マイナス 金 利 導 入 後 の 量 的 質 的 ( 三 次 元 ) 金 融 緩 和 の 内 容 政 策 手 段 内 容 1.マイナス 金 利 金 融 機 関 が 保 有 する 日 銀 当 座 預 金 にマイナス 金 利 を 適 用 具 体 的 には 当 座 預 金 を 適 用 金 利 別 (0.1



Similar documents
第 3 四 半 期 運 用 状 況 の 概 要 第 3 四 半 期 末 の 運 用 資 産 額 は 2,976 億 円 となりました 第 3 四 半 期 の 修 正 総 合 収 益 率 ( 期 間 率 )は +1.79%となりました なお 実 現 収 益 率 は +0.67%です 第 3 四 半 期

平成24年度 業務概況書




2000 年 12 月 輸 出 の 減 速 によりテンポはやや 鈍 化 しているものの 緩 やかな 回 復 を 続 けている 2001 年 1 月 緩 やかな 回 復 を 続 けているが そのテンポは 輸 出 の 減 速 により 鈍 化 している 2001 年 2 月 緩 やかな 回 復 を 続 け

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

Microsoft Word )40期決算公開用.doc

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

39_1

<6D313588EF8FE991E58A778D9191E5834B C8EAE DC58F4992F18F6F816A F990B32E786C73>

<4D F736F F D E598BC68A8897CD82CC8DC490B68B7982D18E598BC68A8893AE82CC8A C98AD682B782E993C195CA915B C98AEE82C382AD936F985E96C68B9690C582CC93C197E1915B927582CC898492B75F8E96914F955D89BF8F915F2E646F6

<4D F736F F F696E74202D2082C882E982D982C DD8ED88EE688F882CC82B582AD82DD C668DDA9770>

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

平 成 27 年 度 第 3 四 半 期 運 用 状 況 の 概 要 第 3 四 半 期 の 運 用 資 産 額 は 2 兆 4,339 億 円 となりました 第 3 四 半 期 の 修 正 総 合 収 益 率 ( 期 間 率 )は +2.05%となりました 実 現 収 益 率 は +1.19%です

<6E32355F8D918DDB8BA697CD8BE28D C8EAE312E786C73>

Microsoft Word - 【QA】外貨MMF受付停止.doc

第316回取締役会議案

連結計算書

スライド 1

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

1. 決 算 の 概 要 法 人 全 体 として 2,459 億 円 の 当 期 総 利 益 を 計 上 し 末 をもって 繰 越 欠 損 金 を 解 消 しています ( : 当 期 総 利 益 2,092 億 円 ) 中 期 計 画 における 収 支 改 善 項 目 に 関 して ( : 繰 越

公表表紙

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 25 年 4 月 1 日 至 平 成 26 年 3 月 31 日 ) ( 単 位 : 百 万 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 75,917 取 引 参 加 料 金 39,032 上 場 関 係 収 入 11,772 情 報 関 係 収 入 13,352 そ

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 新 規 社 ( 社 名 ) 除 外 社 ( 社 名 ) (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の


国 家 公 務 員 の 年 金 払 い 退 職 給 付 の 創 設 について 検 討 を 進 めるものとする 平 成 19 年 法 案 をベースに 一 元 化 の 具 体 的 内 容 について 検 討 する 関 係 省 庁 間 で 調 整 の 上 平 成 24 年 通 常 国 会 への 法 案 提

マネタリーベースと日本銀行の取引(2016年9月)

注 記 事 項 (1) 当 四 半 期 連 結 累 計 期 間 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 : 無 (2) 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 : 有 ( 注 ) 詳 細 は 添 付 資 料 4ページ 2.サマリー 情 報 (

災害時の賃貸住宅居住者の居住の安定確保について

6-1 第 6 章 ストック オプション 会 計 設 例 1 基 本 的 処 理 Check! 1. 費 用 の 計 上 ( 1 年 度 ) 2. 費 用 の 計 上 ( 2 年 度 )- 権 利 不 確 定 による 失 効 見 積 数 の 変 動 - 3. 費 用 の 計 上 ( 3 年 度 )-

1 予 算 の 姿 ( 平 成 25 当 初 予 算 ) 長 野 県 財 政 の 状 況 H 現 在 長 野 県 の 予 算 を 歳 入 面 から 見 ると 自 主 財 源 の 根 幹 である 県 税 が 全 体 の5 分 の1 程 度 しかなく 地 方 交 付 税 や 国 庫 支

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有


PowerPoint プレゼンテーション

添 付 資 料 の 目 次 1.サマリー 情 報 (その 他 )に 関 する 事 項... 2 (1) 当 四 半 期 連 結 累 計 期 間 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動... 2 (2) 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用.

