Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism < 参 考 資 料 >
指 針 参 考 資 料 1 住 宅 に 関 する 価 格 評 価 手 法 戸 建 て 物 件 種 別 建 物 ( 新 築 中 古 ) 土 地 マンション( 新 築 中 古 ) 主 な 評 価 方 法 原 価 法 取 引 事 例 比 較 法 取 引 事 例 比 較 法 戸 建 て 住 宅 の 場 合 は 売 買 時 や 担 保 評 価 時 において 構 造 毎 の 建 築 単 価 や 耐 用 年 数 に 応 じた 原 価 法 ( 木 造 の 場 合 の 耐 用 年 数 22 年 等 )を 用 いる 場 合 が 多 い 中 小 宅 建 業 者 の 場 合 は 周 辺 の 成 約 事 例 や 売 り 出 し 価 格 等 を 個 別 に 蓄 積 しており これらを 参 考 に 自 社 で 価 格 を 推 定 している 場 合 や 公 示 価 格 路 線 価 等 公 的 評 価 を 参 考 に 推 定 している 場 合 が 多 い リフォームによる 物 件 価 値 の 向 上 を 客 観 的 に 評 価 する 指 標 手 法 に 乏 しいため リフォームによる 価 値 向 上 を 評 価 し ないことが 多 い ( 増 築 増 床 は 原 価 法 により 評 価 額 を 算 出 する 場 合 もある ) 売 買 担 保 における 価 格 評 価 手 法 の 現 状 ( 中 古 住 宅 の 流 通 促 進 活 用 に 関 する 研 究 会 における 不 動 産 業 者 14 社 金 融 5 社 等 に 対 するヒアリングに 基 づく) 1
指 針 参 考 資 料 2 中 古 住 宅 の 建 物 評 価 の 実 態 1 中 古 住 宅 流 通 促 進 活 用 に 関 する 研 究 会 参 考 資 料 より 作 成 宅 建 業 者 による 中 古 戸 建 住 宅 の 評 価 実 務 においては 比 較 的 簡 便 な 手 法 により 求 められた 再 調 達 原 価 を 基 に 建 物 の 想 定 上 の 耐 用 年 数 から 実 際 の 経 過 年 数 を 踏 まえて 一 律 に 経 年 減 価 する 形 で 価 格 を 計 算 (マンションは 取 引 事 例 比 較 法 ) 耐 用 年 数 の 設 定 においては 木 造 住 宅 の 場 合 他 に 根 拠 がないため 税 法 に 基 づく 財 務 省 令 上 の 耐 用 年 数 である22 年 等 を 参 考 にせざるを 得 ず 20~ 25 年 の 経 済 的 耐 用 年 数 が 設 定 される 適 確 にリフォームが 行 われても リフォームによる 物 件 価 値 の 向 上 を 客 観 的 に 評 価 する 基 準 手 法 が 確 立 されていないため リフォームが 市 場 価 値 の 上 昇 を 伴 わないことが 多 い 宅 建 業 者 向 けの 価 格 査 定 マニュアル においては 一 律 の 経 年 減 価 を 行 う 手 法 を2002 年 から 改 め 部 材 ごとの 耐 用 年 数 設 定 を 行 う 計 算 ソフトを 配 布 しているものの 必 ずしも 取 引 実 務 一 般 には 普 及 していない 経 年 減 価 の 計 算 方 法 ( 鑑 定 評 価 ( 原 価 法 ) 金 融 実 務 共 通 ) 建 物 の 減 価 額 = 再 調 達 原 価 経 過 年 数 耐 用 年 数 実 務 では 木 造 住 宅 について20 ~25 年 を 設 定 耐 用 年 数 (20 年 )を 想 定 した 経 年 減 価 の 計 算 建 物 の 残 存 価 値 減 価 額 実 務 上 の 取 扱 鑑 定 評 価 基 準 においては 減 価 修 正 の 方 法 として 耐 用 年 数 に 基 づく 方 法 と 観 察 減 価 法 を 併 用 することとされており その 際 経 済 的 残 存 耐 用 年 数 に 重 点 を 置 くべきとされているが 鑑 定 実 務 においては 経 済 的 残 存 耐 用 年 数 を 導 き 出 す 判 断 材 料 がなく 耐 用 年 数 と 経 過 年 数 の 関 係 から 残 価 率 を 設 定 する ことが 多 い その 際 に 参 考 にするのが 税 法 上 の 耐 用 年 数 である22 年 であり 鑑 定 士 の 判 断 で20 年 又 は25 年 と 設 定 するのが 一 般 的 ( 青 山 リアルティ- アドバイザーズ からのヒアリングに 基 づく) 金 融 機 関 の 担 保 評 価 実 務 においては 残 存 価 値 を 耐 用 年 数 と 経 過 年 数 の 関 係 から 直 線 的 に 求 める 方 式 が 一 般 的 であり 多 くの 金 融 機 関 で20 年 を 採 用 しているほか 一 部 の 金 融 機 関 では25 年 というところもあると 聞 いている そ れ 以 上 というのは 聞 いたことがない ( 東 京 カンテイ からのヒアリングに 基 づく) 一 方 で 以 下 のような 実 例 もある 一 部 の 企 業 では 履 歴 情 報 が 整 っている メンテナンスが 十 分 に 行 わ れている 等 の 住 宅 につき 一 定 の 増 価 ( 1)を 評 価 するほか スケル トンとインフィルの 部 分 別 に 異 なる 耐 用 年 数 を 設 定 し 経 年 の 減 価 を 評 価 ( 例 : 優 良 ストック 住 宅 推 進 協 議 会 スムストック 査 定 方 式 ) 一 部 の 金 融 機 関 では 経 年 による 減 価 を 一 律 に 適 用 するだけでは 適 切 な 建 物 評 価 が 得 られない 場 合 があることから 使 用 状 況 維 持 管 理 状 況 修 繕 リフォーム 状 況 等 を 売 買 契 約 書 重 要 事 項 説 明 書 等 で 確 認 し 必 要 に 応 じて 個 別 修 正 ( 2)する 例 がある ( 1)リフォーム 業 者 が 大 手 で 信 頼 できる 場 合 等 に 増 価 する 等 ( 2) 物 件 に 法 令 上 の 制 約 がある 場 合 等 に 重 要 事 項 説 明 書 等 で 確 認 して 減 価 2
