日本における介護保険の現状と課題



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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 ( 単 位 : ) 6 級 7 級 8 級 135, , ,900 2

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 ( 各 年 4 月 1 日 現 在 ) (H25.4.1) (H25.4.1) (H25.7.1) (H25.7.1) (H25.4.1) (H25.7.1)

職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 年 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 福 岡 県 技 能 労 務 職 歳 1,19,98 9,9 歳 8,

別紙3

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 161,7 222,9 261,9 289,2 32,6 366,2 41

別紙3

2 職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 (26 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 静 岡 県 国 類 似 団 体 2 技 能 労 務 職 区 41.8 歳 42.6 歳 43.5

<4D F736F F F696E74202D208CE38AFA8D8297EE8ED288E397C390A CC8A AE98EBA8DEC90AC816A2E707074>

国 家 公 務 員 の 年 金 払 い 退 職 給 付 の 創 設 について 検 討 を 進 めるものとする 平 成 19 年 法 案 をベースに 一 元 化 の 具 体 的 内 容 について 検 討 する 関 係 省 庁 間 で 調 整 の 上 平 成 24 年 通 常 国 会 への 法 案 提

3 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 (23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与 月 額

技 能 労 務 職 公 務 員 民 間 参 考 区 分 平 均 年 齢 職 員 数 平 均 給 与 月 額 平 均 給 与 月 額 平 均 給 料 月 額 (A) ( 国 ベース) 平 均 年 齢 平 均 給 与 月 額 対 応 する 民 間 の 類 似 職 種 東 庄 町 51.3 歳 18 77

< DB8CAF97BF97A6955C2E786C73>

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている 総 合 的

23年度版 総社市様式外.xls


m07 北見工業大学 様式①

Microsoft Word - 目次.doc

3 職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 ( ベース) 43.7 歳 32, , ,321

2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

障害福祉制度あらまし目次

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

< C8EAE81698E738BE692AC91BA94C5816A8CF6955C B835E2E786C73>

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Microsoft Word - 【溶け込み】【修正】第2章~第4章

技 能 労 務 職 平 均 年 齢 歳,7 平 均 給 料 月 額 歳 7,,8, 歳,9,57, 7,7 7,9 9,5 - (8,85) (5,) 類 似 団 体 5. 歳 9,8 9, 85, ( 注 ) 平 均 給 料 月 額 とは 平 成 5 年 月 日 現 在 における

Microsoft PowerPoint - 経営事項審査.ppt

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 135, , , , , ,600

一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 (4 年 4 月 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 級 級 級 4 級 5 級 号 給 の 給 料 月 額 5, 85,,9,9 89, 最 高 号 給 の 給 料 月 額 4,7 7,8 54,7 88, 4, ( 注 ) 給 料 月 額 は 給 与

経 常 収 支 差 引 額 の 状 況 平 成 22 年 度 平 成 21 年 度 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 4,154 億 円 5,234 億 円 1,080 億 円 改 善 赤 字 組 合 の 赤 字 総 額 4,836 億 円 5,636 億 円 800 億 円 減

(\202g22\214\366\225\\.xls)

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 185,8 222,9 261,9 289,2 32,6 最 高 号 給 の 給 料 月 額 243,7 37,8 35

波佐見町の給与・定員管理等について

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

< E8BE08F6D2082C682B DD2E786C7378>

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 級 の 給 料 月 額 最 高 号 級 の 給 料 月 額 1 級 ( 単 位 : ) 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 9 級 1 級 135,6 185,8 222,9 261,

<819A B8B975E8CF6955C2E786C73>

平 成 34 年 4 月 1 日 から 平 成 37 年 3 月 31 日 まで 64 歳 第 2 章 労 働 契 約 ( 再 雇 用 希 望 の 申 出 ) 第 3 条 再 雇 用 職 員 として 継 続 して 雇 用 されることを 希 望 する 者 は 定 年 退 職 日 の3か 月 前 まで

3 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与 月 額

平成16年度

Microsoft Word - nagekomi栃木県特定医療費(指定難病)支給認定申請手続きのご案内 - コピー

目 次 1. 社 会 保 障 分 野 でできること 1 1 高 額 医 療 高 額 介 護 合 算 制 度 の 改 善 2 保 険 証 機 能 の 一 元 化 3 自 己 診 療 情 報 の 活 用 4 給 付 可 能 サービスの 行 政 側 からの 通 知 2. 年 金 分 野 でできること 5

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 現 況 ( 平 成 22 1 号 給 の 給 料 月 額 137,9 188,9 226,7 266,4 294,3 最 高 号 給 の 給 料 月 額 247,9 314,9 362,8 399,9 415,1 ( 注 ) 給 料 月 額 は 給 与 抑 制

Microsoft PowerPoint  22日修正最終確定.ppt

2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 25 年 4 月 1 日 現 在 ) 1) 一 般 行 政 職 福 島 県 国 類 似 団 体 平 均 年 齢 平

2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 (26 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 区 分 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 (H20.4.1) 96.7 (H25.4.1) (H25.7.1) (H25.4.1), (H25.4.1) 参 考 値 98.3 (H25.7.1) (H20.4.1) (H25.4

( 注 )1 ラスパイレス 指 数 とは 全 地 方 公 共 団 体 の 一 般 行 政 職 の 給 料 月 額 を 一 の 基 準 で 比 較 するため の 職 員 数 ( 構 成 )を 用 いて 学 歴 や 経 験 年 数 の 差 による 影 響 を 補 正 し の 行 政 職 俸 給 表 (

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( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加


公表表紙

定款

老 齢 基 礎 年 金 の 計 算 式 (3) 支 給 開 始 年 齢 老 齢 基 礎 年 金 は 原 則 として 65 歳 から 受 け 取 ることができます なお 希 望 すれば 60 歳 から 64 歳 の 間 でも 年 齢 に 応 じて 一 定 割 合 を 減 額 された 年 金 を 受 け

(4) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている.

頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

Microsoft Word - 福祉医療費給付要綱

職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 () 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 年 4 月 日 現 在 ) 一 般 行 政 職 国 見 町 福 島 県 国 類 似 団 体 平 均 年 齢 4.6 歳 3

< EC8E F58B8B975E8CF6955C8CB48D652E786C73>

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 ( 単 位 : ) 7 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135, , , , , , ,

18 国立高等専門学校機構

社 会 保 障 税 一 体 改 革 ( 年 金 分 野 )の 経 緯 社 会 保 障 税 一 体 改 革 大 綱 (2 月 17 日 閣 議 決 定 ) 国 年 法 等 改 正 法 案 (2 月 10 日 提 出 ) 法 案 を 提 出 する または 法 案 提 出 を 検 討 する と された 事

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 H H H5.4.1 ( 参 考 値 ) 97.1 H H H H5.4.1 H H5.4.1 ( 参 考

職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 () 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 年 月 日 現 在 ) 一 般 行 政 職 平 均 給 与 月 額 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与 月 額

養 老 保 険 の 減 額 払 済 保 険 への 変 更 1. 設 例 会 社 が 役 員 を 被 保 険 者 とし 死 亡 保 険 金 及 び 満 期 保 険 金 のいずれも 会 社 を 受 取 人 とする 養 老 保 険 に 加 入 してい る 場 合 を 解 説 します 資 金 繰 りの 都

第 7 条 職 員 の 給 与 に 関 する 規 程 ( 以 下 給 与 規 程 という ) 第 21 条 第 1 項 に 規 定 す るそれぞれの 基 準 日 に 育 児 休 業 している 職 員 のうち 基 準 日 以 前 6 月 以 内 の 期 間 にお いて 在 職 した 期 間 がある 職

Taro-iryouhoken

平成21年10月30日

一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 3 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 級 級 3 級 4 級 5 級 6 級 単 位 : ( ) 7 級 1 号 給 の 給 料 月 額 137, 163,7 4,9 31,4 71, 33,3 359,7 最 高 号 給 の 給 料 月 額

Taro-01 議案概要.jtd

(2) 特 別 障 害 給 付 金 国 民 年 金 に 任 意 加 入 していなかったことにより 障 害 基 礎 年 金 等 を 受 給 していない 障 がい 者 の 方 に 対 し 福 祉 的 措 置 として 給 付 金 の 支 給 を 行 う 制 度 です 支 給 対 象 者 平 成 3 年 3

<6D313588EF8FE991E58A778D9191E5834B C8EAE DC58F4992F18F6F816A F990B32E786C73>

Microsoft Word - 通達(参考).doc

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

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異 議 申 立 人 が 主 張 する 異 議 申 立 ての 理 由 は 異 議 申 立 書 の 記 載 によると おおむね 次 のとおりである 1 処 分 庁 の 名 称 の 非 公 開 について 本 件 審 査 請 求 書 等 について 処 分 庁 を 非 公 開 とする 処 分 は 秋 田 県


2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 24 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 1 級 135,6 243,7 2 級 185,8 37,8 3 級 4 級 222,9 354,7 ( 注 )

弁護士報酬規定(抜粋)

就 業 規 則 ( 福 利 厚 生 ) 第 章 福 利 厚 生 ( 死 亡 弔 慰 金 等 ) 第 条 法 人 が 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 民 間 社 会 福 祉 施 設 等 職 員 共 済 規 程 に 基 づき 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 との 間 において 締 結 す

5

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第5回法人課税ディスカッショングループ 法D5-4


(2) 職 員 の 初 任 給 の 状 況 ( 平 成 17 年 4 月 1 日 現 在 ) 初 任 給 2 年 後 の 給 料 初 任 給 2 年 後 の 給 料 一 般 行 政 職 技 能 労 務 職 大 学 卒 171,1 151,5 19,2 164,7 17,7 184,4 中 学 卒 1

<4D F736F F D E598BC68A8897CD82CC8DC490B68B7982D18E598BC68A8893AE82CC8A C98AD682B782E993C195CA915B C98AEE82C382AD936F985E96C68B9690C582CC93C197E1915B927582CC898492B75F8E96914F955D89BF8F915F2E646F6

(5) 給 与 改 定 の 状 況 事 委 員 会 の 設 置 なし 1 月 例 給 事 委 員 会 の 勧 告 民 間 給 与 公 務 員 給 与 較 差 勧 告 A B A-B ( 改 定 率 ) 給 与 改 定 率 ( 参 考 ) 国 の 改 定 率 24 年 度 円 円 円 円 ( ) 改

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 135,600 円 185,800 円 222,900 円 261,900 円

1 総括

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Transcription:

