1. 血 液 血 液 は 体 重 の 約 8% 男 性 では5~6 l 女 性 では4~5 l ph7.35~7.45 温 度 は 約 38 あります 血 液 の 作 用 は 1) 酸 素 炭 酸 ガスの 運 搬 2) 栄 養 の 吸 収 運 搬 3) 酸 塩 基 の 平 衡 4) 浸 透 圧 の 維 持 5) 体 温 調 節 6) 免 疫 機 能 7) 止 血 凝 固 機 能 などです 原 則 として 血 液 は 血 管 の 中 では 凝 固 しませんが 血 管 外 では 凝 固 します この 凝 固 機 能 が 損 なわれると 出 血 多 量 となってしまいます 1) 血 液 の 組 成 体 重 全 血 液 8% その 他 の 組 織 体 液 92% 血 漿 55% 細 胞 成 分 45% 水 91.5 蛋 白 質 7% アルブミン 54% グロブリン 38% フィブリノゲン 7% その 他 1.5% 赤 血 球 480 万 ~540 万 /μl 白 血 球 5,000~10,000/μl 血 小 板 150,000~400,000/μl 血 液 の 凝 固 には 沢 山 の 因 子 がかかわりますが フィブリノゲン 血 小 板 は 凝 固 に 関 係 する 主 な 因 子 です 1
2. 止 血 れん 血 管 が 損 傷 を 受 けたとき 止 血 がおこるには 1) 血 管 の 攣 縮 ( 収 縮 ) 2) 血 小 板 血 栓 の 形 成 3) 血 液 凝 固 の 過 程 がおこります 1) 一 次 止 血 フォン ヴィレブランド 因 子 *** 破 綻 した 血 管 内 皮 血 管 内 皮 細 胞 基 底 膜 膠 原 線 維 血 管 は 内 皮 細 胞 基 底 膜 結 合 織 からできており 血 管 が 損 傷 すると 血 管 内 皮 細 胞 が 損 傷 し ここにあるフォン ヴィレブランド 因 子 と 結 合 織 にある 膠 原 線 維 が 反 応 して 血 小 板 を 付 着 ( 粘 着 )させ さらに 血 小 板 どうしが 凝 集 して 血 小 板 血 栓 を 形 成 します これが 一 次 止 血 です 2) 二 次 止 血 引 き 続 いて 血 漿 の 中 にあるいろいろな 凝 固 因 子 が 働 いてフィブリン( 繊 維 素 ) が 形 成 され 血 球 血 小 板 血 漿 タンパク 質 などからなる 二 次 血 栓 が 形 成 されます 3. 血 液 凝 固 血 液 凝 固 の 機 序 血 液 が 凝 固 するには 多 くの 因 子 が 関 わり この 中 のどれか 一 つが 欠 けて も 血 液 は 凝 固 しなく( 凝 固 しにくく)なります 2
4. 出 血 性 素 因 に 関 する 検 査 1) 検 査 の 種 類 出 血 性 素 因 を 検 査 するには 次 のような 方 法 があります (1) 血 小 板 数 (2) 出 血 時 間 (3) 凝 固 時 間 (4) 毛 細 管 抵 抗 (5)プロトロンビン 時 間 (6) 部 分 トロンボプラスチン 時 間 (7)トロンビン 時 間 (8)フィブリノゲン 量 (9) 凝 固 因 子 活 性 (10) 血 中 抗 凝 固 因 子 など このうち 出 血 時 間 に 関 係 する 因 子 には 1 毛 細 血 管 2 血 小 板 数 3 血 小 板 の 機 能 4フォン ヴィレブランド 因 子 などがあり 凝 固 時 間 に 関 係 する 因 子 には 1 血 漿 中 の 凝 固 因 子 の 何 かが 欠 乏 しているか 2 抗 凝 固 因 子 が 増 加 しているか が あります また プロトロンビン 時 間 が 正 常 であれば フィブリノゲン プロトロンビン 第 Ⅴ 因 子 第 Ⅹ 因 子 第 Ⅶ 因 子 の 異 常 は 除 外 されます 3
