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2016 年 9 月 21 日 日 本 銀 行 金 融 緩 和 強 化 のための 新 しい 枠 組 み: 長 短 金 利 操 作 付 き 量 的 質 的 金 融 緩 和 1. 日 本 銀 行 は 本 日 政 策 委 員 会 金 融 政 策 決 定 会 合 において 量 的 質 的 金 融 緩 和 および マイナス 金 利 付 き 量 的 質 的 金 融 緩 和 のもとでの 経 済 物 価 動 向 と 政 策 効 果 について 総 括 的 な 検 証 を 行 い その 基 本 的 見 解 を 別 紙 1のとおり 取 りま とめた また 経 済 物 価 の 現 状 と 見 通 しは 別 紙 2のとおりである 2.これらを 踏 まえ 日 本 銀 行 は 2%の 物 価 安 定 の 目 標 をできるだけ 早 期 に 実 現 するため 上 記 2つの 政 策 枠 組 みを 強 化 する 形 で 長 短 金 利 操 作 付 き 量 的 質 的 金 融 緩 和 を 導 入 することを 決 定 した その 主 な 内 容 は 第 1に 長 短 金 利 の 操 作 を 行 う イールドカーブ コントロール 第 2に 消 費 者 物 価 上 昇 率 の 実 績 値 が 安 定 的 に2%の 物 価 安 定 の 目 標 を 超 えるまで マネタリーベースの 拡 大 方 針 を 継 続 する オーバーシュート 型 コミットメント である (1) 長 短 金 利 操 作 (イールドカーブ コントロール) 1 金 融 市 場 調 節 方 針 ( 賛 成 7 反 対 2) ( 注 1) 金 融 市 場 調 節 方 針 は 長 短 金 利 の 操 作 についての 方 針 を 示 すこととする 次 回 金 融 政 策 決 定 会 合 までの 金 融 市 場 調 節 方 針 は 以 下 のとおりとする 今 後 必 要 な 場 合 さらに 金 利 を 引 き 下 げる 短 期 金 利 : 日 本 銀 行 当 座 預 金 のうち 政 策 金 利 残 高 に 0.1%のマイナス 金 利 を 適 用 する 長 期 金 利 :10 年 物 国 債 金 利 が 概 ね 現 状 程 度 (ゼロ% 程 度 )で 推 移 するよう 長 期 国 債 の 買 入 れを 行 う 買 入 れ 額 については 概 ね 現 状 程 度 の 買 入 れペース( 保 有 残 高 の 増 加 額 年 間 約 80 兆 円 )をめどとしつつ 金 利 操 作 方 針 を 実 現 するよ う 運 営 する 買 入 対 象 については 引 き 続 き 幅 広 い 銘 柄 とし 平 均 残 存 期 間 の 定 めは 廃 止 する 2 長 短 金 利 操 作 のための 新 型 オペレーションの 導 入 ( 賛 成 8 反 対 1) ( 注 2) 長 短 金 利 操 作 を 円 滑 に 行 うため 以 下 の 新 しいオペレーション 手 段 を 導 入 する (i) 日 本 銀 行 が 指 定 する 利 回 りによる 国 債 買 入 れ( 指 値 オペ) 1 1 今 回 の 枠 組 みの 変 更 に 伴 って イールドカーブが 概 ね 現 状 程 度 の 水 準 から 大 きく 変 動 すること を 防 止 するため 金 利 が 上 昇 した 場 合 などには 例 えば 10 年 金 利 20 年 金 利 を 対 象 とした 指 値 オペを 実 施 する 用 意 がある 1

(ii) 固 定 金 利 の 資 金 供 給 オペレーションを 行 うことができる 期 間 を 10 年 に 延 長 ( 現 在 は1 年 ) (2) 資 産 買 入 れ 方 針 ( 賛 成 7 反 対 2) ( 注 3) 長 期 国 債 以 外 の 資 産 の 買 入 れについては 以 下 のとおりとする 1 ETFおよびJ-REITについて 保 有 残 高 が それぞれ 年 間 約 6 兆 円 年 間 約 900 億 円 に 相 当 するペースで 増 加 するよう 買 入 れを 行 う 2 CP 等 社 債 等 について それぞれ 約 2.2 兆 