技 術 分 類 2-1-4 利 便 性 を 追 求 した 包 装 容 器 / 食 品 再 加 熱 用 包 装 容 器 /オーブン 加 熱 適 性 包 装 容 器 技 術 名 称 2-1-4-1 アルミ 箔 シート 利 用 耐 熱 性 包 装 容 器 技 術 内 容 アルミニウム 箔 ( 以 下 アルミ 箔 )は 軽 量 ( 比 重 2.7 鉄 の 約 3 分 の1)で 熱 伝 導 度 (238w/ m 鉄 の 約 3 倍 ) 耐 熱 性 (650 )が 高 く オーブン 加 熱 適 性 に 優 れることから オーブン 加 熱 適 性 ( 以 下 オーブナブル)トレーとして 利 用 されている 0.4mm 程 度 のアルミニウム 板 を 冷 間 圧 延 機 で 薄 く 伸 ばした 200μm 以 下 のものをアルミ 箔 という 圧 延 されたままのものは 圧 延 硬 化 により 硬 くなっており これを 硬 質 箔 と 呼 び 焼 鈍 炉 で 加 熱 処 理 し て 軟 らかくなったものを 軟 質 箔 と 呼 ぶ アルミ 箔 容 器 は 30~150μmの 厚 みのアルミ 箔 が 用 いられたセミ リジット 容 器 で 一 般 的 にホ イルコンテナ ホイルウェアーと 呼 ばれている 容 器 の 形 態 から しわ 付 きアルミ 箔 容 器 と しわな しアルミ 箔 容 器 に 分 けられる しわ 付 きアルミ 箔 容 器 は 厚 さ 80~120μmの 硬 質 箔 を 金 型 で 絞 って 成 形 したもので 容 器 の 側 壁 およびフランジに 成 形 時 に 生 じた ひだ が 無 数 にある 成 形 はしやすいが この ひだ のために 蓋 はできるが 密 封 することはできない 鍋 焼 きうどんの 鍋 冷 凍 食 品 のグラタン 皿 ピザパイ 皿 ケーキ 皿 等 に 利 用 されている しわなしアルミ 箔 容 器 は 構 成 と 用 途 により 大 きく 3 つに 分 類 される (1) 内 面 ラッカータイプ 蓋 をヒートシールにより 接 着 でき 気 密 性 が 得 られる ゼリー ジャム プリン 等 の 容 器 として 用 いられている (2) 内 面 フィルムタイプ 内 面 にポリプロピレンをラミネートしたタイプで 調 理 済 食 品 のレトルト 容 器 として 用 いられる (3) オーブナブルトレー 容 器 内 面 もしくは 内 外 面 両 面 に 耐 熱 性 の 樹 脂 を 焼 付 塗 工 したもので オーブン 加 熱 に 耐 えることが できる (2)と(3)を 組 み 合 わせた 外 面 に 耐 熱 性 樹 脂 を 焼 付 塗 工 し 内 面 はポリプロピレンをラミネートした 複 合 タイプでは 蓋 を 取 り 除 いた 後 に 電 子 レンジ 加 熱 することも 容 易 にできる 図 表 1 アルミ 箔 の 特 徴 出 典 : 食 品 医 薬 品 包 装 ハンドブック 2000 年 7 月 15 日 21 世 紀 包 装 研 究 協 会 編 株 式 会 社 幸 書 房 発 行 152 頁 表 4.2.6 アルミ 箔 の 特 徴 241
図 1 アルミ 箔 の 機 械 的 強 度 出 典 : 食 品 医 薬 品 包 装 ハンドブック 2000 年 7 月 15 日 21 世 紀 包 装 研 究 協 会 編 株 式 会 社 幸 書 房 発 行 153 頁 図 4.2.5 厚 さ7 ミクロンの 硬 質 アルミ 箔 の 加 熱 温 度 と 機 械 的 性 質 の 関 係 出 典 食 品 医 薬 品 包 装 ハンドブック 2000 年 7 月 15 日 21 世 紀 包 装 研 究 協 会 編 株 式 会 社 幸 書 房 発 行 147-161 頁 参 考 資 料 電 子 レンジ 食 品 容 器 応 用 ハンドブック 1988 年 8 月 31 日 株 式 会 社 サイエンスフォーラム 発 行 97-101 頁 食 品 包 装 用 語 辞 典 1993 年 7 月 25 日 石 谷 孝 佑 編 集 株 式 会 社 サイエンスフォーラム 発 行 20-21 頁 242
