正 解 肢 を 見 つける 裏 ワザ 1 4 肢 択 一 試 験 はこのように 解 け! 試 験 には 試 験 択 一 試 験 論 述 試 験 など 様 々な 形 式 があります 試 験 に 合 格 するためには 学 習 を 始 める 前 に その 試 験 の 特 徴 を 押 さえることが 重 要 です では 宅 建 試 験 ではどうでしょうか? こ の 試 験 は 4 肢 択 一 の 試 験 です つまり 4つの 選 択 肢 の 中 から 1つだけ 選 ぶ ことができれば 点 数 を 獲 得 できるのです では ここでみなさんに4 肢 択 一 試 験 を 具 体 的 に 体 験 していただくために 下 記 の 問 題 を 解 いてみてください 日 本 の 首 都 は 下 記 のうちどれか 選 びなさい 1 大 阪 2 名 古 屋 3 福 岡 4 東 京 上 記 の 問 題 は 宅 建 ではありませんが 当 然 4の 東 京 を 選 ぶことができたと 思 います なぜ4を 選 ぶこと ができたのでしょうか? それは 1~4のすべての 肢 を 知 っていたからであり また これらのことは 知 らなければならない 事 項 です では 下 記 の 問 題 はどうでしょうか? 日 本 の 首 都 は 下 記 のうちどれか 選 びなさい 1 レイキャビク? 2 ダブリン? 3 バクー? 4 東 京 これも 正 解 は4の 東 京 です しかし 今 度 は 選 択 肢 のうち おそらく1~3はどこの 国 の 首 都 か 知 らなか ったのではないでしょうか? けれどもみなさんは4を 選 んだはずです それは 日 本 の 首 都 が 東 京 であると いうことを 知 っているからです したがって 他 の 選 択 肢 がわからなくても 正 解 肢 は4だと 判 断 できるので す もし 間 違 えた 人 がいるのであれば それは1~3を 知 らなかったからではなく 4の 知 識 がなかったか らです では 下 記 のような 問 題 はどうでしょう? アイスランドの 首 都 は 下 記 のうちどれか 選 びなさい 1 大 阪 2 名 古 屋 3 レイキャビク 4 東 京
できましたか? 今 度 の 正 解 は3ですね ではみなさんはなぜ3を 選 んだのでしょうか? おそらくレイ キャビクがアイスランドの 首 都 だということを 知 って 答 えた 人 は 少 なかったと 思 います もし 記 述 試 験 で あれば レイキャビクを 知 っていなければ 正 解 することはできません しかし 4 択 なので 大 阪 名 古 屋 東 京 ではないということを 知 っているので3を 知 らなくても 正 解 を 導 き 出 せたと 思 います つまり 1 2 4ではないなら3が 正 解 であると 確 信 したはずです このように4 肢 択 一 というのは すべての 知 識 がなければ 正 解 を 選 ぶことができないというものではない のです 2 宅 建 試 験 に 当 てはめよう! 不 動 産 取 得 税 ( 事 例 1) では 今 度 は 宅 建 の 過 去 に 出 題 された 問 題 を 当 てはめてみましょう 下 記 の 問 題 は 2 年 に1 度 は 出 題 されているという 不 動 産 取 得 税 です この 問 題 は 比 較 的 やさしい 内 容 ですが まだ 税 金 の 学 習 を していない 方 もいると 思 いますので 今 から 説 明 することだけ 覚 えてください いいですか? では 始 めます そもそも 税 金 の 計 算 式 は 課 税 標 準 税 率 = 税 額 となります 例 えば 所 得 税 であれば 所 得 に 対 して 税 率 をかけて 計 算 します 不 動 産 取 得 税 も 同 様 に 不 動 産 の 価 額 に 税 率 をかけて 計 算 します しかし 不 動 産 取 得 税 では 宅 地 の 場 合 課 税 標 準 を2 分 の1 に するという 特 例 があります では この 知 識 をもとに 下 記 の 平 成 18 年 度 の 問 題 を 解 いてください ヒント 宅 地 の 課 税 標 準 は2 分 の1である ( 一 部 改 正 平 成 18 年 度 問 28) 不 動 産 取 得 税 に 関 する 次 の 記 述 のうち 正 しいものはどれか 1 住 宅 以 外 の 家 屋 を 取 得 した 場 合 不 動 産 取 得 税 の 標 準 税 率 は 100 分 の3である 2 宅 地 を 取 得 した 場 合 当 該 取 得 に 係 る 不 動 産 取 得 税 の 課 税 標 準 は 当 該 宅 地 の 価 格 の2 分 の1の 額 とされ る 3 不 動 産 取 得 税 は 不 動 産 の 取 得 に 対 して 当 該 不 動 産 の 所 在 する 都 道 府 県 が 課 する 税 であるが その 徴 収 は 特 別 徴 収 の 方 法 がとられている 4 床 面 積 が 250 m2である 新 築 住 宅 に 係 る 不 動 産 取 得 税 の 課 税 標 準 の 算 定 については 当 該 新 築 住 宅 の 価 格 か ら 1,200 万 円 が 控 除 される 解 けましたか? 