南 海 トラフ 巨 大 地 震 大 津 波 に 備 える 海 洋 研 究 開 発 機 構 地 震 津 波 防 災 研 究 プロジェクト 金 田 義 行 鋼 構 造 シンポジウム 2013.11.14 1
2011.03.11 東 日 本 大 震 災 東 日 本 大 震 災 から2 年 6ヶ 月 が 過 ぎました 2
目 次 東 日 本 大 震 災 の 実 態 南 海 トラフ 地 震 発 生 帯 研 究 成 果 DONET1 DONET2 京 シミュレーション 今 後 の 課 題 3
日 本 周 辺 の 地 震 活 動 ユーラシアプレート 北 米 プレート 日 本 海 溝 千 島 海 溝 南 海 トラフ 巨 大 地 震 日 本 海 域 地 震 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 首 都 圏 直 下 地 震 太 平 洋 プレート 南 西 諸 島 伊 豆 小 笠 原 域 フィリピン 海 プレート 2012 年 5 月 9 日 より30 日 間 の 震 央 分 布 図 Hi-net 自 動 処 理 震 源 マップ( 防 災 科 学 技 術 研 究 所 )より 4
海 溝 型 地 震 のしくみ 南 海 トラフ 巨 大 地 震 震 源 域 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 震 源 域 沖 合 大 滑 り 域 5
東 日 本 大 震 災 の 地 震 の 大 きさ マグニチュード(M)とは 地 震 の 大 きさ 地 震 の 大 きさ = 断 層 の 広 がり ずれの 量 T=211 秒 M1 M2 M9 M4 1km 5cm M3 300m 1.5cm M8 >500km 50m 30m 10m M8 100km 5m M4 M5 M6 M7 30km 1.5m 防 災 科 学 技 術 研 究 所 地 震 の 基 礎 知 識 より Yagi & Fukahata (2011) マグニチュードは1 大 きくなると32 倍 2 大 きくなると1,000 倍 になる 6
巨 大 津 波 が 襲 来 した 女 川 町 宮 城 県 女 川 市 高 台 の 病 院 まで 浸 水 地 殻 変 動 による 地 盤 沈 降 港 湾 機 能 の 消 滅 横 倒 しのビル 津 波 の 痕 跡 支 柱 からすっぽり 抜 けている およそ16m~18mの 高 台 の 上 の 病 院 の1 階 の 天 井 近 くまで 津 波 の 痕 跡 があった 9
JAMSTEC による 緊 急 調 査 現 場 に 戻 ろう しんかい6500 ROV 等 の 機 器 で 調 査 観 測 し 人 工 衛 星 で データ 伝 送 を 行 う 震 源 は 太 平 洋 プレートと 北 アメリカプレートの 堺 しんかい6500による 調 査 かいれいによる 調 査 13
震 源 域 での 海 底 で 亀 裂 発 見 - しんかい6500による 潜 航 調 査 - SIte1 2011/8/1 SIte1 SIte2 2011/8/10 SIte3 SIte2 震 源 しんかい6500 SIte3 2011/8/3 SIte3 2006/6/8 JAMSTEC 東 北 対 応 緊 急 調 査 による 1m 5 年 前 は 亀 裂 はない 海 底 の 大 きな 亀 裂 は2006 年 に 同 じ 地 点 を 観 察 した 時 には 確 認 できなかったことか ら 3 月 11 日 の 地 震 か その 後 の 余 震 による 影 響 でできたと 考 えられます 14
海 底 で 起 こった 現 象 [ 地 殻 変 動 ] 陸 側 斜 面 変 化 があった 斜 面 海 溝 軸 海 側 斜 面 海 溝 軸 牡 鹿 半 島 海 溝 軸 Fujiwara et al. (2011) 15
海 底 で 起 こった 現 象 [ 地 殻 変 動 ] 地 震 発 生 前 日 本 海 溝 地 震 発 生 後 日 本 海 溝 JAMSTEC 東 北 対 応 緊 急 調 査 による 16
目 次 東 日 本 大 震 災 の 実 態 南 海 トラフ 地 震 発 生 帯 研 究 成 果 DONET1 DONET2 京 シミュレーション 今 後 の 課 題 18