5. 血 液 凝 固 の 因 子 と 遺 伝 血 液 の 凝 固 にはⅠからⅩⅢの 凝 固 因 子 と 他 の 複 数 の 因 子 の 関 与 することが 知 ら れています これらの 因 子 とその 染 色 体 上 の 位 置 遺 伝 様 式 を 表 に 記 します 凝 固 の 因 子 染 色 体 遺 伝 Ⅰ フィブリノゲン( 無 フィブリノゲン 血 症 ) 4q28 AR,AD ( 異 常 フィブリノゲン 血 症 ) Ⅱ プロトロンビン 11p11-q12 AR Ⅲ トロンボプラスチン Ⅳ カルシウムイオン Ⅴ プロアクセレリン 1q23 AR Ⅶ プロコンバーチン 13q34 AR Ⅷ 抗 血 友 病 因 子 ( 血 友 病 A) Xq28, XR Ⅸ クリスマス 因 子 ( 血 友 病 B) Xq27.1 XR Ⅹ スチュアート 因 子 13q34 AR ⅩⅠ 血 漿 トロンボプラスチン 前 駆 物 質 (PTA) 4q35 AR ⅩⅡ ハーゲマン 因 子 5q33-qter AR ⅩⅢ フィブリン 安 定 化 因 子 6p23, AR 1q31-q32.1 フォン ヴィレ フォン ヴィレブランド 病 12pter-p12 AD(AR) ブランド 因 子 血 小 板 膜 糖 蛋 Bernard-Soulier 症 候 群 q21-q23 AR 白 異 常 症 Glanzmann 血 小 板 無 力 症 17pter-p12 AR 高 分 子 キニノゲン 3q26-qter AR プレカリクレイン 欠 乏 4q35 AR Ⅵは 欠 番 AR: 常 染 色 体 劣 性 遺 伝 AD: 常 染 色 体 優 性 遺 伝 XR:X 連 鎖 劣 性 遺 伝 4
6. 血 友 病 遺 伝 といえばメンデル(1822-1884)を 思 い 出 しますが 歴 史 的 にはある 宗 教 に その 男 子 の 兄 2 人 に 出 血 傾 向 があれば その 子 の 割 礼 を 免 除 する いう 規 定 があ り 経 験 的 に 出 血 傾 向 という 体 質 が 遺 伝 によって 伝 わることが 分 かっていたと 考 え られます : 正 常 男 子 : 正 常 女 子 : 罹 患 男 子 : 保 因 者 ( 女 子 ) : 罹 患 女 子 これは 有 名 な 血 友 病 の 家 系 図 です 一 見 して 血 友 病 発 病 者 である が 多 いことが わかります は 一 人 もいません は ( 保 因 者 である 母 親 )から 生 まれている こともわかります 血 友 病 には 第 Ⅷ 因 子 の 欠 乏 する 血 友 病 A( 男 性 1 万 人 に 1 人 )と 第 Ⅸ 因 子 の 欠 乏 する 血 友 病 B( 男 性 10 万 人 に 2 人 )と があります ともに X 連 鎖 劣 性 遺 伝 をし ます 後 天 性 血 友 病 は 第 Ⅷ 因 子 の 遺 伝 子 は 正 常 で 第 Ⅷ 因 子 に 対 する 自 己 抗 体 が 産 生 さ れて 起 こる 疾 患 で 100 万 人 に 1 人 程 度 と 稀 で 高 齢 者 に 多 いとされています 5
1) 症 状 関 節 内 出 血 筋 肉 出 血 皮 下 血 腫 鼻 出 血 消 化 管 出 血 抜 歯 後 出 血 手 術 後 出 血 時 に 頭 蓋 内 出 血 などがみられます 新 生 児 期 は 少 ないようですが 分 娩 時 の 頭 蓋 内 出 血 や 頭 血 腫 が 稀 にあります 2) 血 友 病 の 診 断 (1) 血 液 学 的 診 断 第 Ⅷ(Ⅸ) 因 子 活 性 値 が 40% 以 下 であれば 血 友 病 A(B)の 可 能 性 が 考 えられます 正 常 患 者 第 Ⅷ(Ⅸ) 因 子 活 性 値 50~150% <40% 血 友 病 重 症 度 の 判 定 さらに 活 性 値 によって 重 症 度 が 分 類 できます. 重 症 中 等 症 軽 症 第 Ⅷ(Ⅸ) 因 子 活 性 値 <1% 1~5% 5~40% (2) 鑑 別 診 断 血 友 病 B フォン ヴィレブランド 病 その 他 の 凝 固 因 子 欠 乏 症 後 天 性 血 友 病 6