指 針 参 考 資 料 2 中 古 住 宅 の 建 物 評 価 の 実 態 2 不 動 産 査 定 システムについて ( 株 ) 東 京 カンテイが 提 供 する 評 価 システムであり 主 として 宅 地 建 物 取 引 業 者 向 けと 金 融 機 関 向 けの2つのシステムがある < 特 徴 > 宅 地 建 物 取 引 業 者 向 けのシステムは 木 造 住 宅 の 場 合 総 耐 用 年 数 の 初 期 値 は20 年 となっているが 必 要 に 応 じて 変 更 が 可 能 建 替 えに 近 い 増 改 築 を 実 施 した 場 合 には 住 宅 全 体 の 経 過 年 数 をリセットする 仕 組 みがある また 一 部 増 築 等 の 場 合 には 既 存 部 分 と 増 築 等 部 分 を 床 面 積 で 区 分 して 算 定 合 算 する 方 法 で 評 価 可 能 ただし 構 成 部 位 別 の 耐 用 年 数 の 設 定 にはなっていない 再 調 達 原 価 は 都 道 府 県 別 構 造 別 品 等 別 に 設 定 されている 不 動 産 査 定 システムの 操 作 画 面 ( 宅 地 建 物 取 引 業 者 向 け) ( 東 京 カンテイ) 建 物 評 価 額 = 再 調 達 原 価 残 存 耐 用 年 数 (1- 残 価 率 )+ 残 価 率 1 + 観 察 増 + 総 耐 用 年 数 減 価 率 その 他 の 増 減 価 率 3
指 針 参 考 資 料 2 中 古 住 宅 の 建 物 評 価 の 実 態 3 土 地 建 物 評 価 システムについて ( 株 )タスが 提 供 するマップデータを 活 用 した 評 価 システムで 利 用 者 の 大 半 は 宅 地 建 物 取 引 業 者 及 び 金 融 機 関 である < 特 徴 > 建 物 の 評 価 では 木 造 住 宅 の 場 合 耐 用 年 数 の 初 期 値 は20 年 となっているが 必 要 に 応 じて 変 更 が 可 能 残 価 率 はゼロの 設 定 評 価 レポートをエクセル 形 式 でダウンロード 可 能 であり 躯 体 や 設 備 等 に 区 分 して 算 定 合 算 する 方 法 で 評 価 可 能 ただし 決 まった 手 法 や 構 成 部 位 別 の 耐 用 年 数 再 調 達 原 価 の 設 定 等 はなく 利 用 者 の 裁 量 工 夫 による 再 調 達 原 価 は 全 国 一 律 に 構 造 別 に 定 められているが 必 要 に 応 じて 変 更 可 能 土 地 建 物 評 価 システムの 操 作 画 面 ( タス) 初 期 値 としての 再 調 達 原 価 ( 単 価 ) 及 び 耐 用 年 数 建 物 評 価 額 の 算 定 式 建 物 評 価 額 = 再 調 達 原 価 残 存 耐 用 年 数 耐 用 年 数 4
指 針 参 考 資 料 3 中 古 住 宅 の 流 通 の 実 態 中 古 住 宅 流 通 促 進 活 用 に 関 する 研 究 会 参 考 資 料 より 中 古 住 宅 ( 戸 建 マンション)の 流 通 において 築 30 年 以 上 等 の 住 宅 の 割 合 は 顕 著 に 増 大 中 古 戸 建 を 購 入 し 入 居 した 世 帯 の 住 宅 の 築 年 数 2008 22.1% 27.2% 26.6% 17.2% 6.8% 24.0% 1998 20.3% 38.4% 30.7% 6.9% 3.7% 10.6% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 築 0~7 築 8~17 築 18~27 築 28~37 築 38~ 2008 1998 17.5% 16.5% 中 古 マンションを 購 入 し 入 居 した 世 帯 の 住 宅 の 築 年 数 34.4% 48.4% 26.5% 30.6% 19.2% 21.6% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 4.3% 2.4% 4.5% 0.2% 出 典 : 住 宅 土 地 統 計 調 査 築 0~7 築 8~17 築 18~27 築 28~37 築 38~ 5
指 針 参 考 資 料 4 戸 建 賃 貸 住 宅 市 場 における 築 年 数 の 実 態 中 古 住 宅 流 通 促 進 活 用 に 関 する 研 究 会 参 考 資 料 より 首 都 圏 レインズに 登 録 されている 戸 建 賃 貸 住 宅 では 築 30 年 以 上 の 物 件 が 占 める 割 合 が 増 加 し 近 年 では 戸 建 賃 貸 住 宅 全 体 の1/4 程 度 築 年 数 が20 年 を 大 きく 超 える 戸 建 住 宅 も 収 益 を 生 む 物 件 として 賃 貸 住 宅 市 場 で 貸 し 出 されている 1992 年 ~2002 年 2003 年 ~2007 年 2008 年 ~2013 年 4 月 5% 1% 3% 7% 23% 38% 15% 24% 17% 28% 25% 33% 33% 23% 25% < 年 平 均 成 約 件 数 割 合 ( 注 )> 築 年 数 1992 年 ~2002 年 2003 年 ~2007 年 2008 年 ~2013 年 4 月 ~9 年 10~19 年 20~29 年 30~39 年 40 年 以 上 38% 33% 23% 5% 1% ( 注 ): 築 年 数 情 報 が 登 録 されている 物 件 による 成 約 件 数 のみを 計 上 24% 28% 33% 25% 25% 23% 約 6% 15% 17% 約 18% 3% 7% 約 24% 6 出 典 :( 公 財 ) 東 日 本 不 動 産 流 通 機 構
