国 際 金 融 安 定 性 報 告 書 (GFSR) 市 場 アップデート 21 年 1 月 ( 参 考 仮 訳 ) 金 融 システムは 安 定 化 するも 出 口 戦 略 金 融 改 革 財 政 面 の 課 題 が 待 ち 受 ける 経 済 ファンダメンタルズが 改 善 し 大 規 模 な 公 的 支 援 が 続 くなか 金 融 システムに かかるリスクは 沈 静 化 している 改 善 が 見 られるとは 言 え 多 くの 先 進 諸 国 と 大 き な 打 撃 を 受 けた 一 部 新 興 市 場 国 の 金 融 の 安 定 性 は 依 然 強 固 なものとは 言 えない 信 用 仲 介 の 正 常 化 のため これらの 銀 行 システムの 健 全 化 を 進 めることを 最 優 先 すべ きである 金 融 リスクの 国 のバランス シートへの 転 嫁 と 公 的 債 務 残 高 の 増 加 は 金 融 安 定 性 リスクを 高 める 要 因 となっており 出 口 戦 略 を 複 雑 なものとしている 一 部 の 新 興 市 場 国 では 資 本 流 入 による 資 産 価 格 の 高 騰 と 為 替 上 昇 圧 力 が 懸 念 され 始 めている これらの 国 では 金 融 安 定 性 のリスクを 抑 えるため 公 的 な 支 援 からより 早 期 に 出 口 を 探 る 必 要 があるかもしれない すべての 国 にとって 究 極 の 目 標 は 異 例 の 公 的 な 介 入 から 脱 却 し より 安 定 的 で しかも 持 続 的 経 済 成 長 を 支 えるダイナ ミズムを 失 わない 金 融 システムに 移 行 することである 経 済 ファンダメンタルズの 改 善 と 持 続 的 な 政 策 面 からの 支 援 を 受 け 金 融 市 場 は 底 打 ち 後 力 強 い 回 復 を 見 せている(21 年 1 月 版 改 訂 世 界 経 済 見 通 し(WEO) を 参 照 のこと) リスク 選 好 は 戻 り 株 式 市 場 は 回 復 し 資 本 市 場 からの 資 金 アクセス も 復 活 した 金 融 経 済 活 動 の 崩 壊 という 危 惧 された 最 悪 のシナリオが 回 避 された 結 果 広 範 な 資 産 で 歴 史 的 な 底 値 からの 急 速 な 回 復 が 見 られた ( 図 1) 順 調 な 回 復 を 背 景 にシステム 全 体 のリスクは 総 じて 低 下 した 経 済 見 通 しの 好 転 と マクロ 経 済 リスクの 低 下 ならびに 緩 和 的 な 通 貨 金 融 環 境 を 反 映 して 信 用 リスク 市 場 リスクは 総 じて 低 下 した 新 興 市 場 のリスクも 減 少 した 緩 和 的 な 通 貨 金 融 環 境 は 有 益 ではあるものの 将 来 に 向 けての 課 題 を 内 包 しており これらの 課 題 に 対 して 慎 重 な 対 応 が 今 後 必 要 となろう 全 般 的 な 状 況 は 改 善 しているとは 言 え 金 融 システムの 修 復 は 決 して 完 了 しておら ず 金 融 システムは 依 然 潜 在 的 な 不 安 定 性 を 内 包 している 喫 緊 の 課 題 が 危 機 対 応 上 残 る 一 方 異 例 の 政 策 対 応 の 副 産 物 として 別 種 の 新 たなリスクも 認 識 され 始 めて いる 即 ち 空 前 の 公 的 な 支 援 は 国 のバランスシート 上 のリスクの 増 加 と 債 務 負 担 の 増 嵩 をもたらし 将 来 に 向 けての 金 融 システム 安 定 のリスク 要 因 となっている 同 時 に いくつかの 新 興 市 場 国 では 経 済 が 急 激 に 回 復 し 資 産 価 格 と 為 替 への 増 価