Microsoft PowerPoint - 基金制度

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有

<819A955D89BF92B28F BC690ED97AA8EBA81418FA48BC682CC8A8890AB89BB816A32322E786C7378>

 

<4D F736F F D F8D828D5A939982CC8EF68BC697BF96B38F9E89BB82CC8A6791E52E646F63>

注 記 事 項 (1) 四 半 期 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 : 無 (2) 会 計 方 針 の 変 更 会 計 上 の 見 積 りの 変 更 修 正 再 表 示 1 会 計 基 準 等 の 改 正 に 伴 う 会 計 方 針 の 変 更 : 無 2 1

18 国立高等専門学校機構

m07 北見工業大学 様式①

(1) 貸 借 対 照 表 ( 平 成 26 年 11 月 30 日 現 在 ) ( 単 位 : 千 円 ) 資 産 の 部 負 債 の 部 科 目 金 額 科 目 金 額 流 動 資 産 4,623,985 流 動 負 債 3,859,994 現 金 及 び 預 金 31,763 支 払 手 形

平 成 24 年 4 月 1 日 から 平 成 25 年 3 月 31 日 まで 公 益 目 的 事 業 科 目 公 1 公 2 公 3 公 4 法 人 会 計 合 計 共 通 小 計 苦 情 相 談 解 決 研 修 情 報 提 供 保 証 宅 建 取 引 健 全 育 成 Ⅰ. 一 般 正 味 財

第5回法人課税ディスカッショングループ 法D5-4

1_2013BS(0414)

別紙3

別添資料

Microsoft Word - H20中小会計指針新旧対照表 doc

職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 年 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 福 岡 県 技 能 労 務 職 歳 1,19,98 9,9 歳 8,

平成24年度開設予定大学院等一覧(判定を「不可」とするもの)

科 売 上 原 価 売 上 総 利 益 損 益 計 算 書 ( 自 平 成 26 年 4 月 1 日 至 平 成 27 年 3 月 31 日 ) 目 売 上 高 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 営 業 利 益 営 業 外 収 益 受 取 保 険 金 受 取 支 援 金 補 助 金 収 入 保

16 日本学生支援機構

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

Microsoft Word - 07②-2 補足説明資料1.docx

平成29年2月期 第2四半期決算短信

最 近 5 期 の 運 用 実 績 決 算 期 基 準 価 額 期 中 騰 落 率 公 社 債 組 入 比 率 純 資 産 総 額 円 % % 百 万 円 36 期 末 (2011 年 11 月 19 日 ) 3, 期 末 (2012 年 11 月 19 日

目 次 貸 借 対 照 表 1 損 益 計 算 書 2 キャッシュ フロー 計 算 書 3 利 益 の 処 分 に 関 する 書 類 4 国 立 大 学 法 人 等 業 務 実 施 コスト 計 算 書 5 注 記 事 項 6 附 属 明 細 書 別 紙

波佐見町の給与・定員管理等について

12FBI特会vol1_01編.indd

<4D F736F F D E91E6318E6C94BC8AFA925A904D D838A815B8BA693AF8E9497BF2E646F63>


連 結 損 益 計 算 書 売 上 高 及 びその 他 の 営 業 収 入 営 業 費 用 売 上 原 価 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 研 究 開 発 費 営 業 費 用 合 計 営 業 利 益 営 業 外 収 益 ( 費 用 ) 受 取 利 息 支 払 利 息 営 業 外 収 益 (

定 性 的 情 報 財 務 諸 表 等 1. 連 結 経 営 成 績 に 関 する 定 性 的 情 報 当 第 3 四 半 期 連 結 累 計 期 間 の 業 績 は 売 上 高 につきましては 前 年 同 四 半 期 累 計 期 間 比 15.1% 減 少 の 454 億 27 百 万 円 となり


<4D F736F F D208E52979C8CA78E598BC68F5790CF91A390698F9590AC8BE08CF D6A2E646F6378>

減 少 率 ) と 平 均 余 命 の 伸 びを 勘 案 した 一 定 率 (0.3%) の 合 計 である スライド 調 整 率 を 差 し 引 いて 年 金 額 の 改 定 が 行 われる( 図 表 ) ただし マクロ 経 済 スライドが 完 全 に 実 施 されるのは 賃 金 や 物 価 があ

(1) 率 等 一 覧 ( 平 成 26 年 度 ) 目 課 客 体 及 び 納 義 務 者 課 標 準 及 び 率 法 内 に 住 所 を 有 する ( 均 等 割 所 得 割 ) 内 に 事 務 所 事 業 所 又 は 家 屋 敷 を 有 する で 内 に 住 所 を 有 し ないもの( 均 等

リング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 について 回 収 可 能 性 がないも のとする 原 則 的 な 取 扱 いに 対 して スケジューリング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 を 回 収 できることを 反 証 できる 場 合 に 原 則

<重要な会計方針及び注記>

経 常 収 支 差 引 額 の 状 況 平 成 22 年 度 平 成 21 年 度 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 4,154 億 円 5,234 億 円 1,080 億 円 改 善 赤 字 組 合 の 赤 字 総 額 4,836 億 円 5,636 億 円 800 億 円 減

Microsoft Word - 奨学金相談Q&A.rtf

説 明 内 容 料 金 の 算 定 期 間 と 請 求 の 単 位 について 分 散 検 針 制 日 程 等 別 料 金 料 金 の 算 定 期 間 と 支 払 義 務 発 生 日 日 程 等 別 料 金 の 請 求 スケジュール 料 金 のお 支 払 い 方 法 その 他 各 種 料 金 支 払

しかし 主 に 欧 州 の 一 部 の 回 答 者 は 受 託 責 任 について 資 源 配 分 の 意 思 決 定 の 有 用 性 とは 独 立 の 財 務 報 告 の 目 的 とすべきであると 回 答 した 本 ED に 対 する ASBJ のコメント レターにおける 意 見 経 営 者 の 受

損 益 計 算 書 ( 平 成 25 年 10 月 1 日 から 平 成 26 年 9 月 30 日 まで) ( 単 位 : 千 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 304,971 営 業 費 用 566,243 営 業 総 損 失 261,271 営 業 外 収 益 受 取 利 息 3,545