円 約 3.2 兆 円 の 残 高 を 維 持 する (3)オーバーシュート 型 コミットメント ( 注 4) 日 本 銀 行 は 2%の 物 価 安 定 の 目 標 の 実 現 を 目 指 し これを 安 定 的 に 持 続 す るために 必 要 な 時 点 まで 長 短 金 利 操 作 付 き 量 的 質 的 金 融 緩 和 を 継 続 する マネタリーベースの 残 高 は 上 記 イールドカーブ コントロールのもとで 短 期 的 には 変 動 しうるが 消 費 者 物 価 指 数 ( 除 く 生 鮮 食 品 )の 前 年 比 上 昇 率 の 実 績 値 が 安 定 的 に2%を 超 えるまで 拡 大 方 針 を 継 続 する この 方 針 により あと1 年 強 で マネタリーベースの 対 名 目 GDP 比 率 は 100%( 約 500 兆 円 )を 超 える 見 込 みであ る( 現 在 日 本 は 約 80% 米 国 ユーロエリアは 約 20%) 今 後 とも 経 済 物 価 金 融 情 勢 を 踏 まえ 2%の 物 価 安 定 の 目 標 に 向 けた モメンタムを 維 持 するため 必 要 な 政 策 の 調 整 を 行 う 3. 総 括 的 な 検 証 の 内 容 を 踏 まえて 新 たな 枠 組 み 導 入 の 考 え 方 を 説 明 すると 以 下 の 通 りである (1) イールドカーブ コントロール 導 入 の 背 景 総 括 的 な 検 証 で 記 したとおり 量 的 質 的 金 融 緩 和 は 主 として 実 質 金 利 低 下 の 効 果 により 経 済 物 価 の 好 転 をもたらし 日 本 経 済 は 物 価 の 持 続 的 な 下 落 という 意 味 でのデフレではなくなった この 実 質 金 利 低 下 の 効 果 を 長 短 金 利 の 操 作 により 追 求 する イールドカーブ コントロール を 新 たな 枠 組 みの 中 心 に 据 えることとした その 手 段 としては マイナス 金 利 導 入 以 降 の 経 験 により 日 本 銀 行 当 座 預 金 への マイナス 金 利 適 用 と 長 期 国 債 の 買 入 れの 組 み 合 わせが 有 効 であることが 明 らかに なった これに 加 えて 長 短 金 利 操 作 を 円 滑 に 行 うための 新 しいオペレーション 手 段 を 導 入 することとした (2) 予 想 物 価 上 昇 率 の 引 き 上 げのための 方 策 一 方 で 2%の 物 価 安 定 の 目 標 は 実 現 できていない これは 1 予 想 物 価 上 2

昇 率 を2%に 向 けて 引 き 上 げる 過 程 で 原 油 価 格 の 下 落 などの 外 的 要 因 によって 実 際 の 物 価 上 昇 率 が 低 下 し 2これがわが 国 ではもともと 適 合 的 な 期 待 形 成 の 要 素 が 強 い 予 想 物 価 上 昇 率 の 下 押 しに 作 用 したことが 主 因 と 考 えられる この 状 況 に 対 応 するため 予 想 物 価 上 昇 率 をより 強 力 な 方 法 で 高 めていくことが 必 要 であると 判 断 した 具 体 的 には 第 1に フォワード ルッキングな 期 待 形 成 を 強 めるため オ ーバーシュート 型 コミットメントを 採 用 することとした 物 価 安 定 の 目 標 の 実 現 とは 物 価 上 昇 率 が 景 気 の 変 動 などを 均 してみて 平 均 的 に2%となることを 意 味 する 現 在 の 実 績 および 予 想 の 物 価 上 昇 率 が2%よりも 低 いことを 考 えれば 物 価 上 昇 率 の 実 績 値 が 安 定 的 に2%を 超 えるまで マネタリーベースの 拡 大 方 針 を 継 続 する と 約 束 することで 物 価 安 定 の 目 標 の 実 現 に 対 する 人 々の 信 認 を 高 めることが 適 当 であると 判 断 した 第 2に 長 年 続 いたデフレから 人 々のマインドを 転 換 するためには モメンタム が 必 要 であり できるだけ 早 期 に 2%を 