航 路 改 善 計 画 平 成 23 年 3 月 に 報 告 された 伊 豆 諸 島 航 路 に おける 航 路 改 善 計 画 の 更 なる 調 査 報 告 対 象 航 路 名 神 津 島 ~ 下 田 航 路 運 航 事 業 者 神 新 汽 船 株 式 会 社 平 成 24 年 11 月 30 日 東 京 都 離 島 航 路 地 域 協 議 会
1. 東 京 都 離 島 航 路 地 域 協 議 会 の 概 要 伊 豆 諸 島 及 び 小 笠 原 諸 島 の 離 島 航 路 の 確 保 維 持 改 善 のための 調 査 検 討 を 行 い 離 島 航 路 確 保 維 持 計 画 を 策 定 し もって 航 路 運 営 のサービス 改 善 地 域 住 民 の 生 活 安 定 及 び 向 上 に 寄 与 することを 目 的 とした 協 議 会 である 構 成 委 員 一 覧 氏 名 白 井 岩 仁 川 島 正 史 梅 田 和 久 出 川 長 芳 石 野 田 富 弘 櫻 田 昭 正 広 瀬 久 雄 山 下 奉 也 菊 池 利 光 森 下 一 男 山 﨑 潤 一 石 川 寛 治 早 坂 雅 己 柴 田 隆 至 山 中 克 己 石 川 進 鴫 原 浩 渡 辺 滋 所 属 及 び 役 職 一 般 社 団 法 人 東 京 諸 島 観 光 連 盟 副 会 長 大 島 町 町 長 利 島 村 村 長 新 島 村 村 長 神 津 島 村 村 長 三 宅 村 村 長 御 蔵 島 村 村 長 八 丈 町 町 長 青 ヶ 島 村 村 長 小 笠 原 村 村 長 東 海 汽 船 株 式 会 社 代 表 取 締 役 神 新 汽 船 株 式 会 社 代 表 取 締 役 伊 豆 諸 島 開 発 株 式 会 社 代 表 取 締 役 小 笠 原 海 運 株 式 会 社 常 務 取 締 役 関 東 運 輸 局 海 事 振 興 部 長 東 京 都 都 市 整 備 局 都 市 基 盤 部 長 東 京 都 総 務 局 多 摩 島 しょ 振 興 担 当 部 長 東 京 都 港 湾 局 離 島 港 湾 部 長 2. 航 路 の 現 況 神 津 島 ~ 下 田 航 路 ( 約 7 時 間 ) 〇 あぜりあ 丸 により 下 田 を 起 終 点 として 神 津 島 式 根 島 新 島 利 島 の4 島 を 回 る3 角 航 路 あぜりあ 丸 用 途 貨 客 船 進 水 年 月 日 昭 和 62 年 10 月 総 トン 数 480 トン 旅 客 定 員 316 人 航 海 速 力 15.2 ノット - 1 -
3. 経 営 診 断 結 果 収 益 性 事 業 に 投 入 した 資 金 が 効 率 よくまわっておらず せっかく 投 入 した 資 金 では 経 営 活 動 の 利 益 ( 儲 け)をあげることができていない 生 産 性 商 売 をするためにかかった 費 用 が 極 めて 多 く 収 益 を 圧 迫 し 社 員 一 人 の 営 業 活 動 の 成 果 ( 稼 ぎ)はほとんどでていない 会 社 が 稼 ぎだした 儲 けに 対 し 社 員 等 に 対 する 人 件 費 配 分 がかなり 高 く 儲 け のほとんどを 人 件 費 にしてしまっている 資 金 性 売 上 をしてからお 金 を 回 収 するまでのスピードはかなり 遅 く 代 金 回 収 の 遅 延 が 進 んでいる 貸 し 倒 れのリスクが 多 くなっている 安 定 性 余 力 をもった 経 営 の 姿 からは 程 遠 く かなり 厳 しい 状 況 に 追 い 込 まれている 会 社 の 実 力 以 上 の 借 金 を 抱 え 込 んでおり 借 金 を 返 済 するのに 適 した 売 上 高 が 上 がっていない 健 全 性 会 社 を 動 かしている 資 金 のうち 返 済 不 要 な 純 資 産 の 部 にある 金 額 の 割 合 は 極 めて 低 く 危 険 な 領 域 に 入 っている 一 年 以 内 に 支 払 わなければならない 負 債 に 対 して 現 金 化 できる 資 産 がかなり 不 足 している 成 長 性 ほぼ 前 年 同 様 であり 成 長 がうかがえない 状 況 である 総 括 として 経 営 診 断 の 結 果 は 補 助 金 ありの 場 合 でも 中 程 度 の 水 準 であり 補 助 金 なしの 場 合 では 経 営 体 力 は 低 水 準 にある 収 入 の2 倍 以 上 の 経 費 がかかっており 営 利 企 業 としては 経 営 が 成 り 立 ち 難 い 状 況 にある 航 路 の 成 り 立 ちが 