高 等 学 校 第 1 学 年 コミュニケーション 英 語 Ⅰ 学 習 指 導 案 日 時 平 成 27 年 10 月 30 日 ( 金 ) 第 2 限 授 業 者 教 育 センター 所 員 相 島 倫 子 1 単 元 名 Lesson 5 Teammates 2 教 材 教 科 書 PROMINENCE Communication English Ⅰ ( 東 京 書 籍 ) 3 教 材 観 黒 人 初 のメジャーリーガーである,ジャッキー ロビンソンを 扱 った 読 み 物 であ 当 時 の 黒 人 差 別 の 実 態 や,ジャッキーの 気 持 ちの 揺 れを 正 確 に 読 み 取 ることで, 彼 の 差 別 に 屈 せず, 黒 人 への 門 戸 を 開 こうとする 先 駆 者 としての 信 念 の 強 さを 感 じさせると 同 時 に, 国 際 社 会 を 生 きる 者 の 在 り 方 を 生 徒 一 人 一 人 に 考 えさせる 題 材 であ 4 生 徒 観 文 系 クラスで, 明 るく,ペアやグループが 作 りやすい 雰 囲 気 があ 教 師 の 説 明 や 指 示 を 聞 く 姿 勢 や, 教 師 の 指 示 に 対 する 反 応 が 良 い 英 語 学 習 においても 意 欲 的 で, 知 識 技 能 の 習 得 に 熱 心 であ コミュニケーション 英 語 Ⅰの 授 業 はほぼ 英 語 で 行 われているが,7 割 以 上 の 生 徒 が 6 割 以 上 は 授 業 内 容 を 理 解 できている と 答 えてい 自 の 苦 手 な 力 は 話 す 力, 次 いで 聞 く 力 という 認 識 が あり, 一 番 身 に 付 けたい 力 という 質 問 に 対 し, 最 も 多 くの 生 徒 (24.3%)が 話 す 力 と 回 答 し, 二 番 目 に 身 に 付 けたい 力 として 聞 く 力 を 挙 げた 生 徒 が 最 も 多 かった(22.5%) また,Show & Tell を 行 った 感 想 として, 自 で 考 える 活 動 が 楽 しい, 達 成 感 がある と 答 えており, 自 己 表 現 活 動 に 関 心 が 高 く, 聞 いたり 話 したりして 実 践 的 なコミュニケーション 能 力 を 伸 ばしたいと 考 えている 生 徒 が 多 いと 言 え 5 指 導 観 本 単 元 のゴールを,ペアによるインタビュー 活 動 の 発 表 とす 当 該 人 物 に 関 する 語 りで 構 成 され る 物 語 を 対 話 文 に 変 換 させ,インタビュアーとジャッキー ロビンソンに 扮 してインタビュー 活 動 を 行 わせ 発 表 までの 指 導 過 程 において, 音 読 や 意 見 の 交 換,スクリプトの 作 成 など 様 々な 言 語 活 動 を 経 験 させながら4 技 能 を 総 合 的 に 指 導 す 発 表 する 対 話 文 に 盛 り 込 む 内 容 は,テキストから 得 た 情 報 と,テキストの 主 題 を 深 く 読 み 取 って 感 じた 生 徒 自 身 の 感 想 や 意 見 とすそのために, 主 にリ ーディングを 通 して,1 生 徒 にテキストの 内 容 を 的 確 に 理 解 させること,2 自 とテキストとのつな がりを 強 く 感 じ, 読 み 取 った 内 容 を 自 に 反 映 して 思 考 させることをねらいとし, 次 のⅠ~Ⅲの3 点 に 留 意 して 指 導 を 行 う また,ICTを 取 り 入 れることで, 円 滑 なコミュニケーションの 遂 行 が 期 待 でき 学 習 用 PCを 用 いてペア ワークに 取 り 組 ませ, 互 いの 意 見 を 交 換, 共 有 させることで, 自 の 読 みや 考 えがさらに 深 まり, 豊 かな 表 現 につながると 考 え 協 力 してよりよいものを 作 り 出 そ うとする 意 欲 も 生 まれ, 学 習 効 果 も 高 まると 考 え -1-
