熊本県地域防災計画

熊 本 県 地 域 防 災 計 画 ( 一 般 災 害 対 策 編 ) 平 成 27 年 度 修 正 熊 本 県 防 災 会 議

沿 革 平 成 9 年 6 月 3 日 作 成 平 成 14 年 5 月 16 日 修 正 平 成 19 年 5 月 23 日 修 正 平 成 10 年 5 月 19 日 修 正 平 成 15 年 5 月 19 日 修 正 平 成 20 年 5 月 27 日 修 正 平 成 11 年 5 月 17 日 修 正 平 成 16 年 5 月 17 日 修 正 平 成 21 年 5 月 20 日 修 正 平 成 12 年 5 月 17 日 修 正 平 成 17 年 5 月 19 日 修 正 平 成 22 年 5 月 18 日 修 正 平 成 13 年 5 月 16 日 修 正 平 成 18 年 5 月 18 日 修 正 平 成 23 年 5 月 19 日 修 正 平 成 24 年 5 月 23 日 修 正 平 成 25 年 5 月 23 日 修 正 平 成 26 年 5 月 19 日 修 正 平 成 27 年 5 月 20 日 修 正 目 次 第 1 章 総 則 第 1 節 目 的 1 第 2 節 計 画 の 性 格 及 び 基 本 方 針 1 第 3 節 関 係 機 関 の 責 務 と 処 理 すべき 事 務 又 は 業 務 の 大 綱 2 第 4 節 熊 本 県 の 災 害 要 因 と 被 害 状 況 7 第 5 節 熊 本 県 の 気 象 災 害 の 特 性 9 第 2 章 災 害 予 防 計 画 第 1 節 水 害 土 砂 災 害 予 防 計 画 10 第 2 節 高 潮 災 害 予 防 計 画 19 第 3 節 建 造 物 等 災 害 予 防 計 画 21 第 4 節 火 災 予 防 計 画 22 第 5 節 危 険 物 等 災 害 予 防 計 画 25 第 6 節 文 化 財 災 害 予 防 計 画 30 第 7 節 海 上 災 害 予 防 計 画 32 第 8 節 災 害 危 険 地 域 指 定 計 画 34 第 9 節 気 象 観 測 施 設 等 整 備 計 画 36 第 10 節 防 災 業 務 施 設 整 備 計 画 37 第 11 節 災 害 備 蓄 物 資 資 機 材 整 備 計 画 39 第 12 節 災 害 対 策 基 金 等 管 理 計 画 42 第 13 節 自 主 防 災 組 織 育 成 計 画 43 第 14 節 防 災 知 識 普 及 計 画 47 第 15 節 防 災 訓 練 計 画 52 第 16 節 避 難 収 容 計 画 55 第 17 節 避 難 行 動 要 支 援 者 等 支 援 計 画 60 第 18 節 医 療 保 健 計 画 64 第 19 節 災 害 ボランティア 計 画 69 第 3 章 災 害 応 急 対 策 計 画 第 1 節 組 織 計 画 72 第 2 節 職 員 配 置 計 画 84 第 3 節 災 害 警 備 計 画 99 第 4 節 応 援 要 請 計 画 101

第 5 節 自 衛 隊 災 害 派 遣 要 請 計 画 105 第 6 節 予 警 報 等 伝 達 計 画 107 第 7 節 通 信 施 設 利 用 計 画 122 第 8 節 情 報 収 集 及 び 被 害 報 告 取 扱 計 画 126 第 9 節 広 報 計 画 132 第 10 節 水 防 計 画 137 第 11 節 消 防 計 画 138 第 12 節 避 難 収 容 対 策 計 画 140 第 13 節 災 害 救 助 法 等 の 適 用 計 画 152 第 14 節 救 出 計 画 160 第 15 節 行 方 不 明 者 等 捜 索 及 び 遺 体 収 容 埋 葬 計 画 163 第 16 節 医 療 救 護 計 画 165 第 17 節 食 糧 供 給 計 画 169 第 18 節 給 水 計 画 173 第 19 節 生 活 必 需 品 供 給 計 画 174 第 20 節 住 宅 応 急 対 策 計 画 176 第 21 節 交 通 規 制 計 画 178 第 22 節 輸 送 計 画 182 第 23 節 緊 急 通 行 車 両 確 認 計 画 184 第 24 節 民 間 団 体 活 用 計 画 186 第 25 節 労 務 供 給 計 画 188 第 26 節 保 健 衛 生 計 画 191 第 27 節 災 害 ボランティア 活 用 計 画 195 第 28 節 廃 棄 物 処 理 計 画 199 第 29 節 文 教 対 策 計 画 201 第 30 節 ダム 等 管 理 計 画 203 第 31 節 障 害 物 除 去 計 画 206 第 32 節 公 共 施 設 応 急 工 事 計 画 208 第 33 節 農 林 水 産 応 急 対 策 計 画 211 第 34 節 電 力 施 設 応 急 対 策 計 画 212 第 35 節 ガス 施 設 応 急 対 策 計 画 214 第 36 節 阿 蘇 火 山 噴 火 対 策 計 画 216 第 37 節 航 空 機 災 害 応 急 対 策 計 画 225 第 38 節 海 上 災 害 対 策 計 画 232 第 39 節 九 州 自 動 車 道 等 災 害 対 策 計 画 239 第 40 節 物 価 安 定 対 策 計 画 244 第 4 章 災 害 復 旧 復 興 計 画 第 1 節 災 害 復 旧 復 興 の 基 本 方 向 245 第 2 節 公 共 土 木 施 設 災 害 復 旧 計 画 246 第 3 節 農 林 水 産 業 施 設 災 害 復 旧 計 画 248 第 4 節 その 他 の 災 害 復 旧 計 画 250 第 5 節 被 災 農 林 漁 業 の 経 営 安 定 計 画 252 第 6 節 被 災 中 小 企 業 振 興 計 画 253 第 7 節 被 災 者 自 立 支 援 対 策 計 画 254 第 8 節 海 上 災 害 復 旧 計 画 256 第 9 節 復 興 計 画 257

熊 本 県 特 殊 災 害 対 策 計 画 第 1 章 総 則 第 1 節 計 画 の 目 的 258 第 2 節 計 画 の 性 格 258 第 3 節 計 画 の 対 象 地 域 とその 現 況 258 第 4 節 災 害 の 想 定 259 第 5 節 災 害 の 区 分 259 第 2 章 防 災 関 係 機 関 及 び 企 業 等 の 処 理 すべき 事 務 又 は 業 務 の 大 綱 第 1 節 防 災 関 係 機 関 260 第 2 節 企 業 等 262 第 3 章 防 災 組 織 の 確 立 第 1 節 組 織 の 整 備 263 第 2 節 連 絡 協 議 会 の 設 置 263 第 3 節 応 援 協 力 体 制 の 確 立 263 第 4 章 災 害 予 防 対 策 計 画 第 1 節 防 火 用 設 備 資 機 材 の 整 備 備 蓄 等 265 第 2 節 防 災 訓 練 の 実 施 265 第 3 節 危 険 物 等 の 保 安 265 第 5 章 災 害 応 急 対 策 計 画 第 1 節 情 報 の 収 集 伝 達 266 第 2 節 組 織 動 員 計 画 268 第 3 節 陸 上 災 害 の 場 合 の 各 種 応 急 措 置 275 第 4 節 海 上 災 害 の 場 合 の 各 種 応 急 措 置 280 第 6 章 企 業 の 自 主 防 衛 計 画 283

熊 本 県 原 子 力 災 害 対 策 計 画 第 1 章 総 則 第 1 節 計 画 の 背 景 284 第 2 節 計 画 の 目 的 284 第 3 節 計 画 の 性 格 284 第 4 節 計 画 の 見 直 し 284 第 2 章 防 災 活 動 体 制 第 1 節 対 策 本 部 等 の 体 制 285 第 2 節 原 子 力 防 災 等 に 係 る 専 門 職 員 等 の 確 保 286 第 3 章 災 害 予 防 計 画 第 1 節 情 報 の 収 集 連 絡 体 制 の 整 備 287 第 2 節 住 民 避 難 体 制 の 整 備 287 第 3 節 広 域 的 連 携 体 制 の 整 備 287 第 4 節 モニタリング 体 制 の 整 備 287 第 5 節 健 康 相 談 及 び 医 療 体 制 の 整 備 288 第 6 節 住 民 等 への 知 識 の 普 及 啓 発 288 第 7 節 防 護 資 機 材 の 確 保 288 第 8 節 防 災 訓 練 の 実 施 288 第 4 章 災 害 応 急 対 策 計 画 第 1 節 組 織 体 制 の 確 立 289 第 2 節 情 報 の 収 集 289 第 3 節 情 報 の 連 絡 289 第 4 節 住 民 避 難 等 の 防 護 活 動 290 第 5 節 緊 急 時 環 境 放 射 線 モニタリングの 実 施 291 第 6 節 健 康 相 談 及 び 医 療 の 実 施 291 第 7 節 飲 料 水 飲 食 物 の 摂 取 制 限 等 291 第 8 節 広 域 的 連 携 291 第 5 章 災 害 復 旧 対 策 計 画 第 1 節 環 境 放 射 線 モニタリングの 実 施 292 第 2 節 風 評 被 害 等 の 影 響 軽 減 292 第 3 節 住 民 健 康 相 談 292 第 4 節 放 射 線 物 質 による 汚 染 の 除 去 等 292 第 5 節 支 援 措 置 その 他 292

参 考 熊 本 県 防 災 会 議 条 例 293 熊 本 県 防 災 会 議 運 営 要 領 295 熊 本 県 災 害 対 策 本 部 条 例 297 熊 本 県 災 害 対 策 本 部 規 程 298 熊 本 県 災 害 警 戒 本 部 規 程 302 災 害 応 急 措 置 の 業 務 に 従 事 した 者 に 係 る 損 害 補 償 に 関 する 条 例 304 災 害 時 における 放 送 要 請 に 関 する 条 例 305 九 州 山 口 9 県 災 害 時 応 援 協 定 306 熊 本 県 市 町 村 災 害 時 相 互 応 援 に 関 する 協 定 308 熊 本 県 市 町 村 災 害 時 相 互 応 援 に 関 する 協 定 実 施 細 目 310 市 町 村 及 び 消 防 機 関 における 相 互 応 援 協 定 312 熊 本 県 ヘリコプター 運 用 調 整 会 議 規 約 314 大 規 模 災 害 時 における 熊 本 県 ヘリコプター 運 用 調 整 所 活 動 要 領 317 災 害 時 の 医 療 救 護 に 関 する 協 定 書 320 災 害 時 の 医 療 救 護 に 関 する 協 定 実 施 細 目 323 日 本 赤 十 字 社 熊 本 県 支 部 災 害 派 遣 要 領 325 日 本 赤 十 字 社 熊 本 県 支 部 出 動 基 準 327 日 本 赤 十 字 社 熊 本 県 支 部 救 護 班 派 遣 要 領 及 び 編 成 基 準 328 災 害 救 助 法 に 基 づく 業 務 委 託 契 約 書 330 災 害 時 応 援 協 定 等 一 覧 332 熊 本 県 防 災 会 議 委 員 名 簿 337 熊 本 県 防 災 会 議 幹 事 名 簿 339

第 1 章 総 則

第 1 節 目 的 この 計 画 は 災 害 対 策 基 本 法 ( 昭 和 36 年 法 第 223 号 ) 第 40 条 の 規 定 に 基 づき 熊 本 県 において 防 災 に 関 し 県 市 町 村 及 び 各 防 災 関 係 機 関 を 通 じて 必 要 な 体 制 を 確 立 するとともに 防 災 行 政 を 総 合 的 かつ 計 画 的 に 推 進 することにより 県 土 の 保 全 県 民 の 生 命 身 体 及 び 財 産 を 災 害 から 保 護 することを 目 的 と する ただし 石 油 コンビナート 等 災 害 防 止 法 に 基 づいて 指 定 された 石 油 コンビナート 特 別 防 災 区 域 の 防 災 計 画 については 別 に 定 め 同 区 域 について 本 計 画 から 除 外 する 第 2 節 計 画 の 性 格 及 び 基 本 方 針 1. 計 画 の 性 格 (1) この 計 画 は 熊 本 県 防 災 会 議 が 作 成 する 熊 本 県 地 域 防 災 計 画 の 一 般 災 害 対 策 編 として 本 県 における 各 種 災 害 の 防 災 上 必 要 となる 災 害 予 防 災 害 応 急 対 策 及 び 災 害 復 旧 に 係 る 諸 施 策 に ついて 定 めるものとする この 計 画 に 定 めのない 事 項 及 び 地 震 津 波 の 災 害 対 策 については 熊 本 県 地 域 防 災 計 画 の 地 震 津 波 災 害 対 策 編 に 定 めるところによる (2) 熊 本 県 地 域 防 災 計 画 一 般 災 害 対 策 編 の 策 定 及 び 運 営 にあたっては 国 の 防 災 基 本 計 画 に 基 づき 実 施 することから 指 定 行 政 機 関 及 び 指 定 公 共 機 関 が 作 成 する 防 災 業 務 計 画 と 密 接 な 連 携 を 図 っていくものとする さらに 水 防 法 ( 昭 和 24 年 法 律 第 193 号 )に 基 づく 熊 本 県 水 防 計 画 及 び 石 油 コンビナート 等 災 害 防 止 法 ( 昭 和 50 年 法 律 第 84 号 )に 基 づく 熊 本 県 石 油 コンビ ナート 等 防 災 計 画 とも 十 分 な 調 整 を 図 るものとする (3) この 計 画 は 各 種 災 害 に 関 して 防 災 関 係 機 関 相 互 の 密 接 な 連 絡 調 整 を 図 るうえで 基 本 的 な 大 綱 を 示 すもので その 実 施 細 則 については さらに 関 係 機 関 において 別 途 マニュアルを 作 成 する 等 具 体 的 に 定 めるものとする 2. 計 画 の 基 本 方 針 この 計 画 は 防 災 関 係 機 関 が 必 要 な 体 制 を 確 立 し その 実 施 責 任 を 明 確 にするとともに 総 合 的 計 画 的 な 各 種 災 害 対 策 の 整 備 及 び 推 進 を 図 るものである この 計 画 の 樹 立 及 び 推 進 に 当 たっては 次 の 事 項 を 基 本 とするものとする (1) 自 主 防 災 体 制 の 確 立 (2) 防 災 関 係 機 関 相 互 の 連 携 協 力 体 制 の 強 化 (3) 男 女 共 同 参 画 の 視 点 からの 防 災 体 制 の 確 立 (4) 各 種 災 害 対 策 の 推 進 (5) 関 係 法 令 の 遵 守 1

