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日 本 の 住 まいの 要 素 現 代 における4つの 住 まいづくりの 目 的 を 達 成 するためには 建 物 の 形 式 材 料 構 法 空 間 構 成 等 の 要 素 (ハード 面 )と 住 まいを 維 持 管 理 し 活 用 す る 方 法 (ソフト 面 )の 両 方 を 上 手 く 用 いなければなら ないでしょう 手 引 きでは このうちハード 面 の 日 本 の 住 まいの 要 素 を 36 種 類 取 り 上 げ その 概 要 と 事 例 を 紹 介 します 事 例 は 住 まいづくりに 参 考 になりそうな 手 法 技 法 を 伝 統 的 な 住 まいと 現 代 の 住 まいから 広 く 取 り 上 げます 下 の 図 は 日 本 の 住 まいの 要 素 と 住 まいづくり の 目 的 の 関 係 を 表 しています 住 まいづくりで 重 視 しようとする 目 的 を 実 現 するためには 関 係 が 深 い 要 素 を 採 用 することが 有 効 になるでしょう ご 意 向 や 条 件 に 応 じて 採 用 できそうな 要 素 を 探 すヒ ントにしてください 住 まいづくりの 目 的 人 と 人 の 関 係 を 守 り 育 てる 人 を 迎 え 入 れ 集 う 家 族 が 見 守 り 合 い 成 長 する 日 々の 暮 らしを 享 受 する 暮 らしのなかで 楽 しみや 豊 かさ を 味 わう 自 然 の 変 化 や その 風 合 いを 感 じとる 心 地 よく 環 境 にやさしい 生 活 を 支 える 夏 の 快 適 涼 やかな 生 活 に 寄 与 する 冬 の 快 適 あたたかな 生 活 に 寄 与 する 外 的 環 境 から 建 物 を 保 護 する 家 をいためる 自 然 の 力 を 和 らげる 日 本 の 住 ま い の 要 素 屋 根 軒 外 壁 開 口 部 内 部 建 具 内 部 空 間 ゆか 内 部 意 匠 装 い 素 材 戸 外 配 置 勾 配 屋 根 瓦 屋 根 越 屋 根 深 い 軒 板 壁 漆 喰 壁 高 窓 天 窓 地 窓 掃 き 出 し 窓 窓 庇 日 除 け すだれ よしず 格 子 雨 戸 襖 引 戸 障 子 欄 間 続 き 間 縁 側 玄 関 吹 抜 け 畳 和 室 板 の 間 土 間 真 壁 大 黒 柱 床 の 間 仏 壇 神 棚 囲 炉 裏 土 壁 自 然 素 材 地 域 産 材 濡 れ 縁 坪 庭 中 庭 植 栽 前 庭 建 物 配 置 目 的 と 要 素 の 関 係 強 い 弱 い 表 / 日 本 の 住 まいの 要 素 と 住 まいづくりの 目 的 の 関 係 30

3.1 屋 根 軒 勾 配 屋 根 こうばいやね 雨 の 多 い 日 本 では 屋 根 に 降 った 雨 水 を 速 やかに 排 水 できるように 勾 配 のある 屋 根 が 発 達 してきました メリット:1 雨 水 を 速 やか に 排 水 することができるた め 屋 根 の 防 水 性 能 が 向 上 2 多 雪 地 域 では 金 属 葺 きと することで 屋 根 雪 を 自 然 に 落 とすことが 可 能 3 伝 統 的 な 町 家 のように 屋 根 の 向 きを 揃 えることで 美 しいま ちなみを 形 成 4 小 屋 裏 を 内 部 化 して 勾 配 天 井 やロ フト 等 拡 がりのある 多 様 な 室 内 空 間 が 実 現 留 意 点 : 斜 線 制 限 のある 地 域 では 北 側 隣 地 への 圧 迫 感 を 軽 減 するような 屋 根 の 掛 け 方 が 必 要 です ( 雨 水 の 排 出 ) 急 勾 配 の 屋 根 は 雨 水 を 早 期 に 排 出 し 屋 根 の 防 水 性 を 向 上 ( 大 分 ) ( 楽 雪 屋 根 ) 雪 割 棟 を 設 け 金 属 葺 きとして 屋 根 雪 を 自 然 に 落 とす 山 並 みに 調 和 ( 富 山 楽 雪 住 宅 ) (まちなみの 創 出 ) 屋 根 の 向 きが 調 和 した 美 しい 町 家 のま ちなみ ( 集 落 景 観 の 形 成 ) 特 徴 的 な 集 落 景 観 を 形 成 する 勾 配 屋 根 の 美 しい 民 家 ( 富 山 アズマダチ) 瓦 屋 根 かわらやね 日 本 の 瓦 の 歴 史 は 古 く 飛 鳥 時 代 までさかのぼります 瓦 は 日 本 の 気 候 風 土 に 適 し 耐 久 性 と 美 観 を 兼 ね 備 えた 屋 根 材 料 と 言 えます メリット:1 耐 久 性 が 高 く 沿 岸 部 の 塩 害 にも 強 い 2 劣 化 破 損 しても 部 分 的 な 交 換 が 容 易 3 裏 面 の 空 気 層 による 断 熱 効 果 や 下 地 の 乾 燥 効 果 4いぶし 瓦 等 は 経 年 とともに 趣 きを 増 す 5 自 然 素 材 のため 廃 棄 後 も 土 に 還 る 留 意 点 : 重 量 が 大 きいため 金 属 屋 根 等 と 比 べて 壁 量 を 増 やす 必 要 があります 地 震 や 風 等 の 外 力 に 配 慮 した 留 付 け 方 法 を 採 用 しましょ う ( 上 屋 と 下 屋 ) 瓦 の 美 しい 屋 根 並 み( 富 山 八 尾 ) ( 地 域 産 材 の 瓦 ) 赤 瓦 による 地 域 固 有 の 景 観 ( 島 根 石 見 ) (いぶし 瓦 ) 経 年 変 化 により 美 しさを 増 すいぶし 瓦 ( 写 真 : 1) 31

越 屋 根 こしやね ( 越 屋 根 の 現 代 住 宅 ) 採 光 通 風 換 気 を 目 的 とした 越 屋 根 ( 写 真 :1) ( 越 屋 根 の 現 代 住 宅 ) 越 屋 根 の 頂 側 窓 からそそぐやわらか い 光 ( 写 真 :1) ( 越 屋 根 の 現 代 住 宅 ) 美 しい 景 観 を 創 出 する 越 屋 根 ( 写 真 : 1) 越 屋 根 とは 元 々は 囲 炉 裏 やかまどの 煙 出 し 等 のため 屋 根 の 上 に 一 段 高 く 設 けた 小 屋 根 を 言 います この 例 のように 現 代 の 住 宅 にも 上 手 く 取 り 入 れられていま す メリット:1 越 屋 根 に 設 け た 頂 側 窓 (ちょうそくまど) から 採 光 や 通 風 換 気 を 得 ることができるため 奥 行 の 深 い 住 宅 に 設 けると 効 果 的 2 天 窓 と 比 べて 均 質 の 明 るさや 安 定 した 通 風 が 得 られ かつ 防 水 性 に 優 れる 3 屋 根 形 状 にアクセントを 与 え 美 しい 景 観 を 創 出 留 意 点 : 本 屋 根 と 越 屋 根 の 取 り 合 い 部 の 雨 仕 舞 に 十 分 注 意 しましょう 深 い 軒 ふかいのき ( 深 い 軒 とけらば) 軒 けらばを 共 に 外 壁 から 大 きく 張 り 出 し 外 壁 を 保 護 し 半 外 部 をつくる( 写 真 :6) ( 軒 下 の 利 用 ) 軒 下 の 多 様 な 使 われ 方 (ウッドデッキ 薪 の 乾 燥 等 )( 写 真 :6) 降 雨 から 外 壁 を 保 護 し 夏 の 日 射 を 遮 蔽 できるように 屋 根 の 軒 を 深 く 出 す 建 築 様 式 が 発 達 してきました メリット:1 雨 雪 から 外 壁 開 口 部 を 守 り 建 物 の 耐 久 性 を 向 上 2 夏 の 日 射 遮 蔽 に よる 冷 房 負 荷 の 軽 減 3 軒 裏 の 反 射 光 を 室 内 に 導 き 入 れることが 可 能 4 建 物 外 周 に 半 屋 外 の 中 間 領 域 ( 縁 側 や 軒 下 空 間 )を 創 出 5 陰 影 のある 美 しい 外 観 やま ちなみの 創 出 留 意 点 : 敷 地 にゆとりがな く 隣 家 が 近 い 場 合 は 雨 掛 りの 大 きい 面 ( 道 路 側 等 ) だけでも 十 分 な 軒 の 出 を 確 保 しましょう (まちなみ 創 出 ) 深 い 軒 による 陰 影 のある 美 しい 外 観 ( 熊 本 水 俣 エコハウス)( 写 真 :7) (せがいづくり) 軒 を 深 くだすための 伝 統 的 な 工 法 せが いづくり ( 新 潟 山 古 志 ) 32

