年 6 月 定 期 接 種 と

○医療用医薬品の使用上の注意記載要領について

5 月 19 日 5 新 生 児 の 呼 吸 障 害 GIO: 新 生 児 期 に 生 じる 呼 吸 障 害 の 病 態 の 特 徴 を 説 明 でき 胸 部 XPから 診 断 できる SBO: 1. 新 生 児 呼 吸 障 害 の 病 態 に 基 づく 症 状 の 特 徴 を 説 明 できる 2.

第 1 章 実 は, 鼻 炎 は 様 々 5 ハンノキとその 花 粉 図 6 6 アレルギー 性 鼻 炎 患 者 の 右 鼻 腔 内 の 写 真 11

母 子 医 療 対 策 費 462 (313,289) 国 4,479 1 不 妊 治 療 助 成 事 業 8,600 不 妊 治 療 費 用 の 一 部 を 助 成 し 経 済 的 負 担 の 軽 減 を 図 る 230, ,608 不 妊 治 療 費 の 増 加 による 増 額 分

044 多発血管炎性肉芽腫症

< F2D F97CC8EFB8F BE8DD78F9192CA926D>

診療行為コード

1.H26年エイズ発生動向年報ー概要

マニュアル 使 用 上 の 注 意 針 刺 し 切 創 皮 膚 粘 膜 曝 露 ( 事 象 ) 後 のHIV 感 染 を 防 止 するためには 事 象 発 生 後 できるだけ 早 く 抗 HIV 薬 の 服 用 を 開 始 する 必 要 がある 事 象 発 生 後 速 やかに 服 用 するために 医

Microsoft Word - 通知 _2_.doc

2) 効 果 の 高 い 治 療 薬 が 限 定 されているので 病 診 間 で 意 思 統 一 した 薬 物 治 療 を 行 いやすい 3) 薬 物 治 療 などの 効 果 が 緩 徐 であるので 長 期 の 通 院 が 必 要 である 4) 手 術 が 必 要 になる 場 合 でも 徐 々に 増

想 像 思 行 ず 消 毒 擦 む 薄 血 混 じ 滲 み ぶ 痂 ぶ 取 下 薄 来 経 験 沢 山 お 思 健 常 人 間 元 々 備 能 力 中 具 的 何 起 ょ 簡 単 説 明 ず 人 間 負 部 リ ン パ 球 血 小 板 マ ク ロ フ ァ ジ 悪 食 べ 集 死 溶 食 べ 清 浄

<4D F736F F D20836E E819592E88C5E B F944E82548C8E89FC90B3816A5F6A D28F57>

頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

( 医 療 機 器 の 性 能 及 び 機 能 ) 第 3 条 医 療 機 器 は 製 造 販 売 業 者 等 の 意 図 する 性 能 を 発 揮 できなければならず 医 療 機 器 としての 機 能 を 発 揮 できるよう 設 計 製 造 及 び 包 装 されなければならない 要 求 項 目 を

製 造 業 者 は 製 造 販 売 業 者 の 管 理 監 督 の 下 適 切 な 品 質 管 理 を 行 い 製 品 を 製 造 します なお 製 造 業 は 製 造 に 特 化 した 許 可 となっており 製 造 業 の 許 可 のみでは 製 品 を 市 場 に 出 荷 することはできま せん

デュアック 配 合 ゲル に 係 る 医 薬 品 リスク 管 理 計 画 書 (RMP)の 概 要 販 売 名 デュアック 配 合 ゲル 有 効 成 分 クリンダマイシンリン 酸 エステ ル 水 和 物 / 過 酸 化 ベンゾイル 製 造 販 売 業 者 株 式 会 社 ポーラファルマ 薬 効 分

目次

2-1膠原病.doc

Ⅶ 東 海 地 震 に 関 して 注 意 情 報 発 表 時 及 び 警 戒 宣 言 発 令 時 の 対 応 大 規 模 地 震 対 策 特 別 措 置 法 第 6 条 の 規 定 に 基 づき 本 県 の 東 海 地 震 に 係 る 地 震 防 災 対 策 強 化 地 域 において 東 海 地 震