指 針 参 考 資 料 5 建 物 の 平 均 寿 命 について < 建 物 の 平 均 寿 命 に 係 る 既 往 研 究 > 工 学 院 大 学 吉 田 教 授 早 稲 田 大 学 小 松 教 授 らは 木 造 住 宅 はじめ 各 種 用 途 構 造 の 建 物 について 固 定 資 産 台 帳 の 滅 失 データを 基 に 区 間 残 存 率 推 計 法 ( 注 )を 活 用 し 家 屋 の 平 均 寿 命 ( 残 存 率 が50%となる 期 間 )に 係 る 調 査 研 究 成 果 を 発 表 し ている 小 松 教 授 が2011 年 10 月 ~11 月 に 実 施 した 最 新 の 研 究 成 果 によれば 木 造 家 屋 について 専 用 住 宅 の 平 均 寿 命 は65.03 年 と いう 結 果 となっており 1997 年 調 査 の43.53 年 から 年 数 が 伸 びている ( 下 右 図 参 照 ) この 平 均 寿 命 の 算 定 には 経 済 的 な 要 因 等 物 理 的 に 使 用 可 能 であっても 取 り 壊 された 家 屋 が 滅 失 データとして 含 まれる 一 方 使 用 可 能 な 状 態 であっても 空 家 のまま 取 り 壊 されていない 家 屋 は 残 存 している 住 宅 として 計 上 されている ( 注 ) 区 間 残 存 率 推 計 法 とは 調 査 時 点 における 新 築 年 次 別 の 現 存 棟 数 と 除 却 棟 数 から 建 築 の 年 齢 別 の 生 存 確 率 を 計 算 し 残 存 率 曲 線 を 求 め る 方 法 をいう 平 均 寿 命 の 過 去 の 調 査 結 果 との 比 較 用 途 2011 年 調 査 2006 年 調 査 1997 年 調 査 木 造 専 用 住 宅 65.03 年 54.00 年 43.53 年 出 典 : 論 文 建 物 の 平 均 寿 命 実 態 調 査 (2013 年 1 月 ) 早 稲 田 大 学 小 松 幸 夫 出 典 : 建 築 寿 命 の 推 定 早 稲 田 大 学 小 松 幸 夫 建 築 雑 誌 2002 年 10 月 号 (vol.117 no.1494) 掲 載 7
指 針 参 考 資 料 6 躯 体 の 劣 化 要 因 について( 木 造 ) 木 造 住 宅 が 限 界 状 態 に 至 る 主 な 原 因 は 腐 朽 菌 による 腐 朽 やシロアリによる 蟻 害 などの 生 物 劣 化 である なお 生 物 劣 化 は シロアリや 腐 朽 菌 が 生 育 活 動 を 行 うことによって 発 生 する 現 象 であり その 生 育 に 必 要 な 条 件 とは 酸 素 栄 養 温 度 水 分 の4 条 件 である この 規 準 では 水 分 をコントロールするための 措 置 や 木 材 を 非 栄 養 源 化 する 防 腐 防 蟻 措 置 等 を 採 り 上 げている 出 典 : 住 宅 性 能 表 示 制 度 日 本 住 宅 性 能 表 示 基 準 評 価 方 法 規 準 技 術 解 説 ( 新 築 住 宅 )2010 (2010 年 / 工 学 図 書 株 式 会 社 監 修 : 国 土 交 通 省 住 宅 局 住 宅 生 産 課 国 土 交 通 省 国 土 技 術 政 策 総 合 研 究 所 独 立 行 政 法 人 建 築 研 究 所 ) 様 々な 劣 化 現 象 のうち 木 材 の 生 物 劣 化 は 特 異 な 性 質 を 示 し 必 ずしも 経 年 とともに 不 可 避 的 に 生 じるものではないことは 伝 統 木 造 建 築 の 例 を 見 れば 明 らかでしょう 腐 朽 や 蟻 害 が 生 じ る 環 境 すなわち 実 際 上 は 水 分 環 境 が 整 った 後 に 初 めて 劣 化 が 発 生 することになります ( 略 ) 一 方 在 来 軸 組 構 法 や 枠 組 壁 工 法 あるいは 木 質 パネル 構 法 などの 現 代 木 質 住 宅 構 法 に 典 型 的 な 密 閉 型 としての 大 壁 構 造 では 図 2-2-10に 示 すように 仕 上 げ 下 地 による 保 護 システムが 機 能 している 一 定 時 間 は 問 題 ありませんが 保 護 システムの 経 年 劣 化 故 障 瑕 疵 あるいは 想 定 以 上 の 負 荷 がかかり 内 部 に 水 分 が 入 ると 腐 朽 を 中 心 とした 生 物 劣 化 が 進 む 環 境 が 継 続 的 に 形 成 されやすくなります 出 典 : 実 務 者 のための 住 宅 の 腐 朽 虫 害 の 診 断 マニュアル( 改 訂 版 ) ( 公 益 社 団 法 人 日 本 木 材 保 存 協 会 ) 躯 体 に 係 る 主 なリフォーム 工 事 土 台 の 交 換 大 引 きの 交 換 梁 の 交 換 柱 の 交 換 耐 力 壁 ( 筋 かい)の 新 設 棟 木 又 は 垂 木 の 交 換 主 なリフォーム 工 事 概 要 外 壁 を 撤 去 して 腐 朽 等 した 土 台 の 不 具 合 箇 所 を 交 換 する 腐 朽 した 大 引 きの 一 部 を 交 換 する たわみ 腐 り あばれ 等 の 生 じた 梁 を 取 り 外 し 必 要 な 断 面 材 種 の 新 規 の 梁 と 交 換 する 梁 をジャッキアップしてたわんだ 柱 を 新 しい 柱 に 取 り 替 える 内 外 装 材 を 撤 去 し 柱 や 梁 等 の 倒 れ 出 入 り 水 平 度 曲 がり 等 を 修 正 したうえで 耐 力 壁 ( 筋 かい)を 新 設 し 内 外 装 仕 上 材 を 復 旧 する 屋 根 仕 上 げ 材 下 地 材 を 撤 去 のうえ 棟 木 又 は 垂 木 を 交 換 し 下 地 材 を 再 施 工 し 屋 根 仕 上 げを 行 う ( 資 料 ) 住 宅 の 調 査 と 補 修 住 宅 紛 争 処 理 技 術 関 連 資 料 集 (( 公 益 社 団 法 人 ) 住 宅 リフォーム 紛 争 処 理 支 援 センター) 8