3.2 外 壁 板 壁 いたかべ 板 張 りの 壁 ( 板 壁 )は 元 々 は 外 壁 の 塗 り 仕 上 げ 面 を 風 雨 等 から 保 護 する 目 的 で 用 いられてきた 外 壁 仕 上 げで 下 見 板 張 り 縦 羽 目 張 り 等 の 工 法 があります メリット:1 自 然 素 材 によ る 落 ち 着 いた 風 合 いの 外 観 2 腐 朽 や 汚 損 が 進 んでも 部 分 交 換 や 補 修 が 容 易 ( 工 業 製 品 と 違 い 材 料 の 調 達 が 容 易 ) 3 地 域 の 木 材 や 大 工 技 術 の 活 用 による 森 林 の 保 全 育 成 地 域 経 済 の 活 性 化 留 意 点 : 外 壁 に 防 火 構 造 が 求 められる 地 域 では 防 火 構 造 とした 上 で 板 張 りとす る 等 の 工 夫 が 必 要 です 塗 装 を 行 う 場 合 は 木 目 を 消 さない 含 浸 性 の 塗 料 がお 勧 めです ( 腰 板 張 り) 外 壁 の 上 部 は 漆 喰 壁 とし 雨 掛 りの 多 い 腰 壁 を 板 張 りとする 例 ( 写 真 :1) ( 下 見 板 張 り) 下 見 板 張 りにより 土 壁 を 保 護 した 例 ( 板 壁 の 補 修 ) 塗 装 を 施 すことにより 部 分 的 に 張 り 替 えた 板 壁 の 箇 所 がほとんど 目 立 たない 例 漆 喰 壁 しっくいかべ 漆 喰 は 土 壁 の 上 塗 り 等 に 使 われる 水 酸 化 カルシウム ( 消 石 灰 )を 主 成 分 とした 建 材 です 外 壁 だけでなく 内 壁 にも 使 えます メリット:1 防 水 性 があり 不 燃 素 材 であることから 外 壁 仕 上 げに 用 いると 防 水 性 能 防 火 性 能 が 向 上 2 吸 放 湿 性 や 空 気 中 の 化 学 物 質 を 吸 着 分 解 する 働 きがあ り 室 内 空 気 環 境 を 向 上 3 自 然 素 材 と 職 人 の 手 仕 事 に よる 風 合 いの 良 さ 洋 間 に も 漆 喰 は 調 和 する 留 意 点 : 漆 喰 は 汚 れにくい 材 料 ですが ビニールクロ スのように 水 拭 きはできま せん メンテナンスの 方 法 は 専 門 の 方 に 聞 きましょう ( 伝 統 的 な 民 家 ) 伝 統 的 な 民 家 の 漆 喰 壁 ( 現 代 的 な 住 宅 の 漆 喰 の 外 観 ) 下 見 板 張 りとのコントラス トによる 美 しい 漆 喰 壁 ( 漆 喰 の 内 観 和 室 ) 左 官 職 人 の 手 仕 事 による 風 合 いのあ る 内 部 の 漆 喰 壁 ( 写 真 :6) ( 漆 喰 の 内 観 洋 間 ) 洋 間 にも 調 和 する 漆 喰 ( 写 真 :6) 33

3.3 開 口 部 高 窓 天 窓 たかまど てんまど ( 伝 統 的 な 民 家 ) 町 家 の 土 間 の 採 光 と 換 気 を 確 保 する 高 窓 と 天 窓 ( 現 代 の 住 まい) 吹 抜 け 部 分 の 上 部 が 開 口 となっている 例 ( 現 代 の 住 まい) 通 常 の 天 井 高 さで 内 法 の 上 部 が 開 口 となっ 高 窓 の 効 果 を 期 待 できる ている 高 窓 の 例 ( 写 真 :4) 高 窓 は 外 壁 の 上 部 に 設 け る 窓 を 言 い 天 窓 は 天 井 面 に 設 ける 窓 を 言 います 採 光 や 排 熱 通 風 に 効 果 があ ります メリット:1 高 い 位 置 に 設 けられる 開 口 のため 採 り 入 れた 光 が 部 屋 の 奥 まで 届 き 均 一 性 の 高 い 明 るさを 確 保 2 室 内 の 上 昇 する 暖 かい 空 気 を 流 出 し 易 く 夏 の 排 熱 排 湿 に 効 果 的 3 自 然 換 気 通 風 を 促 進 留 意 点 : 高 窓 は 日 除 けや 開 閉 方 式 清 掃 等 のための サービスバルコニー デッ キや 梯 子 をかける 場 所 の 検 討 が 必 要 です 天 窓 は 特 に 雨 仕 舞 への 配 慮 点 検 ルー トの 確 保 等 が 必 要 です 地 窓 じまど ( 伝 統 的 な 民 家 ) 町 家 の 中 庭 に 面 した 開 口 ( 現 代 の 住 まい) 玄 関 ホールの 正 面 できれいに 庭 の 植 栽 を みせる 地 窓 ( 写 真 :1) ( 現 代 の 住 まい) 収 納 下 の 換 気 に 配 慮 した 地 窓 ( 集 合 住 宅 の 事 例 ) 住 戸 の 通 風 に 配 慮 した 玄 関 収 納 下 の 地 窓 ( 写 真 図 :3) 地 窓 は 床 面 に 接 して 設 け る 外 壁 の 窓 のうち 高 さが 低 いものを 言 います 採 光 や 換 気 戸 外 鑑 賞 の 機 能 を もちます メリット:1 床 面 の 明 るさ を 向 上 2アイレベルにあ る 隠 したいものを 隠 しなが ら 足 元 にしつらえた 見 せ たいものだけを 見 せる 3 開 閉 させることで 床 に 近 い 高 さの 空 気 を 動 かして 換 気 通 風 する 留 意 点 : 接 地 階 の 地 窓 は 地 面 に 近 いため 雨 がかかっ たり 泥 が 跳 ねたりしないよ うに 配 慮 が 必 要 です 庭 等 を 見 ることが 主 な 目 的 の 窓 はガラスのみできれいにつ くりますが 換 気 通 風 に 使 う 場 合 は 開 閉 方 式 や 防 犯 に 配 慮 した 格 子 等 の 設 置 を 検 討 します 34