第 40 回 中 央 近 代 化 基 金 補 完 融 資 推 薦 申 込 み 公 募 要 綱 1 公 募 推 薦 総 枠 30 億 円 一 般 物 流 効 率 化 促 進 中 小 企 業 高 度 化 資 金 貸 付 対 象 事 業 の 合 計 枠 2 公 募 期 間 平 成 28 年 6 月 20

セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

<6D33335F976C8EAE CF6955C A2E786C73>

国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 25 年 4 月 1 日 現 在 ) 1) 一 般 行 政 職 福 島 県 国 類 似 団 体 平 均 年 齢 平

社 会 保 障 税 一 体 改 革 ( 年 金 分 野 )の 経 緯 社 会 保 障 税 一 体 改 革 大 綱 (2 月 17 日 閣 議 決 定 ) 国 年 法 等 改 正 法 案 (2 月 10 日 提 出 ) 法 案 を 提 出 する または 法 案 提 出 を 検 討 する と された 事

<95BD90AC E93788C888E5A82CC8A FEE95F18CF68A4A97702E786C73>

< DB8CAF97BF97A6955C2E786C73>

Q7 従 業 員 に 対 する 現 物 給 付 は 報 酬 給 与 額 に 含 まれます A7 法 人 が 役 員 又 は 使 用 人 のために 給 付 する 金 銭 以 外 の 物 又 は 権 利 その 他 経 済 的 利 益 (いわ ゆる 現 物 給 与 )については 所 得 税 において 給


T T VWAPギャランティ 取 引 とは T T VWAPギャランティ 取 引 とは これまでの 成 行 や 指 値 とは 異 なる 東 海 東 京 証 券 が 提 供 する 新 しい 形 の 売 買 方 法 です その 方 法 とは 1 金 融 商 品 取 引 所 ( 以 下 取 引 所 )に

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

Microsoft Word - 目次.doc

Microsoft PowerPoint - 表紙

検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑

Ⅰ.2015 年 度 (2016 年 3 月 期 ) 決 算 概 要 1


ほかに パート 従 業 員 らの 厚 生 年 金 加 入 の 拡 大 を 促 す 従 業 員 五 百 人 以 下 の 企 業 を 対 象 に 労 使 が 合 意 すれば 今 年 十 月 から 短 時 間 で 働 く 人 も 加 入 できる 対 象 は 約 五 十 万 人 五 百 人 超 の 企 業

資料1:勧告の仕組みとポイント 改【完成】

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

注 記 事 項 (1) 四 半 期 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 : 無 (2) 会 計 方 針 の 変 更 会 計 上 の 見 積 りの 変 更 修 正 再 表 示 1 会 計 基 準 等 の 改 正 に 伴 う 会 計 方 針 の 変 更 : 無 2 1

Transcription:

リサーチ メモ マイナス 金 利 の 波 紋 ( 含 不 動 産 )2 月 の1か 月 間 の 動 きを 追 う 2016 年 2 月 29 日 (マイナス 金 利 の 導 入 の 概 要 ) 1 月 29 日 原 油 安 と 中 国 など 新 興 国 経 済 の 減 速 が デ フレ 脱 却 の 機 運 を 腰 折 れさせかねない 状 況 下 黒 田 日 銀 総 裁 は 金 融 政 策 について 融 資 に 回 さない 金 をなぜ 持 っているのですか と 民 間 金 融 機 関 に 融 資 の 積 極 化 を 促 すことによって 従 来 の 量 的 質 的 金 融 政 策 にはなかった その 意 味 で 三 次 元 ともいわれる マイナス 金 利 の 導 入 という 未 踏 の 領 域 に 踏 み 込 む 政 策 決 定 を 公 表 した 2 月 3 日 の 講 演 会 では 黒 田 日 銀 総 裁 はマイナス 金 利 導 入 の 理 由 について 2%の 物 価 目 標 の 達 成 が 当 初 の 想 定 よりも 時 ( 注 )1 月 31 日 日 経 朝 刊 による 間 がかかっている ためであると 説 明 したうえで 欧 州 (の 中 銀 )の 知 見 を 踏 まえて 量 的 質 的 金 融 緩 和 を 一 段 と 発 展 強 化 させることとした とも 述 べた そして マイナス 金 利 は 中 央 銀 行 の 歴 史 の 中 でおそらく 最 も 強 力 な 枠 組 みだ と 評 価 した 上 企 業 や 家 計 の 経 済 活 動 に 好 影 響 をもたらす と 語 った (マイナス 金 利 の 適 用 対 象 ) 日 銀 は 1 月 29 日 の 段 階 では 当 座 預 金 の 一 部 にマイナス 0.1% の 金 利 を 課 すことを 決 めたものの 対 象 の 規 模 を 示 していなかった 日 経 新 聞 の 2 月 4 日 の 報 道 によれば 1 月 29 日 の 段 階 で 日 銀 の 当 座 預 金 残 高 約 250 兆 円 のうち 240 兆 円 ( 超 過 準 備 預 金 に 相 当 )には 引 き 続 き 年 0.1%の 金 利 を 支 払 い 残 り 10 兆 円 ( 法 定 準 備 預 金 に 相 当 )の 金 利 は 0%であったものが マイナス 金 利 が 適 用 される 2 月 16 日 以 降 は 今 後 年 80 兆 円 程 度 増 える 見 通 しの 日 銀 当 座 預 金 の うち その 大 半 の 金 利 は 0%とし マイナス 金 利 を 適 用 する 政 策 金 利 残 高 は 10 兆 円 ~30 兆 円 にとどめる 方 針 であるとのことである マイナス 金 利 の 対 象 を 広 げないのは マイナス 金 利 の 導 入 を 発 表 し てから 国 債 利 回 りは 大 幅 に 低 下 しており マイナス 金 利 の 対 象 が 少 額 でも 幅 広 い 金 利 にマイナスへの 圧 力 がかかると 日 銀 が 判 断 し ( 注 )2 月 4 日 日 経 朝 刊 による たことに 加 え 超 過 準 備 の 付 利 0.1%がなくなることに 伴 い 確 実 に 減 少 する 銀 行 収 益 への 悪 影 響 を 抑 える 狙 いもある すなわち 仮 に 当 座 預 金 全 てがマイナス 金 利 となれば 金 融 機 関 全 体 で 年 2000 億 円 以 上 の 損 失 が 生 まれるが 対 象 が 10 兆 ~30 兆 円 なら 損 失 は 200 億 円 前 後 にとどまる 見 通 しであり 金 融 仲 介 機 能 を 損 なうおそれが 少 な いと 判 断 されたためである 一 般 財 団 法 人 土 地 総 合 研 究 所 1