5 月 25 日 2 口 腔 咽 頭 唾 液 腺 の 疾 患 2 GIO: 口 腔 咽 頭 唾 液 腺 の 疾 患 を 理 解 する SBO: 1. 急 性 慢 性 炎 症 性 疾 患 を 説 明 できる 2. 扁 桃 の 疾 患 を 説 明 できる 3. 病 巣 感 染 症 を 説 明 できる 4

Microsoft Word - nagekomi栃木県特定医療費(指定難病)支給認定申請手続きのご案内 - コピー


セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

我孫子市小規模水道条例

別紙3

5 月 27 日 4 子 宮 頸 癌 1 GIO: 子 宮 頸 癌 の 病 態 診 断 治 療 について 理 解 する SBO: 1. 子 宮 頸 癌 の 発 癌 のメカニズムや 発 癌 過 程 について 説 明 できる 2. 子 宮 頸 癌 および 前 癌 病 変 の 分 類 ついて 説 明 でき

17 外 国 人 看 護 師 候 補 者 就 労 研 修 支 援 18 看 護 職 員 の 就 労 環 境 改 善 運 動 推 進 特 別 20 歯 科 医 療 安 全 管 理 体 制 推 進 特 別 21 在 宅 歯 科 医 療 連 携 室 整 備 22 地 域 災 害 拠 点 病

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 135,600 円 185,800 円 222,900 円 261,900 円

(Microsoft Word _10\214\216\222\262\215\270\203\212\203\212\201[\203X_\215\305\217I\215e.doc)

untitled

人 間 ドックコース( 脳 検 査 がん 検 査 含 む) 298,000 円 / 税 込 その 他 肥 満 症 やせ 症 高 / 低 血 圧 近 視 乱 視 白 内 障 緑 内 障 網 膜 疾 患 外 部 の 音 を 遮 断 したブースで 音 を 聞 き 取 って 調 難 聴 腹 部 超 音 波

Microsoft Word - 5腎、膠原病内科 後期臨床研修プログラム、専門医養成

10 アムジェン デベロップメント 株 式 会 社 の 依 頼 による 血 小 板 減 少 症 患 者 を 対 象 とした AMG 531の 長 期 継 続 投 与 第 Ⅲ 11 エーザイ 株 式 会 社 の 依 頼 によるE5555の 第 Ⅱ 12 生 化 学 工 業 株 式 会 社 の 依 頼

< F31322D819B E93788B8B975E814592E888F58AC7979D>

< CF6955C976C8EAE DE82C28E73816A2E786C73>

公 営 企 業 職 員 の 状 況 1 水 道 事 業 1 職 員 給 与 費 の 状 況 ア 決 算 区 分 総 費 用 純 利 益 職 員 給 与 費 総 費 用 に 占 める ( 参 考 ) 職 員 給 与 費 比 率 22 年 度 の 総 費 用 に 占 A B B/A める 職 員 給 与

(2) 支 状 況 保 育 所 ( 定 員 60 人 以 上 ) 支 状 況 は 次 とおりです 1 総 入 構 成 比 は 割 合 が88.1% 活 動 外 入 が2.1% 特 別 入 が9.8%でした 2 構 成 比 は 運 営 費 入 が80.1% 経 常 経 費 補 助 金 入 が17.8%

Microsoft Word - conference

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

PowerPoint プレゼンテーション

図 2. 男 女 別 部 位 別 がん 死 亡 数 図 3. 胃 がんの 年 齢 階 級 別 がん 罹 患 率 推 移 ( 国 立 がん 研 究 センターがん 情 報 サービス) 男 女 ともに 60 歳 以 降 に 罹 患 率 が 上 がっており 女 性 は 30 年 前 と 比 べ 減 少 傾

失 によって 告 知 事 項 について 事 実 を 告 げずまたは 不 実 のことを 告 げたときは 共 済 契 約 者 に 対 する 書 面 による 通 知 をもって 共 済 契 約 を 解 除 することができます た だし 当 組 合 がその 事 実 を 知 りまたは 過 失 によってこれを 知

3 保 険 料 ( 掛 金 )を 納 めていること 原 則 として 初 診 日 月 前 々 月 まで 国 民 年 金 加 入 期 間 全 体 うち 3 分 2 以 上 きち んと 納 めている( 保 険 料 免 除 期 間 も 含 む)ことが 必 要 です 現 在 は 特 例 として 初 診 日 が