掃 き 出 し 窓 はきだしまど 掃 き 出 し 窓 は 床 面 の 位 置 から 内 法 ( 鴨 居 )レベルま で 開 いている 窓 を 言 います 各 室 が 外 部 から 出 入 りでき 引 違 いのほか 引 込 み 戸 に よる 全 開 口 や 一 部 を 嵌 め 殺 し 窓 とする 等 多 様 な 開 口 形 式 があります メリット:1 内 外 の 一 体 性 が 向 上 し 人 の 出 入 りが 可 2 室 内 への 十 分 な 採 光 通 風 の 確 保 3 床 面 の 明 るさ 向 上 4 冬 期 の 集 熱 に 有 効 留 意 点 : 屋 外 の 空 間 構 成 や 用 途 に 配 慮 した 設 えとしま す 縁 側 濡 れ 縁 (デッキ) やバルコニー 等 と 上 手 く 組 合 わせます ( 伝 統 的 な 民 家 ) 屋 外 と 室 内 の 一 体 性 を 高 める 掃 き 出 し 窓 ( 現 代 の 住 まい) 引 違 いでリビングと 庭 が 連 続 する 例 ( 写 真 :1) ( 現 代 の 住 まい) 引 込 み 戸 で 全 開 口 となり リビングと 外 部 デッキが 連 続 する 例 ( 写 真 :1) ( 集 合 住 宅 の 事 例 ) フルフラットでリビングとバルコニー が 連 続 する 例 窓 庇 まどびさし 窓 の 上 に 取 り 付 ける 庇 を 言 います 直 上 に 屋 根 がない 場 合 軒 やけらばの 出 が 小 さかったり 距 離 がある 場 合 に 雨 水 対 策 や 日 射 遮 蔽 に 有 効 です メリット:1 窓 が 雨 がかり にならない 水 切 りの 役 割 となることにより 開 口 部 を 雨 水 から 保 護 し 建 物 の 耐 久 性 向 上 に 貢 献 2 日 除 け 日 射 遮 蔽 の 役 割 (とく に 南 面 ) 留 意 点 : 庇 を 支 持 する 構 造 材 の 固 定 庇 の 両 端 部 庇 と 開 口 部 の 取 り 合 い 等 には 防 水 外 壁 仕 上 げの 納 まり に 特 に 配 慮 が 必 要 です 日 射 遮 蔽 に 用 いる 場 合 庇 の 出 寸 法 は 方 位 太 陽 高 度 等 に 配 慮 します ( 現 代 の 住 まい) 妻 壁 の 開 口 部 に 設 けられた 窓 庇 ( 写 真 :1) (ハウスメーカーの 事 例 ) 上 部 に 軒 庇 のない 掃 き 出 し 窓 に 取 り 付 けた 庇 ( 写 真 :9) ( 現 代 の 住 まい) 妻 壁 の 開 口 部 に 設 けられた 窓 庇 ( 写 真 :6) 35

日 除 け ひよけ ( 伝 統 的 な 事 例 ) 軒 の 中 間 に 簾 が 連 続 してかけられている ( 現 代 の 住 まい) 開 口 のすぐ 外 部 に 吊 るされた 例 開 口 か ら 離 したほうが 遮 熱 の 効 率 は 良 い ( 現 代 の 住 まい) 軒 先 に 吊 るされた 簾 軒 先 から 少 し 内 側 に 設 けた 方 が 耐 久 性 は 向 上 する( 写 真 :7) (ハウスメーカーの 事 例 ) 窓 庇 の 先 端 に 簾 を 吊 るすための フックが 取 り 付 けられている( 写 真 :2) すだれ よしず すだれ( 簾 )とは よし( 葦 ) や 細 い 竹 を 糸 や 細 い 縄 で 編 み 連 ねたもので 窓 の 外 や 軒 先 に 垂 らして 日 射 を 遮 蔽 できます メリット:1 窓 の 外 側 に 必 要 時 に 設 けて 日 射 を 遮 る 外 部 に 吊 るすことが 可 能 な ため カーテンや 内 部 ブラ インドより 効 果 的 に 日 射 を 遮 断 2 内 部 が 外 部 より 暗 い 場 合 ( 日 中 ) 外 のまぶし さを 緩 和 3 外 部 からの 視 線 を 遮 りながら 通 風 を 確 保 留 意 点 : 予 め 吊 るすための 金 物 を 庇 軒 先 等 に 設 ける 必 要 があります 架 払 いが 可 能 で 強 風 時 や 冬 期 等 に は 取 り 外 します その 際 の 収 納 場 所 を 確 保 します ( 伝 統 的 な 事 例 ) 京 町 家 で 通 りからの 視 線 制 御 を 主 に 意 識 している ( 多 様 な 格 子 ) 道 路 に 近 い 場 所 等 視 線 制 御 を 主 に 目 的 とし て 利 用 できる( 写 真 :1) ( 格 子 戸 ) 締 め 切 ると 風 を 通 しつつ 中 から 外 は 見 え 外 からは 見 えない まぶしさも 緩 和 ( 写 真 :1) (ハウスメーカーの 事 例 ) 金 属 製 の 格 子 でやわらかいしつ らえを 演 出 している 格 子 こうし 細 い 角 材 を 縦 若 しくは 横 縦 横 に 隙 間 を 開 けて 組 み 建 物 本 体 や 建 具 に 取 り 付 け ます 視 線 通 風 明 るさ 等 を 制 御 します メリット:1 外 部 ( 斜 め 方 向 )からの 視 線 を 遮 る 2 日 中 内 部 が 外 部 より 暗 い 場 合 外 のまぶしさを 緩 和 3 通 風 を 確 保 しながら 防 犯 の 機 能 も 有 する 4 角 材 の 断 面 ピッチにより 効 果 的 に 日 射 を 遮 蔽 5 細 やか で 美 しい 意 匠 留 意 点 : 外 部 に 木 製 格 子 を 用 いる 場 合 防 火 規 定 に 関 する 運 用 方 法 の 確 認 が 必 要 な 地 域 があります また 耐 久 性 への 配 慮 のため 木 製 の 縦 格 子 では 木 口 横 格 子 では 部 材 上 部 に 水 をため ない 断 面 形 状 とする 等 の 配 慮 が 必 要 です 36

雨 戸 あまど 開 口 部 を 風 雨 から 守 るため に 開 口 の 外 側 に 設 けられ た 板 引 戸 を 言 います 最 近 ではシャッターや 可 動 ルー バーが 組 み 込 まれた 製 品 も あります メリット:1 開 口 部 を 風 雨 から 保 護 2 台 風 時 の 飛 来 物 から 窓 ガラスを 保 護 3 防 犯 の 機 能 4 遮 音 遮 光 5 可 変 ルーバータイプは 夜 間 の 防 犯 と 通 風 の 両 立 や 細 かな 遮 光 が 可 能 6ガラス 戸 障 子 と 組 合 せて 開 口 部 の 断 熱 性 向 上 留 意 点 : 木 製 の 雨 戸 は 下 枠 に 水 が 溜 まらないようメン テナンス 等 に 配 慮 します シャッターでは 開 閉 を 容 易 にするために 電 動 もあ ります ( 伝 統 的 な 民 家 ) 板 戸 の 雨 戸 ( 現 代 の 住 まい) 可 変 ルーバータイプの 雨 戸 の 例 ( 写 真 :9) ( 現 代 の 住 まい) シャッター 形 式 の 雨 戸 の 例 ( 写 真 :9) 37