行 政 サービスの 代 行 として 発 足 したものであること また 補 助 航 路 以 外 の 事 業 を 持 っていない 企 業 であることが 大 きな 背 景 となってい る 会 社 の 組 織 形 態 は 第 3セクターであり 欠 損 補 助 という 公 的 支 援 によって 航 路 を 維 持 しているのが 実 情 である 公 的 支 援 も 経 営 改 善 カット により 欠 損 全 額 補 てんはされておらず 毎 年 欠 損 額 は 累 積 されていくという 構 造 になっている この 状 況 が 続 けば 企 業 経 営 がさら に 悪 化 していくとともに 航 路 自 体 の 存 続 が 危 ぶまれる 状 況 に 陥 る 事 態 も 懸 念 さ れる そのため 公 的 資 金 のさらなる 充 実 を 望 むとともに ある 程 度 ドラスチッ クな 視 点 をもった 増 収 対 策 または 経 費 削 減 策 に 取 り 組 み 収 支 を 改 善 していく 必 要 があると 思 われる - 2 -
4. 航 路 診 断 結 果 ( 調 査 結 果 ) Ⅰ 住 民 の 新 造 船 に 対 するニーズ 調 査 平 成 22 年 度 に 実 施 した 航 路 改 善 調 査 の 深 堀 を 行 った 関 係 3 村 全 世 帯 を 対 象 としたアンケート 調 査 では 回 収 率 35.2%であった 回 収 状 況 回 収 率 利 島 村 新 島 村 神 津 島 村 合 計 配 布 数 174 1,375 861 2,410 回 収 数 72 364 413 849 回 収 率 41.4% 26.5% 48.0% 35.2% 配 布 数 ( 世 帯 数 )は 平 成 24 年 1 月 1 日 現 在 の 住 民 基 本 台 帳 による 神 津 島 ~ 下 田 航 路 が 就 航 している 利 島 新 島 神 津 島 の 住 民 を 対 象 としたア ンケート 調 査 を 通 じて 住 民 の 航 路 利 用 状 況 やカーフェリーを 想 定 した 新 造 船 並 びに 航 路 3 案 に 対 するニーズ 等 を 把 握 し 新 造 船 や 航 路 を 検 討 する 際 の 参 考 とする 回 答 者 の 本 土 に 出 かける 頻 度 は 年 に 5~6 回 が 41.2%と 多 く 次 いで 年 に 1~2 回 (32.3%) 1カ 月 に 1~2 回 (16.3%)となっており 平 均 では 6.3 回 / 年 となっている 1カ 月 に 1カ 月 に 年 に5~ 2~3 回 1~2 回 6 回 年 に1~ 2 回 2~3 年 に1 回 16.3 41.2 32.3 ほとんど 不 明 行 かない n 849 平 均 6.3 6.3 回 / 年 1.5 4.5 2.4 1.9 本 土 に 出 かける 目 的 は 病 院 (58.3%)が 最 も 多 く 次 いで 家 族 親 戚 知 人 に 会 いに (45.2%) 旅 行 遊 び (39.7%) 仕 事 (29.3%) 買 い 物 (25.4%) 冠 婚 葬 祭 (21.7%)の 順 となっている 0 10 20 30 40 50 60 70 病 院 58.3 家 族 親 戚 知 人 に 会 いに 45.2 旅 行 遊 び 39.7 仕 事 買 い 物 冠 婚 葬 祭 21.7 25.4 29.3 その 他 不 明 3.4 1.9-3 -
ここ 5 年 くらいのうち 利 用 したことがある 本 土 への 交 通 手 段 は 調 布 間 の 飛 行 機 (80.8%)が 最 も 多 く 次 いで 東 海 汽 船 の 高 速 ジェット 船 ( 本 土 直 行 便 ) (78.4%) 大 型 客 船 と 高 速 ジェット 船 の 乗 継 (66.5%) 東 海 汽 船 の 大 型 客 船 (55.5%)とつづき 神 新 汽 船 の 客 船 は16.7%に 留 まっている 神 津 島 ~ 下 田 航 路 にカーフェリーが 就 航 することへの 興 味 については 非 常 に 興 味 がある (42.0%)と まあ 興 味 がある (31.3%)が 多 く 興 味 がある 人 の 合 計 は 73.3%と7 割 を 超 えている 一 方 あまり 興 味 はない (17.1%) と まったく 興 味 はない (7.3%)は 合 せて24.4%で 約 1/4である カーフェリー 就 航 に 対 する 興 味 を 居 住 する 島 別 にみると いずれの 島 でも 興 味 がある 人 の 合 計 は 7 