2 圧 力 が 問 題 となり 始 めている その 結 果 改 革 なった 金 融 システムに 向 けての 出 口 戦 略 のタイミング 順 序 執 行 の 各 面 で 巧 みな 政 策 運 営 を 要 求 される 銀 行 と 与 信 最 重 要 の 課 題 は 銀 行 システムの 健 全 性 を 回 復 させ 与 信 市 場 全 般 を 改 善 させること である このため 現 下 のレバレッジ 解 消 の 過 程 が 整 然 と 進 み 景 気 回 復 に 水 を 差 すような 急 激 な 調 整 を 必 要 としないようにすべきである 損 失 の 吸 収 は 進 捗 してお り 資 本 増 強 もこれを 支 えている IMF による 先 進 国 の 銀 行 部 門 の 損 失 総 額 の 推 計 については 21 年 4 月 の GFSR において 再 推 計 を 行 う 予 定 である ただ 銀 行 が 保 有 する 証 券 の 価 格 回 復 が 見 られることから 現 時 点 においても 前 回 推 計 よりは 損 失 額 は 若 干 減 少 しているものと 思 われる 今 後 については 資 本 増 強 は 進 んでいるとはいえ バーゼルの 新 自 己 資 本 規 制 のも とで 経 済 成 長 に 必 要 な 信 用 供 与 を 行 っていくためには 今 後 もかなりの 規 模 の 追 加 的 増 資 が 必 要 となるかもしれない 29 年 1 月 の GFSR における 所 要 増 資 額 の 推 計 は 市 場 が 要 求 していると 考 えられる 自 己 資 本 レベルを 基 に 行 っているが バーゼル の 新 基 準 自 体 この 市 場 の 見 方 に 似 た 水 準 に 収 斂 しつつあるように 見 える 商 業 不 動 産 向 けエキスポージャーにかかる 与 信 ロスは 今 後 大 幅 な 増 加 を 示 すと 見 込 まれる ( 図 2) 予 想 損 失 額 は 不 動 産 価 格 の 上 昇 とその 後 の 下 落 が 大 幅 だった 国 々 に 集 中 しており 我 々の 従 前 の 推 計 に 沿 った 増 加 になると 見 込 まれる 銀 行 は 自 己 資 本 の 増 強 だけでなく 資 金 調 達 面 での 問 題 が 起 きる 可 能 性 をも 視 野 に おいて 対 応 を 準 備 する 必 要 がある 29 年 1 月 の GFSR でも 注 意 したように 211 年 から213 年 にかけて 償 還 の 大 きな 瘤 がある この 満 期 集 中 は 危 機 時 に 資 金 の 取 入 れの 満 期 構 成 が 短 期 化 したことによる 今 後 万 一 信 認 が 弱 まること があれば この 債 務 の 借 換 えに 大 きな 支 障 をきたすおそれがある より 当 面 の 心 配 は 中 央 銀 行 による 流 動 性 の 特 別 供 給 プログラムや 銀 行 債 務 に 対 する 政 府 保 証 の 停 止 の 影 響 である マネー マーケットや 資 金 調 達 市 場 が 正 常 化 するに 伴 い こうしたプログラムの 利 用 は 減 ってきているが こうしたプログラムに 頼 ら ざるを 得 ない 銀 行 も 少 数 ながら 残 っている 資 金 調 達 の 公 的 支 援 を 停 止 するに 当 た っては こうした 弱 い 銀 行 への 対 応 をしておく 必 要 がある さもなければ こうし た 銀 行 が 再 び 困 難 に 陥 り その 結 果 銀 行 システム 全 般 に 対 する 信 認 が 低 下 し シス テムの 安 定 が 損 なわれるおそれもある
3 経 済 の 先 行 き 改 善 にもかかわらず 先 進 国 における 与 信 の 伸 びはいまだ 回 復 していな い( 図 3) 貸 出 態 度 調 査 によると 米 国 とユーロ 圏 のいずれにおいても 未 だ 厳 格 化 の 方 向 にある もっとも 厳 格 化 の 程 度 はだいぶ 緩 和 されてきている 貸 出 し 低 迷 については 供 給 側 の 要 因 もあるが 足 下 の 借 入 需 要 の 弱 さが 主 たる 原 因 である と 見 られる 信 用 サイクルが 一 巡 する 中 銀 行 与 信 は 依 然 として 縮 小 を 続 けている 底 打 ちも 近 いと 思 われるが その 後 に 力 強 い 回 復 が 見 られるとの 確 かな 見 込 みはない 社 債 発 行 等 による 非 銀 行 部 門 からの 資 金 調 達 は 急 拡 大 しているが 銀 行 融 資 の 減 少 を 埋 め 合 わせるほどの 規 模 はなく しかも 既 存 借 入 のリファイナンスのためのものが 大 宗 を 占 めている 経 済 見 通 しの 改 善 により 資 金 需 要 は 増 加 し 銀 行 の 貸 出 し 態 度 も 積 極 化 すると 見 られるが 資 本 資 金 調 達 両 面 