埼 玉 大 学 紀 要 教 育 学 部,62(2):61-66(2013) 中 学 生 の 投 能 力 向 上 を 目 指 したサーキットトレーニングの 影 響 有 川 秀 之 中 島 慎 二 埼 玉 大 学 教 育 学 部 保 健 体 育 講 座 熊 谷 市 立 妻 沼 西 中 学 校 キーワード: 投 能 力 サーキットトレーニング 体 力 テスト 1.はじめに 平 成 23 年 8 月 に 施 行 された スポーツ 基 本 法 は 昭 和 36 年 に 制 定 されたスポーツ 振 興 法 を 現 状 を 踏 まえて 全 面 的 に50 年 ぶりに 改 正 されたものである スポーツは 世 界 共 通 の 人 類 の 文 化 である との 前 文 で 始 まり スポーツに 関 する 基 本 理 念 を 定 め 並 びに 国 及 び 地 方 公 共 団 体 の 責 務 並 びにスポーツ 団 体 の 努 力 等 を 明 らかにし スポーツ 施 策 の 基 本 となる 事 項 を 定 めたものであ る そして これまでと 同 様 スポーツは 次 世 代 を 担 う 青 少 年 の 体 力 向 上 の 役 割 を 担 い 基 本 施 策 の1つとして 学 校 における 体 育 の 充 実 があげられ 指 導 の 充 実 施 設 の 整 備 などが 定 められ ている また 平 成 20 年 1 月 の 中 教 審 答 申 ( 中 央 教 育 審 議 会,2008)では 運 動 する 子 とそうでない 子 の 二 極 化 子 どもの 体 力 の 低 下 傾 向 が 依 然 深 刻 などの 課 題 が 指 摘 された このため 今 回 の 学 習 指 導 要 領 の 改 訂 で 体 力 の 向 上 を 重 視 し 体 つくり 運 動 の 一 層 の 充 実 を 図 るとともに 運 動 を 一 層 弾 力 的 に 取 り 上 げることができるようにする との 方 針 も 示 された 産 経 新 聞 (2004)によれば 11 歳 の 男 女 で20 年 前 の 昭 和 58 年 と 比 較 すると 50m 走 は 男 子 が8.70 秒 から8.91 秒 に 低 下 女 子 も8.98 秒 から9.25 秒 に 下 がり ソフトボール 投 げ は 男 子 が 30.42m 女 子 が17.19mでそれぞれ2m 近 く 低 下 しており 子 どもの 体 力 の 低 下 は 依 然 深 刻 な 状 態 と 報 告 している 埼 玉 県 では 昭 和 47 年 に 体 力 向 上 推 進 事 業 を 策 定 し 体 力 向 上 に 関 わる 諸 事 業 を 進 めてきた( 埼 玉 県 教 育 委 員 会,2012) 体 力 テストの 結 果 は 埼 玉 県 も 全 国 的 な 傾 向 と 同 様 昭 和 60 年 頃 をピ ークとし その 後 停 滞 低 下 傾 向 が 続 いている 平 成 23 年 度 体 力 テスト 項 目 の 全 国 値 と 埼 玉 県 値 を 比 較 すると 上 体 起 こし 長 座 体 前 屈 は 男 女 とも 小 学 生 中 学 生 は 各 学 年 とも 全 国 平 均 値 を 上 回 り 反 復 横 とび 持 久 走 50m 走 立 ち 幅 とび は 男 女 とも 小 学 生 は 各 学 年 とも 全 国 平 均 値 を 上 回 っている しかしながら 握 力 と ボール 投 げ については 男 女 とも 小 学 生 中 学 生 の 各 学 年 で 全 国 平 均 値 を 下 回 っている これらのことにより 平 成 19 年 度 50m 走 20 年 度 は 握 力 21 年 度 は ボール 投 げ 22 年 度 は 50m 走 握 力 ボール 投 げ 23 年 度 は ボール 投 げ 握 力 24 年 度 は ボール 投 げ など 課 題 種 目 を 設 定 し 諸 事 業 に 努 めているが ボ ール 投 げ は 直 近 4 年 連 続 で 課 題 種 目 となっていることからも なかなか 向 上 がみられていない 体 力 テストで 行 う ボール 投 げ は まさしく 投 げる 能 力 を 測 定 するものであるが 一 瞬 で 力 を 発 揮 する 瞬 発 力 ( 筋 パワー)や 上 肢 や 下 肢 など 含 めた 身 体 の 各 部 分 をうまく 使 いこなす 巧 緻 性 ( 身 体 操 作 能 力 )に 関 連 するものである 巧 緻 性 など 動 作 に 関 する 研 究 は 高 橋 ら(2005) 宮 西 森 本 (2006)など 数 多 くみられる また 体 力 トレーニングに 関 する 研 究 もいくつかみられる( 平 野 61