南 海 トラフの 海 底 地 形 と 震 源 域 100 年 から150 年 周 期 で 繰 り 返 しM8クラスの 地 震 が 発 生 している 過 去 には 東 海 東 南 海 南 海 地 震 が 同 時 に 発 生 したこともある フィリピン 海 プレート 19
南 海 トラフで 発 生 する 巨 大 地 震 東 海 地 震 想 定 震 源 域 日 向 灘 地 震 震 源 域 南 海 地 震 震 源 域 東 南 海 地 震 震 源 域 100 年 から150 年 周 期 で 繰 り 返 しM8クラス の 地 震 が 発 生 している 1707 年 には 東 海 東 南 海 南 海 地 震 が 同 時 に 発 生 したこともある 次 の 地 震 がどのような 発 生 パターンとなる か 連 動 発 生 のタイミングを 明 らかにする ことは 防 災 上 の 観 点 からも 重 要 である 20
往 復 走 時 南 海 トラフ 沿 いの 地 下 構 造 足 摺 沖 から 東 海 沖 へスキャン 既 往 研 究 成 果 の 活 用 陸 側 フィリピン 海 プレート [ 海 洋 研 究 開 発 機 構 ] 21
24 南 海 トラフ 沿 いの 地 下 構 造 日 向 灘 紀 伊 水 道 沖 までの 沈 み 込 むプレート 周 辺 の 深 部 構 造 HY01 TK01 TK02 SK04 破 線 :シミュレーションに 用 いるプレート 境 界 面 [Hyodo&Hori, 2010] TK03 SK03 SK02 SK01 TK04
Depth(Km) 海 溝 軸 近 傍 プレート 境 界 の 活 動 痕 ~ 地 球 深 部 探 査 船 ちきゅう による 南 海 トラフ 地 震 発 生 帯 掘 削 計 画 ~ ちきゅう 熊 野 海 盆 付 加 体 フィリピンプレート 巨 大 分 岐 断 層 の 浅 部 先 端 と 海 溝 軸 のプレート 境 界 断 層 の 断 層 面 が 摩 擦 溶 融 している 海 溝 軸 までの 地 震 性 高 速 すべり Sakaguchi et al. (2011)
南 海 トラフの 巨 大 地 震 想 定 震 源 断 層 域 内 閣 府 (2012) 29
これまで 被 害 想 定 ( 過 去 被 害 )との 比 較 地 震 規 模 今 回 の 想 定 南 海 トラフ 2003 年 の 想 定 東 日 本 大 震 災 M9.1 M8.8 M9.0 震 源 域 面 積 14 万 km2 6.1 万 km2 10 万 km2 死 者 不 明 32 万 3000 人 2 万 4700 人 1 万 8716 人 地 震 規 模 スマトラ 沖 地 震 関 東 大 震 災 M9.1 M7.9 阪 神 大 震 災 M7.3 5000km2 675km2 震 源 域 面 積 18 万 km2 死 者 不 明 28 万 3100 人 10 万 5000 人 6,437 人 30
関 東 地 方 に 影 響 のある 内 陸 の 活 断 層 で 発 生 する 地 震 1: 関 谷 断 層 2: 関 東 平 野 北 西 縁 断 層 帯 3: 立 川 断 層 帯 4: 伊 勢 原 断 層 5: 神 縄 国 府 津 - 松 田 断 層 帯 6: 三 浦 半 島 断 層 群 7: 北 伊 豆 断 層 帯 8: 鴨 川 低 地 断 層 帯 9: 荒 川 断 層 帯 10: 元 荒 川 断 層 帯 11: 東 京 湾 北 縁 断 層 地 震 調 査 研 究 推 進 本 部 による
過 去 500 年 間 の 相 模 トラフ( 関 東 ) 周 辺 での 津 波 発 生 年 地 震 名 規 模 主 な 被 害 など 1498( 明 応 7) 明 応 地 震 M8.2~8.4 大 仏 の 堂 舎 を 破 壊 溺 死 200 人 1605( 慶 長 9) 慶 長 地 震 M7.9 三 崎 で 津 波 4~5m 死 者 153 人 1633( 寛 永 10) 寛 永 小 田 原 地 震 M7.0 地 震 被 害 大 きい 熱 海 伊 東 に 津 波 1703( 元 禄 16) 元 禄 関 東 地 震 M7.9~8.2 鎌 倉 二 ノ 鳥 居 まで 津 波 で 死 者 600 人 片 瀬 で 家 流 出 藤 沢 ~ 平 塚 で 大 波 上 