第 3 節 関 係 機 関 の 責 務 と 処 理 すべき 事 務 又 は 業 務 の 大 綱 1. 防 災 関 係 機 関 の 責 務 (1) 県 県 は 県 の 地 域 並 びに 住 民 の 生 命 身 体 及 び 財 産 を 各 種 災 害 から 保 護 するため 他 の 防 災 関 係 機 関 及 び 他 の 地 方 公 共 団 体 の 協 力 を 得 て 広 域 的 総 合 的 な 防 災 活 動 を 実 施 するとともに 市 町 村 及 び 指 定 地 方 公 共 機 関 の 防 災 活 動 の 実 施 を 助 け かつ その 総 合 調 整 を 行 う 責 務 を 有 する (2) 市 町 村 市 町 村 は 基 礎 的 な 地 方 公 共 団 体 として 当 該 市 町 村 の 地 域 並 びに 住 民 の 生 命 身 体 及 び 財 産 を 各 種 災 害 から 保 護 するため 他 の 防 災 関 係 機 関 及 び 他 の 地 方 公 共 団 体 の 協 力 を 得 て 防 災 活 動 を 実 施 する 責 務 を 有 する また 上 記 の 責 務 を 十 分 に 果 たすため 必 要 があるときは 他 の 地 方 公 共 団 体 と 相 互 に 協 力 するよ う 努 めるとともに 消 防 機 関 等 の 組 織 の 整 備 並 びに 当 該 市 町 村 の 区 域 内 の 公 共 的 団 体 等 の 防 災 に 関 する 組 織 及 び 住 民 の 隣 保 協 同 の 精 神 に 基 づく 自 主 防 災 組 織 の 充 実 を 図 り 市 町 村 の 有 するすべての 機 能 を 十 分 に 発 揮 するよう 努 めるものとする (3) 指 定 地 方 行 政 機 関 指 定 地 方 行 政 機 関 は 住 民 の 生 命 身 体 及 び 財 産 を 各 種 災 害 から 保 護 するため 他 の 指 定 地 方 行 政 機 関 と 相 互 に 協 力 して 防 災 活 動 を 行 うとともに 県 及 び 市 町 村 の 防 災 活 動 が 円 滑 に 行 われるよう 必 要 な 勧 告 指 導 助 言 その 他 適 切 な 措 置 をとる (4) 指 定 公 共 機 関 及 び 指 定 地 方 公 共 機 関 指 定 公 共 機 関 及 び 指 定 地 方 公 共 機 関 は その 業 務 の 公 共 性 又 は 公 益 性 に 鑑 み 自 ら 防 災 活 動 を 実 施 するとともに 県 及 び 市 町 村 の 防 災 活 動 に 協 力 する 責 務 を 有 する (5) 公 共 的 団 体 及 び 防 災 上 重 要 な 施 設 の 管 理 者 公 共 的 団 体 及 び 防 災 上 重 要 な 施 設 の 管 理 者 は 平 素 から 災 害 予 防 体 制 の 整 備 を 図 るとともに 県 及 び 市 町 村 その 他 防 災 関 係 機 関 の 防 災 活 動 に 協 力 するものとする 2

2. 処 理 すべき 事 務 又 は 業 務 県 市 町 村 及 び 指 定 地 方 行 政 機 関 指 定 公 共 機 関 指 定 地 方 公 共 機 関 並 びに 県 内 の 公 共 機 関 その 他 防 災 上 重 要 な 施 設 の 管 理 者 は おおむね 次 の 事 務 又 は 業 務 を 処 理 する 機 関 名 事 務 又 は 業 務 指 定 地 方 行 政 機 関 熊 本 県 九 州 財 務 局 九 州 農 政 局 九 州 厚 生 局 九 州 森 林 管 理 局 九 州 経 済 産 業 局 九 州 産 業 保 安 監 督 部 九 州 総 合 通 信 局 福 岡 管 区 気 象 台 熊 本 地 方 気 象 台 1 熊 本 県 防 災 会 議 に 関 する 事 務 2 防 災 に 関 する 施 設 の 新 設 改 良 及 び 復 旧 対 策 3 災 害 に 関 する 情 報 の 伝 達 収 集 及 び 被 害 調 査 4 水 防 その 他 の 応 急 処 置 5 被 災 者 に 対 する 救 助 及 び 救 護 措 置 6 災 害 時 における 保 健 衛 生 文 教 治 安 及 び 交 通 等 の 対 策 7 その 他 県 の 所 掌 事 務 についての 防 災 対 策 8 市 町 村 の 災 害 事 務 または 業 務 の 実 施 についての 援 助 及 び 調 整 1 被 災 地 ( 地 方 公 共 団 体 )に 対 する 財 政 融 資 資 金 地 方 資 金 の 融 資 に 関 すること 2 災 害 時 における 金 融 機 関 等 に 対 する 金 融 上 の 措 置 の 要 請 3 公 共 土 木 施 設 及 び 農 林 水 産 業 施 設 等 の 災 害 復 旧 事 業 費 の 査 定 立 会 4 九 州 財 務 局 が 所 掌 する 国 有 財 産 の 無 償 貸 付 等 1 農 業 に 関 する 防 災 災 害 応 急 対 策 及 び 災 害 復 旧 に 関 する 指 導 調 整 並 びに 助 成 2 農 地 農 業 用 施 設 に 関 する 防 災 及 び 災 害 復 旧 対 策 3 農 地 の 保 全 に 係 る 海 岸 保 全 施 設 等 の 災 害 復 旧 対 策 4 応 急 用 食 料 の 調 達 供 給 対 策 5 主 要 食 料 の 安 定 供 給 対 策 1 災 害 状 況 の 情 報 収 集 通 報 2 関 係 職 員 の 現 地 派 遣 3 関 係 機 関 との 連 携 調 整 1 国 有 林 野 等 の 森 林 治 水 事 業 等 及 び 防 災 管 理 2 災 害 応 急 用 材 の 需 給 対 策 1 災 害 時 における 物 資 の 供 給 及 び 価 格 の 安 定 対 策 2 被 災 商 工 業 者 に 対 する 金 融 税 制 及 び 労 務 に 関 すること 1 鉱 山 における 災 害 防 止 及 び 災 害 時 の 応 急 対 策 に 関 すること 2 火 薬 類 高 圧 ガス 都 市 ガス 液 化 石 油 ガス 及 び 電 気 施 設 等 の 保 安 の 確 保 対 策 1 非 常 通 信 体 制 の 整 備 に 関 すること 2 非 常 通 信 協 議 会 の 育 成 指 導 及 び 実 施 訓 練 等 に 関 すること 3 災 害 時 における 通 信 機 器 及 び 移 動 電 源 車 の 貸 出 しに 関 すること 4 災 害 時 における 電 気 通 信 の 確 保 に 関 すること 5 非 常 通 信 の 統 制 監 理 に 関 すること 6 災 害 地 域 における 電 気 通 信 施 設 の 被 害 状 況 の 把 握 に 関 すること 1 気 象 地 象 水 象 の 観 測 及 びその 成 果 の 収 集 発 表 を 行 うこと 2 気 象 地 象 ( 地 震 にあっては 発 生 した 断 層 運 動 による 地 震 動 に 限 る) 水 象 の 予 報 警 報 等 の 防 災 情 報 の 発 表 伝 達 及 び 解 説 を 行 うこと 3 気 象 業 務 に 必 要 な 観 測 予 報 及 び 通 信 施 設 の 整 備 に 努 めること 4 地 方 公 共 団 体 が 行 う 防 災 対 策 に 関 する 技 術 的 な 支 援 助 言 を 行 うこと 5 防 災 気 象 情 報 の 理 解 促 進 防 災 知 識 の 普 及 啓 発 に 努 めること 3

機 関 名 事 務 又 は 業 務 熊 本 労 働 局 1 工 場 及 び 事 業 所 等 における 労 働 災 害 防 止 対 策 1 警 察 災 害 派 遣 隊 の 運 用 及 び 広 域 的 な 応 援 の 指 導 調 整 に 関 すること 2 広 域 的 な 交 通 規 制 の 指 導 調 整 に 関 すること 3 災 害 時 における 他 管 区 警 察 局 との 連 携 に 関 すること 九 州 管 区 警 察 局 4 管 区 内 指 定 地 方 行 政 機 関 との 協 力 及 び 連 絡 調 整 に 関 すること 5 災 害 に 関 する 情 報 の 収 集 及 び 連 絡 調 整 に 関 すること 6 災 害 時 における 警 察 通 信 の 運 用 に 関 すること 7 津 波 予 報 の 伝 達 に 関 すること 九 州 運 輸 局 熊 本 運 輸 支 局 1 災 害 時 における 陸 上 水 上 輸 送 の 調 整 及 び 指 導 2 災 害 時 における 自 動 車 運 送 事 業 者 に 対 する 運 送 命 令 3 災 害 時 における 関 係 機 関 と 輸 送 荷 受 機 関 との 連 絡 調 整 熊 本 海 上 保 安 部 1 災 害 時 の 海 上 における 人 命 財 産 の 救 助 その 他 救 済 を 必 要 とする 場 合 の 援 助 並 び に 海 上 の 治 安 及 び 警 備 大 阪 航 空 局 熊 本 空 港 事 務 所 1 飛 行 場 及 びその 周 辺 における 航 空 機 事 故 に 関 する 消 火 及 び 救 助 2 遭 難 航 空 機 の 捜 索 及 び 救 助 1 直 轄 河 川 の 整 備 維 持 管 理 及 び 水 防 に 関 すること 2 直 轄 国 道 の 整 備 維 持 管 理 及 び 防 災 に 関 すること 九 州 地 方 整 備 局 3 直 轄 港 湾 航 路 海 岸 砂 防 の 整 備 及 び 防 災 に 関 すること 4 高 潮 津 波 災 害 等 の 予 防 に 関 する 港 湾 海 岸 計 画 5 緊 急 を 要 すると 認 められる 場 合 大 規 模 災 害 時 の 応 援 に 関 する 協 定 書 に 基 づく 適 切 な 緊 急 対 応 の 実 施 6 その 他 防 災 に 関 し 九 州 地 方 整 備 局 の 所 掌 すべきこと 1 災 害 廃 棄 物 等 の 処 理 対 策 に 関 すること 九 州 地 方 環 境 事 務 所 2 環 境 監 視 体 制 の 支 援 に 関 すること 3 飼 育 動 物 の 保 護 等 に 係 る 支 援 に 関 すること 九 州 防 衛 局 1 所 管 財 産 ( 周 辺 財 産 )の 使 用 に 関 する 連 絡 調 整 2 米 軍 施 設 内 通 行 等 に 関 する 連 絡 調 整 自 衛 隊 1 天 災 地 変 その 他 の 災 害 に 際 して 航 空 機 あるいは 地 上 からの 情 報 の 収 集 伝 達 及 び 人 命 又 は 財 産 の 保 護 ( 人 員 の 救 助 消 防 水 防 救 援 物 資 の 輸 送 通 路 の 応 急 啓 開 応 急 の 医 療 防 疫 給 水 炊 飯 入 浴 支 援 等 ) 1 市 町 村 防 災 会 議 に 関 する 事 務 2 防 災 に 関 する 施 設 の 新 設 改 良 及 び 復 旧 対 策 3 災 害 に 関 する 情 報 の 伝 達 収 集 及 び 被 害 調 査 市 町 村 4 消 防 水 防 その 他 の 応 急 措 置 5 被 災 者 に 対 する 救 助 及 び 救 護 措 置 6 災 害 時 における 保 健 衛 生 文 教 及 び 交 通 等 の 対 策 7 その 他 市 町 村 の 所 掌 事 務 についての 防 災 対 策 8 市 町 村 内 における 公 共 的 団 体 及 び 住 民 防 災 組 織 の 育 成 指 導 4

機 関 名 事 務 又 は 業 務 1 災 害 時 における 郵 便 業 務 運 営 の 確 保 日 本 郵 便 株 式 会 社 ( 九 州 支 社 ) 2 災 害 救 助 法 適 用 時 における 郵 便 業 務 に 係 る 災 害 特 別 事 務 取 扱 い 及 び 援 護 対 策 (1) 災 害 地 の 被 災 者 に 対 する 郵 便 葉 書 等 の 無 償 交 付 (2) 被 災 者 が 差 し 出 す 郵 便 物 の 料 金 免 除 (3) 被 災 地 あて 救 助 用 郵 便 物 等 の 料 金 免 除 (4) 被 災 地 あて 寄 付 金 を 内 容 とする 郵 便 物 の 料 金 免 除 指 定 公 共 機 鉄 道 関 係 機 関 ( 九 州 旅 客 鉄 道 株 式 会 社 熊 本 電 気 鉄 道 株 式 会 社 南 阿 蘇 鉄 道 株 式 会 社 く ま 川 鉄 道 株 式 会 社 及 び 肥 薩 おれんじ 鉄 道 株 式 会 社 ) 西 日 本 電 信 電 話 株 式 会 社 ( 熊 本 支 店 ) 3 災 害 時 における 郵 便 局 窓 口 業 務 の 確 保 1 鉄 道 施 設 の 防 災 対 策 2 災 害 時 における 救 助 物 資 及 び 人 員 の 緊 急 輸 送 1 電 気 通 信 施 設 の 防 災 対 策 2 災 害 時 における 非 常 緊 急 通 話 の 調 整 及 び 気 象 予 警 報 の 伝 達 関 日 本 銀 行 ( 熊 本 支 店 ) 1 災 害 時 における 金 融 対 策 すなわち 預 貯 金 り 災 関 係 手 形 および 災 害 関 係 融 資 等 に 関 する 臨 時 の 措 置 につき 現 地 金 融 機 関 の 指 導 を 行 うほか 金 融 機 関 の 所 要 現 金 の 確 保 損 傷 銀 行 券 の 引 き 替 えその 他 必 要 と 認 められる 適 宜 の 措 置 を 講 ずる 指 定 地 方 公 共 機 関 日 本 赤 十 字 社 ( 熊 本 県 支 部 ) 日 本 放 送 協 会 及 び 放 送 報 道 関 係 (N HK 熊 本 放 送 局 株 式 会 社 熊 本 放 送 株 式 会 社 熊 本 日 日 新 聞 社 株 式 会 社 テレビ 熊 本 株 式 会 社 熊 本 県 民 テレビ 熊 本 朝 日 放 送 株 式 会 社 ) 自 動 車 運 送 機 関 ( 公 益 社 団 法 人 熊 本 県 トラック 協 会 一 般 社 団 法 人 熊 本 県 バス 協 会 一 般 社 団 法 人 熊 本 県 タクシー 協 会 ) 海 上 輸 送 機 関 ( 三 和 商 船 株 式 会 社 熊 本 フェリー 株 式 会 社 熊 本 県 海 運 組 合 ) 1 災 害 時 における 医 療 助 産 及 び 死 体 処 理 の 実 2 災 害 援 助 等 の 奉 仕 者 の 連 絡 調 整 3 義 えん 金 品 の 募 集 配 分 1 気 象 予 警 報 災 害 情 報 等 の 災 害 広 報 対 策 1 災 害 時 における 自 動 車 による 人 員 及 び 救 助 物 資 等 の 輸 送 確 保 1 災 害 時 における 船 舶 による 人 員 及 び 救 助 物 資 等 の 輸 送 確 保 5