3.4 内 部 建 具 引 戸 ひきど ( 伝 統 的 な 民 家 ) 間 仕 切 り 板 戸 の 引 戸 の 事 例 ( 写 真 :1) ( 現 代 の 住 まい) 夏 期 のしつらえとしての 簀 戸 ( 簾 を 仕 込 んだ 建 具 )の 例 ( 写 真 :1) ( 現 代 の 住 まい) 通 風 に 配 慮 した 格 子 を 組 み 込 んだ 引 戸 の 事 例 ( 写 真 :1) ( 現 代 の 住 まい) 上 部 に 無 双 (2 枚 の 板 を 左 右 に 移 動 させて 開 閉 する 戸 )を 組 み 込 んだ 建 具 ( 写 真 :1) 水 平 方 向 にスライドさせて 開 閉 する 建 具 を 総 称 して 引 戸 と 言 います 開 閉 のしか た( 片 引 き 引 違 い 等 ) 建 具 の 仕 様 ( 面 材 格 子 等 ) 等 多 様 なバリエーションが あります メリット:1 開 き 具 合 を 任 意 に 調 節 可 能 少 し 開 けて 通 風 や 隣 室 の 雰 囲 気 を 感 じ ることができる 2 開 いた 状 態 で 建 具 が 邪 魔 にならな い 3 高 齢 者 等 にとっても 開 閉 が 容 易 留 意 点 : 大 きな 引 戸 は 重 く なりますので 吊 戸 とする 等 作 動 させやすくする 工 夫 が 必 要 です また 丈 の 高 い 木 製 の 建 具 は 季 節 により 反 りが 生 じやすいので 配 慮 が 必 要 です 襖 ふすま ( 現 代 の 住 まい) 引 込 み 形 式 の 襖 の 例 ( 写 真 :1) ( 現 代 の 住 まい) 現 代 の 住 まいの 畳 コーナーに 取 り 入 れら れる 襖 の 例 ( 写 真 :10) 木 の 骨 組 に 紙 を 下 地 貼 りし 表 面 を 紙 または 布 とした 建 具 を 言 います 襖 紙 下 地 縁 引 手 に 様 々な 種 類 があ ります メリット:1 簡 易 に 扱 える 室 と 室 のあいだの 間 仕 切 り 開 け 放 しや 取 り 外 しがし 易 い 2 様 々な 収 納 扉 に 利 用 できる( 押 入 天 袋 地 袋 仏 間 開 き 戸 等 ) 3 多 様 な 図 柄 素 材 色 調 により 装 飾 品 となる 4 茶 道 華 道 着 付 け 等 の 活 動 に 相 応 しい 場 の 設 えに 寄 与 留 意 点 : 木 製 の 組 子 を 骨 組 とした 和 襖 以 外 に ダンボー ルや 発 泡 スチロールを 下 地 とした 廉 価 な 製 品 も 出 てい ます 耐 久 性 や 風 合 い 機 能 に 応 じた 種 類 を 選 択 して ください 38

障 子 しょうじ 木 枠 ( 組 子 )に 紙 を 張 った 建 具 を 言 います 木 枠 の 組 み 方 やプロポーションに よって 和 風 から 洋 風 まで 様 々な 趣 を 感 じさせること ができます 雪 見 障 子 や 建 具 の 一 部 が 開 閉 するタイプ もあります また 引 戸 だ けでなく 折 れ 戸 としたも のもあります メリット:1 直 射 光 を 遮 り やわらかい 光 環 境 を 形 成 2 開 口 部 の 断 熱 性 を 多 少 高 める 3 視 線 を 制 御 しなが ら 音 気 配 を 伝 える 留 意 点 : 和 紙 を 用 いると 破 れるため 補 修 張 り 替 え が 必 要 です また 和 紙 は 時 間 が 経 つにつれ 変 色 します 破 れにくい 素 材 は 張 り 替 え が 難 しい 場 合 があります ( 伝 統 的 な 民 家 ) 和 室 に 障 子 を 用 いた 例 ( 現 代 の 住 まい) 細 やかに 視 線 を 制 御 する 雪 見 障 子 ( 猫 間 障 子 )の 例 ( 現 代 の 住 まい) 洋 風 のインテリアに 障 子 をマッチさせた 例 ( 写 真 :1) ( 新 しい 取 組 ) 障 子 を 用 いた 折 戸 の 例 ( 写 真 :11) 欄 間 らんま 建 具 上 枠 ( 鴨 居 )と 天 井 の 間 に 設 ける 建 具 や 飾 りを 言 います 元 来 は 襖 障 子 上 部 のもののことでしたが 最 近 では 洋 間 の 開 き 戸 の 上 部 に 設 ける 例 も 見 られます メリット:1 欄 間 を 透 明 と したり 部 分 的 に 開 放 した 意 匠 とすることで 部 屋 の 間 の 連 続 性 を 確 保 2 暗 い 部 屋 への 導 光 が 可 能 3 開 閉 可 能 とすることで 通 風 換 気 を 確 保 留 意 点 : 欄 間 をガラス 等 透 明 とする 際 には 遮 光 に 対 する 配 慮 も 必 要 です 通 風 ができる 欄 間 には 開 閉 す る 仕 組 み 等 を 組 み 込 み 冬 期 等 に 部 屋 の 暖 かい 空 気 が 逃 げないようにする 配 慮 が 必 要 です ( 伝 統 的 な 民 家 ) 襖 上 部 の 伝 統 的 な 欄 間 の 例 ( 写 真 :1) ( 現 代 の 住 まい) 開 き 戸 の 上 部 にガラス 等 の 欄 間 を 仕 込 ん だ 例 ( 写 真 :8) ( 現 代 の 住 まい) 通 風 を 確 保 するため 開 閉 可 能 な 仕 組 を 持 つ 欄 間 の 例 ( 写 真 :1) (ハウスメーカー) 天 井 までの 開 き 戸 の 上 部 のみ 欄 間 風 に 開 閉 できるようにした 例 ( 写 真 :4) 39

3.5 内 部 空 間 続 き 間 つづきま ( 畳 の 間 の 続 き 間 ) 和 室 二 間 を 襖 で 仕 切 った 本 来 的 な 続 き 間 ( 写 真 :6) ( 畳 の 間 と 板 の 間 の 続 き 間 ) 板 の 間 と 畳 の 間 を 連 続 させた 続 き 間 和 風 とモダンの 連 続 ( 写 真 :6) ( 畳 の 間 と 板 の 間 の 組 合 せ) 板 の 間 のうち 畳 の 間 に 面 する 部 分 を 畳 敷 きとし 連 続 性 を 高 める( 写 真 :1) ( 畳 の 間 と 板 の 間 の 続 き 間 ) 床 レベルを 揃 え 襖 を 引 き 込 む と 連 続 した 大 きな 空 間 となる( 写 真 :1) 続 き 間 は 本 来 襖 で 仕 切 られた 和 室 二 間 で 襖 を 外 せば 広 間 として 使 えます 現 代 の 和 室 と 洋 室 をつなぐ ものも ここでは 含 めて 扱 います メリット:1ひとつながり の 大 きな 空 間 は 日 常 の 家 族 の 居 場 所 の 拡 がりや 来 訪 者 が 来 たときの 多 人 数 の 集 まり 等 多 目 的 に 利 用 可 2 必 要 に 応 じて2 室 を 別 の 用 途 に 利 用 可 ( 来 客 のもて なしと 寝 室 等 ) 3 開 放 性 連 続 性 の 高 い 空 間 構 成 は 通 風 上 も 有 利 留 意 点 : 使 い 方 に 応 じて 閉 じ 方 と 開 き 方 床 段 差 をつ くるつくらない 仕 上 げを 揃 える 揃 えないといった 要 素 を 決 めることが 重 要 です 縁 側 えんがわ ( 伝 統 的 な 民 家 ) 部 屋 から 庭 につながるあいだの 落 ち 着 き のある 縁 側 ( 現 代 の 住 まい) 床 の 仕 上 げで 縁 側 的 空 間 を 創 出 空 間 に 変 化 を 与 え 畳 が 日 に 焼 けるのも 防 ぐ( 写 真 :8) (ハウスメーカー) 最 近 の 住 宅 における 和 室 前 面 の 縁 側 ( 写 真 :2) (ハウスメーカー) 洋 間 の 屋 外 側 に 連 続 する 縁 側 子 ども の 勉 強 スペースに 活 用 されている( 写 真 :4) 縁 側 とは 戸 外 と 主 室 に 設 け られた 板 敷 の 廊 下 状 の 空 間 で 主 室 に 至 る 動 線 や 主 室 の 補 助 スペースとして 利 用 されます 濡 れ 縁 と 違 い 縁 側 は 屋 内 空 間 です メリット:1 来 客 を 玄 関 か ら 座 敷 に 迎 え 入 れる 正 式 な 動 線 となるだけでなく 座 敷 の 格 調 を 高 める 2 座 敷 等 との 間 の 障 子 を 開 放 するこ とによる 一 体 的 な 利 用 や 空 間 の 広 がりを 確 保 3 夏 の 日 射 や 冬 の 冷 気 から 居 住 空 間 を 守 る 緩 衝 空 間 ( 寒 冷 地 では 冬 のサンルームとして 使 われることもある) 留 意 点 : 床 面 積 にゆとりが あることが 必 要 です 縁 側 を 設 けられない 場 合 濡 れ 縁 を 設 けることも 有 効 です 40