正 解 は 宅 地 を 取 得 した 場 合 当 該 取 得 に 係 る 不 動 産 取 得 税 の 課 税 標 準 は 当 該 宅 地 の 価 格 の2 分 の1の 額 とされる という2が 正 解 となります もし 間 違 えたのなら それは1 3 4の 選 択 肢 はわからないからではなく 2が 正 しいということがわからなかったからです つまり 重 要 な 内 容 を 押 さえておけば わからない 選 択 肢 があっても 答 えは 導 き 出 せるのです なお この2の 内 容 は 平 成 8 年 度 10 年 度 12 年 度 16 年 度 18 年 度 24 年 度 にも 出 題 され ている 重 要 なポイントです - 1 -
特 定 住 宅 瑕 疵 担 保 履 行 法 ( 事 例 2) 今 度 は 平 成 22 年 度 から 毎 年 1 問 ずつ 出 題 されている 特 定 住 宅 瑕 疵 担 保 履 行 法 を 例 として 解 いて みましょう この 法 律 は 簡 単 に 言 えば 宅 建 業 者 が 新 築 住 宅 を 販 売 して その 住 宅 に 瑕 疵 があった 場 合 その 宅 建 業 者 がたとえ 倒 産 しても 消 費 者 ( 買 主 )を 救 済 できるようにするため 販 売 する 新 築 住 宅 数 に 応 じて 宅 建 業 者 に 一 定 額 を 供 託 させたり 保 険 に 加 入 させることにより 資 力 確 保 を 義 務 づけさせるというものです ここで 先 ほどと 同 じように1つだけ 覚 えてください この 法 律 では 新 築 住 宅 を 販 売 する 場 合 契 約 が 成 立 するまで に 書 面 で 供 託 所 の 説 明 を 新 築 住 宅 の 買 主 に 説 明 しなければならないと 定 めてい ます この 知 識 をもとに 下 記 の 平 成 23 年 度 の 正 解 肢 を 選 んでください ヒント 供 託 所 の 説 明 は 契 約 成 立 まで に 書 面 を 交 付 して 説 明 しなければならない ( 平 成 23 年 度 問 45) 特 定 住 宅 瑕 疵 担 保 責 任 の 履 行 の 確 保 等 に 関 する 法 律 に 基 づく 住 宅 販 売 瑕 疵 担 保 保 証 金 の 供 託 又 は 住 宅 販 売 瑕 疵 担 保 責 任 保 険 の 締 結 ( 以 下 この 問 いにおいて 資 力 確 保 措 置 という )に 関 する 次 の 記 述 のうち 正 し いものはどれか 1 宅 地 建 物 取 引 業 者 は 自 ら 売 主 として 建 設 業 者 である 買 主 との 間 で 新 築 住 宅 の 売 買 契 約 を 締 結 し 当 該 住 宅 を 引 き 渡 す 場 合 資 力 確 保 措 置 を 講 じる 必 要 はない 2 自 ら 売 主 として 新 築 住 宅 を 宅 地 建 物 取 引 業 者 でない 買 主 に 引 き 渡 した 宅 地 建 物 取 引 業 者 は 基 準 日 に 係 る 資 力 確 保 措 置 の 状 況 の 届 出 をしなければ 当 該 基 準 日 以 後 新 たに 自 ら 売 主 となる 新 築 住 宅 の 売 買 契 約 を 締 結 することができない 3 自 ら 売 主 として 新 築 住 宅 を 販 売 する 宅 地 建 物 取 引 業 者 は 住 宅 販 売 瑕 疵 担 保 保 証 金 の 供 託 をする 場 合 当 該 住 宅 の 売 買 契 約 を 締 結 するまでに 当 該 住 宅 の 買 主 に 対 し 供 託 所 の 所 在 地 等 について 記 載 した 書 面 を 交 付 して 説 明 しなければならない 4 住 宅 販 売 瑕 疵 担 保 責 任 保 険 契 約 は 新 築 住 宅 の 買 主 が 保 険 料 を 支 払 うことを 約 し 住 宅 瑕 疵 担 保 責 任 保 険 法 人 と 締 結 する 保 険 契 約 であり 当 該 住 宅 の 引 渡 しを 受 けた 時 から 10 年 間 当 該 住 宅 の 瑕 疵 によって 生 じた 損 害 について 保 険 金 が 