実 現 するとのコミットメントは 堅 持 す る 一 方 適 合 的 な 期 待 形 成 の 要 素 が 強 い 予 想 物 価 上 昇 率 を 引 き 上 げていくこ とには 不 確 実 性 があり 時 間 がかかる 可 能 性 もある こうした 点 を 踏 まえ 枠 組 み の 中 心 にイールドカーブ コントロールを 据 えることで 経 済 物 価 金 融 情 勢 に 応 じたより 柔 軟 な 対 応 を 可 能 とし 政 策 の 持 続 性 を 高 めることが 適 当 であると 判 断 した (3) 追 加 緩 和 手 段 具 体 的 な 追 加 緩 和 の 手 段 としては イールドカーブ コントロール の2つの 要 素 である1 短 期 政 策 金 利 の 引 き 下 げと2 長 期 金 利 操 作 目 標 の 引 き 下 げを 行 うほ か 量 的 質 的 金 融 緩 和 以 来 実 施 してきた3 資 産 買 入 れの 拡 大 が 考 えられる また 状 況 に 応 じて 4マネタリーベース 拡 大 ペースの 加 速 を 手 段 とすることもあ る 4. 政 府 と 日 本 銀 行 は 2013 年 1 月 に 共 同 声 明 を 公 表 し デフレからの 早 期 脱 却 と 物 価 安 定 のもとでの 持 続 的 な 経 済 成 長 の 実 現 に 向 け 政 策 連 携 を 強 化 し 一 体 となっ て 取 り 組 むこととしている 日 本 銀 行 は 長 短 金 利 操 作 付 き 量 的 質 的 金 融 緩 和 を 推 進 し 2%の 物 価 安 定 の 目 標 をできるだけ 早 期 に 実 現 する 政 府 の 財 政 運 営 成 長 力 強 化 の 取 組 みとの 相 乗 的 な 効 果 により 日 本 経 済 をデフレからの 脱 却 と 持 続 的 な 成 長 に 導 くものと 考 えている ( 注 4) 以 上 3

( 注 1) 賛 成 : 黒 田 委 員 岩 田 委 員 中 曽 委 員 原 田 委 員 布 野 委 員 櫻 井 委 員 政 井 委 員 反 対 : 佐 藤 委 員 木 内 委 員 佐 藤 委 員 は 短 期 政 策 金 利 を 0.1% 10 年 金 利 の 目 標 をゼロ% 程 度 とすることは 期 間 10 年 までの 金 利 をマイナス 圏 で 固 定 することにつながりかねず 金 融 仲 介 機 能 に 悪 影 響 を 及 ぼすとして 反 対 した 木 内 委 員 は 国 債 市 場 や 金 融 仲 介 機 能 の 安 定 の 観 点 から 短 期 政 策 金 利 は+0.1%が 妥 当 であり 長 期 金 利 操 作 目 標 は 国 債 買 入 れペースの 一 段 の 拡 大 を 強 いられるリスクがあるとして 反 対 した ( 注 2) 賛 成 : 黒 田 委 員 岩 田 委 員 中 曽 委 員 佐 藤 委 員 原 田 委 員 布 野 委 員 櫻 井 委 員 政 井 委 員 反 対 : 木 内 委 員 木 内 委 員 は 国 債 市 場 の 機 能 を 損 ね 金 融 市 場 全 体 の 価 格 体 系 を 歪 め かねないとして 反 対 した ( 注 3) 賛 成 : 黒 田 委 員 岩 田 委 員 中 曽 委 員 原 田 委 員 布 野 委 員 櫻 井 委 員 政 井 委 員 反 対 : 佐 藤 委 員 木 内 委 員 佐 藤 委 員 は 約 6 兆 円 のETF 買 入 れは 市 場 の 価 格 形 成 や 日 本 銀 行 の 財 務 健 全 性 に 及 ぼす 悪 影 響 などを 踏 まえると 過 大 であるとして 反 対 した なお 木 内 委 員 より 資 産 買 入 れ 額 を 操 作 目 標 とする 枠 組 みとしたうえで 長 期 国 債 保 有 残 高 が 年 間 約 45 兆 円 ETFが 約 1 兆 円 に 相 当 するペースで 増 加 するよう 買 入 れを 行 うなどの 議 案 が 提 出 され 反 対 多 数 で 否 決 された ( 注 4) 佐 藤 委 員 は マネタリーベースの 拡 大 に 関 するオーバーシュート 型 コミットメントについて 現 実 的 な 目 標 設 定 でなく 効 果 も 期 待 できないなどとして 反 対 した 木 内 委 員 より 2.(3) を 削 除 するとともに 今 後 の 金 融 政 策 運 営 方 針 について 2%の 物 価 安 定 の 目 標 の 実 現 は 中 長 期 的 に 目 指 すことなどとする 議 案 が 提 出 され 反 対 多 数 で 否 決 された( 賛 成 : 木 内 委 員 反 対 : 黒 田 委 員 岩 田 委 員 中 曽 委 員 佐 藤 委 員 原 田 委 員 布 野 委 員 櫻 井 委 員 政 井 委 員 ) 4