マイナス 金 利 導 入 後 の 量 的 質 的 ( 三 次 元 ) 金 融 緩 和 の 内 容 政 策 手 段 内 容 1.マイナス 金 利 金 融 機 関 が 保 有 する 日 銀 当 座 預 金 にマイナス 金 利 を 適 用 具 体 的 には 当 座 預 金 を 適 用 金 利 別 (0.1%( 基 礎 残 高 ),0.0%(マクロ 加 算 残 高 ), 0.1%( 政 策 金 利 残 高 ))の 3 段 階 に 分 けることで 金 融 機 関 の 収 益 や 金 融 仲 介 機 能 に 配 慮 2. 量 的 目 標 マネタリーベースの 残 高 は 年 間 80 兆 円 に 相 当 するベースで 増 加 という 従 来 の 目 標 を 維 持 ( 上 場 投 資 信 託 (ETF) 不 動 産 投 資 信 託 (J-REIT)の 買 い 入 れ 拡 大 (ETF は 年 間 3 兆 円 J-REIT は 年 間 300 億 円 ) 3. 質 的 補 完 措 置 ( 注 ) 日 銀 が 購 入 する 長 期 国 債 の 平 均 年 限 を 7~12 年 で 維 持 等 4.2%の 物 価 上 昇 目 標 達 成 時 期 を 平 成 28 年 後 半 から 平 成 29 年 前 半 へ 先 送 り ( 注 )QQE( 量 的 質 的 金 融 緩 和 )の 補 完 措 置 の 主 なものは 以 下 のとおり (1) 新 たな ETF 買 い 入 れ 枠 の 設 定 現 在 の 年 間 3 兆 円 の 買 い 入 れに 加 え, 新 たに 3000 億 円 を 追 加 (2015 年 11 月 末 残 高 は 6.5 兆 円 ) (2) 長 期 国 債 買 い 入 れの 平 均 残 存 年 限 の 長 期 化 7~10 年 から 7~12 年 に 長 期 化 (3)J-REIT の 買 い 入 れ 限 度 額 の 引 き 上 げ 現 在 の 年 間 900 億 円 の 買 い 入 れに 加 え 銘 柄 別 の 買 い 入 れ 限 度 額 を 当 該 銘 柄 の 発 行 済 み 投 資 口 の 5% 以 内 から 10% 以 内 に 引 き 上 げ(2015 年 11 月 末 残 高 は 0.26 兆 円 ) (マイナス 金 利 の 持 つ 意 味 について) 第 一 に マイナス 金 利 の 導 入 は 名 目 金 利 がマイナスにはならないという 制 約 を 打 破 したという 点 で 金 融 政 策 の 大 きな 転 換 点 であると 評 価 される 新 たに 導 入 された 名 目 金 利 をマイナスに 下 げれば 金 融 機 関 が 余 剰 資 金 を 日 銀 当 座 預 金 に 預 けたままにするのではなく 金 融 市 場 での 運 用 を 通 じて 企 業 設 備 投 資 や 家 計 の 消 費 が 刺 激 されると 考 えられるからである そうであれば さらに それが 物 価 上 昇 を 通 じて 人 々の 予 想 インフレ 率 を 高 めることにより 実 質 金 利 の 低 下 がもたらされる( 実 質 金 利 = 名 目 金 利 期 待 インフレ 率 ) もっとも,この 点 については 金 融 機 関 の 収 益 悪 化 が 融 資 の 縮 小 を 招 くとの 見 解 も 少 なくない 第 二 に より 長 期 的 には 日 本 の 成 長 力 の 長 期 停 滞 の 下 で 自 然 利 子 率 は 既 にマイナスに 落 ち 込 んで いるとも 言 われており 期 待 インフレ 率 を 高 めて 実 質 金 利 を 自 然 利 子 率 を 下 回 る 低 い 水 準 にまで 誘 導 す ることができれば デフレ 均 衡 を 脱 出 するうえで 今 回 のマイナス 金 利 がプラス 要 因 として 働 くことが 期 待 されるが マイナス 金 利 はこれに 寄 与 するものである これについて 2 月 22 日 日 経 朝 刊 において 日 経 新 聞 社 の 滝 田 洋 一 編 集 委 員 は 冷 静 に 考 えれば マイナス 金 利 政 策 は 魔 界 に 扉 を 開 く 策 でもない 代 わりに 経 済 の 困 難 を 一 気 に 打 開 する 魔 法 の 杖 でもない として マイナスになっていると 危 惧 され る 自 然 利 子 率 の 上 昇 = 潜 在 成 長 力 の 回 復 が 先 決 であると 論 説 した 第 三 は 今 回 のマイナス 金 利 政 策 により 短 期 金 融 市 場 における 金 利 を 引 き 下 げることを 通 じて 短 期 金 融 市 場 でマイナス 金 利 が 常 態 化 するだけでなく マイナス 金 利 の 下 では 日 銀 の 買 いオペに 応 じるこ とが 金 融 機 関 のコスト 増 要 因 になる 以 上 日 銀 は 相 応 の 高 い 価 格 ( 低 い 金 利 )を 金 融 機 関 に 払 わないと いけないので 長 期 国 債 についても 従 来 よりゼロに 近 い あるいはゼロを 割 り 込 む 金 利 水 準 が 定 着 し イールドカーブ 全 体 が 押 し 下 げられることが 予 想 されていた このことについては 早 くも 2 月 3 日 の 債 一 般 財 団 法 人 土 地 総 合 研 究 所 2