支 払 われる この 問 題 の 正 解 は 3の 自 ら 売 主 として 新 築 住 宅 を 販 売 する 宅 地 建 物 取 引 業 者 は 住 宅 販 売 瑕 疵 担 保 保 証 金 の 供 託 をする 場 合 当 該 住 宅 の 売 買 契 約 を 締 結 するまでに 当 該 住 宅 の 買 主 に 対 し 供 託 所 の 所 在 地 等 につ いて 記 載 した 書 面 を 交 付 して 説 明 しなければならない ですね このように 択 一 試 験 というのは すべてがわからなくても 正 解 肢 を 選 ぶことができるのです 近 年 宅 建 試 験 では 正 しいものはいくつあるか? という 問 い 方 をする 問 題 があります この 場 合 はすべての 選 択 肢 がわ からなければ 正 解 できませんが このような 問 題 は 全 体 の1 割 程 度 であり また 内 容 はすべてわかるような 基 本 問 題 が 大 半 です - 2 -
3 組 合 せ 問 題 に 当 てはめよう! 都 市 計 画 法 ( 事 例 1) 各 種 の 試 験 において 組 合 せ 問 題 が 出 題 されるケースがよく 見 受 けられます 宅 建 試 験 におい ても 近 年 よく 出 題 されています しかし これらの 問 題 もやはり 選 択 できる 基 本 的 知 識 さえ 身 に 付 けておけば 正 解 肢 を 選 ぶことはできます 択 一 試 験 であることには 変 わりありません 都 市 計 画 法 において 毎 年 出 題 されている 開 発 行 為 についての 問 題 を 例 にとってみましょう そもそも 開 発 行 為 とは 主 として 建 築 物 の 建 築 又 は 特 定 工 作 物 の 建 設 の 用 に 供 する 目 的 で 行 う 土 地 の 区 画 形 質 の 変 更 をいいます 例 えば 山 を 削 って(= 土 地 の 形 質 の 変 更 ) 建 物 を 建 築 するよ うな 行 為 です このような 開 発 行 為 をするに 当 たっては 知 事 の 許 可 を 必 要 とします これが 開 発 行 為 の 許 可 制 度 です ここでも1つみなさんに 覚 えてもらうことを 説 明 します それは この 開 発 行 為 は 市 街 化 区 域 内 では 1,000 m2 から 必 要 になるということです では 平 成 19 年 度 の 下 記 の 問 題 を 解 いてみてください ヒント 開 発 行 為 をする 場 合 市 街 化 区 域 内 では 1,000 m2から 知 事 の 許 可 が 必 要 である ( 平 成 19 年 度 問 20) 土 地 の 区 画 形 質 の 変 更 に 関 する 次 の 記 述 のうち 都 市 計 画 法 による 開 発 許 可 を 受 ける 必 要 のないものの 組 み 合 せとして 正 しいものはどれか ア 市 街 化 調 整 区 域 内 における 庭 球 場 の 建 設 の 用 に 供 する 目 的 で 行 う 5,000 m2の 土 地 の 区 画 形 質 の 変 更 イ 市 街 化 調 整 区 域 内 における 図 書 館 の 建 築 の 用 に 供 する 目 的 で 行 う 3,000 m2の 土 地 の 区 画 形 質 の 変 更 ウ 市 街 化 区 域 内 における 農 業 を 営 む 者 の 居 住 の 用 に 供 する 建 築 物 の 建 築 の 用 に 供 する 目 的 で 行 う 1,500 m2の 土 地 の 区 画 形 質 の 変 更 1 ア イ 2 ア ウ 3 イ ウ 4 ア イ ウ 正 解 は1になりましたか? つまり ウは 市 街 化 区 域 内 における 農 業 を 営 む 者 の 居 住 の 用 に 供 する 建 築 物 の 建 築 の 用 に 供 する 目 的 で 行 う 1,500 m2の 土 地 の 区 画 形 質 の 変 更 ですから 開 発 行 為 の 許 可 が 必 要 ですね そうすると この 問 題 は 開 発 行 為 の 許 可 が 必 要 ない ものの 組 合 せを 選 ぶものなので ウが 入 っている 選 択 肢 は 誤 りになります したがって 正 解 は 下 記 のように1になります もし 間 違 ったのであれば それはアやイがわからなかったから 正 解 肢 を 選 べなかったのではなく ウの 開 発 行 為 は 市 街 化 区 域 内 では 1,000 m2 から 必 要 になるという 基 本 中 の 基 本 を 理 解 してい なかったからです しかし 受 験 生 の 中 には ウくらいは 知 っていたが アやイがわからなかったか ら 間 違 えた ということを 平 気 で 言 う 人 もいます 残 念 ながら このような 人 は 合 格 することは 難 し いと 思 います 1 ア イ 2 ア ウ 3 イ ウ 4 ア イ ウ - 3 -