橋 村, 1984 Tonyら, 1998)が 中 学 生 に 対 する 簡 単 なトレーニングによる 研 究 は 少 ない そこ で 本 研 究 は 体 つくり 運 動 ( 体 力 を 高 める 運 動 )としてサーキットトレーニングを 授 業 の 一 部 で 行 なうことにより 全 面 的 に 体 力 を 高 めるための 筋 パワー 向 上 が 体 力 テストのひとつである ボー ル 投 げ に 及 ぼす 影 響 を 検 討 した 2. 研 究 方 法 (1) 対 象 者 対 象 者 は 埼 玉 県 N 中 学 校 1 年 生 90 名 ( 男 子 42 名 女 子 48 名 )とした (2) 方 法 平 成 24 年 11 月 に 週 3 回 3 週 間 計 9 時 間 の 体 育 授 業 の 一 部 として サーキットトレーニング を 行 なった その 後 ボール 投 げ を 実 施 し 5 月 に 行 った 新 体 力 テストのボール 投 げ 記 録 結 果 と 比 較 した (3)トレーニング 内 容 サーキットトレーニングは 背 筋 運 動 上 体 起 こし ハンドグリップ 握 り 腕 立 て 伏 せ 反 復 横 とび ゴム 跳 び( 膝 の 高 さ) ラダーステップ ロープ 投 げ(バトンスロー)の8 種 目 を 行 った 最 初 の 授 業 で サーキットトレーニングの 種 目 ごとに30 秒 間 にできる 回 数 を 測 定 した 2 回 目 の 授 業 か らは 1 回 目 の 授 業 で 行 なった 各 種 目 の 回 数 の 半 分 の 回 数 を 各 種 目 の 反 復 回 数 として サーキット トレーニング8 種 目 を3セット 時 間 にすると 約 12 分 から14 分 間 行 い 各 時 間 の 残 り 時 間 は 他 の 教 材 内 容 を 行 った (4) 統 計 処 理 すべての 測 定 値 は 平 均 値 (± 標 準 偏 差 )で 示 した 対 象 者 と 埼 玉 県 値 や 全 国 値 との 比 較 はt-test( 対 応 なし)を 用 いた 統 計 的 な 有 意 水 準 は すべて5% 以 下 (p<0.05)とした 3. 結 果 と 考 察 図 1は 男 女 別 に5 月 に 実 施 した 体 力 テスト 時 のボール 投 げの 記 録 に 対 して サーキットトレー ニング 後 11 月 に 実 施 したボール 投 げ 記 録 について 伸 びた(あるいは 縮 んだ) 距 離 のヒストグラ 62
ムを 示 している 男 子 について 42 名 中 37 名 の88.1%は 記 録 が 向 上 し 5 名 (11.9%)が 伸 びな かった 女 子 については 48 名 中 8 名 の16.7%は 変 わらなかったが 32 名 の66.7%は 記 録 が 向 上 し 8 名 (16.7%)が 伸 びなかった したがって 男 女 をまとめると 90 名 中 69 名 の76.7%は 記 録 が 向 上 し 21 名 の23.3%が 伸 びなかった 女 子 のボール 投 げの 伸 びは 正 規 分 布 のようなきれいな 散 らばりをみせたが 男 子 はいびつな 散 らばりを 示 したことを 考 えると 男 子 は 女 子 に 比 べて 測 定 時 のボール 投 げ 動 作 が 安 定 していないと 考 えられる 表 1 5 月 時 とサーキットトレーニング 後 11 月 時 におけるボール 投 げ 距 離 及 び 伸 縮 距 離 (m) 5 月 時 11 月 時 伸 縮 距 離 男 子 (42) 21.76±5.06 23.83±5.38 2.07±2.80 女 子 (48) 14.42±3.80 15.56±4.05 1.15±1.81 印 は 有 意 水 準 ( :p<0.1%)を 示 す 表 1は 5 月 時 とサーキットトレーニング 後 11 月 時 のボール 投 げ 距 離 (m)の 平 均 値 (± 標 準 偏 差 )と 対 象 者 ごとに5 月 から11 月 までの 伸 縮 距 離 を 平 均 値 (± 標 準 偏 差 )として 示 