日 本 における 介 護 保 険 の 現 状 とアクチュアリー 的 な 課 題 要 旨 近 年 日 本 では 医 療 技 術 の 進 歩 などにより 平 均 寿 命 が 伸 び 続 けており 現 在 世 界 で 最 も 平 均 寿 命 が 長 い 国 となっている しかし 高 齢 者 の 数 が 増 加 する 一 方 ライフスタイルの 変 化 など により 出 生 率 は 減 少 傾 向 にあり 人 口 に 占 める 高 齢 者 の 割 合 が 極 めて 高 い 超 高 齢 化 社 会 と なっている また ライフスタイルの 変 化 は 核 家 族 化 ( 祖 父 母 と 父 母 および 子 が 別 々に 暮 らすなど 家 族 が 分 散 して 暮 らすことをもたらしている そのため 高 齢 者 の 介 護 が 極 めて 深 刻 な 問 題 となっている そこで 日 本 では 000 年 より 公 的 介 護 保 険 制 度 がスタートした これは 40 歳 以 上 の 全 国 民 から 集 めた 介 護 保 険 料 や 税 金 を 財 源 として 介 護 が 必 要 となった 方 が 介 護 サービスを 受 けら れる 制 度 である しかし 公 的 介 護 保 険 の 介 護 サービスを 受 ける 場 合 でも 利 用 料 の 一 部 は 自 己 負 担 であり 利 用 料 の 限 度 額 が 予 め 定 められており それを 超 える 場 合 は 全 額 自 己 負 担 とな るなど 介 護 が 必 要 になった 場 合 には 依 然 として 経 済 的 負 担 が 生 じる これらのことを 背 景 として 介 護 が 必 要 になった 場 合 に 保 険 金 を 支 払 う 民 間 介 護 保 険 が 広 ま りつつある このペーパーでは 日 本 の 介 護 保 険 の 内 容 と アクチュアリー 的 な 観 点 での 課 題 を 紹 介 する.イントロダクション 日 本 では 医 療 技 術 の 進 歩 などにより 年 々 平 均 寿 命 が 伸 長 している 007 年 時 点 の 日 本 人 の 平 均 寿 命 は 男 性 は 79 歳 で 世 界 3 位 女 性 は 86 歳 で 世 界 位 男 女 平 均 でも 83 歳 で 世 界 位 である 一 方 晩 婚 化 や 子 供 一 人 あたりの 教 育 費 の 増 加 などを 原 因 として 出 生 率 は 減 少 している 007 年 時 点 の 日 本 の 出 生 率 は.34 ( 注 と 先 進 国 の 中 でも 低 い 数 字 と なっている ( 注 ここにおける 値 は 女 性 の 年 齢 別 出 生 率 を 合 計 した 値 図 日 本 における 平 均 寿 命 および 出 生 率 の 推 移 平 均 寿 命 00 90 平 均 寿 命 ( 女 性 80 70 平 均 寿 命 ( 男 性 60 50 40 30 出 生 率 0 0 0 950 960 970 980 990 000 4 3.5 3.5.5 0.5 0 出 生 率

出 典 : 厚 生 労 働 省 人 口 動 態 調 査 生 命 表 こうして 平 均 寿 命 の 伸 長 と 少 子 化 の 進 展 により 他 国 に 例 をみないほど 急 速 に 高 齢 化 が 進 んでいる 日 本 の 人 口 に 占 める 65 歳 以 上 の 割 合 をみてみると 現 在 はおよそ 5 人 に 人 であり 05 年 には 4 人 に 人 040 年 には 3 人 に 人 になると 予 想 されている 図 総 人 口 に 占 める 65 歳 以 上 人 口 の 割 合 の 国 際 比 較 (% 45.0 40.0 韓 国 35.0 30.0 5.0 0.0 5.0 日 本 ドイツ 0.0 5.0 0.0 アメリカ 中 国 インド 950 960 970 980 990 000 00 00 030 040 050 ( 年 出 典 :World Population Prospects: The 006 Revision さらに 祖 父 母 - 父 母 - 子 が 一 緒 に 暮 らす 世 帯 が 減 少 する 一 方 で 夫 婦 のみの 世 帯 一 人 暮 らしの 世 帯 が 増 加 しており 家 族 が 分 散 して 住 む 傾 向 が 強 まっている 日 本 ではこれを 核 家 族 と 呼 んでいるが 高 齢 者 を 支 える 家 族 が 同 じ 家 にいない 傾 向 にあるため 高 齢 者 の 介 護 は 国 民 にとって 極 めて 深 刻 な 問 題 となっている 図 3 日 本 における 世 帯 種 類 別 の 割 合 一 人 のみの 夫 婦 のみの 親 と 未 婚 の 子 ( 年 世 帯 世 帯 のみの 世 帯 三 世 代 世 帯 その 他 の 世 帯 986 8. 4.4 46.5 5.3 5.7 989 0.0 6.0 44.3 4. 5.5 99.8 7. 4.8 3. 6. 995.6 8.4 40.5.5 6. 998 3.9 9.7 38.9.5 6.0 00 4. 0.6 38.3 0.6 6.4 004 3.4.9 38.7 9.7 6.3 005 4.6.9 37.4 9.7 6.4 006 5.3.5 37.5 9. 6.6 0 0 40 60 80 00 (%

出 典 : 厚 生 労 働 省 国 民 生 活 基 礎 調 査 これらのことを 背 景 に 日 本 では 000 年 4 月 より 公 的 介 護 保 険 制 度 がスタートした. 日 本 の 公 的 介 護 保 険 制 度 の 概 要 日 本 と 同 じく 高 齢 化 により 介 護 の 問 題 が 深 刻 化 し 995 年 より 公 的 介 護 保 険 をスタートし たドイツの 制 度 などを 参 考 として 日 本 では 000 年 4 月 よりスタートした 概 要 は 次 のとおりである ( 対 象 者 40 歳 以 上 の 全 国 民 から 徴 収 した 保 険 料 と 公 費 により 介 護 が 必 要 になった 人 に 介 護 サービスを 給 付 する 年 齢 により 65 歳 以 上 を 第 号 被 保 険 者 40~64 歳 を 第 号 被 保 険 者 と 区 分 しており 給 付 を 受 ける 条 件 などが 異 なる 介 護 が 必 要 になったと きに 公 的 介 護 保 険 から 給 付 を 受 けられるが 40~64 歳 は 初 老 期 認 知 症 や 脳 血 管 疾 患 など 特 定 の 病 気 により 介 護 が 必 要 になった 場 合 に 限 られる 第 号 被 保 険 者 第 号 被 保 険 者 年 齢 区 分 65 歳 以 上 40~64 歳 給 付 を 受 ける 条 件 介 護 が 必 要 になったとき 初 老 期 認 知 症 や 脳 血 管 疾 患 など 主 に 老 化 が 原 因 とされ る 6 種 類 の 病 気 により 介 護 が 必 要 になったとき 保 険 料 の 支 払 方 法 年 金 から 天 引 きされる ( 注 加 入 している 医 療 保 険 と 一 括 して 支 払 う ( 注 ( 注 日 本 では 65 歳 以 上 は 公 的 年 金 が 給 付 される ( 注 日 本 では 全 国 民 が 公 的 医 療 保 険 に 加 入 することとなっている サラリーマンであれば 公 的 医 療 保 険 や 公 的 介 護 保 険 の 保 険 料 は 給 与 から 天 引 きされ 事 業 主 が 支 払 う 仕 組 みとし ている ( 介 護 サービスを 受 けるまでの 流 れ 介 護 が 必 要 となったときは 被 保 険 者 が 市 区 町 村 の 窓 口 に 要 介 護 認 定 の 申 請 を 行 う 市 区 町 村 職 員 の 調 査 や 医 師 の 意 見 書 に 基 づき コンピュータによる 次 判 定 専 門 家 による 介 護 認 定 審 査 会 において 次 判 定 を 行 い 要 介 護 認 定 が 行 われ る 要 介 護 認 定 は 介 護 が 必 要 な 重 さに 応 じて 7 段 階 に 分 かれている 要 介 護 認 定 を 受 けた 後 被 保 険 者 の 状 態 に 応 じて 介 護 サービス 計 画 ( ケアプラン という を 立 て 介 護 サービスを 開 始 する 3