(3) 遺 伝 子 診 断 1980 年 代 に 血 友 病 の 遺 伝 子 診 断 が 可 能 となりました 当 初 は 非 常 に 大 雑 把 な 患 者 の 病 因 遺 伝 子 異 常 の 検 索 と 保 因 者 診 断 や 出 生 前 診 断 が 行 なわれましたが 現 在 遺 伝 子 解 析 は 簡 便 かつ 迅 速 なものとなりました 1 第 Ⅷ 因 子 遺 伝 子 ( 血 友 病 A) 第 Ⅷ 因 子 遺 伝 子 (F8)は X 染 色 体 の 長 腕 (Xq28)にあります X 染 色 体 の 約 0.1%に 相 当 する 非 常 に 大 きな 遺 伝 子 です F8 の 異 常 は 点 変 異 欠 失 挿 入 などあり 血 友 病 A となります 特 徴 的 なものは 重 症 型 の 約 40%にみられ る 逆 位 です (http://europium.csc.mrcac.uk/) 2 第 Ⅸ 因 子 遺 伝 子 ( 血 友 病 B) 第 Ⅸ 因 子 遺 伝 子 (F9)は X 染 色 体 の 長 腕 (Xq27.1)にあります F9 の 異 常 も 点 変 異 欠 失 挿 入 などあり 血 友 病 B となります 点 変 異 が 最 も 多 いで す (http://www.kcl.ac.uk/ip/petergreen/haembdatabase.html) 3) 治 療 血 漿 由 来 の 高 純 度 精 製 第 Ⅷ(Ⅸ) 因 子 製 剤 リコンビナント 第 Ⅷ 因 子 製 剤 が 用 いられます. 7
4) 遺 伝 :X 連 鎖 劣 性 遺 伝 をします XX はヘテロ 接 合 XY はヘミ 接 合 です ( 男 性 は XY と X が 1 つなので ヘミ 接 合 といいます) XX XY XX XY XX XX XY XY XX XX XY XY ( 1 ) ( 2 ) ( 1 ) X 連 鎖 劣 性 遺 伝 をするとき 母 親 が 保 因 者 であれば 息 子 の 半 数 に 原 因 遺 伝 子 が 伝 わりヘミ 接 合 で 発 病 娘 の 半 数 には 原 因 遺 伝 子 が 伝 わり 保 因 者 となります (2 ) 父 親 が 患 者 で 原 因 遺 伝 子 をもち 母 親 が 健 常 で 原 因 遺 伝 子 をもたなければ 娘 は 全 員 保 因 者 息 子 には 原 因 遺 伝 子 は 伝 わりません XX XY XX XY XX XX XY XY XX XX XY XY ( 3 ) ( 4 ) (3 ) 父 親 が 患 者 で 原 因 遺 伝 子 をもち 母 親 が 保 因 者 であれば 娘 の 半 数 は 保 因 者 半 数 は 原 因 遺 伝 子 をホモ 接 合 にもち 発 病 ( 女 性 血 友 病 ) 息 子 の 半 数 はヘミ 接 合 で 発 病 半 数 は 原 因 遺 伝 子 をもちません (4 ) 父 親 が 原 因 遺 伝 子 をもたず 母 親 がホモ 接 合 で 発 病 ( 女 性 血 友 病 )のときは 娘 は 全 員 保 因 者 息 子 は 全 員 がヘミ 接 合 で 発 病 となります 8
5) 保 因 者 (1) 保 因 者 : 原 因 遺 伝 子 を 1 つもっているが 正 常 と 全 く あるいはほとん ど 変 わらない 者 をいい 次 のように 分 類 されます a) 確 定 保 因 者 (Definite carrier): 家 系 図 のみで 保 因 者 診 断 が 可 能 患 者 の 娘 患 者 2 人 以 上 患 児 1 人 と 同 一 家 系 に 患 児 と 患 児 をもつ をもつ 母 親 別 の 患 者 のいる 母 親 娘 の 母 親 b) 可 能 保 因 者 (Probable carrier) c) 潜 在 保 因 者 (Possible