佐賀空港への陸自ティルト・ローター機の配備について

平 成 26 年 9 月 防 衛 省 佐 賀 空 港 への 陸 自 ティルト ローター 機 の 配 備 について 佐 賀 空 港 への 配 備 について 今 後 のティルト ローター 機 の 運 用 に 際 して 同 機 の 配 備 先 につ いて 九 州 地 方 を 中 心 に 部 隊 運 用 の 実 効 性 強 化 日 米 協 力 の 強 化 配 備 のための 十 分 な 地 積 の 確 保 市 街 化 が 進 む 既 存 の 自 衛 隊 飛 行 場 周 辺 の 負 担 軽 減 など 様 々な 観 点 から 自 衛 隊 飛 行 場 や 民 間 飛 行 場 を 対 象 に 検 討 を 重 ねた 結 果 佐 賀 空 港 については 水 陸 機 動 連 隊 が 配 置 される 予 定 の 陸 上 自 衛 隊 相 浦 駐 屯 地 ( 長 崎 県 佐 世 保 市 )から 近 く 同 部 隊 の 島 嶼 部 等 への 迅 速 かつ 効 率 的 な 輸 送 に 適 していること 島 嶼 部 への 侵 攻 に 対 処 する 水 陸 両 用 作 戦 には 安 全 保 障 環 境 に 即 した 部 隊 配 置 と 統 合 運 用 に 基 づく 陸 海 空 自 衛 隊 の 緊 密 な 連 携 の 下 機 動 的 な 対 処 が 不 可 欠 であり 同 作 戦 に 関 わる 主 要 部 隊 が 多 く 存 在 する 九 州 北 部 に 所 在 していること ティルト ローター 機 の 運 用 に 必 要 な 滑 走 路 を 有 していること 周 辺 に 市 街 地 がなく 海 に 面 しているため 騒 音 などの 面 で 地 元 住 民 の 方 々への 負 担 を 最 小 限 に 抑 制 しつつ 十 分 な 地 積 の 確 保 が 可 能 であること 市 街 化 が 進 んでいる 陸 上 自 衛 隊 目 達 原 駐 屯 地 からも 近 く 同 駐 屯 地 に 配 備 されているヘリコプターの 移 設 先 としても 活 用 しうる こと などの 点 を 総 合 的 に 判 断 し ティルト ローター 機 の 配 備 先 として 最 適 の 飛 行 場 であると 判 断 しました 部 隊 規 模 今 後 新 編 される 水 陸 機 動 団 等 を 支 援 するティルト ローター 機 1 7 機 と 目 達 原 駐 屯 地 に 所 在 するヘリコプター 約 50 機 を 念 頭 新 編 時 期 地 元 の 御 理 解 御 協 力 を 得 たうえで 可 能 な 限 り 早 期 に 新 編 したい と 考 えております 今 後 の 予 定 平 成 27 年 度 概 算 要 求 においては 用 地 取 得 及 び 調 査 設 計 等 に 係 る 経 費 約 109 億 円 を 計 上 することとしています ティルト ローター 機 (イメージ) 佐 賀 空 港 と 関 連 施 設 の 位 置 関 係

陸 上 自 衛 隊 ティルト ローター 機 等 の 佐 賀 空 港 への 配 備 について 平 成 26 年 9 月

目 次 陸 上 自 衛 隊 ティルト ローター 機 の 配 備 について ティルト ローター 機 はどのような 航 空 機 なのですか 3ページ 陸 上 自 衛 隊 の 回 転 翼 機 CH-47JAとの 違 いは 5ページ なぜ ティルト ローター 機 が 必 要 なのですか 6ページ なぜ 佐 賀 空 港 に 配 備 するのですか 8ページ 佐 賀 空 港 に 配 備 する 部 隊 等 はどのくらいの 規 模 ですか 9ページ 米 海 兵 隊 のMV-22オスプレイについて MV-22オスプレイは 安 全 な 航 空 機 なのですか 米 国 でMV-22オスプレイはどのように 運 用 されている のですか 米 国 MV-22オスプレイの 国 内 での 離 発 着 実 績 につい て 教 えてください MV-22オスプレイは 量 産 決 定 後 にどのような 事 故 が 起 きていますか MV-22オスプレイの 下 降 気 流 によって 周 辺 の 住 民 や 自 然 環 境 に 大 きな 影 響 が 出 るのではないですか MV-22オスプレイの 騒 音 の 大 きさはどの 程 度 ですか オスプレイの 排 気 ガスによって 火 災 がおきる 可 能 性 があるのではないですか 10ページ 11ページ 12ページ 13ページ 15ページ 16ページ 17ページ