通 常 の 帝 王 切 開 術 において 胎 児 胎 盤 娩 出 後 は 急 速 な 子 宮 収 縮 により 胎 盤 剥 離 面 から の 出 血 に 対 する 生 理 的 な 止 血 作 用 が 働 く さらに 子 宮 収 縮 を 促 すため 術 中 は 子 宮 マッサー ジやオキシトシン プロス

<947A957A8E9197BF C E786C73>

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 135, , , , , ,600

アフターケア.indd

課 税 ベ ー ス の 拡 大 等 : - 租 税 特 別 措 置 の 見 直 し ( 後 掲 ) - 減 価 償 却 の 見 直 し ( 建 物 附 属 設 備 構 築 物 の 償 却 方 法 を 定 額 法 に 一 本 化 ) - 欠 損 金 繰 越 控 除 の 更 な る 見 直 し ( 大

1 資 料 編 我 が 国 の 人 口 の 推 移 厚 労 働 全 般 平 成 24 年 版 厚 労 働 白 書 5

1 検 討 経 過 及 び 目 的 について 平 成 2 4 年 12 月 に 調 布 市 立 小 学 校 で 発 生 し た 食 物 レ ル ギ ー 死 亡 事 故 を 踏 まえ, 調 布 市 で は, 食 物 レ ル ギ ー 事 故 の 再 発 防 止 に 向 け て 調 布 市 食 物 レルギ

ROTA:ロータブレター 件 数 期 間 中 の 実 施 件 数 (K548 算 定 件 数 ) CTO: 慢 性 完 全 閉 塞 件 数 PTA: 経 皮 的 末 梢 動 脈 形 成 術 件 数 期 間 中 の 実 施 件 数 (K616 算

( 減 免 の 根 拠 等 ) 第 1 条 こ の 要 綱 は, 地 方 税 法 第 条 の 規 定 に 基 づ く 市 税 条 例 第 6 9 条 の 2 の 規 定 を 根 拠 と す る 身 体 障 害 者 等 に 対 す る 軽 自 動 車 税 の 減 免 の 具 体 的 な 対

3 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 岐 阜 県 類 似 団 体 平 均 年 齢 平 均 給

○00表紙

(2) 特 別 障 害 給 付 金 国 民 年 金 に 任 意 加 入 していなかったことにより 障 害 基 礎 年 金 等 を 受 給 していない 障 がい 者 の 方 に 対 し 福 祉 的 措 置 として 給 付 金 の 支 給 を 行 う 制 度 です 支 給 対 象 者 平 成 3 年 3

平成24年度税制改正要望 公募結果 153. 不動産取得税

3 職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 ( ベース) 43.7 歳 32, , ,321

公表表紙

経 常 収 支 差 引 額 等 の 状 況 平 成 26 年 度 予 算 早 期 集 計 平 成 25 年 度 予 算 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 3,689 億 円 4,597 億 円 908 億 円 減 少 赤 字 組 合 数 1,114 組 合 1,180 組 合 66

Microsoft Word - 佐野市生活排水処理構想(案).doc

Microsoft Word 印刷ver 本編最終no1(黒字化) .doc

研修計画

大学と学生第545号ビジネスモデルからみた卒業生就職支援の課題_関西学院大学(澤谷 敏行)-JASSO

<4D F736F F F696E74202D2096F28DDC8E7489EF82C682CC98418C F8AE18E7793B182CC8D B8CDD8AB B83685D>

こうした 経 緯 を 踏 まえ 当 該 製 剤 の 供 給 が 安 定 するまでの 間 は これら 2 疾 患 の 適 応 が 認 められていない 下 記 2 の 免 疫 グロブリン 3 製 剤 が 使 用 された 場 合 であっても 診 療 報 酬 の 審 査 にあたり 柔 軟 な 対 応 がなさ

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 級 の 給 料 月 額 最 高 号 級 の 給 料 月 額 1 級 ( 単 位 : ) 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 9 級 1 級 135,6 185,8 222,9 261,