がり 船 止 まる 小 田 原 で 死 者 230 人 片 浦 で 家 船 流 出 1782( 天 明 2) 1853( 嘉 永 6) 天 明 小 田 原 地 震 嘉 永 小 田 原 地 震 M7.0 地 震 被 害 大 きい 熱 海 安 房 に 津 波 M6.7 真 鶴 湊 で3~4mの 引 き 潮 1854( 安 政 1) 安 政 東 海 地 震 M8.4 1923( 大 正 12) 関 東 地 震 M7.9 江 の 島 片 瀬 数 波 来 る 下 田 で 津 波 7m 露 軍 艦 ディアナ 号 が 大 破 沈 没 鎌 倉 で 津 波 20 数 人 死 地 震 で 大 仏 40cmず れ 茅 ケ 崎 で 往 古 の 橋 根 露 出 相 模 トラフ 沿 いの 地 震 活 動 の 長 期 評 価 ( 地 震 調 査 研 究 推 進 本 部 ) 等 より 抜 粋 して 作 成 34
過 去 の 首 都 直 下 型 地 震 首 都 地 域 では 2~3 百 年 間 隔 で 関 東 大 震 災 クラス(M8)の 地 震 今 後 100 年 以 内 に 発 生 する 可 能 性 はほぼない しかし この 間 にM7クラスの 直 下 地 震 が 数 回 発 生 内 閣 府 資 料
首 都 直 下 で 発 生 する 地 震 のタイプ 1 地 殻 内 の 浅 い 地 震 2 フィリピン 海 プレートと 北 米 プレートの 境 界 の 地 震 3 フィリピン 海 プレート 内 の 地 震 関 東 大 震 災 4 フィリピン 海 プレートと 太 平 洋 プレートとの 境 界 の 地 震 5 太 平 洋 プレート 内 の 地 震 関 東 大 地 震 は フィリピン 海 プレートと 北 米 プレート 同 士 が 接 触 面 で 一 気 にずれ 動 くことにより 生 じた 地 震 である 内 閣 府 資 料
目 次 東 日 本 大 震 災 の 実 態 南 海 トラフ 地 震 発 生 帯 研 究 成 果 DONET1 DONET2 京 シミュレーション 今 後 の 課 題 38
科 学 技 術 の 統 合
観 測 ネットワーク 設 置 海 域 日 向 灘 地 震 震 源 域 南 海 地 震 震 源 域 東 南 海 地 震 震 源 域 東 海 地 震 想 定 震 源 域 第 Ⅰ 期 (H18~H21) 第 Ⅱ 期 (H22 以 降 ) 40
観 測 装 置 の 構 成 地 動 センサシステム 圧 力 センサシステム 41
地 震 津 波 観 測 監 視 システムのコンセプト 高 信 頼 性 : 20 年 程 度 の 定 常 連 続 観 測 を 実 現 可 能 なシステムデザイン 広 域 展 開 のためのシステム 高 度 化 基 幹 ケーブルシステムには 高 信 頼 設 計 を 基 本 とする 商 用 海 底 通 信 技 術 を 用 いるとともに 必 要 に 応 じて 高 信 頼 性 コンポーネントの 新 規 開 発 を 実 施 ( 給 電 岐 路 ケーブル 制 御 回 路 の 高 信 頼 性 IC 等 ) 冗 長 構 成 : 外 的 要 因 による 障 害 もしくは 想 定 外 の 内 因 による 部 分 的 な 障 害 の 発 生 に 対 して 耐 力 のあるシステムデザイン 基 幹 ケーブルの 両 端 を 陸 揚 げし それぞれの 端 から 直 流 定 電 流 給 電 をかけ 時 計 回 り 反 時 計 回 りの2 経 路 の 伝 送 路 を 確 保 することにより 冗 長 構 成 を 実 現 中 電 圧 システム (DONET1) さらに 開 発 電 圧 システム: 3 千 V 1 万 V ケーブル 長 : 300km 1000km DONETタイプノード: 5 式 10 式 高 電 圧 システム (DONET2) 置 換 機 能 : 障 害 を 起 こしたり 老 朽 化 したコンポーネントについて 適 宜 交 換 整 備 アップグレード 等 の 置 換 が 可 能 なシステムデザイン ノードや 観 測 装 置 はそのインターフェースに 水 中 着 脱 式 コネクタを 搭 載 することで 海 中 で 着 脱 を 可 能 にする 海 洋 調 査 船 かいよう 海 底 で 設 置 作 業 を 行 うROV 42
