みずほインサイト 政 策 2016 年 2 月 4 日 雇 用 保 険 法 等 の 改 正 法 案 国 会 提 出 一 億 総 活 躍 社 会 の 実 現 に 向 けた 改 革 実 施 へ 政 策 調 査 部 上 席 主 任 研 究 員 堀 江 奈 保 子 03-3591-1308 naoko.horie@mizuho-ri.co.jp 2016 年 1 月 29 日 に 雇 用 保 険 法 等 の 改 正 法 案 が 国 会 に 提 出 された 同 法 案 は 少 子 高 齢 化 が 進 むなか で 高 齢 者 や 女 性 等 の 就 業 促 進 と 雇 用 継 続 を 図 るための 措 置 を 講 じるためのものである 主 な 改 正 内 容 は 雇 用 保 険 料 率 の 引 き 下 げ 育 児 介 護 休 業 制 度 の 見 直 し 65 歳 以 降 に 新 たに 雇 用 される 者 に 対 する 雇 用 保 険 の 適 用 拡 大 雇 用 保 険 の 就 職 促 進 給 付 の 拡 充 等 である 今 回 の 改 正 は 一 億 総 活 躍 社 会 の 実 現 に 向 けた 改 革 の 第 一 ステップに 過 ぎない 今 後 は 全 ての 労 働 者 に 対 して 実 効 性 のある 働 き 方 改 革 を 進 めることが 重 要 である 1. 雇 用 保 険 法 等 の 一 部 を 改 正 する 法 律 案 を 閣 議 決 定 2016 年 1 月 29 日 に 雇 用 保 険 法 等 の 一 部 を 改 正 する 法 律 案 が 閣 議 決 定 され 国 会 に 提 出 された 同 法 案 は 少 子 高 齢 化 が 進 むなかで 高 齢 者 や 女 性 等 の 就 業 促 進 と 雇 用 継 続 を 図 るために 必 要 な 措 置 を 講 じるためのものである 改 正 内 容 は 安 倍 政 権 が 掲 げる 一 億 総 活 躍 社 会 を 実 現 するための 目 標 のうちの 希 望 出 生 率 1.8 介 護 離 職 ゼロ に 関 するものが 多 く 雇 用 保 険 法 のほか 労 働 保 険 料 徴 収 法 育 児 介 護 休 業 法 高 年 齢 者 雇 用 安 定 法 男 女 雇 用 機 会 均 等 法 等 に 関 する 改 正 が 含 まれ ている 1 2. 雇 用 保 険 法 等 の 一 部 を 改 正 する 法 律 案 の 概 要 雇 用 保 険 法 等 の 改 正 の 趣 旨 は 雇 用 情 勢 等 を 踏 まえて 失 業 等 給 付 2に 係 る 保 険 料 率 を 引 き 下 げるとと もに 労 働 者 の 離 職 の 防 止 や 再 就 職 の 促 進 を 図 るため 育 児 休 業 介 護 休 業 の 制 度 の 見 直 しや 雇 用 保 険 の 就 職 促 進 給 付 の 拡 充 等 を 行 うことである また 高 年 齢 者 の 雇 用 を 一 層 推 進 するため 65 歳 以 降 に 新 たに 雇 用 される 者 を 雇 用 保 険 の 適 用 対 象 とするほか 高 年 齢 者 の 希 望 に 応 じた 多 様 な 就 業 機 会 の 確 保 を 図 る 等 の 措 置 を 講 じるものである 以 下 では 改 正 法 案 のポイントを 確 認 する( 図 表 1) (1) 失 業 等 給 付 に 係 る 保 険 料 率 の 引 き 下 げ(2016 年 4 月 1 日 施 行 予 定 ) 雇 用 保 険 の 財 政 状 況 が 改 善 したことから 失 業 等 給 付 に 関 する 雇 用 保 険 料 率 を 引 き 下 げる 雇 用 保 険 料 は 失 業 等 給 付 の 保 険 料 と 雇 用 保 険 二 事 業 3 の 保 険 料 があり 失 業 等 給 付 の 保 険 料 は 労 使 折 半 雇 用 保 険 二 事 業 の 保 険 料 は 事 業 主 のみが 負 担 する 保 険 料 は 報 酬 に 保 険 料 率 を 乗 じた 額 である 1