認 定 看 護 師 専 門 看 護 師 集 中 ケア 新 生 児 集 中 ケア A 呼 吸 ケアチーム 加 算 150 点 呼 吸 ケアチームの 設 置 救 急 看 護 小 児 救 急 看 護 慢 性 呼 吸 器 疾 患 看 護 急 性 重 症 患 者 看 護 A 247 認 知 症

仙台市のエイズ・性感染症の現状       資料4

4. 手 術 により 期 待 される 効 果 手 術 は 直 腸 癌 に 対 する 治 療 として 最 も 確 実 な 方 法 とされていますが これに よりすべての 直 腸 癌 が 治 癒 するわけではありません 肉 眼 的 にすべての 癌 が 取 り 除 けた 場 合 でも 目 には 見 えない

根 本 確 根 本 確 民 主 率 運 民 主 率 運 確 施 保 障 確 施 保 障 自 治 本 旨 現 資 自 治 本 旨 現 資 挙 管 挙 管 代 表 監 査 教 育 代 表 監 査 教 育 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部 市 町 村 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部

Microsoft Word - 10 H21田中睡眠と経過

第 3 回 肥 満 質 質 基 本 形 酸 質 胃 腸 酵 素 酸 分 解 小 腸 吸 収 血 中 注 入 酸 各 細 胞 質 材 料 使 不 要 質 分 解 再 利 用 糖 不 足 酸 肝 臓 窒 素 除 去 糖 生 成 源 低 血 糖 時 補 充 大 栄 養 素 脂 肪 炭 水 化 物 大 栄

血 清 気 管 ク ロ ア カ ス ワ ブ : 各 10 検 体 細 菌 検 査 心 肺 肝 脾 全 血 顔 面 腫 脹 部 皮 下 ス ワ ブ を 血 液 寒 天 DHL 寒 天 チ ョ コ レ ー ト 寒 天 に ス タ ン プ ~ 48 時 間 好 気 微 好 気 培 養 ウ イ

2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与

大学病院治験受託手順書

tokutei2-7.xls

3 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 (23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与 月 額


Transcription:

胸 痛, 呼 吸 困 難 の1 例 恵 寿 通 信 第 39 号 (2015.8.31. 発 行 ) 掲 載 2015 年 度 研 修 医 鈴 木 拓 馬 症 例 提 示 73 歳, 男 性 2013 年 1 月 急 性 骨 髄 性 白 血 病 発 症, 寛 解 導 入 化 学 療 法 (ダウノルビシン+シタラビン)にて 第 1 回 完 全 寛 解 に 至 るも,その 後 2 度 の 再 発 寛 解 を 繰 り 返 した 2015 年 1 月 3 度 目 の 寛 解 導 入 化 学 療 法 にて 高 度 骨 髄 抑 制 が 遷 延 し, 副 鼻 腔 眼 窩 内 アスペルギローマ 発 症, 左 室 駆 出 率 (LVEF)48%と 心 機 能 低 下 あり 以 後 の 地 固 め 療 法 を 断 念 輸 血 で 対 症 療 法 を 行 っていた 既 往 歴 心 筋 梗 塞 (2001 年 : 回 旋 枝 に PCI,2011 年 CAGで 狭 窄 病 変 なしを 確 認 ) 慢 性 心 不 全 慢 性 腎 不 全 高 血 圧 糖 尿 病 急 性 骨 髄 性 白 血 病 ( 第 4 期 完 全 寛 解 状 態 ) 薬 剤 歴 ベニジピン 錠 ( 先 発 コニール )4mg2 錠,エトドラク 錠 ( 先 発 ハイペン )100mg2 錠,ウルソデオキシコール 酸 錠 (ウルソ )100mg2 錠,フェキソフェナジン 塩 酸 塩 錠 ( 先 アレグラ )60mg2 錠,ネキシウムカプセル 20mg1C,フ ェブリク 錠 10mg1 錠,アバプロ 錠 100mg1 錠,ダイタリック 錠 ( 先 発 ダイアート )30mg1 錠, 含 嗽 用 ハチアズ レ 顆 粒 2g4 包,ブイフェンド 錠 200mg1 錠, 酸 化 マグネシウム 錠 (マグミット )500mg3 錠 現 病 歴 以 前 から 輸 血 療 法 を 受 けていたが,これまでは 問 題 なく 施 行 されていた ( 最 終 血 小 板 輸 血 ;2015/5/22, 最 終 赤 血 球 輸 血 ;2015/5/27) 2015/6/4 に 定 期 受 診 した 際, 血 小 板 減 少 を 指 摘 され, 同 日 濃 厚 血 小 板 血 漿 (PC)10 単 位 の 輸 血 を 施 行 1ml/min(60ml/hr)で 開 始 し15 分 後 初 期 副 作 用 の 出 現 がみられなかったため, 速 度 を 速 め5ml/min(300ml/hr) に 変 更 した その 後 問 題 なく 経 過 していたが, 輸 血 終 了 間 際 に 左 胸 部 ~ 心 窩 部 痛, 呼 吸 苦 を 訴 え,SpO2 低 下 も 見 られたた め 主 治 医 Callとなった 今 回 輸 血 経 過 中 に 嘔 気, 悪 寒, 皮 膚 掻 痒 感 などは 認 めていない 身 体 所 見 身 長 163.5cm, 体 重 61.2kg,BMI22.9 輸 血 開 始 時 :BT:35.5,P:84/ 分,BP:124/63mmHg,SpO2:98% 結 膜 貧 血 +, 黄 染 - 呼 吸 清 心 音 収 縮 期 雑 音 胸 部 症 状 発 症 時 : P:93/ 分,BP:140/77mmHg,SpO2:91% 呼 吸 両 側 前 胸 部 coarse crackles 聴 取 下 肢 把 握 痛 なし 顔 面 四 肢 に 明 らかな 紅 斑 を 認 めず 輸 血 中 の 突 然 の 胸 痛, 呼 吸 困 難, 酸 素 化 の 悪 化 ここまでの 経 過 で 何 が 鑑 別 に 挙 がりますか? Must Rule Out は 1 心 筋 梗 塞 既 往 歴, 危 険 因 子 ( 糖 尿 病 )あり,ECGや 採 血 ( 心 筋 逸 脱 酵 素 など)で 除 外 が 必 要 エコーで 壁 運 動 の 低 下 もみられる 2 肺 塞 栓 症 臨 床 症 状 的 にあり 得 る 採 血 (D-dimerなど) 造 影 CT で 確 認 3 気 胸 これも 臨 床 症 状 的 にはあり 得 る 胸 部 Xp CT で 4 大 動 脈 解 離 高 血 圧 の 既 往 あるが,コントロールは 良 好 可 能 性 としては 少 なそう 造 影 CT 5アナフィラキシー 症 状 は 合 致 するが, 紅 斑 などの 所 見 は 認 めないため 否 定 的 以 上 を 除 外 したら 輸 血 中 の 現 症 だから

6 輸 血 関 連 呼 吸 困 難 TRALI/TACO だけど 疾 患 の 発 生 頻 度 はかなり 低 いし,あり 得 るのか およその 鑑 別 疾 患 が 挙 がりました 次 に 何 をしましょう? 今 回 はバイタルを 安 定 させながら,ECG, 採 血, 胸 部 Xp, 単 純 造 影 CT, 心 エコーを 行 いました まずは ECG 今 回 前 回 ECGは, 洞 調 律,HR90, 右 軸 偏 位,wide QRS Wide QRS は 完 全 右 脚 ブロックによるものだと 考 えられます これは 以 前 の ECGでも 見 られました また, 明 らかな ST-T 変 化 は 見 られませんでしたが, 前 回 と 比 べて,V1~3 に Q 波,R 波 減 高 を 認 めています AMIの 可 能 性 もありますが,Q 波 もあるため 新 旧 どちらの 梗 塞 かはわかりません 次 に 胸 部 Xp です 今 回 前 回 前 回 と 比 べて,やや 心 拡 大 (CTR=0.68 0.72)と 両 側 肺 門 部 の 肺 血 管 陰 影 の 増 強 がみられます