介 護 が 必 要 となったとき 市 区 町 村 窓 口 に 申 請 要 介 護 認 定 訪 問 調 査 ( 市 区 町 村 の 職 員 が 被 保 険 者 宅 を 訪 問 し 調 査 医 師 の 意 見 書 取 付 け 一 次 判 定 ( 訪 問 調 査 結 果 をコンピュータ 処 理 3 二 次 判 定 ( 一 次 判 定 結 果 およびかかりつけの 医 者 の 意 見 書 をもとに 要 介 護 認 定 非 該 当 該 当 要 支 援 要 支 援 要 介 護 要 介 護 要 介 護 3 要 介 護 4 要 介 護 5 軽 度 重 度 (3 介 護 サービスの 種 類 主 に 自 宅 でホームヘルパーの 訪 問 介 護 などを 受 ける 居 宅 サービス と 介 護 施 設 で 介 護 サービスを 受 ける 施 設 サービス がある 居 宅 サービス 訪 問 介 護 ホームヘルパーが 訪 問 し 介 護 を 受 ける 通 所 介 護 日 帰 り 介 護 施 設 へ 通 所 し 介 護 を 受 ける 福 祉 用 具 の 貸 与 など 施 設 サービス 特 別 養 護 老 人 ホームなどの 施 設 に 入 所 し 介 護 を 受 ける (4 サービスを 受 ける 際 の 自 己 負 担 額 居 宅 サービスは 要 介 護 度 ごとに 利 用 限 度 額 が 定 められており 利 用 料 の 割 は 自 己 負 担 となる 施 設 サービスは 施 設 ごとに 自 己 負 担 額 が 定 められている なお 利 用 限 度 額 を 超 えて 受 けるサービス 公 的 介 護 保 険 の 対 象 とならないサービスを 受 け る 場 合 は 全 額 自 己 負 担 である 3. 民 間 介 護 保 険 の 市 場 性 と 商 品 内 容 ( 市 場 性 公 的 介 護 保 険 制 度 が 運 営 されているものの 介 護 が 必 要 となった 場 合 は 依 然 として 経 済 的 負 担 が 発 生 する 例 えば 居 宅 サービスを 受 ける 場 合 利 用 料 の 割 は 自 己 負 担 であり さらに 決 められたサービス 利 用 限 度 額 を 超 えて 受 けるサービスは 全 額 自 己 負 担 となる ま た 車 椅 子 介 護 用 ベッドの 購 入 費 用 や 介 護 を 必 要 とする 方 が 住 みやすいようにするた めの 住 宅 改 修 費 用 など 高 額 な 介 護 のために 高 額 な 費 用 がかかることもある 4

民 間 アンケートによると 公 的 介 護 保 険 と 介 護 に 対 する 経 済 的 な 私 的 準 備 をあわ せた 介 護 補 償 の 充 足 感 は 充 足 感 あり は 7.8% 充 足 感 なし は 74.6%となってい る 図 4 介 護 補 償 に 対 する 充 足 感 ( 単 位 :% 十 分 足 り ている 充 足 感 あり(7.8 どちらかといえば 足 りている わからない どちらかといえば 足 りない 充 足 感 なし(74.6 まったく 足 りない 6.8 7.6 37. 37.5.0 出 典 : 生 命 保 険 文 化 センター 平 成 9 年 度 生 活 保 障 に 関 する 調 査 なお 医 療 補 償 に 対 する 同 様 の 調 査 では 充 足 感 あり は 30.% 充 足 感 なし は 59.7% であり これと 比 べても 介 護 補 償 に 不 安 を 感 じている 人 が 多 いことがうかがえる ( 商 品 内 容 保 険 会 社 によって 異 なるが 一 般 的 な 商 品 内 容 の 例 を 紹 介 する 支 払 事 由 - 公 的 介 護 保 険 連 動 と 約 款 認 定 保 険 金 を 支 払 う 要 介 護 状 態 の 定 義 は 大 きく 分 けてつのタイプに 分 けられる 一 つは 要 介 護 状 態 を 約 款 で 細 かく 規 定 しているタイプである 例 えば 歩 行 の 際 に 杖 等 をつかっても 床 の 上 で 0 秒 間 程 度 の 保 持 ができず といった 具 合 である もう 一 つは 公 的 介 護 保 険 制 度 に 連 動 させている タイプである 例 えば 公 的 介 護 保 険 における 要 介 護 3 以 上 に 認 定 された 場 合 に 保 険 金 を 支 払 う いった 具 合 である 後 者 の 方 が 保 険 契 約 者 にとって どのような 場 合 に 保 険 金 が 支 払 われるかが 分 かりや すく 保 険 会 社 にとっても 保 険 金 の 支 払 査 定 が 容 易 であるため 近 年 増 えつつある た だし 公 的 介 護 保 険 の 内 容 が 変 更 された 場 合 ( 例 : 介 護 の 重 度 による 区 分 が 見 直 され7 段 階 から 0 段 階 になったに 保 険 契 約 の 内 容 も 連 動 して 変 えなければならないなど の 問 題 を 持 っている なお 要 介 護 状 態 が 90 日 以 上 続 いた 場 合 に 保 険 金 を 支 払 う 等 の 免 責 期 間 を 設 定 する ことが 一 般 的 である 保 険 金 要 介 護 状 態 になった 場 合 に 支 払 う 一 時 金 要 介 護 状 態 が 続 くかぎり 支 払 う 保 険 金 ( 以 下 介 護 年 金 というを 設 定 しているタイプが 一 般 的 である 介 護 年 金 は 例 えば 5