玄 関 げんかん 住 まいの 主 要 な 入 口 を 言 い ます 現 代 の 住 宅 では 小 さな 土 間 と 下 駄 箱 といった 最 小 限 のものが 一 般 的 です が 土 間 を 大 きくして 収 納 やちょっとした 接 客 スペー スを 設 ける 等 の 工 夫 も 増 え ています メリット:1 玄 関 の 土 間 を 大 きく 確 保 することで ベ ビーカーや 自 転 車 等 の 収 納 に 必 要 なスペースを 確 保 で きる 2 下 足 で 入 れる 収 納 室 を 確 保 し 屋 外 で 利 用 す る 道 具 ( 雪 かき 庭 用 等 ) の 収 納 の 利 便 性 を 確 保 留 意 点 : 玄 関 を 引 戸 とする ことでスペース 効 率 が 向 上 します 玄 関 に 開 口 を 設 け ると 採 光 確 保 に 有 効 ですが 防 犯 への 配 慮 が 必 要 です ( 畳 敷 きの 玄 関 ) 座 って 来 訪 者 を 迎 えることができるしつ らえ( 写 真 :8) ( 収 納 のある 玄 関 ) 玄 関 土 間 を 大 きく 確 保 して 収 納 スペー スを 確 保 した 例 ( 写 真 :1) (おしゃべりスペースのある 玄 関 ) ちょっと 坐 れるおしゃ べりスペースを 確 保 した 玄 関 ( 写 真 :4) ( 和 を 取 り 込 んだ 集 合 住 宅 の 玄 関 ) 様 々に 使 える 大 きさ 風 や 光 の 取 り 込 み 和 の 素 材 の 活 用 ( 写 真 :1) 吹 抜 け ふきぬけ 上 下 の2つの 階 にまたがる 天 井 の 高 い 空 間 を 言 います 部 屋 全 体 を 吹 抜 けとするだ けでなく 空 気 の 循 環 をう ながすために 小 さな 吹 抜 け を 設 けることもあります 新 築 時 に 吹 抜 けとしておき 将 来 2 階 を 増 床 する 使 い 方 も 可 能 です メリット:1 空 間 の 広 がり 感 の 向 上 2 上 下 階 の 視 覚 的 連 続 性 の 確 保 3 上 下 階 の 通 風 空 気 循 環 の 促 進 4 高 窓 を 設 けることにより 下 階 や 室 の 奥 への 導 光 の 促 進 留 意 点 : 暖 房 時 に 室 内 の 上 下 温 度 差 が 大 きく 異 なる 傾 向 があり 放 射 式 暖 房 の 利 用 等 の 配 慮 が 必 要 です 家 全 体 に 音 が 伝 わりやすいこ とにも 配 慮 が 必 要 です ( 京 町 家 ) 通 り 土 間 の 吹 抜 け 採 光 と 換 気 の 機 能 を 担 って いる ( 現 代 の 住 まい) 空 気 の 循 環 を 目 的 とした 小 さな 吹 抜 け( 写 真 :6) ( 現 代 の 住 まい) 吹 き 抜 けを 介 して 家 全 体 がひとつながり で 一 体 感 を 感 じられる 住 まい 41

3.6 ゆか (2 面 が 板 の 間 に 面 した 畳 の 間 ) 間 仕 切 りの 障 子 は3/4 開 放 でき 一 体 感 連 続 性 が 大 きい( 写 真 :1) ( 下 部 収 納 の 畳 ) 下 部 を 収 納 に 利 用 畳 はオーダーメイド なので 自 由 な 大 きさがつくれる( 写 真 :1) ( 縁 なしの 畳 ) 半 畳 縁 なしの 畳 はニュートラルな 雰 囲 気 で 洋 間 的 な 用 途 にも 使 いやすい( 写 真 :1) ( 畳 ベッド 集 合 住 宅 ) 小 上 がり ベッド ベンチ 等 畳 は 多 様 なしつらえに 適 用 できる( 写 真 :5) 畳 ( 和 室 ) たたみ わしつ 畳 は 日 本 の 住 まい 和 室 を 象 徴 する 床 の 仕 上 げ 材 料 で す 元 来 心 材 ( 畳 床 )は 稲 わら 表 面 材 ( 畳 表 )は い 草 を 材 料 とする 調 湿 性 能 のある 自 然 素 材 です メリット:1ごろごろした り 床 座 の 生 活 子 育 て 洗 濯 物 の 仮 置 き 等 の 家 事 室 としての 活 用 客 間 として 用 いる 等 多 様 な 使 い 方 に 対 応 できる 2 茶 道 華 道 礼 法 着 付 け 等 和 の 立 ち 居 振 る 舞 いや 活 動 のための 場 として 欠 かせない 留 意 点 : 本 畳 を 入 れる 場 合 は 根 太 下 げ 等 に 配 慮 する 必 要 があります またメン テナンスの 容 易 さ 耐 久 性 等 畳 の 種 類 ごとの 特 性 を 踏 まえた 手 入 れが 必 要 です 板 の 間 いたのま ( 子 供 の 遊 び 場 としての 板 の 間 ) 弾 力 性 のある 樹 種 を 選 ぶと 小 さい 子 供 の 遊 び 場 としても 安 心 ( 写 真 :1) ( 床 座 の 板 の 間 ) 温 かみのある 樹 種 を 用 い 椅 子 座 と 床 座 を 両 立 する 空 間 をつくることが 可 能 ( 写 真 :1) ( 床 板 の 反 射 ) 塗 装 の 種 類 色 によっては 光 を 柔 らかく 反 射 して 部 屋 全 体 を 明 るくする( 写 真 :1) 木 板 を 張 った 床 で 樹 種 板 厚 板 の 巾 及 び 塗 装 の 種 類 等 は 様 々です 無 垢 板 は 柔 らかく 温 かみのある 触 感 です メリット:1 無 垢 板 の 肌 触 り( 柔 らかさ 温 かみ) 2 汚 れ 落 としや 傷 の 補 修 が 比 較 的 容 易 ( 削 り 込 み 等 ) 3 素 地 仕 上 げ 等 塗 装 の 種 類 によっては 吸 放 湿 性 や 反 射 性 がある 留 意 点 : 経 年 で 縮 み 継 ぎ 目 が 広 がる 季 節 ごとに 吸 放 湿 し 伸 縮 床 鳴 り 等 が 生 じ る 等 があり 注 意 を 要 します 床 暖 房 には 対 応 する 床 板 材 を 用 います また 触 感 の 良 いものほど 傷 や 汚 れがつ きやすいため バランスを 考 えた 選 択 が 必 要 です 42