の 課 題 に 直 面 し 今 後 銀 行 の 貸 出 し 能 力 が 融 資 拡 大 の 制 約 となることも 考 えられる 将 来 の 銀 行 規 制 の 枠 組 みが 不 透 明 なこ とも 銀 行 の 貸 出 し 態 度 に 影 響 を 与 えそうである 償 却 の 増 加 資 本 資 金 調 達 面 での 圧 力 与 信 の 伸 びの 低 さが 今 後 の 銀 行 の 収 益 性 に 悪 影 響 を 与 えそうである こうした 状 況 は より 大 胆 に 銀 行 のリストラを 進 め 銀 行 の 資 本 バッファーを 積 上 げ 将 来 のショックに 備 える 必 要 を 示 している 新 興 市 場 国 への 資 本 流 入 新 興 市 場 国 への 銀 行 資 金 の 流 入 はいまだ 回 復 していないが ポートフォリオ 投 資 資 金 の 流 入 回 復 により 新 興 市 場 国 の 資 産 価 格 が 反 騰 している 特 に 株 価 の 回 復 は 顕 著 であり 株 価 ほどではないが 不 動 産 価 格 も 回 復 している こうした 資 本 流 入 は 資 産 価 格 バブルにつながるのではないか 為 替 レートの 増 価 圧 力 をもたらしているので はないか との 懸 念 が 表 明 されている 資 本 流 入 は 特 に 柔 軟 性 の 低 い 為 替 相 場 制 度 を 採 用 している 国 での 金 融 政 策 為 替 政 策 の 運 営 を 困 難 にしている この 資 本 流 入 の 背 景 には 様 々な 要 素 がある 昨 年 第 2 四 半 期 に 始 まった 流 入 増 は 当 初 はプッシュ 要 因 即 ち 投 資 家 の 選 好 の 変 化 に 基 づいたと 思 われる( 図 4) リスク 選 好 の 急 激 な 復 活 によりすべてのリスク 資 産 が 買 われた 先 進 国 の 低 金 利 を 背 景 に 安 全 資 産 から 利 回 りを 求 めて 資 金 シフトが 起 きた このことはドルや 国 債 価 格 の 低 落 やマネー マーケットからの 資 金 の 流 出 からも 伺 われる しかし その 後 の 流 入 持 続 はプル 要 因 すなわちアジアと 中 南 米 の 成 長 見 通 しの 好 転 によっている これ らの 国 への 流 入 は 為 替 の 上 昇 期 待 にも 影 響 されている
4 これまでの 資 産 価 格 の 上 昇 は 広 範 で 過 剰 なものとは 言 えないが 一 部 の 国 ではか なり 上 昇 圧 力 が 高 まっている 不 動 産 価 格 の 上 昇 も 一 部 地 域 における 限 定 的 な 例 外 は 見 られるが 過 去 の 通 常 の 経 験 の 範 囲 内 に 留 まっている さらに 中 国 を 除 けば 新 興 国 の 与 信 の 伸 びはいまだ 明 確 な 回 復 を 見 せていない( 図 5) このことは 資 産 価 格 の 上 昇 がレバレッジの 高 まりによるものではないことを 示 唆 している とは 言 え 資 本 流 入 や 資 産 価 格 インフレに 対 して 当 局 が 無 防 備 でいる ことは 賢 明 ではない 景 気 回 復 が 定 着 するにつれ 資 本 流 入 に 伴 う 流 動 性 の 増 大 が 過 度 の 与 信 膨 張 と 持 続 不 可 能 な 資 産 価 格 の 上 昇 をもたらすおそれがある プレッシャーにさらされる 国 家 信 用 先 進 国 の 財 政 安 定 性 に 金 融 市 場 の 目 が 向 かっている 財 政 の 持 続 可 能 性 への 心 配 と 政 治 的 な 不 確 実 性 を 背 景 に ここ 数 週 英 国 と 日 本 のクレジット デフォルト ス ワップ(CDS)のスプレッドが 拡 大 している( 図 6) ギリシャを 筆 頭 にいくつかの 欧 州 諸 国 でも 格 付 けの 引 下 げを 契 機 とし あるいは 財 政 赤 字 と 財 政 健 全 化 策 の 不 確 実 性 が 続 く 中 より 強 いプレッシャーにさらされている( 図 7) 我 々の 予 測 では 公 的 債 務 の 純 供 給 が 長 期 的 平 均 に 比 べ 今 後 二 三 年 は 大 幅 に 増 加 することが 見 込 まれる 財 政 赤 字 と 債 務 残 高 の 拡 大 により 