都 市 計 画 法 ( 事 例 2) では ここでもう 一 問 開 発 行 為 についての 問 題 を 解 いてみてください ここでもヒントを1つ 差 し 上 げ ます 土 地 の 区 画 形 質 を 変 更 して 建 築 物 等 を 建 築 する 場 合 この 建 築 物 が 図 書 館 であれば どの 地 域 でも どんなに 大 きくても 開 発 行 為 の 許 可 は 不 要 となります ヒント 図 書 館 を 建 築 するための 開 発 行 為 は 許 可 が 不 要 である ( 平 成 24 年 度 問 17) 次 の 記 述 のうち 都 市 計 画 法 による 許 可 を 受 ける 必 要 のある 開 発 行 為 の 組 合 せとして 正 しいものはどれか ただし 許 可 を 要 する 開 発 行 為 の 面 積 については 条 例 による 定 めはないものとする ア 市 街 化 調 整 区 域 において 図 書 館 法 に 規 定 する 図 書 館 の 建 築 の 用 に 供 する 目 的 で 行 われる 3,000 m2の 開 発 行 為 イ 準 都 市 計 画 区 域 において 医 療 法 に 規 定 する 病 院 の 建 築 の 用 に 供 する 目 的 で 行 われる 4,000 m2の 開 発 行 為 ウ 市 街 化 区 域 内 において 農 業 を 営 む 者 の 居 住 の 用 に 供 する 建 築 物 の 建 築 の 用 に 供 する 目 的 で 行 われる 1,500 m2の 開 発 行 為 1 ア イ 2 ア ウ 3 イ ウ 4 ア イ ウ 今 度 は 開 発 許 可 が 必 要 なもの の 組 合 せはどれか? という 問 題 です そこで アに 着 目 してく ださい 市 街 化 調 整 区 域 において 図 書 館 法 に 規 定 する 図 書 館 の 建 築 の 用 に 供 する 目 的 で 行 われる 3,000 m2の 開 発 行 為 これは 開 発 行 為 の 許 可 は 不 要 ですね ということは アが 入 っている 選 択 肢 は 誤 りという ことになります したがって 正 解 は 下 記 のように3となります 1 ア イ 2 ア ウ 3 イ ウ 4 ア イ ウ このように 選 択 肢 を 選 ぶために すべての 知 識 が 必 要 というわけではありません また 合 格 率 が 50% 以 上 あるというような 検 定 試 験 とは 異 なり テキストのどこかに 記 載 されている 中 からすべての 選 択 肢 が 構 成 されているとも 限 りません したがって 正 解 肢 を 選 択 できるようになるためには 何 を 理 解 し 覚 える 必 要 があるのかを 見 つけることができれば 合 格 することができます そのために 過 去 問 題 を 分 析 する 必 要 があります - 4 -
4 過 去 問 題 に 答 えがある 民 法 ( 事 例 1) 私 は 宅 建 試 験 に 合 格 できるかどうかは 過 去 問 題 を 解 いたかどうかにかかっている と 学 生 によく 話 しています 授 業 の 最 初 に 前 回 の 授 業 についての 過 去 問 題 を 解 かせます これは 何 問 正 解 したかを 見 るのではなく 自 分 は どの 選 択 肢 を 理 解 できて どの 選 択 肢 を 理 解 で きていないのか を 把 握 させるためです 正 解 できなくてもいいのです ただし 同 じことを 問 われた ら 今 度 は 正 確 に 答 えることができるようにしなければいけません 例 えば 下 記 の 問 題 を 見 てくださ い 民 法 で 最 初 に 学 習 する 制 限 行 為 能 力 者 の 問 題 です ( 平 成 11 年 度 問 1) 次 の 記 述 のうち 民 法 の 規 定 によれば 誤 っているものはどれか 1 満 20 歳 に 達 した 者 は 成 年 とされる 2 満 15 歳 に 達 した 者 は 父 母 の 同 意 を 得 て 婚 姻 をすることができる 3 未 成 年 者 が 婚 姻 をしたときは 成 年 に 達 したものとみなされる 4 満 15 歳 に 達 した 者 は 父 母 の 同 意 を 得 なくても 遺 言 をすることができる 正 解 は2となります つまり 未 成 年 者 は 男 18 歳 女 16 歳 でなければ 婚 姻 することはできな