機 関 名 事 務 又 は 業 務 電 力 供 給 機 関 ( 九 州 電 力 株 式 会 社 熊 本 支 社 ) 1 電 力 施 設 の 保 全 保 安 対 策 2 災 害 時 における 電 力 供 給 確 保 指 定 公 共 機 関 指 定 地 方 公 共 機 関 そ の 他 公 共 的 団 体 お よ び 防 災 上 重 要 な 施 設 の 管 理 者 ガス 供 給 機 関 ( 西 部 ガス 株 式 会 社 天 草 ガス 株 式 会 社 九 州 ガス 株 式 会 社 山 鹿 都 市 ガス 株 式 会 社 一 般 社 団 法 人 熊 本 県 LPガス 協 会 ) 西 日 本 高 速 道 路 株 式 会 社 九 州 支 社 公 益 社 団 法 人 熊 本 県 医 師 会 一 般 社 団 法 人 熊 本 県 歯 科 医 師 会 公 益 社 団 法 人 熊 本 県 薬 剤 師 会 公 益 社 団 法 人 熊 本 県 看 護 協 会 社 会 福 祉 法 人 熊 本 県 社 会 福 祉 協 議 会 一 般 社 団 法 人 熊 本 県 建 設 業 協 会 熊 本 県 土 地 改 良 事 業 団 体 連 合 会 病 院 等 経 営 者 社 会 福 祉 施 設 経 営 者 農 業 協 同 組 合 森 林 組 合 漁 業 協 同 組 合 等 商 工 会 商 工 会 議 所 1 ガス 施 設 の 保 全 保 安 対 策 2 災 害 時 におけるガス 供 給 の 確 保 1 有 料 道 路 及 び 施 設 の 防 災 対 策 1 災 害 時 における 医 療 助 産 等 の 救 護 1 災 害 時 における 歯 科 医 療 等 の 救 護 1 災 害 時 における 薬 剤 師 活 動 や 医 薬 品 供 給 1 災 害 時 における 医 療 助 産 等 の 救 護 1 災 害 時 における 住 民 支 援 ボランティア 支 援 1 災 害 時 における 応 急 対 策 1 溜 池 及 び 水 こう 門 等 の 整 備 と 防 災 管 理 2 農 地 及 び 農 業 用 施 設 の 被 害 調 査 および 復 旧 1 避 難 施 設 の 整 備 と 避 難 訓 練 並 びに 被 災 時 における 収 容 者 保 護 2 災 害 時 における 負 傷 者 等 の 医 療 助 産 救 助 1 避 難 施 設 の 整 備 と 避 難 等 の 訓 練 2 被 災 時 における 収 容 者 保 護 1 農 林 水 産 関 係 の 被 害 調 査 または 協 力 2 農 作 物 林 水 産 物 等 の 災 害 応 急 対 策 についての 指 導 3 被 災 農 林 水 産 家 に 対 する 融 資 またはその 斡 旋 並 びに 飼 料 肥 料 等 の 確 保 また は 斡 旋 1 商 工 業 関 係 の 被 害 調 査 融 資 希 望 者 のとりまとめ 及 び 斡 旋 等 についての 協 力 2 災 害 時 における 物 価 安 定 についての 協 力 徹 底 3 救 助 用 物 資 復 旧 資 材 の 確 保 についての 協 力 斡 旋 金 融 機 関 1 被 災 事 業 者 に 対 する 資 金 融 資 及 びその 他 の 緊 急 措 置 学 校 法 人 危 険 物 施 設 及 び 高 圧 ガス 火 薬 類 等 の 管 理 者 1 避 難 施 設 の 整 備 及 び 避 難 訓 練 2 被 災 時 における 教 育 対 策 1 安 全 管 理 の 徹 底 2 防 災 施 設 の 整 備 6

第 4 節 熊 本 県 の 災 害 要 因 と 被 害 状 況 1. 災 害 要 因 熊 本 県 は 九 州 中 部 の 西 側 に 位 置 し 三 方 を 山 地 に 囲 まれ 西 側 だけが 海 に 面 して 開 けている 北 は 筑 肥 山 地 を 境 に 福 岡 県 と 接 している 本 県 の 中 部 から 南 部 にかけては 山 岳 地 帯 が 多 く 東 は 九 州 の 脊 梁 をなす 九 州 山 地 により 大 分 県 宮 崎 県 と 南 は 国 見 山 地 を 挟 んで 鹿 児 島 県 とそれぞれ 接 している また 県 の 北 東 部 には 複 式 火 山 として 世 界 的 に 有 名 な 阿 蘇 山 があり 陥 没 によってできた 巨 大 なカ ルデラは 東 西 約 17km 南 北 約 25kmにわたって 広 がり 現 在 活 動 中 の 中 岳 をはじめ 通 称 阿 蘇 五 岳 が 連 な っている 一 方 県 の 中 央 部 の 西 側 は 菊 池 川 白 川 緑 川 流 域 に 熊 本 平 野 が 開 け 球 磨 川 氷 川 その 他 の 中 小 河 川 の 流 域 に 開 ける 八 代 平 野 とともに 平 坦 地 を 形 成 している さらにその 西 方 には 大 小 120 余 り の 島 々からなる 天 草 諸 島 が 散 在 している このような 地 理 的 条 件 などから 東 シナ 海 から 温 かい 湿 った 空 気 が 流 入 しやすく 流 入 したその 空 気 は 九 州 山 地 等 の 斜 面 に 当 たり 上 昇 気 流 を 発 生 させ その 地 域 に 大 雨 をもたらす 平 成 24 年 7 月 に 発 生 した 熊 本 広 域 大 水 害 では このシステムで 阿 蘇 外 輪 山 周 辺 で 次 から 次 に 積 乱 雲 を 発 生 させる いわゆ るバック ビルディング 現 象 により24 時 間 で500mmを 超 える 大 雨 ( 阿 蘇 乙 姫 )を 引 き 起 こした 県 内 にはこのような 地 形 により 定 常 的 に 大 雨 の 降 りやすい 場 所 があり 主 に 菊 池 川 白 川 緑 川 球 磨 川 の 上 流 域 となっている 例 えば 梅 雨 期 に 相 当 する6 月 ~7 月 の2ヶ 月 間 の 降 水 量 (1981 年 ~2010 年 の 平 均 値 )は 山 間 部 で 多 いが 特 に 県 北 東 部 と 南 東 部 は1000mm 以 上 の 多 雨 域 となっているのに 対 し 逆 に 西 部 の 沿 岸 部 では800mm 前 後 と 地 域 的 な 差 が 生 じている この 傾 向 は 最 近 10 年 間 (2001 年 ~2010 年 )では 更 に 顕 著 になっており 阿 蘇 山 で 平 均 1200mm 超 牛 深 では 約 600mmと 大 きな 地 域 差 を 示 して いる また 台 風 に 関 しては 台 風 が 九 州 の 西 岸 に 接 近 して 北 上 または 西 岸 に 上 陸 後 九 州 を 縦 断 する 場 合 に 暴 風 大 雨 に 特 に 注 意 が 必 要 であり 八 代 海 や 有 明 海 沿 岸 では 高 潮 災 害 の 可 能 性 も 高 くなる 本 県 における 気 象 災 害 は このような 気 象 特 性 や 各 河 川 の 水 源 地 帯 における 地 盤 の 脆 弱 性 八 代 海 や 有 明 海 における 潮 位 の 干 満 差 その 他 の 諸 要 因 が 重 なって 起 こるものである さらに 本 県 では 過 去 に 火 山 や 地 震 による 災 害 も 発 生 している 活 火 山 である 阿 蘇 山 は 観 光 地 と しての 人 気 が 定 着 し 多 くの 観 光 客 を 集 めており 噴 火 や 火 山 ガス 噴 出 等 に 対 する 注 意 が 必 要 である 2. 被 害 状 況 本 県 における 災 害 は 古 くは 昭 和 2 年 の 台 風 による 高 潮 災 害 戦 後 は 昭 和 28 年 の 大 水 害 及 び 昭 和 39 年 の 本 渡 市 の 大 火 や 阿 蘇 火 山 爆 発 等 により 尊 い 人 命 や 貴 重 な 財 産 が 失 われている 最 近 では 平 成 3 年 の 台 風 第 19 号 による 強 風 災 害 や 平 成 11 年 の 台 風 第 18 号 による 高 潮 災 害 また 平 成 15 年 に 水 俣 で 発 生 した 土 石 流 災 害 のほか 平 成 24 年 に 阿 蘇 地 方 を 中 心 に 被 害 を 出 した 熊 本 広 域 大 水 害 が 記 憶 に 新 し い 昭 和 28 年 の 九 州 北 部 地 方 の 大 水 害 ( 白 川 大 水 害 )は 6 月 25 日 ~28 日 にかけて 降 り 続 いた 豪 雨 のた め 県 北 部 熊 本 市 及 び 周 辺 一 帯 で 洪 水 が 発 生 し 死 者 行 方 不 明 563 名 重 軽 傷 1,500 余 名 の 人 的 被 害 を 始 め 被 害 総 額 は831 億 円 に 達 する 甚 大 な 被 害 となった 特 に 大 雨 により 阿 蘇 山 付 近 では 土 砂 く ずれや 土 石 流 等 が 発 生 したほか 熊 本 市 では 市 街 地 のほとんどが 水 没 冠 水 し 堆 積 した 市 内 の 泥 土 7

は600 万 トンに 達 した また 白 川 にかかる 橋 は 17 橋 のうち15 橋 が 流 失 した 白 川 のほかにも 菊 池 川 その 他 の 各 河 川 水 系 の 被 害 も 大 きかった 昭 和 32 年 の 諌 早 豪 雨 においては 県 内 でも 北 西 部 を 中 心 に 大 雨 が 降 り 洪 水 土 砂 くずれ 土 石 流 により183 名 の 死 者 を 出 す 被 害 となった また 昭 和 47 年 には 上 天 草 市 龍 ヶ 岳 町 で 時 間 雨 量 130mmを 記 録 するなど 天 草 上 島 を 中 心 に 豪 雨 災 害 が 発 生 し123 名 が 亡 くなった その 後 も 梅 雨 期 の 豪 雨 等 に より 昭 和 57 年 には 県 内 各 地 で23 名 が 昭 和 59 年 には 五 木 村 を 中 心 に16 名 が 亡 くなる 災 害 が 発 生 して いる 平 成 に 入 っても 平 成 2 年 に 阿 蘇 地 方 を 中 心 に 豪 雨 災 害 で 死 者 17 名 平 成 11 年 には 宇 城 市 不 知 火 町 などで 台 風 第 18 号 による 高 潮 災 害 等 により 死 者 16 名 平 成 15 年 の 県 南 集 中 豪 雨 災 害 においては 水 俣 芦 北 地 方 を 中 心 に 土 石 流 により 死 者 19 名 の 人 的 被 害 等 の 被 害 が 発 生 したほか 平 成 24 年 には 阿 蘇 地 方 を 中 心 に 土 砂 災 害 等 により 死 者 23 名 行 方 不 明 者 2 名 を 出 す 被 害 が 発 生 した 一 方 明 治 以 降 の 火 山 による 人 的 被 害 は 阿 蘇 山 の 噴 火 により 明 治 5 年 昭 和 7 年 昭 和 15 年 昭 和 28 年 4 月 7 日 ( 死 者 6 名 負 傷 者 90 名 ) 昭 和 33 年 6 月 24 日 ( 死 者 12 名 負 傷 者 28 名 ) 昭 和 54 年 9 月 6 日 ( 死 者 3 名 負 傷 者 11 名 )に 発 生 している また 阿 蘇 山 では 火 山 ガスによる 死 者 も 発 生 していたが ガス 観 測 体 制 の 整 備 や 火 口 立 入 規 制 の 実 施 により 平 成 9 年 11 月 の 死 者 2 名 を 最 後 に 人 的 被 害 は 発 生 していない 地 震 による 被 害 は 明 治 22 年 金 峰 山 付 近 を 震 源 とした 地 震 により 死 者 20 名 負 傷 者 52 名 の 人 的 被 害 が 発 生 している 近 年 では 昭 和 50 年 の 阿 蘇 北 部 での 地 震 の 群 発 ( 負 傷 者 20 名 被 害 額 6 億 4 千 万 円 ) 等 による 被 害 があった 8

第 5 節 熊 本 県 の 気 象 災 害 の 特 性 熊 本 県 における 気 象 災 害 を 原 因 別 に 見 ると 梅 雨 前 線 によるものが 最 も 多 く 次 いで 台 風 梅 雨 期 以 外 の 低 気 圧 前 線 となっている 時 期 的 には6 月 から9 月 の 間 が 最 も 多 い 過 去 の 大 きな 災 害 には 水 害 風 害 高 潮 害 などがあり 本 県 の 地 理 的 地 形 的 条 件 も 深 く 関 わって いる 1. 梅 雨 期 の 大 雨 による 水 害 熊 本 県 における 梅 雨 期 の 大 雨 は 東 シナ 海 からの 暖 かい 湿 った 空 気 の 流 れ 込 みによって 発 生 する ことが 多 い 熊 本 県 は 地 形 的 に 見 てコの 字 型 に 西 方 に 開 けているため 熊 本 県 付 近 に 停 滞 する 梅 雨 前 線 に 向 かって 南 西 海 上 から 空 気 が 流 入 しやすく しかも 県 の 北 側 から 東 側 にかけては 九 州 山 地 が 連 なっているため この 暖 かい 湿 った 空 気 が 山 地 の 斜 面 に 当 たり 上 昇 気 流 となって 県 内 に 集 中 的 な 大 雨 を 発 生 させることとなる また 近 年 は 局 地 的 に 短 時 間 に 大 雨 が 降 るいわゆるゲリラ 豪 雨 の 発 生 が 増 加 しており 都 市 化 に よる 土 地 の 保 水 力 低 下 と 相 まって 従 来 とは 異 なるタイプの 浸 水 被 害 も 発 生 してきている 2. 台 風 による 災 害 熊 本 県 では 台 風 が 県 内 を 通 過 するか 或 いは 九 州 の 西 岸 に 接 近 して 北 上 する 場 合 に 大 きな 災 害 が 特 に 発 生 しやすい 災 害 の 種 類 としては 風 雨 によるものはもちろんであるが 遠 浅 でV 字 型 に 開 け ている 有 明 海 や 八 代 海 の 沿 岸 部 では 高 潮 による 災 害 も 発 生 しやすい 平 成 3 年 (1991 年 )9 月 に 九 州 西 海 上 を 北 上 し 九 州 北 部 に 上 陸 した 台 風 第 19 号 は 住 宅 被 害 や 風 倒 木 被 害 など 各 地 に 甚 大 な 災 害 をもたらした また 平 成 11 年 (1999 年 )9 月 に 天 草 諸 島 を 通 過 し て 熊 本 県 北 部 に 上 陸 した 台 風 第 18 号 は 八 代 海 周 辺 に 甚 大 な 高 潮 災 害 をもたらした 特 に 宇 城 市 不 知 火 町 では 大 規 模 な 高 潮 が 発 生 し 12 名 の 人 命 が 失 われた 一 方 台 風 が 九 州 の 東 側 を 進 む 場 合 は 風 による 災 害 に 比 べて 大 雨 による 災 害 が 発 生 しやすい 台 風 の 接 近 や 上 陸 は 夏 から 初 秋 にかけての 季 節 が 多 いが 昭 和 20 年 の 阿 久 根 台 風 や 昭 和 26 年 のル ース 台 風 のように10 月 に 上 陸 することもある 9