carrier) ( 突 然 変 異 で 患 者 を 生 んだ 可 能 性 あり) ( 保 因 者 である 確 率 は 50% またはそれ 以 下 ) 患 者 1 人 の 母 親 患 者 の 姉 妹 は 50% その 娘 は 25% (2) 保 因 者 がもつ 問 題 1 保 因 者 は 女 性 で 原 因 遺 伝 子 をヘテロ 接 合 にもちます 2 原 因 遺 伝 子 をもつ X 染 色 体 の 不 活 化 *はランダムにおこります 3 正 常 の X 染 色 体 の 不 活 化 もランダムにおこります この 結 果 血 友 病 A の 保 因 者 の 約 半 数 は 第 Ⅷ 因 子 活 性 が 50% 未 満 ですが ごく 稀 には 正 常 X 染 色 体 への 極 端 な* 不 活 化 の 場 合 第 Ⅷ 因 子 活 性 が 数 %ということ になり 現 に 出 血 症 状 があると 女 性 血 友 病 と 診 断 されます * 不 活 化 : 女 性 の 2 本 ある XX 染 色 体 のどちらか 1 本 が 活 動 していないこと 9
7. 保 因 者 診 断 1) 凝 血 学 的 診 断 a) 第 Ⅷ 因 子 活 性 の 測 定 : 健 常 者 の 50% 前 後 に 低 下 していることが 多 い b) 第 Ⅷ 因 子 /フォン ヴィレブランド 因 子 <0.5 ( 妊 娠 中 は 両 因 子 量 は 増 加 す るが その 比 は 変 化 しない) 2) 遺 伝 子 診 断 a) DNA 多 型 マーカーを 用 いた 間 接 的 診 断 b) 直 接 的 診 断 : 逆 位 欠 失 挿 入 点 変 異 などの 第 Ⅷ(Ⅸ) 因 子 遺 伝 子 の 異 常 が あらかじめ 明 らかな 家 系 では 可 能 です 8. 胎 児 診 断 十 分 な 遺 伝 カウンセリングを 行 なった 上 限 られた 症 例 で かつ 一 定 の 条 件 下 でのみ 行 なわれます 1) 診 断 の 方 法 超 音 波 診 断 羊 水 診 断 絨 毛 診 断 胎 児 血 液 などがあります 2) 検 査 時 期 (1) 絨 毛 採 取 (9~11 週 ) (2) 羊 水 採 取 (16~20 週 ) (3) 胎 児 血 液 ( 妊 娠 18~21 週 ) 3) 検 査 方 法 (1) DNA 診 断 (2) 第 Ⅷ 第 Ⅸ 因 子 活 性 値 の 測 定 妊 娠 18~21 週 に 胎 児 の 臍 帯 または 肝 から 採 血 し 測 定 します. 正 常 胎 児 血 漿 第 Ⅷ(Ⅸ) 因 子 活 性 値 第 Ⅷ 因 子 活 性 第 Ⅸ 因 子 活 性 妊 娠 20 週 前 後 健 康 成 人 の 30~50% 3~10% 10
遺 伝 の は な し 14 4) DNA 診 断 の 実 際 ( 保 因 者 診 断 胎 児 診 断 ) (1) Southern blot 法 による Ⅰ 1 2 Ⅱ 1 2 kb Ⅰ-1 Ⅰ-2 Ⅱ-1 Ⅱ-2 Ⅰ-1 Ⅰ-2 の 夫 婦 の 第 1 子 (Ⅱ-1)が 重 症 血 友 病 Bcl Ⅰ/RFLP 分 析 妊 婦 (Ⅰ-2)は 1.2kb と 0.9kb のバンドをもつヘテロ 接 合 体 で 患 児 (Ⅱ-1)と 父 親 (Ⅰ-1)はともに 0.9kb のバンドをもつ これより 0.9kb バンドが 原 因 遺 伝 子 に 関 連 している 胎 児 (Ⅱ-2)は 1.2kb( 母 親 由 来 )と 0.9kb( 父 親 由 来 )のヘテロ 接 合 体 であるから 非 保 因 者 女 性 となります ( 奈 良 県 立 医 科 大 学 吉 岡 章 ) (2) PCR 法 による Ⅰ 1 2 Ⅱ 1 2 142bp 99bp 43bp Ⅰ-1 Ⅰ-2 Ⅱ-1 Ⅱ-2 第 1 子 (Ⅱ-1)が 重 症 血 友 病 の 夫 婦 (Ⅰ1 Ⅰ-2) Bcl Ⅰ/RFLP 分 析 妊 婦 (Ⅰ-2)は 142bp と 99bp+43bp のバンドをもつヘテロ 接 合 体 で 患 児 (Ⅱ-1) は 99bp+43bp のバンドを 示 し このバンドが 血 友 病 A に 関 連 している 父 親 (Ⅰ -1)は 142bp のバンドをもちます 胎 児 (Ⅱ-2)は 142bp( 父 親 由 来 )と 99+43bp( 母 親 由 来 )のヘテロ 接 合 体 であるから 保 因 者 女 性 です ( 奈 良 県 立 医 科 大 学 吉 岡 章 ) 11