陸 上 自 衛 隊 ティルト ローター 機 の 配 備 について ティルト ローター 機 はどのような 航 空 機 なのですか ティルト ローター 機 は ヘリコプターのような 垂 直 離 着 陸 機 能 と 固 定 翼 機 の 長 所 である 速 さや 長 い 航 続 距 離 という 両 者 の 利 点 を 持 ち 合 わせた 航 空 機 です 回 転 翼 を 上 へ 向 けた 状 態 ではホバリングが 可 能 となり 前 方 へ 傾 けた 状 態 では 高 速 で 飛 行 することができます 従 来 の 航 空 機 とティルト ローター 機 の 比 較 航 空 機 の 例 回 転 翼 機 長 所 短 所 垂 直 離 着 陸 や ホバリングが 可 能 速 度 が 遅 い 航 続 距 離 が 短 い 固 定 翼 機 速 度 が 速 い 航 続 距 離 が 長 い 垂 直 離 着 陸 や ホバリングができない ティルト ローター 機 垂 直 離 着 陸 が 可 能 ホバリングが 可 能 速 度 が 速 い 航 続 距 離 が 長 い 写 真 は 米 国 MV-22オスプレイ 3

ティルト ローター 機 は3つの 飛 行 モード( 固 定 翼 モード 転 換 モード 垂 直 離 着 陸 モード)で 飛 行 します ティルト ローター 機 の 飛 行 モードと 特 徴 (MV-22オスプレイの 場 合 ) 飛 行 モード 固 定 翼 モード エンジンナセルと 機 体 の 角 度 特 徴 エンジンナセルが 水 平 固 定 翼 機 並 みの 速 度 で 飛 行 可 能 固 定 翼 機 並 みの 距 離 を 飛 行 可 能 転 換 モード エンジンナセルが 傾 斜 ( 1 ~84 ) 離 陸 後 の 加 速 時 や 着 陸 前 の 減 速 時 に 用 い られる 垂 直 離 着 陸 モード ヘリコプターの 様 に 垂 直 離 着 陸 が 可 能 ホバリングが 可 能 エンジンナセルがほぼ 垂 直 エンジンナセル : エンジンを 収 容 している 両 翼 端 の 円 筒 部 分 4

陸 上 自 衛 隊 の 回 転 翼 機 CH-47JAとの 違 いは ティルト ローター 機 は 現 在 陸 上 自 衛 隊 が 使 用 してい るCH-47JAと 比 較 して 最 大 速 度 は 約 1.9 倍 行 動 半 径 は 約 1.2 倍 以 上 になります(MV-22オスプレイの 場 合 ) MV-22オスプレイと 陸 自 CH-47JAの 行 動 半 径 ソウル MV-22の 行 動 半 径 約 1100km( 空 中 給 油 1 回 ) 東 京 佐 賀 鹿 児 島 大 阪 CH-47の 行 動 半 径 約 500km MV-22の 行 動 半 径 約 600km( 給 油 なし) 沖 縄 台 北 基 本 性 能 の 比 較 最 大 速 力 巡 航 速 力 行 動 半 径 輸 送 人 員 数 搭 乗 員 数 貨 物 ( 機 内 ) 貨 物 ( 縣 吊 ) 回 転 翼 直 径 最 大 飛 行 高 度 自 重 MV-22オスプレイ 約 520km/h 約 270km/h 最 大 速 度 約 490km/h 約 1.9 倍 約 260km/h 約 600km(24 名 搭 乗 時 ) 約 500km(55 名 搭 乗 時 ) 24 名 55 名 3~4 名 行 動 半 径 約 1.2 倍 2~3 名 約 9100kg 約 5700kg 約 8500kg 約 8500kg 約 11.6m 約 18.3m 約 7,500m 約 2,800m 約 16,000kg 距 離 は 全 て 直 線 距 離 CH-47は 空 中 給 油 機 能 なし CH-47JA 約 11,500kg 寸 法 17.5m 6.7m 30.2m 5.7m 5