Ⅰ 理 解 を 深 め, 思 考 を 促 すための 発 問 構 成 発 問 を 工 夫 し, 生 徒 の 背 景 知 識 を 活 性 化 したり, 場 面 をイメージして 全 体 像 をつかませたりす また, 語 彙 文 法 文 構 造 を 把 握 しながら,テキストに 書 かれている 情 報 を 正 確 に 理 解 させるよう な 発 問 を 行 う さらに,テキストの 主 題 に 関 わる 部 や, 多 様 な 捉 え 方 ができるものを 問 いかける ことで, 生 徒 に 自 とテキストのつながりを 強 く 感 じさせ, 生 徒 の 豊 かな 表 現 を 引 き 出 したい Ⅱ 自 己 表 現 につながる 音 読 活 動 音 読 には, 学 習 した 語 彙 や 文 法 などを 内 在 化 し, 表 現 活 動 のための 発 表 能 力 の 基 礎 を 築 く 効 果 が あると 考 えテキストの 理 解 の 指 導 後 の 音 読 の 繰 り 返 しは, 生 徒 の 直 読 直 解 の 力 を 高 め,リスニ ング 力 の 向 上 にもつながると 考 え 音 読 のバリエーションを 工 夫 し, 生 徒 がテキストを 主 観 的 に 捉 え, 豊 かな 表 現 を 産 出 できるような 手 立 てを 行 う Ⅲ リーディング 指 導 の 段 階 に 応 じたICTの 活 用 リーディング 指 導 の 各 段 階 (pre-reading,while-reading,post-reading)に 応 じて,ICTの 効 果 的 な 活 用 を 試 み 生 徒 の 背 景 知 識 を 活 性 化 させる, 生 徒 にテキストへの 興 味 を 持 たせる, 生 徒 の 読 みを 深 める, 読 み 取 った 内 容 を 基 に 自 の 考 えを 表 現 させる などの 目 的 に 合 わせ, ICTを 有 効 に 活 用 す 6 単 元 の 目 標 ア ペア ワークに 積 極 的 に 参 加 し, 互 いに 協 力 しながら 会 話 を 続 け イ 対 話 文 の 形 式 で,テキストに 関 する 情 報 や 自 の 意 見 を 話 したり, 書 いたりす ウ 登 場 人 物 の 言 動 やその 理 由 などを 捉 え, 概 要 や 要 点 を 読 み 取 るとともに, 読 んだ 内 容 について 感 想 を 述 べることができるように, 批 判 的 に 読 む エ 学 習 した 語 や 文 法 事 項 の 使 い 方 に 関 する 知 識 を 身 に 付 け, 適 切 に 用 い 7 単 元 の 評 価 規 準 コミュニケーション への 関 心 意 欲 態 度 外 国 語 表 現 の 能 力 外 国 語 理 解 の 能 力 言 語 や 文 化 についての 知 識 理 解 1ペア ワークに 積 極 1 聞 いたり 読 んだりし 1 概 要 や 要 点 と と も 1 学 習 した 語 や 文 法 事 的 に 参 加 し, 互 いに たこと, 学 んだこと に, 登 場 人 物 の 言 動 項 の 使 い 方 に 関 する 協 力 しながら 会 話 を や 経 験 したことにつ やその 言 動 の 理 由 知 識 を 身 に 付 け, 適 続 けてい いて, 自 の 考 えを 等 を 捉 えることが 切 に 用 いることがで 書 くことができ でき き 2 対 話 文 の 形 式 で,テ キストに 関 する 情 報 や 自 の 意 見 を 話 す ことができ -2-