第 2 章 災 害 予 防 計 画

第 1 節 水 害 土 砂 災 害 予 防 計 画 ( 県 知 事 公 室 県 商 工 観 光 労 働 部 県 農 林 水 産 部 県 土 木 部 市 町 村 九 州 森 林 管 理 局 九 州 地 方 整 備 局 ) 1. 治 山 対 策 ( 県 農 林 水 産 部 九 州 森 林 管 理 局 ) (1) 山 地 災 害 の 原 因 と 対 策 本 県 の 林 野 面 積 は46 万 ha( 国 有 林 も 含 めて)で 県 土 総 面 積 74 万 haの 約 63%を 占 めている 森 林 があることにより 本 県 の 財 産 となっている 豊 富 で 良 質 な 水 源 を 涵 養 するとともに 多 様 な 生 物 が 生 育 する 自 然 環 境 の 形 成 種 の 資 源 の 供 給 また 保 健 休 養 の 場 になるなど 県 民 に 多 大 な 恩 恵 を 与 えている 一 方 で 森 林 内 の 急 斜 面 で 脆 弱 な 地 質 の 箇 所 に 大 量 の 降 雨 が 集 中 すれば 地 表 の 土 砂 流 出 や 崩 壊 地 すべりなどの 山 地 災 害 が 発 生 し 人 命 財 産 に 被 害 を 与 える 危 険 性 も 有 している 本 県 は 急 峻 な 地 形 が 多 く 火 山 地 帯 破 砕 帯 断 層 など 複 雑 な 地 質 構 造 を 有 しており また 梅 雨 台 風 などにより 集 中 豪 雨 が 発 生 しやすい 地 理 条 件 で 山 地 災 害 発 生 の 危 険 性 が 極 めて 高 い 地 域 である 県 内 には 集 落 の 上 部 などで 山 地 災 害 が 発 生 する 危 険 性 の 高 い 山 地 災 害 危 険 地 区 が 平 成 26 年 3 月 現 在 4,386 箇 所 ある したがって これらの 地 区 の 保 安 林 指 定 を 重 点 的 に 進 め 森 林 が 有 している 土 砂 崩 壊 土 砂 流 出 の 防 止 機 能 を 最 大 限 に 発 揮 させるために 保 安 林 整 備 事 業 や 治 山 事 業 による 保 安 林 機 能 強 化 及 び 維 持 回 復 を 進 めていく 必 要 がある (2) 保 安 林 整 備 対 策 山 地 における 森 林 の 存 在 は それによって 形 成 された 落 葉 落 枝 林 地 土 壌 の 作 用 が 山 地 に 降 った 雨 を 地 中 により 多 く 浸 透 させ 降 雨 直 後 の 地 表 流 下 量 を 減 尐 させることにより 河 川 流 量 の 急 激 な 増 加 を 抑 える 機 能 があり また 林 木 の 根 系 の 物 理 的 作 用 によって 表 土 の 流 失 又 は 崩 壊 の 発 生 を 防 止 する 等 洪 水 調 節 機 能 渇 水 緩 和 機 能 及 び 侵 食 防 止 機 能 等 に 優 れた 効 果 をもっている しかし これらの 森 林 が 無 秩 序 な 伐 採 開 発 や 災 害 によって 破 壊 された 場 合 また 地 味 劣 悪 のため 粗 悪 な 林 相 を 呈 している 場 合 には 放 置 すれば 前 記 の 諸 保 安 機 能 が 低 下 し 又 は 喪 失 して 県 土 の 荒 廃 をまねくおそれがある これらに 対 して 質 的 向 上 を 図 るため 治 山 施 設 を 整 備 しながら 改 植 補 植 及 び 下 刈 り 等 を 実 施 して 健 全 な 保 安 林 を 育 成 することにより 森 林 の 土 砂 の 流 出 及 び 崩 壊 防 止 等 の 維 持 増 進 を 図 ることとしている (3) 荒 廃 地 復 旧 対 策 過 去 の 集 中 豪 雨 等 により 荒 廃 した 森 林 を 放 置 すれば さらに 崩 壊 や 土 石 流 の 発 生 を 招 く 危 険 性 がある そこで 集 落 や 公 共 施 設 等 の 保 全 対 象 に 影 響 を 及 ぼすおそれが 高 い 箇 所 から 治 山 施 設 ( 谷 止 工 流 路 工 山 腹 工 等 )を 設 置 するとともに 植 栽 や 緑 化 により 早 期 に 森 林 に 復 旧 し 保 安 林 機 能 を 発 揮 させていく 10

2. 土 砂 災 害 対 策 ( 九 州 地 方 整 備 局 県 知 事 公 室 県 商 工 観 光 労 働 部 県 農 林 水 産 部 県 土 木 部 市 町 村 ) (1) 土 石 流 対 策 ( 九 州 地 方 整 備 局 県 土 木 部 市 町 村 ) 本 県 は 県 土 の 約 8 割 が 山 地 や 丘 陵 地 となっており また 破 砕 帯 層 など 脆 弱 な 地 質 が 広 く 分 布 していることから 豪 雨 の 際 には 土 砂 や 流 木 が 一 時 に 土 石 流 となって 下 流 に 流 送 され 人 命 や 人 家 耕 地 鉄 道 その 他 公 共 施 設 等 に 甚 大 な 被 害 を 及 ぼすおそれがある 本 県 におい て 土 石 流 の 発 生 の 危 険 性 があり 人 家 に 被 害 を 及 ぼすおそれのある 土 石 流 危 険 渓 流 の 数 は 3,920(うち 直 轄 区 域 93) 渓 流 ( 平 成 11 年 から 平 成 13 年 にかけての 土 石 流 危 険 渓 流 及 び 土 石 流 危 険 区 域 調 査 : 平 成 15 年 3 月 公 表 )となっている 平 成 24 年 7 月 12 日 の 熊 本 広 域 大 水 害 では 土 砂 災 害 等 により 23 名 の 死 者 を 出 す 甚 大 な 被 害 となった 県 においては 土 石 流 危 険 渓 流 等 に 対 して 砂 防 法 に 基 づき 渓 流 の 流 出 土 砂 量 災 害 の 状 況 流 域 の 地 質 状 況 及 び 経 済 効 果 等 を 検 討 して 1,766 箇 所 11,672haを 砂 防 指 定 地 に 指 定 し ( 平 成 24 年 2 月 末 現 在 ) 土 石 流 対 策 の 施 設 整 備 を 推 進 するとともに 土 砂 災 害 警 戒 区 域 等 における 土 砂 災 害 防 止 対 策 の 推 進 に 関 する 法 律 ( 平 成 12 年 法 律 第 57 号 以 下 土 砂 災 害 防 止 法 という ) に 基 づき 土 砂 災 害 警 戒 区 域 等 の 指 定 を 推 進 し 警 戒 避 難 体 制 の 整 備 の 支 援 及 び 危 険 区 域 への 新 規 住 宅 等 の 立 地 抑 制 を 図 る なお 土 砂 災 害 防 止 法 に 基 づく 土 砂 災 害 警 戒 区 域 の 指 定 があったときは 市 町 村 防 災 会 議 ( 又 は 市 町 村 長 )は 市 町 村 地 域 防 災 計 画 において 当 該 警 戒 区 域 ごとに 次 に 掲 げる 事 項 について 定 めるものとし 市 町 村 長 は 円 滑 な 警 戒 避 難 を 確 保 するために 必 要 な 措 置 を 講 ず るものとする ⅰ) 土 砂 災 害 に 関 する 情 報 の 収 集 及 び 伝 達 並 びに 予 報 又 は 警 報 の 発 令 及 び 伝 達 に 関 する 事 項 ⅱ) 避 難 施 設 その 他 の 避 難 場 所 及 び 避 難 路 その 他 の 避 難 経 路 に 関 する 事 項 ⅲ) 災 害 対 策 基 本 法 第 48 条 第 1 項 の 防 災 訓 練 として 市 町 村 が 行 う 土 砂 災 害 に 係 る 避 難 訓 練 の 実 施 に 関 する 事 項 ⅳ) 警 戒 区 域 内 に 社 会 福 祉 施 設 学 校 医 療 施 設 その 他 の 主 として 防 災 上 の 配 慮 を 要 する 者 が 利 用 する 施 設 であって 急 傾 斜 地 崩 壊 等 が 発 生 するおそれがある 場 合 における 当 該 施 設 を 利 用 している 者 の 円 滑 かつ 迅 速 な 避 難 を 確 保 する 必 要 があると 認 められる 者 がある 場 合 にあっては これらの 施 設 の 名 称 及 び 所 在 地 ⅴ) 救 助 に 関 する 事 項 ⅵ) 前 各 号 に 掲 げるもののほか 警 戒 区 域 における 土 砂 災 害 を 防 止 するために 必 要 な 警 戒 避 難 体 制 に 関 する 事 項 さらに まだ 土 砂 災 害 警 戒 区 域 の 指 定 に 至 らない 土 石 流 危 険 渓 流 についても 災 害 対 策 基 本 法 に 基 づき 市 町 村 地 域 防 災 計 画 に 土 石 流 危 険 渓 流 における 土 砂 災 害 に 関 する 情 報 の 収 集 及 び 伝 達 予 報 又 は 特 別 警 報 警 報 の 発 表 及 び 伝 達 避 難 救 助 に 関 する 事 項 について 定 める ものとする ( 詳 細 :14ページ 参 照 市 町 村 地 域 防 災 計 画 に 記 載 すべき 内 容 ) 11

加 えて 土 砂 災 害 から 住 民 の 生 命 財 産 を 守 るためには 災 害 から 守 る 災 害 から 逃 げる という 二 つの 取 り 組 みが 必 要 であり 緊 急 度 に 応 じたハード 対 策 ( 施 設 整 備 ) 土 砂 災 害 の 発 生 のおそれがある 箇 所 におけるソフト 対 策 ( 警 戒 避 難 等 ) 両 面 からの 総 合 的 な 土 砂 災 害 対 策 に 取 り 組 むものとする なお 土 石 流 に 対 する 警 戒 避 難 に 関 する 基 準 は 資 料 編 の 土 砂 災 害 警 戒 情 報 及 び 土 砂 災 害 警 戒 避 難 基 準 ( 土 砂 災 害 危 険 度 情 報 )のとおりである (2) 地 すべり 防 止 対 策 ( 県 農 林 水 産 部 県 土 木 部 県 知 事 公 室 市 町 村 ) 本 県 における 地 すべりは 天 草 諸 島 一 帯 に 散 在 する 第 三 紀 層 地 すべり 緑 川 南 部 から 氷 川 流 域 一 帯 にわたる 破 砕 帯 地 すべり 阿 蘇 北 部 一 帯 の 温 泉 地 等 に 点 在 する 温 泉 地 すべりがある 第 三 紀 層 地 すべりは 粘 土 質 の 岩 石 でできているため 浸 蝕 が 早 く 進 み 水 を 含 むと 粘 土 質 化 して 地 すべりを 起 こしやすい 破 砕 帯 地 すべりは 地 殻 の 中 で 断 層 や 褶 曲 が 起 き 岩 石 に 非 常 に 大 きな 圧 力 が 働 いて 岩 などが 砕 かれてもろくなって 起 こるものである また 温 泉 地 す べりは 火 山 や 温 泉 地 帯 の 熱 気 作 用 で 火 山 岩 や 火 山 灰 の 土 質 が 化 学 的 に 変 化 してもろくな った 地 質 の 中 で 起 こるものである これらの 地 すべり 地 帯 は すべて 地 質 的 には 脆 弱 であり 地 すべりを 誘 発 助 長 する 原 因 として 最 も 大 きい 影 響 を 与 えるのは 雨 水 或 いは 地 下 水 の 作 用 である 県 においては 災 害 防 止 及 び 山 地 治 山 農 地 保 全 等 国 土 保 全 の 観 点 から 次 のように 地 すべ り 防 止 事 業 を 推 進 する 1 山 地 地 すべり 対 策 ( 県 農 林 水 産 部 ) 平 成 7 8 年 度 に 実 施 した 山 地 災 害 危 険 地 区 の 調 査 結 果 及 びその 後 の 調 査 結 果 により 現 在 まで 判 明 した 地 すべり 危 険 箇 所 は15 箇 所 で このうち 地 すべり 等 防 止 法 に 基 づき 指 定 を 受 けたもの10 箇 所 について 重 点 的 に 地 すべり 防 止 対 策 を 実 施 し 現 在 までに9 箇 所 が 概 成 している 残 り6 箇 所 についても 現 地 の 状 況 を 判 断 しながら 地 すべり 防 止 対 策 を 推 進 す る 2 砂 防 地 すべり 対 策 ( 県 土 木 部 市 町 村 ) 砂 防 地 すべり( 山 地 農 地 を 除 く)については 平 成 8 年 度 に 地 すべり 危 険 箇 所 の 再 点 検 を 実 施 し 現 在 まで 判 明 している 地 すべり 危 険 箇 所 は 111 箇 所 3,955ha( 再 点 検 後 危 険 箇 所 以 外 で 地 すべり 防 止 区 域 に 指 定 した 箇 所 を 含 む)に 及 んでいる このうち 地 すべり 等 防 止 法 に 基 き 地 すべり 防 止 区 域 の 指 定 を 受 けたものは 87 地 区 1,516haである 地 すべり 防 止 区 域 87 地 区 のうち 地 すべり 活 動 が 顕 著 な 区 域 を 対 象 として 重 点 的 に 地 すべり 防 止 対 策 を 推 進 するとともに 地 すべりに 関 する 防 災 知 識 の 普 及 警 戒 避 難 体 制 の 整 備 の 支 援 等 ソフト 面 の 対 策 についても 整 備 促 進 を 図 る なお 土 砂 災 害 防 止 法 に 基 づく 土 砂 災 害 警 戒 区 域 の 指 定 があったときは 市 町 村 防 災 会 議 ( 又 は 市 町 村 長 )は 市 町 村 地 域 防 災 計 画 において 当 該 警 戒 区 域 ごとに 次 に 掲 げる 事 項 について 定 めるものとし 市 町 村 長 は 円 滑 な 警 戒 避 難 を 確 保 するために 必 要 な 措 置 を 講 ず 12