要 介 護 状 態 が 続 くかぎり 年 あたり 00 万 円 支 払 う という 内 容 である 一 時 金 年 金 のどちらかのみ 設 定 するタイプもある 3 保 険 料 の 払 込 免 除 保 険 金 を 支 払 う 要 介 護 状 態 となった 場 合 は 保 険 料 の 払 込 を 免 除 する 仕 組 みが 一 般 的 である 4 保 険 期 間 終 身 などの 長 期 の 保 険 期 間 であることが 多 い 5 主 契 約 か 特 約 か 介 護 保 険 単 体 のタイプ 死 亡 保 険 や 医 療 保 険 などの 特 約 としているタイプがある な お 日 本 では 医 療 保 険 や 介 護 保 険 など 人 が 病 気 になったことなどを 起 因 として 保 険 金 を 支 払 う 保 険 ( は 生 命 保 険 会 社 損 害 保 険 会 社 のどちらでも 取 扱 うことが 認 めら れている ( 注 日 本 では 人 の 生 死 に 対 して 一 定 額 を 支 払 う 保 険 ( 生 命 保 険 会 社 が 取 り 扱 えるを 第 分 野 自 動 車 保 険 や 火 災 保 険 など 損 害 を 填 補 する 保 険 ( 損 害 保 険 会 社 が 取 り 扱 えるを 第 分 野 人 が 病 気 になったことなどを 起 因 として 保 険 金 を 支 払 う 保 険 ( 生 命 保 険 会 社 損 害 保 険 会 社 双 方 が 取 り 扱 えるを 第 3 分 野 と 呼 んでいる 6 引 受 方 式 健 康 状 況 に 関 する 告 知 を 受 領 し その 内 容 により 引 受 可 否 引 受 条 件 を 審 査 する 告 知 書 扱 医 師 の 診 査 により 判 断 する 診 査 扱 などがあるが 死 亡 補 償 がない 医 療 保 険 や 介 護 保 険 では 告 知 書 扱 が 一 般 的 である なお 告 知 書 扱 の 中 には 健 康 状 況 に 関 する 質 問 事 項 に 関 してつも 該 当 しなければ 引 受 可 能 つでも 該 当 すれば 引 受 不 可 といった 簡 便 なものもある 4.アクチュアリー 的 な 観 点 における 課 題 介 護 保 険 の 歴 史 はそれほど 長 くないため 十 分 な 信 頼 を 得 られる 保 険 統 計 が 存 在 しない 等 の 理 由 により 様 々な 課 題 が 存 在 する 以 下 料 率 算 出 負 債 評 価 における 課 題 の 例 を 説 明 する ( 料 率 算 出 要 介 護 発 生 率 の 算 出 方 法 前 述 のとおり 介 護 保 険 の 契 約 が 増 えてきたのは 最 近 であるため 要 介 護 状 態 になる ような 年 令 ( 通 常 は 高 齢 であるに 達 していない 契 約 が 多 い そのため 十 分 な 信 頼 6

ここで 介 護 保 険 の 保 険 料 算 定 で 最 も 重 要 な 基 礎 率 の 一 つは 要 介 護 発 生 率 ( 単 位 期 間 あたりに 新 たに 要 介 護 状 態 になる 確 率 である しかし 残 念 ながら 我 が 国 にお いて 年 間 で 新 たに 要 介 護 状 態 となった 人 数 といった 一 般 統 計 は 存 在 しない しかし 特 に 公 的 介 護 保 険 連 動 型 商 品 の 場 合 ある 時 点 における 要 介 護 認 定 者 数 は 一 般 統 計 から 把 握 可 能 であり さらに 人 口 統 計 を 用 いて 要 介 護 状 態 である 者 の 割 合 が 算 出 可 能 である さらにいくかの 基 礎 率 を 用 いることにより 下 記 の 算 式 によ って 要 介 護 発 生 率 が 算 出 される < 定 義 > r : 歳 の 要 介 護 発 生 率 ( 年 以 内 に 新 たに 要 介 護 状 態 になる 確 率 : 歳 の 要 介 護 者 の 割 合 ( 歳 の 要 介 護 者 認 定 者 数 / 歳 の 人 口 : 歳 の 死 亡 率 : 歳 の 要 介 護 者 の 死 亡 率 r ( ( ( ( ( 注 このペーパーでは 要 介 護 状 態 になった 後 回 復 して 要 介 護 状 態 ではなくなる 場 合 は 無 視 す る なお 上 記 式 の 導 出 は 付 録. 参 照 ここで 上 記 の 算 式 は 要 介 護 者 の 割 合 ( 以 外 に 死 亡 率 ( 要 介 護 者 の 死 亡 率 ( を 用 いていることに 注 意 が 必 要 である 死 亡 率 ( は 一 般 統 計 あるいは 保 険 実 績 により 把 握 可 能 であるが 要 介 護 者 の 死 亡 率 ( を 明 確 に 示 す 統 計 は 見 当 たらない を 推 定 する 一 つ の 方 法 は 要 介 護 者 ( 健 康 者 の死 亡 率 ( と 要 介 護 者 の 死 亡 率 ( の 較 差 を 見 積 もり 算 出 する 方 法 である その 算 出 方 法 例 を 付 録.に 示 す このように r を 精 緻 に 見 積 もること 特 に 上 記 算 出 方 法 によれば を 精 緻 に 見 積 もることが 重 要 な 課 題 である 保 険 金 の 支 払 期 間 介 護 年 金 を 考 えた 場 合 保 険 金 を 支 払 う 要 介 護 状 態 がいつまで 続 くか も 重 要 であ る 医 療 保 険 では 回 の 入 院 で 保 険 金 を 支 払 う 日 数 に 0 日 などの 上 限 を 定 めるこ 7