指 針 参 考 資 料 7 躯 体 の 劣 化 要 因 について( 鉄 筋 コンクリート 造 ) 鉄 筋 コンクリート 造 等 の 住 宅 においては 中 性 化 の 進 行 により 鉄 筋 が 腐 食 し コンクリートの 剥 離 剥 落 を 生 ずるという 劣 化 過 程 を 想 定 する 出 典 : 住 宅 性 能 表 示 制 度 日 本 住 宅 性 能 表 示 基 準 評 価 方 法 規 準 技 術 解 説 ( 新 築 住 宅 )2010 (2010 年 / 工 学 図 書 株 式 会 社 監 修 : 国 土 交 通 省 住 宅 局 住 宅 生 産 課 国 土 交 通 省 国 土 技 術 政 策 総 合 研 究 所 独 立 行 政 法 人 建 築 研 究 所 ) 鉄 筋 コンクリート 造 の 構 造 体 および 部 材 の 構 造 安 全 性 に 最 も 影 響 する 劣 化 現 象 は 鉄 筋 の 腐 食 である 鉄 筋 は コンクリートの 中 性 化 や 塩 化 物 イオンの 拡 散 移 動 の 影 響 によって その 表 面 から 腐 食 し 始 め その 後 ある 程 度 腐 食 が 進 行 すると 鉄 筋 に 沿 ったひび 割 れがかぶりコンクリートに 発 生 する この 時 点 で 鉄 筋 とコンクリートの 付 着 耐 力 が 低 下 し 始 めるものの 鉄 筋 の 約 1~3% 程 度 の 断 面 積 が 腐 食 しているのみであり 梁 に 関 していえば 通 常 の 曲 げ 耐 力 にほと んど 変 化 が 認 められない 鉄 筋 の 断 面 積 が 一 様 に 当 初 の95~96% 程 度 ( 約 4~5%の 断 面 積 が 腐 食 )になるまでは 部 材 の 耐 力 に 大 きな 変 化 は 認 めら れないことはわかっている 鉄 筋 コンクリート 造 の 構 造 体 および 部 材 の 構 造 安 定 性 低 下 は 一 般 的 には 鉄 筋 の 腐 食 によって 決 定 される 品 質 のよい 材 料 を 用 い 入 念 に 施 工 された コンクリートは 特 殊 な 劣 化 作 用 にさらされない 限 り 中 性 化 による 鉄 筋 防 せい 性 能 の 低 下 が 主 たる 劣 化 現 象 である 出 典 : 建 築 工 事 標 準 仕 様 書 同 解 説 JASS5 鉄 筋 コンクリート 工 事 2009 (2009 年 / 一 般 社 団 法 人 日 本 建 築 学 会 ) 劣 化 メカニズム 事 例 :A 社 による 調 査 < 化 学 的 作 用 > 1 鉄 筋 の 腐 食 塩 害 中 性 化 による 防 錆 効 果 低 下 2コンクリートの 劣 化 アルカリ 骨 材 反 応 < 物 理 的 作 用 > 1 外 力 ( 地 震 風 荷 重 等 ) 2 乾 燥 収 縮 温 度 応 力 3 凍 結 融 解 錆 び ひ び 割 れ 断 面 付 損 着 傷 力 低 剥 下 離 構 造 耐 力 低 下 < 対 象 >: 築 9 年 6 月 ~ 築 25 年 6 月 のRC 造 住 宅 :24 物 件 ( 平 均 築 年 数 :17 年 8 月 ) < 手 法 >: 上 記 24 物 件 の 建 物 のコンクリートを 採 取 し コンクリートの 中 性 化 深 度 を 測 定 < 結 果 >: 測 定 の 結 果 許 容 深 度 を 超 えて 中 性 化 が 進 行 している 物 件 の 件 数 割 合 は 表 のとおり 時 点 ( 注 ) 許 容 深 度 を 超 えて 中 性 化 が 進 行 している 物 件 検 査 時 点 1 件 /24 件 (4%) 50 年 後 4 件 /24 件 (17%) 100 年 後 6 件 /24 件 (25%) 注 : 50 年 後 100 年 後 は 修 繕 等 を 行 わず 現 在 のスピードで 中 性 化 が 進 行 し た 場 合 強 度 に 問 題 が 生 じる 可 能 性 があるものを 予 測 した 数 値 である 9
指 針 参 考 資 料 8 米 国 の 固 定 資 産 税 評 価 鑑 定 評 価 における 住 宅 の 減 価 モデルについて ニュージャージー 州 の 固 定 資 産 税 評 価 マニュアルでは 建 物 の 部 類 ごとに effective age( )に 応 じた 減 価 率 が 設 定 されているが その 減 価 の 傾 きは 経 年 により 低 減 するモデルになっている(effective ageは 住 宅 全 体 のうちリフォームした 箇 所 の 加 重 平 均 から 算 出 ) 米 国 の 鑑 定 評 価 のマニュアルにおいても 同 様 に effective ageが 期 待 建 物 寿 命 を 経 過 した 後 も 一 定 の 価 値 が 残 ることになっている ニュージャージー 州 の 固 定 資 産 評 価 マニュアルにおける の 運 用 例 Residential Cost Handbook (Marshall & Swift) における の 運 用 例 期 待 建 物 寿 命 1 過 去 の 修 繕 の 状 況 から 実 質 的 経 過 年 数 を 把 握 ( 例 )5 年 前 に50%をリフォーム (Remodel)した 住 宅 の 築 50 年 時 点 のeffective ageは28 年 2それぞれの 住 宅 のグレード 毎 に 実 質 的 経 過 年 数 から 減 価 の 割 合 を 判 定 ( 例 )Table D-Ⅲの 住 宅 でeffective age28 年 の 場 合 の 減 価 は35% ( 出 典 ) Real Property Appraisal Manual for New Jersey Assessors 3rd Edition (issued