したもの である 男 子 は21.76mから23.83m 女 子 は14.42mから15.56mとなり 5 月 から11 月 までに 男 子 は2.07m 女 子 は1.15m 伸 び それぞれ 統 計 的 に 有 意 な 伸 びを 示 した 表 2は 体 力 テストのボール 投 げについて 平 成 23 年 度 24 年 度 の 中 学 1 年 生 2 年 生 の 埼 玉 県 平 均 値 (± 標 準 偏 差 )( 埼 玉 県 教 育 委 員 会,2013) 及 び 平 成 23 年 度 全 国 (24 年 度 は 未 発 表 のため) の 平 均 値 (± 標 準 偏 差 )( 文 部 科 学 省,2013)を 示 している また 伸 縮 距 離 として 横 断 的 データ であるが それぞれの2 年 生 平 均 値 から1 年 生 平 均 値 の 差 として1 年 間 に 伸 びた 距 離 を 示 してい る 表 2 平 成 23 年 度 24 年 度 の 埼 玉 県 と 全 国 におけるボール 投 げ 距 離 及 び 伸 縮 距 離 埼 玉 県 値 (m) 全 国 値 (m) 1 年 生 2 年 生 伸 縮 距 離 1 年 生 2 年 生 伸 縮 距 離 H23 H24 男 子 18.51±4.89 21.84±5.60 3.33 19.39±4.91 22.08±5.16 2.69 女 子 12.05±3.66 13.66±4.05 1.61 12.61±3.85 14.01±4.09 1.40 男 子 18.52±4.93 21.97±5.57 3.45 - - - 女 子 12.10±3.63 13.77±4.25 1.67 - - - (H24 全 国 値 は 未 発 表 ) 中 学 1 年 生 2 年 生 の 男 女 とも 平 成 23 年 度 と 平 成 24 年 度 の 埼 玉 県 値 は ボール 投 げ 記 録 の 平 均 値 はほとんど 変 わらない 平 成 24 年 度 の 全 国 値 の 報 告 が 未 発 表 であるため 平 成 23 年 度 の 埼 玉 県 値 と 全 国 値 で 比 較 すると 男 子 1 年 生 埼 玉 県 値 (18.51±4.89m)と 全 国 値 (19.39±4.91m)と の 間 に 統 計 的 に 有 意 (p<0.1% )な 差 がみられた しかしながら 男 子 2 年 生 については 埼 玉 県 値 (21.84±5.60m)と 全 国 値 (22.08±5.16m)との 間 に 有 意 な 差 はみられなかった 女 子 につ いては 1 年 生 2 年 生 とも 埼 玉 県 値 と 全 国 値 との 間 に 統 計 的 に 有 意 な 差 がみられた これらのこ とから 男 子 においては 埼 玉 県 の 中 学 1 年 生 は 全 国 の 中 学 1 年 生 よりボール 投 げ 距 離 が 短 いが 63
中 学 2 年 生 ではボール 投 げ 距 離 は 全 国 と 変 わらない 女 子 においては 中 学 1 年 生 2 年 生 と も 全 国 よりボール 投 げ 距 離 が 低 いことが 再 認 識 された また 横 断 的 なデータであるが 1 年 生 から2 年 生 へのボール 投 げの 伸 びた 距 離 については 平 成 23 年 度 男 子 の 埼 玉 県 値 は3.33m 全 国 値 は2.69mとなり 伸 びた 距 離 は 埼 玉 県 値 が 全 国 値 を 上 回 っている データが 集 計 された 約 25000 人 の 各 対 象 者 の 伸 びを 詳 細 に 調 査 しないと 結 論 は 出 せ ないが このデータからは 中 学 1 年 生 からボール 投 げの 距 離 を 大 きく 伸 ばし 中 学 2 年 生 で 全 国 平 均 値 に 追 い 付 いていると 読 み 取 れる 一 方 女 子 については 1 年 生 の 時 の 全 国 値 との 差 が 2 年 生 の 時 でも 変 わらず そのままの 差 となっている さらにボール 投 げの 伸 縮 距 離 について 本 研 究 のボール 投 げ 測 定 がサーキットトレーニング 後 の11 月 であり 約 6カ 月 の 測 定 間 隔 で 伸 びた( 縮 んだ) 距 離 であるため 1 年 間 の 測 定 間 隔 であ る 埼 玉 県 値 と 全 国 値 の 伸 縮 距 離 