券 市 場 で 長 期 金 利 の 代 表 的 な 指 標 である 新 発 10 年 物 国 債 利 回 りが 一 時 0.045%に 低 下 過 去 最 低 を 更 新 しただけでなく 償 還 までの 期 間 が 9 年 の 債 券 まで 利 回 りがマイナスに 沈 んだ こうした 中 で 2 月 9 日 には 長 期 金 利 の 指 標 となる 新 発 10 年 物 国 債 の 利 回 りが 初 めてマイナス 0.035%まで 低 下 し 返 済 期 間 の 長 い 資 金 の 借 り 手 が 利 息 を 貰 うという 異 例 の 事 態 に 突 入 した(2 月 25 日 には 新 発 10 年 国 債 の 利 回 りは-0.065%と 過 去 最 低 の 水 準 で 取 引 を 終 了 し 長 期 金 利 の 低 下 圧 力 は 次 第 に 強 まっている 様 相 である) 2 月 13 日 の 日 経 朝 刊 で 野 口 悠 起 雄 早 大 ファイナンス 総 合 研 究 所 顧 問 は マイナス 金 利 政 策 をどう 評 価 するか についてのインタビューに 対 し 日 銀 が 国 債 を 割 高 な 価 格 で 買 い 取 ることは ( 銀 行 の 収 益 を 支 えるために) 将 来 の 国 債 の 値 下 がりコストを 日 銀 ひいては 将 来 の 国 民 が 負 担 を 負 うことに なる との 懸 念 を 表 明 している なお マイナス 金 利 の 影 響 は 順 次 広 がりを 見 せており 2 月 17 日 には 金 融 機 関 同 士 の 貸 借 で 翌 日 決 済 するいわゆる 無 担 保 コール 翌 日 物 の 取 引 で 最 低 金 利 はマイナス 0.05%を 記 録 した 金 機 関 融 機 関 が 資 金 を 日 銀 に 預 けておくままにして 0.1%の 金 利 分 の 損 をするより 0.1%を 下 回 る 範 囲 であれば 損 失 を 抑 えられると 判 断 されたためである しかし このような 取 引 への 抵 抗 感 も 強 く このところ 短 期 のコール 市 場 の 取 引 は 通 常 の 4 分 の 1 に 当 たる 日 額 5 兆 円 程 度 に 縮 小 している 状 況 である 預 金 金 利 の 引 き 下 げの 表 明 も 相 次 いでいる しかし 一 部 の 信 用 金 庫 などには この 機 会 に 安 定 した 資 金 量 を 確 保 しておきたいと 逆 に 預 金 金 利 の 引 き 上 げを 表 明 するところも 現 れた 将 来 の 動 きの 不 確 実 性 が 高 ま る 中 で 金 融 業 界 には 想 定 外 のものを 含 めて しばらくは 様 々な 錯 綜 した 動 きが 生 じそうである ( 注 )2 月 3 日 日 経 朝 刊 による ( 注 )2 月 9 日 日 経 夕 刊 による 第 四 に 日 銀 のマネタリーベースを 今 後 とも 年 間 80 兆 円 のペースで 増 やすという 量 的 質 的 緩 和 の 基 本 政 策 からすると マイナス 金 利 は 銀 行 の 国 債 売 り 惜 しみを 通 じてマネタリーベースを 限 界 的 には 削 減 するという 逆 の 効 果 を 持 つ 側 面 があり 厳 密 な 意 味 では 従 来 の 量 的 質 的 金 融 緩 和 政 策 と 整 合 的 である とは 言 い 切 れないという 問 題 がある また 先 行 してマイナス 金 利 を 導 入 している ECB や 非 ユーロ 圏 のスウエーデン デンマーク スイスなどでも 現 在 それが 個 人 の 預 金 金 利 にまでには 影 響 を 及 ぼさな いように 歯 止 めをかけて 運 用 されているが どこまでシステム 的 な 担 保 があるのかは 必 ずしも 明 確 には 一 般 財 団 法 人 土 地 総 合 研 究 所 3