割 を 超 えている 図 I-1 カーフェリー 就 航 に 対 する 興 味 非 常 に 興 味 がある まあ 興 味 が ある あまり 興 味 はない まったく 興 味 はない 不 明 n 42.0 31.3 17.1 7.3 849 2.2 新 しい 船 を 建 造 するとした 場 合 の 新 造 船 のタイプについての 意 見 は カーフ ェリーの 方 がよい (56.6%)が 半 数 以 上 で 多 く 貨 客 船 の 方 がよい (12.8%) を 大 きく 上 回 っている 一 方 どちらでもよい (17.1%)や 分 からない (9.9%)という 回 答 者 も 合 せて3 割 弱 いる 下 田 への 自 動 車 乗 船 意 向 を 回 答 者 の 性 別 にみると 男 性 は 下 田 への 自 動 車 乗 船 意 向 がある 人 が 54.8%で 半 数 を 超 えているのに 対 して 女 性 は 39.3%と 約 4 割 に 留 まり 乗 船 意 向 がない 人 が 47.9%と 乗 船 意 向 がある 人 を 上 回 っている 下 田 への 自 動 車 乗 船 意 向 を 回 答 者 の 年 齢 別 にみると 40 代 で 乗 船 意 向 がある 人 が 67.6%と 最 も 多 く 次 いで 30 代 50 代 が 多 く 40 代 をピークに 乗 船 意 向 が 高 くなっている この 傾 向 の 要 因 は ある 程 家 計 に 余 裕 があり かつ 行 動 力 のある 年 齢 層 での 利 用 意 向 が 高 いからだと 考 えられる なお 70 代 80 代 以 上 は 利 用 意 向 がある 人 の 割 合 が 少 ないと 共 に 不 明 ( 無 回 答 ) が 多 くなっ ているが これは 判 断 がつかない= 利 用 意 向 がない と 解 釈 してよいと 思 われる - 4 -
航 路 3 案 の 利 用 意 向 伊 豆 急 下 田 アクセス 改 善 案 については 住 民 の 高 い 利 用 意 向 がみられた た だし 伊 豆 急 下 田 アクセス 改 善 案 は 大 型 客 船 より 所 要 時 間 は 短 いが 運 賃 が 高 額 になること 大 島 での 大 型 客 船 と 高 速 ジェット 船 乗 継 と 比 較 すると 所 要 時 間 運 賃 双 方 の 側 面 から 競 争 力 が 弱 いこと 神 津 島 新 島 の 住 民 は 調 布 間 の 空 路 を 利 用 する 住 民 が 多 いことなどを 考 慮 すると 伊 豆 急 下 田 アクセス 改 善 案 を 実 施 したとしても この 高 い 利 用 意 向 が 実 際 の 住 民 利 用 に 反 映 される とは 限 らないと 思 われる 大 島 寄 港 案 についても 住 民 の 高 い 利 用 意 向 がみられた ただし 大 島 寄 港 案 は 現 行 の 航 路 体 系 に 比 べて 1 時 間 35 分 程 所 要 時 間 が 長 くなること 大 島 でのジェット 船 乗 継 が 可 能 なのは 2 月 初 旬 から 4 月 初 旬 の 椿 祭 の 期 間 に 限 ら れることなどを 考 慮 すると 大 島 寄 港 案 を 実 施 したとしても この 高 い 利 用 意 向 が 実 際 の 住 民 利 用 に 反 映 されるとは 限 らないと 思 われる 大 島 伊 東 寄 港 案 についても 住 民 の 高 い 利 用 意 向 がみられた 大 島 伊 東 寄 港 案 は 下 田 からの 輸 送 機 会 が 半 減 してしまうこと 欠 航 した 翌 日 の 運 航 が 現 実 的 には 困 難 であるなどのデメリットはあるものの 伊 東 に 発 着 した 場 合 下 田 ~ 伊 東 間 の 陸 路 での 移 動 時 間 が 解 消 されること それによるカーフェリ ー 利 用 の 相 乗 効 果 が 見 込 めるなどのメリットもある ただし 現 状 では 補 助 航 路 としては 存 続 できなくなるという 障 壁 があり 実 現 は 困 難 といえる 神 津 島 ~ 下 田 航 路 に 対 する 意 見 要 望 回 答 結 果 は ぜひ 維 持 は 必 要 だと 思 う が 64.3% まあ 維 持 が 必 要 だと 思 う が 22.7%で 計 87.0%と 9 割 近 い 人 が 維 持 は 必 要 という 意 見 となった 一 方 あまり 維 持 は 必 要 ないと 思 う は 2.2% 維 持 はまったく 必 要 ないと 思 う が 0.6%で 維 持 は 必 要 ない という 意 見 は 計 2.8%とわずかである なお どちらとも 言 えない とする 人 は 4.9%である 神 津 島 ~ 下 田 航 路 の 維 持 に 対 する 意 見 ぜひ 維 持 は 必 要 だ と 思 う まあ 維 持 は 必 要 だ と 思 う あまり 維 持 は 必 要 な いと 思 う 維 持 は まったく 必 要 ないと どちらとも 言 えない 不 明 n 64.3 22.7 849 2.2 0.6 4.9 5.2-5 -