るものとする ⅰ) 土 砂 災 害 に 関 する 情 報 の 収 集 及 び 伝 達 並 びに 予 報 又 は 警 報 の 発 令 及 び 伝 達 に 関 する 事 項 ⅱ) 避 難 施 設 その 他 の 避 難 場 所 及 び 避 難 路 その 他 の 避 難 経 路 に 関 する 事 項 ⅲ) 災 害 対 策 基 本 法 第 48 条 第 1 項 の 防 災 訓 練 として 市 町 村 が 行 う 土 砂 災 害 に 係 る 避 難 訓 練 の 実 施 に 関 する 事 項 ⅳ) 警 戒 区 域 内 に 社 会 福 祉 施 設 学 校 医 療 施 設 その 他 の 主 として 防 災 上 の 配 慮 を 要 する 者 が 利 用 する 施 設 であって 急 傾 斜 地 崩 壊 等 が 発 生 するおそれがある 場 合 における 当 該 施 設 を 利 用 している 者 の 円 滑 かつ 迅 速 な 避 難 を 確 保 する 必 要 があると 認 められる 者 がある 場 合 にあっては これらの 施 設 の 名 称 及 び 所 在 地 ⅴ) 救 助 に 関 する 事 項 ⅵ) 前 各 号 に 掲 げるもののほか 警 戒 区 域 における 土 砂 災 害 を 防 止 するために 必 要 な 警 戒 避 難 体 制 に 関 する 事 項 さらに まだ 土 砂 災 害 警 戒 区 域 の 指 定 に 至 らない 地 すべり 危 険 箇 所 についても 市 町 村 防 災 会 議 ( 又 は 市 町 村 長 )は 災 害 対 策 基 本 法 に 基 づき 市 町 村 地 域 防 災 計 画 に 地 すべり 危 険 箇 所 における 土 砂 災 害 に 関 する 情 報 の 収 集 及 び 伝 達 予 報 又 は 特 別 警 報 警 報 の 発 表 及 び 伝 達 避 難 救 助 に 関 する 事 項 について 定 めるものとする ( 詳 細 :14ページ 参 照 市 町 村 地 域 防 災 計 画 に 記 載 すべき 内 容 ) 3 農 地 地 すべり 対 策 ( 県 農 林 水 産 部 ) 農 地 地 すべり( 土 地 改 良 法 に 基 づく 施 行 実 施 及 び 計 画 地 域 及 び 管 理 地 域 )については 現 在 まで 地 すべり 等 防 止 法 に 基 づき 地 すべり 指 定 区 域 の 指 定 を 受 けたところについて 地 すべり 防 止 対 策 工 事 を 施 行 し 効 果 をあげている 今 後 も 危 険 な 箇 所 については 重 点 的 に 地 すべり 防 止 対 策 を 推 進 する (3) 山 崩 れ 等 防 止 対 策 ( 県 農 林 水 産 部 県 商 工 観 光 労 働 部 ) 1 山 崩 れ 対 策 ( 県 農 林 水 産 部 ) 山 崩 れ 発 生 の 危 険 度 の 高 い 箇 所 が 球 磨 川 白 川 をはじめ 各 河 川 の 水 源 地 帯 に 点 在 している ので 山 脚 固 定 用 谷 止 工 土 石 流 発 生 防 止 用 堰 堤 山 腹 緑 化 工 基 礎 工 その 他 を 施 行 し 山 地 の 崩 落 を 未 然 に 防 止 する 計 画 である 2 農 地 保 全 対 策 ( 県 農 林 水 産 部 ) 本 県 の 農 地 のうち 急 傾 斜 地 帯 に 造 成 された 果 樹 園 火 山 灰 地 帯 の 畑 地 シラス 台 地 等 は 降 雨 に 対 して 弱 く 耕 地 の 流 失 崩 壊 はもとより これらに 伴 い 下 流 の 人 家 にまでも 影 響 を 及 ぼしている これらに 対 する 防 災 対 策 として 急 傾 斜 対 策 特 殊 土 壌 対 策 シラス 対 策 の 農 地 保 全 事 業 を 実 施 する 13

3 炭 鉱 のぼた 山 崩 壊 対 策 ( 県 商 工 観 光 労 働 部 ) 本 県 には 炭 鉱 で 捨 石 集 積 したぼた 山 が 存 在 している これらの 炭 鉱 のぼた 山 崩 壊 に 対 す る 応 急 措 置 は 関 係 市 町 村 の 防 災 対 策 で 定 めておくものとする (4) 急 傾 斜 地 崩 壊 (がけ 崩 れ) 防 止 対 策 ( 県 土 木 部 市 町 村 ) 最 近 における 災 害 の 中 で 集 中 豪 雨 による 急 傾 斜 地 の 崩 壊 (がけ 崩 れ)が 全 国 各 地 で 多 発 し 公 共 建 物 病 院 人 家 密 集 地 等 に 重 大 な 被 害 を 及 ぼしている 本 県 においては 平 成 11 年 から12 年 にかけて 実 施 した 急 傾 斜 地 崩 壊 危 険 箇 所 点 検 調 査 によ り がけ 高 5m 以 上 がけの 角 度 30 以 上 の 急 傾 斜 地 崩 壊 危 険 箇 所 は 9,463 箇 所 となってい る 県 では 急 傾 斜 地 崩 壊 危 険 箇 所 等 に 対 して 急 傾 斜 地 の 崩 壊 による 災 害 の 防 止 に 関 する 法 律 ( 昭 和 44 年 法 律 第 57 号 ) に 基 づき 急 傾 斜 地 崩 壊 危 険 区 域 に 指 定 し( 平 成 23 年 3 月 末 現 在 961 箇 所 指 定 ) 区 域 内 における 行 為 の 制 限 防 災 措 置 の 勧 告 を 行 うとともに 緊 急 を 要 す る 箇 所 より 順 次 崩 壊 防 止 工 事 を 実 施 している また 急 傾 斜 地 崩 壊 危 険 箇 所 については 土 砂 災 害 防 止 法 に 基 づき 土 砂 災 害 警 戒 区 域 等 の 指 定 を 推 進 し 警 戒 避 難 体 制 の 整 備 の 支 援 及 び 危 険 区 域 への 新 規 住 宅 等 の 立 地 抑 制 を 図 る なお 土 砂 災 害 防 止 法 に 基 づく 土 砂 災 害 警 戒 区 域 の 指 定 があったときは 市 町 村 防 災 会 議 ( 又 は 市 町 村 長 )は 市 町 村 地 域 防 災 計 画 において 当 該 警 戒 区 域 ごとに 次 に 掲 げる 事 項 について 定 めるものとし 市 町 村 長 は 円 滑 な 警 戒 避 難 を 確 保 するために 必 要 な 措 置 を 講 ず るものとする ⅰ) 土 砂 災 害 に 関 する 情 報 の 収 集 及 び 伝 達 並 びに 予 報 又 は 警 報 の 発 令 及 び 伝 達 に 関 する 事 項 ⅱ) 避 難 施 設 その 他 の 避 難 場 所 及 び 避 難 路 その 他 の 避 難 経 路 に 関 する 事 項 ⅲ) 災 害 対 策 基 本 法 第 48 条 第 1 項 の 防 災 訓 練 として 市 町 村 が 行 う 土 砂 災 害 に 係 る 避 難 訓 練 の 実 施 に 関 する 事 項 ⅳ) 警 戒 区 域 内 に 社 会 福 祉 施 設 学 校 医 療 施 設 その 他 の 主 として 防 災 上 の 配 慮 を 要 する 者 が 利 用 する 施 設 であって 急 傾 斜 地 崩 壊 等 が 発 生 するおそれがある 場 合 における 当 該 施 設 を 利 用 している 者 の 円 滑 かつ 迅 速 な 避 難 を 確 保 する 必 要 があると 認 められる 者 がある 場 合 にあっては これらの 施 設 の 名 称 及 び 所 在 地 ⅴ) 救 助 に 関 する 事 項 ⅵ) 前 各 号 に 掲 げるもののほか 警 戒 区 域 における 土 砂 災 害 を 防 止 するために 必 要 な 警 戒 避 難 体 制 に 関 する 事 項 さらに まだ 土 砂 災 害 警 戒 区 域 の 指 定 に 至 らない 急 傾 斜 地 崩 壊 危 険 箇 所 についても 災 害 対 策 基 本 法 に 基 づき 市 町 村 地 域 防 災 計 画 に 急 傾 斜 地 崩 壊 危 険 箇 所 における 土 砂 災 害 に 関 する 情 報 の 収 集 及 び 伝 達 予 報 又 は 特 別 警 報 警 報 の 発 表 及 び 伝 達 避 難 救 助 に 関 する 事 項 に ついて 定 めるものとする ( 詳 細 :14ページ 参 照 市 町 村 地 域 防 災 計 画 に 記 載 すべき 内 容 ) なお 急 傾 斜 地 崩 壊 (がけ 崩 れ)に 対 する 警 戒 避 難 に 関 する 基 準 は 資 料 編 の 土 砂 災 害 警 戒 情 報 及 び 土 砂 災 害 警 戒 避 難 基 準 ( 土 砂 災 害 危 険 度 情 報 )のとおりである 14

参 照 市 町 村 地 域 防 災 計 画 に 記 載 すべき 内 容 ( 土 砂 災 害 の 警 戒 避 難 体 制 ) 避 難 勧 告 等 の 発 令 基 準 資 料 編 115ページ 土 砂 災 害 における 避 難 勧 告 の 発 令 基 準 の 考 え 方 について( 提 案 ) を 参 照 土 砂 災 害 計 画 区 域 等 土 砂 災 害 警 戒 区 域 及 び 土 砂 災 害 危 険 箇 所 避 難 勧 告 等 の 発 令 対 象 区 域 土 砂 災 害 警 戒 区 域 等 を 踏 まえ 町 内 会 自 治 会 等 同 一 の 避 難 行 動 をとるべき 避 難 単 位 情 報 の 収 集 及 び 伝 達 体 制 雨 量 情 報 土 砂 災 害 警 戒 情 報 住 民 からの 前 兆 現 象 や 近 隣 の 災 害 発 生 情 報 等 についての 情 報 の 収 集 及 び 伝 達 体 制 避 難 所 の 開 設 運 営 土 砂 災 害 に 対 して 安 全 な 避 難 所 の 一 覧 表 開 設 運 営 体 制 避 難 所 開 設 状 況 の 伝 達 避 難 行 動 要 支 援 者 ( 高 齢 者 障 がい 者 妊 産 婦 乳 幼 児 難 病 患 者 や 外 国 人 等 の 要 配 慮 者 のうち 特 に 避 難 支 援 を 要 する 者 をいう 以 下 同 じ )への 支 援 避 難 行 動 要 支 援 者 関 連 施 設 在 宅 の 避 難 行 動 要 支 援 者 に 対 する 情 報 の 伝 達 体 制 避 難 行 動 要 支 援 者 情 報 の 共 有 防 災 意 識 の 向 上 住 民 説 明 会 防 災 訓 練 防 災 教 育 等 の 実 施 (5) 宅 地 災 害 の 防 止 対 策 ( 県 土 木 部 ) 近 年 都 市 の 住 宅 難 により 都 市 周 辺 の 傾 斜 地 等 においても 宅 地 造 成 が 行 われ わずかな 降 雨 でも がけ 崩 れや 土 砂 流 失 等 の 災 害 を 起 こしているのが 現 況 である よってこれらの 地 域 のうち 宅 地 造 成 等 規 制 法 に 基 づく 工 事 規 制 区 域 を 次 のとおり 指 定 し 同 区 域 内 における 新 しい 宅 地 造 成 工 事 はもちろんのこと すでにある 宅 地 についても 規 制 を 徹 底 し 災 害 の 発 生 を 未 然 に 防 止 する なお 当 該 指 定 区 域 外 における 宅 地 造 成 工 事 についても 災 害 防 止 について 極 力 行 政 指 導 を 実 施 する 宅 地 造 成 規 制 区 域 ( 単 位 ha) 指 定 区 域 名 指 定 面 積 熊 本 市 竜 田 地 区 636.4 清 水 池 田 地 区 403.3 花 岡 山 地 区 127.9 小 計 1,167.6 荒 尾 市 桜 山 地 区 285.6 合 計 1,453.2 15

(6) がけ 地 近 接 等 危 険 住 宅 移 転 対 策 ( 県 土 木 部 ) 本 県 においては 毎 年 のように 集 中 豪 雨 等 によるがけ 崩 れ 災 害 が 発 生 し そこに 住 む 人 々 の 生 命 及 び 財 産 に 重 大 な 被 害 をもたらしている このため がけ 地 の 崩 壊 土 石 流 地 すべ り 津 波 高 潮 出 水 等 のおそれがある 危 険 住 宅 の 移 転 を 促 進 することにより 住 民 の 生 命 の 安 全 を 確 保 するため がけ 地 近 接 等 危 険 住 宅 移 転 事 業 制 度 に 基 づき 危 険 住 宅 の 除 却 に 要 する 経 費 及 び 危 険 住 宅 に 代 わる 住 宅 の 建 設 ( 購 入 )に 要 する 経 費 についてその 一 部 を 補 助 す るものである (7) 防 災 集 団 移 転 対 策 ( 県 知 事 公 室 ) 豪 雨 洪 水 高 潮 その 他 の 異 常 な 自 然 現 象 による 災 害 が 発 生 した 地 域 又 は 建 築 基 準 法 第 39 条 第 1 項 の 規 定 により 指 定 された 災 害 危 険 区 域 のうち 住 民 の 住 居 に 適 当 でないと 認 められ る 区 域 内 にある 住 民 の 集 団 移 転 を 促 進 するため 地 方 公 共 団 体 が 行 う 集 団 移 転 促 進 事 業 に 要 する 経 費 の 一 部 を 国 が 負 担 し 住 民 の 生 命 身 体 財 産 等 を 災 害 から 保 護 するものである (8) 住 民 の 早 期 避 難 対 策 ( 予 防 的 避 難 の 推 進 )( 県 知 事 公 室 市 町 村 ) 平 成 24 年 7 月 に 発 生 した 熊 本 広 域 大 水 害 では 未 明 からの 記 録 的 豪 雨 により 県 内 各 所 で 河 川 の 氾 濫 や 土 砂 災 害 が 発 生 し 甚 大 な 被 害 が 発 生 した とりわけ これまでに 経 験 のないよ うな 大 雨 を 記 録 した 阿 蘇 地 域 では 深 夜 に 住 民 が 避 難 行 動 をとることは 現 実 的 に 困 難 であり 仮 に 避 難 を 行 ったとしても かえって 被 災 が 懸 念 される 状 況 であったことが その 後 の 検 証 結 果 から 明 らかになった また 平 成 25 年 には 伊 豆 大 島 ( 東 京 都 大 島 町 )で 台 風 第 26 号 における 記 録 的 な 集 中 豪 雨 に より 三 原 山 噴 火 で 斜 面 に 堆 積 した 火 山 灰 などの 表 層 部 が 一 気 に 崩 れ 落 ち 甚 大 な 人 的 被 害 が もたらされたが 伊 豆 大 島 の 災 害 における 火 山 灰 層 崩 落 の 構 造 は 阿 蘇 地 域 の 土 石 流 災 害 と 同 様 のメカニズムであると 専 門 家 から 指 摘 されている これらの 災 害 を 通 して 得 られた 教 訓 は 空 振 り を 恐 れず 危 険 が 切 迫 する 前 に 早 期 に 住 民 を 避 難 させることが 被 害 の 未 然 防 止 に 極 めて 有 効 である という 予 防 的 避 難 の 考 えで ある 県 は 住 民 の いのち を 最 優 先 するという 考 えのもと 大 雨 等 が 予 想 される 際 の 予 防 的 避 難 に 取 り 組 む 市 町 村 への 支 援 等 を 通 じて 予 防 的 避 難 の 取 組 みを 県 内 に 広 め 災 害 から 住 民 を 守 るとともに 住 民 の 防 災 意 識 の 高 揚 に 努 めていくものとする 3. 治 水 対 策 ( 九 州 地 方 整 備 局 県 土 木 部 市 町 村 ) (1) 本 県 河 川 の 概 要 本 県 の 河 川 は 九 州 のほぼ 中 央 部 を 縦 貫 する 九 州 山 地 を 分 水 嶺 として 有 明 海 八 代 海 に 注 ぐものと 一 部 宮 崎 県 大 分 県 福 岡 県 へ 流 下 するものとに 分 かれている うち1 級 河 川 は8 水 系 ( 延 長 1,733,000m) 2 級 河 川 は81 水 系 ( 延 長 627,015m) 準 用 河 川 は130 水 系 ( 延 長 1, 253,664m)となっている これらの 河 川 整 備 については 優 先 度 の 高 いものから 社 会 資 本 整 備 重 点 計 画 に 沿 って 重 点 的 に 改 修 事 業 を 実 施 している 16