技 術 分 類 2-1-4 利 便 性 を 追 求 した 包 装 容 器 / 食 品 再 加 熱 用 包 装 容 器 /オーブン 加 熱 適 性 包 装 容 器 技 術 名 称 2-1-4-2 タルク 等 練 込 みポリプロピレン 包 装 容 器 技 術 内 容 ポリプロピレン(PP)の 融 点 は 160~170 で 汎 用 プラスチックの 中 では 比 較 的 高 く さらにタルク 炭 酸 カルシウム マイカ ガラス 繊 維 等 の 充 填 材 (フィラー)を 練 込 むことにより 剛 性 熱 膨 張 率 が 改 善 され 耐 熱 性 が 向 上 することから 耐 熱 性 包 装 容 器 として 用 いられることが 多 い 無 添 加 の 場 合 と 比 較 して 充 填 材 の 添 加 により 耐 熱 性 は 15~40 向 上 するといわれている 充 填 材 は プラスチックやゴム 等 に 添 加 して 物 性 や 加 工 性 を 改 善 したり 増 量 材 としてコストを 低 減 する 目 的 で 使 用 する 副 資 材 である 充 填 材 の 添 加 量 は 一 般 的 に 30~60wt%の 範 囲 で 必 要 によ り 酸 化 防 止 剤 滑 材 加 工 助 剤 帯 電 防 止 剤 顔 料 等 が 同 時 に 使 用 されている 充 填 材 の 分 散 性 の 向 上 するために またベースプラスチックとの 密 着 性 を 強 固 にするために 充 填 材 表 面 の 改 質 やベース プラスチックの 変 性 が 行 われる 場 合 もある タルク 等 を 練 込 んだ PP 単 体 のシートから 耐 熱 性 容 器 を 成 形 して 用 いる 場 合 もあるが タルク 等 を 練 込 んだ PP の 片 側 あるいは 両 側 に 特 に 充 填 材 を 何 も 添 加 していないナチュラルな PP を 共 押 出 する ことによって 多 層 化 している 場 合 が 多 い 多 層 化 することによるメリットは 充 填 材 が 食 品 に 直 接 接 触 することがなく 衛 生 的 であり また 表 面 の 光 沢 性 印 刷 適 性 も 改 善 され 外 観 がよくなる 点 である 一 般 的 にシーティング 後 インラインあるいはオフラインで 真 空 - 圧 空 成 形 を 行 って 包 装 容 器 を 製 造 しているが インジェクション 成 形 による 製 造 も 可 能 で 精 密 成 形 による 薄 肉 化 が 期 待 できる 充 填 材 により 耐 熱 性 が 向 上 するが その 他 バリアー 性 導 電 性 滑 り 性 遮 光 性 等 も 改 善 される さらに 使 用 後 焼 却 する 際 燃 焼 カロリーが 少 なく 易 燃 焼 性 であることも 特 徴 となる 図 表 1 充 填 材 練 込 みポリプロピレンの 物 性 ラム 発 行 62 頁 表 -12 無 機 質 強 化 ポリプロピレンの 一 般 的 性 質 243
表 2 充 填 材 練 込 みポリプロピレン 包 装 容 器 例 カルプ :カルプ 工 業 株 式 会 社 の 登 録 商 標 オパレイ : 出 光 興 産 株 式 会 社 の 登 録 商 標 ラム 発 行 63-64 頁 表 -14 プラスチック 製 電 子 レンジ 用 耐 熱 容 器 の 一 部 分 (ポリマーの 種 類 :ポリプロピレンの 部 分 の 抜 粋 ) 出 典 電 子 レンジ 食 品 容 器 応 用 ハンドブック 1988 年 8 月 31 日 株 式 会 社 サイエンスフォーラム 発 行 50-66 頁 参 考 資 料 食 品 包 装 用 語 辞 典 1993 年 7 月 25 日 石 谷 孝 佑 編 集 株 式 会 社 サイエンスフォーラム 発 行 473 頁 244