なっていない この 点 日 銀 の 黒 田 総 裁 は 1 月 18 日 の 衆 議 院 予 算 委 員 会 での 質 問 に 対 し 個 人 預 金 にマイナスが 付 く 可 能 性 はないだろう と 確 定 的 な 答 弁 を 避 けており 個 人 の 預 金 金 利 が 制 度 的 には マイナスになる 可 能 性 を 完 全 には 否 定 し 切 れていないことが 気 がかりである なお 2 月 10 日 の 日 経 経 済 教 室 では 翁 邦 雄 京 都 大 学 教 授 は 自 然 利 子 率 の 趨 勢 的 な 低 下 によって 期 待 への 働 き 掛 けによる 実 質 利 子 率 低 下 が 壁 に 突 き 当 たっている 以 上 金 利 概 念 を 復 活 させるマイナス 金 利 誘 導 政 策 の 導 入 はある 意 味 でやむを 得 ないものの 預 金 金 利 の 低 下 を 伴 わないマイナス 金 利 の 拡 大 は 必 然 的 に 金 融 機 関 の 経 営 を 困 難 な 状 態 に 追 い 込 むと 警 告 している これに 関 連 して NHK の 2 月 12 日 の 毎 朝 ラジオ 番 組 の 中 で 小 幡 績 慶 応 大 学 准 教 授 は マイナス 金 利 は 銀 行 行 動 を 融 資 縮 小 に 向 かわせ るので 本 来 はやめるべき 政 策 だと 述 べている 第 五 は マイナス 金 利 政 策 には 実 質 金 利 への 働 きかけ 以 外 に 内 外 金 利 差 を 通 じた 自 国 通 貨 安 が 結 果 として 円 高 阻 止 の 効 果 をもたらす 側 面 があると 考 えられる ところが 現 実 には 米 国 の 景 気 回 復 が 必 ずしも 順 調 とは 言 えないこと( 例 えば 1 月 の 雇 用 統 計 では 景 気 の 動 向 を 敏 感 に 映 す 非 農 業 部 門 の 雇 用 者 増 加 数 は 15.1 万 と 目 安 の 20 万 人 以 上 を 下 回 った)や FRB のイエレン 議 長 が 2 月 10 日 に 米 国 政 策 金 利 の 追 加 利 上 げについて 減 速 発 言 をしたこともあり 米 国 の 金 利 引 き 上 げに 対 する 観 測 が 後 退 気 味 となり 期 待 されていた 円 安 効 果 は 打 ち 消 されているのが 現 状 である この 点 2 月 8 日 の 日 経 朝 刊 経 済 教 室 において 植 田 和 男 東 大 教 授 は 為 替 相 場 もマイナス 金 利 に 一 時 強 く 反 応 した しかしここには 大 きなリスクが 潜 んでいる 金 融 緩 和 の 波 及 経 路 が 通 貨 安 に 集 中 すれ ばするほど 各 国 が 自 国 通 貨 安 を 避 けようとするので 世 界 全 体 としては 緩 和 効 果 がゼロに 近 づく と 指 摘 した その 他 当 面 考 えられるマイナス 金 利 の 副 作 用 としては 第 一 に いずれの 金 融 機 関 も 今 後 収 支 の 悪 化 が 避 けられないが 中 でも 海 外 展 開 に 活 路 を 見 出 す 余 地 の 少 ない 地 方 銀 行 等 において 既 に 進 行 している 再 編 の 動 きが 加 速 される 可 能 性 があること(2 月 26 日 の 日 経 朝 刊 は ふくおか FG ( 従 来 に 福 岡 銀 行 親 和 銀 行 ( 長 崎 県 ) 熊 本 銀 行 の 統 合 体 )と 長 崎 県 の 十 八 銀 行 が 2 月 26 日 に 統 合 を 発 表 した 背 景 に マイナス 金 利 による 収 益 環 境 の 悪 化 があると 報 じている) 第 二 に 日 銀 の 金 利 操 作 の 余 地 が 広 がるというメリットが 生 ずる 一 面 で 2013 年 4 月 以 来 の 量 的 質 的 緩 和 政 策 の 打 ち 止 め 感 が 否 定 できなくなること 第 三 に マイナス 金 利 政 策 はないと 1 月 中 旬 まで 明 言 していた 日 銀 総 裁 発 言 が 裏 切 られたことで 今 後 の 市 場 との 対 話 フォワードガイダンスを 重 視 する 日 銀 の 政 策 決 定 に 悪 影 響 が 及 ぶ 恐 れが 生 じることなどが 考 えられる 2 月 29 日 の 日 経 朝 刊 は 一 面 で アベノミクス を 評 価 しない が 50%で 評 価 する 31%を 大 きく 上 回 る 結 果 となった 日 本 経 済 新 聞 社 とテレビ 東 京 の 共 同 調 査 ( 実 施 日 2 月 26 日 ~28 日 ; 有 効 回 答 数 1306 件 )の 結 果 を 報 道 した 昨 年 2 月 以 降 評 価 しない が 5 割 に 届 くのは 初 めてで アベノミ クスの 成 果 が 思 うに 任 せない 状 況 が 国 民 の 間 に 懐 疑 的 な 見 方 を 広 げているのが 気 がかりである (デフレ 回 帰 の 恐 れ) マイナス 金 利 はむしろデフレ 回 帰 の 恐 れを 強 めると 警 告 するのが 櫻 川 昌 哉 慶 応 大 学 教 授 である 2 月 9 日 の 日 経 朝 刊 経 済 教 室 において 名 目 利 子 率 = 実 質 利 子 率 + 期 待 物 上 昇 率 というフィッシャー 方 程 式 を 用 いて 以 下 のように 説 明 する 一 般 財 団 法 人 土 地 総 合 研 究 所 4