土 間 どま 土 間 は 元 来 土 や 三 和 土 (た たき) 等 で 仕 上 げられた 床 で 現 代 ではタイル 瓦 等 等 を 敷 き 込 むこともありま す 室 内 空 間 ですが 戸 外 的 利 用 も 含 め 多 用 途 に 利 用 できます メリット:1 外 部 との 連 続 性 が 高 く 外 部 のものや 動 物 を 持 ち 込 める 内 部 空 間 と して 多 用 途 に 利 用 可 2 床 レベルを 室 内 より 低 くする ことで 室 内 の 床 座 と 土 間 の 椅 子 座 で 視 線 の 高 さを 揃 えられる 留 意 点 : 使 い 方 を 具 体 的 に イメージして 土 間 と 内 外 部 の 連 続 性 や 配 置 大 きさ 仕 上 げ 等 を 計 画 する 必 要 が あります 単 なる 通 路 や 物 置 にならないよう 配 慮 しま しょう ( 現 代 の 住 まい) シンク レンジを 仕 込 んだテーブルでダイニングとして 用 いられる 土 間 ( 写 真 :1) ( 集 合 住 宅 ) バルコニーに 面 するリビングの 一 部 を 土 間 に した 例 ( 写 真 :1) ( 現 代 の 住 まい) 玄 関 から 連 続 する 土 間 空 間 自 転 車 の 収 納 やおしゃべり 等 の 趣 味 に 利 用 ( 写 真 :1) 43

3.7 内 部 意 匠 真 壁 しんかべ ( 現 代 の 住 まい) 落 ち 着 きと 温 かみを 持 たせた 真 壁 の 部 屋 を 洋 間 として 使 用 ( 現 代 の 住 まい) 真 壁 と 障 子 の 意 匠 による ダイニング 和 室 の 一 体 感 のある 雰 囲 気 ( 写 真 :1) ( 現 代 の 住 まい) 真 壁 造 りで 全 体 を 和 風 の 雰 囲 気 に 整 えた 例 柱 や 梁 等 の 構 造 材 を 表 に 見 せる 壁 のつくり 方 を 言 い 構 造 材 以 外 の 部 分 は 土 壁 や 面 材 を 下 地 とし 塗 り 壁 壁 紙 等 で 仕 上 げます 構 造 材 を 見 せない 大 壁 に 比 べ 構 造 材 の 状 態 が 容 易 に 分 か ります メリット:1 木 の 温 かみが 感 じられ 時 とともに 色 に 味 わいが 増 し 愛 着 も 深 まる 2 木 材 が 外 面 し 常 時 空 気 に 触 れていて 劣 化 しにくいの で 構 造 体 が 長 持 ちする 留 意 点 : 大 壁 に 比 べて 壁 の 厚 さが 薄 くなるため 断 熱 性 能 を 確 保 するためには 断 熱 材 の 選 定 に 配 慮 が 必 要 です 外 壁 を 真 壁 にする 場 合 は 雨 掛 かりにならない ような 配 慮 も 必 要 です 大 黒 柱 だいこくばしら ( 現 代 の 住 まい) 土 間 と 座 敷 の 間 の 大 黒 柱 畳 を 切 り 欠 か ないよう 敷 居 位 置 をずらしている( 写 真 :1) ( 現 代 の 住 まい2) 板 の 間 における 大 黒 柱 吹 抜 けと 組 合 せ 視 覚 的 に2 階 にもつながる( 写 真 :1) ( 現 代 の 住 まい) 畳 の 間 と 板 の 間 の 間 の 大 黒 柱 リビング ダイニングの 中 心 に 配 置 ( 写 真 :1) 大 黒 柱 は 元 来 民 家 の 平 面 の 中 央 付 近 の 構 造 上 重 要 な 太 い 柱 で 家 格 の 象 徴 とし て 設 けられました 最 近 で も 家 族 やその 集 いの 象 徴 す る 太 い 柱 を 大 黒 柱 とし てリビング 等 に 設 ける 例 も 見 られます メリット:1 家 の 中 で 唯 一 の 太 い 柱 として 独 特 の 存 在 感 を 持 ち 家 族 の 集 いの 中 心 となる 場 を 形 成 2 内 部 空 間 の 意 匠 のメリハリや 個 性 を 表 現 留 意 点 : 周 囲 の 柱 よりも 太 い 断 面 の 部 材 のため 梁 や 建 具 床 仕 上 材 等 とのプロ ポーションやバランスに 配 慮 が 必 要 です 意 匠 性 に 加 え 梁 との 接 合 による 柱 の 断 面 欠 損 を 考 慮 した 断 面 寸 法 とします 44

3.8 装 い 床 の 間 とこのま 座 敷 の 床 の 間 は 構 成 要 素 や 形 式 が 決 められています が 最 近 は 自 由 な 発 想 の 床 の 間 や 花 や 季 節 のものを 飾 る 場 所 を 様 々に 工 夫 して 設 ける 事 例 が 増 えています メリット:1 書 画 や 写 真 花 置 物 また 家 族 の 写 真 や 作 品 等 を 飾 ることは 暮 らし の 中 にゆとりや 彩 りをもた らす 2 室 内 で 四 季 の 移 ろ いを 感 じさせる 3 家 族 の 絆 を 確 かめる 等 暮 らしの 心 の 部 分 を 満 たす 場 となる 留 意 点 :スペースに 余 裕 が なくても 壁 をものが 貼 れ る 仕 様 にしたり 薄 い 奥 行 きでも 何 か 飾 れる 場 をつく る という 手 間 や 工 夫 が 重 要 です ( 現 代 の 住 まい) 定 型 に 近 い 床 の 間 ( 写 真 :1) ( 現 代 の 住 まい) 床 の 間 背 後 に 地 窓 を 設 け 外 の 眺 めを 借 景 とした 飾 り 棚 スペースとしている ( 現 代 の 住 まい) 玄 関 の 正 面 に 床 の 間 風 の 飾 り 棚 が 設 けら れている( 写 真 :1) ( 現 代 の 住 まい) 階 段 の 隔 て 壁 を 利 用 した 飾 り 棚 階 段 に 合 わせて 段 状 になっている( 写 真 :1) 仏 壇 神 棚 ぶつだん かみだな 住 まいの 中 の 礼 拝 及 び 祖 先 を 祀 るスペースで 家 族 の 大 切 な 思 い 出 を 顧 みる 場 で もあります 住 まいの 中 に こうした 場 を 設 けるのは 日 本 の 文 化 です 宗 派 ごと の 定 式 の 他 最 近 は 自 由 な 発 想 の 仏 壇 もつくられてい ます メリット: 日 常 の 暮 らしの 中 に 家 族 の 心 のよりどこ ろを 確 かめるための 場 をつ くることができます 留 意 点 : 仏 壇 や 神 棚 は 新 築 時 には 不 要 でも 将 来 望 ま れることもあるため 予 め 設 置 スペースを 確 保 してお く( 当 初 は 収 納 等 に 利 用 ) 配 慮 も 必 要 です また 仏 壇 や 神 棚 をどのように 見 せ るかへの 配 慮 も 必 要 です ( 現 代 の 住 まい) リビングに 連 続 する 和 室 に 仏 壇 を 設 えた ( 現 代 の 住 まい) 押 入 上 部 の 神 棚 神 棚 は 壁 面 から 持 ち 出 例 ( 写 真 :1) しが 多 いが 専 用 スペースを 確 保 ( 写 真 :1) ( 現 代 の 住 まい) リビング 隣 の 和 室 に 仏 壇 用 収 納 を 設 置 ( 現 代 の 住 まい) リビングの 掃 き 出 し 窓 上 部 の 棚 板 を さ 建 具 を 閉 じると 仏 壇 は 隠 れる( 写 真 :1) りげなく 神 棚 としてしつらえた 例 ( 写 真 :1) 45