by Property 建 物 部 類 (the building class) Administration - Local Property Table D-Ⅶ Branch, Division of Taxation - Table D-Ⅵ Department of the Treasury, State Table D-Ⅴ of New Jersey) Table D-Ⅳ 残 価 率 Table D-Ⅲ 100% Table D-Ⅱ 90% Table D-Ⅰ 80% Table D 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 1 7 13 19 25 31 37 43 49 55 61 67 73 79 実 質 的 経 過 年 数 残 価 率 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% ( 出 典 )Residential Cost Handbook (Marshall & Swift) 期 待 建 物 寿 命 70 60 55 45 40 35 30 25 20 1 7 13 19 25 31 37 43 49 55 61 67 73 10
指 針 参 考 資 料 9 について 米 国 の 鑑 定 評 価 手 法 としては 我 が 国 と 同 様 に 原 価 法 取 引 事 例 比 較 法 収 益 還 元 法 の 三 手 法 があるが 戸 建 住 宅 の 鑑 定 評 価 手 法 としては 実 務 上 中 心 となるのは 豊 富 な 取 引 事 例 から 価 格 を 導 出 する 取 引 事 例 比 較 法 であり 原 価 法 はその 次 に 位 置 づけられている 原 価 法 の 適 用 において 減 価 額 を 求 める 手 法 として 市 場 抽 出 法 耐 用 年 数 法 個 別 分 析 法 が 位 置 づけられており 実 務 上 最 も 多 用 さ れる 耐 用 年 数 法 においては 使 用 年 数 / 耐 用 年 数 の 関 係 に 基 づく 減 価 額 査 定 の 基 本 概 念 として (Effective age) の 概 念 が 活 用 されている 減 価 率 = 経 済 的 耐 用 年 数 資 料 : The Appraisal of Real Estate 14th edition この とは 建 物 の 劣 化 や 老 朽 化 に 対 し 改 修 を 加 えた 結 果 や 維 持 管 理 の 質 や 状 態 を 考 慮 に 入 れて 評 価 された その 建 物 の 実 態 を 反 映 する 経 過 年 数 であり 鑑 定 人 の 判 断 により 決 定 されるものである こうした あるいは 経 済 的 残 存 耐 用 年 数 の 導 出 は 現 在 では FHA(Federal Housing Administration: 連 邦 住 宅 局 )による 融 資 保 険 の 付 保 資 産 税 徴 収 のための 地 方 自 治 体 による 資 産 評 価 のほか 取 引 事 例 比 較 に 必 要 な 市 場 データが 十 分 に 得 られない 場 合 に 用 いら れる 概 念 的 な 共 通 性 があるものの それぞれの 具 体 的 手 法 は 自 治 体 や 鑑 定 士 によって 異 なることが 許 容 されている 建 物 建 築 時 経 済 的 残 存 耐 用 年 数 改 修 と 経 済 的 残 存 耐 用 年 数 との 概 念 1 通 常 の 維 持 管 理 建 物 新 築 時 評 価 時 点 経 済 的 残 存 耐 用 年 数 部 分 的 に 実 際 経 過 年 数 リセット( 新 設 はゼロ) 建 物 全 体 では の 短 縮 効 果 経 過 年 2 通 常 の 維 持 管 理 より 優 れる 場 合 経 済 的 残 存 耐 用 年 数 実 際 経 過 年 数 経 済 的 耐 用 年 数 物 理 的 耐 用 年 数 出 典 : Appraising Residential Properties fourth edition 3 通 常 の 維 持 管 理 より 劣 る 場 合 経 済 的 耐 用 年 数 経 済 的 残 存 耐 用 年 数 躯 体 等 の 建 物 の 根 幹 部 分 に 大 きな 支 障 がある 場 合 には 経 済 的 残 存 耐 用 年 数 =0 通 常 は 経 過 年 数 に 応 じて 一 定 の 修 復 が 行 われるため 実 際 経 過 年 数 が 長 くとも はそれより 短 くなる 傾 向 にある 各 部 位 が 新 築 時 の 水 準 ( 仕 様 )を 満 たしている 場 合 に 当 該 部 分 の 実 際 経 過 年 数 をゼロ 換 算 する 11
指 針 参 考 資 料 10 参 考 価 格 の 提 示 により 期 待 されるマーケットでの 効 果 (モデルケース) 築 年 数 :30 年 相 場 :1,500 万 円 ( 建 物 0 円 + 土 地 1,500 万 円 ) 新 たな 建 物 評 価 手 法 に 基 づき 算 出 される 参 考 価 格 2,400 万 円 程 度 ( 建 物 900 万 円 + 土 地 1,500 万 円 ) < 売 主 側 宅 建 業 者 > < 買 主 側 宅 建 業 者 > 従 来 の 相 場 では1,500 万 円 ですが 建 物 評 価 の 指 針 に 基 づいて 算 出 した 参 考 価 格 は2,400 万 円 と 出 ています 参 考 価 格 は2,400 万 円 と 出 たので 相 場 よ り 高 いけど 2,200 万 円 で 売 り 出 そう 成 約 価 格 :2,000 万 円 ( 建 物 500 万 円 + 土 地 1,500 万 円 ) 売 出 価 格 は2,200 万 円 ですが 参 考 価 格 では 2,400 万 円 の 価 値 がある 物 件 です 予 算 は2,000 