名 目 利 子 率 実 質 利 子 率 期 待 物 価 上 昇 率 1 過 去 20 年 0% +1% 1% 2マイナス 金 利 マイナス 金 利 +α% (α+δα)% ここ 20 年 来 の 平 均 的 な 状 況 は GDP の 代 理 変 数 と 見 ることのできる 実 質 利 子 率 は+1% ( 期 待 ) 物 価 上 昇 率 が 1%であり 名 目 利 子 率 がゼロであった 名 目 利 子 率 を 長 期 にわたりゼロに 据 え 置 くと, 実 物 資 産 の 収 益 率 を 示 す 実 質 利 子 率 とマイナスの 期 待 物 価 上 昇 率 で 示 される 貨 幣 の 収 益 率 とが 等 しくなる ので 実 物 資 産 へのシフトが 起 きるどころか 逆 に 貨 幣 で 資 産 を 保 有 しようとすることから 生 じる 流 動 性 の 罠 により 経 済 の 拡 大 にとって 望 ましくない 動 きが 生 じ 2014 年 春 以 来 そこからの 脱 却 が 目 指 されているものの 未 だ 実 現 できないでいる 現 在 の 状 況 下 で 名 目 金 利 をゼロに 据 え 置 いて 人 々の 期 待 に 働 きかける 政 策 を 引 き 続 き 継 続 するだけにとどめず さらに 名 目 金 利 をマイナスに 下 げて そのマイ ナス 金 利 が 金 融 市 場 一 般 に 及 ぶようになると 貨 幣 の 収 益 率 が 実 質 利 子 率 を 上 回 るので 人 々は 銀 行 に 預 金 をしなくなり 金 融 仲 介 機 能 の 劣 化 を 通 じて 銀 行 の 信 用 創 造 が 縮 小 し デフレ 不 況 が 深 刻 化 してし まうと 指 摘 した また 本 来 短 期 のカンフル 剤 であった 量 的 質 的 金 融 緩 和 が 長 期 化 し それが 短 期 金 利 のみならず 長 期 金 利 にまでマイナス 金 利 が 及 ぶような 局 面 になると 預 金 へのペナルティが 課 されて 人 々の 不 安 をあ おるだけでなく 政 府 の 財 政 再 建 の 必 要 性 への 認 識 も 希 薄 になり それを 先 送 りする 誘 因 になりかねな いとも 警 告 している 以 上 のことから 桜 川 教 授 は 日 銀 は 出 口 戦 略 の 明 示 により 人 々のマイナス 金 利 の 長 期 化 予 想 を 排 しつつ マイナス 金 利 政 策 の 副 作 用 を 含 めた 総 効 果 をよく 見 極 め 賢 明 な 判 断 を 行 うよう 求 めている (マイナス 金 利 と 不 動 産 市 場 ) マイナス 金 利 により 経 済 活 動 が 活 発 になれば 所 得 効 果 を 通 じて 一 般 論 として 言 えば 不 動 産 市 場 に はプラスの 需 要 効 果 が 生 ずる やや 具 体 的 に 指 摘 すれば 第 一 に 消 費 税 の 引 き 上 げを 控 え イールド カーブ 全 体 の 下 方 シフトの 中 で 住 宅 ローン 金 利 の 引 き 下 げが 住 宅 建 設 の 促 進 に 繋 がること ( 注 ) 第 二 は 金 融 機 関 の 不 動 産 業 向 け 融 資 態 度 が 従 来 よりも 緩 む 可 能 性 があり これが 物 流 ホテル ヘルスケ アなどの 実 物 不 動 産 投 資 を 促 進 すること 第 三 は J-REIT の 予 想 分 配 金 利 回 りと 10 年 国 債 利 回 りの 差 で 示 されるスプレッドが リート 会 社 の 借 入 金 支 払 利 息 の 低 下 に 伴 う 分 配 金 の 増 加 による 分 配 利 回 りの 上 昇 及 び 国 債 利 回 りの 低 下 により 拡 大 し J-REIT 投 資 が 活 発 化 し これが 一 部 で 実 物 の 不 動 産 投 資 を 増 加 させる 経 路 となることなどが 考 えられる 2 月 16 日 の 日 経 朝 刊 21 面 では,クレディ スイス 幹 部 の ナネット ヘシュラー フェデルブ 氏 の 所 見 として スイスでのマイナス 金 利 導 入 が 企 業 や 機 関 投 資 家 などの 法 人 預 金 に 手 数 料 が 課 されるようになったこと 資 金 運 用 が 不 動 産 にシフとしたこと 為 替 リ スクヘッジコストが 高 まり 海 外 投 資 資 金 が 国 内 に 戻 り 不 動 産 のほか 国 内 株 に 流 入 したことを 紹 介 し 日 本 でも, 賃 料 収 入 が 見 込 める 不 動 産 投 資 信 託 (REIT)などの 有 利 性 が 高 まると 指 摘 した 2 月 26 日 の ( 注 ) 2 月 14 日 日 経 朝 刊 3 面 では 欧 州 マイナス 金 利 の 影 と 題 し デンマークでは 3 年 半 前 に 導 入 されたマイナス 金 利 の 低 下 が 住 宅 ブームを 引 き 起 こし 一 部 の 地 域 では 5 年 間 に 価 格 が 4 倍 になるなどのバブル 的 様 相 を 呈 し 政 府 が 融 資 規 制 を 強 化 するなどの 措 置 を 講 じたことなどが 報 道 されている 一 般 財 団 法 人 土 地 総 合 研 究 所 5