を6か 月 間 の 値 とするため 2 分 の1(50パーセント 値 )として 示 したものが 表 3である なお 平 成 24 年 度 全 国 値 が 未 発 表 のため 埼 玉 県 値 も 平 成 23 年 度 を 用 いた 本 研 究 値 (2.07m)と 埼 玉 県 値 (1.67m)や 全 国 値 (1.35m)の 比 較 において 母 分 散 が 未 知 である 場 合 の 平 均 値 の 差 の 検 定 では 有 意 な 差 はみられなかったが 数 値 的 にみると 男 女 とも 本 研 究 の 値 が 埼 玉 県 値 と 全 国 値 を 大 きく 上 回 っている 埼 玉 県 値 や 全 国 値 の 各 対 象 者 の 伸 びが 把 握 できないため 詳 細 な 統 計 的 な 処 理 ができないが サーキットトレーニングの 効 果 が 投 能 力 の 向 上 にあったといえそうである 表 3 ボール 投 げ 伸 縮 距 離 (m)の 比 較 本 研 究 値 埼 玉 県 値 全 国 値 男 子 2.07±2.80 1.67 1.35 女 子 1.15±1.81 0.81 0.70 今 回 ボール 投 げの 技 術 的 な 指 導 などを 行 なわず 授 業 の 一 部 で 体 つくり 運 動 として 体 力 向 上 のためのサーキットトレーニングを 行 うことだけで ボール 投 げの 距 離 が 伸 びた 生 徒 が 多 かったこ とが 明 らかとなった このことは 筋 パワーの 向 上 を 目 指 すサーキットトレーニングを 行 なうこと により 投 能 力 も 向 上 することが 示 唆 された しかしながら 投 能 力 の 向 上 は 筋 パワーなど 体 力 の 向 上 だけで 大 きく 伸 びるものでなく 身 体 各 部 分 をうまく 操 作 して ものを 投 げるという 投 球 動 作 の 経 験 が 大 きな 要 因 となるため 投 げ 方 という 技 術 的 な 指 導 も 大 切 である そして 直 接 ボ ールを 投 げる 野 球 ソフトボールやハンドボール バスケットボールなどの 種 目 について 投 能 力 は 大 切 であることは 当 然 であるが バレーボールのスパイクやテニスのサーブ スマッシュなど 投 動 作 と 類 似 した 関 連 動 作 にも 影 響 するため 今 後 投 動 作 である 身 体 操 作 能 力 についても 検 討 し ていく 必 要 がある 4.まとめ 今 回 中 学 1 年 生 に 対 して 9 回 の 体 育 授 業 のなかで 体 つくり 運 動 である 体 力 向 上 のための サーキットトレーニングを 約 12 分 から14 分 行 なうことだけで ボール 投 げ 距 離 の 向 上 がみられた 生 徒 が 多 かった 64
参 考 文 献 中 央 教 育 審 議 会 (2008) 幼 稚 園 小 学 校 中 学 校 高 等 学 校 及 び 特 別 支 援 学 校 の 学 習 指 導 要 領 等 の 改 善 について( 答 申 ).http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/ icsfiles/ afieldfile/2009/05/12/1216828_1.pdf 平 野 裕 一 橋 村 勝 (1984) 投 能 力 に 及 ぼす 等 速 性 筋 出 力 の 影 響. 星 川 保 豊 島 進 太 郎 編 第 7 回 日 本 バ イオメカニクス 学 会 大 会 論 集. 名 古 屋 大 学 出 版 会 : 愛 知,pp.213-218 宮 西 智 久 森 本 吉 謙 (2006) 大 学 野 球 投 手 におけるピッチング 動 作 の 改 善 事 例 : 投 球 技 術 指 導 前 後 のト レーニング 効 果. 体 育 学 研 究.52:361-381. 文 部 科 学 省 (2013) 体 力 運 動 能 力 調 査 平 成 23 年 度.http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List. do?bid=000001030954&cycode=0 埼 玉 県 教 育 委 員 会 (2013) 平 成 24 年 度 平 成 23 年 度 埼 玉 県 児 童 生 徒 の 新 体 力 テスト 結 果 について. http://www.pref.saitama.lg.jp/page/sintairyokutest.html 埼 玉 県 教 育 委 員 会 (2012) 埼 玉 県 児 童 生 徒 の 体 力 向 上 推 進 事 業 概 要. 