とが 一 般 的 であるが 介 護 保 険 における 介 護 年 金 は 要 介 護 状 態 であるかぎり 保 険 金 を 支 払 う というように 上 限 を 設 けない 商 品 が 多 い しかし 要 介 護 状 態 の 期 間 に 関 する 統 計 も ほとんど 存 在 しない 要 介 護 状 態 になった 場 合 は 死 亡 するまで 要 介 護 状 態 が 続 くとすることが 安 全 的 な 考 え 方 であるが この 場 合 もと 同 様 要 介 護 状 態 である 者 の 死 亡 率 ( の 設 定 が 重 要 な 意 味 を 持 つこととなる 3確 率 変 動 や 将 来 の 環 境 変 化 に 対 する 不 確 実 性 の 反 映 要 介 護 発 生 率 を 精 緻 に 見 積 もることができたとしても 確 率 変 動 により 要 介 護 発 生 率 が 高 くなるリスクが 存 在 する また 環 境 の 変 化 などにより 将 来 要 介 護 発 生 率 が 高 くなる 可 能 性 もある 事 実 日 本 では 公 的 介 護 保 険 制 度 が 000 年 に 始 まって 以 来 要 介 護 認 定 者 数 が 増 加 し 続 けている これらの 不 確 実 性 を 吸 収 するために 料 率 設 定 にあたり 予 め 割 増 を 設 定 することが 一 般 的 に 行 われる よく 用 いられる 方 法 の 一 つは 想 定 される 確 率 分 布 において 期 待 値 に 標 準 偏 差 (σ の 一 定 割 合 例 えば σを 付 加 する 方 法 である ただし この 方 法 では 想 定 される 被 保 険 者 数 がどれくらいか すなわち どれくらいの 契 約 を 見 込 むかによって 割 増 水 準 が 大 きく 異 なり 被 保 険 者 数 の 設 定 によっては 過 度 に 保 険 料 が 高 くなる 場 合 がある ここで 付 録 3.のとおり 要 介 護 発 生 率 ( r のシミュレー ションを 行 った 見 込 まれ る 被 保 険 者 数 によっては 割 増 後 の 発 生 率 が 理 論 値 のおよそ 倍 になることもある このように 不 確 実 性 の 要 素 をいかに 料 率 に 織 り 込 むかが 特 に 保 険 期 間 が 長 期 の 場 合 に 重 要 となる ( 支 払 備 金 被 保 険 者 が 実 際 に 要 介 護 状 態 となり 保 険 会 社 に 保 険 金 請 求 がなされた 場 合 は 将 来 の 保 険 金 支 払 に 備 えて 支 払 備 金 を 積 む 前 述 のとおり 介 護 年 金 は 要 介 護 状 態 である 限 り 支 払 うため 支 払 備 金 が 高 額 になることが 多 い 実 際 に 生 じた 事 故 に 対 する 支 払 額 の簡 便 な 見 積 もり 方 法 としては 年 あたりの 支 払 額 事 故 時 における 被 保 険 者 の 平 均 余 命 とすることが 考 えられる この 見 積 もり 方 法 とした 場 合 前 記 (と 同 様 に 要 介 護 者 の死 亡 率 が 重 要 となる (3 責 任 準 備 金 特 に 保 険 期 間 が 長 期 の 契 約 の 場 合 適 切 な 料 率 設 定 を 行 うととともに 契 約 後 において も 将 来 発 生 する 保 険 金 支 払 に 備 えて 適 正 な 責 任 準 備 金 の 積 み 立 てを 行 うことが 重 要 で ある 日 本 の 医 療 保 険 や 介 護 保 険 において 積 み 立 てるべき 責 任 準 備 金 の 種 類 は 法 令 等 で 定 められており 主 な 責 任 準 備 金 の 概 要 は 以 下 のとおりである 8