日 経 朝 刊 は 2 面 で{REIT 時 価 総 額 時 価 ( 約 11 兆 5700 億 円 ) 最 大 マイナス 金 利 下 利 回 り 魅 力 }と 題 する 記 事 を 掲 載 している. ( 注 )2 月 26 日 日 経 朝 刊 による しかしマイナス 金 利 が 人 々の 不 安 を 増 幅 させ 投 資 の 低 迷 を 通 じて 期 待 成 長 率 を 低 下 させるとすれば 長 期 的 に 不 動 産 価 格 が 下 落 するので 不 動 産 が 収 益 資 産 として 広 く 投 資 の 対 象 とはなりにくいであ ろう. 好 調 と 言 われる REIT 相 場 がさらに 上 がれば 利 回 りが 下 がるので 注 意 が 必 要 な 局 面 であり こう した 中 で マイナス 金 利 が 開 始 された 翌 日 の 2 月 17 日 の 日 経 朝 刊 一 面 は 建 設 費 の 高 止 まりで 販 売 が 鈍 る 不 動 産 業 界 では マイナス 金 利 の 波 及 効 果 に 期 待 が 高 まる と 報 道 しつつも 効 果 は 未 知 数 と 総 括 した (このところ 増 える 不 動 産 業 向 け 融 資 ) 2 月 21 日 日 経 朝 刊 は 一 面 トップ 記 事 で 2015 年 の 不 動 産 業 向 け 新 規 貸 出 額 (10.7 兆 円 )がバブル 期 の 1989 年 の 新 規 貸 出 額 (10.4 兆 円 )を 上 回 る 急 増 (2015 年 の 対 前 年 比 の 増 加 率 は 6.1%)を 示 したこと を 報 じている また 融 資 残 高 ベースでみても 不 動 産 業 向 け 融 資 残 高 はこのところ 全 産 業 平 均 に 比 し て 高 い 伸 び 率 となっており マイナス 金 利 の 下 で これがどのように 推 移 するのか 今 後 の 動 向 が 注 目 されるところである( 本 レポートは 2 月 27 日 現 在 で 記 述 した) 一 般 財 団 法 人 土 地 総 合 研 究 所 6

( 注 )2 月 21 日, 日 経 朝 刊 による ( 兆 円 ) 6.8 6.6 6.4 6.2 6 5.8 5.6 6 (%) 4 2 0-2 -4 不 動 産 業 向 け 貸 し 出 し 残 高 ( 左 軸 ) 総 貸 出 残 高 に 占 める 不 動 産 業 向 け 貸 出 残 高 割 合 不 動 産 業 向 け 貸 し 出 しの 伸 び 率 ( 前 年 同 期 比 ) 総 貸 出 残 高 の 伸 び 率 ( 前 年 同 期 比 ) (%) 14.8 14.6 14.4 14.2 14 13.8 13.6 ( 注 ) 日 銀 統 計 月 報 により 土 地 総 合 研 究 所 が 作 成 一 般 財 団 法 人 土 地 総 合 研 究 所 7

( 参 考 ) 不 動 産 市 場 への 影 響 住 宅 ローン 3 メガ 銀 の 住 宅 ローン 金 利 (10 年 固 定 型 最 優 遇 )は 年 1.05% 市 場 動 向 を 踏 ま え 一 段 の 引 き 下 げを 検 討 する 10 年 固 定 型 は 長 期 金 利 変 動 型 は 短 期 金 利 にほぼ 連 動 して 決 まるためだ 長 期 固 定 ローンのフラット 35 の 金 利 が 一 段 と 低 下 住 宅 金 融 支 援 機 構 によると 返 済 期 間 35 年 以 下 ( 融 資 率 9 割 以 下 )の 取 扱 金 融 機 関 の 最 低 金 利 は 1.48%と 9 カ 月 ぶりの 低 水 準 3 月 に 過 去 最 低 (1.37%)を 更 新 し 1.25%となった 不 動 産 業 向 け 融 資 不 動 産 業 向 け 融 資 残 高 は 2015 年 以 降 全 産 業 平 均 を 上 回 る 率 で 増 加 している 2015 年 12 月 末 現 在 の 総 貸 出 残 高 の 対 前 年 同 期 比 増 加 率 は 2.3%に 対 し 不 動 産 業 向 け 融 資 残 高 の 同 増 加 率 は 5.2% J-REIT 市 場 東 証 リート 指 数 は 比 較 的 堅 調 (1620(1/20) 1882(2/25)(+16.2%)) 日 経 平 均 株 価 は 下 落 (16416.19(1/20) 16140.34(2/15) ( 2.7%)) ( 注 ) 土 地 総 合 研 究 所 作 成 ( 参 考 )マイナス 金 利 の 影 響 ( 総 括 ) ( 注 )2 月 27 日 日 経 新 聞 朝 刊 による ( 荒 井 俊 行 ) 一 般 財 団 法 人 土 地 総 合 研 究 所 8