8 指 導 と 評 価 の 計 画 (10 時 間 ) 時 ねらい 学 習 活 動 指 導 上 の 留 意 点 間 教 科 書 中 の 写 真 や teacher talk を 活 用 して, 背 景 知 識 を 活 性 化 するとともに, 題 材 に 対 して 興 味 関 心 を 持 つ 単 元 のゴールを 知 [ 学 習 活 動 ] 1 教 師 の 発 問 に 答 えるなどして, 単 元 内 容 の 背 景 知 識 を 高 1 め 2 インタビュー 動 画 を 視 聴 す ICTと teacher talk を 効 果 的 に 活 用 す インタビューを 行 うための 具 体 的 方 略 ( 相 づち,ジェスチ ャー, 目 線 など)に 注 目 して 視 聴 するよう 指 示 す 各 Part の 語 ( 句 ), 表 現, 文 法 を 確 認 理 解 す 本 文 の 概 要 や 要 点 を 捉 えるとともに,それに 対 する 感 想 や 意 見 を 表 現 す [ 学 習 活 動 ] 1 必 要 に 応 じて,ワークシートで 語, 表 現 の 意 味 や 発 音, 用 法 を 確 認 す 2 各 パート( 1~ 4)で 練 習 させる 文 法 事 項 4 1: 過 去 完 了 形 6 2:S+V+O+C(C= 動 詞 の 原 形 ) 8 4:S+V+O(O=if または whether で 始 まる 節 ) 2 教 師 の 発 問 に 答 えながら 読 みを 深 め,ワークシート 上 の フローチャートを 完 成 させ 本 文 の 感 想 や 意 見 をまとめ 発 問 には, 読 後 の 表 現 活 動 に 活 用 できる 表 現 を 用 い 学 習 の 形 態 ( 個 人,ペア, 全 体 )を 工 夫 す 本 文 の 内 容 理 解 を 伴 う 音 読 活 動 を 行 う 3 本 文 の 内 容 を 基 に,インタビュー 形 式 の 対 話 文 を 作 成 す 5 [ 学 習 活 動 ] 7 1 本 文 を 音 読 す 9 2 各 パートの 内 容 に 対 する 感 想 や 意 見 をワークシートに 記 入 す 3 インタビュー 形 式 の 対 話 文 を 作 成 し, 学 習 用 PCを 使 っ て 記 録 す 単 元 の 評 価 規 準 知 理 の1 理 解 の1 表 現 の1 評 価 方 法 筆 記 テスト ( 後 日 ) ワークシート 1 ワークシート 2-3-
3 4 個 人 やペアで 発 表 の 練 習 を 行 う 関 意 態 活 動 の 観 察 5 の1 7 教 科 書 の 内 容 を 自 の 視 点 で 捉 え, 自 己 表 現 を 促 すように, 9 音 読 のバリエーションを 工 夫 す 協 働 学 習 のためのワークシートを 作 成 す ペアで 自 己 表 現 活 動 を 行 う [ 学 習 指 導 ] 10 1 インタビューというコミュニケーションの 場 面 を 設 定 表 現 の2 パフォーマン し,ペアで 役 割 を 決 め, 自 己 表 現 活 動 を 行 う ステスト 評 価 基 準 を 明 確 にす 9 本 時 の 目 標 及 び 評 価 規 準 (1) 目 標 ア 概 要 や 要 点 とともに, 登 場 人 物 の 言 動 やその 理 由 などを 捉 え イ 語 句 や 文 構 造, 文 法 事 項 などについての 知 識 を 身 に 付 け (2) 本 時 の 視 点 Ⅰ リーディング 指 導 の 段 階 に 応 じ 発 問 を 工 夫 すそれにより, 生 徒 は 文 法, 構 文 などを 理 解 す るとともに 意 味 内 容 を 正 確 に 捉 え,テキストの 内 容 を 正 しく 理 解 することができまた, 本 文 に 書 かれている 事 実 を 理 解 するだけでなく,テキストの 主 題 を 読 み 取 り, 自 とテキストのつな がりを 強 く 感 じることができ 発 問 の 工 夫 により, 生 徒 に 主 体 的 に,さらには 異 なる 角 度 から テキストを 読 ませ Ⅱ ICTによる, 文 字 情 報 や 視 覚 的 情 報 の 提 示 のタイミングを 工 夫 すReview の 指 導 時 にIC Tを 活 用 することで, 生 徒 の 背 景 知 識 を 活 性 化 させるとともに, 本 時 の 主 題 への 伏 線 をはる 効 果 が 期 待 でき 本 時 のリーディング 指 導 は, 主 に while-reading の 