囲 炉 裏 いろり ( 囲 炉 裏 ) 周 縁 部 にものを 置 ける 板 をまわした 囲 炉 裏 ( 写 真 :1) 住 宅 内 の 床 面 を 切 り 下 げて つくられた 炉 で 調 理 食 事 採 暖 のために 設 けられます 最 近 では 囲 炉 裏 は 少 なくな りましたが 火 を 利 用 する 例 として 炉 を 組 込 んだ 座 卓 薪 ストーブ 等 が 見 られ ます メリット:1 火 のもつ 象 徴 性 は 家 族 や 来 訪 者 との 調 理 作 業 食 事 くつろぎの 中 心 の 場 の 形 成 に 相 応 しい 2 炭 火 による 調 理 上 の 効 果 3 輻 射 熱 による 採 暖 留 意 点 : 火 災 防 止 や 小 さな 子 供 等 の 安 全 面 十 分 な 換 気 等 への 配 慮 が 必 要 です 囲 炉 裏 薪 ストーブを 設 置 した 部 屋 は 火 気 設 置 室 とし て 法 規 制 が 掛 かります ( 座 卓 の 炉 ) 囲 炉 裏 を 床 座 の 生 活 に 組 み 込 んだ 例 炉 に 蓋 をすれば 普 通 の 座 卓 としても 使 える( 写 真 :1) ( 座 卓 の 炉 ) 洋 間 に 置 かれた 炉 のある 座 卓 ( 写 真 :1) 46

3.9 素 材 土 壁 つちかべ 土 壁 とは 小 舞 と 呼 ばれる 竹 や 木 で 組 んだ 格 子 を 下 地 とし 土 を 塗 り 重 ねた 壁 を 言 います 日 本 の 伝 統 的 な 壁 工 法 で 仕 上 げには 漆 喰 や 聚 楽 土 等 が 用 いられます メリット:1 防 火 性 能 が 高 い(40mm 以 上 で 防 火 構 造 ) 2 吸 放 湿 性 能 があり 室 内 の 湿 度 を 快 適 に 保 つ 3 蓄 熱 性 能 があるため 冬 は 一 度 温 まると 冷 めにくい 4 職 人 の 手 作 業 による 美 しい 風 合 い 5 自 然 素 材 のため 廃 棄 後 も 土 に 還 る 留 意 点 : 土 の 断 熱 性 は 高 く はないため 断 熱 材 との 併 用 が 必 要 です また 乾 式 工 法 の 壁 に 比 べ 工 期 もコ ストも 掛 かることに 注 意 が 必 要 です ( 土 壁 断 面 ) 小 舞 を 組 み 何 層 にも 土 を 塗 り 重 ねてつくる ( 現 代 の 住 まい) 土 壁 の 風 合 いを 生 かしたインテリア( 写 真 :1) ( 現 代 の 住 まい) 土 壁 の 風 合 いを 生 かしたインテリア( 写 真 :1) 自 然 素 材 地 域 産 材 しぜんそざい ちいきさんざい 住 宅 に 使 われる 自 然 素 材 に は 木 紙 土 石 竹 等 様 々 なものがあります 住 宅 を 建 てる 地 域 で 調 達 される 材 料 は 地 域 産 材 と 呼 びます メリット:1 工 業 製 品 に 比 べ 製 造 や 廃 棄 時 に 排 出 さ れる CO₂ が 少 なく 環 境 にや さしい 2 時 間 が 経 つにつ れて 味 が 出 る( 経 年 美 化 ) 3 輸 送 に 掛 かるコストや CO₂ 排 出 量 を 抑 えることが できる 4 地 域 の 森 林 の 保 全 育 成 地 域 経 済 の 活 性 化 等 に 寄 与 する 留 意 点 : 無 垢 の 木 材 は 経 年 により 若 干 のそりや 割 れが 発 生 することがあり 事 前 に 住 まい 手 に 特 性 を 説 明 し 理 解 していただくことが 大 切 です ( 現 代 の 住 まい) 地 域 材 ( 金 山 杉 )と 漆 喰 畳 和 紙 等 の 自 然 素 材 でつくる 健 康 的 な 住 まい( 写 真 :6) ( 現 代 の 住 まい) 地 域 に 残 る 民 家 を 改 修 した 住 まい 自 然 素 材 を 多 用 ( 写 真 :6) ( 現 代 の 住 まい) 木 の 柱 床 板 畳 障 子 襖 で 構 成 し 時 間 が 経 つにつれて 味 が 出 る( 写 真 :1) ( 現 代 の 住 まい) 室 内 を 暖 かい 雰 囲 気 に 感 じさせる 和 紙 の 壁 紙 ( 写 真 :1) 47

3.10 戸 外 濡 れ 縁 ぬれえん ( 現 代 の 住 まい) 室 内 から 濡 れ 縁 外 部 に 至 るつながり( 写 真 :1) ( 現 代 の 住 まい) 深 い 軒 下 の 濡 れ 縁 (ウッドデッキ) 室 内 の 延 長 として 広 がりを 与 える( 写 真 :2) ( 現 代 の 住 まい) ウッドデッキを 外 での 食 事 の 場 ホーム ( 集 合 住 宅 ) 集 合 住 宅 のバルコニーも 濡 れ 縁 のひとつの 形 パーティーの 場 として 利 用 ( 写 真 :1) 式 と 言 える( 写 真 :3) 濡 れ 縁 とは 建 物 の 外 部 に 設 けられる 雨 ざらしの 縁 側 で 木 板 や 竹 等 でつくられ ました 現 代 のウッドデッ キ 同 様 室 内 の 延 長 として 利 用 できます メリット:1 建 物 と 連 続 す ることにより 室 内 空 間 に 広 がりを 創 出 2 外 での 食 事 や 夏 の 夕 涼 み 秋 のお 月 見 等 季 節 に 応 じた 様 々な 使 い 方 3 町 家 等 ではご 近 所 の 方 との 日 常 の 交 流 の 場 (ばっ たり 床 几 に 類 する 可 動 方 式 もある) 留 意 点 : 濡 れ 縁 の 木 部 は 腐 朽 しやすいため 軒 を 深 く して 雨 掛 りを 軽 減 する 耐 久 性 の 高 い 木 材 を 使 用 する 木 材 保 護 塗 料 を 塗 る 等 の 配 慮 が 必 要 です ( 現 代 の 住 まい) 3 方 の 部 屋 から 眺 められる 緑 豊 かな 中 庭 ( 写 真 :2) ( 現 代 の 住 まい) 室 内 と 連 続 性 の 高 い 中 庭 ( 写 真 :1) 坪 庭 中 庭 つぼにわ なかにわ 坪 庭 や 中 庭 は かつての 町 家 によく 見 られ 採 光 通 風 鑑 賞 等 を 目 的 として 設 ける 建 物 に 囲 まれた 小 さな 庭 を 言 います メリット:1 奥 行 が 深 い 敷 地 や 建 物 に 自 然 の 光 と 風 を 呼 び 込 む 2 植 栽 により 室 内 から 季 節 感 を 楽 しむこと ができる 3 坪 庭 中 庭 を 挟 んで 部 屋 がつながり 家 族 同 士 の 程 よい 距 離 感 が 保 たれる 留 意 点 : 敷 地 や 建 物 面 積 に 多 少 のゆとりが 必 要 です また 中 庭 に 面 して 窓 を 集 約 し 周 囲 に 対 して 壁 ばか りを 設 けた 住 まいは 閉 鎖 的 な 印 象 を 与 えます ( 現 代 の 住 まい) 玄 関 の 正 面 に 坪 庭 を 設 けることで 明 る く 開 放 的 な 玄 関 を 演 出 ( 写 真 :1) ( 集 合 住 宅 ) 集 合 住 宅 に 設 けられたコミュニティスペース としての 中 庭 ( 写 真 :3) 48