第 二 期 (DONET2) 計 画 展 開 案 四 国 展 開 案 紀 伊 半 島 DONET1 DONET2 平 成 22 年 度 以 降 文 部 科 学 省 の 補 助 金 事 業 として 当 初 は5 年 2フェーズの 計 画 ( 第 Ⅱ 期 ) > 第 1フェーズ:H22~H26 > 第 2フェーズ:H27~H31 平 成 24 年 度 予 算 案 において 前 倒 し 予 算 が 計 上 され 平 成 25 年 度 末 の 試 験 運 用 開 始 に 向 け 整 備 を 加 速 DONET1の 運 用 データ 解 析 も 合 わせて 実 施 システム 構 想 (2フェーズ 合 計 カッコ 内 はDONET1) DONET2 基 幹 ケーブル 長 : 約 420km ( 約 250km) 分 岐 装 置 : 7 式 (5 式 ) ノード: 7 式 (5 式 ) 観 測 装 置 : 29 式 (20 式 )+2 式 展 開 案 設 置 機 器 内 容 については ルート 設 計 のた めの 事 前 調 査 による 変 更 もある 南 海 地 震 の 備 えとして 想 定 される 震 源 域 における 展 開 を 目 指 し 平 成 22 年 度 より 着 手 43
地 震 波 即 時 検 知 能 力 の 向 上 DONET 観 測 点 気 象 庁 防 災 科 学 技 術 研 究 所 秒 赤 色 が 濃 い 位 置 ほど 陸 上 観 測 点 より 早 く 信 号 をキャッチすることを 示 す 44
津 波 即 時 検 知 能 力 の 向 上 0 分 6 分 6 分 6 分 0 分 12 分 DONET 観 測 点 検 潮 所 / 験 潮 所 0 分 6 分 分 12 分 12 分 12 分 分 赤 色 が 濃 い 位 置 ほど 陸 上 観 測 点 より 早 く 信 号 をキャッチすることを 示 す 45
Pressure [hpa] or Wave height [cm] 沖 合 津 波 波 形 と 沿 岸 波 高 沿 岸 の 検 潮 所 より 早 く 沖 合 津 波 波 形 を 検 知 沿 岸 での 津 波 波 高 = 増 幅 率 DONETデータ 2011 年 東 北 地 震 津 波 の 例 DONET/GPSブイ/ 検 潮 記 録 の 津 波 比 較 尾 鷲 : 約 3.5 倍 熊 野 : 約 2.75 倍 100 0-100 100 0-100 Owase GPS Buoy DONETC9 Bandpass filtered between 100 10000 sec. 串 本 : 約 2.5 倍 Kumano GPS Buoy DONETC9 DONETデータの 初 動 と 検 潮 所 データの 最 大 値 と の 比 は6~10 倍 Bandpass filtered between 100 10000 sec. 浦 神 : 約 3.2 倍 Kushimoto Uragami GPS Buoy DONETC9 GPS Buoy DONETC9 串 本 浦 神 熊 野 尾 鷲 尾 鷲 GPS Buoy DONET C9 津 波 予 測 の 精 度 向 上 に 貢 献 Bandpass filtered between 100 10000 sec. 0 30 60 90 120 150 180 210 Bandpass filtered between 100 10000 sec. 0 30 60 90 120 150 180 210 Time [min.] 津 波 増 幅 率 は 津 波 の 入 射 方 向 や 震 源 距 離 地 域 によって 異 なる 46
東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 の 記 録 強 震 計 水 平 動 1 KMA02 観 測 点 における 各 センサーの 波 形 広 帯 域 地 震 計 水 平 動 2 振 り 切 れ 上 下 動 宮 城 県 築 館 K-NET 観 測 点 18 分 P 波 14 時 50 分 00 秒 15 時 00 分 00 秒 微 差 圧 計 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 DONETシステムの 強 震 計 は 約 4000ガルまで 計 測 可 振 り 切 れ 最 大 3000ガル 弱 KMA02 水 圧 計 水 温 計 ( 横 軸 は3 月 11 日 14 時 30 分 を 基 準 とした 時 間 ) 48