(2) 事 業 の 内 容 本 県 は 地 域 的 特 性 から 台 風 や 豪 雨 に 見 舞 われることが 多 く 近 年 は 局 所 的 集 中 豪 雨 に よる 災 害 も 甚 大 で その 度 に 尊 い 人 命 財 産 が 失 われている 県 ではこれらの 災 害 から 県 民 の 生 命 財 産 を 守 るため 河 川 の 規 模 危 険 度 に 応 じて 社 会 資 本 総 合 整 備 計 画 等 に 沿 って 治 水 事 業 として 広 域 河 川 改 修 事 業 (6 河 川 ) 総 合 流 域 防 災 事 業 (7 河 川 ) 情 報 基 盤 整 備 事 業 等 を 実 施 している また 平 成 24 年 7 月 の 熊 本 広 域 大 水 害 により 県 内 各 地 で 甚 大 な 被 害 が 発 生 したため 白 川 水 系 の 河 川 激 甚 災 害 対 策 特 別 緊 急 事 業 をはじめ 災 害 の 改 良 復 旧 を 図 る 災 害 関 連 事 業 等 を 実 施 している (3) 水 防 法 に 基 づく 対 応 国 及 び 県 は 水 防 法 ( 昭 和 24 年 法 律 第 193 号 )に 基 づき 洪 水 により 県 民 生 活 上 重 大 又 は 相 当 な 損 害 を 生 じるおそれがある 河 川 を 洪 水 予 報 河 川 又 は 水 位 情 報 周 知 河 川 に 指 定 し 水 位 情 報 を 一 般 に 周 知 するとともに 浸 水 想 定 区 域 の 指 定 を 推 進 し 水 害 による 被 害 の 軽 減 の 支 援 を 行 っている また 市 町 村 は 水 防 法 に 基 づく 浸 水 想 定 区 域 の 指 定 があったときは 市 町 村 地 域 防 災 計 画 において 次 に 掲 げる 事 項 について 定 めることとする 1 洪 水 予 報 等 の 伝 達 方 法 2 避 難 場 所 その 他 洪 水 時 の 円 滑 かつ 迅 速 な 避 難 の 確 保 を 図 るために 必 要 な 事 項 3 浸 水 想 定 区 域 内 に 地 下 街 等 で 洪 水 時 に 利 用 者 の 円 滑 かつ 迅 速 な 避 難 の 確 保 及 び 浸 水 の 防 止 を 図 ることが 必 要 なもの 要 配 慮 者 利 用 施 設 ( 主 として 高 齢 者 障 がい 者 乳 幼 児 等 の 要 配 慮 者 が 利 用 する 施 設 をいう )で 洪 水 時 に 利 用 者 の 円 滑 かつ 迅 速 な 避 難 の 確 保 が 必 要 なもの 又 は 大 規 模 工 場 等 ( 大 規 模 な 工 場 その 他 地 域 の 社 会 経 済 活 動 に 重 大 な 影 響 が 生 じる 施 設 として 市 町 村 が 条 例 で 定 める 用 途 及 び 規 模 に 該 当 するもの)の 所 有 者 又 は 管 理 者 から 申 出 があった 施 設 で 洪 水 時 に 浸 水 の 防 止 を 図 る 必 要 があるものについて これらの 施 設 の 名 称 及 び 所 在 地 なお 名 称 及 び 所 在 地 を 定 めたこれらの 施 設 については 市 町 村 は 市 町 村 地 域 防 災 計 画 において 当 該 施 設 の 所 有 者 又 は 管 理 者 及 び 自 衛 水 防 組 織 の 構 成 員 に 対 する 洪 水 予 報 等 の 伝 達 方 法 を 定 めるものとする また これらの 施 設 の 所 有 者 又 は 管 理 者 は 洪 水 時 の 避 難 確 保 及 び 浸 水 防 止 に 関 する 計 画 に 基 づき 避 難 誘 導 浸 水 防 止 活 動 等 の 訓 練 の 実 施 に 努 めるものとする 4. 河 川 防 災 ステーション( 九 州 地 方 整 備 局 ) 直 轄 河 川 については 災 害 時 の 防 災 活 動 及 び 物 資 の 集 積 備 蓄 等 の 場 としての 機 能 や 平 常 時 の 研 修 や 訓 練 の 場 としての 機 能 をもつ 河 川 防 災 ステーションの 整 備 を 図 る 17

5. 道 路 橋 梁 対 策 ( 九 州 地 方 整 備 局 県 土 木 部 ) (1) 道 路 対 策 崩 土 がけ 崩 れ 等 のおそれがある 山 間 地 域 における 道 路 は 逐 次 防 災 コンクリート 擁 壁 防 護 網 法 面 被 覆 等 により 整 備 を 図 る (2) 橋 梁 対 策 県 内 の 国 県 道 の 内 供 用 区 間 内 に 架 設 されている 橋 梁 で 老 朽 橋 及 び 荷 重 条 件 の 変 更 を 含 めて 防 災 上 交 通 上 の 見 地 から 重 要 度 危 険 度 を 検 討 勘 案 し 順 次 改 築 及 び 補 修 補 強 を 図 る 6. 内 水 氾 濫 対 策 ( 県 土 木 部 市 町 村 ) 本 県 でも 近 年 の 気 候 変 動 による 集 中 豪 雨 の 多 発 や 都 市 化 の 進 展 による 雨 水 流 出 量 の 増 大 等 によ り 内 水 氾 濫 の 被 害 リスクが 大 きくなっていることから 浸 水 被 害 軽 減 に 向 けて 排 水 路 や 雨 水 貯 留 施 設 排 水 ポンプ 場 の 整 備 を 進 めるものとする 7. 汚 水 処 理 施 設 対 策 ( 県 土 木 部 市 町 村 ) 下 水 道 や 集 落 排 水 施 設 の 機 能 が 麻 痺 すると 県 民 生 活 に 与 える 影 響 は 極 めて 大 きいため 汚 水 処 理 場 やポンプ 場 管 渠 について 浸 水 に 対 して 必 要 な 対 策 を 講 じるものとする 18

第 2 節 高 潮 災 害 予 防 計 画 ( 県 土 木 部 県 農 林 水 産 部 県 知 事 公 室 市 町 関 係 機 関 ) 1. 海 岸 対 策 ( 県 土 木 部 県 農 林 水 産 部 市 町 関 係 機 関 ) (1) 海 岸 概 況 本 県 の 海 岸 線 は 有 明 海 に 面 する 海 岸 八 代 海 に 面 する 海 岸 及 び 天 草 西 海 岸 からなり そ の 総 延 長 は1,084km 余 である 特 に 本 県 では 江 戸 時 代 から 干 拓 事 業 が 盛 んに 行 われ 八 代 海 沿 岸 ( 八 代 市 ~ 宇 城 市 不 知 火 町 ) 有 明 海 沿 岸 の 熊 本 平 野 では 広 大 な 干 拓 地 が 広 がっており 高 潮 災 害 において 危 険 性 の 高 い 地 域 として 海 抜 ゼロメートル 地 帯 があげられ 過 去 にも 高 潮 災 害 が 発 生 している これらの 海 岸 については 海 岸 法 に 基 づき 国 土 交 通 農 林 水 産 の 各 省 庁 所 管 ごとに 維 持 管 理 されているが その 危 険 箇 所 は 県 土 木 部 所 管 については 水 防 計 画 書 資 料 編 県 農 林 水 産 部 所 管 については 資 料 編 のとおりとなっている (2) 海 岸 保 全 施 設 概 況 有 明 海 八 代 海 の 沿 岸 は 干 拓 当 時 の 古 い 干 拓 堤 防 が 今 もなお 第 一 線 堤 防 となっている 箇 所 が 多 い また 本 県 は 台 風 の 進 路 によっては 台 風 接 近 時 に 高 潮 が 発 生 することが 多 く 平 成 11 年 の 台 風 18 号 では 溢 水 堤 防 決 壊 等 により 大 きな 被 害 を 被 った 海 岸 堤 防 は 河 川 と 異 なり 水 防 や 避 難 が 困 難 な 場 合 が 多 く 一 旦 堤 防 が 決 壊 すれば 被 害 面 積 の 大 きいこと 塩 害 を 伴 うことなどその 被 害 は 甚 大 で 沿 岸 住 民 に 与 える 影 響 も 大 きい (3) 海 岸 保 全 施 設 の 改 良 補 強 計 画 以 上 のような 海 岸 堤 防 現 況 及 びその 決 壊 した 場 合 における 被 害 の 甚 大 な 点 から 事 業 計 画 及 び 実 施 に 当 たっては 各 管 理 者 の 連 携 を 図 りながら 背 後 地 を 考 慮 し 緊 急 性 の 高 いものか ら 順 次 改 良 補 強 することとする 事 業 内 容 としては 高 潮 対 策 事 業 等 による 改 良 及 び 単 県 海 岸 保 全 事 業 等 により 補 強 工 事 を 実 施 する (4) その 他 平 成 11 年 5 月 に 海 岸 法 の 改 正 が 行 われ 海 岸 の 防 護 とともに 環 境 や 利 用 にも 配 慮 した 整 備 を 目 指 すこととなり 国 において 定 められた 海 岸 保 全 基 本 方 針 を 受 け 策 定 した 県 下 各 沿 岸 の 海 岸 保 全 基 本 計 画 に 基 づき 整 備 を 実 施 する 2. 高 潮 危 険 地 域 の 把 握 ( 市 町 ) 市 町 は 住 民 避 難 対 策 の 策 定 危 険 箇 所 監 視 体 制 の 整 備 住 民 啓 発 に 資 するため 高 潮 に 備 え たハザードマップの 作 成 等 によりあらかじめ 高 潮 危 険 地 域 を 把 握 するものとする 危 険 地 域 の 把 握 にあたっては 次 の 点 に 留 意 するものとする 19

1 既 往 高 潮 の 特 性 及 び 被 害 実 態 の 把 握 2 海 底 地 形 海 岸 地 形 気 象 条 件 ( 台 風 来 襲 頻 度 集 中 豪 雨 発 生 頻 度 等 ) 海 象 条 件 ( 潮 位 ( 特 に 高 潮 偏 差 ) 波 浪 ) 後 背 地 域 の 地 形 標 高 及 び 海 岸 保 全 施 設 の 整 備 状 況 等 の 把 握 3 人 口 年 齢 構 成 等 地 域 住 民 の 特 性 建 物 の 特 性 産 業 活 動 の 特 性 の 把 握 4 沿 岸 地 域 の 土 地 利 用 形 態 地 域 固 有 の 特 性 の 把 握 5 避 難 行 動 要 支 援 者 施 設 の 有 無 3. 潮 位 監 視 体 制 の 整 備 ( 県 知 事 公 室 県 農 林 水 産 部 県 土 木 部 市 町 ) (1) 潮 位 監 視 体 制 の 整 備 台 風 の 接 近 風 速 風 向 の 変 化 満 潮 の 時 間 帯 等 高 潮 発 生 の 要 因 が 重 なってきた 場 合 沿 岸 の 市 町 にあっては 潮 位 の 異 常 な 上 昇 を 早 期 に 発 見 するため あらかじめ 監 視 場 所 の 設 定 担 当 者 の 選 任 等 監 視 者 の 安 全 を 考 慮 した 潮 位 監 視 体 制 の 整 備 に 努 めるものとする (2) 潮 位 観 測 所 監 視 体 制 の 整 備 沿 岸 地 域 の 潮 位 変 化 をより 詳 細 に 把 握 するため 現 在 県 内 16 箇 所 の 港 湾 及 び2 箇 所 の 海 岸 に 設 置 している 潮 位 風 向 風 速 等 の 観 測 所 に 対 する 監 視 体 制 の 整 備 と 充 実 を 図 っていく 4. 後 背 地 対 策 ( 県 農 林 水 産 部 県 土 木 部 市 町 ) (1) 安 全 な 土 地 利 用 の 誘 導 高 潮 により 被 害 が 予 想 される 場 所 は ハザードマップの 作 成 危 険 区 域 の 設 定 等 の 手 段 によ り 被 害 が 尐 なくなるような 形 態 での 土 地 利 用 へ 誘 導 することとする (2) 拠 点 的 公 共 施 設 の 整 備 高 潮 来 襲 時 の 拠 点 となるような 庁 舎 学 校 病 院 等 の 施 設 については 安 全 な 位 置 に 設 置 す るとともに 既 存 施 設 で 危 険 性 の 高 い 地 域 に 立 地 する 施 設 は 耐 浪 化 等 充 分 な 対 策 を 施 すもの とする 20