( 別 紙 1) 量 的 質 的 金 融 緩 和 導 入 以 降 の 経 済 物 価 動 向 と 政 策 効 果 についての 総 括 的 な 検 証 基 本 的 見 解 ( 注 5) 1. 総 括 的 検 証 (1) 量 的 質 的 金 融 緩 和 のメカニズム 量 的 質 的 金 融 緩 和 は 予 想 物 価 上 昇 率 の 押 し 上 げと 名 目 金 利 の 押 し 下 げにより 実 質 金 利 を 低 下 させた 自 然 利 子 率 は 趨 勢 的 に 低 下 してい るが 実 質 金 利 はその 水 準 を 十 分 下 回 っており 金 融 環 境 は 改 善 した そ の 結 果 経 済 物 価 の 好 転 をもたらし 物 価 の 持 続 的 な 下 落 という 意 味 で のデフレではなくなった (2)2%の 実 現 を 阻 害 した 要 因 しかしながら 2%の 物 価 安 定 の 目 標 は 実 現 できていない その 点 については 上 記 メカニズムのうち 予 想 物 価 上 昇 率 の 動 向 が 重 要 である すなわち (i)1 原 油 価 格 の 下 落 2 消 費 税 率 引 き 上 げ 後 の 需 要 の 弱 さ 3 新 興 国 経 済 の 減 速 とそのもとでの 国 際 金 融 市 場 の 不 安 定 な 動 きといっ た 外 的 な 要 因 が 発 生 し 実 際 の 物 価 上 昇 率 が 低 下 したこと (ii)その 中 で もともと 適 合 的 な 期 待 形 成 の 要 素 が 強 い 予 想 物 価 上 昇 率 が 横 ばいから 弱 含 みに 転 じたことが 主 な 要 因 と 考 えられる (3) 予 想 物 価 上 昇 率 の 期 待 形 成 メカニズム 2%の 物 価 安 定 の 目 標 を 実 現 するためには 予 想 物 価 上 昇 率 をさら に 引 き 上 げる 必 要 があるが 実 際 の 物 価 上 昇 率 が 当 面 低 い 水 準 で 推 移 する 中 にあって 適 合 的 な 期 待 による 引 き 上 げには 不 確 実 性 があり 時 間 がか かる 可 能 性 に 留 意 する 必 要 がある それだけに フォワード ルッキング な 期 待 形 成 の 役 割 が 重 要 である マネタリーベースの 拡 大 は 物 価 安 定 の 目 標 に 対 するコミットメン トや 国 債 買 入 れとあわせて 金 融 政 策 レジームの 変 化 をもたらすことによ り 人 々の 物 価 観 に 働 きかけ 予 想 物 価 上 昇 率 の 押 し 上 げに 寄 与 したと 考 えられる 一 方 マネタリーベースと 予 想 物 価 上 昇 率 は 短 期 的 というよ りも 長 期 的 な 関 係 を 持 つものと 考 えられる したがって マネタリーベ ースの 長 期 的 な 増 加 へのコミットメントが 重 要 である (4)マイナス 金 利 と 国 債 買 入 れによるイールドカーブの 押 し 下 げ マイナス 金 利 の 導 入 は 国 債 買 入 れとの 組 み 合 わせにより 短 期 金 利 の 5