いので 15 歳 では 婚 姻 はできません 今 まで 説 明 したように 本 試 験 であれば その 選 択 肢 を 選 べればそれでいいのですが 過 去 問 題 を 解 く 場 合 においては もし みなさんが2を 選 択 できたとしても それで 平 成 11 年 度 の 過 去 問 を 解 いた とはいえません 例 えば 選 択 肢 の3がわからなかったとします この3は 未 成 年 者 が 婚 姻 すれば 成 年 者 となる つまり 未 成 年 者 であれば 契 約 を 取 消 しできるのですが 未 成 年 者 が 婚 姻 すれば 成 年 者 となり 契 約 等 は 取 消 しできなくなるという 内 容 です もし この3の 選 択 肢 を 知 らずに 学 習 を 続 けたとします そうすると 下 記 の 平 成 15 年 度 の2 平 成 17 年 度 の4 平 成 20 年 度 の2もわからないはずです 逆 にその 知 識 を 理 解 できれば その 後 の 試 験 では 大 いに 役 立 つのです ( 平 成 15 年 度 問 1) 意 思 無 能 力 者 又 は 制 限 行 為 能 力 者 に 関 する 次 の 記 述 のうち 民 法 の 規 定 及 び 判 例 によれば 正 しいものはど れか 1 意 思 能 力 を 欠 いている 者 が 土 地 を 売 却 する 意 思 表 示 を 行 った 場 合 その 親 族 が 当 該 意 思 表 示 を 取 り 消 せば 取 消 しの 時 点 から 将 来 に 向 かって 無 効 となる 2 未 成 年 者 が 土 地 を 売 却 する 意 思 表 示 を 行 った 場 合 その 未 成 年 者 が 婚 姻 をしていても 親 権 者 が 当 該 意 思 表 示 を 取 り 消 せば 意 思 表 示 の 時 点 に 遡 って 無 効 となる 3 成 年 被 後 見 人 が 成 年 後 見 人 の 事 前 の 同 意 を 得 て 土 地 を 売 却 する 意 思 表 示 を 行 った 場 合 成 年 後 見 人 は 当 該 意 思 表 示 を 取 り 消 すことができる 4 被 保 佐 人 が 保 佐 人 の 事 前 の 同 意 を 得 て 土 地 を 売 却 する 意 思 表 示 を 行 った 場 合 保 佐 人 は 当 該 意 思 表 示 を 取 り 消 すことができる - 5 -
( 平 成 17 年 度 問 1) 自 己 所 有 の 土 地 を 売 却 するAの 売 買 契 約 の 相 手 方 に 関 する 次 の 記 述 のうち 民 法 の 規 定 及 び 判 例 によれば 正 しいものはどれか 1 買 主 Bが 被 保 佐 人 であり 保 佐 人 の 同 意 を 得 ずにAとの 間 で 売 買 契 約 を 締 結 した 場 合 当 該 売 買 契 約 は 当 初 から 無 効 である 2 買 主 Cが 意 思 無 能 力 者 であった 場 合 Cは Aとの 間 で 締 結 した 売 買 契 約 を 取 り 消 せば 当 該 契 約 を 無 効 にできる 3 買 主 である 団 体 Dが 法 律 の 規 定 に 基 づかずに 成 立 した 権 利 能 力 を 有 しない 任 意 の 団 体 であった 場 合 Dが Aとの 間 で 売 買 契 約 を 締 結 しても 当 該 土 地 の 所 有 権 はDに 帰 属 しない 4 買 主 Eが 婚 姻 している 未 成 年 者 であり 当 該 婚 姻 がEの 父 母 の 一 方 の 同 意 を 得 られないままになされたも のである 場 合 には Eは 未 成 年 者 であることを 理 由 に 当 該 売 買 契 約 を 取 り 消 すことができる ( 平 成 20 年 度 問 1) 行 為 能 力 に 関 する 次 の 記 述 のうち 民 法 の 規 定 によれば 正 しいものはどれか 1 成 年 被 後 見 人 が 行 った 法 律 行 為 は 事 理 を 弁 識 する 能 力 がある 状 態 で 行 われたものであっても 取 り 消 す ことができる ただし 日 用 品 の 購 入 その 他 日 常 生 活 に 関 する 行 為 については この 限 りではない 2 未 成 年 者 は 婚 姻 をしているときであっても その 法 定 代 理 人 の 同 意 を 得 ずに 行 った 法 律 行 為 は 取 り 消 すことができる ただし 単 に 権 利 を 得 又 は 義 務 を 免 れる 法 律 行 為 については この 限 りではない 3 精 神 上 の 障 害 により 事 理 を 弁 識 する 能 力 が 不 十 分 である 者 につき 4 親 等 