保 険 料 積 立 金 通 常 予 測 できるリスクに 対 する 責 任 準 備 金 である 保 険 料 の 設 定 にかかわらず 保 険 会 社 の 健 全 性 に 支 障 を 来 たすことのないよう 保 険 料 積 立 金 の 積 立 方 式 計 算 基 礎 と なる 予 定 利 率 死 亡 率 などが 法 令 によって 定 められている ただし 保 険 事 故 発 生 率 などは 保 険 会 社 によって 商 品 内 容 が 異 なるため 標 準 的 な 料 率 は 定 められておらず 課 題 の 一 つとなっている 危 険 準 備 金 医 療 保 険 や 介 護 保 険 については 政 策 等 の 外 的 要 因 を 受 けやすい ( 例 えば 医 療 費 や 介 護 サービス 費 の 増 加 を 抑 制 するため 入 院 日 数 を 短 縮 化 させたり 要 介 護 認 定 基 準 を 見 直 しするなどの 政 策 が 実 施 されると 影 響 を 受 けることになる また 日 本 の 医 療 保 険 や 介 護 保 険 は 保 険 期 間 が 終 身 の 商 品 が 多 いため 長 期 的 な 不 確 実 性 を 有 し ていると 考 えられる 一 方 で 料 率 算 出 の 箇 所 で 述 べたように 歴 史 の 浅 い 商 品 が 多 く データの 蓄 積 も 十 分 でないため 事 故 発 生 率 に 関 するスタンダードな 指 標 が 存 在 しな い そのため 事 故 発 生 率 に 関 する 不 確 実 性 に 対 し 事 後 検 証 を 行 ったうえで 将 来 の 保 険 金 支 払 に 備 えて 十 分 な 積 立 を 行 うことが 重 要 である このような 背 景 から 医 療 保 険 や 介 護 保 険 に 関 する 責 任 準 備 金 の 積 立 事 後 検 証 に 関 するルールが 制 定 され 007 年 より 実 施 されている 具 体 的 には 以 下 のとおりである 実 績 の 保 険 事 故 発 生 率 に 基 づいて 今 後 0 年 間 の 保 険 事 故 発 生 率 を 予 測 する 確 率 変 動 を 考 え 今 後 0 年 間 の 99%のリスクをカバーする 水 準 を 算 出 する 確 率 99%のリスクをカバー 99% 値 予 測 値 ( 期 待 値 保 険 事 故 発 生 率 このとき 保 険 料 等 の 算 出 にあたって 予 め 設 定 した 予 定 事 故 発 生 率 が この 99% のリスクをカバーする 水 準 を 満 たさない 場 合 は 保 険 料 積 立 金 が 不 足 するとして 危 険 準 備 金 を 積 み 立 てる イメージは 次 のとおりである 9

a. 予 定 事 故 発 生 率 が 99%のリスクをカバーしているケース 予 定 事 故 発 生 率 保 険 事 故 発 生 率 実 績 に 基 づく 事 故 発 生 率 の 99%のリスク をカバーする 発 生 率 実 績 から 見 込 まれる 将 来 の 事 故 発 生 率 実 績 テスト 実 施 期 間 (0 年 間 危 険 準 備 金 を 積 む 必 要 なし b. 予 定 事 故 発 生 率 が 99%のリスクをカバーできないケース 危 険 準 備 金 実 績 に 基 づく 事 故 発 生 率 の 99%のリスクをカ バーする 発 生 率 保 険 事 故 発 生 率 予 定 事 故 発 生 率 実 績 から 見 込 まれる 将 来 の 事 故 発 生 率 実 績 テスト 実 施 期 間 (0 年 間 危 険 準 備 金 を 積 む 必 要 あり この 医 療 保 険 や 介 護 保 険 に 関 する 危 険 準 備 金 の 制 度 は 前 述 のとおり 007 年 か ら 実 施 されているものであるが 将 来 の 事 故 発 生 率 の 予 測 にあたって どのよう なモデルを 使 うか あるいは このような 分 析 を 行 うためにデータを 整 備 するこ となどが 課 題 となっている 0

なお 97.7%のリスク( 正 規 分 布 では σ 付 加 した 値 に 相 当 するリスクは 前 記 の 保 険 料 積 立 金 でカバーされるべきと 考 えられている 従 って 予 定 事 故 発 生 率 が 97.7%のリスクをカバーできる 水 準 も 満 たさない 場 合 は 99% 水 準 と 97.7% 水 準 の 差 にあたる 額 を 危 険 準 備 金 として 積 み 立 てたうえで 将 来 発 生 する 保 険 金 だけでなく 会 社 コストなど 負 債 全 体 を 保 険 料 積 立 金 でカバーできるかのテスト ( 負 債 十 分 性 テストを 行 うこととされている 保 険 事 故 発 生 率 正 規 分 布 で は σ 97.7% 値 99% 値 保 険 料 積 立 金 で 対 応 保 険 料 積 立 金 で 対 応 できな ければ 危 険 準 備 金 で 対 応 ( 4 行 政 の 監 督 規 制 前 記 (3の 危 険 準 備 金 の 制 度 でみたよう に 医 療 保 険 や 介 護 保 険 の 規 制 責 任 準 備 金 の 在 り 方 については 近 年 様 々な 見 直 しが 行 われている 特 に 責 任 準 備 金 のあり 方 につい ては 国 際 会 計 基 準 やソルベンシー マージン 基 準 の 算 出 方 法 の 見 直 しにも 関 連 して 今 後 も 議 論 されていくことと 思 われる なお 日 本 では 保 険 会 社 の 健 全 な 運 営 を 行 うため 保 険 会 社 ごとに 保 険 計 理 人 を 選 任 し ている ( 保 険 計 理 人 の 役 割 は 保 険 料 算 出 方 法 や 責 任 準 備 金 算 出 方 法 などについて 関 与 すること 責 任 準 備 金 が 適 正 に 積 み 立 てられているか 確 認 を 行 うことなどである 近 年 この 保 険 計 理 人 の 役 割 が 強 化 され 前 述 の 負 債 十 分 性 テストは 保 険 計 理 人 が 直 接 行 う 業 務 とされている また 日 本 では 保 険 商 品 の 販 売 にあたっては 基 本 的 に 監 督 官 庁 の 事 前 認 可 が 必 要 であるが 医 療 保 険 や 介 護 保 険 の 保 険 料 算 出 方 法 や 責 任 準 備 金 算 出 法 の 認 可 申 請 については 保 険 計 理 人 の 意 見 書 が 必 要 とされている 今 後 も 医 療 保 険 や 介 護 保 険 の 監 督 規 制 のあり 方 について 見 直 しが 行 われていくことと 思 われる 5.まとめ このように 日 本 において 介 護 保 険 のニーズは 今 後 ますます 高 まっていくものと 思 われ 成 長 が 見 込 まれる 分 野 である 一 方 で 要 介 護 状 態 の 発 生 率 については 確 固 たるデータが