9. 出 生 前 診 断 システム 病 型 診 断 重 症 度 判 定 遺 伝 相 談 保 因 者 診 断 妊 娠 絨 毛 採 取 (9-13 週 ) 羊 水 穿 刺 (15-20 週 ) 性 別 性 別 女 児 男 児 男 児 女 児 遺 伝 子 解 析 胎 児 採 血 (18-21 週 ) 非 血 友 病 血 友 病 非 血 友 病 血 友 病 出 産 出 産 D&C 出 産 D&C 出 産 ( 奈 良 県 立 医 科 大 学 吉 岡 章 ) 軽 症 患 者 ; 自 発 性 出 血 はほとんどなく 発 症 年 齢 も 高 いことから 出 生 前 診 断 の 適 応 とはなりません 変 異 病 型 ; 第 Ⅷ(Ⅸ) 因 子 抗 原 量 は 正 常 値 を 示 すので 胎 児 血 漿 中 の 第 Ⅷ(Ⅸ) 因 子 抗 原 量 は 診 断 根 拠 となりません 12
10. 遺 伝 相 談 (15 ページ 参 照 ) ある 家 族 内 で 1 人 だけ 発 症 している 場 合 ( 孤 発 例 ) 単 純 に 考 えると 母 親 は 保 因 者 ですが 発 症 者 は 突 然 変 異 かもしれません また その 者 の 同 胞 に 健 常 者 が 多 い ほど その 母 親 が 保 因 者 である 可 能 性 は 低 くなります( 再 発 率 も 低 くなります) 1) 孤 発 例 の 推 定 Ⅰ 1) 2) Ⅱ 1) Ⅰ2)が 保 因 者 Ⅰ2)が 非 保 因 者 事 前 確 率 12μ 1-12μ=1 条 件 確 率 1/2 μ 結 合 確 率 6μ μ 事 後 確 率 6μ/6μ+μ=6/7 μ/6μ+μ=1/7 Ⅱ1)は 孤 発 例 です 母 親 Ⅰ2)は 保 因 者 か あるいは 非 保 因 者 です Ⅰ2)が 保 因 者 である 事 前 確 率 を 12μ(μ: 突 然 変 異 率 変 異 率 の 男 女 比 を 3.0 生 物 学 的 適 応 度 を 0.3)と 仮 定 すると 表 からⅠ2)が 保 因 者 である 確 率 は 6/7 と 計 算 されます 2) 健 常 な 同 胞 が 1 人 いる 孤 発 例 Ⅰ 1) 2) Ⅱ 1) 2) Ⅰ2)が 保 因 者 Ⅰ2)が 非 保 因 者 事 前 確 率 12μ 1-12μ=1 条 件 確 率 Ⅱ2)が 保 因 者 1/2 1/2 μ 1 結 合 確 率 12μ 1/2 1/2= 3μ μ 事 後 確 率 3μ/3μ+μ=3/4 μ/3μ+μ=1/4 孤 発 例 に 健 常 な 同 胞 が 一 人 いれば 母 親 が 保 因 者 である 確 率 は 3/4 3) 健 常 な 同 胞 が 2 人 いる 孤 発 例 Ⅰ Ⅱ Ⅰ2)が 保 因 者 Ⅰ2)が 非 保 因 者 事 前 確 率 12μ 1-12μ=1 条 件 確 率 Ⅱ 二 人 保 因 者 1/2 (1/2) 2 μ (1) 2 結 合 確 率 12μ 1/2 (1/2) 2 = 3μ/2 μ 事 後 確 率 3μ/2/3μ/2+μ=3/5 μ/3μ/2+μ=2/5 健 常 な 同 胞 が 2 人 いれば 母 親 が 保 因 者 である 確 率 は 3/5 となります 13