万 円 なので より 高 い 参 考 価 格 が 付 い ている2,400 万 円 の 物 件 を2,000 万 円 で 買 おう < 売 主 > < 買 主 > 新 たな 建 物 評 価 手 法 に 基 づいて 算 出 される 参 考 価 格 も 視 野 に 入 れ ながら 売 り 値 買 い 値 の 交 渉 が 行 われる このケースでは 従 来 の 相 場 では0 円 となって しまう 建 物 の 価 格 が 成 約 価 格 では500 万 円 回 復 している 市 場 の 変 革 に 向 けた 課 題 新 たな 建 物 評 価 手 法 に 基 づいて 算 出 される 参 考 価 格 について 中 古 住 宅 取 引 における 活 用 のあり 方 を 検 討 するとともに その 算 出 方 法 について 客 観 性 の 確 保 統 一 的 ルールの 整 備 が 必 要 併 せて 消 費 者 が 誤 解 なく 理 解 できる 価 格 の 呼 称 について も 検 討 が 必 要 12
指 針 参 考 資 料 11 残 存 耐 用 年 数 の 我 が 国 の 市 場 における 活 用 案 例 : 住 宅 の 売 買 の 局 面 における の 活 用 案 < 従 来 > 売 主 物 件 X 築 25 年 リフォーム 実 施 済 み 円 買 主 築 年 数 と リフォーム 実 施 済 み の 情 報 だけでは 建 物 の 状 態 が 分 からない 建 物 の 状 態 を 示 す 指 標 があれば いいのに 建 物 の 状 態 を 示 す1つの 指 標 として 実 際 の 築 年 数 に 加 えて を 採 用 すると < が 市 場 に 定 着 した 場 合 > 売 主 物 件 X 築 25 年 10 年 円 買 主 インターネット 物 件 サイト 等 での 表 示 により 建 物 の 状 態 を 反 映 した が 近 いもの 同 士 で 物 件 の 比 較 ができる 物 件 A 築 40 年 10 年 円 物 件 B 築 25 年 25 年 円 水 回 りなどをリフォームしたけれど 買 う 人 はどう 見 てくれるかしら 築 年 数 は 異 なるが 建 物 の 状 態 が 近 い < 定 期 的 なリフォームを 実 施 > 築 年 数 は 近 いが 建 物 の 状 態 が 異 なる <リフォーム 未 実 施 > 13
指 針 参 考 資 料 12 既 存 住 宅 価 格 査 定 マニュアルについて 概 要 既 存 住 宅 価 格 査 定 マニュアル: 宅 建 業 者 が 売 り 出 し 価 格 について 意 見 を 述 べる 際 に その 根 拠 を 合 理 的 に 算 出 する 方 法 を 示 したもの ( 利 用 している 宅 建 業 者 の 割 合 は15.9%) 特 徴 既 存 住 宅 価 格 査 定 マニュアルのうち 戸 建 住 宅 に 係 る 査 定 マニュアルでは 原 価 法 を 採 用 (( 公 財 ) 不 動 産 流 通 近 代 化 センターが 作 成 ) 建 物 全 体 として 一 律 に 減 価 させるのではなく 住 宅 を 基 礎 躯 体 等 10 区 分 の 部 位 に 分 け 部 位 ごとに 設 定 した 耐 用 年 数 から 部 位 ごとの 現 価 率 を 求 め 建 物 全 体 の 現 価 率 を 求 める 仕 組 みとなっている 屋 根 外 壁 について 点 検 周 期 内 に 補 修 取 替 工 事 を 実 施 すると 現 価 率 は 上 がり 評 価 額 は 高 く 査 定 される 仕 組 みとなっている また その 他 の 部 位 ( 躯 体 ( 柱 ) 土 木 基 礎 以 外 )についてリフォームされた 場 合 には 内 装 設 備 調 整 率 にて 補 正 する 仕 組 みとなっている < 戸 建 住 宅 価 格 査 定 マニュアルにおける 査 定 の 概 要 > 建 物 価 格 の 現 価 率 ( 例 ) 戸 建 の 建 物 部 分 における 価 格 査 定 方 法 の 一 例 現 時 点 での 標 準 的 な 新 築 単 価 ( 万 円 /m2) 物 件 所 在 地 別 規 模 修 正 率 ( 延 床 面 積 が 標 準 より 大 きい 減 額 小 さい 増 額 ) 新 耐 震 基 準 適 合 性 ( 適 合 増 減 なし 不 適 合 減 額 ) 建 物 の 品 等 格 差 率 ( 使 用 部 材 のグレードを 評 価 高 級 / 標 準 / 一 般 ) 現 価 率 ( 部 位 ごとの 耐 用 年 数 に 応 じた 現 存 価 値 を 算 出 ) 内 装 設 備 調 整 率 (リフォームや 維 持 管 理 の 状 態 によって 加 点 減 点 ) 査 定 建 物 の 現 在 単 価 ( 万 円 /m2) 査 定 建 物 の 延 床 面 積 (m2) 住 宅 性 能 率 ( 住 宅 の 性 能 を 確 認 できる 図 書 書 類 等 があれば 加 点 ) 付 加 価 値 率 ( 住 宅 の 価 値 を 高 める 省 エネルギー 設 備 等 があれば 加 点 ) B 級 仕 様 の 部 位 別 耐 用 年 数 と 価 格 構 成 割 合 科 目 屋 根 外 壁 土 木 基 礎 躯 体 ( 柱 ) 開 口 部 内 装 ( 床 壁 天 井 収 納 ) 厨 房 浴 室 洗 面 所 トイレ 給 排 水 給 湯 設 備 照 明 器 具 電 気 設 備 冷 暖 房 点 検 耐 用 年 数 価 格 構 成 周 期 最 短 最 長 割 合 6 年 15 年 30 年 5.50% 3 年 15 年 20 年 35 年 40 年 15 年 20 年 15 年 15 年 15 年 5 年 8.50% 5.00% 16.50% 16.50% 17.50% 14.50% 7.00% 4.00% 5.00% 補 正 率 ( 建 物 の 外 観 や 施 工 状 況 間 取 りの 良 否 によって 加 点 減 点 ) 査 定 建 物 の 価 格 ( 