図 表 1 雇 用 保 険 法 等 の 一 部 を 改 正 する 法 律 案 概 要 現 下 の 雇 用 情 勢 等 を 踏 まえ 失 業 等 給 付 に 係 る 保 険 料 率 を 引 き 下 げるとともに 労 働 者 の 離 職 の 防 止 や 再 就 職 の 促 進 を 図 るため 育 児 休 業 介 護 休 業 の 制 度 の 見 直 しや 雇 用 保 険 の 就 職 促 進 給 付 の 拡 充 等 を 行 う さらに 高 年 齢 者 の 雇 用 を 一 層 推 進 するため 65 歳 以 降 に 新 たに 雇 用 される 者 を 雇 用 保 険 の 適 用 対 象 とするほか 高 年 齢 者 の 希 望 に 応 じた 多 様 な 就 業 機 会 の 確 保 を 図 る 等 の 措 置 を 講 ずる 1. 失 業 等 給 付 に 係 る 保 険 料 率 の 見 直 し( 労 働 保 険 料 徴 収 法 関 係 ) 雇 用 保 険 の 財 政 状 況 等 を 勘 案 し 失 業 等 給 付 に 係 る 雇 用 保 険 料 率 を 引 き 下 げる 現 行 1.0% 0.8% 2. 育 児 休 業 介 護 休 業 等 に 係 る 制 度 の 見 直 し( 育 児 介 護 休 業 法 雇 用 保 険 法 関 係 ) (1) 多 様 な 家 族 形 態 雇 用 形 態 に 対 応 するため 1 育 児 休 業 の 対 象 となる 子 の 範 囲 の 拡 大 ( 特 別 養 子 縁 組 の 監 護 期 間 にある 子 等 ) 2 育 児 休 業 の 申 出 ができる 有 期 契 約 労 働 者 の 要 件 (1 歳 までの 継 続 雇 用 要 件 等 )の 緩 和 3 子 の 看 護 休 暇 の 半 日 単 位 取 得 を 可 能 とする 改 正 等 を 行 う (2) 介 護 離 職 の 防 止 に 向 け 1 介 護 休 業 の 分 割 取 得 (3 回 まで 計 93 日 )を 可 能 とする 改 正 2 所 定 外 労 働 の 免 除 制 度 の 創 設 等 3 介 護 休 暇 の 半 日 単 位 取 得 を 可 能 とする 改 正 4 介 護 休 業 給 付 の 給 付 率 の 引 上 げ 賃 金 の40% 67% 等 を 行 う 3. 高 年 齢 者 の 希 望 に 応 じた 多 様 な 就 業 機 会 の 確 保 及 び 就 労 環 境 の 整 備 ( 雇 用 保 険 法 労 働 保 険 料 徴 収 法 高 年 齢 者 雇 用 安 定 法 関 係 ) (1)65 歳 以 降 に 新 たに 雇 用 される 者 を 雇 用 保 険 の 適 用 対 象 とする(ただし 保 険 料 徴 収 は2019 年 度 分 まで 免 除 ) (2)シルバー 人 材 センターにおける 業 務 について 都 道 府 県 知 事 が 市 町 村 ごとに 指 定 する 業 種 等 に おいては 派 遣 職 業 紹 介 に 限 り 週 40 時 間 までの 就 業 を 可 能 とする 4.その 他 ( 男 女 雇 用 機 会 均 等 法 育 児 介 護 休 業 法 雇 用 保 険 法 等 ) (1) 妊 娠 した 労 働 者 等 の 就 業 環 境 の 整 備 妊 娠 出 産 育 児 休 業 介 護 休 業 等 の 取 得 等 を 理 由 とする 上 司 同 僚 等 による 就 業 環 境 を 害 す る 行 為 を 防 止 するため 事 業 主 に 雇 用 管 理 上 必 要 な 措 置 を 義 務 づける (2) 雇 用 保 険 の 就 職 促 進 給 付 の 拡 充 失 業 等 給 付 の 受 給 者 が 早 期 に 再 就 職 した 場 合 に 支 給 される 再 就 職 手 当 の 給 付 率 を 引 