Ⅱ. 観 光 客 仕 事 利 用 の 乗 船 客 の 新 造 船 に 対 するニーズ 調 査 あぜりあ 丸 の 乗 船 客 を 対 象 としたアンケート 調 査 を 通 じて 観 光 や 仕 事 等 を 目 的 とした 乗 船 客 の 航 路 の 利 用 状 況 やカーフェリーを 想 定 した 新 造 船 に 対 す るニーズ 等 を 把 握 し 新 造 船 や 航 路 を 検 討 する 際 の 参 考 とする 調 査 期 間 平 成 24 年 7~9 月 回 収 数 回 収 数 622 票 内 有 効 回 収 数 606 票 回 答 者 の 居 住 地 は 静 岡 (40.4%)が 最 も 多 く 次 いで 神 奈 川 (22.4%) 東 京 (13.4%) 等 が 続 く 静 岡 神 奈 川 東 京 埼 玉 千 葉 回 答 者 の 居 住 地 他 の 関 東 東 海 その 他 不 明 n 40.4 22.4 13.4 8.3 606 6.1 3.3 6.1 0 乗 船 人 数 は ひとり (11.2%)は1 割 強 のみであり 2 人 (28.9%) 3 人 (14.0%) 4~5 人 (23.4%) 等 となっている 平 均 は4.3 人 図 I-2 乗 船 人 数 ひとり 2 人 3 人 4~5 人 6~9 人 10 人 以 上 不 明 n 平 均 11.2 28.9 14.0 23.4 10.9 11.4 606 4.3 神 津 島 ~ 下 田 航 路 で 訪 れる 島 は 新 島 (35.6%)と 神 津 島 (35.3%)が 共 に3 分 の1 強 で 多 く 次 いで 式 根 島 (28.5%) 利 島 (8.3%)となっ ている 0.2 島 を 訪 れる 目 的 は 観 光 (42.7%)が 最 も 多 く 次 いで 海 水 浴 (31.5%) 釣 り (25.4%) サーフィン (21.0%) キャンプ (12.0%) 温 泉 (10.2%) 等 となっている - 6 -
下 田 港 までの 交 通 手 段 は 自 家 用 車 (82.3%)が8 割 強 で 最 も 多 い 下 田 港 まで 電 車 とタクシー (6.8%)と 下 田 港 までの 電 車 と 徒 歩 (2.8%)は 少 な く 電 車 利 用 者 は 合 せて 9.6%に 留 まる 島 内 交 通 手 段 は レンタカー (26.9%)が 最 も 多 く 回 答 者 の 約 4 分 の 1 が 利 用 している 次 いで 宿 泊 施 設 の 送 迎 車 (24.3%) レンタサイクル (15.3%) 島 の 友 人 知 人 の 車 (7.9%) バス (7.3%) タクシー (6.3%) 等 となっている 特 に 利 用 する 交 通 手 段 はない 回 答 者 は 11.9%と1 割 強 で ある 伊 豆 諸 島 への 訪 問 経 験 は はじめて という 回 答 者 が 33.5%と 3 分 の 1 いる 一 方 6 回 以 上 という 回 答 者 も 27.7%いる 2 回 目 以 上 のリピーター 層 は 計 65.0%である 平 均 では 3.7 回 となっている 神 津 島 ~ 下 田 航 路 を 利 用 している 理 由 は いつも 利 用 しているので (29.7%) が 最 も 多 く リピーター 層 の 多 さを 反 映 している 次 いで 下 田 港 に 車 を 駐 車 できるので (26.6%)が 多 く 下 田 港 への 交 通 手 段 が 自 家 用 車 である 回 答 者 が8 割 を 超 えていることが 反 映 された 利 用 理 由 となっている そのほか 自 宅 が 東 京 より 下 田 に 近 いので (19.0%) 運 賃 が 安 いので (17.5%) 船 の 所 要 時 間 が 短 いので (12.4%) 等 となっている その 他 の 回 答 は 下 表 に 整 理 している 神 津 島 ~ 下 田 航 路 にカーフェリーが 就 航 