なぜ ティルト ローター 機 が 必 要 なのですか 中 期 防 衛 力 整 備 計 画 ( 平 成 26 年 度 ~ 平 成 30 年 度 ) で は 島 嶼 部 への 侵 攻 などに 対 応 するため 約 3,000 人 規 模 の 水 陸 機 動 団 を 新 編 することとしています このような 部 隊 を 島 嶼 部 に 迅 速 に 投 入 するには 自 衛 隊 が 保 有 している 輸 送 ヘリコプター(CH-47JA)の 輸 送 能 力 を 巡 航 速 度 や 航 続 距 離 等 の 観 点 から 補 完 強 化 し 得 る ティルト ローター 機 を 導 入 して 有 事 の 際 における 迅 速 な 展 開 対 処 能 力 を 向 上 させる 必 要 があります こうしたことから 防 衛 省 は 中 期 防 衛 力 整 備 計 画 ( 平 成 26 年 度 ~ 平 成 30 年 度 ) において 17 機 のティルト ローター 機 を 導 入 することとしています 島 嶼 防 衛 のイメージ 6

ティルト ローター 機 は 固 定 翼 航 空 機 のように 早 い 巡 航 速 度 と 長 い 航 続 距 離 を 有 しつつ ヘリコプターのように 高 い 離 着 陸 性 能 を 有 しているため 島 嶼 防 衛 や 災 害 対 処 などの 場 面 にお ける 重 要 な 役 割 を 担 うことを 想 定 しています ティルト ローター 機 の 有 用 性 ティルト ローター 機 は 固 定 翼 機 が 離 着 陸 できない 島 においても 離 着 陸 可 能 速 度 性 能 を 発 揮 し 輸 送 ヘリコプターに 比 べ 迅 速 な 飛 行 が 可 能 であり 飛 行 場 のない 離 島 からの 急 患 輸 送 や 災 害 対 処 にも 極 めて 有 効 である と 考 えられます 本 年 3 月 には 東 京 都 小 笠 原 村 議 会 より ティルト ローター 機 の 早 期 導 入 運 用 についての 要 請 決 議 を 頂 いています 急 患 輸 送 のイメージ 1,000km 離 れた 離 島 に 約 2 時 間 で 到 着 ( 輸 送 ヘリコプターの 場 合 は 約 4 時 間 ) 飛 行 場 のない 離 島 でも 離 着 陸 可 能 7

なぜ 佐 賀 空 港 に 配 備 するのですか 我 が 国 防 衛 上 の 有 用 性 配 備 のための 十 分 な 地 積 の 確 保 市 街 化 が 進 む 既 存 の 自 衛 隊 飛 行 場 周 辺 の 負 担 軽 減 など 様 々な 観 点 から 自 衛 隊 飛 行 場 や 民 間 飛 行 場 を 対 象 に 検 討 を 重 ねた 結 果 佐 賀 空 港 が 配 備 先 として 最 適 の 飛 行 場 であると 判 断 しました 佐 賀 空 港 を 配 備 先 とする 理 由 防 衛 省 では 今 後 のティルト ローター 機 の 運 用 に 際 して 同 機 の 配 備 先 につい て 九 州 地 方 を 中 心 に 部 隊 運 用 の 実 効 性 強 化 日 米 協 力 の 強 化 配 備 のための 十 分 な 地 積 の 確 保 市 街 化 が 進 む 既 存 の 自 衛 隊 飛 行 場 周 辺 の 負 担 軽 減 など 様 々な 観 点 から 自 衛 隊 飛 行 場 や 民 間 飛 行 場 を 対 象 に 検 討 を 重 ねてまいりました その 結 果 佐 賀 空 港 については 水 陸 機 動 連 隊 が 配 置 される 予 定 の 陸 上 自 衛 隊 相 浦 駐 屯 地 ( 長 崎 県 佐 世 保 市 )から 近 く 同 部 隊 の 島 嶼 部 等 への 迅 速 かつ 効 率 的 な 輸 送 に 適 していること 島 嶼 部 への 侵 攻 に 対 処 する 水 陸 両 用 作 戦 には 安 全 保 障 環 境 に 即 した 部 隊 配 置 と 統 合 運 用 に 基 づく 陸 海 空 自 衛 隊 の 緊 密 な 連 携 の 下 機 動 的 な 対 処 が 不 可 欠 であり 同 作 戦 に 関 わる 主 要 部 隊 が 多 く 存 在 する 九 州 北 部 に 所 在 していること ティルト ローター 機 の 運 用 に 必 要 な 滑 走 路 を 有 していること 周 辺 に 市 街 地 がなく 海 に 面 しているため 騒 音 などの 面 で 地 元 住 民 の 方 々への 負 担 を 最 小 限 に 抑 制 しつつ 十 分 な 地 積 の 確 保 が 可 能 であること 市 街 化 が 進 んでいる 陸 上 自 衛 隊 目 達 原 駐 屯 地 からも 近 く 同 駐 屯 地 に 配 備 されて いるヘリコプターの 移 設 先 としても 活 用 しうること などの 点 を 総 合 的 に 判 断 し ティルト ローター 機 の 配 備 先 として 最 適 の 飛 行 場 で あると 判 断 しました 佐 賀 空 港 と 関 連 施 設 の 位 置 関 係 約 45km 航 空 自 衛 隊 春 日 基 地 陸 上 自 衛 隊 相 浦 駐 屯 地 約 60km 目 達 原 駐 屯 地 約 20km 海 上 自 衛 隊 佐 世 保 基 地 約 50km 佐 賀 空 港 8