植 栽 しょくさい 植 栽 は 鑑 賞 や 修 景 以 外 に 日 射 遮 蔽 防 風 材 木 食 料 ( 果 実 等 ) 燃 料 ( 薪 ) 等 の 確 保 等 様 々な 目 的 で 植 えられます メリット:1 落 葉 樹 は 夏 の 日 差 しを 遮 り 冬 の 日 差 しを 取 り 込 むため 南 側 に 植 える と 有 効 2 常 緑 樹 は 生 垣 や 防 風 に 利 用 3 花 や 実 のな る 樹 木 は 四 季 の 移 ろいを 感 じさせ 鳥 等 を 招 く 4 通 りに 面 した 生 垣 やシンボル ツリーは 道 行 く 人 の 目 を 楽 しませ まちなみ 景 観 を 整 える 留 意 点 : 庭 が 狭 く 十 分 な 植 栽 面 積 が 確 保 できなくて も プランターや 壁 面 緑 化 等 様 々な 工 夫 で 緑 を 施 し ましょう (アプローチの 植 栽 ) 住 宅 のアプローチや 境 界 部 の 植 栽 (カーテン 状 の 植 栽 ) 日 射 遮 蔽 のためのよしずの 役 割 を 担 地 域 の 景 観 向 上 にも 貢 献 ( 写 真 :1) う つる 性 植 物 による 緑 のカーテン( 写 真 :7) ( 街 角 の 植 栽 ) 夏 期 の 日 射 を 遮 るとともに 街 角 の 景 観 を 整 える 植 栽 ( 写 真 :7) ( 庭 の 植 栽 ) 室 内 から 鑑 賞 できる 植 栽 風 上 の 植 栽 は 風 の 温 度 を 下 げる 効 果 がある( 写 真 :2) 前 庭 まえにわ 民 家 の 前 庭 は 人 を 迎 える 導 入 のスペースであるとと もに 地 域 のコミュニティ に 開 放 され 半 公 共 的 な 機 能 をたせることもありまし た 現 代 においても ポー チのつくりを 工 夫 して 近 所 づきあいや 防 犯 に 役 立 てた り 駐 車 場 を 子 供 の 遊 び 場 に 転 用 したりすることがで きます メリット:1 日 常 の 中 のお しゃべり 等 近 所 づきあいの 場 の 確 保 2 近 隣 相 互 の 視 線 の 通 りやすさによる 防 犯 性 の 向 上 3 駐 車 場 等 前 庭 を 隣 戸 で 一 体 化 オープン 化 し 地 域 の 小 広 場 として 有 効 活 用 留 意 点 :コミュニティ 形 成 上 近 隣 の 方 と 話 し 合 い 連 携 してつくることが 重 要 です ( 伝 統 的 な 民 家 ) 落 ち 着 いた 趣 の 前 庭 ( 写 真 :1) ( 現 代 の 住 まい) 日 中 は 遊 び 場 にもなる 住 宅 アプローチ 部 分 の 駐 車 場 スペース( 写 真 :1) ( 現 代 の 住 まい) 通 りすがりに 立 ち 寄 っておしゃべりので きるポーチ( 写 真 :1) 49

3.11 配 置 建 物 配 置 たてものはいち 建 物 の 配 置 の 工 夫 により 季 節 風 に 対 応 したり 密 集 市 街 地 の 採 光 通 風 を 向 上 させることができます メリット:1 富 山 の 砺 波 平 野 の 散 居 村 には アズマダ チと 呼 ばれる 伝 統 的 な 民 家 形 式 が 発 達 してきました 風 の 弱 い 東 (アズマ) 側 に 玄 関 や 美 しい 真 壁 の 妻 面 を 向 け 雨 風 の 強 い 西 側 は 大 壁 で 開 口 部 をほとんど 設 け ません 季 節 風 から 建 物 (アズマダチ) 風 の 弱 い 東 に 向 いて 建 つアズマダチ 西 側 には 屋 敷 林 (カイニョ)を 植 樹 ( 富 山 ) と 暮 らしを 守 る 知 恵 と 言 え ます 2 町 家 は 集 まって 住 むため の 知 恵 の 宝 庫 です 建 物 や 坪 庭 の 配 置 は 街 区 内 でほ とんど 同 じ 位 置 に 協 調 して ( 町 家 の 坪 庭 ) 町 家 の 坪 庭 の 配 置 を 近 隣 と 協 調 することで 採 光 通 風 を 確 保 し 合 う 設 けられます これは 住 宅 への 採 光 や 通 風 を 守 るため の 暗 黙 のルールと 言 えます 参 考 文 献 一 覧 住 まい 住 文 化 に 関 するもの 1. 日 本 人 の 住 まい 2. 日 本 人 の 住 まい 住 居 と 生 活 の 歴 史 3. 住 まいの 人 類 学 4. 家 屋 と 日 本 文 化 E.S. モース 八 坂 書 房 1886 年 ( 原 典 初 版 )/2004 年 ( 新 訳 版 ) 稲 葉 和 也 中 山 繁 信 彰 国 社 1983 年 大 河 直 躬 平 凡 社 1986 年 J.P. マサビュオー 平 凡 社 1996 年 5. すまいの 歳 時 記 伝 承 の 暮 らしとしつらい 清 家 清 監 修 講 談 社 1985 年 6. 和 風 の 住 まい 術 7. 住 まいを 読 む 現 代 日 本 住 居 論 8. 草 庭 9. 加 藤 周 一 著 作 集 (20) 日 本 美 術 の 心 とかたち 山 口 昌 伴 建 築 資 料 研 究 社 1994 年 鈴 木 成 文 建 築 資 料 研 究 社 1999 年 堀 口 捨 己 筑 摩 書 房 1985 年 加 藤 周 一 平 凡 社 1997 年 民 家 に 関 するもの 1. 日 本 の 民 家 全 8 巻 2. 日 本 列 島 民 家 入 門 3. 民 俗 建 築 大 事 典 4. 民 家 は 生 きてきた 5. 日 本 の 民 家 6. 日 本 の 民 家 学 研 1980 1981 年 宮 澤 智 士 INAX 出 版 1993 年 日 本 民 俗 建 築 学 会 編 柏 書 房 2011 年 伊 藤 ていじ 美 術 出 版 社 1963 年 伊 藤 ていじ 二 川 幸 夫 美 術 出 版 社 1962 年 今 和 次 郎 岩 波 書 店 1989 年 伝 統 的 技 術 に 関 するもの 1. 民 家 のしくみ 環 境 と 共 生 する 技 術 と 知 恵 2. 民 家 の 自 然 エネルギー 技 術 3. 住 まいの 伝 統 技 術 坊 垣 和 明 学 芸 出 版 社 2008 年 木 村 建 一 彰 国 社 1999 年 安 藤 邦 廣 乾 尚 彦 山 下 浩 一 建 築 資 料 研 究 社 1995 年 50