みならず 長 期 金 利 も 大 きく 押 し 下 げた 中 央 銀 行 がイールドカーブ 全 般 に 影 響 を 与 えるうえで この 組 み 合 わせが 有 効 であることが 明 らかになった (5)イールドカーブ 引 き 下 げの 効 果 と 影 響 国 債 金 利 の 低 下 は 貸 出 社 債 CP 金 利 の 低 下 にしっかりとつながっ ている 金 融 機 関 の 貸 出 態 度 は 引 き 続 き 積 極 的 である これまでのところ マイナス 金 利 のもとで 金 融 環 境 は 一 段 と 緩 和 的 になっている もっとも 貸 出 金 利 の 低 下 は 金 融 機 関 の 利 鞘 を 縮 小 させることで 実 現 しているため さらなる 金 利 低 下 に 伴 う 貸 出 金 利 への 波 及 については 金 融 機 関 の 貸 出 運 営 方 針 にも 依 存 する イールドカーブの 形 状 に 応 じた 経 済 物 価 への 効 果 や 金 融 面 への 影 響 に ついては 以 下 の 点 に 留 意 する 必 要 がある 1 経 済 への 影 響 は 短 中 期 ゾ ーンの 効 果 が 相 対 的 に 大 きい 2ただし マイナス 金 利 を 含 む 現 在 の 金 融 緩 和 のもとで 超 長 期 社 債 の 発 行 など 企 業 金 融 面 の 新 しい 動 きが 生 じてお り こうした 関 係 は 変 化 する 可 能 性 がある 3イールドカーブの 過 度 な 低 下 フラット 化 は 広 い 意 味 での 金 融 機 能 の 持 続 性 に 対 する 不 安 感 をもた らし マインド 面 などを 通 じて 経 済 活 動 に 悪 影 響 を 及 ぼす 可 能 性 がある 2. 示 唆 される 政 策 の 方 向 性 こうした 検 証 からは 以 下 のような 政 策 の 方 向 性 が 示 唆 される (1)2%の 物 価 安 定 の 目 標 を 実 現 するためには 予 想 物 価 上 昇 率 をさ らに 引 き 上 げる 必 要 がある その 際 適 合 的 期 待 による 予 想 物 価 上 昇 率 の 引 き 上 げには 不 確 実 性 があり 時 間 がかかる 可 能 性 があることを 踏 ま え フォワード ルッキングな 期 待 形 成 を 強 める 手 段 を 導 入 する 必 要 が ある また より 持 続 性 があり 状 況 に 応 じて 柔 軟 に 対 応 できるスキー ムとする 必 要 がある (2)マネタリーベースについては 長 期 的 な 増 加 にコミットすることが 重 要 である (3)マイナス 金 利 と 国 債 買 入 れを 適 切 に 組 み 合 わせることにより イール ドカーブ 全 般 に 影 響 を 与 えることができる (4)イールドカーブの 適 切 な 形 成 を 促 すにあたっては 1 貸 出 社 債 金 利 への 波 及 2 経 済 への 影 響 3 金 融 機 能 への 影 響 など 経 済 物 価 金 融 情 勢 を 踏 まえて 判 断 することが 適 当 である 以 上 6

( 注 5) 賛 成 : 黒 田 委 員 岩 田 委 員 中 曽 委 員 原 田 委 員 布 野 委 員 櫻 井 委 員 政 井 委 員 反 対 : 佐 藤 委 員 木 内 委 員 佐 藤 委 員 は マネタリーベースと 予 想 物 価 上 昇 率 は 長 期 的 な 関 係 を 持 つとの 記 述 などについて 反 対 した 木 内 委 員 は 国 債 買 入 れの 持 続 性 低 下 日 本 銀 行 の 財 務 リスクの 高 まりが 検 証 されていないことや 物 価 決 定 メカニズム や 物 価 安 定 の 目 標 の 達 成 に 関 する 自 身 の 考 え 方 と 異 なることなどから 反 対 した 7

( 別 紙 2) 経 済 物 価 の 現 状 と 見 通 し 1.