き 上 げる 支 給 日 数 :1/3 以 上 を 残 した 場 合 は 残 日 数 の50% 60% 2/3 以 上 を 残 した 場 合 は 同 60% 70% 求 職 活 動 支 援 費 として 求 職 活 動 に 伴 う 費 用 ( 例 : 就 職 面 接 のための 子 の 一 時 預 かり 費 用 ) について 新 たに 給 付 の 対 象 とする 施 行 期 日 2016 年 4 月 1 日 (ただし 2(2)4については 同 年 8 月 1 日 2((2)4 以 外 ) 3(1) 4については2017 年 1 月 1 日 ) ( 資 料 ) 厚 生 労 働 省 雇 用 保 険 法 等 の 一 部 を 改 正 する 法 律 案 の 概 要 等 より みずほ 総 合 研 究 所 作 成 2
改 正 により 失 業 等 給 付 に 係 る 雇 用 保 険 料 は 現 行 (2015 年 度 )の10/1000から2016 年 度 は8/1000 へ 引 き 下 げられる 見 通 しである( 図 表 2) (2) 育 児 休 業 介 護 休 業 等 に 関 する 改 正 a. 育 児 休 業 等 に 関 する 改 正 (2017 年 1 月 1 日 施 行 予 定 ) 多 様 な 家 族 形 態 雇 用 形 態 に 対 応 するため 1 育 児 休 業 の 対 象 となる 子 の 範 囲 の 拡 大 2 有 期 契 約 労 働 者 の 育 児 休 業 取 得 の 要 件 緩 和 3 子 の 看 護 休 暇 の 半 日 単 位 取 得 等 の 改 正 を 行 う 1 育 児 休 業 の 対 象 となる 子 の 範 囲 については 特 別 養 子 縁 組 の 成 立 について 家 庭 裁 判 所 に 請 求 し 監 護 期 間 中 にある 子 等 も 育 児 休 業 の 対 象 となる これに 伴 い 雇 用 保 険 から 支 給 される 育 児 休 業 給 付 の 支 給 対 象 となる 子 の 範 囲 も 同 様 に 拡 大 される 2 有 期 契 約 労 働 者 の 育 児 休 業 取 得 については 育 児 休 業 の 申 し 出 ができる 有 期 契 約 労 働 者 の 要 件 が 1 事 業 主 に 引 き 続 き 雇 用 された 期 間 が1 年 以 上 である 者 ( 改 正 なし) 2 その 養 育 する 子 が1 歳 6 カ 月 に 達 する 日 までにその 労 働 契 約 ( 労 働 契 約 が 更 新 される 場 合 には 更 新 後 のもの)が 満 了 することが 明 らかでない 者 ( 現 行 では 子 が1 歳 に 達 する 日 を 超 えて 引 き 続 き 雇 用 されることが 見 込 まれる 者 で 子 が1 歳 に 達 する 日 から1 年 を 経 過 する 日 までの 間 にその 労 働 契 約 が 満 了 しかつ 当 該 労 働 契 約 の 更 新 が ないことが 明 らかである 者 を 除 く) のいずれにも 該 当 する 者 へと 変 更 される 3 子 の 看 護 休 暇 は 小 学 校 就 学 前 の 子 を 養 育 する 労 働 者 が 事 業 主 に 申 し 出 ることにより 一 年 度 に5 労 働 日 ( 小 学 校 就 学 前 の 子 が2 人 以 上 の 場 合 は10 労 働 日 )を 限 度 として 取 得 できる 休 暇 である この 看 護 休 暇 の 取 得 に 関 して 1 日 の 所 定 労 働 時 間 が 短 い 労 働 者 ( 厚 生 労 働 省 令 で4 時 間 以 下 となる 見 通 し)を 除 き 1 日 未 満 の 単 位 ( 厚 生 労 働 省 令 で 半 日 単 位 となる 見 通 し)で 取 得 できるものとする なお 半 日 とは 原 則 として 所 定 労 働 時 間 の2 分 の1とし 労 使 協 定 によりそれ 以 外 の 半 日 も 可 能 とされる 見 通 し である b. 