金 融 の 安 定 性 のリスク を 含 む 重 要 な 課 題 を 政 策 当 局 に 突 きつけている 最 低 限 のリスクとして 公 的 債 務 の 発 行 増 により 民 間 への 信 用 供 与 がクラウド ア ウトされ 民 間 部 門 向 け 貸 出 金 利 が 上 昇 して 景 気 の 足 を 引 っ 張 る 可 能 性 がある こ うしたことが 起 こりうる 一 つのシナリオとしては 民 間 資 金 需 要 が 回 復 するにもか かわらず 銀 行 が 信 用 拡 大 を 十 分 に 出 来 ないというものが 考 えられる この 間 公 的 な 支 援 策 が 解 除 されることも 追 加 的 な 要 因 となりうる より 重 大 なリスクとして は 公 的 債 務 にかかる 金 利 の 急 上 昇 があげられる 急 速 な 金 利 上 昇 とイールド カ ーブのスティープ 化 は 国 債 価 格 の 下 落 を 通 じ 広 範 な 金 融 機 関 に 悪 影 響 を 与 えるこ とになる さらに 最 も 深 刻 なリスクとして 一 部 国 債 への 投 資 家 の 信 認 が 大 幅 に 低 下 し 経 済 成 長 と 信 用 が 損 なわれるおそれがある 直 接 の 信 認 低 下 は 特 定 国 に 限 った 事 象 かもしれないが これをきっかけに 他 の 国 や 市 場 に 信 認 の 低 下 が 波 及 する おそれもある 政 策 の 優 先 課 題 政 策 当 局 は 出 口 戦 略 の 策 定 に 当 たって その 時 期 ペース 順 序 に 関 し 極 めてデリ ケートなバランスをとる 必 要 がある これは 財 政 金 融 政 策 間 のバランスにおいても
5 財 政 赤 字 と 債 務 の 削 減 の 中 期 戦 略 をいつ 現 実 に 発 動 させるかという 点 においても 言 えることである 支 援 策 の 早 すぎる 解 除 には 金 融 不 安 定 性 の 再 発 というリスクがあ り( 景 気 回 復 が 遅 れており 金 融 システムが 脆 弱 な 国 のケース) 一 方 政 策 の 解 除 が 遅 すぎる 場 合 にはインフレ 圧 力 を 高 め 将 来 の 危 機 の 原 因 を 作 ることになりか ねない( 金 融 緩 和 が 行 き 過 ぎ 景 気 過 熱 が 心 配 される 国 のケース) 短 期 的 には 金 融 安 定 性 の 確 保 をまずは 優 先 すべきである 金 融 の 安 定 は 未 だ 十 分 と は 言 えず 景 気 回 復 を 持 続 させ 金 融 セクターと 実 体 経 済 の 間 の 負 の 連 鎖 が 再 出 現 しないようにしなければならない 金 融 システムが 脆 弱 な 国 では 銀 行 のバランス シートの 健 全 化 努 力 を 継 続 し 円 滑 な 資 金 繰 りを 確 保 し 弱 い 銀 行 のリストラを 進 めるべきである 急 速 な 回 復 を 示 している 新 興 市 場 国 では 資 本 流 入 に 対 し 為 替 レートの 弾 力 化 を 含 む 適 切 なマクロ 経 済 政 策 とプルデンシャルな 政 策 をもって 対 応 することが 重 要 な 政 策 課 題 である 中 期 的 には 金 融 安 定 性 の 確 立 を 目 的 とすべきであり これが 力 強 く 持 続 的 で 均 衡 の 取 れた 世 界 的 成 長 の 基 盤 となる 信 憑 性 のある 財 政 健 全 化 を 通 じ 公 的 部 門 のリス クを 低 減 する 一 方 民 間 金 融 活 動 に 伴 うリスクに 関 しては 新 たな 規 制 の 枠 組 みで 対 応 すべきである 明 日 の 金 融 システム 出 口 の 向 こう 側 にある 新 たな 金 融 システムはより 安 全 であると 同 時 に 持 続 的 な 経 済 成 長 を 支 えるだけのダイナミックで 革 新 的 なものでなければならない 安 全 とダ イナミズムのバランスをとることは 決 して 容 易 ではない 政 策 の 実 施 に 当 たっては 特 に 注 意 すべき 点 がいくつかある 将 来 の 金 融 規 制 の 内 容 についての 不 確 実 性 は 金 融 機 関 のビジネス 戦 略 の 策 定 と 信 用 供 与 の 拡 大 を 阻 害 するというコストを 伴 うことを 