することへの 興 味 については 非 常 に 興 味 がある (35.3%)と まあ 興 味 がある (33.7%)が 多 く 興 味 がある 人 の 合 計 は 69.0%と 約 7 割 である 一 方 あまり 興 味 はない (18.6%)と ま ったく 興 味 はない (9.2%)は 合 せて 27.9%で3 割 弱 である 新 しい 船 を 建 造 するとした 場 合 の 新 造 船 のタイプについての 意 見 は カーフ ェリーの 方 がよい (48.3%)が 半 数 近 くで 多 く 貨 客 船 の 方 がよい (11.2%) を 大 きく 上 回 っている 一 方 どちらでもよい (23.4%)や 分 からない (13.7%)という 回 答 も 比 較 的 多 い 下 田 ~ 島 間 の 自 動 車 での 乗 船 に 利 用 意 向 がある 人 (348 人 )に 対 して そ の 理 由 を 聞 いたところ 下 田 まで 自 動 車 で 来 ているので (64.9%)が 最 も 多 く 次 いで 島 での 移 動 が 便 利 になるので (55.7%)が 多 く この2つの 理 由 は 半 数 以 上 の 人 が 掲 げている そのほか 荷 物 が 多 いので (29.3%)も3 割 の 人 が 回 答 している - 7 -
Ⅲ 島 内 荷 主 の 新 造 船 に 対 するニーズ 調 査 利 島 新 島 式 根 島 神 津 島 に 所 在 する 主 要 荷 主 ( 農 協 漁 協 鮮 魚 仲 買 人 )の 物 流 における 神 津 島 ~ 下 田 航 路 の 利 用 状 況 や カーフェリーを 想 定 した 新 造 船 に 対 するニーズ 等 を 把 握 し 新 造 船 や 航 路 を 検 討 する 際 の 参 考 とする アンケート 調 査 を 郵 送 による 配 布 回 収 にて 実 施 した 調 査 期 間 平 成 24 年 9~10 月 産 品 出 荷 に 下 田 航 路 を 利 用 しているのは 利 島 新 島 式 根 島 の 各 漁 協 と 神 津 島 の 鮮 魚 仲 買 人 3 店 舗 各 島 の 農 協 並 びに 神 津 島 の 漁 協 は 産 品 出 荷 に 下 田 航 路 を 利 用 していない なお 神 津 島 の 漁 協 は 市 場 課 のほか 金 融 のセクションが 東 京 都 信 用 漁 業 協 同 組 合 連 合 会 の 神 津 島 代 理 店 として 流 通 を 別 個 に 取 り 扱 っている 出 荷 している 産 品 は 鮮 魚 イセエビ サザエ 等 の 魚 介 類 出 荷 頻 度 は 週 単 位 での 利 用 があるのは 利 島 の 漁 協 と 神 津 島 の 鮮 魚 仲 買 人 3 店 舗 新 島 の 漁 協 は 年 6~10 回 程 度 式 根 島 の 漁 協 は 年 10~13 回 程 度 で 利 用 頻 度 は 低 い 産 品 出 荷 における 東 京 航 路 と 下 田 航 路 の 利 用 割 合 でみると 最 も 利 用 しているの は 利 島 の 漁 協 で 東 京 航 路 と 下 田 航 路 の 利 用 割 合 が 半 々となっている その 他 の 漁 協 仲 買 人 は 東 京 航 路 の 利 用 割 合 の 方 が 多 くなっている 資 機 材 や 島 内 販 売 品 の 本 土 からの 調 達 における 下 田 航 路 の 利 用 状 況 は 本 土 から の 調 達 に 関 しては 神 津 島 の 農 協 を 除 き すべての 荷 主 で 下 田 航 路 を 利 用 してい る 入 荷 している 資 機 材 等 は 漁 協 や 仲 買 人 は 出 荷 用 の 発 泡 スチロールや 荷 造 り 資 材 漁 具 やエサ 等 が 中 心 で 農 協 は 農 機 具 生 産 資 材 島 内 販 売 用 の 食 料 品 飲 料 等 である 輸 送 頻 度 は 週 単 位 で 利 用 している 荷 主 が 多 いが 東 京 航 路 と 下 田 航 路 の 利 用 割 合 では 東 京 航 路 の 方 が 利 用 多 い 荷 主 の 方 が 多 い ただし 式 根 島 の 漁 協 では 東 京 航 路 と 下 田 航 路 の 利 用 割 合 が 半 々であり 神 津 島 の 鮮 魚 仲 買 人 1 店 舗 では 下 田 航 路 の 利 用 割 合 が95% 程 度 で 下 田 航 路 の 利 用 が 中 心 となっている カーフェリーを 利 用 した 出 荷 調 達 に 関 しては 車 で 営 業 に 行 けて 便 利 であると か 利 用 頻 度 が 高 まるなどの 期 待 がある 一 方 現 状 の 物 流 体 制 が 整 っているのでト ラックで 出 荷 調 達 に 出 かける 必 要 性 を 感 じないなどの 意 見 もある - 8 -