介 護 休 業 等 に 関 する 改 正 ( 一 部 を 除 き2017 年 1 月 1 日 施 行 予 定 ) 介 護 離 職 の 防 止 に 向 けた 取 り 組 みとして 1 介 護 休 業 の 分 割 取 得 2 介 護 のための 所 定 外 労 働 の 制 限 の 創 設 3 介 護 休 暇 の 半 日 単 位 取 得 4 介 護 休 業 給 付 の 給 付 率 の 引 き 上 げ 等 の 改 正 を 行 う 図 表 2 雇 用 保 険 料 率 1 失 業 等 給 付 に 係 る 保 険 料 率 ( 事 業 主 負 担 ) ( 労 働 者 負 担 ) 2 雇 用 保 険 二 事 業 に 係 る 保 険 料 率 ( 事 業 主 負 担 ) 1+2 雇 用 保 険 料 率 2015 年 度 10/1000 5/1000 5/1000 3.5/1000 13.5/1000 2016 年 度 ( 見 通 し) 8/1000 4/1000 4/1000 3.0/1000 11.0/1000 ( 注 )1. 保 険 料 率 は 一 般 の 事 業 のもの その 他 農 林 水 産 清 酒 製 造 業 (2015 年 度 は1が12/1000 2が3.5/1000)と 建 設 業 ( 同 1が12/1000 2が4.5/1000)がある 2. 雇 用 保 険 料 率 は 労 働 保 険 料 徴 収 法 により 一 般 の 事 業 が17.5/1000(うち 失 業 等 給 付 が14/1000)とされているが 財 政 状 況 に 照 らして 一 定 の 要 件 を 満 たす 場 合 には 一 定 の 範 囲 で 変 更 できる 弾 力 条 項 の 規 定 がある 弾 力 条 項 の 規 定 に 基 づき 2015 年 度 は13.5/1000( 同 10/1000)となった 改 正 法 案 では 一 般 の 事 業 の 保 険 料 率 について15.5/1000( 同 12/1000)と されている ( 資 料 ) 厚 生 労 働 省 3
1 介 護 休 業 の 取 得 については 93 日 を 限 度 として 対 象 家 族 1 人 につき3 回 までの 分 割 取 得 を 可 能 とす る( 現 行 では 対 象 家 族 1 人 につき 要 介 護 状 態 に 至 るごとに1 回 通 算 93 日 まで) この 改 正 に 合 わせて 対 象 家 族 1 人 につき3 回 までの 介 護 休 業 が 雇 用 保 険 の 介 護 保 険 給 付 の 支 給 対 象 となる なお 有 期 契 約 労 働 者 の 介 護 休 業 取 得 については 1 事 業 主 に 引 き 続 き 雇 用 された 期 間 が1 年 以 上 である 者 ( 改 正 なし) 2 介 護 休 業 開 始 予 定 日 から93 日 を 経 過 する 日 から6カ 月 を 経 過 する 日 までにその 労 働 契 約 ( 労 働 契 約 が 更 新 される 場 合 には 更 新 後 のもの)が 満 了 することが 明 らかでない 者 ( 現 行 では 介 護 休 業 開 始 予 定 日 から 起 算 して93 日 を 経 過 する 日 を 超 えて 引 き 続 き 雇 用 されることが 見 込 まれる 者 で 93 日 経 過 日 から 1 年 を 経 過 する 日 までの 間 に その 労 働 契 約 が 満 了 しかつ 当 該 労 働 契 約 の 更 新 がないことが 明 らかであ る 者 を 除 く) のいずれにも 該 当 する 者 となる 2 所 定 外 労 働 の 制 限 については 事 業 主 は 介 護 中 の 労 働 者 が 介 護 のために 時 間 外 労 働 の 免 除 を 請 求 した 場 合 に 事 業 の 正 常 な 運 営 を 