自 覚 すべきである もっとも 規 制 のインパクトの 評 価 が 不 十 分 なまま 拙 速 に 規 制 を 導 入 することもリスクを 伴 う 競 争 条 件 が 不 公 平 であったり 規 制 の いいとこ 取 り を 許 すと 金 融 システムの 安 定 がリスクにさら されるので 新 たな 金 融 規 制 が 国 際 的 に 出 来 るだけ 統 一 的 に 実 施 されることは 極 め て 重 要 である 金 融 規 制 改 革 を 成 功 させるには ミクロの 銀 行 監 督 規 制 とマクロ プルーデンス 政 策 が 相 互 に 補 完 し 合 い 金 融 システムのリスクを 抑 える 仕 組 みを 構 築 しなければなら ない そうすることによりはじめて 持 続 的 な 経 済 成 長 と 金 融 の 安 定 をもたらしつ
6 つ 貯 蓄 主 体 から 借 入 主 体 への 資 金 の 流 れを 仲 介 するという 金 融 システム 本 来 の 役 割 を 果 たすことが 出 来 る Figure 1 Asset Class Performance (Percent of Pre Lehman levels) Commodities Mature market equity Emerging market equity U.S. high yield Emerging market bonds U.S. high grade Trade weighted dollar U.S. Treasuries 6 4 2 2 4 6 Pre Lehman to Trough Trough to Current Sources: Bank of America Merrill Lynch; Bloomberg L.P.; and IMF staff estimates. Figure 2 U.S. Real Estate Market Performance (Percent year on year) 3 2 1 1 2 3 Residential Commercial 4 22 23 24 25 26 27 28 29 Source: Moody's; S&P/Case Shiller. Figure 3 Bank Credit to Private Sector (Percent year on year) 2 15 1 5 5 United States Euro Area United Kingdom 1 21 22 23 24 25 26 27 28 29 Source: National authorities.
7 Figure 4 Emerging Market Fund Net Inflows (In billions of U.S. dollars) 4 3 Equity Debt 2 1 1 2 3 Q17 Q27 Q37 Q47 Q18 Q28 Q38 Q48 Q19 Q29 Q39 Q49 Source: Emerging Portfolio Research. Figure 5 Emerging Market Bank Credit to the Private Sector (Six month period changes, annualized rate) 6 Asia Latin America 5 Europe China 4 Midde East and Africa 3 2 1 1 Dec 4 Nov 5 Nov 6 Nov 7 Nov 8 Source: Interional Monetary Fund, International Financial Statistics. Figure 6 Credit Default Swap Spreads (In basis points) 2 United States 15 United Kingdom Germany Japan 1 5 Jan 8 Jul 8 Jan 9 Jul 9 Jan 1 Source: Bloomberg L.P.
8 Figure 7 Credit Default Swap Spreads (In basis points) 4 Greece 3 2 Ireland Italy Portugal Spain 1 Jan 8 Jul 8 Jan 9 Jul 9 Jan 1 Source: Bloomberg L.P.