佐 賀 空 港 に 配 備 する 部 隊 等 はどのくらいの 規 模 ですか 現 時 点 で ティルト ローター 機 17 機 に 市 街 化 が 進 む 目 達 原 駐 屯 地 に 所 在 するヘリコプター 約 50 機 を 加 えた 合 計 約 70 機 配 置 される 隊 員 は 約 700~800 名 程 度 を 想 定 しています 陸 上 自 衛 隊 目 達 原 駐 屯 地 ヘリコプター 約 50 機 佐 賀 空 港 新 たに 取 得 する ティルト ローター 機 17 機 目 達 原 駐 屯 地 から 移 駐 させる ヘリコプター 約 50 機 航 空 機 種 類 観 測 ヘリコプター (OH-1 OH-6) 多 用 途 ヘリコプター (UH-1 UH-60) 対 戦 車 ヘリコプター (AH-1) 戦 闘 ヘリコプター (AH-64) 観 測 ヘリコプター(OH-1) 観 測 ヘリコプター(OH-6) 多 用 途 ヘリコプター(UH-1) 9 多 用 途 ヘリコプター(UH-60) 対 戦 車 ヘリコプター(AH-1) 戦 闘 ヘリコプター(AH-64)

米 海 兵 隊 のMV-22オスプレイについて MV-22オスプレイは 安 全 な 航 空 機 なのですか 米 国 政 府 は すべての 信 頼 性 及 び 安 全 性 基 準 を 満 たすものと 判 断 し 2005 年 ( 平 成 17 年 )9 月 にMV-22の 量 産 を 承 認 しました 開 発 途 中 においては 大 きな 事 故 が4 回 発 生 しましたが 機 能 の 追 加 や 再 設 計 など 事 故 原 因 への 対 策 を 行 い 技 術 的 な 問 題 点 はクリアさ れています 開 発 試 験 段 階 に 発 生 したMV-22の 主 要 な 事 故 1 回 目 の 墜 落 事 故 (1991 年 ( 平 成 3 年 )6 月 ) 事 故 原 因 試 作 機 の 初 飛 行 の 離 陸 時 飛 行 制 御 不 能 となり 転 覆 2 名 が 軽 傷 を 負 った 事 故 原 因 は 飛 行 制 御 装 置 の 配 線 ミスで 人 為 的 なもの 事 故 後 の 対 策 飛 行 前 の 飛 行 制 御 装 置 の 接 続 部 の 確 認 及 び 作 動 試 験 の 義 務 付 け 不 具 合 探 知 機 能 を 追 加 2 回 目 の 墜 落 事 故 (1992 年 ( 平 成 4 年 )7 月 ) 事 故 原 因 試 作 機 が 着 陸 時 に 右 エンジンから 出 火 し て 墜 落 計 7 名 が 死 亡 し 機 体 は 全 損 事 故 原 因 は 右 エンジン 部 で 潤 滑 油 が 漏 れ エンジン 熱 により 発 火 し ドライブシ ャフトが 出 火 による 高 温 によって 作 動 しな かったことによる 事 故 後 の 対 策 エンジンのナセル 部 分 やドライブシャフト の 再 設 計 等 3 回 目 の 墜 落 事 故 (2000 年 ( 平 成 12 年 )4 月 ) 事 故 原 因 フライト エンベロープ( )を 超 えた 降 下 率 で 降 下 し 計 19 名 が 死 亡 事 故 原 因 は 機 体 の 不 具 合 ではなく 人 的 な 要 因 が 絡 んだもの 事 故 後 の 対 策 乗 員 警 告 システムを 導 入 フライト エンベロープを 改 訂 効 果 的 回 避 手 順 を 制 定 シミュレータ 及 び 訓 練 コースを 改 良 フライト エンベロープ : 航 空 機 の 飛 行 可 能 な 速 度 や 荷 重 高 度 の 範 囲 4 回 目 の 墜 落 事 故 (2000 年 ( 平 成 12 年 )12 月 ) 事 故 原 因 着 陸 前 の 計 器 飛 行 進 入 時 操 縦 不 能 とな り 墜 落 4 名 が 死 亡 事 故 原 因 は 油 圧 系 統 及 び 飛 行 制 御 コン ピュータの 不 具 合 など 複 合 的 なもの 事 故 後 の 対 策 ナセル 部 に 配 線 された 油 圧 系 統 ラインの 取 り 付 け 部 を 再 設 計 飛 行 制 御 ソフトウェアを 改 良 10