内 の 親 族 から 補 助 開 始 の 審 判 の 請 求 があった 場 合 家 庭 裁 判 所 はその 事 実 が 認 められるときは 本 人 の 同 意 がないときであっても 同 審 判 をすることができる 4 被 保 佐 人 が 保 佐 人 の 同 意 又 はこれに 代 わる 家 庭 裁 判 所 の 許 可 を 得 ないでした 土 地 の 売 却 は 被 保 佐 人 が 行 為 能 力 者 であることを 相 手 方 に 信 じさせるため 詐 術 を 用 いたときであっても 取 り 消 すことができる 平 成 15 年 度 問 1 1 2 3 4 平 成 17 年 度 問 1 1 2 3 4 平 成 20 年 度 問 1 1 2 3 4-6 -
特 定 住 宅 瑕 疵 担 保 履 行 法 ( 事 例 2) では 過 去 問 題 を 理 解 していれば 正 解 肢 を 選 ぶことができるかどうか 考 えてみましょう 先 ほど 住 宅 瑕 疵 担 保 履 行 法 を 見 ましたね 覚 えていますか? この 法 律 は 平 成 22 年 度 から 毎 年 1 問 出 題 されていますので 平 成 26 年 度 までの 合 計 は5 問 です 特 定 住 宅 瑕 疵 担 保 履 行 法 は 新 築 住 宅 を 販 売 する 宅 建 業 者 は 供 託 や 保 険 の 加 入 等 の 資 力 確 保 をしな ければならないという 法 律 でした 先 ほどは 供 託 所 の 説 明 は 契 約 成 立 するまで に 書 面 を 交 付 して 行 わなければならない ということを 覚 えてもらいました ここではもう1つ 資 力 確 保 の 義 務 は 宅 建 業 者 間 取 引 の 場 合 は 不 要 であり また 宅 建 業 者 が 代 理 媒 介 するときも 不 要 というこ とを 覚 えてください では 平 成 22 年 度 の 下 記 の 問 題 を 見 てください 1 2 3が 誤 りで4が 正 解 となりますね ( 平 成 22 年 度 問 45) 特 定 住 宅 瑕 疵 担 保 責 任 の 履 行 の 確 保 等 に 関 する 法 律 に 基 づく 住 宅 販 売 瑕 疵 担 保 保 証 金 の 供 託 又 は 住 宅 販 売 瑕 疵 担 保 責 任 保 険 契 約 の 締 結 ( 以 下 この 問 において 資 力 確 保 措 置 という )に 関 する 次 の 記 述 のうち 正 しいものはどれか 1 宅 地 建 物 取 引 業 者 は 自 ら 売 主 として 宅 地 建 物 取 引 業 者 である 買 主 との 間 で 新 築 住 宅 の 売 買 契 約 を 締 結 し 当 該 住 宅 を 引 き 渡 す 場 合 資 力 確 保 措 置 を 講 ずる 義 務 を 負 う 2 自 ら 売 主 として 新 築 住 宅 を 販 売 する 宅 地 建 物 取 引 業 者 は 住 宅 販 売 瑕 疵 担 保 保 証 金 の 供 託 をする 場 合 宅 地 建 物 取 引 業 者 でない 買 主 に 対 して 供 託 所 の 所 在 地 等 について 記 載 した 書 面 の 交 付 及 び 説 明 を 新 築 住 宅 を 引 き 渡 すまでに 行 えばよい 3 宅 地 建 物 取 引 業 者 は 自 ら 売 主 として 新 築 住 宅 を 販 売 する 場 合 だけでなく 新 築 住 宅 の 売 買 の 媒 介 をする 場 合 においても 資 力 確 保 措 置 を 講 ずる 義 務 を 負 う 4 自 ら 売 主 として 新 築 住 宅 を 宅 地 建 物 取 引 業 者 でない 買 主 に 引 き 渡 した 宅 地 建 物 取 引 業 者 は 基 準 日 ごとに 当 該 基 準 日 に 係 る 資 力 確 保 措 置 の 状 況 について その 免 許 を 受 けた 国 土 交 通 大 臣 又 は 都 道 府 県 知 事 に 届 け 出 なければならない 平 成 23 年 度 の 問 題 を 解 いてみよう 今 度 は 翌 年 の 平 成 23 年 度 の 問 題 を 見 てください 正 解 は3となります つまり 前 年 の 平 成 22 年 度 の2がなぜ 誤 りかを 把 握 していれば 正 解 できたはずです 供 託 所 の 説 明 は 売 買 契 約 が 成 立 するまでに 書 面 を 交 付 して 行 う 前 年 度 は 引 渡 しまでに 行 う で 誤 りでしたが 平 成 23 年 度 は 正 しい 記 述 で 出 題 されたのです ( 平 成 23 年 度 問 45) 特 定 住 宅 瑕 疵 担 保 責 任 の 履 行 の 確 保 等 に 関 する 法 