妨 げる 場 合 を 除 き 所 定 労 働 時 間 を 超 えて 労 働 させることはできない とするものである また 介 護 中 の 労 働 者 で 介 護 休 業 をしていない 者 に 関 して 労 働 者 の 申 し 出 に 基 づ く 連 続 する3 年 以 上 の 期 間 における 所 定 労 働 時 間 の 短 縮 等 4の 措 置 を 講 じることも 事 業 主 に 義 務 づける ただし いずれも 労 使 協 定 で 定 めた 場 合 には 1 事 業 主 に 引 き 続 き 雇 用 された 期 間 が1 年 未 満 の 労 働 者 2 1 週 間 の 所 定 労 働 日 数 が2 日 以 下 の 労 働 者 ( 厚 生 労 働 省 令 で 定 められる 見 通 し)を 除 くこと ができる 3 介 護 休 暇 は 介 護 中 の 労 働 者 が 事 業 主 に 申 し 出 ることにより 一 年 度 に5 労 働 日 ( 対 象 家 族 が2 人 以 上 の 場 合 は10 労 働 日 )を 限 度 として 取 得 できる 休 暇 であるが 子 の 看 護 休 暇 と 同 様 に 1 日 未 満 の 単 位 ( 厚 生 労 働 省 令 で 半 日 単 位 となる 見 通 し)で 取 得 できるものとする 4 介 護 休 業 給 付 の 給 付 率 について 当 分 の 間 賃 金 の40%から67%へ 引 き 上 げる この 改 正 について は 2016 年 8 月 1 日 施 行 予 定 である (3) 高 齢 者 の 就 業 促 進 に 関 する 改 正 a.65 歳 以 降 に 新 たに 雇 用 される 者 に 対 する 雇 用 保 険 の 適 用 (2017 年 1 月 1 日 施 行 予 定 ) 65 歳 以 降 に 新 たに 雇 用 される 者 を 雇 用 保 険 の 適 用 対 象 とし( 現 行 は 適 用 除 外 ) 65 歳 以 上 の 被 保 険 者 を 高 年 齢 被 保 険 者 とする 高 年 齢 被 保 険 者 は 失 業 した 場 合 に 高 年 齢 求 職 者 給 付 金 5が 支 給 されるほか 教 育 訓 練 給 付 金 6 育 児 休 業 給 付 金 介 護 休 業 給 付 金 の 支 給 対 象 となる ただし 保 険 料 徴 収 は2019 年 度 分 まで 免 除 する 現 行 では 65 歳 になる 前 から 引 き 続 いて 雇 用 されている 者 は 高 年 齢 継 続 被 保 険 者 とされ 失 業 時 に 高 年 齢 求 職 者 給 付 金 が 支 給 される 保 険 料 は4 月 1 日 時 点 で64 歳 以 上 の 者 に 対 しては 免 除 されている 7 b.シルバー 人 材 センター 業 務 の 要 件 緩 和 (2016 年 4 月 1 日 施 行 予 定 ) シルバー 人 材 センターにおける 業 務 について 都 道 府 県 知 事 が 市 町 村 ごとに 指 定 する 業 種 等 において は 派 遣 職 業 紹 介 に 限 り 週 40 時 間 までの 就 業 を 可 能 とする 現 行 では シルバー 人 材 センターの 取 り 扱 う 業 務 は 臨 時 的 短 期 的 (おおむね 月 10 日 程 度 まで)または 軽 易 な 業 務 (おおむね 週 20 時 間 程 度 まで)に 限 定 されている そこで 高 齢 者 のニーズを 踏 まえた 多 様 な 就 業 機 会 を 確 保 する 観 点 から シルバー 人 材 センターの 取 り 扱 う 業 務 の 要 件 を 緩 和 するとともに 要 件 緩 和 による 民 業 圧 迫 等 が 起 きないための 仕 組 みを 設 ける 4