Ⅳ. 車 両 搭 載 需 要 の 推 計 アンケートによるニーズ 調 査 を 踏 まえて カーフェリーへの 車 両 搭 載 需 要 を 推 計 する 住 民 と 観 光 客 を 合 わせた 推 計 結 果 は 運 賃 が 1 万 5 千 円 以 上 の 場 合 4~ 11 月 の 8 カ 月 間 で 約 950 台 となっている Ⅴ 調 査 結 果 のまとめ 本 土 への 近 さなどの 特 性 を 活 かした 航 路 運 営 の 継 続 神 津 島 ~ 下 田 航 路 の 特 性 役 割 は 次 のようなことが 位 置 付 けられる 住 民 の 伊 豆 方 面 への 足 東 京 方 面 に 出 かける 際 の 補 完 的 交 通 手 段 静 岡 神 奈 川 方 面 等 からの 観 光 客 の 誘 客 手 段 その 際 下 田 港 に 自 家 用 車 を 駐 車 できるという 他 の 航 路 にはない 利 便 性 本 土 に 最 も 近 い 航 路 という 特 性 を 活 かした 生 活 物 資 産 業 用 資 機 材 島 内 産 品 の 入 出 荷 手 段 災 害 救 助 救 援 物 資 輸 送 に 果 たす 役 割 以 上 のような 特 性 役 割 を 踏 まえ 本 調 査 で 実 施 した 住 民 アンケート 調 査 では 神 津 島 ~ 下 田 航 路 は 今 後 とも 維 持 が 必 要 とする 人 が9 割 近 いこととなった これらを 踏 まえ 神 津 島 ~ 下 田 航 路 はその 特 性 をさらに 活 かす 航 路 運 営 を 行 って いくことが 望 まれる カーフェリー 導 入 の 評 価 住 民 観 光 客 のカーフェリー 就 航 による 利 便 性 向 上 に 対 する 期 待 神 津 島 ~ 下 田 航 路 では 伊 豆 諸 島 航 路 の 中 では 初 となるカーフェリーの 導 入 を 計 画 している 全 国 の 主 要 離 島 航 路 ではカーフェリーと 高 速 船 の2 本 立 てが 主 流 となっており カーフェリーが 実 現 すれば 住 民 観 光 客 の 利 便 性 は 格 段 に 向 上 する 本 調 査 のアンケート 調 査 結 果 によると 住 民 観 光 客 ともカーフェリーの 就 航 に 対 して 高 い 興 味 を 抱 いており 本 土 ~ 島 間 の 自 動 車 搭 載 意 向 を 示 す 人 は 住 民 で 48.5% 観 光 客 で 57.4%と 高 い 割 合 を 示 している 自 動 車 航 送 運 賃 については 他 離 島 航 路 の 賃 率 を 参 考 に 想 定 した 運 賃 と 比 較 し て 低 額 の 運 賃 を 希 望 する 人 が 多 い そのため 実 際 の 運 賃 設 定 によって 利 用 客 は 絞 られてくる 可 能 性 が 高 い 本 調 査 で 実 施 した 車 両 搭 載 の 需 要 推 計 も 利 用 希 望 運 賃 毎 に 行 っているが 実 際 に 利 用 の 可 能 性 が 高 いのは 1 万 5 千 円 以 上 であると 想 定 して 需 要 推 計 を 行 った - 9 -
住 民 観 光 客 共 にカーフェリーの 就 航 による 島 の 環 境 汚 染 や 交 通 事 故 の 増 加 を 懸 念 する 声 も 挙 げられている しかし 上 記 のように 現 時 点 で 想 定 しているカ ーフェリーの 車 両 搭 載 台 数 は 10 台 未 満 程 度 なので そのような 悪 影 響 は 心 配 がないと 思 われる この 点 については カーフェリー 就 航 がより 具 体 化 した 段 階 で 住 民 観 光 客 に 不 安 を 払 しょくするようなPR 活 動 も 必 要 と 思 われる 期 待 される 今 後 の 伊 豆 縦 貫 自 動 車 道 の 整 備 現 在 伊 豆 地 域 では 伊 豆 縦 貫 自 動 車 道 の 整 備 が 進 行 中 である 伊 豆 縦 貫 自 動 車 道 は 東 名 高 速 道 路 に 接 続 する 静 岡 県 沼 津 市 の 沼 津 IC を 起 点 とし 長 泉 JCT により 新 東 名 高 速 道 路 と 接 続 し 下 田 市 に 至 る 高 速 