11. 血 友 病 A 以 外 の 出 血 性 疾 患 1) 血 友 病 B 第 Ⅸ 因 子 活 性 の 低 下 による X 連 鎖 劣 性 遺 伝 2) フォン ヴィレブランド 病 フォン ヴィレブランド 因 子 (VWF)の 減 少 異 常 が 主 因 で その 結 果 第 Ⅷ 因 子 も 低 下 します 1 型 2A 型 2B 型 2N 型 3 型 等 に 分 類 され 常 染 色 体 優 性 遺 伝 (70~90%) 一 部 は 常 染 色 体 劣 性 遺 伝 をします 3) 遺 伝 性 血 小 板 機 能 異 常 症 遺 伝 子 の 異 常 から 血 小 板 の 機 能 異 常 あるいは 減 少 が 原 因 となる 疾 患 があります 機 能 異 常 減 少 疾 患 遺 伝 血 小 板 無 力 症 AR Bernard-Soulier 症 候 群 AR Hermansky-Pudlak 症 候 群 AR Storage pool 病 AD Wiscott-Aldrich 症 候 群 XR May-Hegglin 症 候 群 AD Bernard-Soulier 症 候 群 AR AR: 常 染 色 体 劣 性 遺 伝 AD: 常 染 色 体 優 性 遺 伝 XR:X 連 鎖 劣 性 遺 伝 4) 後 天 性 血 友 病 もちろん 遺 伝 性 ではなく 第 Ⅷ 因 子 の 遺 伝 子 も 正 常 です 後 天 的 に 第 Ⅷ 因 子 対 する 自 己 抗 体 が 作 られ 第 Ⅷ 因 子 の 働 きが 阻 害 されることによっておこります 症 状 は 大 量 皮 下 出 血 関 節 筋 肉 出 血 歯 肉 出 血 など 血 友 病 A と 同 様 です 約 100 万 人 に 1 人 いて 高 齢 者 に 多 いです 治 療 が 可 能 で 再 発 は 稀 です 14
参 考 :ベイズの 定 理 : ある 確 率 でおこる 事 柄 ( 事 前 確 率 )が 引 き 続 いて 起 こる 現 象 ( 条 件 確 率 )によって 事 前 確 率 の 値 が 変 化 し ます これをベイズの 定 理 といいます 例 ) 1.A,B 2つの 壺 があり A の 中 には 赤 い 玉 が1つ 白 い 玉 が1つあります B の 中 には 白 い 玉 が2つ 入 っています 袋 の 中 には A,B どちらかの 壺 が 入 っています ( 事 前 確 率 :1/2) 2. 袋 から1つ 玉 を 取 り 出 したとき 赤 い 玉 なら 袋 の 中 にあるのは 壺 A です 白 い 玉 が 出 たときは A,B どちらかの 壺 ですから それぞれ 1/2 の 確 率 です( 条 件 確 率 :1/2) 3. 玉 を 元 に 戻 して 1 つ 取 り 出 します 4. 赤 い 玉 が 出 れば 袋 の 中 の 壺 は A です 白 い 玉 が 出 れば 袋 の 中 は B である 確 率 は 高 くなります 5. 何 回 も 繰 り 返 したとき 赤 い 玉 がでれば その 時 点 で 壺 は A と 確 定 しますが 白 い 玉 が 続 けて 出 るた びに 袋 の 中 は 壺 B である 確 率 が 高 くなります ベイズの 定 理 による 保 因 者 の 確 率 の 推 定 は 次 のようになります Ⅰ 1) 2) p:Ⅰ 2)が 保 因 者 である 確 率 Ⅱ c 1 : この 時 Ⅱ1)が 起 こる 確 率 ; 1) c 2 :Ⅰ 2)が 非 保 因 者 の 時 Ⅱ1)が 起 こる 確 率 とすると 次 の 表 ができます. Ⅰ 2)が 保 因 者 Ⅰ 2)が 非 保 因 者 事 前 確 率 p 1-p 条 件 確 率 c 1 c 2 結 合 確 率 P c 1 (1-p) c 2 事 後 確 率 P c 1 /(p c 1 +(1-p) c 2 ) (1- p) c 2 /(p c 1 +(1-p) c 2 ) Ⅰ2)が 保 因 者 である 確 率 が p であったものが 条 件 確 率 c1が 起 こることによって p c1/(p c1+(1-p) c2)の 事 後 確 率 に 変 わったことになります 15