(4)その 他 (2017 年 1 月 1 日 施 行 予 定 ) a. 妊 娠 した 労 働 者 等 の 就 業 環 境 の 整 備 妊 娠 出 産 育 児 休 業 介 護 休 業 等 の 取 得 等 を 理 由 とする 上 司 同 僚 等 による 就 業 環 境 を 害 する 行 為 を 防 止 するため 事 業 主 に 雇 用 管 理 上 必 要 な 措 置 を 義 務 づける b. 雇 用 保 険 の 就 業 促 進 給 付 の 拡 充 失 業 等 給 付 の 受 給 者 が 早 期 に 再 就 職 した 場 合 に 支 給 される 再 就 職 手 当 の 給 付 率 を 引 き 上 げる 8 給 付 率 は 支 給 日 数 を3 分 の1 以 上 残 して 再 就 職 した 場 合 は 残 日 数 の60%( 現 行 50%) 3 分 の2 以 上 残 して 再 就 職 した 場 合 は 残 日 数 の70%( 同 60%)となる また 求 職 活 動 支 援 費 として 例 えば 就 職 面 接 のための 子 の 一 時 預 かり 費 用 などの 求 職 活 動 に 伴 う 費 用 について 新 たに 給 付 の 対 象 とする 3. 一 億 総 活 躍 社 会 の 実 現 に 向 け 実 効 性 のある 改 革 の 実 施 を 少 子 高 齢 化 が 進 むなか 今 後 の 労 働 力 人 口 の 減 少 を 抑 制 するためには 女 性 や 高 齢 者 をはじめとする 就 業 率 の 引 き 上 げが 重 要 な 課 題 となる 2015 年 11 月 26 日 に 発 表 された 政 府 の 一 億 総 活 躍 社 会 の 実 現 に 向 けて 緊 急 に 実 施 すべき 対 策 では 緊 急 対 策 として 介 護 に 取 り 組 む 家 族 が 介 護 休 業 介 護 休 暇 を 取 得 しやすい 職 場 環 境 の 整 備 や 生 きがいを 持 って 社 会 参 加 したい 高 齢 者 のための 多 様 な 就 労 機 会 の 確 保 経 済 的 自 立 に 向 けた 支 援 等 が 挙 げられており その 実 現 に 向 けた 制 度 面 での 整 備 のひとつが 今 回 の 雇 用 保 険 法 等 の 改 正 である 労 働 者 の 離 職 防 止 や 再 就 職 促 進 高 齢 者 雇 用 の 一 層 の 推 進 を 図 るため にも 育 児 介 護 休 業 に 関 する 制 度 の 見 直 しや 高 齢 者 の 雇 用 促 進 等 は 不 可 欠 であり 国 会 審 議 を 経 て 法 案 の 早 期 成 立 と 着 実 な 実 行 を 期 待 したい しかし 今 回 の 改 正 は 一 億 総 活 躍 社 会 の 実 現 に 向 けた 改 革 の 第 一 ステップに 過 ぎない 法 改 正 後 は 実 際 に 育 児 介 護 休 業 等 の 制 度 利 用 が 進 み 育 児 介 護 を 理 由 とする 離 職 の 抑 制 につなげることや 高 齢 者 の 就 業 機 会 の 確 保 を 進 めていくこと 等 が 必 要 である また 安 倍 首 相 は 2016 年 1 月 22 日 の 施 政 方 針 演 説 において 一 億 総 活 躍 社 会 への 挑 戦 に 向 けて 最 も 重 要 な 課 題 は 一 人 ひとりの 事 情 に 応 じた 多 様 な 働 き 方 が 可 能 な 社 会 への 変 革 であると 指 摘 している 9 このように 今 後 は 育 児 や 介 護 等 で 時 間 的 な 制 約 がある 労 働 者 のみではなく 全 ての 労 働 者 に 対 する 長 時 間 労 働 の 是 正 や 柔 軟 な 働 き 方 の 確 保 を はじめとする 働 き 方 改 革 をどう 進 めていくかが 重 要 なカギとなる 政 府 は 今 春 ニッポン 一 億 総 活 プ ラン を 取 りまとめる 予 定 であるが その 中 で 働 き 方 改 革 としていかに 実 効 性 のある 対 策 を 打 ち 出 すこ とができるかが 注 目 される 5