道 路 である 下 田 にカーフ ェリーが 就 航 した 場 合 伊 豆 縦 貫 自 動 車 道 が 全 通 すれば 東 京 方 面 や 静 岡 方 面 へ の 自 動 車 での 移 動 の 利 便 性 が 格 段 に 向 上 する 中 長 期 的 にみると 下 田 を 起 点 と したカーフェリーの 就 航 は 本 土 での 高 速 道 路 網 の 利 用 にマッチングしたもの であるといえる 伊 豆 縦 貫 自 動 車 道 の 整 備 による 下 田 ~ 沼 津 IC 間 の 時 間 短 縮 効 果 出 所 : 伊 豆 地 域 の 道 路 整 備 の 今 後 の 見 通 し ( 静 岡 県 交 通 基 盤 部 ) - 10 -
Ⅵ 新 造 船 や 航 路 に 対 する 意 見 要 望 神 津 島 ~ 下 田 航 路 の 維 持 が 必 要 とする 意 見 は 住 民 調 査 を 行 った4 島 すべてで 確 認 できた 新 造 船 にカーフェリーを 希 望 する 意 見 は 住 民 及 び 乗 船 客 ともに 多 いが 乗 船 客 にはカーフェリー 不 要 とする 意 見 もあった 新 造 船 は バリアフリーへの 対 応 や 快 適 な 客 室 空 間 を 目 指 すのはもちろん ス タビライザーの 設 置 等 により 揺 れの 軽 減 と 就 航 率 の 向 上 を 目 指 すべき あぜりあ 丸 の 全 長 は57mと 小 さいため 海 象 の 影 響 を 受 けやすく 設 備 的 に も 十 分 でないため 揺 れが 激 しく 冬 季 は 島 民 からも 敬 遠 されている 新 造 船 では 可 能 な 限 り 大 型 化 し 就 航 率 を 高 めるとともに 十 分 な 航 海 速 力 を 確 保 することが 求 められる ドラスティックな 視 点 をもった 増 収 対 策 または 経 費 削 減 策 の 可 能 な 船 型 を 検 討 すべきである 伊 豆 急 アクセス 改 善 案 は 大 島 でのジェット 船 乗 継 に 対 して 東 京 への 所 要 時 間 運 賃 面 での 競 争 力 が 落 ちるので 導 入 による 大 きな 需 要 増 は 期 待 できな いが 下 田 港 到 着 時 間 が 早 まることを 望 む 意 見 は 多 い 大 島 寄 港 案 については 運 航 ダイヤ 上 大 島 での 東 京 行 きの 高 速 ジェット 船 への 乗 継 が 出 来 ないほか 観 光 物 流 上 も 大 きな 需 要 増 は 期 待 できない また 収 支 見 込 みでも 最 も 損 失 が 大 きくなることから 導 入 の 検 討 対 象 外 としてよい と 思 われる 住 民 からの 要 望 もなかった 伊 東 大 島 寄 港 案 は 住 民 利 用 上 観 光 利 用 上 物 流 上 運 航 上 それぞれの メ リット デメリットはあるが 伊 豆 急 アクセス 改 善 案 大 島 寄 港 案 に 比 べて 新 たな 需 要 創 出 が 最 も 期 待 できる 案 である また 住 民 の 要 望 も 比 較 的 多 く 今 後 検 討 を 重 ねていくこととする 災 害 発 生 時 の 住 民 輸 送 及 び 救 援 物 資 輸 送 の 役 割 を 期 待 する 意 見 もあった 三 宅 島 との 連 絡 航 路 を 要 望 する 意 見 もあった 運 賃 の 低 料 金 を 望 む 声 も10 件 以 上 あった カーフェリーにした 場 合 島 の 環 境 に 与 える 悪 影 響 を 心 配 した 意 見 あった その 他 港 湾 整 備 の 加 速 下 田 に 駐 車 場 の 確 保 サーフボードを 含 む 手 荷 物 料 金 の 見 直 し 運 休 日 の 設 定 変 更 等 の 要 望 と 共 に 航 路 の 活 性 化 を 期 待 する 意 見 なども 寄 せられた - 11 -