気 胸 はなさそうです 採 血 では 2015/4/2 BNP 307.2pg/ml PC 輸 血 をしたので 血 小 板 数 は 上 がっています 肝 胆 道 系 酵 素 やや 高 いですが, 輸 血 前 と 比 べては 横 ばいです CPK,CK-MB,トロポニン-Tといった 心 筋 逸 脱 酵 素 の 上 昇 は 認 めておりませんので, 心 筋 梗 塞 はどうやら 考 え にくそうです またD-dimer 軽 度 上 昇 していますが, 肺 塞 栓 症 を 積 極 的 に 示 唆 するような 値 とは 言 えません この 中 で 最 も 目 を 引 くのは BNP の 上 昇 です 前 回 と 比 べて3 倍 にまで 上 昇 しています 単 純 CTでは, 両 側 肺 野 に 淡 い 浸 潤 影 を 認 めています 造 影 CT も 施 行 しましたが, 肺 血 管 陰 影 の 欠 損 なく, 肺 塞 栓 症 は 認 めませんでした また, 大 動 脈 解 離 の 所 見 もありませんでした 次 に 心 エコーを 行 いました 心 エコーでは, 心 不 全 があり,もともと 壁 運 動 低 下 があった 人 でしたが LVEF 48%( 前 回 と 変 化 なし),E/A1.34 RV 圧 =66.9mmHg( 前 回 は 38mmHg ) IVC:dilatation(22.6mm), 呼 吸 性 変 動 低 下 うっ 血 所 見 が 認 められます 以 上 の 結 果 を 踏 まえると 1 心 筋 梗 塞 は, 心 電 図 変 化 はあるものの,EFは 前 回 と 変 化 なく, 心 筋 逸 脱 酵 素 の 上 昇 もありませんでしたの で, 否 定 はできませんが 考 えにくいです その 他 の 疾 患 もこれまでの 検 査 では 否 定 的 です 今 回 の 症 例 では 酸 素 投 与 しつつ, 速 やかに1~5の 鑑 別 を 行 うことができました さらに,エコー 所 見 でうっ 血 所 見 がみられたことから 今 回 の 症 例 は 6 輸 血 関 連 呼 吸 困 難 TACOであったと 考 えられます そもそも TACO/TRALIとはなんでしょうか? 僕 も 初 耳 でしたので 調 べてみました

TACO(Transfusion Associated Circulatory Overload): 輸 血 関 連 循 環 負 荷 輸 血 に 伴 って 起 こる 循 環 負 荷 のための 心 不 全 TRALI(Transfusion Related Acute Lung Injury): 輸 血 関 連 急 性 肺 障 害 肺 毛 細 血 管 内 皮 細 胞 の 障 害 による 透 過 性 亢 進 に 伴 う 肺 障 害 この 二 つは 全 く 異 なる 病 態 によって 同 じような 臨 床 症 状 を 呈 します 共 通 の 症 状 は, 1) 新 しく 発 症 した 低 酸 素 血 症 2) 胸 部 Xpで 肺 うっ 血 を 伴 う 両 側 の 浸 潤 影 3) 輸 血 後 6 時 間 以 内 の 症 状 発 現 : 胸 痛, 呼 吸 困 難 など 同 じような 症 状 を 呈 しますが, 治 療 は 異 なります つまり 鑑 別 が 非 常 に 重 要 なのです 鑑 別 の 仕 方 は 下 のようなもの 特 に 赤 字 が 重 要 です http://www.uptodate.com/contents/transfusion-reactions-caused-by-chemical-and-physicalagents?source=search_result&search=taco&selectedtitle=1%7e22 もちろん 血 圧 上 昇 があるから TACO,してないからTRALI とは 一 概 には 言 えません 種 々の 所 見 を 見 て 総 合 的 に 判 断 します 今 回 のケースでは, 血 圧 の 軽 度 上 昇, 右 室 圧 の 上 昇,Fluid balance positive,bnpが1200までは 上 昇 し ていないですが 3 倍 上 昇 していることから,よりTACO が 疑 われました また, 実 際 にはエコー 後 すぐにラシ ックス 20mgiv を 施 行, 著 明 な 改 善 を 認 めたこともTACO を 示 唆 する 所 見 となりました では, 実 際 どのように 治 療 にあたるのか おおまかにいうと,TACOはvolume hyperの 状 態 なので 利 尿 薬 が 著 効 します 逆 にTRALIはvolume hypoの 状 態 のため 利 尿 薬 はむしろ 禁 忌 となります 特 効 薬 も 特 になく, 呼 吸 管 理 が 主 になります また,ステロイドの 使 用 も 行 われていますが,エビデンスは 明 らかではなくルーチンでの 積 極 的 使 用 は 推 奨 されていません また 慢 性 期 (TRALI 発 症 後 2 週 間 後 以 降 )でのステロイド 治 療 は 逆 によくないという 報 告 も あります 次 にどのようにしたら 防 ぐことができるのか, 予 防 です TACOの 場 合 循 環 負 荷 が 病 態 ですから, 予 防 としては 輸 血 速 度 を 緩 めることが 大 切 です 推 奨 される 速 度 は 2.0~2.5ml/kg/hrとされています また, 小 児 (3 歳 以 下 ), 高 齢 者 (60 歳 以 上 ), 心 機 能 が 低 下 している 患 者 では 特 に 注 意 が 必 要 で,1.0ml/kg/hr が 望 ましいとされています 実 際 の 輸 血 では,1ml/min で 開 始 し,15~20 分 後 に 5ml/min に 速 度 を 上 げて 行 うのが 標 準 的 です 理 由 は もし 仮 に 異 型 輸 血 となっている 場 合 であっても 20~30ml の 異 型 輸 血 で 診 断 できれば 救 命 可 能 だからです 今 回 のケースでは 1ml/min( 約 1ml/kg/hr)で 開 始 し,20 分 後 5ml/min( 約 5ml/kg/hr)に 速 めています 標 準 的 な 輸 血 速 度 ですが, 心 機 能 がもともと 悪 いことを 考 えると 少 し 早 すぎたのかもしれません 一 方 TRALI の 場 合 は 一 種 の 免 疫 反 応 のため, 反 応 を 起 こしうる 危 険 因 子 を 除 外 することがメインとなりま す 患 者 側 の 危 険 因 子 : 敗 血 症,アルコール 中 毒