1 労 働 保 険 料 徴 収 法 は 労 働 保 険 の 保 険 料 の 徴 収 等 に 関 する 法 律 育 児 介 護 休 業 法 は 育 児 休 業 介 護 休 業 等 育 児 又 は 家 族 介 護 を 行 う 労 働 者 の 福 祉 に 関 する 法 律 高 年 齢 者 雇 用 安 定 法 は 高 年 齢 者 等 の 雇 用 の 安 定 等 に 関 する 法 律 男 女 雇 用 機 会 均 等 法 は 雇 用 の 分 野 における 男 女 の 均 等 な 機 会 及 び 待 遇 の 確 保 等 に 関 する 法 律 の 略 2 労 働 者 ( 雇 用 保 険 被 保 険 者 )が 失 業 してその 所 得 の 源 泉 を 喪 失 した 場 合 労 働 者 について 雇 用 の 継 続 が 困 難 となる 事 由 が 生 じた 場 合 及 び 労 働 者 が 自 ら 職 業 に 関 する 教 育 訓 練 を 受 けた 場 合 に 生 活 及 び 雇 用 の 安 定 と 就 職 の 促 進 のために 支 給 される 雇 用 保 険 の 給 付 3 失 業 の 予 防 雇 用 機 会 の 増 大 労 働 者 の 能 力 開 発 等 に 資 する 雇 用 対 策 事 業 で 雇 用 安 定 事 業 と 能 力 開 発 事 業 がある 4 厚 生 労 働 省 令 により 短 時 間 勤 務 制 度 フレックスタイム 制 度 始 業 終 業 時 刻 の 繰 り 上 げ 繰 り 下 げの 制 度 及 び 介 護 サービスを 利 用 する 場 合 労 働 者 が 負 担 する 費 用 を 助 成 する 制 度 その 他 これに 準 ずる 制 度 のうちいずれか 1 つ 以 上 の 措 置 であって 少 なくとも 2 回 以 上 の 申 出 が 可 能 となる 制 度 となる 見 通 し 5 基 本 手 当 日 額 の 30 日 分 ( 被 保 険 者 期 間 1 年 未 満 )または 50 日 分 ( 同 1 年 以 上 )の 一 時 金 なお 基 本 手 当 日 額 は 雇 用 保 険 で 受 給 できる 1 日 当 たりの 金 額 6 教 育 訓 練 給 付 は 雇 用 保 険 の 被 保 険 者 等 が 自 ら 費 用 を 負 担 して 厚 生 労 働 大 臣 が 指 定 する 教 育 訓 練 講 座 を 受 講 し 修 了 した 場 合 本 人 がその 教 育 訓 練 施 設 に 支 払 った 経 費 の 一 部 を 支 給 する 制 度 高 年 齢 被 保 険 者 に 対 する 教 育 訓 練 給 付 金 の 支 給 対 象 には 教 育 訓 練 を 開 始 した 日 が 高 年 齢 被 保 険 者 でなくなった 日 から 1 年 以 内 にある 者 を 含 む 7 短 期 雇 用 特 例 被 保 険 者 ( 季 節 的 に 雇 用 されている 者 等 ) 日 雇 労 働 被 保 険 者 等 は 保 険 料 免 除 の 対 象 から 除 かれる 8 再 就 職 手 当 の 額 は 基 本 手 当 日 額 所 定 給 付 日 数 の 支 給 残 日 数 一 定 割 合 9 第 百 九 十 回 国 会 における 安 倍 内 閣 総 理 大 臣 施 政 方 針 演 説 (2016 年 1 月 22 日 )による 当 レポートは 情 報 提 供 のみを 目 的 として 作 成 されたものであり 商 品 の 勧 誘 を 目 的 としたものではありません 本 資 料 は 当 社 が 信 頼 できると 判 断 した 各 種 データに 基 づき 作 成 されておりますが その 正 確 性 確 実 性 を 保 証 するものではありません また 本 資 料 に 記 載 された 内 容 は 予 告 なしに 変 更 されることもあります 6