米 国 でMV-22オスプレイはどのように 運 用 されているの ですか MV-22オスプレイは 速 度 が 速 く 行 動 半 径 が 広 いため 世 界 各 地 の 平 和 と 安 定 被 災 地 域 の 復 興 などのための 米 軍 の 行 動 に 大 きく 貢 献 し ているほか オバマ 大 統 領 候 補 ( 当 時 )など 政 府 要 人 の 輸 送 実 績 もあり ます MV-22オスプレイの 運 用 実 績 イラクの 自 由 作 戦 (2007 年 10 月 ~2009 年 4 月 ) MV-22は 要 人 の 輸 送 や 傷 病 者 の 後 送 など 幅 広 い 活 動 を 行 いました MV-22は 長 い 距 離 を 高 速 で 飛 行 できるため これまで 達 成 不 可 能 であった 任 務 も 遂 行 することができるようになりました 6,000を 超 える 作 戦 の 実 施 約 10,000 飛 行 時 間 活 動 実 績 45,000 人 以 上 の 輸 送 1,000トン 以 上 の 物 資 の 輸 送 MV-22から 降 り 立 ち パトロールを 始 める 第 27イラク 歩 兵 旅 団 の 隊 員 達 アフガニスタンにおける 不 朽 の 自 由 作 戦 (2009 年 11 月 ~) MV-22は 強 襲 揚 陸 艦 から800km 以 上 を 飛 行 するとい う 歴 史 的 なオペレーションを 達 成 しました MV-22は 騒 音 が 小 さいため 敵 から 気 付 かれずに 接 近 可 能 であるなど 非 常 に 大 きな 戦 略 上 の 利 点 を 有 しています ハイチにおける 災 害 救 援 活 動 (2010 年 1 月 ~) MV-22の 速 度 や 航 続 距 離 により 複 数 の 救 援 部 隊 を 遠 隔 地 の 島 に 輸 送 することができました 強 襲 作 戦 支 援 のため 物 資 を 輸 送 す るMV-22 広 範 囲 における 物 資 の 輸 送 警 備 等 のための 人 員 の 輸 送 活 動 実 績 水 や6トン 近 くの 食 料 や 医 療 品 等 の 輸 送 MV-22から 降 り 立 ち アンシュ 地 方 中 央 病 院 に 向 かう 海 兵 機 動 展 開 隊 の 隊 員 たち オスプレイは 議 会 や 政 府 の 要 人 を 輸 送 する 手 段 と しても 活 用 されています イラクにおいて オバマ 大 統 領 候 補 ( 当 時 )を 輸 送 (2008 年 7 月 )し ました また ホワイトハウスのスタッフ 用 としても 活 用 されています ミラマーにおいて 我 が 国 の 国 会 議 員 や 多 くの 政 府 関 係 者 が 体 験 搭 乗 しました (2011 年 6 月 2012 年 1 月 ) オバマ 大 統 領 候 補 ( 当 時 )イラク 訪 問 時 11