技 術 分 類 2-1-4 利 便 性 を 追 求 した 包 装 容 器 / 食 品 再 加 熱 用 包 装 容 器 /オーブン 加 熱 適 性 包 装 容 器 技 術 名 称 2-1-4-3 高 度 耐 熱 性 プラスチック 包 装 容 器 技 術 内 容 オーブンで 加 熱 する 調 理 温 度 は 低 いもので 160 程 度 高 いものでは 250 程 度 で 主 体 は 200 前 後 が 一 般 的 である また 家 庭 用 オーブンを 考 えた 場 合 庫 内 の 温 度 は 設 定 温 度 よりもかなり 高 温 になっていると 推 定 されている プラスチックの 耐 熱 性 は ガラス 転 移 温 度 (Tg) 融 点 (Tm) 熱 変 形 温 度 ( 荷 重 たわみ 温 度 HDT)で 表 され これらの 値 から 使 用 できる 温 度 範 囲 が 判 断 される 各 耐 熱 性 プラスチックの 使 用 温 度 範 囲 は 一 般 的 に PP PET PC で 100~150 PMP C-PET 不 飽 和 ポリエステル(UP)で 200 程 度 まで 液 晶 ポリエステルでは 300 程 度 までと 言 われている PP C-PET UP は タルク 炭 酸 カルシウム マイカ ガラス 繊 維 等 の 充 填 材 (フィラー)を 練 り 込 むことにより 耐 熱 性 を 向 上 することができる エンジニアリングプラスチックでは 耐 熱 性 に 優 れる 種 々の 樹 脂 が 開 発 され 電 気 電 子 部 品 材 料 等 の 産 業 用 途 に 使 用 されている PA ポリアセタール(POM) PC が 3 大 汎 用 エンプラであるが 耐 熱 容 器 には PC が 一 部 使 用 されている 程 度 である ポリイミド(PI) ポリアミドイミド(PAI) ポリフェニレンサルファイド(PPS) ポリフェニレンオキサイド(PPO) ポリエーテルエーテルケ トン(PEEK) 等 は 耐 熱 性 は 高 いが 包 装 容 器 としては 普 及 していない ポリスルフォン(PSF) ポリエーテルイミド(PEI) PMP は 食 器 として 一 部 使 用 されている 液 晶 ポリエステルは 分 子 が 剛 直 なために 溶 融 状 態 でも 分 子 鎖 が 絡 み 合 いを 起 こさず 規 則 正 しく 並 んで 結 晶 状 態 を 有 する 高 分 子 ( 液 晶 ポリマー LCP)で 高 耐 熱 性 高 強 度 と 成 形 しやすさという 相 反 する 性 能 を 有 する 流 動 性 が 高 いことから 薄 肉 製 品 が 作 りやすく また 成 形 収 縮 率 線 膨 張 率 も 小 さく 寸 法 安 定 性 にも 優 れる 図 表 1 汎 用 プラスチックの 耐 熱 性 ラム 発 行 135 頁 表 -7 汎 用 プラスチックの 熱 特 性 245
表 2 エンジニアリングプラスチックの 耐 熱 性 ラム 発 行 135 頁 表 -8 エンプラの 熱 特 性 表 3 熱 硬 化 性 プラスチックの 耐 熱 性 ラム 発 行 136 頁 表 -9 熱 硬 化 性 樹 脂 の 熱 特 性 246
表 4 耐 熱 性 プラスチック 容 器 の 比 較 (1) 注 : 表 中 のエコノール 1 Xydar 2 は 液 晶 ポリエステルの 商 品 名 1 エコノール : 三 洋 化 成 工 業 株 式 会 社 の 登 録 商 標 2 Xydar :ソルベイ アドバンスド ポリマーズ リミテッド ライアビリティ カンパ ニーの 登 録 商 標 ラム 発 行 74 頁 表 -3 各 種 電 子 レンジ オーブンレンジ 容 器 の 特 徴 表 5 耐 熱 性 プラスチック 容 器 の 比 較 (2) 注 : 表 中 のエコノール 1 非 コーティング 系 は 液 晶 ポリエステル コーティング 系 は 液 晶 ポリエ ステルにフッ 素 樹 脂 (PTFE)をコーティングして 焼 成 1 エコノール : 三 洋 化 成 工 業 株 式 会 社 の 登 録 商 標 ラム 発 行 78 頁 表 -6 電 子 オーブンレンジとしての 性 能 評 価 出 典 電 子 レンジ 食 品 容 器 応 用 ハンドブック 1988 年 8 月 31 日 株 式 会 社 サイエンスフォーラム 発 行 128-139 頁 電 子 レンジ 食 品 容 器 応 用 ハンドブック 1988 年 8 月 31 日 株 式 会 社 サイエンスフォーラム 発 247
行 72-79 頁 参 考 資 料 食 品 包 装 用 語 辞 典 1993 年 7 月 25 日 石 谷 孝 佑 編 株 式 会 社 サイエンスフォーラム 発 行 51-52 頁 69-70 頁 248