第 3 節 建 造 物 等 災 害 予 防 計 画 ( 県 土 木 部 市 町 村 ) 平 成 7 年 1 月 に 発 生 した 阪 神 淡 路 大 震 災 や 平 成 16 年 10 月 に 発 生 した 新 潟 県 中 越 地 震 平 成 23 年 3 月 に 発 生 した 東 日 本 大 震 災 の 被 災 状 況 等 に 鑑 み 県 民 への 建 築 物 の 耐 震 知 識 の 普 及 を 図 るととも に 建 築 物 の 耐 震 改 修 の 促 進 に 関 する 法 律 等 により 既 存 建 築 物 の 耐 震 診 断 改 修 を 促 進 する 毎 年 火 災 によって 多 くの 建 築 物 が 焼 失 し 尊 い 人 命 や 貴 重 な 財 産 を 失 っていることに 鑑 み 防 災 関 係 法 令 等 により 建 築 物 の 防 災 対 策 を 促 進 することにする 特 に 多 数 の 人 々が 利 用 する 特 殊 建 築 物 等 については 建 築 基 準 法 に 基 づく 定 期 報 告 制 度 の 強 化 を 図 り また 火 災 による 死 者 割 合 の 高 い 住 宅 についても 国 及 び 関 係 機 関 と 連 携 しながら 防 火 対 策 の 推 進 を 図 る さらに 一 般 住 民 を 対 象 として 建 築 物 に 関 連 する 防 災 知 識 の 高 揚 と 防 災 関 係 法 令 等 の 周 知 徹 底 を 図 るため 建 築 物 防 災 週 間 を 年 2 回 実 施 する 一 方 平 成 16 年 にたびたび 接 近 上 陸 した 台 風 により 県 内 各 地 で 屋 根 瓦 飛 散 等 の 膨 大 な 建 物 災 害 が 発 生 しており 建 築 物 の 耐 風 対 策 を 講 じる (1) 防 災 対 策 の 推 進 1 建 築 物 の 新 築 や 増 築 等 に 際 しては 建 築 確 認 申 請 を 通 じて 建 築 基 準 法 や 消 防 法 等 によっ て 必 要 な 防 災 対 策 を 講 じる 2 低 層 の 木 造 老 朽 建 築 物 が 密 集 し 大 規 模 な 火 災 発 生 のおそれがある 地 区 を 有 する 市 町 村 に 対 し 都 市 再 開 発 法 や 住 宅 地 区 改 良 法 等 を 活 用 した 建 築 物 の 不 燃 化 や 耐 震 化 等 に 向 けた 啓 発 を 行 う 3 住 宅 火 災 による 高 齢 者 の 死 亡 率 が 一 般 人 に 比 べて 極 めて 高 い 現 状 にあることに 加 えて 今 後 本 格 的 な 高 齢 化 社 会 を 迎 えるので 住 宅 用 火 災 警 報 器 設 置 義 務 化 に 向 けた 啓 発 等 住 宅 防 火 対 策 の 推 進 に 努 める (2) 既 存 建 築 物 等 の 防 災 対 策 1 耐 震 改 修 促 進 計 画 及 び 同 実 施 計 画 に 基 づき 耐 震 診 断 改 修 の 促 進 を 図 る 2 県 民 にとって 身 近 な 木 造 住 宅 の 耐 震 化 に 向 け 建 築 士 を 対 象 にした 耐 震 診 断 講 習 会 の 開 催 や 市 町 村 と 連 携 した 県 民 の 啓 発 に 取 り 組 む 3 既 存 の 特 殊 建 築 物 等 については 定 期 報 告 制 度 や 防 災 査 察 等 によって 建 築 物 の 防 災 維 持 に 努 める 4 建 築 物 の 外 壁 や 広 告 板 等 の 落 下 による 人 的 被 害 を 未 然 に 防 止 するため 落 下 物 対 策 を 推 進 する (3) 市 街 地 の 不 燃 化 推 進 1 市 街 地 再 開 発 事 業 優 良 建 築 物 等 整 備 事 業 住 環 境 整 備 事 業 等 を 展 開 することにより 市 街 地 の 不 燃 化 を 推 進 する 2 建 築 物 が 急 激 に 増 加 し 火 災 発 生 のおそれが 極 めて 高 くなっている 市 街 地 については 耐 火 建 築 物 等 への 誘 導 を 図 るため 都 市 計 画 法 による 防 火 地 域 準 防 火 地 域 の 指 定 を 検 討 する 21

第 4 節 火 災 予 防 計 画 ( 県 総 務 部 県 農 林 水 産 部 ) 1. 火 災 予 防 対 策 の 指 導 大 規 模 構 造 物 や 危 険 物 施 設 等 の 増 加 住 居 の 高 層 化 密 集 化 等 により 火 災 の 大 規 模 化 特 殊 化 が 懸 念 される このため 県 及 び 市 町 村 は 時 代 の 変 化 に 対 応 したきめ 細 かな 火 災 予 防 指 導 の 徹 底 に 努 める (1) 一 般 家 庭 に 対 する 指 導 住 宅 火 災 による 死 者 が 建 物 火 災 による 死 者 の 約 9 割 を 占 め 特 に 高 齢 者 の 死 者 発 生 率 が 極 め て 高 い 状 況 にあるため 住 宅 防 火 対 策 が 全 国 的 に 展 開 されている 本 県 においても 広 報 活 動 及 び 関 係 機 関 との 連 携 強 化 等 を 通 じて 住 民 一 人 ひとりの 防 火 意 識 の 高 揚 及 び 住 宅 用 防 災 機 器 等 の 普 及 を 図 る (2) 予 防 査 察 の 指 導 強 化 各 消 防 機 関 が 行 う 予 防 査 察 においては 管 内 の 防 火 対 象 物 の 実 態 を 十 分 把 握 し それに 基 づき 消 防 計 画 防 火 管 理 体 制 消 防 用 設 備 等 の 維 持 管 理 等 について 適 切 な 指 導 を 行 っていく よう 強 力 に 推 進 する (3) 火 災 危 険 区 域 の 設 定 市 街 地 密 集 地 のうち 特 に 火 災 の 危 険 の 大 きい 区 域 については 消 防 建 築 都 市 計 画 等 総 合 的 な 観 点 から 火 災 危 険 区 域 を 設 定 し 防 火 対 策 を 樹 立 するよう 指 導 する (4) 防 火 管 理 者 の 指 導 育 成 強 化 防 火 対 象 物 の 高 層 化 複 雑 化 に 伴 い 消 防 機 関 による 予 防 行 政 及 び 消 防 活 動 を 補 完 する 防 火 管 理 者 の 役 割 の 重 要 性 が 増 していることから 防 火 管 理 業 務 を 有 効 に 遂 行 できるように 防 火 管 理 者 に 対 する 講 習 会 を 実 施 する (5) 防 炎 物 品 の 普 及 指 導 防 炎 物 品 は 出 火 及 び 延 焼 拡 大 防 止 に 非 常 に 効 果 的 であるので その 普 及 促 進 を 図 る 特 に 高 齢 者 等 が 居 住 する 家 庭 に 対 しては 防 炎 物 品 のカーテン じゅうたん 等 の 普 及 促 進 を 図 る (6) 消 防 用 設 備 及 び 特 殊 消 防 用 設 備 等 の 維 持 管 理 の 徹 底 消 防 用 設 備 及 び 特 殊 消 防 用 設 備 等 については いつ 火 災 が 発 生 してもその 機 能 が 有 効 に 発 揮 できるよう 消 防 法 令 で 定 める 定 期 点 検 及 び 報 告 の 徹 底 を 図 る (7) 幼 年 尐 年 女 性 ( 婦 人 ) 防 火 クラブ 等 の 民 間 防 火 組 織 の 育 成 指 導 日 頃 から 出 火 防 止 消 火 訓 練 通 報 訓 練 等 を 行 い 地 域 住 民 一 人 ひとりの 火 災 予 防 の 自 覚 と 相 互 協 力 が 図 られるよう 地 域 の 実 情 に 応 じた 消 防 団 幼 尐 年 婦 人 防 火 クラブ 等 の 自 主 防 22

火 組 織 の 育 成 を 行 い 地 域 ぐるみの 防 火 安 全 体 制 及 び 初 期 消 火 体 制 の 確 立 を 図 る 2. 森 林 火 災 予 防 ( 県 農 林 水 産 部 ) (1) 予 防 措 置 火 災 の 原 因 が 落 雷 噴 火 摩 擦 熱 等 の 天 災 は 例 外 として その 殆 どが 人 為 的 であり 発 生 の 場 所 が 林 野 であるので 人 に 対 する 措 置 と 林 野 に 対 する 施 設 について 考 慮 しなければなら ない 1 教 育 指 導 イ ラジオ テレビ 放 送 街 頭 放 送 広 告 新 聞 電 車 等 車 内 ポスター 掲 示 による 広 報 ロ 危 険 地 域 主 要 入 山 口 に 標 板 制 札 ポスターの 掲 示 ハ 火 災 警 報 発 令 の 周 知 徹 底 ニ 森 林 所 有 者 等 による 消 防 組 織 の 確 立 2 取 締 りの 強 化 イ たき 火 喫 煙 の 制 限 ロ 火 入 許 可 の 厳 正 なる 実 施 および 監 督 3 森 林 保 全 巡 視 の 実 施 イ 森 林 レクリエーションのための 利 用 者 が 特 に 多 く 山 火 事 等 の 森 林 被 害 が 多 発 するお それのある 森 林 ロ 自 然 的 条 件 により 山 火 事 の 危 険 性 が 高 くかつ 過 去 において 相 当 程 度 の 山 火 事 が 発 生 し たことがある 市 町 村 の 区 域 内 の 森 林 県 内 の 森 林 の 中 でも 特 にイ ロに 該 当 する 森 林 について 森 林 ウォッチャー 制 度 を 活 用 し 山 火 事 等 の 早 期 発 見 や 適 切 な 応 急 措 置 を 講 ずる (2) 防 火 施 設 防 火 施 設 は 火 災 の 早 期 発 見 と 適 切 な 防 火 消 火 の 措 置 により 被 害 を 最 小 限 度 に 防 止 するもので 森 林 経 営 上 予 防 及 び 消 火 の 施 設 を 設 けることにある 1 警 防 施 設 イ 林 野 火 災 望 楼 の 設 置 及 び 付 属 品 の 整 備 警 報 旗 望 遠 鏡 警 鐘 又 はサイレン 湿 度 計 風 速 計 防 火 用 器 具 地 図 電 話 又 は 無 線 通 信 設 備 感 知 紙 等 の 整 備 を 図 る ロ 予 防 施 設 ( 自 動 音 声 警 報 機 防 火 ポスト 立 看 板 標 識 板 等 )の 設 置 ハ 林 野 火 災 の 予 防 及 び 消 火 技 術 の 研 修 2 防 火 施 設 の 整 備 森 林 経 営 上 特 に 火 災 危 険 地 区 森 林 に 延 焼 防 止 のための 防 火 施 設 を 整 備 強 化 する イ 防 火 線 の 構 築 位 置 構 造 については 地 区 森 林 の 状 況 により 最 も 効 果 的 な 施 設 を 考 慮 する ロ 防 火 林 の 造 成 防 火 線 敷 には 火 に 抵 抗 性 のある 樹 種 を 植 栽 し 延 焼 の 防 止 及 び 火 勢 の 抑 圧 をするため 23

の 防 火 林 或 いは 防 火 樹 帯 を 設 定 する ハ 消 火 用 器 具 ( 携 帯 用 防 火 セット 可 搬 式 消 防 ポンプ 水 のう 付 手 動 ポンプ 背 負 式 消 火 器 等 )の 設 置 ニ 防 火 的 施 策 森 林 の 経 営 にあたっての 造 林 保 育 は 防 火 上 効 果 的 施 策 を 考 慮 する (3) 林 野 火 災 空 中 消 火 用 資 機 材 等 林 野 火 災 の 空 中 消 火 は ヘリコプターにより 消 火 薬 液 または 水 を 空 中 から 火 災 地 点 又 は その 周 辺 に 散 布 して 行 う 防 ぎょ 方 法 であるが これに 要 する 資 機 材 については 資 料 編 林 野 火 災 消 火 資 機 材 一 覧 のとおり 整 備 し 林 野 火 災 の 拡 大 防 止 を 図 る 24

第 5 節 危 険 物 等 災 害 予 防 計 画 ( 県 総 務 部 県 警 察 本 部 九 州 産 業 保 安 監 督 部 消 防 機 関 ) 危 険 物 等 による 災 害 を 未 然 に 防 止 するため 次 により 対 策 を 実 施 するものとする 1. 危 険 物 の 災 害 予 防 対 策 (1) 施 設 の 現 況 平 成 25 年 3 月 31 日 現 在 の 県 下 の 危 険 物 製 造 所 貯 蔵 所 及 び 取 扱 所 ( 以 下 製 造 所 等 とい う )の 数 は5,400 件 で 許 可 区 分 件 数 は 製 造 所 41 件 貯 蔵 所 3,310 件 取 扱 所 2,049 件 となっ ている これを 施 設 の 規 模 別 ( 最 大 貯 蔵 量 又 は 最 大 取 扱 量 )でみると 全 体 の 約 75.4%の4,07 1 件 が 指 定 数 量 ( 消 防 法 別 表 に 掲 げる 数 量 をいう )50 倍 以 下 の 比 較 的 小 規 模 な 施 設 であり 1,000 倍 を 超 える 大 規 模 な 施 設 は 約 1.4%の76 件 である (2) 保 安 体 制 の 確 立 市 町 村 長 は 製 造 所 等 の 所 有 者 管 理 者 又 は 占 有 者 ( 以 下 所 有 者 等 という )に 対 し 危 険 物 取 扱 者 制 度 の 徹 底 を 図 るとともに 当 該 施 設 の 種 類 規 模 により 危 険 物 保 安 統 括 管 理 者 危 険 物 保 安 監 督 者 危 険 物 施 設 保 安 員 を 定 めて 当 該 施 設 における 保 安 業 務 を 誠 実 に 行 わせ 常 時 保 安 体 制 を 整 備 するよう 指 導 するものとする (3) 保 安 教 育 の 実 施 知 事 は 製 造 所 等 において 危 険 物 の 取 扱 作 業 に 従 事 する 者 に 対 して 取 扱 作 業 の 保 安 に 関 する 講 習 を 実 施 し 危 険 物 取 扱 者 として 必 要 な 知 識 技 能 の 習 得 等 保 安 確 保 のための 教 育 を 実 施 するものとする また 所 有 者 等 に 対 し 自 主 的 に 危 険 物 の 取 扱 作 業 に 従 事 する 者 の 保 安 教 育 を 実 施 するよ う 指 導 するものとする (4) 製 造 所 等 の 維 持 管 理 市 町 村 長 は 製 造 所 等 の 保 安 検 査 または 立 入 検 査 を 実 施 する 際 次 の 事 項 を 重 点 的 に 検 査 す るものとし 製 造 所 等 における 災 害 の 防 止 に 積 極 的 な 指 導 を 行 うものとする 1 位 置 構 造 及 び 設 備 の 維 持 管 理 状 況 2 消 火 設 備 警 報 設 備 の 保 安 管 理 状 況 3 危 険 物 の 貯 蔵 及 び 取 扱 い 状 況 4 危 険 物 取 扱 者 の 立 合 い 状 況 (5) 自 主 予 防 対 策 の 推 進 市 町 村 長 は 製 造 所 等 の 種 類 規 模 に 応 じ 所 有 者 等 が 次 の 措 置 をとり 自 主 的 な 保 安 体 制 を 確 立 するよう 適 切 な 指 導 をするものとする 1 予 防 規 程 の 遵 守 25