陸 上 では 見 えない 微 小 地 震 既 存 観 測 点 DONET : 2010 年 DONET : 2011 年 追 加 既 存 の 観 測 点 1 時 間 DONET 初 期 の4 点 DONET 1 月 開 始 の4 点 SMAH OWSH KHOH TT1OBS TT2OBS KMA03 KMA02 KMA04 KME17 KMB06 KMB08 KMD16 KME18 既 存 DONET 観 測 点 でも 見 えなかった 地 震 活 動 49
微 小 地 震 の 累 計 DONETで 観 測 された 微 小 地 震 数 の 累 計 時 間 が 経 過 するに 従 っ て 観 測 された 地 震 の 数 が 増 加 している( 約 1,500 個 ) 微 小 地 震 の 観 測 によって これまで 把 握 できていな かった 地 震 活 動 を 確 認 グラフに 対 応 する 期 間 全 体 の 震 源 分 布 図 シミュレーション 結 果 によ れば 巨 大 地 震 発 生 直 前 には 震 源 域 の 浅 部 周 辺 域 で 微 小 地 震 が 活 発 にな ると 予 測 されている HypoDDを 用 いて 震 源 再 決 定 したものに 限 る DONET DONET2 長 期 孔 内 観 測 システムで 微 小 地 震 の 活 動 を 長 期 に 観 測 し 地 震 活 動 の 変 化 を 捉 えること で 地 震 の 巣 の 状 態 を 判 断 でると 期 待 される 神 谷 眞 一 郎 ( 海 洋 研 究 開 発 機 構 ) 50
深 部 浅 部 での 低 周 波 イベントの 活 動 変 化 数 値 モデル 化 形 状 : 構 造 探 査 の 結 果 を 適 用 浅 部 :5.4 km 深 部 : 30 km 固 着 期 間 地 震 発 生 直 前 約 100 年 後 深 部 浅 部 深 部 浅 部 不 活 発 活 発 1 固 着 期 間 ( 左 図 ) 海 溝 型 巨 大 地 震 震 源 域 傍 で 浅 部 の 低 周 波 イベントが 不 活 発 2 地 震 発 生 直 前 ( 右 図 ) 浅 部 でも 活 発 化 深 部 との 類 似 性 が 高 まる 深 部 低 周 波 イベントの 理 解 浅 部 低 周 波 イベントへの 応 用 が 可 能 浅 部 低 周 波 イベントの 観 測 海 溝 型 巨 大 地 震 に 伴 う 前 駆 変 化 の 検 知 ツール 51
地 殻 変 動 の 鉛 直 変 位 地 殻 変 動 の 鉛 直 変 位 地 殻 変 動 の 鉛 直 変 位 期 待 される 地 殻 変 動 観 測 データ 紀 伊 半 島 西 沖 では 東 南 海 地 震 の 余 効 すべり 後 の 加 速 が 観 測 できると 期 待 される 東 南 海 地 震 発 生 後 から 南 海 地 震 発 生 に 至 るまで 熊 野 灘 では 東 南 海 地 震 の 余 効 すべりが 観 測 される 1 1 1 2 2 2 3 3 3 東 南 海 地 震 南 海 地 震 東 南 海 地 震 1 2 1 3 2 南 海 地 震 3 南 海 地 震 3 2 1 東 南 海 地 震 52
地 殻 変 動 鉛 直 成 分 [m] DONETデータを 用 いたデータ 同 化 概 念 図 発 生 間 隔 推 定 結 果 [day] 各 シナリオ 計 算 結 果 のデータによる 重 み 地 震 発 生 サイクル 計 算 ( 東 南 海 後 余 効 すべり) 地 震 す べ り 速 度 固 着 データと 同 化 した 日 数 真 の 発 生 時 点 :DONET2で 観 測 が 期 待 され る 余 効 すべりによる 地 殻 変 動 : 真 の 発 生 時 点 真 の 発 生 時 点 黒 線 : 様 々なシナリオ 計 算 東 南 海 地 震 後 5 日 時 点 東 南 海 地 震 後 の 日 数 各 シナリオでの 発 生 間 隔 [day] 53