米 国 MV-22オスプレイの 国 内 での 離 着 陸 実 績 について 教 えてください MV-22オスプレイは 国 内 各 地 における 訓 練 や 駐 屯 地 における 展 示 また 父 島 基 地 ( 小 笠 原 村 )への 部 隊 視 察 などでの 実 績 があります 2 1 3 1 2 3 日 米 共 同 訓 練 ( 饗 場 野 演 習 場 : 高 島 市 ) 航 空 祭 ( 丘 珠 駐 屯 地 : 札 幌 市 ) 小 野 寺 防 衛 大 臣 の 部 隊 視 察 ( 父 島 基 地 : 小 笠 原 村 ) 12

MV-22オスプレイは 量 産 決 定 後 にどのような 事 故 が 起 きていますか 2005 年 ( 平 成 17 年 )の 米 国 政 府 によるMV-22オスプレイの 量 産 決 定 以 降 2 件 の 大 きな 飛 行 事 故 が 発 生 しましたが 原 因 究 明 を 行 い より 安 全 性 を 高 めるための 努 力 をしています 量 産 決 定 以 降 に 発 生 した 米 海 兵 隊 MV-22(オスプレイ)の 主 要 な 事 故 2007 年 ( 平 成 19 年 )11 月 6 日 の 事 故 ニューリバー 基 地 の 周 辺 で 飛 行 中 にエンジン 部 から 出 火 し 着 陸 帯 に 着 陸 乗 員 は 無 事 エンジン 及 びエンジンナセル 部 が 損 傷 を 受 けた 事 故 原 因 ナセル 部 分 の 油 圧 ラインの 破 損 による 油 の 漏 出 事 故 後 の 対 策 油 漏 れを 最 小 限 にするため 油 圧 部 をより 迅 速 に 遮 断 するよう 改 良 漏 れた 油 を 回 避 させる 排 出 ルートを 改 良 破 損 防 止 のため 油 圧 ラインを 強 化 2012 年 ( 平 成 22 年 )4 月 11 日 の 事 故 モロッコ 軍 との 二 国 間 演 習 アフリカのライオン に 参 加 中 モロッコのアガディール 南 西 のモロッコ 軍 訓 練 場 に 墜 落 乗 員 4 名 中 2 名 が 死 亡 2 名 が 重 傷 を 負 った 事 故 原 因 マニュアルで 回 避 すべき 相 対 風 領 域 等 に 入 ったこと 及 び 禁 止 されているナ セル 操 作 等 を 行 うなどの 人 的 要 因 事 故 後 の 対 策 事 故 の 教 訓 を 踏 まえた 訓 練 の 実 施 機 長 の 監 督 責 任 の 実 施 13

オスプレイは 導 入 当 初 10 万 飛 行 時 間 における 重 大 (クラスA) 飛 行 事 故 の 件 数 について 非 常 に 低 い 記 録 を 有 しています 導 入 当 初 10 万 飛 行 時 間 におけるクラスA 飛 行 事 故 の 件 数 事 故 件 数 MV-22オスプレイ 注 試 験 開 発 段 階 における 飛 行 実 績 も 含 むため 配 備 される 機 体 そのものの 傾 向 を 正 確 に 反 映 しているといえない 注 契 約 業 者 事 故 2 件 (1991 年 1992 年 )を 除 く ( 参 考 ) 機 体 名 資 料 源 : 米 国 提 供 資 料 (2012 年 8 月 15 日 ) 飛 行 事 故 航 空 機 事 故 の 種 類 のひとつで 飛 行 の 意 図 があり かつ 米 国 防 省 の 航 空 機 へ の 損 害 が 生 じた 事 故 のことをいいます クラスA 事 故 米 政 府 及 び 米 政 府 所 有 財 産 への 被 害 総 額 が200 万 ドル 以 上 米 国 防 省 所 属 航 空 機 の 損 壊 あるいは 死 亡 又 は 全 身 不 随 に 至 る 傷 害 もしくは 職 業 に 起 因 する 病 気 等 を 引 き 起 こした 場 合 をいいます 14