製 剤 側 の 危 険 因 子 : 血 漿 を 多 く 含 む 製 剤, 女 性 ドナーからの 血 漿 製 剤,ドナーの 妊 娠 回 数 HLA classⅡ 抗 体 陽 性 の 製 剤, 顆 粒 球 抗 体 陽 性 の 製 剤 など 一 瞬 ピンとこないかもしれませんが,HLA classⅡ 抗 体 は 女 性 ドナーから 採 取 した 血 漿 製 剤 に 陽 性 が 多 く,ま た 妊 娠 回 数 によって 陽 性 率 が 上 昇 するという 報 告 があります したがって 予 防 としては, 血 小 板 輸 血 (PC)や 新 鮮 凍 結 血 漿 (FFP)では 男 性 献 血 者 の 製 剤 を 用 いる 女 性 の 血 漿 を 用 いる 場 合 は 洗 浄 血 小 板 や 洗 浄 赤 血 球 を 用 いる 血 漿 中 のHLA 抗 体 を 検 査 する 一 度 TRALIを 起 こしたドナーの 製 剤 は 使 用 しない などの 対 策 が 重 要 となってきます 今 回 の 症 例 は 血 小 板 輸 血 中 に 発 症 したTACOでしたが,いままでに 何 度 か, 今 回 と 同 じように 輸 血 を 行 って いるにも 関 わらず,その 時 は TACOは 発 症 しませんでした また, 一 般 的 な 点 滴 をするとき, 今 回 発 症 するき っかけとなった 5ml/minよりも 速 い 速 度 で 入 れていることが 多 いです ではなぜ 今 回 TACO が 発 症 したのか?それは TACO が 単 なる 循 環 負 荷 だけでなく,なんらかの 免 疫 学 的 機 序 も 重 なって 発 生 しているからだと 考 えられます TRALIやTACO の 発 症 率 は 低 いですが,TRALI の 致 死 率 は15% 前 後 にも 上 る 緊 急 性 の 高 い 疾 患 です 将 来 輸 血 を 行 う 機 会 は 幾 度 となくあると 思 いますが,このようなまれだが 致 死 的 になりうる 疾 患 を 経 験 でき たことは 大 変 貴 重 な 機 会 でした