孔 内 地 震 地 殻 変 動 観 測 システムの 接 続 DONETと ちきゅう により 掘 削 した 長 期 孔 内 計 測 点 の 接 続 により 海 底 下 でのリアルタイムモニタリングを 実 現 する 長 期 孔 内 計 測 点 DONETに 接 続 海 底 ケーブルで データ 収 集 海 底 下 深 度 DONET 熊 野 海 盆 堆 積 層 温 度 計 アレイ 傾 斜 計 地 震 計 歪 計 約 900-920m 孔 内 計 測 点 では 歪 計 や 傾 斜 計 によって 海 底 水 圧 計 よりもさらに 高 感 度 で 変 動 をとらえることが 期 待 される 付 加 体 間 隙 水 圧 980m 54
目 次 東 日 本 大 震 災 の 実 態 南 海 トラフ 地 震 発 生 帯 研 究 成 果 DONET1 DONET2 京 シミュレーション 今 後 の 課 題 55
京 コンピュータ@ 理 化 学 研 究 所 ピーク 演 算 性 能 :10.62PFLOPS メモリ 総 容 量 : 1.26PB(ノード 当 り16GB) 計 算 ノード 間 ネットワーク: 6 次 元 メッシュ/トーラス CPU 性 能 : 128GFLOPS(16GFLOPSx8コア) 総 CPU 数 : 82,944CPU (663,552コア) マシン Titan Sequoia 京 ES2 ES( 初 代 ) Intel core i7 (Sandy Bridge) 演 算 性 能 17.59 PFLOPS 16.32 PFLOPS 10.62 PFLOPS 131 TFLOPS 40 TFPLOPS 168 GFLOPS 56
地 震 津 波 の 予 測 精 度 の 高 度 化 に 関 する 研 究 発 生 1 データ 同 化 手 法 を 用 いた 地 震 の 発 生 シナリオの 予 測 地 震 津 波 事 象 地 震 動 被 害 予 測 避 難 シミュレーション 2 高 精 度 高 分 解 能 の 日 本 列 島 下 地 震 波 速 度 構 造 モデルの 構 築 浸 水 分 布 3 高 精 度 地 震 動 津 波 シミュレーション 入 力 津 波 誘 導 被 害 分 布 構 造 物 被 害 6 避 難 誘 導 シミュレーション 5 都 市 全 構 造 物 に 対 する 地 震 津 波 の 被 害 予 測 4 地 震 動 および 津 波 を 入 力 とし た 都 市 丸 ごとシミュレーション 57
家 庭 や 職 場 でできる 安 全 対 策 阪 神 淡 路 大 震 災 では 6433 人 のうち 約 5000 人 が 家 屋 倒 壊 や 家 具 の 転 倒 により 死 亡 対 策 地 震 で 倒 れない 建 物 新 耐 震 基 準 に 適 合 した 建 物 地 震 で 倒 れない 家 具 部 屋 の 家 具 の 固 定 地 震 で 飛 散 しないガラス 飛 散 防 止 フィルムの 設 置 地 震 による 火 災 への 備 え 消 火 器 の 備 え 最 初 の 建 物 の 被 害 が 少 なければ 後 の 対 応 が 可 能
観 測 計 算 情 報 の 利 用 リアルタイム 観 測 データ 複 合 災 害 予 測 シミュレータ 現 状 : 防 災 教 育 避 難 放 送 の 限 界 将 来 : 地 震 津 波 の 観 測 から 最 適 な 避 難 経 路 を 計 算 し, 携 帯 等 に 発 信 誘 導 * 観 測 計 算 情 報 の 技 術 的 課 題 は 解 決 可 能 * 個 人 情 報 に 関 わる 政 策 的 課 題 が 未 着 手 避 難 経 路 の 検 索 情 報 個 人 の 位 置 情 報 の 緊 急 利 用 地 震 時 に, 携 帯 等 のGPSで 計 測 される 位 置 情 報 を, 避 難 誘 導 や 不 明 者 探 索 の データとして 利 用 GPS 観 測 データを 同 化 によ り 複 合 災 害 をリアルタ イムで 予 測 し 最 適 な 避 難 経 路 等 を 計 算 位 置 が 分 かるとナビができる 83
目 次 東 日 本 大 震 災 の 実 態 南 海 トラフ 地 震 発 生 帯 研 究 成 果 DONET1 DONET2 京 シミュレーション 今 後 の 課 題 84