MV-22オスプレイの 下 降 気 流 によって 周 辺 の 住 民 や 自 然 環 境 に 大 きな 影 響 が 出 るのではないですか 上 空 6メートルでホバリングした 場 合 半 径 約 13メートルの 範 囲 で 平 均 風 速 25~30メートル/ 秒 の 下 降 気 流 が 発 生 します 米 国 政 府 が 普 天 間 飛 行 場 にMV-22を 配 備 するにあたり 実 施 し た 環 境 レビューでは MV-22の 下 降 気 流 は 公 共 の 安 全 にいかな る 問 題 も 生 じさせないと 評 価 されています ホバリング 時 の 下 降 気 流 平 均 風 速 25~30m/ 秒 程 度 の 下 降 気 流 上 空 6m 約 47.5m 約 13m 平 均 風 速 10m/ 秒 程 度 の 下 降 気 流 下 降 気 流 は 段 々 弱 まり 離 れた 地 域 への 影 響 はほとんどないと 考 えられます 15

MV-22オスプレイの 騒 音 の 大 きさはどの 程 度 ですか 飛 行 の 態 様 によって 騒 音 レベルは 変 動 しますが 自 衛 隊 が 運 用 す る 他 のヘリコプターなどと 比 して 著 しく 騒 音 レベルが 高 まることはあり ません 巡 航 時 モード 高 度 騒 音 暴 露 レベル(dB(A)) 固 定 翼 モード (220ノット) 250フィート( 約 80m) 93(ピアノ 犬 の 鳴 き 声 ) 500フィート( 約 150m) 92 1,000フィート( 約 300m) 88 転 換 モード (ナセル 角 80 度 80ノット) 250フィート( 約 80m) 100( 電 車 が 通 るときのガード 下 ) 500フィート( 約 150m) 96 1,000フィート( 約 300m) 92 ( )1フィートは 約 30センチメートル( 高 度 250フィート= 高 度 約 80メートル) ( ) 暴 露 レベルとは 一 定 時 間 の 騒 音 のエネルギーを 1 秒 間 に 換 算 した 値 ホバリング 時 ホバリング 中 心 点 からの 距 離 (m) 騒 音 暴 露 レベル(dB(A)) 50m 124.7 100m 118.6 200m 113.3 500m 102.9 エンジンテスト 時 ホバリング 中 心 点 からの 距 離 (m) 騒 音 暴 露 レベル(dB(A)) 50m 123.8 500m 96.4 騒 音 の 大 きさの 目 安 60dB(A): 普 通 の 会 話 静 かな 乗 用 車 内 70dB(A): 電 話 のベル 80dB(A): 交 通 量 の 多 い 道 路 など 90dB(A):ピアノ 犬 の 鳴 き 声 100dB(A): 電 車 が 通 るときのガード 下 16

オスプレイの 排 気 ガスによって 火 災 がおきる 可 能 性 があるのではないですか MV-22は 排 気 デフレクタによってエンジンの 排 気 の 方 向 を 制 御 できるので 排 気 により 火 災 が 発 生 する 可 能 性 は 極 めて 低 いとさ れています 排 気 デフレクタとは 排 気 デフレクタとは エンジンナセル 内 において エンジンの 排 気 の 方 向 を 制 御 し 直 接 地 面 に 当 たらないようにする 装 置 です 排 気 デフレクタにより 排 気 の 方 向 を 制 御 エンジンナセル 排 気 排 気 火 災 の 可 能 性 は 極 めて 低 い 排 気 デフレクタが 作 動 することにより エンジンからの 排 気 が 地 上 に 直 接 当 たらない ように 放 出 されます そのため 排 気 が 原 因 となって 地 上 の 草 木 等 を 燃 やし 火 災 を 起 こす 可 能 性 は 極 めて 低 くなっています 排 気 デフレクタは 着 陸 時 に 自 動 的 に 起 動 する 仕 組 みになっています パイロットは 確 実 に 起 動 していることを 確 認 することになっており 起 動 していない 状 態 では 植 生 の 存 在 する 着 陸 帯 へ 着 陸 しません ( 参 考 ) 米 軍 では 火 災 の 可 能 性 をさらに 低 くするため 以 下 のような 措 置 をと ることとしています 1パイロットに 義 務 付 けられている 排 気 デフレクタの 作 動 確 認 の 徹 底 2 排 気 デフレクタを 含 め 機 体 システムに 故 障 等 が 発 生 しないよう 確 実 に 整 備 3 着 地 時 間 の 制 限 17