律 に 基 づく 住 宅 販 売 瑕 疵 担 保 保 証 金 の 供 託 又 は 住 宅 販 売 瑕 疵 担 保 責 任 保 険 の 締 結 ( 以 下 この 問 いにおいて 資 力 確 保 措 置 という )に 関 する 次 の 記 述 のうち 正 し いものはどれか 1 宅 地 建 物 取 引 業 者 は 自 ら 売 主 として 建 設 業 者 である 買 主 との 間 で 新 築 住 宅 の 売 買 契 約 を 締 結 し 当 該 住 宅 を 引 き 渡 す 場 合 資 力 確 保 措 置 を 講 じる 必 要 はない 2 自 ら 売 主 として 新 築 住 宅 を 宅 地 建 物 取 引 業 者 でない 買 主 に 引 き 渡 した 宅 地 建 物 取 引 業 者 は 基 準 日 に 係 る 資 力 確 保 措 置 の 状 況 の 届 出 をしなければ 当 該 基 準 日 以 後 新 たに 自 ら 売 主 となる 新 築 住 宅 の 売 買 契 約 を 締 結 することができない - 7 -
3 自 ら 売 主 として 新 築 住 宅 を 販 売 する 宅 地 建 物 取 引 業 者 は 住 宅 販 売 瑕 疵 担 保 保 証 金 の 供 託 をする 場 合 当 該 住 宅 の 売 買 契 約 を 締 結 するまでに 当 該 住 宅 の 買 主 に 対 し 供 託 所 の 所 在 地 等 について 記 載 した 書 面 を 交 付 して 説 明 しなければならない 4 住 宅 販 売 瑕 疵 担 保 責 任 保 険 契 約 は 新 築 住 宅 の 買 主 が 保 険 料 を 支 払 うことを 約 し 住 宅 瑕 疵 担 保 責 任 保 険 法 人 と 締 結 する 保 険 契 約 であり 当 該 住 宅 の 引 渡 しを 受 けた 時 から 10 年 間 当 該 住 宅 の 瑕 疵 によって 生 じた 損 害 について 保 険 金 が 支 払 われる 平 成 24 年 度 の 問 題 を 解 いてみよう 今 度 は 下 記 の 平 成 24 年 度 の 問 題 を 見 てください これも 前 年 度 の 試 験 問 題 を 学 習 していれば 正 解 でき るのです それは 前 年 の 平 成 23 年 度 の2の 選 択 肢 です この 法 律 では 宅 建 業 者 が 資 力 確 保 に 関 する 届 出 をしなければ 基 準 日 の 翌 日 から 起 算 して 50 日 を 経 過 した 日 以 後 においては 新 築 住 宅 の 売 買 契 約 しては いけない という 規 定 があります したがって 平 成 23 年 度 の2は 誤 りです そうすると 平 成 24 年 度 は 2が 正 解 となります また 選 択 肢 4の 供 託 所 の 説 明 は 平 成 22 年 度 23 年 度 にも 出 題 されています ( 平 成 24 年 度 問 45) 特 定 住 宅 瑕 疵 担 保 責 任 の 履 行 の 確 保 等 に 関 する 法 律 に 基 づく 住 宅 販 売 瑕 疵 担 保 保 証 金 の 供 託 又 は 住 宅 販 売 瑕 疵 担 保 責 任 保 険 契 約 の 締 結 ( 以 下 この 問 において 資 力 確 保 措 置 という )に 関 する 次 の 記 述 のうち 正 しいものはどれか 1 自 ら 売 主 として 新 築 住 宅 を 宅 地 建 物 取 引 業 者 でない 買 主 に 引 き 渡 した 宅 地 建 物 取 引 業 者 は 当 該 住 宅 を 引 き 渡 した 日 から3 週 間 以 内 に その 住 宅 に 関 する 資 力 確 保 措 置 の 状 況 について その 免 許 を 受 けた 国 土 交 通 大 臣 又 は 都 道 府 県 知 事 に 届 け 出 なければならない 2 自 ら 売 主 として 新 築 住 宅 を 宅 地 建 物 取 引 業 者 でない 買 主 に 引 き 渡 した 宅 地 建 物 取 引 業 者 は 基 準 日 に 係 る 資 力 確 保 措 置 の 状 況 の 届 出 をしなければ 当 該 基 準 日 の 翌 日 から 起 算 して 50 日 を 経 過 した 日 以 後 におい ては 新 たに 自 ら 売 主 となる 新 築 住 宅 の 売 買 契 約 を 締 結 してはならない 3 住 宅 販 売 瑕 疵 担 保 責 任 保 険 契 約 は 新 築 住 宅 を 自 ら 売 主 として 販 売 する 宅 地 建 物 取 引 業 者 が 住 宅 瑕 疵 担 保 責 任 保 険 法 人 と 締 結 する 保 険 契 約 であり, 当 該 住 宅 の 売 買 契 約 を 締 結 した 日 