万 円 ) 2011 年 度 価 格 査 定 マニュアルに 関 する 市 場 実 態 調 査 業 務 報 告 書 (( 公 財 ) 不 動 産 流 通 近 代 化 センター) 利 用 している 査 定 ツールについて( 総 回 答 者 数 :977 複 数 回 答 可 ) 回 答 数 % 1 周 辺 事 例 や 売 り 出 し 価 格 を 参 考 に 自 社 で 推 定 842 86.2 2 公 示 価 格 路 線 価 等 公 示 評 価 を 参 考 に 自 社 で 推 定 622 63.7 3 自 社 開 発 PCソフト 20 2.0 4 他 社 開 発 PCソフト 43 4.4 5 査 定 サービス 会 社 への 依 頼 37 3.8 6 不 動 産 流 通 近 代 化 センターの 価 格 査 定 マニュアル 155 15.9 7 その 他 33 3.4 14
指 針 参 考 資 料 13 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 の 改 正 に 向 けた 検 討 について1 (1) 再 調 達 原 価 を 求 める 方 法 について 再 調 達 原 価 : 対 象 不 動 産 を 価 格 時 点 において 再 調 達 することを 想 定 した 場 合 において 必 要 とされる 適 正 な 原 価 の 総 額 留 意 事 項 の 新 設 建 物 の 増 改 築 修 繕 模 様 替 等 は その 内 容 を 踏 まえ 再 調 達 原 価 の 査 定 に 適 切 に 反 映 させなければならない パブリックコメント 案 (2013 年 12 月 20 日 時 点 版 ) (2) 減 価 修 正 の 方 法 : 耐 用 年 数 に 基 づく 方 法 について 基 準 の 改 正 現 行 (2) 減 価 修 正 の 方 法 減 価 額 を 求 めるには 次 の 二 つの 方 法 があり 原 則 としてこれらを 併 用 するものと する 1 耐 用 年 数 に 基 づく 方 法 耐 用 年 数 に 基 づく 方 法 には 定 額 法 定 率 法 等 があるが これらのうちいずれの 方 法 を 用 いるかは 対 象 不 動 産 の 実 情 に 即 して 決 定 すべきである この 方 法 を 用 いる 場 合 には 経 過 年 数 よりも 経 済 的 残 存 耐 用 年 数 に 重 点 をおいて 判 断 すべきである なお 対 象 不 動 産 が 二 以 上 の 分 別 可 能 な 組 成 部 分 により 構 成 されていて それ ぞれの 耐 用 年 数 又 は 経 済 的 残 存 耐 用 年 数 が 異 なる 場 合 に これらをいかに 判 断 して 用 いるか また 耐 用 年 数 満 了 時 における 残 材 価 額 をいかにみるかについても 対 象 不 動 産 の 実 情 に 即 して 決 定 すべきである 改 正 案 (2) 減 価 修 正 の 方 法 減 価 額 を 求 めるには 次 の 二 つの 方 法 があり これらを 併 用 するものとする 1 耐 用 年 数 に 基 づく 方 法 耐 用 年 数 に 基 づく 方 法 は 対 象 不 動 産 の 価 格 時 点 における 経 過 年 数 及 び 経 済 的 残 存 耐 用 年 数 の 和 として 把 握 される 耐 用 年 数 を 基 礎 として 減 価 額 を 把 握 する 方 法 である 経 済 的 残 存 耐 用 年 数 とは 価 格 時 点 において 対 象 不 動 産 の 用 途 や 利 用 状 況 に 即 し 物 理 的 要 因 及 び 機 能 的 要 因 に 照 らした 劣 化 の 程 度 並 びに 経 済 的 要 因 に 照 らした 市 場 競 争 力 の 程 度 に 応 じてその 効 用 が 十 分 に 持 続 する と 考 えられる 期 間 をいい この 方 法 の 適 用 に 当 たり 特 に 重 視 されるべきもので ある 耐 用 年 数 に 基 づく 方 法 には 定 額 法 定 率 法 等 があるが これらのうちいず れの 方 法 を 用 いるかは 対 象 不 動 産 の 用 途 や 利 用 状 況 に 即 して 決 定 すべき である なお 対 象 不 動 産 が 二 以 上 の 分 別 可 能 な 組 成 部 分 により 構 成 されていて それぞれの 経 過 年 数 又 は 経 済 的 残 存 耐 用 年 数 が 異 なる 場 合 に これらをい かに 判 断 して 用 いるか また 耐 用 年 数 満 了 時 における 残 材 価 額 をいかにみ るかについても 対 象 不 動 産 の 実 情 に 即 して 決 定 すべきである 15
指 針 参 考 資 料 13 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 の 改 正 に 向 けた 検 討 について2 (3) 減 価 修 正 の 方 法 : 観 察 減 価 法 に 基 づく 方 法 について パブリックコメント 案 (2013 年 12 月 20 日 時 点 版 ) 基 準 の 改 正 現 行 2 観 察 減 価 法 観 察 減 価 法 は 対 象 不 動 産 について 設 計 設 備 等 の 機 能 性 維 持 管 理 の 状 態 補 修 の 状 況 付 近 の 環 境 との 適 合 の 状 態 等 各 減 価 の 要 因 の 実 態 を 調 査 することにより 減 価 額 を 直 接 求 める 方 法 である 改 正 案 2 観 察 減 価 法 観 察 減 価 法 は 対 象 不 動 産 について 設 計 設 備 等 の 機 能 性 維 持 管 理 の 状 態 補 修 の 状 況 付 近 の 環 境 との 適 合 の 状 態 等 各 減 価 の 要 因 の 実 態 を 調 査 することにより 減 価 額 を 直 接 求 める 方 法 であ る 観 察 減 価 法 の 適 用 