段 階 ( 生 徒 がテキストの 情 報 を 的 確 に 読 み 取 る 段 階, 生 徒 が 読 み 取 った 情 報 を 基 に 思 考 を 深 める 段 階 )に 当 た 生 徒 の 読 みの 過 程 に 応 じてICTを 効 果 的 に 活 用 し, 豊 かな 表 現 につながる 深 い 思 考 を 促 す (3) 評 価 規 準 1コミュニケーション への 関 心 意 欲 態 度 2 外 国 語 表 現 の 能 力 3 外 国 語 理 解 の 能 力 4 言 語 や 文 化 について の 知 識 理 解 概 要 や 要 点 ととも 語 句 や 文 構 造, 文 法 に, 登 場 人 物 の 言 動 や 事 項 などについての 知 その 理 由 等 を 捉 えるこ 識 を 身 に 付 けてい とができ -4-
(4) 本 時 の 展 開 (6/10) 時 間 指 導 過 程 生 徒 の 学 習 活 動 教 師 の 活 動 及 び 指 導 上 の 留 意 点 主 な 評 価 の 観 点 評 価 方 法 5 1 Warm-up 野 球 に 関 する 語 ICTによる 情 報 野 球 に 関 する 句 を 知 の 提 示 の タ イ ミ 語 句 の 確 認 ングを 工 夫 す 8 2 Vocabulary & 新 出 語 ( 句 )の 確 正 しく 発 音 でき 語 句 や 文 法 事 項 筆 記 テスト Listening 認 をす るように 支 援 す な ど に つ い て ( 後 日 ) 新 出 語 句 の 確 ペアによる 練 習 の 知 識 を 身 に 認 本 文 を 聞 いて, 付 け, 適 切 に 用 英 語 の 音 声 的 い る こ と が で 特 徴 を 捉 え き て い る か (4) 28 3 ReadingⅠ&Ⅱ 意 味 内 容 を 考 え 英 語 の 音 声 的 な 本 文 の 概 要 や ながら 音 読 す 特 徴 に 注 意 しな 要 点 の 把 握 がら 音 読 するよ う 指 導 す 本 文 の 内 容 理 解 本 文 の 理 解 を 促 に 関 する 教 師 の すような 発 問 を 発 問 に 答 え す 読 解 に 必 要 な 文 生 徒 のつまずき 法 事 項 について に 応 じて 文 法 事 理 解 す 項 を 説 明 す ワークシートに 生 徒 の 反 応 に 応 本 文 の 概 要 や 要 ワークシー 記 入 す じて 発 問 を 工 夫 点 とともに, 登 ト1 す 場 人 物 の 言 動 や その 理 由 等 を 理 解 しているか (3) 8 4 Reading Ⅲ 本 文 を 読 んで, 読 後 活 動 に 必 要 読 後 の 感 想 の 最 も 印 象 的 な 箇 な 英 文 を 学 習 用 まとめ 所 を 学 習 用 PC PCに 記 録 する に 記 録 す よう 指 導 する ペアで 互 いの 意 ペアでの 話 合 い 見 を 交 換 す が 活 発 になるよ う 指 導 す 1 5 Wrap-up 生 徒 の 意 欲 を 引 課 題 の 指 示 と き 出 すような 生 徒 へ の フ motivational ィ ー ド バ ッ feedback を 与 え ク -5-
参 考 文 献 文 部 科 学 省 高 等 学 校 学 習 指 導 要 領 解 説 外 国 語 編 英 語 編 平 成 22 年 5 月 国 立 教 育 政 策 研 究 所 評 価 規 準 の 作 成, 評 価 方 法 等 の 工 夫 改 善 のための 参 考 資 料 ( 高 等 学 校 外 国 語 ) 平 成 24 年 7 月 伊 東 治 己 編 アウトプット 重 視 の 英 語 授 業 平 成 20 年 教 育 出 版 田 中 武 夫 田 中 知 聡 著 英 語 教 師 のための 発 問 テクニック 平 成 21 年 大 修 館 書 店 卯 城 祐 司 編 英 語 で 英 語 を 読 む 授 業 平 成 23 年 1 月 研 究 社 -6-