市 町 村 長 は 予 防 規 程 の 内 容 が 常 に 実 態 に 即 したものであるよう 指 導 し 関 係 者 の 周 知 と 遵 守 の 徹 底 を 図 る 2 自 衛 消 防 組 織 の 充 実 市 町 村 長 は 自 衛 消 防 組 織 の 編 成 状 況 を 掌 握 し 随 時 消 防 訓 練 を 実 施 させるなど その 消 火 活 動 の 向 上 を 指 導 し 災 害 発 生 に 対 応 できるよう 組 織 力 の 強 化 充 実 を 図 る 3 定 期 点 検 の 励 行 市 町 村 長 は 保 安 検 査 立 入 検 査 のほか 製 造 所 等 において 当 該 施 設 の 設 備 に 関 して 不 備 箇 所 等 を 補 修 改 善 し 事 故 の 未 然 防 止 と 安 全 確 保 を 図 らせるため 自 主 的 な 定 期 点 検 を 完 全 に 実 施 するよう 指 導 を 行 う (6) 危 険 物 の 輸 送 市 町 村 長 は 警 察 の 協 力 を 求 めてタンクローリーなど 危 険 物 運 搬 車 両 への 立 入 検 査 を 実 施 し 車 両 の 保 安 管 理 移 送 運 搬 基 準 の 励 行 等 につき 指 導 取 締 を 行 うものとする (7) 消 火 薬 剤 等 の 緊 急 輸 送 対 策 知 事 及 び 市 町 村 長 は 関 係 事 業 所 等 の 消 火 薬 剤 の 保 有 状 況 化 学 消 防 車 その 他 化 学 消 防 設 備 の 実 態 を 把 握 し 緊 急 輸 送 体 制 の 確 立 を 図 るものとする 2. 高 圧 ガスの 災 害 予 防 対 策 (1) 施 設 の 現 況 平 成 26 年 1 月 末 現 在 で 高 圧 ガス 保 安 法 並 びに 液 化 石 油 ガスの 保 安 の 確 保 及 び 取 引 の 適 正 化 に 関 する 法 律 ( 以 下 液 石 法 という )に 基 づき 許 可 等 した 高 圧 ガス 製 造 事 業 所 販 売 事 業 所 及 び 貯 蔵 所 ( 以 下 製 造 事 業 所 等 という )の 件 数 は 製 造 事 業 所 1,127 件 販 売 事 業 所 1,140 件 (うち 液 石 法 分 447 件 ) 貯 蔵 所 230 件 となっている これら 高 圧 ガス 製 造 事 業 所 等 の 現 況 は 資 料 編 のとおりである (2) 保 安 体 制 の 確 立 1 保 安 統 括 者 等 の 選 任 知 事 は 高 圧 ガス 製 造 者 販 売 業 者 貯 蔵 所 の 所 有 者 又 は 占 有 者 ( 以 下 製 造 者 等 という ) に 対 し 当 該 施 設 の 種 類 及 び 規 模 に 応 じ 高 圧 ガス 製 造 保 安 統 括 者 保 安 技 術 管 理 者 保 安 主 任 者 保 安 企 画 推 進 員 保 安 係 員 保 安 監 督 者 販 売 主 任 者 特 定 高 圧 ガス 取 扱 主 任 者 又 は 業 務 主 任 者 を 定 め 高 圧 ガスの 製 造 販 売 貯 蔵 又 は 消 費 に 関 する 業 務 を 誠 実 に 行 わせ 常 時 保 安 体 制 を 整 備 するよう 指 導 するものとする 2 協 会 等 との 連 携 強 化 知 事 は 九 州 産 業 保 安 監 督 部 と 協 力 して 高 圧 ガス 保 安 協 会 九 州 支 部 九 州 地 区 高 圧 ガス 防 災 協 議 会 熊 本 県 支 部 熊 本 県 高 圧 ガス 保 安 協 会 一 般 社 団 法 人 熊 本 県 LPガス 協 会 等 と 緊 密 な 連 携 を 保 ち 保 安 体 制 の 万 全 を 期 するものとする 26

(3) 保 安 教 育 の 実 施 1 保 安 教 育 計 画 の 作 成 知 事 は 製 造 者 等 に 対 し 公 共 の 安 全 の 維 持 又 は 災 害 発 生 防 止 のため 実 態 に 即 した 保 安 教 育 計 画 を 定 め 従 業 員 に 対 する 保 安 教 育 を 実 施 するよう 指 導 するものとする 2 講 習 の 実 施 知 事 は 保 安 統 括 者 等 のうち 法 令 の 規 定 により 定 められている 者 に 対 して 高 圧 ガス 保 安 協 会 が 行 う 講 習 を 受 けるよう 指 導 するとともに 必 要 に 応 じ 製 造 販 売 等 の 高 圧 ガスの 取 扱 いについて 保 安 講 習 を 実 施 し 保 安 統 括 者 等 に 対 して 必 要 な 知 識 技 能 の 習 得 等 保 安 確 保 のための 教 育 を 施 すものとする (4) 製 造 事 業 所 等 の 維 持 管 理 知 事 は 高 圧 ガスの 製 造 若 しくは 販 売 のための 施 設 又 は 高 圧 ガス 貯 蔵 所 について 保 安 検 査 又 は 立 入 検 査 を 実 施 する 際 次 の 事 項 を 重 点 的 に 検 査 し 当 該 施 設 が 適 切 に 維 持 管 理 されるよう 製 造 者 等 を 指 導 するものとする 1 位 置 構 造 及 び 設 備 の 維 持 管 理 状 況 2 消 火 設 備 警 報 設 備 の 保 安 管 理 状 況 3 保 安 体 制 の 整 備 状 況 4 保 安 教 育 の 実 施 状 況 (5) 自 主 保 安 対 策 の 推 進 知 事 は 製 造 者 等 に 対 し 危 害 予 防 規 程 の 作 成 定 期 自 主 検 査 及 び 防 災 訓 練 の 実 施 等 を 行 い 自 主 保 安 対 策 を 推 進 するよう 指 導 するものとする 1 危 害 予 防 規 程 の 作 成 知 事 は 危 害 予 防 規 程 の 内 容 が 常 に 実 態 に 即 したものであるよう 指 導 し 関 係 者 への 周 知 と 遵 守 の 徹 底 を 図 る 2 定 期 自 主 検 査 の 実 施 製 造 者 等 は 毎 年 尐 なくとも1 回 以 上 は 定 期 検 査 を 行 い その 記 録 を 保 存 し 当 該 施 設 を 正 常 な 状 態 に 維 持 管 理 しておく 3 防 災 訓 練 の 実 施 製 造 者 等 は 災 害 の 発 生 等 を 想 定 した 訓 練 を 実 施 するとともに 自 衛 防 災 組 織 を 整 備 して おく (6) 高 圧 ガスの 移 動 高 圧 ガスの 移 動 途 上 に 起 こる 事 故 に 対 処 するため 指 定 防 災 事 業 所 の 充 実 及 び 防 災 資 機 材 の 整 備 を 促 進 し 併 せて 移 動 中 における 事 故 防 止 のため 警 察 と 協 力 して 路 上 取 締 指 導 を 行 うも のとする 27

(7) 消 費 者 保 安 対 策 高 圧 ガスのうち 特 にLPガスによる 一 般 消 費 者 の 事 故 を 防 止 するため 次 のとおり 保 安 対 策 を 実 施 するものとする 1 消 費 設 備 の 調 査 販 売 事 業 者 は 一 般 消 費 者 の 消 費 設 備 が 技 術 上 の 基 準 に 適 合 しているかどうかについて 調 査 する また 県 は 消 費 設 備 の 調 査 の 完 全 実 施 を 図 るため 認 定 保 安 機 関 の 指 導 強 化 を 図 る 2 消 費 設 備 の 立 入 検 査 県 は 特 に 必 要 と 認 めるときは 一 般 消 費 者 の 消 費 設 備 について 立 入 検 査 を 行 い 基 準 に 適 合 していないときは 販 売 事 業 者 及 び 一 般 消 費 者 に 対 して 改 善 指 導 を 行 う 3 燃 焼 器 具 の 屋 外 設 置 運 動 一 般 消 費 者 の 燃 焼 器 の 屋 外 設 置 運 動 等 を 実 施 し CO 中 毒 事 故 等 の 防 止 を 図 る 3. 火 薬 類 の 災 害 予 防 対 策 (1) 施 設 の 現 況 平 成 26 年 1 月 末 現 在 で 火 薬 類 取 締 法 ( 昭 和 25 年 5 月 4 日 法 律 第 149 号 以 下 法 という ) に 基 づき 許 可 した 火 薬 類 製 造 事 業 所 販 売 所 及 び 貯 蔵 施 設 ( 以 下 製 造 事 業 所 等 という ) の 件 数 は 製 造 事 業 所 2 件 販 売 所 68 件 貯 蔵 施 設 69 件 となっている これら 火 薬 類 製 造 事 業 所 等 の 現 況 は 資 料 編 のとおりである (2) 保 安 体 制 の 確 立 知 事 は 火 薬 類 の 製 造 業 者 火 薬 庫 の 所 有 者 若 しくは 占 有 者 又 は 火 薬 類 を 消 費 する 者 ( 以 下 製 造 業 者 等 という )に 対 し 当 該 施 設 の 種 類 及 び 規 模 に 応 じ 火 薬 類 製 造 保 安 責 任 者 取 扱 保 安 責 任 者 又 は 副 保 安 責 任 者 ( 以 下 保 安 責 任 者 という )を 選 任 し 火 薬 類 の 製 造 販 売 又 は 消 費 に 関 する 職 務 を 誠 実 に 行 わせ 常 時 保 安 体 制 を 整 備 するよう 指 導 するものとする また 熊 本 県 火 薬 保 安 協 会 等 と 緊 密 な 連 携 を 保 ち 保 安 体 制 の 万 全 を 期 するものとする (3) 保 安 教 育 の 実 施 1 保 安 教 育 計 画 の 実 施 知 事 は 製 造 業 者 等 に 対 し 災 害 の 発 生 を 防 止 し 公 共 の 安 全 を 確 保 するため 実 態 に 即 し た 保 教 育 計 画 を 作 成 し 従 業 員 に 対 する 保 安 教 育 を 実 施 するよう 指 導 するものとする 2 講 習 の 実 施 知 事 は 保 安 責 任 者 に 対 して 火 薬 保 安 協 会 等 が 行 う 保 安 講 習 を 受 けるよう 指 導 し 併 せて 火 薬 類 による 災 害 の 発 生 を 防 止 するため 必 要 に 応 じ 火 薬 類 の 製 造 販 売 消 費 に 関 する 講 習 を 実 施 するものとする (4) 製 造 事 業 所 等 の 維 持 管 理 知 事 は 製 造 事 業 所 等 の 保 安 検 査 又 は 立 入 検 査 を 実 施 する 際 次 の 事 項 を 重 点 的 に 検 査 し 28

当 該 施 設 の 維 持 管 理 を 図 り 火 薬 類 による 災 害 を 防 止 するよう 指 導 するものとする 1 位 置 構 造 及 び 設 備 の 維 持 管 理 状 況 2 警 報 設 備 の 保 安 管 理 及 び 盗 難 防 止 対 策 の 状 況 3 製 造 販 売 貯 蔵 又 は 消 費 等 の 取 扱 状 況 4 保 安 教 育 の 実 施 状 況 (5) 自 主 保 安 対 策 の 推 進 知 事 は 製 造 業 者 等 に 対 し 危 害 予 防 規 程 の 作 成 定 期 自 主 検 査 の 実 施 により 自 主 保 安 対 策 を 推 進 するよう 指 導 するものとする 1 危 害 予 防 規 程 の 作 成 知 事 は 危 害 予 防 規 程 の 内 容 が 常 に 実 態 に 即 したものであるよう 指 導 し 火 薬 類 製 造 業 者 へ の 周 知 と 遵 守 の 徹 底 を 図 る 2 定 期 自 主 検 査 の 実 施 製 造 業 者 等 は 毎 年 尐 なくとも2 回 は 定 期 的 に 検 査 を 行 い そのうち1 回 は 繁 忙 期 の 直 前 に 実 施 し その 記 録 を 保 存 し 当 該 施 設 を 正 常 な 状 態 に 維 持 管 理 しておくよう 指 導 する (6) 火 薬 類 の 運 搬 法 定 数 量 以 上 の 火 薬 類 を 運 搬 する 場 合 は 県 公 安 委 員 会 から 交 付 を 受 けた 運 搬 証 明 書 を 必 ず 携 帯 するよう 指 導 し 併 せて 運 搬 中 における 事 故 防 止 のため 警 察 の 協 力 を 得 て 路 上 取 締 指 導 を 行 うものとする 29

第 6 節 文 化 財 災 害 予 防 計 画 ( 県 教 育 庁 ) 1. 文 化 財 の 災 害 予 防 対 策 現 在 全 国 的 に 文 化 財 の 災 害 で 最 も 多 いのは 火 災 によるものである 特 に 有 形 文 化 財 にあっ ては 木 質 紙 質 布 質 等 が 多 いので 火 災 により 被 害 を 受 けることが 多 い これは 明 治 30 年 文 化 財 の 指 定 制 度 が 確 立 されてから 今 日 までの 間 に 火 災 によって 焼 失 した 指 定 建 築 物 が230 余 棟 にも 達 していることでも 明 らかである その 他 風 水 害 や 地 震 による 被 害 も 多 い (1) 講 習 会 の 開 催 等 次 により 防 災 思 想 の 普 及 を 図 る なお 防 災 施 設 については 補 助 制 度 の 対 象 としている 1 文 化 財 講 習 会 を 開 催 し 関 係 者 の 文 化 財 保 護 に 対 する 認 識 を 高 める 2 市 町 村 教 育 委 員 会 と 地 元 警 察 消 防 機 関 および 所 有 者 との 連 絡 を 密 にし 防 災 について 指 導 する 3 所 有 者 に 対 し 保 存 の 方 法 について 指 導 する (2) 防 火 対 策 文 化 庁 文 化 財 保 護 部 で 発 行 した 文 化 財 防 火 防 犯 の 手 引 き に 基 づき 防 火 に 関 し 次 の とおり 措 置 するよう 指 導 する 1 防 火 管 理 の 体 制 を 確 立 する 管 理 団 体 である 市 町 村 において 防 火 計 画 を 樹 立 し これに 基 づき 防 火 訓 練 防 火 講 習 会 ま たは 研 究 会 等 を 積 極 的 に 実 施 し 防 火 体 制 を 確 立 する 2 環 境 の 整 理 整 とんを 図 る 防 火 体 制 と 保 護 活 用 の 両 面 から 防 火 を 主 体 とした 文 化 財 の 整 理 整 とんを 実 施 する 3 火 気 の 使 用 を 制 限 する 火 気 の 使 用 は 市 町 村 火 災 予 防 条 例 により 規 制 する 4 火 災 危 険 の 早 期 発 見 と 改 善 等 を 図 る 火 災 の 発 生 するおそれのある 箇 所 を 調 査 し 防 火 診 断 を 受 け これに 基 づき 改 善 する なお 建 造 物 の 防 火 施 設 としては 次 の 設 備 を 整 備 するよう 指 導 する 消 火 設 備 イ 消 火 器 及 び 簡 易 消 火 用 具 ロ 屋 内 消 火 栓 設 備 ハ 屋 外 消 火 栓 設 備 ニ 放 水 銃 ホ スプリンクラー 設 備 ヘ ドレンチャー 設 備 ト 動 力 消 防 ポンプ 設 備 30