から5 年 間 当 該 住 宅 の 瑕 疵 によって 生 じた 損 害 について 保 険 金 が 支 払 われる 4 新 築 住 宅 を 自 ら 売 主 として 販 売 する 宅 地 建 物 取 引 業 者 が 住 宅 販 売 瑕 疵 担 保 保 証 金 の 供 託 をした 場 合 買 主 に 対 する 当 該 保 証 金 の 供 託 をしている 供 託 所 の 所 在 地 等 について 記 載 した 書 面 の 交 付 及 び 説 明 は 当 該 住 宅 の 売 買 契 約 を 締 結 した 日 から 引 渡 しまでに 行 わなければならない 平 成 25 年 度 の 問 題 を 解 いてみよう 最 後 に 平 成 25 年 度 の 問 題 を 解 いてみてください 今 まで 私 が 説 明 した 過 去 の 問 題 の 解 説 を 理 解 してい ればできるはずです つまり 過 去 の3 問 さえ 解 いていれば 正 解 できるのです ( 平 成 25 年 度 問 45) 宅 地 建 物 取 引 業 者 Aが 自 ら 売 主 として 宅 地 建 物 取 引 業 者 でない 買 主 Bに 新 築 住 宅 を 販 売 する 場 合 における 次 の 記 述 のうち 特 定 住 宅 瑕 疵 担 保 責 任 の 履 行 の 確 保 等 に 関 する 法 律 の 規 定 によれば 正 しいものはどれか 1 Bが 建 設 業 者 である 場 合 Aは Bに 引 き 渡 した 新 築 住 宅 について 住 宅 販 売 瑕 疵 担 保 保 証 金 の 供 託 又 は 住 宅 販 売 瑕 疵 担 保 責 任 保 険 契 約 の 締 結 を 行 う 義 務 を 負 わない 2 Aは 基 準 日 に 係 る 住 宅 販 売 瑕 疵 担 保 保 証 金 の 供 託 及 び 住 宅 販 売 瑕 疵 担 保 責 任 保 険 契 約 の 締 結 の 状 況 につ - 8 -
いて 届 出 をしなければ 当 該 基 準 日 から3 週 間 を 経 過 した 日 以 後 新 たに 自 ら 売 主 となる 新 築 住 宅 の 売 買 契 約 を 締 結 してはならない 3 Aは 住 宅 販 売 瑕 疵 担 保 保 証 金 の 供 託 をする 場 合 Bに 対 する 供 託 所 の 所 在 地 等 について 記 載 した 書 面 の 交 付 及 び 説 明 を Bに 新 築 住 宅 を 引 き 渡 すまでに 行 えばよい 4 Aが 住 宅 販 売 瑕 疵 担 保 保 証 金 を 供 託 する 場 合 当 該 住 宅 の 床 面 積 が 55 m2 以 下 であるときは 新 築 住 宅 の 合 計 戸 数 の 算 定 に 当 たって 2 戸 をもって1 戸 と 数 えることになる 上 記 の 正 解 は4です 選 択 肢 1は 買 主 は 宅 建 業 者 ではないので 資 力 確 保 の 義 務 があります 平 成 23 年 度 の 1 と 同 じ 内 容 です 選 択 肢 2は 基 準 日 の 翌 日 から 起 算 して 50 日 を 経 過 した 日 以 後 新 築 住 宅 の 売 買 契 約 してはいけな いので 基 準 日 から3 週 間 が 誤 りです 平 成 23 年 度 の2 平 成 24 年 度 の2と 同 じ 内 容 です 選 択 肢 3は 供 託 所 の 説 明 は 契 約 が 成 立 するまで に 書 面 を 交 付 して 説 明 しなければならず 引 き 渡 すまで に 行 えばよいというのは 誤 りです これは 平 成 22 年 度 の2 平 成 23 年 度 の3 平 成 24 年 度 の4と 同 じ 内 容 です 選 択 肢 4は ほとんどの 受 験 生 が 知 らなかったと 思 います また 参 考 書 などにも 記 載 されていませ んでした しかし 見 方 を 変 えると 4がわからなくて 答 えが 出 せなかったのではなく 1 2 3 が 誤 りだということがわからなかった 受 験 生 が 正 解 できなかったということです そして その1 2 3が 誤 りとわかるためには 過 去 の 問 題 を 解 き 理 解 していない 選 択 肢 を 確 認 することが 必 要 だっ たのです 宅 建 試 験 は 過 去 に 問 われた 内 容 が 非 常 に 重 要 であり その 知 識 が 備 わっていれば 難 解 な 選 択 肢 があっても 正 解 肢 を 選 ぶことができることを 理 解 していただけたと 思 います では よく 出 題 される 内 容 について 次 の 問 題 を 通 して 合 格 のための 知 識 を 確 実 に 身 に 付 けて ください - 9 -