においては 対 象 不 動 産 に 係 る 個 別 分 析 の 結 果 を 踏 まえた 代 替 競 争 等 の 関 係 にある 不 動 産 と 比 べた 優 劣 及 び 競 争 力 の 程 度 等 を 適 切 に 反 映 すべきである (4) 減 価 修 正 の 方 法 :その 他 留 意 事 項 留 意 事 項 の 新 設 2 減 価 修 正 の 方 法 について ア 対 象 不 動 産 が 建 物 及 びその 敷 地 である 場 合 において 土 地 及 び 建 物 の 再 調 達 減 価 についてそれぞれ 減 価 修 正 を 行 った 上 で さらにそれらを 加 算 した 額 について 減 価 修 正 を 行 う 場 合 があるが それらの 減 価 修 正 の 過 程 を 通 じて 同 一 の 減 価 の 要 因 について 重 複 して 考 慮 することのないよう 留 意 する べきである イ 耐 用 年 数 に 基 づく 方 法 及 び 観 察 減 価 法 を 適 用 する 場 合 においては 対 象 不 動 産 が 有 する 市 場 性 を 踏 まえ 特 に 建 物 の 増 改 築 修 繕 模 様 替 等 の 実 施 が 耐 用 年 数 及 び 減 価 の 要 因 に 与 える 影 響 の 程 度 について 留 意 しなければならない 16
指 針 参 考 資 料 14 中 古 住 宅 市 場 活 性 化 ラウンドテーブルの 概 要 趣 旨 目 的 中 古 住 宅 流 通 に 携 わる 民 間 事 業 者 等 のいわゆる 実 物 サイドと 金 融 機 関 などの 金 融 サイドが 自 由 で 率 直 な 意 見 交 換 を 通 じて 中 古 住 宅 市 場 の 活 性 化 や 拡 大 に 向 けた 基 本 的 方 向 や 取 組 課 題 を 共 有 することを 目 的 として 不 動 産 事 業 者 金 融 機 関 住 宅 金 融 支 援 機 構 等 の 中 古 住 宅 流 通 市 場 関 係 者 等 の 参 加 を 得 て 中 古 住 宅 市 場 活 性 化 ラ ウンドテーブル を 開 催 する 委 員 < 委 員 > 青 木 宏 之 ( 一 社 )JBN 会 長 池 田 重 人 ( 株 ) 常 陽 銀 行 営 業 推 進 部 担 当 部 長 兼 総 合 金 融 サービス 室 長 池 本 洋 一 ( 株 )リクルート 住 まいカンパニー SUUMO 編 集 長 上 野 宏 ( 一 社 ) 信 託 協 会 専 務 理 事 内 山 博 文 ( 一 社 )リノベーション 住 宅 推 進 協 議 会 熊 倉 隆 治 ( 公 社 ) 日 本 不 動 産 鑑 定 士 協 会 連 合 会 副 会 長 黒 岩 幹 夫 ( 一 社 ) 住 宅 リフォーム 推 進 協 議 会 監 事 環 境 整 備 委 員 会 委 員 長 河 村 正 人 ( 独 法 ) 住 宅 金 融 支 援 機 構 理 事 長 代 理 七 條 博 明 ( 株 ) 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 リテール 業 務 部 長 髙 木 伸 ( 一 社 ) 全 国 銀 行 協 会 常 務 理 事 髙 村 英 有 東 急 リバブル( 株 ) 取 締 役 執 行 役 員 統 括 部 長 谷 川 和 路 三 菱 UFJ 信 託 銀 行 ( 株 ) 経 営 企 画 部 協 会 担 当 部 長 中 林 昌 人 優 良 ストック 住 宅 推 進 協 議 会 代 表 幹 事 事 務 局 長 西 川 和 孝 近 畿 不 動 産 鑑 定 士 協 会 連 合 会 会 長 本 田 伸 孝 ( 株 ) 金 融 財 政 総 合 研 究 所 取 締 役 前 田 一 夫 ( 一 社 ) 住 宅 性 能 評 価 表 示 協 会 制 度 普 及 委 員 会 委 員 長 森 本 浩 ( 一 社 ) 全 国 サービサー 協 会 専 務 理 事 和 氣 猛 仁 ( 公 社 ) 全 国 宅 地 建 物 取 引 業 協 会 連 合 会 副 会 長 <オブザーバー> 金 融 庁 監 督 局 銀 行 第 一 課 < 事 務 局 > 国 土 交 通 省 住 宅 局 議 論 の 内 容 ( 予 定 ) (1) 中 古 住 宅 の 建 物 評 価 改 善 等 の 取 組 を 中 古 住 宅 流 通 市 場 と 金 融 市 場 に 定 着 さ せるための 方 策 1 今 後 策 定 予 定 の 新 たな 建 物 評 価 手 法 の 策 定 に 当 たって 必 要 な 改 善 点 2リフォーム 等 による 建 物 価 値 の 向 上 を 新 たな 建 物 評 価 手 法 に 反 映 させる 方 法 3 新 たな 建 物 評 価 手 法 におけるインスペクションの 活 用 方 策 (2) 高 齢 化 ストック 社 会 を 見 据 えた 中 古 住 宅 関 連 金 融 商 品 のあり 方 1 新 たな 建 物 評 価 手 法 の 導 入 等 を 踏 まえた 新 たな 金 融 商 品 の 可 能 性 2 戸 建 賃 貸 住 宅 市 場 の 拡 大 活 性 化 を 踏 まえた 金 融 ビジネス 拡 大 の 可 能 性 3リフォームローン リフォーム 一 体 型 ローンに 関 する 事 業 者 (リフォーム 業 者 金 融 機 関 ) 間 連 携 の 可 能 性 (3)その 他 ラウンドテーブル 参 加 者 が 提 起 する 取 組 課 題 スケジュール 平 成 25 年 度 及 び 平 成 26 年 度 の2ヵ 年 度 にかけて 開 催 ラウンドテーブルの 議 論 は 自 由 で 率 直 な 意 見 交 換 を 目 指 すものであるが 議 論 の 過 程 で 有 意 かつ 実 施 可 能 な 提 案 意 見 が 出 た 場 合 は 関 係 者 間 で 速 やかに 実 行 に 移 すことを 検 討 各 年 度 末 に 議 論 の 概 要 を 記 載 した 報 告 書 を 取 りまとめ 予 定 など 17