平 成 23 年 度 体 力 向 上 推 進 事 業 報 告 書 埼 玉 県 児 童 生 徒 の 体 力 第 40 号. 埼 玉 県 教 育 委 員 会 : 埼 玉,p.1 産 経 新 聞 (2004.10.24) 子 供 の 体 力 低 下 浮 き 彫 り. 高 橋 佳 三 阿 江 通 良 藤 井 範 久 川 村 卓 小 池 関 也 島 田 一 志 (2005) 球 速 の 異 なる 野 球 投 手 の 動 作 の キネマティクス 的 比 較.バイオメカニクス 研 究.9(2):36-52. Tony, L. Evon, J. and Pastiglione, J. (1998) The effect of an upper body strength program on intercollegiate baseball throwing velocity. J. Strength Cond. Res., 12: 116-119 65
Research of the ball throwing ability improvement by circuit training in junior high school student ARIKAWA, Hideyuki Faculty of Education, Saitama University NAKAJIMA, Shinji Menuma-nishi junior high school Abstract This study examined the influence on the ball throwing ability by doing the circuit training partially of the physical education class. The circuit training of eight items was done at nine hours in total of three times a week and three weeks in November. Every time, it took about 14 minutes from 12 minutes to the circuit training. The subjects were 90 junior high school (42) boys and (48) girls. The results obtained were as follows: 1. The student who improved the record of a ball throwing was 88.1%, and the student who did not improve the record was 11.9% by the circuit training for boys. 2. For girls, the student who improved the record was 66.7%, and the student who the record did not change was 16.7%, and who decreased the record was 16.7%. 3. The ball throw distance became as 23.83m from 21.76m for boys and 15.56m from 14.42m, and showed a significant expansion statistically respectively. Based on these findings, there were a lot of students who improved the ball throw distance because of the circuit training as a part of the physical education class. Key Words: throwing ability, circuit training, physical fitness test 66