わが 国 の 景 気 は 新 興 国 経 済 の 減 速 の 影 響 などから 輸 出 生 産 面 に 鈍 さがみられる ものの 基 調 としては 緩 やかな 回 復 を 続 けている 海 外 経 済 は 緩 やかな 成 長 が 続 いているが 新 興 国 を 中 心 に 幾 分 減 速 している そうしたもとで 輸 出 は 横 ばい 圏 内 の 動 きとなっている 国 内 需 要 の 面 では 設 備 投 資 は 企 業 収 益 が 高 水 準 で 推 移 するなかで 緩 やかな 増 加 基 調 にある 個 人 消 費 は 一 部 に 弱 めの 動 きもみられる が 雇 用 所 得 環 境 の 着 実 な 改 善 を 背 景 に 底 堅 く 推 移 している 住 宅 投 資 は 持 ち 直 しを 続 けており 公 共 投 資 は 下 げ 止 まっている 以 上 の 内 外 需 要 を 反 映 して 鉱 工 業 生 産 は 横 ばい 圏 内 の 動 きを 続 けている わが 国 の 金 融 環 境 は きわめて 緩 和 し た 状 態 にある 物 価 面 では 消 費 者 物 価 ( 除 く 生 鮮 食 品 )の 前 年 比 は 小 幅 のマイ ナスとなっている 予 想 物 価 上 昇 率 は やや 長 い 目 でみれば 全 体 として 上 昇 してい るとみられるが このところ 弱 含 んでいる 2. 先 行 きのわが 国 経 済 を 展 望 すると 暫 くの 間 輸 出 生 産 面 に 鈍 さが 残 り 景 気 回 復 ペースの 鈍 化 した 状 態 が 続 くとみられる その 後 は 家 計 企 業 の 両 部 門 におい て 所 得 から 支 出 への 前 向 きの 循 環 メカニズムが 持 続 するもとで 国 内 需 要 が 増 加 基 調 をたどるとともに 輸 出 も 海 外 経 済 が 減 速 した 状 態 から 脱 していくにつれて 緩 やかな 増 加 に 向 かうことから わが 国 経 済 は 基 調 として 緩 やかに 拡 大 していく と 考 えられる 先 行 きの 物 価 を 展 望 すると 消 費 者 物 価 の 前 年 比 は エネルギー 価 格 下 落 の 影 響 から 当 面 小 幅 のマイナスないし0% 程 度 で 推 移 するとみられるが 物 価 の 基 調 は 着 実 に 高 まり 2%に 向 けて 上 昇 率 を 高 めていくと 考 えられる ( 注 6) 3.リスク 要 因 としては 英 国 のEU 離 脱 問 題 を 巡 る 不 透 明 感 が 国 際 金 融 資 本 市 場 や 世 界 経 済 に 及 ぼす 影 響 に 加 え 中 国 をはじめとする 新 興 国 や 資 源 国 に 関 する 不 透 明 感 米 国 経 済 の 動 向 やそのもとでの 金 融 政 策 運 営 が 国 際 金 融 資 本 市 場 に 及 ぼす 影 響 金 融 セクターを 含 む 欧 州 債 務 問 題 の 展 開 や 景 気 物 価 のモメンタム 地 政 学 的 リスク などが 挙 げられる 以 上 ( 注 6) 賛 成 : 黒 田 委 員 岩 田 委 員 中 曽 委 員 佐 藤 委 員 原 田 委 員 布 野 委 員 櫻 井 委 員 政 井 委 員 反 対 : 木 内 委 員 木 内 委 員 は 消 費 者 物 価 の 前 年 比 は 2%に 向 けて 上 昇 率 を 高 めてい くとの 記 述 に 反 対 した 8

( 参 考 ) 開 催 時 間 9 月 20 日 ( 火 ) 14:00~16:04 9 月 21 日 ( 水 ) 9:00~12:58 出 席 委 員 議 長 黒 田 東 彦 ( 総 裁 ) 岩 田 規 久 男 ( 副 総 裁 ) 中 曽 宏 ( ) 佐 藤 健 裕 ( 審 議 委 員 ) 木 内 登 英 ( ) 原 田 泰 ( ) 布 野 幸 利 ( ) 櫻 井 眞 ( ) 政 井 貴 子 ( ) 上 記 のほか 9 月 20 日 財 務 省 太 田 充 大 臣 官 房 総 括 審 議 官 (14:00~16:04) 内 閣 府 羽 深 成 樹 内 閣 府 審 議 官 (14:00~16:04) 9 月 21 日 財 務 省 大 塚 拓 財 務 副 大 臣 (9:00~12:18 12:39~12:58) 内 閣 府 越 智 隆 雄 内 閣 府 副 大 臣 (9:00~12:18 12:39~12:58) が 出 席 公 表 日 時 金 融 緩 和 強 化 のための 新 しい 枠 組 み: 長 短 金 利 操 作 付 き 量 的 質 的 金 融 緩 和 9 月 21 日 ( 水 )13:18 主 な 意 見 9 月 30 日 ( 金 )8:50 予 定 議 事 要 旨 11 月 7 日 ( 月 )8:50 予 定 以 上