5. 航 路 改 善 計 画 1 概 要 平 成 23 年 3 月 に 策 定 された 伊 豆 諸 島 航 路 における 航 路 改 善 計 画 では 老 朽 化 が 進 んでいるあぜりあ 丸 の 代 替 船 を 建 造 し 就 航 率 を 高 めるとともに 寄 港 地 の 変 更 等 による 需 要 喚 起 を 図 るなど ドラスティックな 対 策 が 必 要 とされ た そのため 同 計 画 では 伊 豆 急 アクセス 改 善 案 大 島 寄 港 追 加 案 伊 東 大 島 寄 港 追 加 案 の3 案 が 示 されたが 未 だ 結 論 には 至 っていなかった 平 成 23 年 6 月 に 策 定 された 同 航 路 の 生 活 交 通 ネットワーク 計 画 では 新 たな 需 要 開 発 が 期 待 される 代 替 船 建 造 計 画 に ロールオン ロールオフ 船 の 導 入 が 示 された 代 替 船 建 造 のスケジュールは 平 成 26 年 度 中 の 就 航 を 目 指 しており そのた めには 平 成 24 年 末 くらいを 目 途 として 神 津 島 ~ 下 田 航 路 の 航 路 体 系 や 船 型 等 についてその 方 針 を 固 める 必 要 がある しかし 神 津 島 ~ 下 田 航 路 の 航 路 体 系 のあり 方 等 についての 意 見 は 分 かれており 一 定 の 判 断 材 料 に 基 づく 船 型 航 路 体 系 の 検 討 と 合 意 形 成 が 必 要 となっている 本 調 査 は 平 成 23 年 3 月 に 策 定 された 伊 豆 諸 島 航 路 における 航 路 改 善 計 画 の 深 堀 調 査 であり 神 津 島 ~ 下 田 航 路 の 望 ましい 航 路 体 系 を 検 討 するととも に ロールオン ロールオフ 船 の 導 入 による 新 たな 需 要 を 把 握 し 神 津 島 ~ 下 田 航 路 の 生 活 交 通 ネットワーク 計 画 策 定 に 反 映 させることを 目 的 として 実 施 するものである 調 査 結 果 は 東 京 都 離 島 航 路 地 域 協 議 会 における 協 議 資 料 とし て 活 用 し 神 津 島 ~ 下 田 航 路 の 今 後 の 船 型 航 路 体 系 航 路 のあり 方 における 関 係 者 間 の 検 討 合 意 形 成 に 資 するものとする - 12 -
2 内 容 増 客 対 策 平 成 26 年 度 中 に 新 造 船 の 就 航 を 計 画 しているが 伊 豆 諸 島 ではこれまでにな い 用 途 を 持 つ 船 型 とし また 島 民 に 敬 遠 される 横 揺 れを 減 少 させる 装 置 (フィ ンスタビライザー)の 採 用 等 により 顧 客 満 足 度 を 高 める ロールオン ロールオフ 機 能 を 有 し 就 航 率 の 改 善 と 乗 り 心 地 の 向 上 が 期 待 で きる 船 舶 とすることなど 新 船 効 果 を 有 効 に 利 用 し 集 客 を 図 ることが 可 能 とな る 全 国 の 主 要 離 島 航 路 ではカーフェリーと 高 速 船 の2 本 立 てが 主 流 となってお り 伊 豆 諸 島 で 初 となるカーフェリー 化 が 実 現 できれば 住 民 観 光 客 の 利 便 性 は 格 段 に 向 上 し 島 民 生 活 の 質 の 改 善 が 期 待 できるとともに 利 用 客 増 加 に つながる 下 田 を 起 終 点 としたカーフェリーの 就 航 は 現 在 進 行 中 の 伊 豆 縦 貫 自 動 車 道 路 の 整 備 と 関 連 して 考 えた 場 合 本 土 での 高 速 道 路 網 の 利 用 にマッチングしたも のといえ 増 客 に 繋 がっていくものと 考 えられる 物 流 機 能 の 向 上 荷 役 作 業 の 効 率 化 及 び 安 全 性 の 向 上 を 図 るため これまでのリフトオン リフ トオフ 式 から ロールオン ロールオフ 式 も 兼 ねた 荷 役 方 式 への 変 更 を 計 画 し ている 自 動 車 だけでなく 貨 物 の 搭 載 陸 揚 げもロールオン ロールオフ 方 式 で 対 応 可 能 となることから 貨 物 輸 送 の 効 率 改 善 だけでなく 品 質 向 上 も 期 待 できる 荒 天 によりランプウェイを 降 ろせない 場 合 は これまで 通 り 船 に 装 備 された 貨 物 クレーンでの 荷 役 が 可 能 であり 貨 物 輸 送 に 支 障 はでない 下 田 を 起 終 点 とした 現 状 の 航 路 では 新 造 船 の 貨 物 コンテナ 積 載 量 は 現 状 のあぜりあ 丸 と 同 程 度 でよいが 大 島 や 伊 東 を 結 ぶ 航 路 にも 対 応 するには 貨 物 積 載 スペースの 検 討 も 必 要 となる 航 路 体 系 大 島 寄 港 案 伊 東 大 島 寄 港 案 が 検 討 されたが 現 時 点 では 補 助 航 路 として 存 続 可 能 な 現 航 路 で 生 活 交 通 ネットワーク 計 画 を 策 定 していく - 13 -