ないなど 保 険 料 の 算 定 にあたっては 多 くの 課 題 が 存 在 している また 保 険 期 間 が 長 期 であることが 多 いため 将 来 の 不 確 実 性 を 踏 まえると 責 任 準 備 金 の 評 価 も 重 要 である 我 々 アクチュアリーは 保 険 会 社 の 収 益 性 と 健 全 性 の 両 方 に 配 慮 しつつ 適 正 な 保 険 料 の 算 定 責 任 準 備 金 の 評 価 リスク 管 理 などを 行 っていかなければならない 今 後 諸 外 国 の 例 も 参 考 にしつつ 介 護 保 険 の 発 展 に 努 めていきたい 以 上

付 録 要 介 護 発 生 率 r の 算 出 <定 義 > l 歳 の 被 保 険 者 数 そ の 他 の 記 号 は 本 文 に 同 じ 歳 の 要 介 護 者 数 は 次 のように 表 される 歳 の 要 介 護 者 数 = 歳 の 要 介 護 者 のうち 歳 まで 生 存 した 者 の 数 + 歳 の 要 介 護 状 態 でな い 者 ( 健 康 者 のうち 歳 になる 前 に 要 介 護 状 態 になり かつ 歳 まで 生 存 した 者 の 数 算 式 化 すると 左 辺 = 歳 の 生 存 者 数 歳 の 要 介 護 者 の 割 合 =l 右 辺 の= 歳 の 生 存 者 数 歳 の 要 介 護 者 の 割 合 -( 歳 の 要 介 護 者 の 死 亡 率 = l ( 右 辺 の= 歳 の 健 康 者 数 ( 歳 の 要 介 護 者 の 死 亡 率 歳 の 要 介 護 発 生 率 - = 歳 の 生 存 者 数 -( 歳 の 要 介 護 者 の 割 合 歳 の 要 介 護 者 発 生 率 - ( 歳 の 要 介 護 者 の 死 亡 率 = l ( r ( ( 注 平 均 的 に 年 の 中 央 で 要 介 護 状 態 が 発 生 するとする よって l l ( l ( r ( l r l を 代 入 し r ( ( ( ( について 整 理 すると 3

付 録 の 算 出 方 法 例 < 定 義 > p 歳 の 要 介 護 状 態 でない 者 ( 健 康 者 のうち 年 後 も 健 康 である 者 の 割 合 歳 の 健 康 者 のうち 年 以 内 に 健 康 者 のまま 死 亡 する 者 の 割 合 l 被 保 険 者 数 要 介 護 状 態 者 の 死 亡 率 ( の 健 康 者 の 死 亡 率 ( に 対 する 比 (= / その 他 は 本 文 に 同 じ 次 の 算 式 が 成 り 立 つ l p r ( p l ( ( l l ( r l l l 3 4 l を 用 いておよび3は l p ( 5 ( ( r と 表 される に5を 代 入 して r ( 7 6に4 7を 代 入 して 6 ( a ( ( について 整 理 すると ( ( ( ( ( 0 この 次 方 程 式 を 解 くことで が 得 られ 4より が 求 まる 4

付 録 3 要 介 護 発 生 率 ( r のシミュレーション < 用 語 の 説 明 > : 歳 の 要 介 護 状 態 である 者 の 割 合 : 歳 の 死 亡 率 : 歳 の 要 介 護 状 態 である 者 の 死 亡 率 歳 の 健 康 者 のうち 年 以 内 に 健 康 者 のまま 死 亡 する 者 の 割 合 要 介 護 状 態 者 の 死 亡 率 ( の 健 康 者 の 死 亡 率 ( に 対 する 比 r : 歳 の 要 介 護 発 生 率 ( 年 以 内 に 要 介 護 状 態 になる 確 率 : r が 従 う 確 率 分 布 における 標 準 偏 差 ここでは r が 二 項 分 布 に 従 うとした このとき r ( r / N ( N は 被 保 険 者 数 となる r : r に 割 増 として 加 えたもの < 結 果 > 例 えば 70 歳 においては N=,000 では r は r の 約 倍 の 値 となってしまう N=0,000 では 3 割 増 程 度 である N=000 N=0000 年 齢 3 3α 7 6 7r 8-σ 9- r' 8-σ 9- r' 70 0.0778 0.03 6.43897 0.305 0.09 0.00449 0.00 0.0087 0.00067 0.00583 7 0.007 0.036 6.84 0.309 0.007 0.005 0.008 0.00978 0.0007 0.00666 7 0.086 0.065 5.9360 0.373 0.033 0.00605 0.0045 0.0095 0.00078 0.00760 73 0.0590 0.0895 5.69959 0.4459 0.0537 0.0070 0.0064 0.08 0.00083 0.00868 74 0.0934 0.0308 5.4750 0.59 0.0783 0.008 0.0084 0.0379 0.00090 0.0099 75 0.033 0.03555 5.5446 0.603 0.0305 0.00940 0.00305 0.0550 0.00096 0.033 76 0.03759 0.03939 5.045 0.6863 0.03343 0.0088 0.0038 0.0744 0.0004 0.095 77 0.045 0.04368 4.8440 0.774 0.03663 0.058 0.0035 0.0963 0.00 0.048 78 0.04804 0.04856 4.650 0.8703 0.040 0.0456 0.00379 0.03 0.000 0.0695 79 0.0545 0.0540 4.46579 0.976 0.0445 0.0683 0.00407 0.0497 0.009 0.094 (80 0.06 ( 注 公 的 介 護 保 険 における 要 介 護 3 以 上 の 発 生 率 とした 007 年 0 月 介 護 給 付 費 実 態 調 査 ( 厚 生 労 働 省 における 要 介 護 3 以 上 認 定 者 数 およ び 007 年 0 月 日 現 在 人 口 推 計 ( 総 務 省 による 人 口 データを 用 いて 若 干 の 補 整 を 行 い 算 出 した 第 0 回 生 命 表 ( 厚 生 労 働 省 による 介 護 費 用 保 険 参 考 純 率 ( 損 害 保 険 料 率 算 出 機 構 による 付 録.の 方 法 により 算 出 した 5