今 後 の 課 題 : 巨 大 地 震 発 生 域 調 査 観 測 1プレート 断 層 構 造 研 究 プレート 境 界 深 部 ( 低 周 波 微 動 域 ) の 正 確 な 構 造 把 握 2 海 陸 津 波 履 歴 研 究 拡 大 想 定 震 源 域 の 震 源 モデル を 拘 束 する 観 測 データの 取 得 トラフ 軸 付 近 の 断 層 詳 細 マッピング& 南 西 諸 島 域 の 構 造 調 査 3 広 帯 域 地 震 活 動 研 究 津 波 堆 積 物 生 物 遺 骸 現 場 調 査 に よる 地 震 発 生 域 推 定 広 帯 域 海 底 地 震 計 地 震 発 生 間 隔 古 文 書 地 震 時 活 動 断 層 陸 上 & 海 底 での 津 波 痕 跡 調 査 と 履 歴 解 明 通 常 地 震 &ゆっくり 地 震 活 動 から プレート 境 界 摩 擦 特 性 分 布 の 推 定 85
今 後 の 課 題 :リアルタイム 観 測 網 の 整 備 北 海 道 釧 路 十 勝 沖 海 底 地 震 総 合 観 測 システム 防 災 科 研 が 実 施 予 定 地 震 津 波 観 測 監 視 システム(DONET) 地 震 津 波 観 測 監 視 システム(DONET2) 敷 設 予 定 エリア 初 島 沖 深 海 底 総 合 観 測 ステーション 高 知 県 室 戸 岬 沖 海 底 地 震 総 合 観 測 システム 今 後 整 備 を 進 めるべき 海 域 海 域 における 観 測 点 は 未 だ 少 ない 特 に 地 震 発 生 が 懸 念 されているのは 南 海 トラフ 2011 年 3 月 末 現 在 地 震 調 査 研 究 推 進 本 部 調 べ http://www.jishin.go.jp/main/kansoku/kansoku1103/index.htm
今 後 の 課 題 : 個 々のシミュレーションモデルの 高 度 化 長 周 期 地 震 動 計 算 分 散 津 波 シミュレーション 津 波 漂 流 物 予 測 シミュレーション 地 盤 解 析 87
今 後 の 課 題 :リアルタイムデータを 活 用 した 複 合 災 害 予 測! 観 測 データのリアルタイム 解 析 複 合 災 害 連 成 シミュレーション 避 難 シミュレーション 津 波 シミュレーション 地 震 動 被 害 88
今 後 の 課 題 : 防 災 機 関 への 橋 渡 し 地 域 研 究 会 の 開 催 調 査 観 測 研 究 シミュレーション 研 究 そして 防 災 研 究 の 研 究 成 果 を 各 地 域 の 防 災 対 策 に 反 映 さ せるべく また 各 地 域 からの 防 災 減 災 対 策 提 案 を 受 けて 各 地 域 に 特 化 した 課 題 を 議 論 する 産 企 業 ライフライン 等 液 状 化 津 波 長 周 期 地 震 動 地 盤 構 造 学 大 学 独 立 行 政 法 人 等 避 難 経 路 構 造 計 算 官 地 方 自 治 体 等 広 域 連 携 ライフ ライン BCP データ ベース 民 住 民 NPO 法 人 等 東 海 地 域 研 究 会 関 西 地 域 研 究 会 四 国 地 域 研 究 会 九 州 地 域 研 究 会 府 省 89
今 後 の 課 題 : 人 材 育 成 減 災 教 育 の 徹 底 地 域 人 材 の 育 成 防 災 減 災 教 育 学 校 の 総 合 学 習 ( 減 災 教 育 )として 地 球 科 学 防 災 科 学 カリキュラムへの 取 り 込 み 90
ま と め ちきゅう 地 球 シミュレータ 海 域 精 密 調 査 DONET 震 源 域 のリアル タイムモニタリング 震 源 域 掘 削 プレート 境 界 物 質 採 取 孔 内 計 測 スーパーコンピューター データ 同 化 予 測 モデルの 高 度 化 震 源 域 ( 地 震 の 巣 )の 解 剖 実 験 高 精 度 津 波 予 測 高 精 度 地 震 動 予 測 耐 震 設 計 耐 波 設 計 の 高 度 化 首 都 圏 及 び 南 海 トラフでの 早 急 の 防 災 対 策 が 必 要 91
Earthquake and Tsunami Research Project for Disaster Prevention ご 清 聴 ありがとうございました 92